保管庫、及び保管庫製造システム
【課題】電気工事屋さんでも簡単に組み立てられ、電気工事も同時に行ってもらえる、自動開閉鍵付でありながら、簡易な組立保管庫の提供をすること。
【解決手段】間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板2、及び底板3と、天板2と底板3との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材4と、支柱部材4に内側から嵌め込まれる右側板5、左側板6、及び1枚の背板7と、右側板5、左側板6、及び背板7を、外側に押圧することにより、柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板8と、段数に対応する扉部材9を有する。
【解決手段】間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板2、及び底板3と、天板2と底板3との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材4と、支柱部材4に内側から嵌め込まれる右側板5、左側板6、及び1枚の背板7と、右側板5、左側板6、及び背板7を、外側に押圧することにより、柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板8と、段数に対応する扉部材9を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管庫に関するものであり、詳細には、顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した保管庫を製造する保管庫製造システム、及びそのシステムにより製造される保管庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の技術として、下記の特許文献1及び2に記載される組立式保管庫がある。
図18に示す特許文献1に係る組立式保管庫100は、大きくは、後板101、左右側板102、扉103、天板104、底板105、下枠106により構成されている。
後板101と左右側板102と天板104と底板105は係合部材107により連結される。扉103は、蝶番108を差込、蝶番108をネジ109で固定されている。
【0003】
図19に示す特許文献2に係る組立式保管庫110は、後板111が左右側板112と連結枠113により連結している。その他に、天板114、底板115、左右前柱118、上下前柱116により構成されている。
左右側板112の後板111の反対方向に左右前柱118と上下前柱116を嵌め込み、天板114と底板115を装着する。
【0004】
【特許文献1】特開平11−75948号公報
【特許文献2】特開平9−125719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の特許文献1及び特許文献2に係る発明には、以下の問題があった。
(1)特許文献1、特許文献2に係る発明の保管庫の大きさは、定型であり、決まった大きさのものである。そのため、限定されたスペースに合わせることができない問題があった。
すなわち、オフィス用保管庫は、大手メーカーが標準品として、規格化されたサイズの保管庫を大量生産して市場に供給している。そのため、オフィスを設計する時にも、標準化された保管庫のサイズを意識してレイアウト等を決定している。
しかし、既存のオフィス等では、限定された空間に書類等の保管庫を設置したい場合がある。そのような場合には、本出願人のような中小のメーカーが、特注品として、受注を受け、製造している。その場合に、設計作業は、ある程度規則化されているが、図面作成等に多くの時間を必要とするため、コストが高くなる問題があった。
【0006】
(2)また、保管庫の輸送は、空間ばかりとるため効率が悪い。そのため、組立式保管庫が、特許文献1、特許文献2のように、提案されている。従来は、家具販売店の店員が、材料を輸送して、現地で組立を行っている。
しかし、例えば、組立式つり銭ロッカーのような保管庫の場合、収納スペースは小さいが、各保管スペースに鍵付扉を必要とする。そして、鍵としては自動開閉鍵を使用するので、各扉に配線する必要がある。特許文献1、特許文献2の保管庫では、自動開閉鍵は開示されておらず、配線に対する示唆もない。従来の場合には、配線を必要とすると、組立をした家具販売店の店員の他に、電気工事の資格を持つ作業者が来て、電気工事を行っていた。そのため、組付コストが高くなっていた。
本出願人は、ビジネスモデルとして、電気工事屋さんでも簡単に組み立てられ、電気工事も同時に行ってもらえる、自動開閉鍵付でありながら、簡易な組立保管庫の検討を進めてきた。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、電気工事屋さんでも簡単に組み立てられ、電気工事も同時に行ってもらえる、自動開閉鍵付でありながら、簡易な組立保管庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の保管庫は、次のような構成を有している。
