説明

保守が簡略化された飲料装置

所定の地理的市場のための、第1の原料と第2の原料との組合せから飲料を調製する装置(1)。該装置は第1の容器(10)および第2の容器(5)を備え、各容器がこれらの原料および/またはそれらのパッケージ(1)のうちの1つを格納するようになっている。そのような装置は、飲料の任意の調製のために第1の原料と第2の原料との量比率をユーザに選択させるようになっている。第1および第2の容器は、格納されるべきそれらのそれぞれの原料および/またはパッケージのためのそれぞれの第1および第2の通常格納容積部を有する。容器の第1および第2の通常格納容積部は、所定の地理的市場でそのような飲料を調製するための推定平均量比率で使用される第1および第2の原料および/またはそれらのパッケージを格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しい容積比率を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ユーザによる飲料調製装置(beverage preparation machine)の通常の保守(service)の最適化に関し、特に、装置内での新鮮な原料の供給、および、装置による収集廃棄材料の除去の管理に関する。
【0002】
本明細書本文の目的で、「飲料」は、ティー、コーヒー、ホットチョコレートまたはコールドチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液体食品を含むべく意図される。
【背景技術】
【0003】
特定の飲料調製装置は、抽出されるべきあるいは溶解されるべき原料を収容するカプセルを使用し、また、他の装置において、原料は、装置内に格納されて自動的に投入され、あるいは、飲料の調製時に加えられる。
【0004】
コーヒー装置などの様々な飲料装置は、液体、通常は水を、冷たい、あるいは加熱手段によって加熱される水リザーバーから、混合または煎じ出しチャンバへ循環させるようになっており、混合または煎じ出しチャンバでは、例えばカプセル内のバルク原料または予めパッケージングされた原料に対して循環液体を晒すことにより飲料が実際に調製される。このチャンバから、調製された飲料が、通常は、飲料の注出(dispense)のための領域、例えば飲料装置内に構成されるあるいは飲料装置と関連付けられるカップまたはマグカップ支持領域の上側に配置される飲料出口へ案内される。調製プロセス中または調製プロセス後、使用済みの原料および/またはそれらのパッケージが収集用の受容器(receptacle)へ排出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体リザーバーが空になるときあるいは収集受容器が満杯になるときには常に、ユーザは、更なる飲料を調製できるようにリザーバーを補充しあるいは受容器を空にそれぞれしなければならない。
【0006】
使用済みカプセルは、例えば欧州特許第1731065号明細書で言及されるような装置の使用済みカプセル受容器内に収集されてもよい。一般に、カプセル受容器は、抽出時にカプセルを重力によって受容器内へ落とし込むことができるように煎じ出しまたは混合チャンバの下側に配置される。受容器は、満杯のときにユーザによって空にされなければならない。受容器は、飲料調製装置の座部に配置される引出しタイプの取り外し可能な受容器であってもよい。使用済みカプセル受容器は、装置のハウジング内へおよび該ハウジングからスライドされてもよい。
【0007】
ユーザがそのような装置と相互作用できるように、動作命令を装置へ与えるためあるいは装置からフィードバックを得るため、当該技術分野では、例えば以下の引用文献、すなわち、オーストラリア特許第410377号明細書、スイス特許第682798号明細書、独国特許第4429353号明細書、独国特許第202006019039号明細書、欧州特許第1448084号明細書、欧州特許第1676509号明細書、欧州特許第1707088号明細書、欧州特許第08155851.2号明細書、仏国特許第2624844号明細書、英国特許第2397510号明細書、米国特許第4,253,385号明細書、米国特許第4,377,049号明細書、米国特許第4,458,735号明細書、米国特許第4,554,419号明細書、米国特許第4,767,632号明細書、米国特許第4,954,697号明細書、米国特許第5,312,020号明細書、米国特許第5,335,705号明細書、米国特許第5,372,061号明細書、米国特許第5,375,508号明細書、米国特許第5,645,230号明細書、米国特許第5,731,981号明細書、米国特許第5,836,236号明細書、米国特許第5,927,553号明細書、米国特許第5,959,869号明細書、米国特許第6,182,555号明細書、米国特許第6,354,341号明細書、米国特許第6,759,072号明細書、米国特許第7,028,603号明細書、米国特許第7,270,050号明細書、米国特許第7,279,660号明細書、米国特許第7,350,455号明細書、米国特許出願公開第2007/0157820号明細書、国際公開第97/25634号パンフレット、国際公開第99/50172号パンフレット、国際公開第03/039309号パンフレット、国際公開第2004/030435号パンフレット、国際公開第2004/030438号パンフレット、国際公開第2006/063645号パンフレット、国際公開第2006/082064号パンフレット、国際公開第2006/090183号パンフレット、国際公開第2007/003062号パンフレット、国際公開第2007/003990号パンフレット、国際公開第2008/104751号パンフレット、および、国際出願PCT/EP08/054858号明細書に記載されるように様々なシステムが開示されてきた。
