説明

便座

【課題】開口寸法を調整可能とした便座において、大人使用状態では一般の便座と同一形態とすることができる便座を提供する。
【解決手段】便座1は、中央に便鉢内に臨む開口2aを有した環状の便座本体2と、該便座本体2の開口寸法を小さくするように該開口2a内に突出可能に設けられた板体3を備えている。便座本体2の後部に板体退避部4が設けられており、この板体退避部4内に、板体3が前後方向に進退可能に収容されている。板体3の前縁3aは凹に湾曲している。子供使用時には、板体3を板体退避部4から開口2a内に引き出して該開口2aの前後寸法を小さくする。大人使用時には、板体3を板体退避部4に後退させて開口2aの前後寸法を一般の便座と同等とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器に設置される便座に係り、特に開口寸法が可変である便座に関する。
【背景技術】
【0002】
洋風便器に設置される便座は、大人が座って用便するのに適した開口寸法とされており、体格の小さい子供が座るには、開口寸法が大き過ぎることがある。特開平11−287には、便座を左右の2枚の円弧状の板で構成し、左右の板を接近・離反方向へ回動可能とすることにより、便座開口の左右幅を調整可能とした便座が記載されている。
【0003】
また、同号には、左右の円弧状の板を前後移動可能とすることにより、便座開口の前後方向の寸法を調整可能とした便座が記載されている。
【特許文献1】特開平11−287
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特開平11−287において、左右の円弧状の板を接近させて開口の左右幅を小さくした場合、板が便器の便鉢の上面から外れる(便鉢の左右の上面が便座で覆われずに露呈する)ことがないようにするために、板幅を大きくする必要がある。そのため、大人使用時には板が便器から左右に徒に大きく張り出してしまい、便蓋の閉止に支障が生じる。
【0005】
また、上記特開平11−287において、円弧状の板を後退させて開口の前後寸法を小さくした場合、板の前部が便鉢上面から外れる(便鉢の前部の上面が便座で覆われずに露呈する)ことがないようにするために、板の前後寸法を大きくする必要がある。そのため、大人使用時には板が便鉢前方へ徒に大きく張り出してしまい、大人にとって座りにくいものとなる。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、開口寸法を調整可能とした便座において、大人使用状態では一般の便座と同一形態とすることができる便座を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の便座は、便座の内周縁から、便座の開口寸法を小さくするように突出可能な板体を備えてなるものである。
【0008】
請求項2の便座は、請求項1において、前記板体は、便座の開口の後縁から前方へ突出可能であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の便座は、請求項1において、前記板体は、便座の開口の左右の側縁から互いに接近方向に突出可能であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の便座は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記板体の突出方向先端側の辺部は凹に湾曲していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の便座にあっては、板体を便座開口の内周縁から突出させることにより、開口寸法を小さくし、子供使用に適した開口寸法とすることができる。板体を便座内に後退させると、便座の外観形態は一般の便座と同じとなり、大人使用に適したものとなる。また、この場合、便蓋を閉めるのに全く支障が生じない。
【0012】
なお、板体を便座開口の後縁から前方へ突出させた場合には、開口の前後寸法を小さくすることができる。板体を便座開口の左右の側縁から互いに接近方向に突出させた場合には、開口の左右寸法を小さくすることができる。
【0013】
板体の突出方向先端側の辺部を凹に湾曲させることにより、子供使用状態において、開口の内周縁が一般の便座の内周縁と同様の凹曲形状となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