(1)間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、天板と底板との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材と、支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び1枚の背板と、右側板、左側板、及び背板を、支柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板と、段数に対応する扉部材を有することを特徴とする。
(2)(1)に記載する保管庫において、支柱部材が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板、左側板、及び背板の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成されていることを特徴とする。
【0009】
(3)(1)または(2)に記載する保管庫において、右側板、左側板、及び背板の内側に、棚板を上から嵌め込む棚板嵌め込み部が形成されていることを特徴とする。
(4)(1)乃至(3)に記載する保管庫において、棚板が、右側板と左側板を、外側に押圧すること、又は引き寄せることにより、かつ、背板を押圧すること、又は引き寄せることにより、支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫において、棚板が、右側板と左側板を、外側に押圧することにより、支柱部材に嵌め込んで固定すること、棚板が、背板を、引き寄せることにより、支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)に記載する保管庫のいずれか1つにおいて、左側板に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、ダクト部材に、段数に対応する錠前機構が設置されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の保管庫製造システムは、次の構成を有する。
(7) 顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した保管庫を製造する保管庫製造システムであって、(1)保管庫が、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、天板と底板との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材と、支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び外側から嵌めこまれる1枚の背板と、右側板、左側板を、外側に押圧することにより、支柱部材に嵌め込んで固定し、かつ、背板を引き寄せることにより支柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板と、段数に対応する扉部材を有し、(2)顧客から注文に応じて、天板、底板、支柱部材、右側板、左側板、背板、棚板、扉部材の図面を作成する自動設計プログラムを有すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成を有する保管庫、及び保管庫製造システムの作用、及び効果について説明する。
右側板、左側板、及び背板を、支柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板を有することにより、棚板が、右側板、左側板を、外側に押圧することにより、支柱部材に嵌め込んで固定することができ、棚板が、背板を、引き寄せることにより、支柱部材に嵌め込んで固定することができる。それにより、右側板及び左側板に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板は、背板を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として保管庫の強度を増すことができる。
また、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。
【0012】
支柱部材が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板、左側板、及び背板の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成したものであり、支柱部材、及び、その他の天板、底板に使用される部材としても共通して使用することができる。そのため、支柱部材の長さを変更するだけで、各々の部材として使用できるため、部材を一つ一つ製造する場合と比較して、コストを削減することができる。
左側板に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、ダクト部材に、段数に対応する錠前機構が設置されていることにより、電気工事屋さんが簡単に配線作業を行うことができる。
【0013】