【0008】
特に、米国特許第4,767,632号明細書は、「COFFEE MILL DEFECTIVE」、「RESERVOIR EMPTY」、「WATER TANK EMPTY」、または、「PUMP DEFECTIVE」などのエラーメッセージを標示するようになっているディスプレイを有する飲料装置を開示する。欧州特許第1707088号明細書は、浸出されたコーヒーを収集するための受容器が満杯であり該受容器を空にしなければならないことを知らせるためのディスプレイまたはインジケータランプを有するコーヒー装置を開示する。英国特許第2397510号明細書は、一連のインジケータLEDを有するコーヒー装置を開示しており、インジケータLEDのうちの1つは、装置のタンク内の低い水位を示すために使用されてもよい。同様のインタフェース装置が米国特許第5,836,236号明細書および国際公開第2008/104751号パンフレットに開示されている。
【0009】
飲料調製装置のユーザによる保守を最適化する必要性が依然としてある。
【0010】
本発明の好ましい目的は、原料リザーバーのうちの1つ以上を補充するおよび/または廃棄材料収集器のうちの1つ以上を空にするのに最適な構造を有する液体食品または飲料調製装置を提供することである。
【0011】
原料リザーバーは、一般に、水リザーバーおよび/またはミルクリザーバーなどの液体リザーバーと、当該技術分野において例えば欧州特許第1593326号明細書および欧州特許第1744650号明細書から知られるようなバルク挽きコーヒーまたはコーヒー豆またはコーヒーカプセルなどのバルク原料供給源または事前に小分けされた固体原料供給源を格納するためのリザーバーとを含む。無論、例えば前述したようにコーヒー以外の飲料を調製するために他の原料が使用されてもよい。廃棄材料収集器は、一般に、例えば全自動コーヒー装置における挽きコーヒー収集器、および、カプセル収集器、特にコーヒー、チョコレート、ミルク、スープのカプセルのその使用時の収集器を含む。使用時、カプセルは、例えばミルクまたはチョコレートまたはスープの空のカプセルであってもよく、あるいは、使用済みの抽出された挽きコーヒーまたはティーなどの廃棄原料を依然として収容していてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、所定の地理的市場のための、第1の原料と第2の原料との組合せから飲料を調製する装置を製造するための方法に関する。
【0013】
原料のうちの少なくとも1つは、小分けされてパッケージ内、例えばカプセル内に収容され、後に別の原料と組み合わせるために、そのパッケージと共に装置内に挿入されてもよい。
【0014】
例えば、飲料調製装置は、熱水または冷水あるいは別の液体を、調製されるべき飲料の原料として、挽きコーヒーまたはティーまたはチョコレートまたはカカオまたはミルク粉末またはスープなど飲料の別の原料を収容するカプセルを通じて循環させるようになっている。
【0015】
本方法の飲料調製装置は第1の容器および第2の容器を備え、各容器は、飲料を調製するための使用の前または後に、原料および/または原料のパッケージのうちの1つを格納するべく装置内に配置される。装置は、飲料の任意の調製のために第1の原料と第2の原料との量比率を例えばインタフェースによりユーザに選択させるように構成されている。装置が、小分けされた原料のカプセルを通じて水を循環させることにより飲料を調製するようになっている場合には、この量比率選択は、一般に、飲料調製プロセスのためにカプセルごとに使用される水の量をユーザに調整させることになってもよい。
【0016】
製造方法は、第1の容器と第2の容器のそれぞれに対して、格納されるべき原料および/または原料のパッケージのための第1の通常格納容積部(normal storage volume)と第2の通常格納容積部を準備する(provide)ステップを含む。
【0017】
本発明によれば、本方法は、所定の地理的市場で飲料を調製するために使用される第1の原料と第2の原料との平均量比率を推定し、推定された平均量比率で第1の原料と第2の原料および/または原料のパッケージを格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しい容積比率をもって容器の第1の通常格納容積部と第2の通常格納容積部を設定することを含む。
【0018】
そのため、本発明の方法は、コーヒー装置の製造、特に、装置内に挿入されるカプセル内に小分けに収容され且つ水リザーバーから循環される水の流通によって抽出される挽きコーヒーからコーヒーを調製する装置であって、抽出時にコーヒーカプセルを収集するためのカプセル受容器を有する装置に有利に適用され得る。この場合、水リザーバーの容量が使用済みカプセル受容器の容量に合わせて調整され、それにより、使用中、水のリザーバーが満杯状態で且つ使用済みカプセルの受容器が空の状態の始動後に、平均して所定の地理的市場では、水リザーバーが空になるとほぼ同時に、カプセル受容器が満杯になる。したがって、水リザーバーを補充すると同時にカプセル受容器を空にすることは、平均的なユーザに適している。その結果、飲料調製装置の容器を補充しあるいは空にするために飲料調製装置の給配を中断する回数を簡単な方法で減らすことができる。
【0019】
同じ原理がいわゆる全自動コーヒー装置にも同様に適用でき、この全自動コーヒー装置では、コーヒー豆が、コーヒー供給リザーバー内に格納されて、要求に応じて装置の粉砕モジュール内で挽かれるとともに、水リザーバーからの水によって抽出されてコーヒーカップに注がれ、また、その後、抽出された挽きコーヒーは収集受容器へ排出される。この場合、収集受容器、水リザーバー、および/または、コーヒー豆リザーバーの容量は、本発明の方法にしたがって調整されてもよい。また、飲料装置は、装置の1つ以上の更なる容器、例えばカプセル収集器および水リザーバーと好ましくは同時に補充を必要とする多量の原料カプセルを含んでもよい。
