説明

保管されたインクジェットプリントヘッドのノズルの故障を減らす方法および装置

【課題】インクジェットプリントヘッドのノズルにおける付着物の形成を抑制し、プリントヘッドの保存性を増大させるための方法および装置を提供する。
【解決手段】インクジェットプリントヘッド20は、色材を吐出するための1つまたは複数のノズル22を有する。これらのノズル22は、リザーバ32に流体的に接続される。第1の色材26aがノズル22を実質的に満たす一方、第2の色材26bはリザーバ32内に保存される。第1の色材26aは、第2の色材26bよりも着色剤の濃度が低い。インクジェットプリントヘッド20のノズル22を第1の色材26aによって満たすことにより、ノズル22内の付着物2の形成を防止または遅くする。印刷の前に、第1の色材26aを、プリントヘッド20のノズル22から引き出すか、または、リザーバ32内に保存された第2の色材26bと混合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管されていたか、または、その他の理由で、長い期間使用されていなかったプリントヘッドのノズルの故障を減らす方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどのインクジェットプリンタは、揮発性溶媒に溶解するか、または懸濁する、染料および/または顔料から成る色材すなわちインクを吐出する。プリンタのプリントヘッドが、用紙またはフィルム等の記録媒体上に色材を付着させると、色材の溶媒は、急速に気化し、記録媒体上に染料および/または顔料を残す。
【0003】
製造工程中に、インクジェットプリンタのプリントヘッドは試験されなければならない。したがって、プリントヘッドが適切に機能することを保証するための試験時に、プリントヘッドから吐出されることになる、染料および/または顔料をベースにした色材をインクジェットプリントヘッドに供給することが通例である。プリントヘッドが取り付けられたプリンタを試験することができるように、プリントヘッドに色材を含めることが必要である場合もある。
【0004】
しかしながら、色材が、長い期間、プリントヘッド内に留まるようにされる場合、色材を構成する揮発性溶媒は、少なくとも部分的に気化し、プリントヘッドのノズル内に、粒子残留物または沈殿物を残す場合が多い。図1a〜図1cは、色材からの揮発性溶媒の気化によって、どのようにプリントヘッドの誤動作が起こる可能性があるかを示す。
【0005】
図1aは、インクジェットプリントヘッド10の典型的なノズル12の概略図である。当業者によって容易に理解されるであろうが、プリントヘッド10は通常、複数のノズル12を含み、ノズルはそれぞれ、導管14によってリザーバ(図示せず)に接続される。一般に、単一導管14が、複数のノズル12に色材13を供給する。サーマルインクジェットプリントヘッドでは、小さな抵抗器16がノズル12の開口に隣接して設けられる。抵抗器16は、色材13の温度を急速に上昇させて、その色材の溶媒を沸騰させることによって、ノズル12から色材13を噴射させる。沸騰する溶媒の急速な膨張は、知られている方法で、ノズル12の開口から色材13の小液滴(図示せず)を噴射させる。他のタイプのインクジェットプリントヘッドは、抵抗器16の代わりに、圧電素子を利用する場合がある。
【0006】
図1aに示すプリントヘッド10は、色材13で新たに満たされたプリントヘッドを示す。図1bは、ある期間保管されたプリントヘッド10を示す。時間が経過するにつれて、色材13内に存在する溶媒は、矢印18で示すように気化し始める。溶媒が色材13から気化することによって、色材13に存在する顔料および/または染料が濃縮される。さらに時間が経つと、顔料および/または染料は、固体付着物2を形成し始める。図1cを見るとわかるが、付着物2は、ノズル12を閉塞し、それによって、ノズルの適切な機能を妨げるまで成長している。
【0007】
色材から溶媒が気化するのを抑制するために、プリントヘッドのノズルをテープで覆うか、さもなければプリントヘッドを他の形でキャップで確実に覆われるようにすることが一般的である。こうした方法は、色材から溶媒が気化するのを実際に遅らせるが、単にノズルを覆っても、プリントヘッドが長い期間保管される場合には、ノズルにおける付着物の形成を防止するには十分ではない。
したがって、特に、プリントヘッドが、使用される前か、使用と使用の間のいずれかにおいて、長い期間保管されなければならない場合に、プリントヘッドのノズルにおける付着物の形成を防止することができる方法および/または装置に対する必要性が認識されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、説明の一部を形成し、本発明を実施することができる例示的な実施形態を例として示す添付図面が参照される。図面において、同じ符号は、いくつかの図を通して実質的に同じ構成部品を記述する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするように十分に詳細に述べられる。他の実施形態を利用することができ、構造的、論理的、電気的な変更を、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。したがって、以下の詳細な説明は、制限的な意味で理解されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ規定される。
