便器
【課題】一般家庭その他どこでも見られるような洋式の便器本体であり乍ら、特に男子が立った状態で使用しても尿や便器本体内に溜っていた水が便器本体外に飛散することがない便器を提供すること。
【解決手段】洗滌水の供給路と汚物の排出路を持った便器本体にあって、該便器本体を昇降させる機構をもたせてなる。
【解決手段】洗滌水の供給路と汚物の排出路を持った便器本体にあって、該便器本体を昇降させる機構をもたせてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、男女兼用の便器に関する。
【背景技術】
【０００２】
今や一般家庭やその他あらゆる場所の便器は、所謂「西洋式」と呼ばれる「座る」形式のものが主流となった。しかしこの種の便器装置は子供大人兼用で、子供が踏み台などを用いて使用することが多かった。
そこで、使用者の体格に応じて床と便座間の高さを簡単に調節できるものとして、身長計測用の人体センサを設け、便座や便器本体、あるいは床の高さを自動的に調節できるようにし、また、高さ調節用の操作板を設け使用者が簡単に好みの高さに調節できるようにしたものが案出（特許文献１）されている。
【０００３】
また、液圧シリンダーを用いて便座を昇降自在とするとともに、液圧シリンダー内の水道水を有効に利用できる便座昇降トイレも案出（特許文献２）されており、液圧シリンダーに水道水を出し入れする液圧回路を具備し、液圧シリンダーに水道水を導入することによって便座が上昇し、便座が下降する際に液圧シリンダーから排出される水道水を、ロータンクに排出するように液圧回路を形成したものもある。（特許文献２参照）
【０００４】
さらに、便座を３つ以上のレベルで停止させる機能をもったトイレ装置（特許文献３）もあるが、従来のいままでの発明は子供や大人用にいずれも便座を昇降させるものであった。
【０００５】
【特許文献１】特開２００１−３２１２９３
【特許文献２】特開平１１−９５０２
【特許文献３】特開２００３−１２５９７７
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
さて、一般家庭その他の通常の洋式便所にあって、特に男性が立った蓋の状態で小用を行うとき、便座を立てて便器本体内に放尿するのであるが、当該便器本体はその高さが低い為放尿の際、過って尿が飛散させたり、便器本体内に溜っている水に当接し、この水をも便器周囲に飛散したりするので、頗る不衛生であるばかりか、このため度重なる掃除を余儀なくされていたのである。
【０００７】
総じて本発明の目的は、上記の欠点を除去するもので、一般家庭その他どこでも見られるような洋式の便器本体であり乍ら、特に男子が立った状態で使用しても尿や便器本体内に溜っていた水が便器本体外に飛散することがない便器を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の特徴は、婦女や子供が「小用」を行うときあるいは「大用」の場合、便器本体は従来通り低い状態のものとし、特に男子の「小用」のときは、所定の位置に便器本体を上昇させる機能を兼ね備えたことである。
【発明の効果】
【０００９】
従って本発明便器を用いて特に男性が立った姿で「小用」をする場合は、便器本体を身体の放尿箇所に近い位置まで上昇させてから放尿するものであるから、それが高い場所から低い便器に落下させるのと異なり、全て便器本体内に放出されて便器本体外に飛散するような虞はないのである。
【００１０】
また従来の低い状態の便器の場合、汚物を処理するため便器本体内に少し水を溜めておくが、上記のように男子が立姿で放尿する場合の便器本体を上昇させる際、かかる便器本体内の水は汚物の排出管方向に落下して、便器本体内に溜っておらず、この為、放出された尿等によってかかる水が飛散し、便器本体周囲を汚すような虞れもないのである。
【実施例】
【００１１】
図で（１）は一般家庭やどこでもみられる通常の「洋式」と呼ばれる便器本体であり、（２）はその上辺に沿わせた公知の便座である。
【００１２】
また（３）は、上記便器本体（１）の内部底面に一端を開口させた汚物の排出管で、他端はこの実施例では合成ゴムの蛇腹状のような、可撓性ある材質と構造で作られたホース（４）を介して図示しない汚物の吸引機構と接続している。
【００１３】
また（５）は便器本体（1）内の背面に一端を開口した洗滌水の供給管で、その図示しない供給源との間に上記と同様蛇腹状の給水ホース（６）を介している。
【００１４】
さらに図中（７）（８）は、便器本体（1）の背面から外方向に突出させた上下一対の軸受けであり、それぞれ内ねじ（９）（１０）が刻設されている。
【００１５】
（１１）はこの内ねじ（９）（１０）に螺合する垂直な長ねじで、その末端はかかる内ねじ（１１）の駆動源（１２）と連なっている。