第1図は実施の形態に係る便座の大人使用時の斜視図、第2図はこの便座の子供使用時の斜視図、第3図はこの便座の水平断面図である。なお、第3図(a)は大人使用時を示し、第3図(b)は子供使用時を示している。
【0016】
この便座1は、洋風便器(図示略)の便鉢上面を覆うように配置され、その中央に該便鉢内に臨む開口2aを有した環状の便座本体2と、該便座本体2の開口寸法を小さくするように該開口2a内に突出可能に設けられた板体3等を備えている。
【0017】
該便座本体2は、その後端部に設けられたヒンジ部2b,2bを介して洋風便器の後部上面に対し、又は洋風便器の後部上面に設置された便座ボックス等のケーシング(図示略)に対し起倒回動可能に取り付けられている。
【0018】
板体3が開口2a内に突出していない状態(以下、この状態のときを大人使用時という。)における該開口2aの寸法及び便座本体2の外周側の寸法は、それぞれ一般の便座と同等となっている。即ち、この便座本体2自体は、一般の便座と同様の、大人が座って用便するのに適した外観形態とされている。具体的には、該開口2aは、前後方向の開口寸法が280〜305mmとされ、左右方向の開口寸法が195〜205mmとされており、便座本体2は、外周側の前後方向の寸法が420〜450mmとされ、外周側の左右方向の寸法が360〜370mmとされている。
【0019】
この実施の形態では、便座本体2の後部に、大人使用時に板体3を開口2aから退避させる板体退避部4が設けられている。即ち、この実施の形態では、該板体3は、開口2aの後縁から該開口2a内に突出しうるように構成されている。
【0020】
該板体退避部4は、この実施の形態では、開口2aの後縁の厚さ方向の中間付近から略水平に便座本体2の内部に穿設されたスロット状の空所よりなる。第3図(a),(b)の通り、この板体退避部4の左右方向の幅は開口2aの左右方向の開口寸法よりも大となっている。この板体退避部4の左右両端側は、それぞれ開口2aの左右の側縁に回り込み、該開口2aの後縁から所定距離前方まで延在している。
【0021】
板体3は、この板体退避部4内に略水平に且つ前後方向に進退可能に収容されている。この板体3の左右方向の幅も、開口2aの左右方向の幅よりも大となっている。
【0022】
なお、この実施の形態では、該板体3は、ABSやPBT等の硬質な材料にて構成されているが、布やゴムシート等の柔軟な材料にて構成されてもよい。また、硬質な材料に柔軟な材料を重ねて構成してもよい。
【0023】
この実施の形態では、該板体3の左右両端側からそれぞれ側方へレバー3aが突設されている。便座本体2の左右の側面には、それぞれ、このレバー3aの前後方向の移動を案内するガイド溝4aが設けられている。各ガイド溝4aは、便座本体2の左右の側面を略水平に貫通して板体退避部4内に連通している。各レバー3aは、それぞれ、このガイド溝4aを通って便座本体2の左右の側面から側方へ延出している。
【0024】
この実施の形態では、このレバー3aを前後に動かすことにより、板体3を前後進させることができる。
【0025】
第3図(a),(b)に示すように、この実施の形態では、板体3の前縁3bは凹に湾曲したものとなっている。この前縁3bの凹形状は、開口2aの後縁の平面視形状と略合致するものとなっており、第3図(a)の通り、板体3が板体退避部4に退避した状態においては、この板体3の前縁3bが開口2aの後縁と面一状となるように構成されている。
【0026】
本発明においては、板体3が開口2a内に突出した状態(以下、この状態のときを子供使用時という。)における該開口2aの後縁から板体3の前縁3aまでの最大突出距離T(第3図(b))は、10〜60mm、特に27〜44mm、とりわけ25〜40mmであることが好ましい。
【0027】
この便座1の使用方法は次の通りである。
【0028】
子供使用時には、第2図及び第3図(b)のように、左右のレバー3aを手前に引いて板体3を開口2aの後縁から該開口2a内に突出させる。これにより、開口2aの前後方向の開口寸法が小さくなり、体格の小さい子供が便座1に座って使用するのに適したものとなる。
【0029】
大人使用時には、第1図及び第3図(a)のように、左右のレバー3aを後方へ押して板体3を開口2aから板体退避部4内に退避させる。これにより、開口2aの前後左右の寸法が一般の便座と同等となり、大人が便座1に座って用便するのに適したものとなる。
