説明

保温用足カバー

【課題】冷え性の人や高齢者が日常生活において、簡単にかつ快適に足を保温することができ、寝ている時に装着しても、床ずれになりにくいようにする。
【解決手段】内被体8aと外被体8bを縫合し、その間の隙間からなる収納部を有している本体Bと、その収納部に収納される温熱シートCとからなっている。内被体8aおよび外被体8bの短靴部の背面から踵部を通って甲に至るまでの部分は一枚の襠地20aで形成されているので、本体Bの踵部には継ぎ目がなく、平滑な面を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足に負担をかけないで、血流を促進し、かつ足を保温することができる保温用足カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】実用新案登録第3006581号
【特許文献2】実用新案登録第3087115号
【0003】
冷え性の人や高齢者においては、身体の末端部の血流が悪くなり易い。これが足の場合には、厚手の靴下を着用して、足を温めて冷えないようにするが、通常の靴下は保温性が低い。保温性を高めるために、靴下に保温材料を塗布したものがある(特許文献1)。しかし、この靴下の場合、足を締め付けることになるので、血行を悪くするという可能性がある。また足を締め付けないで保温するのに、スリッパ形のものがある(特許文献2)。これは足を拘束しないので、血行を阻害することはないが、足は部分的に保温されるだけで、全体は保温されない。冷え性、血流の悪い人、また高齢者など、動脈硬化を発症し易い人などは足全体を保温することが重要である。特に高齢者、また要介護者は、寝ている間、また車椅子を利用している間など、運動量が低下しているときに足の血行を良好にしながら保温することが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、冷え性の人や高齢者が日常生活において、簡単にかつ快適に足を保温することができ、寝ている時に装着しても、床ずれになりにくい保温用足カバーを提供することを課題とする。また特に要介護者などが人手を借りないで、自分で装着できる自立支援のための保温用足カバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の保温用足カバー(請求項1)は、厚手の柔軟な布地を縫製してなる保温用足カバーであって、踵(かかと)部が継ぎ目のない状態となるように背面部と底面部が連続した布地で形成されていることを特徴とする。
【0006】
このような保温用足カバーは、前記布地が内被体と外被体とによって二重に形成され、前記内被体と外被体の隙間からなる収納部に炭微粒子を担持させた繊維製の温熱シート着脱可能に収納しているのが好ましい(請求項2)。
【0007】
また保温用足カバーは、足を入れる短靴部と、その短靴部の上端から筒状に立ち上がる立ち上がり部とを備えたブーツ形であるのが特に好ましい(請求項3)。
【0008】
また前記立ち上がり部が、前側で左前片と右前片に分離されると共に、左右の前片の重ね代を調節できるように係合部材を備えているのが一層、好ましい(請求項4)。
【0009】
また前記左右の前片は、外側にくる前片の側端からベルトを延出し、そのベルトと内側にくる前片に前記係合部材を設けているのが特に好ましい(請求項5)。
【0010】
前記立ち上がり部は、前側の内面に、前側の内面同士を着脱自在に係合するのが一層、好ましい(請求項6)。
【0011】
前記係合部材は、面ファスナーであるのが好ましい(請求項7)。
【0012】
前記温熱シートを収納した保温用足カバーにおいては、前記立ち上がり部は、その側面に、前記収納部に温熱シートを挿入するための開閉可能な挿入口を設けているのが特に好ましい(請求項8)。
【0013】
このような挿入口は、立ち上がり部の上端近辺から踝(くるぶし)に対応する部位の上まで形成されているのが一層、好ましい(請求項9)。
【発明の効果】
【0014】
本発明の保温用足カバーの場合(請求項1)、厚手で柔軟な布地を縫製してなっているが、踵部には、継ぎ目がない。したがって、寝たきりの人が使用しても足は床ずれになりにくい。また、足の踵が足カバーの踵の部分に全面的に密着したとき、圧迫感および違和感はない。
【0015】
このような保温用足カバーでは、前記布地が、内被体と外被体によって二重に形成され、前記内被体と外被体の隙間からなる収納部に炭微粒子を担持させた繊維製の温熱シートを着脱可能に収納している場合(請求項2)、足は温熱シートの炭微粒子の作用によって保温されると共に血流を悪化しにくくすることが可能になっている。したがって一層、床ずれはなりにくい。
【0016】
温熱シートは炭微粒子を担持させた繊維製なので、収納部に収納したとき、本体とは一体感がある。したがって足カバーは足に優しく馴染むので、温熱シートによる床ずれはない。またこの温熱シートは炭微粒子の作用が短時間で消失することはないので、長時間、または長期の間、作用を保持することができる。したがってこの足カバーは温熱シートを使用の度ごとに交換する必要はなく、また面倒がない。また温熱シートは内被体と外被体に覆われているので、温熱シートは足や床面に擦れて、損傷することはないので、長期間、使用することができる。
