説明

保持装置および画像読取装置

【課題】種々の大きさの透過原稿を取り付ける作業性を向上させることができる保持装置を提供する。
【解決手段】フィルムホルダー50は、フィルム保持部530と、シート保持部550とを備え、シート保持部550は、基準平面に対して窪んだ凹平面552と、シートスライド方向D2に略沿って凹平面552を拡張した拡張凹平面554と、拡張凹平面554の境界部5542から補助シート90の長さと略同じ距離を取った位置で補助シート90を押圧する押圧部556と、シートスライド方向D2に略沿って基準平面510から拡張凹平面554を経て凹平面552に至る第1開口部558とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置(イメージスキャナー)の原稿台において透過原稿を保持する保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラットベッド(Flat Bed)方式の画像読取装置の一つとして、紙のように光を反射する反射原稿を読み取る場合には、原稿から反射した光を読み取り、写真フィルムのように光を透過する透過原稿を読み取る場合には、原稿を透過した光を読み取るものが知られている(特許文献1)。このような画像読取装置では、保持装置を利用して透過原稿の読み取りが実施される。保持装置には、透過原稿の大きさに合わせた開口部が形成され、この開口部に合わせて透過原稿が固定される。特に、写真フィルムを保持する保持装置は、フィルムホルダーとも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−284885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、種々の大きさの透過原稿に柔軟に対応可能な保持装置について十分な検討がなされていなかった。例えば、写真フィルムには、縦横比が2:3の通常サイズに加え、通常サイズよりも細長いパノラマサイズのものがあり、パノラマサイズの長さも様々であることから、煩雑な作業を行うことなく、種々のサイズの写真フィルムを保持することができる保持装置が求められていた。
【0005】
本発明は、上記した課題を踏まえ、種々の大きさの透過原稿を取り付ける作業性を向上させることができる保持装置および画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1] 適用例1の保持装置は、画像読取装置の原稿台に設置される保持装置であって、前記原稿台と略平行する基準平面と、透過原稿を保持する透過原稿保持部と、前記透過原稿の長さ不足を補って前記透過原稿保持部による前記透過原稿の保持を補助する補助シートを、滑らせて出し入れ可能に保持するシート保持部とを備え、前記シート保持部は、前記補助シートと略同じ大きさに亘って前記基準平面に対して窪んだ凹平面と、前記補助シートを滑らせるスライド方向に略沿って前記凹平面を拡張した拡張凹平面と、前記拡張凹平面における前記凹平面に対向する前記基準平面との境界部から、前記補助シートにおける前記スライド方向の長さと略同じ距離を取った位置で、前記凹平面に向けて前記補助シートを押圧する押圧部と、前記スライド方向に略沿って前記基準平面から前記拡張凹平面を経て前記凹平面に至る開口部とを含むことを特徴とする。適用例1の保持装置によれば、透過原稿の大きさに応じて補助シートをシート保持部から容易に取り出すことができると共に、補助シートが不要な場合には補助シートをシート保持部に容易に収納することができる。また、適用例1の保持装置によれば、補助シートの使用および不使用のいずれの場合においても、補助シートが保持装置に保持されることから、補助シートの紛失を防止することができる。
【0008】
[適用例2] 適用例1の保持装置において、前記拡張凹平面は、前記スライド方向に略沿って前記基準平面から前記凹平面へと傾斜する傾斜面を含むとしても良い。適用例2の保持装置によれば、補助シートの取り出しおよび収納を円滑に行うことができる。
【0009】
[適用例3] 適用例1または適用例2の保持装置において、前記透過原稿保持部は、前記透過原稿を位置決めする原稿位置決め部と、前記原稿位置決め部に位置決めされた透過原稿を固定する原稿固定部と、原稿固定部に形成された取っ手とを含み、前記シート保持部は、前記取っ手からずれた位置に設けられたとしても良い。適用例3の保持装置によれば、補助シートの出し入れを行う際に作業者の手が取っ手に干渉することや、取っ手を介した透過原稿の固定および解除を行う際に作業者の手がシート保持部に干渉することを防止することができる。
【0010】
[適用例4] 適用例1ないし適用例3のいずれかの保持装置において、前記シート保持部における前記スライド方向は、前記透過原稿保持部に前記透過原稿を出し入れする方向に略平行するとしても良い。適用例4の保持装置によれば、作業姿勢を大きく変更することなく補助シートを取り使うことができる。