【0030】
この便座1にあっては、大人使用時には、便座本体2の外観形態が実質的に一般の便座と同一となる。従って、大人使用時に便座1が座りにくいものとなったり、便蓋を閉めるのに支障が生じたりすることが全くない。
【0031】
この実施の形態では、板体3の前縁3bは凹に湾曲しているので、子供使用時にあっても、開口2aの前縁及び両側縁とこの板体3の前縁3bとによって構成される開口の内周縁は、一般の便座の内周縁と同様に凹曲面となる。このため、子供使用時にも便座1が子供の臀部にフィットする。なお、この実施の形態では、この板体3の前縁3bの凹形状は開口2aの後縁の平面視形状と合致するものとなっており、板体3が板体退避部4に退避した状態においては、この板体3の前縁3bと開口2aの後縁とが面一状となるため、大人使用時の座り心地も良好である。
【0032】
上記の実施の形態では、便座本体2の左右の側面から側方へ延出したレバー3aを前後に動かすことにより板体3を開口2a内に進退させるように構成しているが、板体3の操作機構はこれに限定されない。第4図及び第5図に板体3の操作機構の別の構成例を示す。第4図及び第5図は、それぞれ、レバー3aとは別の板体操作機構を有する便座の水平断面図である。なお、第4図(a)及び第5図(a)は大人使用時を示し、第4図(b)及び第5図(b)は子供使用時を示している。
【0033】
第4図の便座1Aにおいては、前述のレバー3aの代わりに、板体3の前縁3bから、操作者が摘む舌片状の摘み部3cが突設されている。この実施の形態では、板体退避部4は、便座本体2の左右の側面には連通していない。
【0034】
この便座1Aのその他の構成は前述の第1〜3図の便座1と同様であり、第4図において第1〜3図と同一符号は同一部分を示している。
【0035】
この便座1Aにあっては、子供使用時には、第4図(b)のように、摘み部3cを摘んで手前に引き、板体3を開口2aの後縁から該開口2a内に突出させる。これにより、開口2aの前後方向の開口寸法が小さくなり、体格の小さい子供が便座1Aに座って用便するのに適したものとなる。
【0036】
大人使用時には、第4図(a)のように、摘み部3c又は板体3の前縁3bを後方へ押して板体3を開口2aから板体退避部4内に退避させる。これにより、開口2aの開口寸法が一般の便座と同程度となり、大人が便座1Aに座って用便するのに適したものとなる。
【0037】
なお、この実施の形態では、摘み部3cは板体3の前縁3bの左右方向の中間付近に1個設けられているが、摘み部3cの個数及び配置はこれに限定されるものではなく、例えば左右方向に配置位置を異ならせて2個以上設けられてもよい。
【0038】
この実施の形態では、摘み部3cは略方形の舌片状のものとなっているが、摘み部3cの構成はこれに限定されるものではなく、手や指が掛けられるリング状のものや、紐状のものであってもよい。
【0039】
第5図の便座1Bにおいては、レバー3aの代わりに、板体3を前後にそれぞれ引っ張るためのプルケーブル5f,5rが設けられている。
【0040】
この実施の形態では、便座本体2の内部に、該便座本体2の前端側を回り込んで板体退避部4の左右両端側を連通したトンネル状の第1ケーブル通路6aと、該第1ケーブル通路の延在方向中間付近から前方へ分岐し、その前端側が便座本体2の前端面に開口した第2ケーブル通路6bと、便座本体2の後端面の左右方向の中間付近から板体退避部4内に連通した第3ケーブル通路6cとが設けられている。
【0041】
この実施の形態では、板体3の前部の左端側及び右端側にそれぞれプルケーブル5fの一端が接続されている。これらのプルケーブル5f,5fは、それぞれ第1ケーブル通路6a及び第2ケーブル通路6b内を引き通され、他端側が該第2ケーブル通路6bから便座本体2の前方へ引き出されている。なお、これらのプルケーブル5f,5f同士は、途中で合流し、他端側が1本のケーブルとなっていてもよい。符号5aは、このプルケーブル5fの他端に取り付けられたノブを示している。
【0042】
後側のプルケーブル5rは、一端が板体3の後縁の左右方向中間付近に接続され、他端側は第3ケーブル通路6cを通って便座本体2の後方へ引き出されている。符合5bは、このプルケーブル5rの他端に取り付けられたノブを示している。
【0043】
この便座1Bのその他の構成は前述の第1〜3図の便座1と同様であり、第5図において第1〜3図と同一符号は同一部分を示している。
【0044】