【0020】
無論、小分けされた飲料原料を使用してあるいは使用することなく、多くの別の実施形態が同じ原理に沿って考えられる。例えば、飲料装置は、ミルク含有飲料の調製のため、例えばカプチーノまたはカフェラッテまたはホットあるいはコールドチョコレートの調製のためのミルクリザーバーを含んでもよい。ミルクリザーバーの容量は、通常の使用中に充填されあるいは空にされる装置の他の容器の容量に合わせられるのが好ましい。
【0021】
したがって、装置の異なる容器の補充作業と空にする作業とが必然的に組み合わされ、それにより、通常の飲料注出のための装置の利用可能性が殆ど妨げられず、そのため、ユーザにとって更に便利になる。
【0022】
また、装置には、容器の一方だけに、例えば水リザーバーまたは廃棄原料あるいはカプセル収集器だけにレベル検出器を取り付けることができる。容器の調整された容量の直接的な結果として、装置は、ユーザによる保守を必要とする対応する容器内のレベルを検出器が検出すると同時に両方または全ての容器を保守する必要があることをユーザに安全に知らせることができる。これにより、装置のセンサおよびインタフェースシステムが簡略化される。
【0023】
平均量比率は、所定の地理的市場におけるユーザの好みの調査によって推定されてもよい。これは、例えば、基準ユーザを調査対象者とした試験により行なわれてもよい。
【0024】
1つの実施形態において、装置は、第2の原料、例えば水を使用するようになっており、この第2の原料は、異なる推奨量の第2の原料により調製されるべき第1の原料のバリエーション、例えばエスプレッソまたはカフェルンゴまたはカプチーノ等のための異なる挽きコーヒーバリエーションと組み合わされる。異なる飲料を調製するために消費者が平均して推奨された原料小分けを使用するとすれば、平均容積比率は、一方では、異なる第1の原料の販売容積から推定されてもよく、他方では、第2の原料の推奨量から推定されてもよい。この場合、所定の地理的市場における異なる第1の原料の量は、この市場における異なる販売数量と、第1の原料のそれぞれのタイプごとにユーザに対してなされる推奨から想定されうるに適した第2の原料の量とから知られる。
【0025】
そのため、第1の原料が、別個の飲料バリエーションを調製するための対応する少なくとも2つの別個の原料バリエーションを含む場合には、各原料バリエーションは、特定のバリエーション量比率で第2の原料と組み合わされるようになっており、平均量比率は、少なくとも2つの原料バリエーションおよび対応する特定のバリエーション量比率をもつ所定の地理的市場における一群のユーザ需要から推定される。
【0026】
実際には、所定の地理的市場は、ドイツまたはイタリアなどの特定の国別市場、北アメリカまたは中央アメリカまたは西ヨーロッパなどの特定の地域的市場、オセアニアなどの特定の大陸市場、および、世界市場から選択されてもよい。所定の地理的市場は、国よりも小さくてもあるいは大きくてもよく、例えば、アメリカの1つ以上の州またはドイツの諸州またはスイス諸州またはベネルクスなどの領域であってもよい。また、地理的市場は、地理的につながっているあるいはつながっていない異なる領域の集合体であってもよい。一般に、所定の地理的市場は、所定の液体食品または飲料を調製して消費するというほぼ同一視できる文化を有する一群の消費者を網羅する。特に、そのような所定の市場に適用される本発明の方法は、市場、例えば、消費者の少なくとも33%または40%、特に50%または60%または75%を超える消費者が所定の液体食品または飲料の調製および消費に関して同じあるいは類似する習慣を共有する市場の消費者のかなりの部分の習慣と合到する結果を与える。消費者により使用される第1および第2の原料の量比率に関するいわゆる「同じあるいは類似する習慣」は、一般に、所定の地理的市場における平均量比率付近の0〜10%または0〜5%または更には0〜2.5%の範囲内に含まれる。
【0027】
また、本発明は、上記原理を組み込む飲料装置に関する。飲料装置は、所定の地理的市場のための、第1の原料と第2の原料との組合せから飲料を調製するように構成される。装置は第1の容器および第2の容器を有し、飲料を調製するため使用前にあるいは使用後に各容器が原料および/または原料のパッケージのうちの1つを格納するように構成されている。装置は、飲料の任意の調製のために第1の原料と第2の原料との量比率をユーザに選択させるように構成されている。第1の容器と第2の容器のそれぞれは、格納されるべき原料および/または原料のパッケージのための第1の通常格納容積部と第2の通常格納容積部を有する。
【0028】
本発明によれば、容器の第1の通常格納容積部と第2の通常格納容積部は、そのような地理的市場で対応する飲料を調製するための推定平均量比率で使用される第1の原料と第2の原料および/または原料のパッケージを格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しい容積比率を有する。
【0029】
第1の容器は、飲料を調製するための使用後に、第1の廃棄原料および/またはその廃棄パッケージ、特にカプセル、例えば使用済み廃棄挽きコーヒー、使用済み茶葉、または、使用済みのそのカプセル、あるいは、空になったチョコレートまたはミルクまたはスープのカプセルを収集するようになっている受容器であってもよい。第2の容器は、飲料を調製するために、第2の原料、特に水などの液体を収容して供給するように構成されているリザーバーであってもよい。
【0030】