【0011】
[適用例5] 適用例1ないし適用例4のいずれかの保持装置を画像読取装置に備えても良い。適用例5の画像読取装置によれば、種々の大きさの透過原稿を読み取ることができる。
【0012】
本発明の形態は、保持装置および画像読取装置に限るものではなく、他の形態に適用することもできる。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】イメージスキャナーの構成を主に示す説明図である。
【図2】フィルムホルダーの詳細構成を示す説明図である。
【図3】フィルムホルダーの詳細構成を示す説明図である。
【図4】フィルムホルダーの詳細構成を示す説明図である。
【図5】シート保持部の詳細構成を示す説明図である。
【図6】図5における断面A−Aでシート保持部を切断して押圧部の詳細構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用したイメージスキャナーについて説明する。
【0015】
A.実施例:
A1.イメージスキャナーの構成:
図1は、イメージスキャナー10の構成を主に示す説明図である。イメージスキャナー10は、フラットベッド方式の画像読取装置であり、原稿を光学的に読み取りイメージデータを生成する。イメージスキャナー10は、原稿が光を反射する反射原稿である場合には原稿から反射した光を読み取り、原稿が光を透過する透過原稿である場合には原稿から透過した光を読み取る。イメージスキャナー10は、フィルムホルダー50と、本体筐体110と、蓋筐体120と、原稿台130と、画像読取部140と、透過光源部150と、機器インターフェース180と、ユーザーインターフェース190とを備える。
【0016】
イメージスキャナー10のフィルムホルダー50は、イメージスキャナー10の原稿台130に設置され、透過原稿の一つである写真フィルム80を画像読取部140で読み取り可能に保持する保持装置である。フィルムホルダー50の構成についての詳細は後述する。
【0017】
イメージスキャナー10の本体筐体110は、画像読取部140を収容する。本実施例では、本体筐体110は、直方体状の箱体である。
【0018】
イメージスキャナー10の原稿台130は、本体筐体110に設けられ、原稿を載せる平面を構成し、その平面の一部として、透明な素材で形成された透明部132を備える。本実施例では、原稿台130は、本体筐体110の上面に設けられ、原稿台130の透明部132は、本体筐体110の上面よりも小さな矩形状の無色透明なガラスである。
【0019】
イメージスキャナー10の蓋筐体120は、原稿台130の上方を開閉可能な蓋体であり、本体筐体110に設けられている。本実施例では、蓋筐体120は、原稿台130の透明部132よりも大きな形状を有し、本体筐体110に軸着されている。
【0020】
イメージスキャナー10の画像読取部140は、原稿台130の透明部132に載せられた原稿を走査して光学的に読み取り、その原稿を表現するイメージデータを生成する。画像読取部140は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子や、原稿を照らす光源、これらを原稿の位置に合わせて移動させる駆動部などを備える。
【0021】
イメージスキャナー10の透過光源部150は、原稿台130においてフィルムホルダー50に保持された写真フィルム80に光を投射する。透過光源部150から投射された光は、フィルムホルダー50に保持された写真フィルム80を透過した後、画像読取部140によって捕捉される。
【0022】
イメージスキャナー10の機器インターフェース180は、イメージスキャナー10に接続されるパーソナルコンピューターや記憶装置などの外部機器(図示しない)との間で情報のやり取りを行う。本実施例では、機器インターフェース180は、画像読取部140によって生成されたイメージデータをイメージスキャナー10の外部に出力することが可能である。
【0023】
イメージスキャナー10のユーザーインターフェース190は、イメージスキャナー10を使用するユーザーとの間で情報のやり取りを行う。本実施例では、ユーザーインターフェース190は、ユーザーからの操作入力を受け付ける操作ボタンを備え、他の実施形態において、ユーザーに向けて種々の情報を表示する表示部を備えても良い。
【0024】
A2.フィルムホルダーの構成:
図2ないし図4は、フィルムホルダー50の詳細構成を示す説明図である。フィルムホルダー50は、原稿台130の透明部132に合わせた形状に成形され、本実施例では、黒色の不透明な合成樹脂を用いて、略長方形の板状に成形されている。フィルムホルダー50は、基準平面510と、位置決め部520と、フィルム保持部530と、シート保持部550とを備える。
【0025】