【0009】
図2は、単一ノズル22が内部に形成されている例示的なプリントヘッド20の概略図である。実際には、インクジェットプリントヘッド20は、複数のノズル22を有するであろうことに留意されたい。しかしながら、明確にするために、本明細書は、単一ノズルのみを有するプリントヘッドを説明する。
【0010】
色材は、導管24を通してノズル22に供給される。導管24は、色材26の連続した供給源を提供するリザーバ(図示せず)に流体的に接続される。本明細書の例示的な方法および装置は、揮発性溶媒を含む色材26を利用する、任意のプリントヘッドまたは印刷機構に適用することができるが、本明細書は、例示的なサーマルインクジェットプリントヘッドの実施形態に焦点をあてる。抵抗器28は、導体30を介してコントローラに電気的に接続される。コントローラ(図示せず)は、抵抗器28に電流を印加し、抵抗器28のすぐ近くの色材26内の溶媒を沸騰させる。溶媒の沸騰によって、蒸気泡が生成され、この蒸気泡の膨張によって、ノズル22から色材26の小液滴が噴射されて、記録媒体(図示せず)上に画像が形成される。
【0011】
プリントヘッド20を、その製造後に試験すること、または、プリントヘッド20が設置されたプリンタ(図示せず)を試験することが必要である場合があるため、第1の、希釈された色材26aが、ノズル22を実質的に満たすように、プリントヘッド20内に挿入される。第1の色材26aは、ノズル22の開口のすぐ近くのノズル22の部分を満たさなければならないことに留意されたい。また、第1の色材26aは、同様に、導管24の一部または全体を満たしてもよい。好ましくは、第2のより濃縮された色材26bは、リザーバ32(図3を参照されたい)内に入れられ、リザーバ32内で独立して保管される。しかしながら、或る適用形態では、第2の色材26bは、第1の色材26aが導管24内に挿入された後に、プリントヘッド20の導管24内に注入されることができる。
【0012】
プリントヘッド20に存在する誤動作するノズル22の数が、色材26の濃度と、プリントヘッド20が保管されている時間長との両方に直接関係していることがわかっている。したがって、開口に隣接するノズル22内に直接、第1のより希釈された色材26aを挿入することによって、所与の期間において誤動作するノズル22が少なくなる。上述したように、第1の色材26a内の溶媒は気化し続ける可能性があるため、第1の色材26aの染料および/または顔料の濃度を低くすることによって、ノズル22の開口における付着物の成長が遅くなる。
【0013】
或る実施形態では、第1の色材26aは、単に、より濃縮された第2の色材26bがより希釈されたものである。プリントヘッド20が一旦製造されると、第1の色材26aは、導管24を通ってノズル22内に挿入される。第2の色材26bは、その後、リザーバ32内に注入される。第1の色材26aの染料および/または顔料の濃度は、第2の色材26bの染料および/または顔料の濃度より低いが、濃度は、一般に行われるように、プリントヘッド20が試験されることを可能にするのに十分であり、なおかつ所与の期間にわたってプリントヘッド20を保管した後でも、誤動作するノズル22は少ない。
【0014】
他の或る実施形態では、第1の色材26aが、ノズル22の大部分、おそらくは、ノズル22の全てを占めていることを考えると、第2の色材26bは、プリントヘッド20内に挿入されて、少なくとも一部が導管24内に入るものの、おそらく部分的にノズル22内にも入る。ノズル22内の導管24の寸法は、色材26aおよび26bが、実質的に混合されないようなものであることに留意されたい。したがって、染料および/または顔料の濃度のみが異なる色材26aおよび26bが、実質的に混合されることなく、長い期間にわたって近接して共存することが可能である。
【0015】
場合によっては、異なる色材26aおよび26bを利用することが好ましい場合がある。本明細書で使用される「異なる」という用語は、溶媒と、染料および/または顔料などの着色剤との異なる組み合わせおよび濃度から成る色材26を含むと考えられるべきである。単に例として、場合によっては、色材26bとは異なる色相、すなわち、色相については全く異なる色彩を有する色材26aを利用することが望ましい場合がある。色材26a、26bの混合をさらに防止するために、異なるか、または互いに混和しない溶媒を、それぞれの色材について選択することが望ましい場合がある。別法として、揮発性が比較的低い色材26aにおいて使用するための溶媒または溶媒の混合物を選択することが望ましい場合がある。