既存のオフィスにおいては、例えば階段下に空スペースが生じた場合に、その場所に書類等を保管する保管庫を設置したい場合がある。そのような場合に、従来では、標準品である小さめの保管庫を設置して空間を無駄にするか、特注してコストの高い保管庫を入れるかの選択があった。特注するとコストが高いのは、メーカーが、特注に応じて図面を作成し、部品の製造を手配し、組立し、配線工事をする必要があったからである。部品の製造は、プレスが多くプレス機械にデータを入力するのも手間であった。
本発明の保管庫では、4本の支柱部材が、例えばアルミ押出で成形されており、特注に応じて、切断するだけである。また、底板、天板、右側板、左側板、背板、扉等の図面が、間口幅、間口高さ、奥行き、段数を入力するだけで、自動的に製図され、さらに、プレス機械にデータを入力できるようにするので、コストを低減できる。
【0014】
保管庫の組立について説明する。
4本の支柱部材を天板と底板に組み付けた後、右側板、左側板を支柱部材の支柱嵌め込み部に内側から嵌め込み、背板を支柱部材の支柱はめ込み部に外側から嵌め込む。次に、複数の棚板を順次、背板、右側板、左側板の内面に形成された板嵌め込み部に嵌め込むことにより、右側板、左側板を外側に押圧して、背板を内側に引っ張り、支柱嵌め込み部に対して嵌め込んで固定する。棚板は、嵌め込むと抜けないように、板嵌め込み部には、凸部が形成されている。
次に、右側板のダクト内の配線を、各扉に対応して取り付けられている自動開閉鍵に配線する。次に、扉を取り付ける。これにより、組立作業は、終了する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1実施例を示す。
本発明に係る保管庫の実施例のうち組立式つり銭ロッカー1の一実施の形態について図面を参照して説明する。つり銭ロッカーとは、例えば、スーパーなどで現金を保管するためのロッカーであり、開店前と閉店後に利用されるものである。つり銭ロッカーは、スーパーでは、開店時と閉店時にのみ使われるものであり、頻繁に使われるものではないため、空スペースなどに置かれることが多い。空スペースであり、市販品が使えないため、特注に応じて図面を作成し、部品の製造を手配し、組立する必要がある。本実施例では、間口400mm、奥行500mm、高さ2mの組立式つり銭ロッカーが注文されたものとして検討していく。
さらに、組立式つり銭ロッカーは現金を保管するため、施錠する必要性及びセキュリティの問題から自動開閉鍵を用いるため、配線工事をする必要もある。
図2は、組立式つり銭ロッカー1の完成図であり、図3は、組立式つり銭ロッカー1の扉9がすべて開いた状態を示した図である。
図2及び図3の組立式つり銭ロッカー1の構成物品を説明するため、図1の組立式つり銭ロッカー1の分解斜視図で説明する。
【0016】
図1に示すように、組立式つり銭ロッカー1は、天板ユニット2(請求項上の、「天板」に相当する。)、底板ユニット3(請求項上の、「底板」に相当する。)、4本の支柱部材4、右側板5、左側板6、背板7、複数の棚板8、複数の扉9及び天板カバー13により構成されている。
支柱部材4の断面形状を図6に示す。支柱部材4は、本実施例においては、アルミニウムにより製造されている。支柱部材4は、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプである。支柱部材4の四角形状パイプの2隅には、支柱の長さと同じ長さの分だけL字形状の嵌め込み部4a、4bが形成されている。支柱部材4の成形後、支柱部材4の一側面にネジ孔4cを形成する。
【0017】
図4は、天板ユニット2の分解斜視図を示す。天板ユニット2は、天板19、間口部材20、奥行部材21及び係合部材22によって構成されている。天板19の間口の長さは、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、間口が400mmであるため、400mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた380mmの長さである。
また、天板19の奥行の長さは、奥行部材21の長さとほぼ同じ長さである。すなわち本実施例では、奥行が500mmであるため、500mから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた480mmの長さである。
間口部材20及び奥行部材21は、上記図6に示した支柱部材4と、長さは異なるが、同様の形状である。そのため、間口部材20及び奥行部材21は、注文に応じた、間口380mm、奥行480mmの長さで、支柱部材4と同じ部材を切断するだけで本実施例の組立式つり銭ロッカー1に対応する部材を用意できる。
【0018】
天板19の上部には制御基板17が積載されている。制御基板17は図示しない電源と接続している。天板19には、配線孔19a及びネジ孔19bが形成されている。また天板19には、奥行部材21の嵌め込み部21aに嵌め込むための嵌め込み部19cが形成されている。
係合部材22は、3箇所の挿入部を有するものであり、2箇所の挿入部22aはL字形状の先端に形成され、さらに1箇所の挿入部22bは、L字形状の角部22cから軸方向に伸びた先端に形成されている。係合部材22は、樹脂で成形されている。挿入部22a、22bの根元22dの太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを一回り小さくしたものである。根元22d以外の太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを二回り小さくしたものである。