【0017】
また前記保温用足カバーが、足を入れる短靴部と、その短靴部の上端から筒状に立ち上がる立ち上がり部とを備えたブーツ形である場合(請求項3)、足カバーは足のつま先から踝より上方のところまでの広範囲を同時に保温すると共に血流が悪化しにくくなるので、一層、床ずれになりにくい。
【0018】
また前記立ち上がり部が、前側で左前片と右前片に分離されると共に、左右の前片の重ね代を調節できるように係合部材を備えている場合(請求項4)、前記の立ち上がり部は左片と右片を臑(すね)の周りに合わせて、周りの長さを調整することができるので、所望の足回りの立ち上がり部を形成することができる。また立ち上がり部は足の周りに密着させることができるので、足カバーは足から脱落しにくい。
【0019】
また前記左片と右片が、外側にくる前記左右片のいずれか一方の片の側端からベルトを延出し、そのベルトと内側にくる他方の片に係合部材を設けている場合(請求項5)、ベルトは非常に持ちやすい。またベルトは小面積なので、着脱し易い。したがって立ち上がり部を筒状に形成する場合、一方の片を持つよりも、ベルトを持って他方の片に重ねる方が、簡単かつ迅速に形成できる。また反対に立ち上がり部を左片と右片に分離する場合、一方の片を持つよりもベルトを持って他方の片より分離するほうが軽快に分離できる。
【0020】
前記立ち上がり部が、その前側の内面に、前側を内向きに重ねた状態で着脱自在に係合する係合部材を備えている場合(請求項6)、立ち上がり部の前側を摘み、係合部材を係合することにより、立ち上がり部の周りの長さを調整できる。さらに係合部材は立ち上がり部の内側に設けられているので、係合部材が外部の物に引っ掛けられて、係合部がはずれない。したがって左片と右片の係合が外部の物によってはずれないので、安心して使用できる。
【0021】
前記係合部材が、面ファスナーである場合(請求項7)、雌雄の面同士を着脱する簡単な作業で、立ち上がり部の周りの長さを拡大・縮小することができる。また立ち上がり部の周りの長さを微調整することができる。
【0022】
前記立ち上がり部の側面に、前述の温熱シートを収納部に挿入するための開閉可能な挿入口を設けている場合(請求項8)、使用者が仰向けに寝ている状態では、挿入口の開閉部が床(とこ)に接触しない。そのため足は挿入口によって床ずれを生じにくい。また挿入口が側面に設けられていることによって、立ち上がり部の前側を左片と右片に分けるときの邪魔にならない。
【0023】
このような挿入口が、立ち上がり部の上端近辺から踝に対応する部位の上まで形成されている場合(請求項9)、つまり挿入口が踝の部位にない場合、足カバーの側面から押されるようなことがあっても、踝の部分は本体の柔軟な面が当たるので、挿入口による床ずれになりにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に図面を参照しながら本発明の保温用足カバーの実施の形態を説明する。図1は本発明の保温用足カバーの一実施形態を示す正面斜視図、図2は本体の一部を切り欠いた正面斜視図、図3は本体の分解斜視図、図4は内被体と外被体の展開図、図5は温熱シートの展開平面図、図6は温熱シートの一実施形態の層構造を示す一部欠如の斜視図、図7は図6の要部断面図、図8は温熱シートに用いる竹炭粉末の製造法の一例を示す工程図、図9は図8の温熱シートの製造法を示す工程図、図10は本体の層構造を示す断面図、図11は足カバーの他の実施形態を示す正面斜視図、図12は足カバーのその他の実施形態を示す正面斜視図である。
【0025】
上記図面の足カバーA、本体Bそして温熱シートCに関する各図は、左右一対のものであるから、一方を省略している。また図4に示す内被体において、この外被体はこの内被体と挿入口を設けている以外は、基本的な構造は同じであるので、図4における図示を省略している。
図1に示す保温用足カバーAは、本体Bと、その本体Bに収容される温熱シートCとからなっている。以下に、本体Bおよび温熱シートCについて詳述する。
本体Bは、保温性を有し、また多少のクッション性を有する厚手で、柔軟なポリエステル繊維の織物地であるフリース地によってなっている。また図1および図2に示すように、短靴部1と立ち上がり部2が一連形成されていて、ブーツ状となっている。立ち上がり部2の前側は短靴部1のところまで左片3と右片4に分かれていて、大きく開くことが出来るようになっている。左片の側縁にコ字状の係合部5が形成され、また右片4の側縁にはこの係合部に係合される被係合部6が形成され、さらにその後方には補助の被係合部7が形成されている。また図2に示す本体Bは図3に示す内被体8aおよび外被体8bの周囲を縫合して形成されているので、二重構造になっている。またその内被体と外被体との間の隙間は収納部9として形成されている。
なお、本体Bは、フリース地に代えて、羊皮を使用することもできる。またクッション性がそれほど必要でない場合は、ナイロン、木綿、麻などの織物地を利用することもできる。
【0026】