【0016】
図3は、本発明を実施する装置を示す。この実施形態では、ノズル22は、ノズルオリフィス板23に形成される。色材は、導管24を通してノズルオリフィス板23のノズル22に供給される。図3を見るとわかるが、導管24は、色材26用の非常に小さい保管場所を含む大きさに作られることができる。導管24は、色材送出システム31に流体的に接続される。色材送出システム31は、ポンプ34および弁36を通過するライン33によって、導管24に接続される色材供給リザーバ32を含む。或る実施形態では、色材送出システム31は、プリントヘッド20から遠隔に位置してもよいことに留意されたい。他の実施形態では、インク送出システム31は、プリントヘッド20の一体部品として形成されてもよい。したがって、ライン33は、リザーバ32を導管24に接続する任意の結合機構を含むものと解釈されることが理解されるべきである。
【0017】
通常の動作中に、ポンプ34が作動して、リザーバ32からライン33を通して導管24に色材を移動させる。弁36が動作して、ライン33を選択的に開閉し、それによって、リザーバ32から導管24への色材の流れを、場合に応じて、許可するか、または妨げる。色材26は、重力によって、またはポンプ34による導管24内の色材26の加圧によって、導管24を通って流れる。
【0018】
製造工程の一部として、または、「長期にわたる保管」処置の一部として、図3に示す装置では、充填ライン27で示すように、所定量の第1の色材26aが、導管24内に挿入されている。導管24内に挿入された第1の色材26aの量は、必要とされる1回または複数回のプリントヘッド20の試験を可能にし、ノズル22が、第1の色材26aで実質的に満たされることを保証するのに十分である。プリントヘッド20がプリンタに設置された後、製造時点で、またはその後、或る量の第1の色材26aを導管24内に注入することを可能にするために、プリントヘッド20に、ポートまたは他のアクセスポイント(図示せず)が設けられてもよい。
【0019】
或る例示的な実施形態では、複数のリザーバ32が使用されてもよい。示す実施形態では、プリントヘッド20は、色材送出システム31を作動して、プリントヘッド20から第1のリザーバ32へ第1の色材26aを引き込むことによって、記録媒体上に画像を印刷する準備をする。第1の色材26aがプリントヘッド20から一旦取り除かれると、第1の色材26aを収容するリザーバ32は、色材送出システム31から分離し、第2の色材26bを内部に収容している第2のリザーバ32が、色材送出システム31に結合される。色材送出システム31は、その後、作動して、印刷するために、第2の色材26bをプリントヘッド20に提供する。第1の色材26aは、第1のリザーバ32内に保存されてもよく、または廃棄されてもよい。プリントヘッド20を「長期にわたって保管する」ことが望ましい場合、保存するために、色材送出システム31が作動して、プリントヘッド20から第2の色材26bを取り出し、リザーバ32に戻してもよい。その後、第1の色材26aが内部に収容されているリザーバ32を色材送出システム31に結合することによって、第1の色材26aは、プリントヘッド20内に再導入されることができる。色材送出システム31は、その後作動して、第1の色材26aをプリントヘッド20内に再導入する。
【0020】
プリントヘッド20のノズル22は、キャッピングまたはテーピングによるのと同様に、また、プリントヘッド20が使用されることになる適用形態を考えるとふさわしいと思われるような形で閉じることができる。プリントヘッド20は、その後、保管されるか、そうでなければ停止状態にされることができる。プリントヘッド20は、ライン33から切り離されて、リザーバ32、ポンプ34、および弁36から離れた場所に保管されることができるか、保管のために、リザーバ32、ポンプ34、および弁36と共にプリンタ内に設置することができるか、または、リザーバ32、ポンプ34、および弁36の組み合わせが、一体のパッケージで、プリントヘッド20と共に保管されることができることに留意されたい。本適用形態のために、「保管」という用語は、プリンタから遠隔の場所でプリントヘッド20をとっておくこと、またはプリントヘッド20がプリンタに設置される場合、長い期間にわたる停止状態を意味するものと考えるべきである。第2の色材26bは、リザーバ32内部にその全体が保持されることができ、第1の色材26aのみが導管24内に残る。別法として、第2の色材26bは、図3に示すライン27までの第1の色材26aに続いて、かつ、そこまで、導管24内に挿入することができる。
【0021】