フィルムホルダー50の基準平面510は、フィルムホルダー50がイメージスキャナー10の原稿台130に設置された際に、原稿台130の透明部132と略平行する平面である。フィルムホルダー50における各部は、基準平面510を基準に配置されている。
【0026】
フィルムホルダー50の位置決め部520は、イメージスキャナー10の原稿台130に対するフィルムホルダー50の位置を決定する。本実施例では、位置決め部520は、原稿台130の一部と嵌り合う形状に成形されている。本実施例では、位置決め部520は、基準平面510と共に一体成形されている。
【0027】
フィルムホルダー50のフィルム保持部530は、写真フィルム80を保持する。図4に示すように、フィルム保持部530は、フィルムスライド方向D1に沿って写真フィルム80を滑らせて出し入れ可能である。フィルムスライド方向D1は、フィルムホルダー50が原稿台130に設置された際に、原稿台130の平面と略平行する方向であり、本実施例では、原稿台130の長辺に略沿った方向である。
【0028】
フィルム保持部530は、補助シート90を用いて種々の長さの写真フィルム80を保持可能である。補助シート90は、フィルム保持部530に対する写真フィルム80の長さ不足を補ってフィルム保持部530による写真フィルム80の保持を補助する。本実施例では、補助シート90は、黒色の不透明な合成樹脂を用いて、写真フィルム80と略同じ幅の薄板状に成形され、写真フィルム80の長さが不足する場合、写真フィルム80の下に敷設される。
【0029】
フィルム保持部530は、図2ないし図4に示すように、透過開口部531と、フィルム位置決め部532と、傾斜面533と、フィルム固定部534と、取っ手535と、軸支部536と、係合凸部537とを備える。本実施例では、フィルム保持部530における透過開口部531、フィルム位置決め部532、傾斜面533、軸支部536、係合凸部537の各部は、基準平面510と共に一体成形され、フィルム固定部534および取っ手535は、基準平面510とは別部材として一体成形されている。
【0030】
フィルム保持部530の透過開口部531は、透過光源部150から写真フィルム80を透過した透過光を画像読取部140へと通過させる開口を形成する。本実施例では、透過開口部531は、パノラマサイズの写真フィルム80に対応する長さを有する矩形状の開口を形成する。
【0031】
フィルム保持部530のフィルム位置決め部532は、写真フィルム80を位置決めする。本実施例では、フィルム位置決め部532は、フィルムガイド5322と、フィルムレール5324とを備える。フィルム位置決め部532のフィルムガイド5322およびフィルムレール5324は、フィルムスライド方向D1に略沿って形成され、フィルムガイド5322は、写真フィルム80の厚さ方向の位置ズレを防止し、フィルムレール5324は、写真フィルム80の幅方向の位置ズレを防止する。
【0032】
フィルム保持部530の傾斜面533は、フィルムスライド方向D1に略沿って基準平面510からフィルム位置決め部532へと傾斜する。これによって、フィルム保持部530に対する写真フィルム80の出し入れを円滑に実施することを可能にすると共に、フィルム保持部530から飛び出した補助シート90の折れ曲がりを防止することができる。
【0033】
フィルム保持部530のフィルム固定部534は、フィルム位置決め部532に位置決めされた写真フィルム80を固定する。フィルム固定部534には、ユーザーによる写真フィルム80の固定および解除の操作を容易にするため取っ手535が設けられている。
【0034】
本実施例では、フィルム固定部534は、フィルム位置決め部532に位置決めされた写真フィルム80の外縁部を押え付ける枠体であり、フィルム固定部534に対して開閉可能に軸着されている。図2には、フィルム固定部534を閉じた状態が示され、図3および図4には、フィルム固定部534を開いた状態が示されている。
【0035】
本実施例では、フィルム固定部534は、投光開口部5342と、係合凹部5346と、軸部5348とを備える。フィルム固定部534の投光開口部5342は、透過光源部150から投射された投射光を写真フィルム80へと通過させる矩形状の開口を形成する。フィルム固定部534の係合凹部5346は、フィルム位置決め部532の周囲に形成された係合凸部537に係合することによって、フィルム位置決め部532に写真フィルム80を固定した状態を維持する。フィルム固定部534の軸部5348は、軸支部536と嵌り合うことによってフィルム固定部534を開閉可能に支持する軸体である。
【0036】