前述の内被体8aおよび外被体8bは、図3に示すように略同形状であり、かつ略同構造なので、内被体8aのみについて詳述する。この内被体8aは、本体Bの立ち上がり部2の後側から短靴部1の底面と、その背面そしてその前面の甲の部分の一連の面が、図4に示すように一枚の襠地20aで形成されている。したがって踵部は継ぎ目がなく、フラットな面になっている。また本体Bの短靴部1および立ち上がり部2の左側全面が、一枚の左側地21aで形成されている。また同じく右側全面が一枚の右側地22aで形成されている。この左側地21aの立ち上がり部の前側の側縁からは前記、コ字状の係合部を構成する上ベルト用片23aとその下方に下ベルト用片24aが延出している。
【0027】
図4に示す左側地21aと右側地22aは襠地20aを介して縫合することによって、図3に示す内被体8aが形成される。その縫合部S1および縁は外側に向けている。また図3に示す外被体8bは内被体8aの対応部とほぼ同形状で、いくらか大きい。また外被体8bの縫合部S2は内側に向けている。この内被体8aおよび外被体8bはそれぞれの上縁、また上方の上ベルト用片23a、23bおよび下ベルト用片24a、24bの周縁、また上下ベルト片の間の左片の側縁25a、25bをそれぞれ縫合し、縫合部を内側に向けることによって、図2に示すように二重構造の本体が形成されると共に、左片3の側縁の上下部分から上ベルト10、下ベルト11が延出される。上記の全ての縫合部は収納部9内に納められているので、本体Bの内面(内被体8aの内面)には縫合部および縁は一切ない。また本体Bの外面(外被体8bの外面)にもないので、全体的には一枚の厚手の織物地の形態となっている。
なお、図3に示すように外被体8bの左側地21bには、スリット状の挿入口26を形成するために、左側地に切れ込みを入れてスライドファスナー27を設けてもよいし、また左側地21bは二枚はぎで構成し、挿入口26以外のところを縫合し、挿入口にスライドファスナーを設けてもよい。なお、挿入口26はスライドファスナーに代えて面ファスナーを設けてもよい。図4に示す左側地21aの二点鎖線は、図3の外被体の左側地21bにおける二枚はぎの縫合位置を示している。
【0028】
本体Bのコ字状の係合部5は、図2に示すように前記の上ベルト10と下ベルト11とその間の左片3の側縁12と、このそれぞれの裏面側に設けた3枚の面ファスナーの雌面14a、14b、14cとによって形成されている。ベルトは一枚だけでもよく、3枚でもよい。この上ベルト10の雌面14aが設けられている領域は、当該上ベルト10の先部から左片の側縁の内側まで延び、かつ側縁12の雌面14cの左側縁の延長線上まで延びている。また下ベルト11の雌面14bについても、下ベルト11の先部から左片3の側縁の内側まで延び、かつ側縁の雌面14cの左側縁の延長線上まで延びている。またこの3枚の雌面は相互に近接している。つまり上ベルト10の雌面14aおよび下ベルト11の雌面14bは、上ベルト10および下ベルト11の基部である左片3の側縁の左右に跨って張設されているので、上ベルト10および下ベルト11は基部が補強され、また全体が張り力を有している。また側縁12も雌面14cを張設しているので、補強され、また張り力を有している。また上ベルト10および下ベルト11の間が撓まないように支持されている。したがって上ベルト10および下ベルト11は折れ曲がったり、垂れ下がったりするのが防止されて、側縁から水平方向に真っ直ぐ延びるよう支持されている。また反転して、雌面が表に出るのが防止されている。
【0029】
また上ベルト10および下ベルト11の表面は左片3a、3bと同じ素材でなり、かつ左片3a、3bに連成している。つまり左片3a、3bに縫合していないので、上ベルト10および下ベルト11の基部周辺は柔軟性が保持されている。また雌面14a、14bの補強作用によって左片3と上ベルト10および下ベルト11は適当な張り性を有している。したがって上ベルト10および下ベルト11は基部を含め全体が適度な柔軟性と張り性を有しているので、非常に曲がり易く、右片の被係合部あるいは補助被係合部への着脱および調整の操作がし易い。
なおベルト11、12の長さは8〜12cm、高さ(幅)は3〜5cmのものが、要介護者を含む全ての人にとって、掴み易い大きさであり、また係合作業がし易い大きさであるので、好ましい。特に長さが10cmで、高さ(幅)が4cmくらいのものは好体裁の外観を呈すると共に上記作用効果を同時に奏成するのに好ましい。また上記3枚の雌面はコ字状を形成した一枚ものでもよい。
【0030】
左片3の係合部に対する右片4の被係合部6は、図2に示すように、右片4の側縁に左片3の側縁を重ねた状態において、前記のコ字状の係合部5が当接する位置に前記3枚の雌面14a、14b、14cに対応する雄面15a、15b、15cをコ字状に配設すると共に右片4に縫合してなっている。またこの被係合部6の後方に隣接する補助被係合部7は、3枚の補助の雄面16a、16b、16cを被係合部6と同じ向きでコ字状に配し、また右片4に縫合してなっている。この補助被係合部7の三枚の雄面は前記の被係合部の雄面よりも小さめのものを使用しており、被係合部6の補助を目的とする雄面であることを明確にしている。上記のように被係合部6および補助係合部7が縫合された右片4は、柔軟性と張り性を有しているので、臑に巻き付けることが可能になっている。