プリントヘッド20が、現在使用中であるが活動期間が長い場合、長期にわたる保管処置が、プリントヘッド20に対して実施されてもよい。こうした処置の間、導管24およびノズル22に存在する比較的濃縮された色材26bは、ポンプ34のポンピング作用によって、ライン33を通ってリザーバ32に噴射されるか、または引き入れられる。その後、希釈された色材26aが、ノズル22を実質的に満たすために、上述のポートを通して導管24内に挿入されることができる。代替の実施形態では、濃縮された色材26bの量がいくらか、導管24およびノズル22内に保持される場合があるため、染料および/または顔料が内部に含まれていない適合する溶媒を、導管24内に挿入させて、先に説明したポンプ34をパルス駆動することによって、導管24に残っている第2の色材26bと混合させることができる。別法として、導管24に付加された純粋な溶媒は、導管24を通って引き入れられ、ノズル22の標準動作によってノズル22から放出される。ノズル22は、プリントヘッド20が設置され、かつ/または停止状態にされた時に、ノズル22の誤動作の発生率を減らすために、純粋な溶媒の十分な量をノズル22内に引き入れるように動作する。
【0022】
プリントヘッド20がプリンタに設置されるか、またはプリンタのプリントヘッド20が再始動すると、記録媒体上への画像の印刷が、第1の色材26aを使用して開始されることができる。第1の色材26aとして、第2の色材26bの希釈された混合物を使用することによって、第1の色材26aの色彩、色相および/または明度が第2の色材26bを使用して印刷される画像の期待される画像品質要求を満たすのにほぼ十分である、許容可能な品質の画像を生成するように、プリントヘッド20は印刷を開始することができる。別法として、所望の第2の色材26bを使用した印刷を開始する前に、1回または複数回の試験画像またはパターンが、プリントヘッド20内の第1の色材26aの供給源を使い果たすために印刷されてもよい。
【0023】
図3に示す装置はまた、プリントヘッド20による印刷を開始する前に、第1および第2の色材26aおよび26bを混合するように動作することができる。この実施形態では、第1の色材26aは、第2の色材26bが希釈されたものである。プリントヘッド20がプリンタに設置されるか、または、停止期間の後、プリントヘッド20が再始動すると、弁36が開き、ポンプ34が動作して、別法として、リザーバ32から導管24へ第2の色材26bが圧送され、導管24からリザーバ32へ第1の色材26aが引き入れられ、それによって、第1および第2の色材26aおよび26bが効率的に混合される。記録媒体上に画像を印刷するのに使用される色材26が、所望の色彩の明度を保持することを保証するために、リザーバ32内に収容される第2の色材26bが非常に濃縮されるか、または、リザーバ32が過剰充填される場合がある。この場合、第2の色材26bの濃度および/または容量は、或る量の希釈された第1の色材26aを付加しても、明度、色相などのような所望の色材特性に大きな影響を与えないような程度である。
【0024】
図4は、色材送出システム31、プリントヘッド20、およびノズルプライミングシステム40を含む別の例示的な実施形態を示す。上述したように、インク送出システム31は、ライン33によって、プリントヘッド20の導管24に流体的に結合されているリザーバ32を含む。図4に示す実施形態では、ライン33にはポンプも弁も含まれていないが、これらは、考慮下にある適用形態が認める場合には付加されてもよい。プリントヘッド20のノズル22は、ノズルオリフィス板23に含まれる。図3を参照されたい。示すように、プリントヘッド20は、第1の色材26aによって充填ライン27まで満たされている。図4は、導管24が、第1の色材26aによって少なくとも部分的に満たされていることを示すが、ノズルオリフィス板23のノズルが、希釈された第1の色材26aによって、部分的にまたは実質的に満たされていることだけが必要であることを心に留めておかなければならない。より濃縮された第2の色材26bが、インク送出システム31のリザーバ32内に収容され、かつ、要求に応じて、ライン33を通ってプリントヘッド20に供給される。ノズルプライミングシステム40は、プリントヘッドの1つのノズルオリフィス板23の上にぴったり合うように構成され、配置された、好ましくはノズルオリフィス板23の上にシールを形成するプライミングキャップ42を備える。このプライミングキャップ42は、ライン48によって、ポンプ44を通してプライミングリザーバ46に接続される。
【0025】
動作時、プリントヘッド20は、最初にプリンタに設置されるか、または停止期間の後に再始動され、ポンプ44が作動して、プリントヘッド20のノズルオリフィス板23および導管24から第1の色材26aを取り出し、プライミングキャップ42に入れる。第1の色材26aは、その後プライミングリザーバ46に堆積される。この実施形態では、第1の色材26aは、プリントヘッド20から一旦取り出され、プライミングリザーバ46に堆積されると、再使用されないであろう。しかしながら、第1の色材26aが、所望される場合には再使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0026】