フィルムホルダー50のシート保持部550は、補助シート90を滑らせて出し入れ可能に保持する。図3に示すように、シート保持部550は、シートスライド方向D2に補助シート90を滑らせて出し入れ可能である。シートスライド方向D2は、フィルムホルダー50が原稿台130に設置された際に、原稿台130の平面と略平行する方向である。本実施例では、原稿台130の長辺に略沿った方向であり、フィルムスライド方向D1に略平行するが、他の実施形態において、フィルムスライド方向D1に交差しても良い。本実施例では、シート保持部550は、フィルム保持部530の取っ手535からずれた位置に設けられているが、他の実施形態において、取っ手535に並列する位置に設けても良い。
【0037】
シート保持部550は、図2ないし図4に示すように、凹平面552と、拡張凹平面554と、押圧部556と、第1開口部558と、第2開口部559とを備える。本実施例では、シート保持部550の各部は、基準平面510と共に一体成形されている。
【0038】
図5は、シート保持部550の詳細構成を示す説明図である。図5の中段には、フィルムホルダー50の基準平面510に直交する方向からを見たシート保持部550の上面図が示され、この上面図における開口にはハッチングが施されている。シート保持部550と補助シート90との関係を対比するために、図5の上段および下段には補助シート90が示されている。図6は、図5における断面A−Aでシート保持部550を切断して押圧部556の詳細構成を示す断面図である。
【0039】
シート保持部550の凹平面552は、補助シート90と略同じ大きさに亘って基準平面に対して窪んだ平面である。本実施例では、図5に示すように、凹平面552におけるシートスライド方向D2に沿った長さL1は、補助シート90におけるシートスライド方向D2に沿った長さと略同じである。
【0040】
シート保持部550の拡張凹平面554は、シート保持部550から補助シート90を取り出す方向へ向けて、シートスライド方向D2に略沿って凹平面552を拡張した平面である。本実施例では、拡張凹平面554は、シートスライド方向D2に略沿って基準平面510から凹平面552へと傾斜する傾斜面である。
【0041】
シート保持部550の押圧部556は、凹平面552に向けて補助シート90を押圧する。本実施例では、押圧部556は、二つ設けられているが、他の実施形態において、一つであっても良いし、三つ以上であっても良い。本実施例では、シート保持部550の押圧部556は、押圧支持部5562と、押圧凸部5564と、凹圧開口部5566とを備える。押圧部556の押圧支持部5562は、図6に示すように、凹平面552に収納された補助シート90の上方に基準平面510から張り出す。押圧部556の凹圧開口部5566は、押圧支持部5562を基準平面510と一体成形する際の型抜きのために設けられている。押圧部556の押圧凸部5564は、押圧支持部5562の端部に設けられ、凹平面552に収納された補助シート90に当たり接することによって、補助シート90を凹平面552に向けて押圧する。
【0042】
本実施例では、図5に示すように、拡張凹平面554における凹平面552に対向する基準平面510との境界部5542から、押圧部556の押圧凸部5564までの長さL2は、補助シート90におけるシートスライド方向D2に沿った長さと略同じである。これによって、押圧部556は、拡張凹平面554の境界部5542から補助シート90におけるシートスライド方向D2の長さと略同じ距離を取った位置で、補助シート90を凹平面552に向けて押圧する。
【0043】
シート保持部550の第1開口部558は、図5に示すように、シートスライド方向D2に略沿って基準平面510から拡張凹平面554を経て凹平面552に至る開口を形成する。本実施例では、第1開口部558による開口の大きさは、補助シート90をシート保持部550に出し入れする際に、ユーザーが指で補助シート90を摘むことができる程度の大きさである。
【0044】
シート保持部550の第2開口部559は、図5に示すように、凹平面552を挟んで第1開口部558に対向する側で、基準平面510から凹平面552に至る開口を形成する。本実施例では、第2開口部559による開口の大きさは、補助シート90をシート保持部550から取り出す際に、ユーザーが指で補助シート90を押圧部556から取り外すことができる程度の大きさである。
【0045】
A3.効果:
以上説明したフィルムホルダー50によれば、写真フィルム80の大きさに応じて補助シート90をシート保持部550から容易に取り出すことができると共に、補助シート90が不要な場合には補助シート90をシート保持部550に容易に収納することができる。例えば、図5におけるシート保持部550と補助シート90との関係からも明らかなように、補助シート90をシート保持部550に収納する際には、補助シート90が押圧部556の押圧凸部5564に当たるまで、シートスライド方向D2に沿って補助シート90を凹平面552上で滑らせた後、第1開口部558に沿って指を動かして補助シート90を凹平面552に格納することができる。他方、補助シート90をシート保持部550から取り出す際には、第1開口部に指を入れて補助シート90を摘み出すか、または、第2開口部に指を入れて補助シート90を押し出すことによって、補助シート90を押圧部556の押圧凸部5564から解放することができる。