この便座1Bにあっては、子供使用時には、第5図(b)のように、前側のプルケーブル5fを手前に引っ張って板体3を前進させ、開口2a内に板体3を突出させる。これにより、開口2aの前後方向の開口寸法が小さくなり、体格の小さい子供が便座1Bに座って用便するのに適したものとなる。
【0045】
大人使用時には、第5図(a)のように、後側のプルケーブル5rを後方へ引っ張って板体3を開口2aから板体退避部4内に後退させる。これにより、開口2aの開口寸法が一般の便座と同程度となり、大人が便座1Bに座って用便するのに適したものとなる。
【0046】
なお、上記の各実施の形態はいずれも板体3の操作機構の一例を示すものであり、板体操作機構の構成は上記の各実施の形態の構成に限定されない。
【0047】
上記の各実施の形態では、板体3は、開口2aの後縁から該開口2a内に突出するものとなっているが、本発明においては、板体3を開口2aの左右の側縁から該開口2a内に突出させるように構成してもよい。第6図はこのように構成された便座の水平断面図である。
【0048】
第6図の便座1Cは、便座本体2の開口2aの左右の側縁から互いに接近方向に突出可能に設けられた板体7L,7Rを備えている。
【0049】
この実施の形態でも、該開口2aの内周縁の厚さ方向の中間付近から便座本体2の内部に略水平に穿設されたスロット状の空所が設けられ、この空所内が、大人使用時に板体7L,7Rがそれぞれ開口2aから退避する板体退避部8となっている。この実施の形態では、該板体退避部8は、開口2aの内周縁の全周にわたって周設されている。
【0050】
板体7L,7Rは、それぞれ該開口2aの左右の側縁に沿って略水平に配置され、互いに接近・離反方向に進退可能に該板体退避部8内に収容されている。各板体7L,7Rの前後方向の長さは、開口2aの前後寸法よりも大となっており、各々の前端側及び後端側は、それぞれ、板体退避部8のうち開口2aの前縁に沿う部分及び開口2aの後縁に沿う部分に収容されている。
【0051】
第6図(a)に示すように、この実施の形態でも、各板体7L,7Rの突出方向先端側の縁部7aは、それぞれ凹に湾曲したものとなっている。これらの縁部7aの凹形状は、それぞれ開口2aの左右の側縁の平面視形状と略合致するものとなっており、各板体7L,7Rが板体退避部8に退避した状態においては、これらの縁部7aがそれぞれ開口2aの左右の側縁と面一状となるように構成されている。
【0052】
本発明においては、子供使用時における開口2aの左右の側縁から各板体7L,7Rの縁部7aまでの最大突出距離Ts(第6図(b))は、それぞれ5〜25mm、特に10〜20mmであることが好ましい。
【0053】
この便座1Cのその他の構成は前述の第1〜3図の便座1と同様であり、第6図において第1〜3図と同一符号は同一部分を示している。
【0054】
この実施の形態では、各板体7L,7Rの縁部7aから、それぞれ、操作者が摘む舌片状の摘み部7bが突設されている。なお、この実施の形態では、各板体7L,7Rの縁部7aの前後方向の中間付近に1個の摘み部7bが設けられているが、前後方向に配置位置を異ならせて2個以上設けられてもよい。
【0055】
この便座1Cの使用方法は次の通りである。
【0056】
子供使用時には、第6図(b)のように、各板体7L,7Rの摘み部7bを摘んで各板体7L,7Rを開口2aの左右の側縁からそれぞれ該開口2a内に引き出す。これにより、開口2aの左右方向の開口寸法が小さくなる。なお、この実施の形態では、各板体7L,7Rの縁部7aの前端側及び後端側がそれぞれ開口2aの前縁及び後縁に沿って湾曲しているため、第6図(b)の通り、各板体7L,7Rを開口2a内に引き出すと、開口2aの前後方向の寸法も若干小さくなる。これにより、便座1Cは、体格の小さい子供が座って使用するのに適したものとなる。
【0057】
大人使用時には、第6図(a)のように、各板体7L,7Rの摘み部7b又は各板体7L,7Rの縁部7aを側方へ押して各板体7L,7Rを開口2aから板体退避部8内に退避させる。これにより、開口2aの前後左右の寸法が一般の便座と同等となり、大人が便座1Cに座って用便するのに適したものとなる。
【0058】
この便座1Cにあっても、大人使用時には、便座本体2の外観形態が実質的に一般の便座と同一となる。従って、大人使用時に便座1Cが座りにくいものとなったり、便蓋を閉めるのに支障が生じたりすることが全くない。
【0059】