【0031】
明らかなようにコ字状の係合部は、図2に示すように左片3の側縁の縦方向の全領域が雌面14cおよび雌面14a、14bの左側部によって係合可能な面に形成されている。また対する右片4の側縁17も被係合部6の雄面15cおよび雄面15a、15bの左側部によって係合可能な面に形成されている。したがって左片3と右片4のそれぞれの立ち上がり部2の前側は左右片の側縁12、17同士を係合することによって、完全に封鎖することができる。
なお、上記の係合部5、被係合部6そして補助被係合部7の雌雄面は本体3の色とは異なる色目になっているので、雌雄面の存在がわかり易くなっている。またこれらはコ字状に形成されているので、対応する雌雄面の組み合わせが分かりやすくなっている。また前記の雌雄面は組み合わせごとに色目を変えることによって、一層、雌雄の組み合わせが明瞭になる。これは特に要介護者が、足カバーを装着したとき、雌雄面の接着を自分自身の手で行うのに有効である。
【0032】
次に、温熱シートCは、図5に示すように、本体Bの底部とつま先から甲に至る部分に配置する襠地用シート30と、本体Bの立ち上がり部の後面および左右の側面に配置する外周用シート31からなっている。外周用シート31の立ち上がり部分は、前記係合部5および被係合部6と補助被係合部7が左片3および右片4に縫合されて、当該部分の収納部9は閉鎖されているので、それ以外の部分の全面に設ける幅に形成されている。
上記襠地用シート30および外周用シート31は、内被体8aに部分的に係合するため、面フスナーの雌面と雄面をそれぞれのシートと内被体に設けている。したがって上記のそれぞれのシートは内被体に一体化するので、収納部内で、捻じれるのを防止する。ひいては本体Bの内面、また踵部は平滑で、ごわつきがないので、温熱シートの違和感は全く、フリース地の柔軟性が程よく足を包み込ね、心地よい使用感を得るようになっている。
上記温熱シートCは二枚でなっているので、図2に示す前記スリット状の挿入口26からでも、比較的、簡単に挿入でき、また所定の位置に設けることができる。上記の2枚の温熱シートは一体で形成してもよい。
なお、図1に示す符号22は、前記襠地用シート30と内被体8aに設けた面ファスナーの雌雄面であり、また符号23は、外周用シート31と内被体8aに設けた面ファスナーの雌雄面である。
【0033】
この温熱シートCは、炭の微粉末を含有するシートからなるが、炭の微粉末としては竹炭粉末がとくに好ましい。竹炭粉末は、原料の竹の生長が早く、再生サイクルが早いので、木炭に比べて、製品供給の安定化に繋がる。また竹炭は特有の抗菌力をもっており、雑菌の繁殖による臭気の抑制に効果的である。また木炭よりも吸着力に優れており、脱臭・浄化機能を有し、また空気中のマイナスイオンを増幅する機能も有しているので、健康増進にも役立つ。さらに竹炭は、天日干しなどの外部エネルギーが加わると、吸着していたものを放出する還元性を持っているので、竹炭の微粉末を含有する温熱シートは、手入れをすることによって半永久的に使用することができる。
なお、遠赤外線効果および吸着効果を有するものであれば、多数の微小孔を有する木炭、椰子殻炭、ケナフ炭、マングローブ炭、活性炭なども温熱シートに使用することはできる。
【0034】
つぎに図6〜9を参照して、前述の温熱シートC(以下、炭含有シート100という)を説明する。ただし、ここでの炭含有シートは図5のシートに加工する前の状態を説明する。
この炭含有シート100は、基材111と、その上に散布された竹炭粉末112と、その上を覆っている覆い層113とから構成されている。この炭含有シート100は、全体としては、カレンダー加工などにより、覆い層113が竹炭粉末112を挟んで基材111上に熱接合されている。そして両側部114では、加圧加熱により扁平に圧着されている。この炭含有シート100は実質的に接着剤が使用されていない。
【0035】
前記基材111としては、坪量10〜100g/m、より好ましくは20〜50g/m不織布が用いられる。不織布を構成する繊維は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂の繊維で、長さ当たり重量が1〜6デシテックス程度の繊維が用いられる。
【0036】
前記基材111は上記の熱可塑性樹脂から前述の絡合ないし抄造など、通常の製造方法で製造され、さらに加圧し、あるいは加熱加圧して形成する。とくに、熱可塑性樹脂の短繊維ないし繊維粉末をベルトコンベア上に吹き出して重ねながら絡合させ、2〜4個の熱ロールを用いたカレンダー加工で厚さ0.5〜2mm程度に成形したものが好ましい。ただし熱可塑性樹脂をノズルから噴出させながら板状部材の表面に重ねて絡合させた乾式不織布や、水などの媒体内で絡合させ、乾燥させた湿式不織布でもよい。それにより比較的強度が高い強靱な不織布が得られる。そして坪量10〜100g/m程度であるので、充分に柔軟である。
【0037】