一実施形態において、装置は、容器のうちの少なくとも一方における所定の充填レベルを検出するための検出手段と、所定の充填レベルが検出されるときに、更なる飲料を調製できる前に必要に応じて第1の容器および第2の容器の両方を補充するおよび/または空にする必要があることをユーザに対して示すように構成されているユーザインタフェースとを有する。
【0031】
例えば、ユーザインタフェースは、第1の容器および第2の容器の両方を補充するおよび/または空にする必要があることを明示的な文字情報または記号標示によって示すように構成されている。
【0032】
飲料調製装置の容器の複合的な取扱いに関する一般的な明示的言及は、ユーザマニュアルおよび/または装置のハウジング部および/または容器自体に設けることができる。
【0033】
検出手段は、それぞれの容器における所定の充填レベルを検出するようになっていてもよい。この場合、ユーザは、いずれかの容器内のレベルが対応する所定の充填レベルに達するときには常に両方の容器に対処するように促される。
【0034】
より経済的な実施形態では、複数の容器のうちの一方だけが検出手段と関連付けられる。この場合、容器の容量を平均的でないユーザによる使用に適応させるため、監視されない容器は、好ましくは、平均的でないユーザによる平均量比率からの想定し得る逸脱を補償するための付加的な予備容積を伴って構成されるべきである(あるいは、監視される容器は、対応する容積によって減少される通常容量を伴って構成されるべきである)。したがって、所定の充填レベルは、平均的でないユーザによる使用中における平均量比率からの僅かな逸脱を補償するために予備容積を考慮して決定することができる。一般に、予備容積は、検出手段によって監視されない容器の通常格納容積部の更なる20%、特に3〜15%、例えば5〜10%に対応する。
【0035】
一般に、飲料装置は、例えばプリント回路基板(PCB)と共に制御ユニットを有する。検出手段は、当該技術分野において知られるタイプのセンサ、例えば、制御ユニットに電気的に接続され、特に強固に接続されるLEDなどの1つ以上の光源を有する発光手段を通常は備える光検出器を含んでもよい。そのような光センサは、容器と関連付けられ且つ当該技術分野において知られる所定のレベルで容器内の内容物のレベルまたは内容物の存在を検出するようになっている、発光体および受光体を有してもよい。これらの発光体および受光体の一方または両方は、随意的に、装置の組立てを容易にするために装置の制御ユニットに強固に接続される。
【0036】
本発明の別の態様は、異なる所定の地理的市場のための、第1の原料と第2の原料との組合せから飲料を調製する前述した装置のセットに関する。複数の飲料調製装置は、第1の容器を受けるためのほぼ同一の第1の座部と、第2の容器を受けるためのほぼ同一の第2の座部とを有する。所定の地理的市場のための各装置の第1の容器と第2の容器は、そのような地理的市場で飲料を調製するための推定平均量比率で使用される第1の原料と第2の原料および/または原料のパッケージを格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しい容積比率を伴う第1の通常格納容積部と第2の通常格納容積部をそれぞれ有する。推定平均量比率は、異なる所定の地理的市場のそれぞれにおいて異なる。
【0037】
したがって、異なる地理的市場においては、容器の容量だけを調整すれば済み、装置の残りの構造は同じであってもよい。容器の容量の変更は、例えば、容器の壁の厚さあるいは配置を変えることにより、または、容器の内側深さを変えることにより行なわれてもよい。
【0038】
一般に、異なる地理的市場の全体にわたって、異なる地理的市場の第1の容器は、ほぼ同一の第1の座部と適合するためのほぼ同一の外形状を有し、また、第2の容器は、第2の座部と適合するためのほぼ同一の外形状を有する。
【0039】
製造を合理化するため、容器は、全ての地理的市場に関して同じ容量を有してもよく、また、協働する容器の容量が、異なる平均量比率に応じて全ての地理的市場に関して調整されてもよい。このようにすると、異なる構成要素の増加を減らすことができる。したがって、第1の容器の全てが同一の第1の通常格納容積部を有してもよく、また、第2の容器は、異なる所定の地理的市場の異なる推定平均量比率にしたがって異なる第2の通常格納容積部を有してもよく、あるいは、逆もまた同様である。
【0040】
本発明の更なる態様は、前述した飲料装置のためのユーザインタフェースを備える装置に関する。ユーザインタフェースは、必要に応じてそのような装置の第1の容器および第2の容器を補充するおよび/または空にする必要があることをユーザに同時に示すための単一のインジケータ手段を備え、随意的に、単一のインジケータ手段は、容器のうちの一方だけにおける所定の充填レベルを検出するための検出手段に接続され、他方の容器は、単一のインジケータと関連付けられる任意の検出手段によって監視されないままである。
【0041】
そのため、両方の容器の保守のための単一のシグナルをユーザに供給することにより、装置のためのインタフェースおよび制御が簡略化されるとともに、製造コストが低減される。これらのコストは、容器の一方だけのレベルが監視され、それにより、飲料装置の状態を監視するために必要な検出器またはセンサの数が減少するときに更に低減される。飲料装置のための装置の構造のそのような合理化は、前述したように飲料装置の原料容器のそれぞれの容量を調整することによって可能になる。
【0042】
ここで、概略図面を参照して、本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1および第2の容器を受け入れるための本発明に係る飲料調製装置の一部を示している。
【図2】図1に示される飲料調製装置と組み付けることができる第1および第2の容器としての使用済み原料受容器および水リザーバーを示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1および図2は、飲料装置1、特にコーヒー装置を示している。図1は、装置1をその容器を伴わずに示しており、装置1の容器は図2に示されている。