【0046】
また、補助シート90の使用および不使用のいずれの場合においても、補助シート90がフィルムホルダー50に保持されることから、補助シート90の紛失を防止することができる。
【0047】
また、シート保持部550の拡張凹平面554は、シートスライド方向D2に略沿って基準平面510から凹平面552へと傾斜する傾斜面を含むことから、補助シート90の取り出しおよび収納を円滑に行うことができる。
【0048】
また、シート保持部550は、フィルム保持部530の取っ手535からずれた位置に設けられていることから、補助シート90の出し入れを行う際にユーザーの手が取っ手535に干渉することや、取っ手535を介した写真フィルム80の固定および解除を行う際にユーザーの手がシート保持部550に干渉することを防止することができる。
【0049】
また、シート保持部550におけるシートスライド方向D2は、フィルム保持部530におけるフィルムスライド方向D1に略平行することから、作業姿勢を大きく変更することなく補助シート90を取り使うことができる。
【0050】
B.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
10…イメージスキャナー
50…フィルムホルダー
80…写真フィルム
90…補助シート
110…本体筐体
120…蓋筐体
130…原稿台
132…透明部
140…画像読取部
150…透過光源部
180…機器インターフェース
190…ユーザーインターフェース
510…基準平面
520…位置決め部
530…フィルム保持部
531…透過開口部
532…フィルム位置決め部
5322…フィルムガイド
5324…フィルムレール
533…傾斜面
534…フィルム固定部
5342…投光開口部
5346…係合凹部
5348…軸部
535…取っ手
536…軸支部
537…係合凸部
550…シート保持部
552…凹平面
554…拡張凹平面
556…押圧部
5562…押圧支持部
5564…押圧凸部
5566…凹圧開口部
5542…境界部
558…第1開口部
559…第2開口部
D1…フィルムスライド方向
D2…シートスライド方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置の原稿台に設置される保持装置であって、
前記原稿台と略平行する基準平面と、
透過原稿を保持する透過原稿保持部と、
前記透過原稿の長さ不足を補って前記透過原稿保持部による前記透過原稿の保持を補助する補助シートを、滑らせて出し入れ可能に保持するシート保持部と
を備え、
前記シート保持部は、
前記補助シートと略同じ大きさに亘って前記基準平面に対して窪んだ凹平面と、
前記補助シートを滑らせるスライド方向に略沿って前記凹平面を拡張した拡張凹平面と、
前記拡張凹平面における前記凹平面に対向する前記基準平面との境界部から、前記補助シートにおける前記スライド方向の長さと略同じ距離を取った位置で、前記凹平面に向けて前記補助シートを押圧する押圧部と、
前記スライド方向に略沿って前記基準平面から前記拡張凹平面を経て前記凹平面に至る開口部と
を含む、保持装置。
【請求項2】
前記拡張凹平面は、前記スライド方向に略沿って前記基準平面から前記凹平面へと傾斜する傾斜面を含む、請求項1に記載の保持装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の保持装置であって、
前記透過原稿保持部は、
前記透過原稿を位置決めする原稿位置決め部と、
前記原稿位置決め部に位置決めされた透過原稿を固定する原稿固定部と、
原稿固定部に形成された取っ手と
を含み、
前記シート保持部は、前記取っ手からずれた位置に設けられた、保持装置。
【請求項4】
前記シート保持部における前記スライド方向は、前記透過原稿保持部に前記透過原稿を出し入れする方向に略平行する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の保持装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の保持装置を備える画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−243661(P2010−243661A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90252(P2009−90252)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】