前記竹炭粉末112としては、竹炭を製造して粉砕機ないし微粉砕機で粉砕し、さらにふるいにかけて、平均径0.1〜1mm程度、平均長さ0.1〜10mm程度に揃えたものを用いる。すなわち平均径が1mmより大きい場合、あるいは平均長さが10mmを超える場合は、竹炭粉末112が基材111や覆い層113に付着しにくい。そのため、全体の付着量が少なくなりがちである。逆に平均径や平均長さが0.1mmより小さい場合は、基材111などの表面に充分に付着するが、薄く付着することになり、竹炭粉末112の付着量が全体として少なくなりがちである。
【0038】
なお、竹炭粉末の粒子を細かく見ると、竹の繊維の細長い形状が残っているものがある。このような細長い粉末は、さらに細かく粉砕してもよいが、むしろ細長いほうが不織布の繊維の目に絡まりやすく、不織布を通過して脱落するのを防ぐことができる。そのため、これらの細長い竹炭粒子を排除したり細かく粉砕したりせず、そのまま利用するのが好ましい。上記のように、平均径が0.1〜1mm、平均長さが0.1〜10mmと、径と長さの範囲を代えているのは上記の理由による。なお、竹炭粒子の平均長さを平均径の2〜10倍程度、あるいは3〜10倍程度の細長い粒子のみを選別するようにしてもよい。
【0039】
上記の竹炭粉末を選別するには、目の粗いふるいを通過し、目の細かなふるいを通過しないものを選別するなどによる。その場合、たとえば径1mm以上の竹短繊維を通すスリット状のふるいと、粒子径が0.1mmより小さい竹炭粒子を通過させるふるいとを組み合わせるなどの方法が用いられる。細長いものだけを選別する場合は、たとえば長さ0.2mm未満、あるいは0.3mm未満の竹炭粉末を通過させるふるいを用いる。ただしふるいで選別しても、厳密には所定の範囲のものだけにするのは困難であるが、ある程度は選別することにより、不織布の繊維に絡合させやすくなる。
【0040】
竹炭の材料の生竹としては、孟宗竹、真竹、淡竹など、微小な孔を多数有するものが好ましく、生育年数が3〜5年の竹がとくに好ましい。このような生竹115は乾燥させ、図8に示すように、炭焼き用の焼成炉116中で、500〜750℃あるいはそれ以上で蒸し焼きにして竹炭とする(第1ステップS1)。そのとき、焼成炉116は空気取り入れ口に調整弁117を備えたものが用いられる。そして焼成炉116の下部に入れた廃竹118をガスバーナー119で着火させ、敷石120などからなる緩衝材を温め、その緩衝材の上に積み込んだ釜内の生竹115を蒸し焼きにして炭化させていく。
【0041】
なお、焼成炉116で焼くと、0〜100℃程度の範囲では、温度が緩やかに上昇する。ついで100〜350℃程度では、0〜100℃の範囲よりも温度上昇が急になる。そして350〜500℃で、再び温度上昇が穏やかに急になる。そして500〜750℃の範囲あるいはそれ以上では、350〜500℃の範囲よりも温度上昇が急になる。このように温度が段階的に変化するのは、つぎのような工程があるためと考えられる。すなわち、始めの0〜100℃の段階では、焼成炉116内の竹が敷石120の余熱で着火するまでの温度と考えられる。つぎの100〜350℃は、焼成炉116内の竹から水分が蒸発し、竹酢液が抽出される温度と考えられる。つぎの350〜500℃の段階では、焼成炉内の糧の有機物が分解される温度と考えられる。500〜750℃あるいはそれ以上は、竹の有機物が完全になくなり、炭化による竹炭の効能を引き出す温度と考えられる。したがって炭焼きの最終温度は少なくとも750℃以上とするのが好ましい。
【0042】
炭化処理が完了すると、得られた竹炭にブラシをかけて洗浄するなどにより灰などの炭化処理工程でできる不純物を取り除く(第2ステップS2)。そして前述のように微粉砕機などで粉砕し(第3ステップS3)、ついで所定の平均粒径、あるいは所定の平均径および平均長さのものを選別する(第4ステップS4)。
【0043】
焼成炉116の内部では生竹115の炭化の過程で一酸化炭素が発生し、その一酸化炭素がさらに燃焼して二酸化炭素に変化するので、充分に空気を供給する必要がある。ただし最終工程では調整弁117を調節して酸素濃度を低い状態に維持し、竹炭が灰になることを防ぐ。
【0044】
上記のように高温で焼くことにより、タールや竹酢液などが分離され、炭素純度が高い竹炭が得られる。この場合の竹炭の表面の電気抵抗は50Ω/cm以下、とくに10Ω/cm以下のものが好ましい。電気抵抗がそれより高い場合は、純度が低く、タールなどの不純物が多いので、竹炭粉末112の微細な孔が詰まり、吸着作用が低くなる。竹炭の電気抵抗は、テスターの2本の電極棒119を数センチメートルの間隔で竹炭の表面に当てて測定する。ちなみに生竹115のままでは通電しない。
【0045】
前記覆い層113としては、基材111と同様の不織布が用いられる。坪量も同程度か、いくらか軽い不織布、たとえば坪量10〜100g/m、より好ましくは10〜50g/mの不織布が用いられる。また、強く加圧せずにふんわりと起毛した状態で用いるのが好ましい。覆い層113の不織布の製造法も、基材の製造法と同様の方法、たとえば熱可塑性樹脂の短繊維ないし繊維粉末をベルトコンベア上に吹き出して重ねながら絡合させ、2〜4個の熱ロールを用いたカレンダー加工で厚さ0.5〜2mm程度に成形する方法などが採用される。ただし通常の乾式不織布や、湿式不織布でもよい。不織布を構成する繊維は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂の繊維で、1〜6デシテックスの繊維が用いられる。