【0045】
当該技術分野において知られるように、また、例えば欧州特許第1646305号明細書に開示されるように、装置1は、例えばパッケージ内、一般的にはカプセル1’内に供給される事前に小分けされた挽きコーヒーのバッチからコーヒーを装置1の浸出ユニットへ注出して該ユニットに熱水を通すことにより抽出するようになっている。
【0046】
装置1は、所定の地理的市場における平均的な飲料調製習慣に適合し、それに応じて装置の取扱いの合理化を可能にするようになっている。飲料は、カプセル1’内に供給される第1の原料、例えば挽きコーヒーと、第2の原料、例えば水とを組み合わせることによって調製される。カプセル1’は、飲料を調製するため、それらの使用時に、第1の容器、すなわち、カプセル受容器10内に収集される。水は、飲料を調製するため、その使用前に、第2の容器、すなわち、水リザーバー5から供給される。
【0047】
装置1は、飲料の任意の調製のため、第1の原料と第2の原料との量の比率をユーザに選択させるようになっている。一般に、カプセル1’の任意の抽出のため、ユーザは、リザーバー5からカプセル1’を通じて循環される水の量を設定しあるいは変更することができ、それにより、抽出によって生成される飲料の濃さ及び量を決定する。
【0048】
装置1は、様々な面7、12を伴うハウジング15を有する。ハウジング15は、装置のハウジングに接続される水リザーバー5から水を圧送して加熱するためのヒータモジュールおよびポンプモジュールを含む。装置1は、装置の前部の周りで回動できるハンドル4を更に有し、ハンドルは、その下側に配置される浸出ユニット(図示せず)を開閉して浸出ユニットへのアクセスを遮断および解放するようになっている。加熱された水は、ポンプおよびヒータを介して、飲料の原料、例えばカプセル1’内の事前に小分けされた挽きコーヒーなどの挽きコーヒーを収容する浸出チャンバへ案内され、したがって、調製された飲料は、出口13を介して、その下側に配置されるカップへ注出される。
【0049】
図1に示される装置1のハウジング15は、取り外し可能なドリップトレイアセンブリ8、9、10を受けるためにハウジング内の座部へ通じる前部開口151を有する。装置1の後面に隣接してあるいは当接させて水リザーバー5を取り付けることができる。
【0050】
図示のように、ドリップトレイアセンブリはドリップ部材9を有しており、ドリップ部材9は、該ドリップ部材9によって排出される液体を収集するためのトレイ8に支持される。また、ドリップ部材9は、出口13を介した飲料または液体食品の注出中にカップを支持する役目も果たす。ドリップトレイアセンブリは、浸出時に浸出ユニットから排出される使用済みカプセルを収集するために装置の浸出ユニットの下側に配置されるカプセル受容器10を更に有する。
【0051】
装置1は、ライトガイド21とPCB20を含む制御ユニットとを含む光学水位検出手段を有し、これらのライトガイドおよび制御ユニットはハウジング15内に収容される。制御ユニットは、ヒータやポンプなどの装置1の様々な電気的機能を制御するようになっている。
【0052】
ドリップトレイアセンブリ8、9、10は、装置のハウジング15内に配置されると、ライトガイド21によってPCB20から離間される。PCB20とドリップトレイアセンブリ8、9、10との間のハウジング15内では、飲料装置1の液体循環システム(図示せず)の一部、特に、水リザーバー5の底部とヒータとに接続可能なウォーターポンプ、および、液体食品または飲料の調製装置1の浸出ユニット(図示せず)が広がる。
【0053】
PCB20は、ライトガイド21の先端に対応する一対のLED22を有する。水リザーバー内の水が最小水位に達すると、LED22の状態が変化する。ライトガイド21は、LED22によって発生された光を受容器10の外側の側壁101の後縁へ案内するようになっている。
【0054】
PCB20は外側の側壁101間の間隔よりも狭いため、ライトガイド22が略扁平なS形状のように適切にアーチ状に曲げられ、それにより、各ガイド21は、図2に示されるように、その先端が、LED22からの入射光および壁101の後縁へ至って壁に沿って前面へ至る出射光の方向と位置合わせされる。
【0055】
そのため、壁101は、それらの後縁からそれらの前縁101’へ光を案内するようになっており、それにより、前縁は、LED22から放射されてライトガイド21および壁101によって案内される光により照明される。
【0056】
光を前縁101’の略全高にわたって広げるため、ライトガイド21がほぼ逆漏斗形状を有する。
【0057】
ライトガイドの適切な形状および屈折兆候を伴う変形例では、前壁101’のほぼ全体を照明することもできる。
【0058】
ライトガイド22および壁101は、適した材料、特に非常に透明なプラスチック材料から形成されるのが好ましい。例えば、受容器10、特に壁101は、食器洗い機にも適するSMMAから形成される。ライトガイド21がポリカーボネートプラスチック材料から形成されてもよい。
【0059】
また、水リザーバー5には、リザーバー5内の水の低い水位を検出するのに適した水位センサ25、特に光センサが取り付けられる。水位センサ25は、PCB20に接続され、特に強固に接続される。
【0060】
装置1の低水状態に対応する低い水位が検出器25を介してリザーバー5で検出されると、制御ユニットは、ライトガイド21の隣接する先端へ光を放射するLED22を作動させる。この光は、その後、ガイド21に沿って壁101の後縁へ案内される。そこから、放射光が壁101に沿って壁の前縁101’へ広がり、それにより、前縁がそれらの全高にわたって略均一に照らされる。
