説明

便器装置

【課題】トイレ空間を狭くすること無くパウチを洗浄する機能を有する便器装置を提供する。
【解決手段】便鉢102は、汚物を受け止める上面開口の汚物受部104を形成する。汚物受部104の後方の内壁面104aから前方に向けて、清水ノズル301が突出する。清水ノズル301の先端は、清水吐出口304となっている。清水供給部312は、清水ノズル301に清水FWを送る。清水吐出口304は、清水FWを汚物受部104の内側に向けて噴出する。清水供給部312から清水ノズル301への清水FWの供給は、清水用電磁弁310の開閉により制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストーマ(人工肛門や人工膀胱)からの汚物を受けるパウチを洗浄する機能を有する便器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な病気及び障害のためにストーマを保有する人々(オストメイト)がいる。オストメイトは、身体にパウチ(ストーマからの汚物を受ける袋)を装着している。オストメイトは、ストーマに溜まった汚物を適宜廃棄しなければならない。
【0003】
特許文献1には、便座が便鉢の上部に開閉自在に配設された便器に装着することができる便器用吐水装置が記載されている。この便器用吐水装置は、水洗器具と吐水ノズルとを有する。この吐水ノズルは、便座と便鉢との間に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−188200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の便器用吐水装置は、既存の便器に対して後付けで装着されるものである。このため、既存の便器が設置されるトイレ空間は、後付けされる便器用吐水装置に関わる各部によって狭くなる。
【0006】
本発明の目的は、トイレ空間を狭くすること無くパウチを洗浄する機能を有する便器装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の便器装置は、汚物を受け止める上面開口の汚物受部を形成する便鉢と、前記汚物受部の内壁面から突出しその先端が清水吐出口となっている清水ノズルと、前記清水ノズルに清水を送り前記清水吐出口から前記汚物受部の内側に向けて清水を吐出させる清水供給部と、開閉して前記清水供給部から前記清水ノズルへの清水の供給を制御する清水弁と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、便器装置には、予め、清水ノズル、清水供給部及び清水弁が設けてある。そして、清水ノズルは、便鉢の汚物受部の内壁面から突出して設けられていて、使用者は汚物受部の内部にパウチを位置付けて、清水ノズルから吐出される清水でパウチを洗うことができる。したがって、トイレ空間を狭くすること無くパウチを洗浄する機能を有する便器装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】便器装置の右断面図である。
【図2】便器装置の斜視図である。
【図3】清水ノズルの斜視図である。
【図4】清水ノズルの右断面図である。
【図5】便器装置が清水及び洗浄水を吐出する仕組みを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の一形態を、図1ないし図5に基づいて説明する。図1は、便器装置101の右断面図である。便器装置101は、便鉢102と、汚物貯留タンク103と、連通部107と、蓋ユニット201とを備える。
【0011】
便鉢102は、ステンレス鋼で形成される。便鉢102は、ボウル部102aと平板部102bとを有する。ボウル部102aの下面は、丸みを帯びている。ボウル部102a内には、汚物受部104が形成される。汚物受部104は、上面に開口する漏斗状の内空間であり、使用者(図示せず)が排泄する汚物(図示せず)を受け止める。ボウル部102aの上端からは、平板部102bが、汚物受部104に対して外側に広がっている。ボウル部102aの後方かつ平板部102bの下方には、エアシリンダ109、コントロールユニット110、清水用電磁弁310等の各部(いずれも後述)を格納可能な収納空間SPが形成される。なお、ここでいう「後方」とは、図1における右側方向をいう。そして、図1における左側方向を、以下の説明において「前方」ということがある。