【0046】
前述の基材111、竹炭粉末112および覆い層113は、たとえば図9に示す工程で炭含有シート100に加工される。まず、第1ノズル122から熱可塑性樹脂繊維の粉末ないし短繊維123をベルトコンベア124の上に吹き付け、ヒータ125で加熱して所定の厚さの繊維層126を形成する(第11工程S11)。そのとき、熱ローラ127で加圧して不織布(基材)にしてもよい。ついでベルトコンベア123で繊維層125ないし不織布を長手方向に移動させながら、第2ノズル128から竹炭粉末112を所定量、散布ないし吹き付けていく(第12工程S12)。 ベルトコンベア124は金属製のもの、とくにヒータ125の熱が通り易いように、目の細かい金網状のものが好ましい。
【0047】
ついでその上に第3ノズル29から覆い層113を形成するための熱可塑性樹脂繊維の粉末ないし短繊維を吹き付けて、第2の繊維層130を形成する(第13工程S13)。さらにそれらを熱ローラ131で加圧し、所定の厚さに形成するカレンダー加工を施す(第14工程S14)。それにより基材111の繊維と覆い層113の繊維が絡合し、交点で融着するので、竹炭粉末112を脱落しにくいように閉じ込める。それにより風合を損なわない炭含有シート100が得られる。得られた炭含有シート100は、図6に示すように、例えば二枚の温熱シートを形成するのに、炭含有シートを余すとこなく利用できるような幅のもので、またロール状のものが好ましい。しかし長尺シートであってもよい。
ロール状にする場合、カレンダー加工の後、さらに両側縁を過熱ローラで強く加圧して、幅1〜15mm、とくに5〜10mmの範囲で圧着した両側部(図6の符号114)を形成するのが好ましい。また長尺シートの場合、ロール状のシートを切断して、その切断端面を圧着するのが好ましい。つまり四方が圧着形成されている。なお、炭含有シートの製法については、これに限るものではない。
【0048】
上記の炭含有シート100は、接着剤を用いていないため、竹炭粉末による有害ガス吸着効果が高く、接着剤やバインダーを用いる場合のような揮発成分の発生がほとんどない。また、接着剤を用いていないため、一定期間使用した後、水で付着物を洗い流すことにより、繰り返し使用することができる。炭含有シートの製造は上記にかぎるものではない。このような炭含有シートは、蒸留した竹酢液などを散布することにより、抗菌ないし殺菌効果を増大させることができる。
【0049】
本体Bに収納部9に収納する温熱シートCは、図6に示すように前述の炭含有シートを切断して形成してなるが、その周辺部は接着剤を用いないで、加熱ローラなどによって圧着する。それにより、周辺部より竹炭粉末が脱落しないので、好ましい。なお、全面を圧着することもできる。また接着剤が使用されないので、前述のような揮発成分の発生がないなどの効果があり、好ましい。しかし周辺部が圧着されてなくてもよい。圧着しない場合、周縁からは竹炭粉末が脱落しやすいが、竹炭粉末を基材と覆い層の繊維内に充分に絡ませることにより、竹炭粉末が不織布を透過してシート表面から脱落することを防止しうる。周辺部が圧着されていないものは、全体として風合いのある炭含有シートとなる。
【0050】
明らかなようにこの温熱シートは繊維製で、非常に薄く、柔軟であり、しかも軽量であるから、柔軟な本体とは一体になり易い。また、本体と共に、緩やかな曲面を形成することができる。したがって足の曲面を優しく覆うことができ、また足を圧迫することもない。また歩行時の足の角度にも対応するので、違和感はなく、また非常に軽量なので、足に負担を掛けないで、着用することができる。また寝たきりの場合は、足を優しく包むので、足への重量感はない。またこの温熱シートは非常に軽量であるから、収納部への収納枚数を増加して、保温作用を一層、高めることができる。このように温熱シートを複数層にしても、足カバーの柔軟性は保持される。一方、張り性は一層、増すことになるので、立ち上がり部は立状態になり易い。足カバーはこれ自体が二層構造になっており、また隙間を形成しているので、その隙間からなる空気層が保温性を有している。そのため、温熱シートを設けないで使用することもできる。このようにこの足カバーは体調や季節の寒暖に応じて保温作用を調整することができる。
【0051】
また、温熱シートは収納部から取り外すことができるので、足カバーの本体Bだけを洗濯することができる。したがって温熱シートCは本体Bの洗濯によって、炭微粒子の担持状態が損なわれることはない。また炭粒子は太陽光線を当てると、炭微粒子が持っている作用効果が回復する。そのため温熱シートBは、本体Bに着脱自在にしておくと、本体Bからときどき取り外して、太陽光線に当て、炭微粒子の作用効果を迅速に回復させることができる。
【0052】