【0061】
縁101’は装置1の全高、特に装置の前面12全体の全高の約1/3に対応する高さを有するため、ユーザは、装置の全体的な外観の変化に直ちに気付き、特別な状態、すなわち、低水状態が存在すること、および、飲料または液体食品の調製を要求できるようになる前に自分が水リザーバー5を補充しなければならないことを遠くから知る。
【0062】
本発明によれば、カプセル受容器10は、使用済みカプセル1’を蓄積するための第1の通常格納容積部を有する。水リザーバー5は、カプセル1’の煎じ出しのために水を蓄積するための第2の通常格納容積部を有する。
【0063】
これらの第1および第2の格納容積部は、それらの容積比率が所定の地理的市場で飲料を調製するための推定平均量比率で使用されるカプセルおよび水を格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しくなるように決定される。
【0064】
そのため、水リザーバー5が補充を必要とする場合には、LED22の状態によって示されるように、カプセル受容器10も満杯あるいはほぼ満杯であると予測することができる。
【0065】
平均的でないユーザ、特に平均的なユーザよりも平均して少ない水を使用して飲料を調製するユーザに対応するため、その中身が直接に監視されないカプセル受容器10の全格納内容積は、そのような逸脱を補償するために予備容積を考慮して決定される。例えば、そのような予備容積は、所定の地理的市場で飲料を調製するための推定平均量比率を考慮して必要とされる通常容積に加えて約10〜20%の容積を成す。両方の容器5、10の充填レベルが監視される場合には、そのような予備容積を設ける必要がない。
【0066】
ここで、具体的にNESPRESSO(商標)システムを用いて、特に円錐台状のNESPRESSO(商標)カプセルを使用するコーヒー装置の市場を参照して行われた以下の数値例において本発明を更に説明する。
【0067】
[カプセル特性]
NESPRESSOシステムは、対応する円錐台状のカプセルの状態で消費者に供給される異なるコーヒー品種、例えば、エスプレッソタイプのコーヒーまたはルンゴタイプのコーヒーまたはカフェラッテタイプのコーヒーを含む。全てのカプセルは、同じ形状および同じ寸法を有するが、それらが収容するコーヒーのタイプにしたがって異なる色を有する。そのため、カプセル受容器10内でカプセルにより占められる空間は、使用されるコーヒーのタイプによって影響されない。また、任意のそのようなNESPRESSO機は、全てのコーヒータイプが内部に供給される円錐台状カプセルを抽出するのに適する。
【0068】
これらの異なるコーヒータイプを調製するために推奨される水の量はコーヒーによって変わる。例えば、エスプレッソは通常は40mlを必要とする。ルンゴは、推奨されるように約110mlを用いて調製されるべきである。
【0069】
[例1]
世界中の全てのNESPRESSOカプセルの全てのユーザ需要に基づいて、すなわち、所定の地理的市場がNESPRESSOの世界的市場であり、また、NESPRESSOによって供給されるコーヒーカプセルのそれぞれのタイプごとに使用されるべき推奨水量に基づいて、NESPRESSOカプセルを通じて循環される平均水量は66mlに相当すると推定される。
【0070】
したがって、平均して、カプセル受容器10’内に格納されるカプセル1’のために必要とされる水量は、水リザーバー5内の66mlの水に対応する。そのため、カプセル受容器10内の10個のカプセルを抽出して収集するには、リザーバー5が平均して660mlを供給しなければならない。したがって、水リザーバー10は、ユーザが水リザーバーを周縁まで満杯にすることは殆どないことを考慮に入れて、660〜700mlの通常容積を有していなければならない。平均的使用のためにリザーバー5が通常において満たされるべき水位を示す対応する標示がリザーバー5に設けられてもよい。
【0071】
随意的に、少ない水量を必要とするカプセル種類を主に使用する平均的でないユーザ、例えば主にあるいは専らエスプレッソだけを飲むユーザのために第2の下側標示が水リザーバーに設けられてもよい。同じ原理は、多くの水量を必要とするコーヒー品種、例えばカフェルンゴを主に飲むユーザに関して適用できる。そのため、ユーザは、容器の対応する標示に基づいて、また、自分の個人的な飲料の好みに合わせて、容器の通常格納容積部を自分自身で調整してもよい。無論、調整可能な格納能力を有する容器、あるいは、ユーザの好みに応じて格納能力が調整される異なる容器を備えるような更に高性能なシステムも考えられる。
【0072】
カプセル収集器10内のレベルが監視されないため、10個の使用済みカプセル1’を格納するために必要とされる通常容積の10〜20%に対応する小さい予備容積、すなわち、1個または2個のカプセル1’のための更なる容積をカプセル収集器内に設けなければならない。この場合、カプセル収集器10の全体の格納容積部は、予備格納容積部によって増大される通常格納容積部に対応する。
【0073】
実際には、10個のカプセルを格納するための通常容積は400cmまたは400mlである。したがって、予備格納容積部は、通常容積の10または20%のそれぞれの予備容積においては約40cm〜80cmに対応する。あるいは、カプセル収集器の格納容積部を増大させる代わりに、水リザーバーの容積を約10〜20%だけ、例えば約65〜130mlだけ減少させることもできる。
【0074】
NESPRESSO標準規格とは異なるシステムにおいて、格納容積部の比率は、システムがカプセルを使用しないときには、特定のカプセル形態およびサイズまたは廃棄原料の量に適合されなければならない場合がある。特に、特定のカプセルシステムの結果として、同じ量の液体を調製するために全体のサイズが大きいカプセルが必要とされるときには、それに応じてカプセル容器の容積をカプセルの大きいサイズに合わせて調整しなければならない。