この実施の形態でも、各板体7L,7Rの突出方向先端側の縁部7aは凹に湾曲しているので、子供使用時にあっても、この板体7L,7Rの縁部7aによって構成される開口の内周縁は、一般の便座の内周縁と同様に凹曲面となる。このため、子供使用時にも便座1Cが子供の臀部にフィットする。また、この実施の形態でも、各板体7L,7Rの縁部7aの凹形状は開口2aの左右の側縁の平面視形状と合致するものとなっており、各板体7L,7Rが板体退避部8に退避した状態においては、この板体7L,7Rの縁部7aと開口2aの左右の側縁とが面一状となるため、大人使用時の座り心地も良好である。
【0060】
なお、この実施の形態では、各板体7L,7Rの縁部7aから突設された摘み部7bを摘んで各板体7L,7Rを開口2a内に進退させるように構成されているが、各板体7L,7Rの操作機構はこれに限定されない。
【0061】
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の各実施の形態に限定されない。
【0062】
例えば、上記の各実施の形態では、板体3,7R,7Lはいずれも手動により進退されるように構成されているが、電動モータや、油圧又はガス圧等によるシリンダ機構、あるいはソレノイドなどの駆動力を用いて板体を進退させるように構成してもよい。
【0063】
上記の第1〜3図、第4図及び第5図の実施の形態では、板体3が開口2aの後縁から該開口2a内に突出するように構成され、第6図の実施の形態では、板体7L,7Rがそれぞれ開口2aの左右の側縁から該開口2a内に突出するように構成されているが、板体の突出方向はこれに限定されない。例えば、図示は省略するが、開口2aの後縁及び左右の側縁の三方から該開口2a内に突出するように構成してもよい。
【0064】
上記の各実施の形態では、便座本体2の開口2aの内周縁から該便器本体2の内部にスロット状に穿設された空所よりなる板体退避部4,8が設けられ、この板体退避部4,8内に板体3,7L,7Rが進退可能に収容されているが、板体の配置はこれに限定されない。例えば、図示は省略するが、板体を便座本体の上面側又は下面側に重ねて配置し、該板体がこの便座本体の上面又は下面に沿って進退しうるように構成してもよい。
【0065】
図示は省略するが、本発明では、便座開口の同一サイドの縁部から該開口内に複数枚の板体が突出するように構成してもよい。この場合、例えば、該開口の縁部に複数枚の板体を重ねて又は折り畳み状に配置し、1枚目の板体を開口内に引っ張り出すと、これに引き続いて2枚目以降の板体が順次開口内に引き出されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施の形態に係る便座の大人使用時の斜視図である。
【図2】図1の便座の子供使用時の斜視図である。
【図3】図1の便座の水平断面図である。
【図4】別の板体操作機構を有する便座の水平断面図である。
【図5】別の板体操作機構を有する便座の水平断面図である。
【図6】別の実施の形態に係る便座の水平断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1,1A〜1C 便座
2 便座本体
3,7L,7R 板体
3a レバー
3c,7b 摘み部
4,8 板体退避部
5f,5r プルケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座の内周縁から、便座の開口寸法を小さくするように突出可能な板体を備えてなる便座。
【請求項2】
請求項1において、前記板体は、便座の開口の後縁から前方へ突出可能であることを特徴とする便座。
【請求項3】
請求項1において、前記板体は、便座の開口の左右の側縁から互いに接近方向に突出可能であることを特徴とする便座。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記板体の突出方向先端側の辺部は凹に湾曲していることを特徴とする便座。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−183613(P2009−183613A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29162(P2008−29162)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】