【0019】
図5には、底板ユニット3の分解斜視図を示す。底板ユニット3は、底板23、間口部材20、奥行部材21、係合部材22及び滑り止め部材24から構成されている。底板23の間口の長さは、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、間口が400mmであるため、400mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた380mmの長さが間口の長さである。
また、底板23の奥行の長さは、奥行部材21の長さとほぼ同じ長さである。すなわち本実施例では、奥行が500mmであるため、500mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた480mmの長さが奥行の長さである。
【0020】
図1に示す、背板7の横の長さは、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、間口が400mmであるため、400mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた380mmの長さが横の長さである。
背板7の縦の長さは、支柱部材4の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、高さが2mであるため、2mから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた1.98mの長さが縦の長さである。
縦及び横の長さが、間口部材20、支柱部材4とほぼ同じ長さであることにより、間口部材20と支柱部材4により外組みができたときに、背板7を間口部材20と支柱部材4によりできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
【0021】
右側板5と左側板6の大きさは同じであり、横の長さは、奥行部材21の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、奥行が500mmであるため、500mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた480mmの長さが横の長さである。
縦の長さは支柱部材4の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、高さが2mであるため、2mから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた1.98mの長さが縦の長さである。
縦及び横の長さが、奥行部材21、支柱部材4とほぼ同じ長さであることにより、奥行部材21と支柱部材4により外組みができたときに、右側板5と左側板6を奥行部材21と支柱部材4によりできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
左側板6には、配線を通すためのダクト部材15が、あらかじめ工場にて溶接されている。また、ダクト部材15には、錠前機構25があらかじめ工場にて溶接されている。ダクト部材15内には配線が通っており、配線は、工場であらかじめ左側板6を製造する際に、配線を通しておく。配線が通っていることにより、電気屋工事屋さんが、現場で配線をする必要がなくなり作業が容易になるからである。
【0022】
図1に示すように、取付部材10(請求項3における「棚板嵌め込み部」に相当する。)が溶接により右側板5、左側板6、及び背板7に結合されている。取付部材10は、棚板8に対応しているため、本実施例においては、棚板8に対して、7つ接合されている。
図14に示すように、棚板8の大きさは、中心部の横の長さOは、組立後の、右側板5と左側板6との距離よりも長い長さである。また、中心部の奥行の長さNは、組立後の背板7と扉部材9との距離よりも短い長さである。
棚板8は、1隅に配線案内溝8Bがあり、その他の3隅に支柱部材4案内溝8Cが形成されている。
扉部材9は、棚板8に底板ユニット3を合わせた数に対応しているため、本実施例においては、8個の扉部材9がある。
扉部材9の大きさは、横の長さが、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。縦の長さは、棚板8が、嵌め込まれた場合の上下の棚板8同士の間隔の長さとほぼ同じ長さである。
【0023】
図9は、取付部材10を拡大した図である。図9に示すように、取付部材10の形状は、略Z形状をしている。さらに、嵌合部10aと連通部10cは直行しており、接合部10bと連通部10cも直行している。取付部材10と背板7が接合する接合部10bは、溶接により背板7と結合している。嵌合部10aと背板7との幅Lは、棚板8の嵌合部8Aの幅Mと同じ幅である。
嵌合部10aには、凹部係合孔10dが形成されている。そのため、棚板8を嵌め込むことにより、嵌合部8Aの凸部8aが、凹部係合孔10dに挿入され固定される。そのため、仮に下から上への力が掛かったとしても、棚板8が外れることはない。