【0075】
センサによってレベルが監視される各容器の通常格納容積部は、容器の全格納容積部に対応する。レベルが直接に監視されず地理的市場での平均的な使用にほぼ対応すると予期されるにすぎない容器は、前述したように平均的でない使用を考慮するべく予備容積を含まなければならない。全ての容器内の所定のレベルが監視される場合には、予備容積は必要とされない。この後者の場合、各容器の通常容積はこの全格納容積部に対応する。
【0076】
[例2]
スイス全体にわたる全てのNESPRESSOカプセルの全てのユーザ需要に基づいて、すなわち、地理的市場がスイス市場であり、また、NESPRESSOによって供給されるコーヒーカプセルのそれぞれのタイプごとに使用されるべき推奨水量に基づいて、NESPRESSOカプセルを通じて循環される平均水量は65mlに相当すると推定される。
【0077】
したがって、平均して、カプセル受容器10’内に格納されるカプセル1’のために必要とされる水量は、水リザーバー5内の65mlの水に対応する。そのため、カプセル受容器10内の10個のカプセルを抽出して収集するには、リザーバー5が平均して650mlを供給しなければならない。したがって、水リザーバー10は650〜690mlの通常容積を有していなければならない。
【0078】
[例3]
フランス全体にわたる全てのNESPRESSOカプセルの全てのユーザ需要に基づいて、すなわち、地理的市場がフランス市場であり、また、NESPRESSOによって供給されるコーヒーカプセルのそれぞれのタイプごとに使用されるべき推奨水量に基づいて、NESPRESSOカプセルを通じて循環される平均水量は62.9mlに相当すると推定される。
【0079】
したがって、平均して、カプセル受容器10’内に格納されるカプセル1’のために必要とされる水量は、水リザーバー5内の62.9mlの水に対応する。そのため、カプセル受容器10内の10個のカプセルを抽出して収集するには、リザーバー5が平均して629mlを供給しなければならない。したがって、水リザーバー10は、ユーザが水リザーバーを周縁まで満杯にすることは殆どないことを考慮に入れて、630〜670mlの通常容積を有していなければならない。そのため、リザーバーは、約630mlの内容量に対応するリザーバーの最大充填レベルを示す標示またはマークを備えることが都合良い。
【0080】
[例4]
イタリア全体にわたる全てのNESPRESSOカプセルの全てのユーザ需要に基づいて、すなわち、地理的市場がイタリア市場であり、また、NESPRESSOによって供給されるコーヒーカプセルのそれぞれのタイプごとに使用されるべき推奨水量に基づいて、NESPRESSOカプセルを通じて循環される平均水量は43.5mlに相当すると推定される。
【0081】
したがって、平均して、カプセル受容器10’内に格納されるカプセル1’のために必要とされる水量は、水リザーバー5内の43.5mlの水に対応する。そのため、カプセル受容器10内の10個のカプセルを抽出して収集するには、リザーバー5が平均して435mlを供給しなければならない。したがって、水リザーバー10は、ユーザが水リザーバーを周縁まで満杯にすることは殆どないことを考慮に入れて、435〜470mlの通常容積を有していなければならない。そのため、リザーバーは、約435mlの内容量に対応するリザーバーの最大充填レベルを示す標示またはマークを備えることが都合良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の地理的市場のための、第1の原料と第2の原料との組合せから飲料を調製する装置(1)を製造するための方法であって、前記装置が第1の容器(10)および第2の容器(5)を備え、各容器が前記原料および/または前記原料のパッケージ(1’)のうちの1つを格納するために前記装置内に配置され、前記装置が、前記飲料の任意の調製のために前記第1の原料と前記第2の原料との量比率をユーザに選択させるように構成されており、
前記方法が、前記第1の容器と前記第2の容器のそれぞれに対して、格納されるべき前記原料および/または前記原料のパッケージのための第1の通常格納容積部と第2の通常格納容積部を準備することを含む方法において、
前記所定の地理的市場で前記飲料を調製するために使用される前記第1の原料と前記第2の原料との平均量比率を推定し、
推定された前記平均量比率で前記第1の原料と前記第2の原料および/または前記原料のパッケージを格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しい容積比率をもって前記容器の第1の通常格納容積部と前記第2の通常格納容積部を設定することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記平均量比率が、前記所定の地理的市場におけるユーザの好みの調査によって推定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の原料が、別個の飲料バリエーションを調製するための対応する少なくとも2つの別個の原料バリエーションを含み、各原料バリエーションが、特定のバリエーション量比率で前記第2の原料と組み合わされるようになっており、前記平均量比率が、前記少なくとも2つの原料バリエーションおよび対応する特定のバリエーション容積比率をもつ前記所定の地理的市場における一群のユーザ需要から推定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