【0012】
蓋ユニット201は、便鉢102の上面後方(図1における右側)に取り付けられる。詳しくは、蓋ユニット201は、覆体としての蓋ユニット基部202と、便座203と、便座蓋204とを備える。蓋ユニット基部202は、便鉢102の上面後方に取り付けられている。そして、蓋ユニット基部202は、その一部が汚物受部104の上方に位置するように、前方方向に迫り出している。また、蓋ユニット基部202は、汚物受部104の上方を開閉するように、便座蓋204を回動自在に支持する。そして、便座203は、便鉢102の上面と便座蓋204との間に位置する。蓋ユニット基部202は、便座203も回動自在に支持する。
【0013】
便鉢102において、汚物受部104の底には、タンク用開口105が開口する。また、汚物貯留タンク103は、便鉢102の下方に位置し、載置台112に載置される。汚物貯留タンク103の上面には、便鉢用開口106が開口する。便鉢用開口106と便鉢102の汚物受部104とは、連通部107により連通される。連通部107は、シャッタ108により開閉される。詳しくは、シャッタ108は、連通部107を閉止する閉止位置108Aと連通部107を開放する開放位置108Bとの間で移動自在となっている。シャッタ108は、エアシリンダ109によって閉止位置108Aと開放位置108Bとの間を動く。エアシリンダ109は、制御部としてのコントロールユニット110の制御を受けて動き、シャッタ108を閉止位置108Aと開放位置108Bとのいずれの位置に位置付ける。コントロールユニット110には、操作部としてのスイッチ部SWが取り付けられている。スイッチ部SWは、使用者が操作入力を行うためのもので、洗浄ボタンSW1と、清水吐出ボタンSW2とを備える。
【0014】
便器装置101の下方部分は、ケース111で覆われている。ケース111は、便鉢102の平板部102bの前方部分の下面と、載置台112の前方部分の上面との間に設けられる。ケース111は、取り外し自在である。ケース111により、使用者(図示せず)は、便鉢102の下面、汚物貯留タンク103、連通部107、エアシリンダ109、コントロールユニット110等が見えない。
【0015】
図2は、便器装置101の斜視図である。本実施の形態の便器装置101は、汚物受部104で受け止められた汚物を含む汚水を浄化して洗浄水を生成し、この洗浄水を洗浄水吐出部113から吐出させて汚物受部104内の洗浄に用いる仕組みを用いた循環式のものである。汚水を循環して洗浄水に変えこの洗浄水を用いて汚物受部104を洗浄する仕組みについては図5に基づいて後述する。
【0016】
汚物受部104の内壁面104aには、四つの洗浄水吐出部113と、二つの満水センサ114とが設けられる。洗浄水吐出部113は、図2に示すように、内壁面104aの左側及び右側のそれぞれに二つずつ設けられる。四つの洗浄水吐出部113は、いずれも同じ高さに位置する。また、満水センサ114は、図2に示すように、内壁面104aの左側及び右側のそれぞれに一つずつ設けられる。各満水センサ114は、いずれも、二つの洗浄水吐出部113の間に位置する。満水センサ114は、洗浄水吐出部113と同じ高さに位置する。
【0017】
いずれの洗浄水吐出部113も、洗浄水用ホース401(図5参照)を介して洗浄水タンク402(図5参照)に繋がっている。また、いずれの洗浄水吐出部113も、下方に隙間113aを有している。洗浄水吐出部113は、洗浄水用ホース401からの洗浄水WW(図5も参照)を、隙間113aから勢い良く噴出する。噴出した洗浄水WWは、内壁面104aを伝わり、この内壁面104aに付着した汚物(図示せず)をこそぎ落す。洗い流された汚物は、タンク用開口105に向けて流れる。
【0018】
満水センサ114は、汚物受部104に溜まった水を検出すると、コントロールユニット110(図1参照)に検出信号を出力する。満水センサ114に水が接触する場合の一例は、シャッタ108が閉止位置108Aに位置付けられた状態でエアシリンダ109が故障により動かなくなる場合である。また、別の一例は、汚物やトイレットペーパー等の異物により連通部107が詰まってしまう場合である。コントロールユニット110は、満水センサ114からの検出信号を受けた場合、洗浄水用ホース401の途中に設けられた洗浄水用電磁弁403(図5参照)を閉じ、洗浄水用ポンプ404(図5参照)を停止させ、洗浄水吐出部113から洗浄水WWが噴出しないようにする。