第1の色材26aがプリントヘッド20から取り出されると、同時に、ポンプ44の作用によって、リザーバ32から導管24へ、そして、ノズルオリフィス板23のノズルへと第2の色材26bが引き入れられる。この時点で、プリントヘッド20は、第2の色材26bを使用して画像を印刷し始める用意ができる。
【0027】
本明細書において、特定の実施形態が示され、かつ述べられたが、同じ目的を達成するように考えられた任意の機構を、示した特定の実施形態の代わりに用いてもよいことが当業者によって理解されるであろう。本発明の多くの適応は、当業者には明らかであろう。したがって、本出願は、本発明の任意の適応または変形を包含することが意図される。本発明が、添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ制限されることが明白に意図される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1a】色材内の溶媒が気化してノズル内に付着物が形成される、従来技術のプリントヘッドの時間経過の概略図である。
【図1b】色材内の溶媒が気化してノズル内に付着物が形成される、従来技術のプリントヘッドの時間経過の概略図である。
【図1c】色材内の溶媒が気化してノズル内に付着物が形成される、従来技術のプリントヘッドの時間経過の概略図である。
【図2】本発明による、低い濃度の色材がノズル内に挿入されている例示的なプリントヘッドの概略図である。
【図3】図2に示すような、例示的なプリントヘッドとプリントヘッドを動作させるための色材供給システムとの概略図である。
【図4】図2に示すような、また、例示的なノズルプライミングシステムをさらに含む例示的なプリントヘッドの概略図である。
【符号の説明】
【0029】
20:インクジェットプリントヘッド
22:ノズル
24:導管
26:色材
26a:第1の色材
26b:第2の色材
28:抵抗器
30:導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色材を吐出する少なくとも1つのノズルを有するプリントヘッドを設けるステップであって、前記少なくとも1つのノズルは、色材を保管しかつ前記少なくとも1つのノズルに該色材を供給するリザーバに流体的に接続されている、ステップと、
第1の色材を前記プリントヘッドに導入するステップであって、該第1の色材は、前記少なくとも1つのノズルを実質的に満たす、ステップと、
第2の色材を前記リザーバに保存するステップと、
を含む、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項2】
前記第1の色材によって少なくとも1つの試験画像を印刷するステップをさらに含む、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項3】
前記プリントヘッドから前記第1の色材を噴射するように前記プリントヘッドを作動させるステップをさらに含む、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項4】
前記第2の色材を使用して記録媒体上に画像を印刷する前に、前記プリントヘッドから前記第1の色材を取り出すステップをさらに含む、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項5】
前記第2の色材を使用して記録媒体上に画像を印刷する前に、前記プリントヘッドから前記第1の色材を取り出すステップと、
前記画像が印刷された後に前記プリントヘッドから前記第2の色材を取り出し、該第2の色材を、或る量の前記第1の色材と交換するステップであって、前記第1の色材の前記量は、前記少なくとも1つのノズルを実質的に満たす程度である、ステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項6】
前記第1の色材および前記第2の色材は、着色剤および溶媒を含み、前記第2の色材は、前記第1の色材より着色剤の濃度が高い、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項7】
前記第1の色材の溶媒および前記第2の色材の溶媒は、同じである、請求項6に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項8】
前記第1の色材の溶媒および前記第2の色材の溶媒は、互いに混和しない、請求項6に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項9】
リザーバとプリントヘッドとを流体的に接続する色材供給システムを設けるステップと、