【００１６】
さらに（１３）は上記便器本体（１）の周辺の床上に植設したペタルスイッチで、上記の駆動源（１２）と電気的に接続されている。
【００１７】
なお（１４）は身体の高さのセンサで上記同様駆動源（１２）と接続させてもよい。
【００１８】
而して図２は、婦女、子供あるいは「大用」で、本発明便器を利用している状態を示している。いま男子が所謂「小用」の為、本発明便器を使用したいと思った場合、ペタルスイッチ（１３）を踏む。
【００１９】
斯くなすことによって駆動源（１２）が駆動するので、長ねじ（１１）は廻動し、軸受け（７）（８）は内ねじ（９）（１０）との螺合で上昇し、その結果便器本体（１）は図３のように身体の放尿箇所に近い位置で停止する。而してこの状態で放尿すれば、全ては便器本体（１）内に放出され、低い状態の便器本体に放出するのと異なり、便器本体外に尿が飛散する虞がない。
【００２０】
また低い状態にある便器本体（１）内とは、図１のＡのように汚物の排出を促す為に水を溜めておくが、かかる水は便器本体（１）を上昇させたとき排出管（３）方向に流れ落ちるので、放尿の際かかる溜水に当り便器本体（１）外に飛散するような虞もないのである。
【００２１】
なお、図の（１４）のようにペタルスイッチ（１３）以外に身体の高さ等を測る、あるいは、手を掲げることで作動するセンサを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】便器本体全体の一部断面説明図
【図２】通常「子供」「婦女」「大用」として、便器本体を使用している状態の説明図
【図３】男性の立姿で「小用」している状態の説明図
【符号の説明】
【００２３】
Ａ 水
１ 便器本体
２ 便座
３ 排出管
４ 排水ホース
５ 供給管
６ 給水ホース
７ 軸受け
８ 軸受け
９ 内ねじ
１０ 内ねじ
１１ 長ねじ
１２ 駆動源
１３ ペタルスイッチ
１４ センサ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、男女兼用の便器に関する。
【背景技術】
【０００２】
今や一般家庭やその他あらゆる場所の便器は、所謂「西洋式」と呼ばれる「座る」形式のものが主流となった。しかしこの種の便器装置は子供大人兼用で、子供が踏み台などを用いて使用することが多かった。
そこで、使用者の体格に応じて床と便座間の高さを簡単に調節できるものとして、身長計測用の人体センサを設け、便座や便器本体、あるいは床の高さを自動的に調節できるようにし、また、高さ調節用の操作板を設け使用者が簡単に好みの高さに調節できるようにしたものが案出（特許文献１）されている。
【０００３】
また、液圧シリンダーを用いて便座を昇降自在とするとともに、液圧シリンダー内の水道水を有効に利用できる便座昇降トイレも案出（特許文献２）されており、液圧シリンダーに水道水を出し入れする液圧回路を具備し、液圧シリンダーに水道水を導入することによって便座が上昇し、便座が下降する際に液圧シリンダーから排出される水道水を、ロータンクに排出するように液圧回路を形成したものもある。（特許文献２参照）
【０００４】
さらに、便座を３つ以上のレベルで停止させる機能をもったトイレ装置（特許文献３）もあるが、従来のいままでの発明は子供や大人用にいずれも便座を昇降させるものであった。
【０００５】
【特許文献１】特開２００１−３２１２９３
【特許文献２】特開平１１−９５０２
【特許文献３】特開２００３−１２５９７７
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
さて、一般家庭その他の通常の洋式便所にあって、特に男性が立った蓋の状態で小用を行うとき、便座を立てて便器本体内に放尿するのであるが、当該便器本体はその高さが低い為放尿の際、過って尿が飛散させたり、便器本体内に溜っている水に当接し、この水をも便器周囲に飛散したりするので、頗る不衛生であるばかりか、このため度重なる掃除を余儀なくされていたのである。
【０００７】
総じて本発明の目的は、上記の欠点を除去するもので、一般家庭その他どこでも見られるような洋式の便器本体であり乍ら、特に男子が立った状態で使用しても尿や便器本体内に溜っていた水が便器本体外に飛散することがない便器を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の特徴は、婦女や子供が「小用」を行うときあるいは「大用」の場合、便器本体は従来通り低い状態のものとし、特に男子の「小用」のときは、所定の位置に便器本体を上昇させる機能を兼ね備えたことである。
【発明の効果】
【０００９】
従って本発明便器を用いて特に男性が立った姿で「小用」をする場合は、便器本体を身体の放尿箇所に近い位置まで上昇させてから放尿するものであるから、それが高い場所から低い便器に落下させるのと異なり、全て便器本体内に放出されて便器本体外に飛散するような虞はないのである。