【0019】
図3は、清水ノズル301の斜視図である。便器装置101は、清水ノズル301を備える。清水ノズル301は、汚物受部104の内壁面104aで便鉢102の後方の箇所から前方に突出する。清水ノズル301は、一例として、ステンレス金属で形成される。この清水ノズル301は、筒部302とフランジ部303とを有する。筒部302は、内壁面104aにおいて便器装置101の後方から前方に突出し、前方に向かうにつれて下方に下がるよう曲がっている。筒部302は概ね円筒形状をなす。筒部302の先端は、清水吐出口304となっていて、円形状に開口している。この清水吐出口304からは、清水FW(図1、図2参照)が吐出される。また、フランジ部303は、パッキン308を介して、汚物受部104の内壁面104aと平行をなす向きに内壁面104aに取り付けられている。
【0020】
図4は、清水ノズル301の右断面図である。便鉢102は、汚物受部104の内壁面で便器装置101の後方で、蓋ユニット基部202の下方にあたる箇所に、貫通孔305を有する。貫通孔305の内径は、筒部302の外径と同じである。
【0021】
清水ノズル301において、フランジ部303は、筒部302の前方寄りに位置する。筒部302におけるフランジ部303よりも前方の部分を、湾曲部302aと呼ぶ。湾曲部302aは、前述したように曲がっている。筒部302におけるフランジ部303よりも後方の部分を、真直部302bと呼ぶ。真直部302bは、真っ直ぐに延びている。この真直部302bの外周には、雌ネジ部302baが形成されている。清水ノズル301は、真直部302bを貫通孔305の前方から挿入させることによって、便鉢102に取り付けられる。取り付けの際、パッキン308は、フランジ部303と汚物受部104の内壁面104aとの間に挟まれる。また、真直部302bは、貫通孔305の後方に突出する。ワッシャ302bb及び六角ボルト302bcは、突出している真直部302bの外周に内接させて装着される。六角ボルト302bcは、雌ネジ部302baに螺合し、フランジ部303とともに便鉢102における貫通孔305の周囲の部分を強固に挟み込む。このようにして、フランジ部303は、パッキン308を汚物受部104の内壁面に押し付け、貫通孔305の内周面と締付部材307の外周面との隙間に汚水が浸入することを防ぐ。このとき、清水吐出口304は下方に向けられる。また、清水吐出口304は、蓋ユニット基部202の下方で、蓋ユニット基部202の前方先端202aよりも後方に位置付けられる。また、清水吐出口304は、洗浄水吐出部113及び満水センサ114のいずれよりも高い位置に位置付けられる。
【0022】
貫通孔305に挿入された筒部302の真直部302bには、清水ホース306が取り付けられる。清水ホース306は、真直部302bの外周に密着する。そして、清水ホース306の外周には、締付部材307が取り付けられる。締付部材307は、清水ホース306を締め付け、清水ホース306を筒部302により一層密着させる。
【0023】
図1に戻る。清水ホース306は、清水送出部311(図5参照)に連結している。清水送出部311は、清水ノズル301に向けて清水FWを送り出す。その結果、清水FWが清水吐出口304から汚物受部104の内側に向けて吐出する。ここに、清水ホース306と清水送出部311とは、清水供給部312(図5参照)を構成する。清水ホース306の途中には、清水弁としての清水用電磁弁310が設けられている。清水用電磁弁310は、コントロールユニット110により制御を受けて開閉し、清水送出部311から清水ノズル301への清水FWの供給を制御する。
【0024】
図5は、便器装置101が清水FW及び洗浄水WWを吐出する仕組みを示す模式図である。便器装置101は、生物処理槽405と、濾過槽406と、濾過水タンク407と、オゾン処理槽408とを備える。汚物貯留タンク103内に溜まった汚物を含む汚水は、生物処理槽405に流れて有機物分解、硝化及び脱窒され、続いて濾過槽406に流れて固液分離されて濾過水となる。濾過水は、濾過水タンク407に一旦蓄えられ、その後に、オゾン処理槽408に入る。オゾン処理槽408は、濾過水を酸化により脱色する。これにより、濾過水は、洗浄水WWに変化する。洗浄水WWは、洗浄水タンク402に蓄えられる。なお、図5では、汚物貯留タンク103から洗浄水タンク402に至るまでの汚水及び濾過水の流れを矢印付き二重線で示している。そして、ここで重要なのは、本実施の形態の便器装置101では、汚物受部104の汚物を含む汚水を洗浄して洗浄水WWを生成し洗浄水吐出部113から吐出させる場合の汚水、濾過水及び洗浄水吐出部113の流れる経路と、清水FWの移動経路とは、別経路となっている、ということである。