前述の説明によって明らかなように、図1の本発明の保温用の足カバーAは、図10に示すように内被体8a、温熱シートBそして外被体8bの三層構造になっているが、柔軟な一枚の生地のように滑らかな触感を呈する。したがって上記の足カバーAは足形の複雑な曲線にも対応することができるので、ごわつきがない。また踵部は縫合部がないので、寝たきりの人がこの足カバーを装着しても、床ずれがおきにくい。底面およびつま先部にも継ぎ目がないので、歩行し易い。また温熱シートを二層にして、本体Bの収納部に設ける場合、全体の柔軟性は維持されるので、このような層構造の場合においても、ほぼ変らない使い心地を得ることができる。しかも保温作用については、一層、有効になっている。
なお、温熱シートCが三層以上で、内被体8aおよび外被体8bがそれぞれ2層以上の層構造である場合、前述のような作用効果あれば、層構造の構成は問わない。
【0053】
つぎに図1および図2を参照して、足カバーAの使用方法および使用状態について、説明する。
足カバーAを装着するとき、左片3と右片4は、図2に示すように左右に開くことによって、短靴部1に直結する大きな開口部が確保できるので、短靴部1には足を簡単に挿入することができる。短靴部1に挿入した後、臑のところに、右片4を内向きに倒して沿わせると共に、被係合部6、また補助被係合部7を臑の周りに設ける。このとき、右片4は張り性を有しているので、軽く手で補助するだけで、立状態で臑に設けることができる。一方、左片3の係合部5の上ベルト10および下ベルト11も前述のとおり張り性を有しているので、前記右片の被係合部6、あるいは補助被係合部7に簡単に接着させることができる。また、上ベルト10と下ベルト11は順番に被係合部6の雄面15aと雄面15bあるいは補助被係合部7の雄面16aと雄面16bへと段階的に接着させることができるので、接着させる位置を細かく確認しながら係合することができる。このようにベルトを持って行なう係合作業は、手への負担が軽くてすみ、軽快におこなうことができる。また、上方のベルトの係合位置はそのままで、下方のベルト11だけを修正することもできる。また上ベルト10および下ベルト11は係合部の一部分であるから、被係合部との微調整がし易い。また上記ベルトは柔軟なので、ベルトを曲げて、微調整をすることができる。また右片には6被係合部と補助被係合部7の二種類を設けているので、係合部5との接着面は広域に形成されている。したがって立ち上がり部を筒状に形成する場合、立ち上がり部を臑に密着させたり、また余裕を持たせたりなど、細かく調整することができる。例えば短靴部が足の大きさよりも大きく形成されている場合、立ち上がり部を臑に密着させれば、足カバーは足から脱落するのが防止される。
【0054】
またコ字状の係合部5とコ字状の被係合部6は、左片3と右片4のそれぞれの側縁を係合することによって、立ち上がり部2の前側は完全に閉鎖されるので、足カバーは、短靴部1と立ち上がり部2が隙間無く連続形成される。したがって、足カバーAはその間から冷たい空気が流入して冷感を与えるのを防止する。またその係合部5が補助被係合部7に係合する場合においても、立ち上がり部の前側を閉鎖することは可能である。
さらに右片4では被係合部6と補助被係合部7が近接しているので、右片4は比較的、広域に雄面が設けられていることになる。したがって係合部5は被係合部6と補助被係合部7の両方を同時に利用することができるので、使用者の足の状況に応じて、係合部の係合位地を最もよいところに決めることができる。
【0055】
通常、厚手の生地では縫合している部分、つまり継ぎ目の部分の厚さが二倍となり、また継ぎ目の部分では段差が生じる。したがって就寝時など、足がその継ぎ目の上に長時間、乗る状態が続くと、足のその部分の血管は圧迫を受けて血流が悪くなる。また、足カバーの踵部およびつま先部に上記継ぎ目が当たると、違和感がある。しかし、この足カバーは踵部およびつま先部に継ぎ目がないので、寝たきり状態においては、踵部の血流が阻害されにくい。また踵部およびつま先部は平坦で柔軟性に富み、また段差がないので、違和感がない。
立ち上がり部の左片3および右片4は前述のとおり、張り性を有しているので、左右片を重ね合わせて、係合部5と被係合部6に設けている面ファスナーの雌雄面を係合することによって、立ち上がり部2の前側は一層、張り性が増す。したがって立ち上がり部2は立状態になり易いので、臑(すね)に締め付けなくても、垂れ下がりにくい。また足の血行は阻害されないので、臑を含む足全体は温熱シートによる確かな保温を享受できる。
【0056】
この足カバーの側面の挿入口にはスライドファスナーが設けられているが、これは踝(くるぶし)の対応する部位より上方に設けられているので、横向けに寝たとき、足の側面が床面に接触するときでも、踝がスライドファスナーに押されて、血流を悪くすることはない。
【0057】
その他のブーツ形の足カバーの実施形態としては、図11に示すように、ブーツ形の本体Cの立ち上がり部60の前面を内向きに折り曲げ、その折り曲げた内面同士が係合するように、その折り曲げ部の内面の両側の縦方向に、帯状の面ファスナーの雌雄面61a、61bを近接した状態で配している。二点鎖線で示す立ち上がり部の周りの長さが、雌雄面61a、61bを係合することによって、小さくなる。立ち上がり部は、この雌雄面の係合を解除することによって、原状に戻すことができる。なお、この雌雄面をさらに左右方向に離して配することによって、雌雄面を係合したときの立ち上がり部の周りの長さは原状のそれとは一層、大きくなる。