【００１０】
また従来の低い状態の便器の場合、汚物を処理するため便器本体内に少し水を溜めておくが、上記のように男子が立姿で放尿する場合の便器本体を上昇させる際、かかる便器本体内の水は汚物の排出管方向に落下して、便器本体内に溜っておらず、この為、放出された尿等によってかかる水が飛散し、便器本体周囲を汚すような虞れもないのである。
【実施例】
【００１１】
図で（１）は一般家庭やどこでもみられる通常の「洋式」と呼ばれる便器本体であり、（２）はその上辺に沿わせた公知の便座である。
【００１２】
また（３）は、上記便器本体（１）の内部底面に一端を開口させた汚物の排出管で、他端はこの実施例では合成ゴムの蛇腹状のような、可撓性ある材質と構造で作られたホース（４）を介して図示しない汚物の吸引機構と接続している。
【００１３】
また（５）は便器本体（1）内の背面に一端を開口した洗滌水の供給管で、その図示しない供給源との間に上記と同様蛇腹状の給水ホース（６）を介している。
【００１４】
さらに図中（７）（８）は、便器本体（1）の背面から外方向に突出させた上下一対の軸受けであり、それぞれ内ねじ（９）（１０）が刻設されている。
【００１５】
（１１）はこの内ねじ（９）（１０）に螺合する垂直な長ねじで、その末端はかかる内ねじ（１１）の駆動源（１２）と連なっている。
【００１６】
さらに（１３）は上記便器本体（１）の周辺の床上に植設したペタルスイッチで、上記の駆動源（１２）と電気的に接続されている。
【００１７】
なお（１４）は身体の高さのセンサで上記同様駆動源（１２）と接続させてもよい。
【００１８】
而して図２は、婦女、子供あるいは「大用」で、本発明便器を利用している状態を示している。いま男子が所謂「小用」の為、本発明便器を使用したいと思った場合、ペタルスイッチ（１３）を踏む。
【００１９】
斯くなすことによって駆動源（１２）が駆動するので、長ねじ（１１）は廻動し、軸受け（７）（８）は内ねじ（９）（１０）との螺合で上昇し、その結果便器本体（１）は図３のように身体の放尿箇所に近い位置で停止する。而してこの状態で放尿すれば、全ては便器本体（１）内に放出され、低い状態の便器本体に放出するのと異なり、便器本体外に尿が飛散する虞がない。
【００２０】
また低い状態にある便器本体（１）内とは、図１のＡのように汚物の排出を促す為に水を溜めておくが、かかる水は便器本体（１）を上昇させたとき排出管（３）方向に流れ落ちるので、放尿の際かかる溜水に当り便器本体（１）外に飛散するような虞もないのである。
【００２１】
なお、図の（１４）のようにペタルスイッチ（１３）以外に身体の高さ等を測る、あるいは、手を掲げることで作動するセンサを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００２２】
【図１】便器本体全体の一部断面説明図
【図２】通常「子供」「婦女」「大用」として、便器本体を使用している状態の説明図
【図３】男性の立姿で「小用」している状態の説明図
【符号の説明】
【００２３】
Ａ 水
１ 便器本体
２ 便座
３ 排出管
４ 排水ホース
５ 供給管
６ 給水ホース
７ 軸受け
８ 軸受け
９ 内ねじ
１０ 内ねじ
１１ 長ねじ
１２ 駆動源
１３ ペタルスイッチ
１４ センサ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
洗滌水の供給路と汚物の排出路を持った便器本体にあって、該便器本体を昇降させる機構をもたせた便器。
【請求項１】
洗滌水の供給路と汚物の排出路を持った便器本体にあって、該便器本体を昇降させる機構をもたせた便器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００６−１７６９６５（Ｐ２００６−１７６９６５Ａ）
【公開日】平成１８年７月６日（２００６．７．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３６８７６４（Ｐ２００４−３６８７６４）
【出願日】平成１６年１２月２１日（２００４．１２．２１）
【出願人】（５９５１５３３５４）株式会社江商 (19)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年７月６日（２００６．７．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１２月２１日（２００４．１２．２１）
【出願人】（５９５１５３３５４）株式会社江商 (19)
【Ｆターム（参考）】
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