印刷のために前記プリントヘッドを始動する前に、前記第1の色材および前記第2の色材を混合するように、前記色材供給システムを作動させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項10】
前記色材供給システムが、ポンプおよび弁を備え、該ポンプおよび弁は、前記プリントヘッドと前記リザーバとの間で一列に接続され、前記ポンプおよび弁は、前記プリントヘッドから前記リザーバ内へ前記第1の色材を引き込み、かつ、前記リザーバから前記プリントヘッド内へ前記第2の色材を引き込むことを交互に行うように構成され、配置され、前記ポンプおよび弁の協動は、前記第1の色材および前記第2の色材を実質的に混合させる程度である、請求項9に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項11】
前記リザーバと前記プリントヘッドとを流体的に接続させる色材供給システムを設けるステップと、
第1のリザーバを前記色材供給システムに結合させるステップと、
前記プリントヘッドから前記第1のリザーバに前記第1の色材を排出するように、前記色材供給システムを作動させるステップと、
前記第2の色材を収容する第2のリザーバを、前記色材供給システムに結合させるステップと、
前記第2のリザーバから前記プリントヘッドへ前記第2の色材を移動させるように、前記色材供給システムを作動させるステップと、
を含む、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項12】
前記プリントヘッドから前記第1の色材を取り出すプライミングシステムを設けるステップと、
前記プリントヘッドから前記第1の色材を取り出すように前記プライミングシステムを作動させるステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項13】
前記第1の色材が前記プリントヘッドから取り出されると、前記第2の色材を前記プリントヘッド内に引き込むステップをさらに含む、請求項12に記載の、揮発性色材を使用するプリントヘッドの保存性を改善する方法。
【請求項14】
色材を吐出する少なくとも1つのノズルを有するプリントヘッドと、
色材を保管し、かつ、前記少なくとも1つのノズルに該色材を供給するリザーバであって、前記少なくとも1つのノズルは前記リザーバに流体的に接続されている、リザーバと、
前記プリントヘッド内に配置された第1の色材であって、前記少なくとも1つのノズルを実質的に満たす、第1の色材と、
前記リザーバ内に配置された第2の色材と、
を備えている印刷機構。
【請求項15】
ポンプおよび弁をさらに備え、該ポンプおよび弁は、前記リザーバと前記プリントヘッドとの間で一列に流体的に接続され、前記ポンプおよび弁は、前記第1の色材と前記第2の色材との混合を行うように構成され、配置される、請求項14に記載の印刷機構。
【請求項16】
前記ポンプおよび弁は、前記プリントヘッドから前記リザーバ内へ前記第1の色材を引き込み、かつ、前記リザーバから前記プリントヘッド内へ前記第2の色材を引き込むことを交互に行うように構成され、配置され、前記第1の色材および前記第2の色材の交互の移動は、前記第1の色材および前記第2の色材を効率的に混合する、請求項15に記載の印刷機構。
【請求項17】
前記プリントヘッドの前記少なくとも1つのノズルの上に嵌るように構成され、配置され、前記少なくとも1つのノズルの周囲に少なくとも部分的なシールを形成するノズルプライミングキャップと、
前記ノズルプライミングキャップに流体的に接続され、該ノズルプライミングキャップを通して前記少なくとも1つのノズルに真空を加えるように構成され、配置されたポンプと、
前記ノズルプライミングキャップに流体的に接続されたプライミングリザーバであって、ポンプが前記ノズルプライミングキャップを通して前記プリントヘッドの前記少なくとも1つのノズルに真空を加えている間に、前記第1の色材が、前記プリントヘッドから前記少なくとも1つのノズルを通って前記ノズルプライミングキャップ内へと前記ポンプによって引き込まれると、該第1の色材を受け取る、プライミングリザーバと、
をさらに備えている、請求項14に記載の印刷機構。
【請求項18】
前記第2の色材は、前記第1の色材が前記プリントヘッドから取り出される時に、前記リザーバから該プリントヘッド内に引き込まれる、請求項17に記載の印刷機構。
【請求項19】
前記プリントヘッドは、或る量の前記第1の色材を該プリントヘッド内に注入するポートをさらに備え、前記第1の色材の前記量は、前記少なくとも1つのノズルを実質的に満たすのに十分である、請求項17に記載の印刷機構。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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