また図12に示すように本体Cの立ち上がり部70の前面を短靴部のところまで切り開いて、右片71と左片72を形成し、その裏面側に面ファスナーの雌雄面73a、73bを設けてもよい。この場合、左片71と右片72はそれぞれの側縁の内面を当接することによって、その雌雄面は簡単に係合し、また望ましい周りの長さの筒状にすることができる。
図11および図12の実施形態は立ち上がり部の前側の縦方向に面ファスナーの雌雄面の係合部が形成されるので、柔軟な本体の立ち上がり部の前側は縦方向に補強リブの作用を有することになる。したがって柔軟な足カバーは垂れ下がらない。
なお、いずれの保温用足カバーも図1の保温用足カバーAと基本的な構造は同じで、内被体と外被体によって本体Cを形成し、またその収納部の中に同じく温熱シートを設けている。また保温用足カバーに関する材料、素材そして基本的な製法についても、図1の保温用足カバーAと同様である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は本発明の保温用足カバーAの一実施形態を示す正面斜視図である。
【図2】図2は本体の一部切り欠いた正面斜視図である。
【図3】図3は本体の分解斜視図である。
【図4】図4は内被体と外被体の展開図である。
【図5】図5は温熱シートの展開平面図である。
【図6】図6は温熱シートの一実施形態の層構造を示す一部欠如の斜視図である。
【図7】図7は図6の要部断面図である。
【図8】図8は温熱シートに用いる竹炭粉末の製造法の一例を示す工程図である。
【図9】図9は図8の温熱シートの製造法を示す工程図である。
【図10】図10は本体の層構造を示す拡大断面図である。
【図11】図11は足カバーの他の実施形態を示す正面斜視図である。
【図12】図12は足カバーのその他の実施形態を示す正面斜視図である。
【符号の説明】
【0059】
1 靴部
2 立ち上がり部
3 左片
4 右片
5 係合部片
6 被係合部
7 補助被係合部
8a 内被体
8b 外被体
9 収納部
10 上ベルト
11 下ベルト
12 側縁部
14a 雌面
14b 雌面
14c 雌面
15a 雄面
15b 雄面
15c 雄面
16a 雄面
16b 雄面
16c 雄面
20a 襠地
21a 左側地
21b 左側地
22a 右側地
23a 上ベルト用片
23b 上ベルト用片
24a 下ベルト用片
24b 下ベルト用片
25a 側縁部
25b 側縁部
30 襠地シート
31 外周用シート
60 立ち上がり部
61a 雌面
61b 雄面
70 立ち上がり部
71 左片
72 右片
73a 雌面
73b 雄面
A 足カバー
B 本体
C 温熱シート
S1 縫合部
S2 縫合部
100 炭含有シート
111 基材
112 竹炭粉末
113 覆い層
114 両側部
115 生竹
116 焼成炉
117 調整弁
118 廃竹
119 ガスバーナー
120 敷石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚手の柔軟な布地を略靴形の縫製してなる保温用足カバーであって、踵部が継ぎ目のない状態となるように背面部と底面部が連続した布地で形成されている保温用足カバー。
【請求項2】
前記布地が、内被体と外被体とによって二重に形成され、前記内被体と外被体の隙間からなる収納部に炭微粒子を担持させた繊維製の温熱シートを着脱可能に収納している請求項1記載の保温用足カバー。
【請求項3】
足を入れる短靴部と、その短靴部の上端から筒状に立ち上がる立ち上がり部とを備えたブーツ形である請求項1記載の保温用足カバー。
【請求項4】
前記立ち上がり部が、前側で左前片と右前片に分離されると共に、左右の前片の重ね代を調節できるように係合部材を備えている請求項3記載の保温用足カバー。
【請求項5】
前記左右の前片のうち、外側にくる前片の側端からベルトを延出し、そのベルトと内側にくる前片に前記係合部材を設けている請求項4記載の保温用足カバー。
【請求項6】
前記立ち上がり部の前側の内面に、前側の内面同士を着脱自在に係合する係合部材を備えている請求項3記載の保温用足カバー。
【請求項7】
前記係合部材が面ファスナーである請求項4、5、6または7記載の保温用足カバー。
【請求項8】
足を入れる短靴部と、その短靴部の上端から筒状に立ち上がる立ち上がり部とを備えたブーツ形であり、前記立ち上がり部の側面に、温熱シートを前記収納部に挿入するための開閉可能な挿入口を設けている請求項2記載の保温用足カバー。
【請求項9】
前記挿入口が立ち上がり部の上端近辺から踝に対応する部位の上まで形成されている請求項8記載の保温用足カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−327153(P2007−327153A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159288(P2006−159288)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(597107593)株式会社タナック (8)
【Fターム(参考)】