所定の地理的市場のための、第1の原料と第2の原料との組合せから飲料を調製する装置(1)であって、第1の容器(10)および第2の容器(5)を備え、前記飲料を調製するため使用前にあるいは使用後に各容器が前記原料および/または前記原料のパッケージ(1’)のうちの1つを格納するように構成されており、前記装置が、前記飲料の任意の調製のために前記第1の原料と前記第2の原料との量比率をユーザに選択させるように構成されており、前記第1の容器と前記第2の容器のそれぞれが、格納されるべき前記原料および/または前記原料のパッケージのための第1の通常格納容積部と第2の通常格納容積部を有する装置(1)において、
前記容器の前記第1の通常格納容積部と前記第2の通常格納容積部が、前記地理的市場で前記飲料を調製するための推定平均量比率で使用される前記第1の原料と前記第2の原料および/または前記原料のパッケージを格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しい容積比率を有することを特徴とする、装置(1)。
【請求項5】
前記第1の容器(10)が、前記飲料を調製するための使用後に、廃棄挽きコーヒー、廃棄ティー、または、それらの廃棄カプセル、あるいは、廃棄チョコレートまたはミルクまたはスープのカプセルなどの第1の廃棄原料および/またはその廃棄パッケージ、特にカプセル(1’)を収集するように構成されている受容器である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の容器(5)が、前記飲料を調製するために、前記第2の原料、特に水などの液体を収容して供給するように構成されているリザーバーである、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
前記容器のうちの少なくとも一方(5)における所定の充填レベルを検出するための検出手段(25)と、
前記所定の充填レベルが検出されるときに、更なる飲料を調製できる前に必要に応じて前記第1の容器および前記第2の容器(5、10)の両方を補充するおよび/または空にする必要があることをユーザに対して示すように構成されているユーザインタフェース(101’)と、
を有する、請求項4〜6のいずれか一項の装置。
【請求項8】
前記ユーザインタフェースが、前記第1の容器および前記第2の容器の両方を補充するおよび/または空にする必要があることを明示的な文字情報または記号標示によって示すように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記検出手段が、それぞれの前記容器における所定の充填レベルを検出するように構成されている、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の容器および前記第2の容器のうちの一方(5)だけが前記検出手段(25)と関連付けられる、請求項7または8に記載の装置。
【請求項11】
前記所定の充填レベルが、平均的でないユーザによる使用中における前記平均量比率からの僅かな逸脱を補償するために予備容積を考慮して決定され、前記予備容積が、随意的に、前記検出手段(25)によって監視されない前記容器(10)の前記通常格納容積部の20%、特に3〜15%、例えば5〜10%に対応する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
異なる所定の地理的市場のための、第1の原料と第2の原料との組合せから飲料を調製する請求項4〜11のいずれか一項に記載の装置のセットであって、複数の前記飲料調製装置が、前記第1の容器を受けるためのほぼ同一の第1の座部と、前記第2の容器を受けるためのほぼ同一の第2の座部とを有し、所定の地理的市場のための各装置の前記第1の容器と前記第2の容器が、前記地理的市場で前記飲料を調製するための推定平均量比率で使用される前記第1の原料と前記第2の原料および/または前記原料のパッケージを格納するために必要なそれぞれの通常容積の比率に等しい容積比率を伴う第1の通常格納容積部と第2の通常格納容積部を有し、前記推定平均量比率が前記異なる所定の地理的市場のそれぞれにおいて異なる、装置のセット。
【請求項13】
前記第1の容器が、ほぼ同一の前記第1の座部と適合するためのほぼ同一の外形状を有し、前記第2の容器が、前記第2の座部と適合するためのほぼ同一の外形状を有する、請求項12に記載のセット。
【請求項14】
前記第1の容器の全てが同一の前記第1の通常格納容積部を有し、前記第2の容器が、前記異なる所定の地理的市場の前記異なる推定平均量比率にしたがって異なる第2の通常格納容積部を有する、あるいは、逆もまた同様である、請求項12または13に記載のセット。
【請求項15】
請求項7〜11のいずれか一項に記載の飲料装置のためのユーザインタフェースを備える装置であって、前記ユーザインタフェースが、必要に応じて前記装置の前記第1の容器および前記第2の容器(5、10)を補充するおよび/または空にする必要があることをユーザに同時に示すための単一のインジケータ手段(101’)を備え、随意的に、前記単一のインジケータ手段が、前記容器のうちの一方(5)だけにおける所定の充填レベルを検出するための検出手段(25)に接続され、他方の容器(10)が、前記単一のインジケータと関連付けられる任意の検出手段によって監視されないままである、装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−525884(P2012−525884A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509042(P2012−509042)
【出願日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056194
【国際公開番号】WO2010/128109
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】