【0025】
洗浄水用ホース401の途中には、洗浄水用電磁弁403が取り付けられている。洗浄水用電磁弁403は、コントロールユニット110の制御を受けて開閉する。また、洗浄水用ホース401において洗浄水用電磁弁403と洗浄水タンク402との間には、洗浄水用ポンプ404が取り付けられている。洗浄水用ポンプ404は、コントロールユニット110の制御を受けて洗浄水タンク402内の洗浄水WWを汲み上げ、洗浄水吐出部113に向けて送り出す。
【0026】
コントロールユニット110は、コンピュータを内蔵し、予め格納されているプログラムに従った制御を行う。このコントロールユニット110は、エアシリンダ109、満水センサ114、清水用電磁弁310、洗浄水用電磁弁403、洗浄水用ポンプ404及びスイッチ部SWのそれぞれに、配線を介して電気的に接続している。
【0027】
コントロールユニット110は、満水センサ114からの検出信号の入力を判定していない状態でスイッチ部SWの洗浄ボタンSW1が押されたことを判定すると、プログラムに従って、洗浄水用電磁弁403を開き洗浄水用ポンプ404を駆動し、第1の所定時間(例えば、4秒間)の経過後に、洗浄水用電磁弁403を閉じ洗浄水用ポンプ404を停止する。その結果、洗浄水吐出部113は、この第1の所定時間(4秒間)の間、洗浄水WWを噴出する。また、コントロールユニット110は、洗浄ボタンSW1が押されたことを判定してから第2の所定時間(例えば、3秒間)の経過後、エアシリンダ109を駆動してシャッタ108を開放位置108Bに位置付ける。その結果、連通部107が開き、汚物受部104の底に溜まった汚物及び洗浄水WWが汚物貯留タンク103に落下する。続いて、コントロールユニット110は、連通部107を開放してから第3の所定時間(例えば、3秒間)が経過した後、エアシリンダ109を駆動してシャッタ108を閉止位置108Aに位置付ける。その結果、連通部107が閉じ、汚物貯留タンク103に落下した汚物及び洗浄水WWから発する臭気が汚物受部104まで上昇することがなくなる。
【0028】
ここで、コントロールユニット110は、満水センサ114からの検出信号の入力を判定している場合、スイッチ部SWの洗浄ボタンSW1が押されたことを判定しても、洗浄水用電磁弁403を開かず、洗浄水用ポンプ404を駆動することもない。
【0029】
また、コントロールユニット110は、清水用電磁弁310にも、配線を介して電気的に接続している。清水用電磁弁310は、コントロールユニット110の制御を受けて開閉する。
【0030】
コントロールユニット110は、満水センサ114からの検出信号の入力を判定していない状態でスイッチ部SWの清水吐出ボタンSW2が押されたことを判定すると、プログラムに従って、清水用電磁弁310を開く。その結果、清水FWは清水ホース306内を清水送出部311から清水ノズル301に向けて移動し、清水吐出口304から吐出される。続いて、コントロールユニット110は、第4の所定時間(例えば、3秒間)の経過後、清水用電磁弁310を閉じる。そして、コントロールユニット110は、清水用電磁弁310を閉じた後、エアシリンダ109を駆動してシャッタ108を開放位置108Bに位置付けて汚物受部104内の清水FWを汚物貯留タンク103に落下させる。続いて、コントロールユニット110は、エアシリンダ109を駆動してシャッタ108を閉止位置108Aに位置付けて、連通部107が閉じる。
【0031】
ここで、コントロールユニット110は、満水センサ114からの検出信号の入力を判定している場合、スイッチ部SWの清水吐出ボタンSW2が押されたことを判定しても、清水用電磁弁310を開かない。
【0032】
使用者は、便器装置101に対して用を足した後、洗浄ボタンSW1を押す。その結果、洗浄水吐出部113から洗浄水WWが噴出して汚物受部104内の汚物が洗い流され、シャッタ108の開閉によって汚物が汚物貯留タンク103に収納される。
【0033】
また、本実施の形態の便器装置101では、清水ノズル301が便鉢102の汚物受部104の後方に予め取り付けられ、汚物受部104に向けて突出している。さらに、清水ノズル301からは、清水FWが排出される。そこで、使用者は、便器装置101を用いてパウチを洗浄する場合、パウチを持ってこのパウチを汚物受部104の内側に導き清水ノズル301の清水吐出口304の下方に位置付け、この状態で清水吐出ボタンSW2を押す。その結果、清水吐出口304から清水FWが吐出する。使用者は、この清水FWを用いてパウチを洗浄することができる。
【0034】
また、本実施の形態の便器装置101では、便鉢102の後方かつ下方に収納空間SPを形成され、そこにエアシリンダ109やコントロールユニット110等の各部が収納され、ケース111によって覆われている。このため、使用者にとってのパウチの洗浄の行いやすさを損なわずに、便器装置101の全体の大きさを小さくすることが実現され、ひいては、トイレ空間を広く確保することができる。このため、本実施の形態の便器装置101が電車やバス、飛行機等の乗物に搭載されると、コンパクトでありながらパウチの洗浄を行う乗客にとって使い勝手の良いトイレ空間が実現される。
【0035】
また、本実施の形態の便器装置101では、汚物を洗い流すための洗浄水WWは循環して用いられる。一方、清水FWは洗浄水WWとは異なる経路で供給され、清水ノズル301から吐出し、汚物受部104に落下する。このため、汚物受部104内の汚物を洗い流すための水の低減化と、清水FWによる衛生的なパウチの洗浄との両方が実現される。このため、本実施の形態の便器装置101を電車やバス、飛行機等の乗物に搭載した場合、乗り物に搭載すべき洗浄のための水の量を最小限に抑えることができる。
【0036】
さらに、本実施の形態の便器装置101では、清水ノズル301が蓋ユニット基部202の下方に位置する。このため、男性の足す尿が清水ノズル301にかからず、パウチを衛生的に洗浄することが実現される。
【0037】
さらに、本実施の形態の便器装置101では、清水ノズル301の清水吐出口304が満水センサ114よりも高い位置に設けられている。このため、連通部107が詰まる等により満水センサ114に水が接触することになっても、清水吐出口304に汚物及び洗浄水WWが接触することはない。
【0038】
なお、便鉢102の素材は、ステンレス鋼に限られることはない。一例として、便鉢102は、ステンレス鋼以外の金属で形成されてもよい。別の一例として、便鉢102は、樹脂で形成されても良い。
【符号の説明】
【0039】
101 便器装置
102 便鉢
104 汚物受部
104a 内壁面
110 コントロールユニット(制御部)
113 洗浄水吐出部
114 満水センサ
202 蓋ユニット基部(覆体)
301 清水ノズル
304 清水吐出口
310 清水用電磁弁(清水弁)
312 清水供給部
SW スイッチ部(操作部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚物を受け止める上面開口の汚物受部を形成する便鉢と、
前記汚物受部の内壁面から突出しその先端が清水吐出口となっている清水ノズルと、
前記清水ノズルに清水を送り前記清水吐出口から前記汚物受部の内側に向けて清水を吐出させる清水供給部と、
開閉して前記清水供給部から前記清水ノズルへの清水の供給を制御する清水弁と、
を備える便器装置。
【請求項2】
前記便鉢に取り付けられ、前記清水ノズルの上方に位置する覆体を備える、
請求項1記載の便器装置。
【請求項3】
前記汚物受部の内壁面で前記清水吐出口よりも低い位置に設けられる満水センサと、
操作入力を行うための操作部と、
前記満水センサが出力する検出信号の入力を判定しない場合には前記操作部からの操作入力に応じて前記清水弁を開閉し、前記満水センサが出力する検出信号の入力を判定した場合には前記清水弁を閉じたままにする制御部と、
を備える請求項1又は2記載の便器装置。
【請求項4】
前記汚物受部の内壁面で前記清水吐出口よりも低い位置に設けられる洗浄水吐出部と、
前記清水の移動経路とは別経路で、前記汚物受部で受け止められた汚物を含む汚水を洗浄して洗浄水を生成し当該洗浄水を前記洗浄水吐出部から吐出させる仕組みと、
を備える請求項1ないし3のいずれか一に記載の便器装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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