右側板5も背板7と同様に取付部材10が溶接されている。
左側板6も背板7と同様に取付部材10が溶接されている。取付部材10は、棚板8に対応しているため、本実施例においては、7つある。左側板6には、図8に示すような、ダクト部材15も溶接されている。
【0024】
次に、組立式つり銭ロッカー1の組立方法の工程を順に説明していく。
組立式つり銭ロッカー1は、工場で組み立てられるのではなく、現場で電気工事屋さんなどが組立を行うものである。そのため、以下の工程は、組立式つり銭ロッカー1が分解された状態で運ばれ、組立式つり銭ロッカー1が設置される場所において、電気工事屋さんが行なう作業工程である。
【0025】
第1工程では、天板ユニット2を組み立てる。第1に、図4に示すように、間口部材20及び奥行部材21のパイプの中に、挿入部材22のL字形状部分の2つの挿入部22aを挿入する。挿入部22a、22bの根元22dの太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを一回り小さくしたものである。そのため、挿入部22a、22bの根元22dは、間口部材20及び奥行部材21のパイプ内に圧入することができる。それにより、四角形状の天板ユニットの枠組みができる。
第2に、天板19を天板ユニット2の枠組みの上方から真ん中に挿入する。天板19の大きさは天板ユニット2の枠組みの内周とほぼ同じ大きさであるため、天板19を天板ユニット2の枠組みに隙間なく挿入できる。天板19を天板ユニット2の枠組みに挿入すると、嵌め込み部19cが奥行部材21の嵌め込み部21aに嵌合する。天板19が奥行部材21と嵌合した状態で、ネジ16をネジ孔19b、20cに挿入することで、天板19を天板ユニット2の枠組みに固定することができる。
以上の第1工程により、天板ユニット2が完成する。
【0026】
第2工程では、底板ユニット3を組み立てる。第1に、図5に示すように、間口部材20及び奥行部材21のパイプの中に、挿入部材22のL字形状の2つの挿入部22aを挿入する。挿入部22a、22bの根元22dの太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを一回り小さくしたものである。それにより、四角形状の底板ユニット3の枠組みができる。
第2に、底板23を底板ユニット3の枠組みの下方から真ん中に挿入する。底板23の大きさは底板ユニット3の枠組みの内周とほぼ同じ大きさであるため、底板23を底板ユニット3の枠組みに隙間なく挿入できる。底板23を底板ユニット3の枠組みに挿入すると、嵌め込み部23aが奥行部材21の嵌め込み部21aに嵌合する。底板23が奥行部材21と嵌合した状態で、ネジ16をネジ孔23a、20cに挿入することで、底板23を底板ユニット3の枠組みに固定することができる。
挿入部22のL字形状の角部に滑り止め部材24を付設する。滑り止め部材24により、組立式つり銭ロッカー1の横滑りを防止することができる。
以上の第2工程により、底板ユニット3が完成する。
【0027】
第3工程では、図7に示すように、第1に、第2工程により完成した底板ユニット3の係合部材22のL字形状の角部22cから軸方向に伸びた挿入部22bを、支柱部材4の軸方向の下方向のパイプ孔に挿入する。底板ユニット3から組み立てていくことにより、土台を安定させて、天板ユニット2を組みつけていくことができる。
第2に、第1工程により完成した天板ユニット2の係合部材22のL字形状の角部22cから軸方向に伸びた挿入部22bを、支柱部材4の軸方向の上方向のパイプ孔に挿入する。
以上の第3工程により、組立式つり銭ロッカー1の外組みが完成する。
【0028】
第4工程では、右側板5、左側板6、背板7を、第3工程で組み立てた組立式つり銭ロッカー1の外組みに嵌め込む。図8は、第4工程の組立図を示す。なお、図8は、嵌め込みの工程が理解しやすいように、第3工程で完成した組立式つり銭ロッカー1の外組み状態から天板ユニット2を、支柱部材4から取外した状態のものを図示している。
右側板5を、前方の間口部材20側から、前方の2本の支柱部材4A、4Dの間を通し、右側の奥行部材21の両端の支柱部材4A、4Bの間に嵌め込む。右側板5の面積が、奥行部材21と支柱部材4A、4Bによりできる外組みの内周とほぼ同じ大きさであるため、右側板5を奥行部材21と支柱部材4A、4Bからできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
右側板5を嵌め込むと右側板5の引っ掛け部5aが、支柱部材4A、4Bの嵌め込み部4bの内側に嵌め込まれる。また、右側板5の引っ掛け部5bが、天板ユニット2の奥行部材21の嵌め込み部21b、及び底板ユニット3の奥行部材21の嵌め込み部21bの内側に嵌め込まれる。右側板5の4辺にある引っ掛け部5a、5bが、嵌め込み部4b、21bと嵌め込まれることにより固定することができる。
左側板6も右側板5と同様の構成により、固定することができる。
【0029】
背板7を、天板ユニット2の後方の間口部材20、底板ユニット3の後方の間口部材20と後方の2つの支柱部材4B、4Cとの組合せからできる枠内に嵌め込む。背板7の面積が、間口部材20と支柱部材4B、4Cによりできる外組みの内周とほぼ同じ大きさのため、背板7を間口部材20と支柱部材4B、4Cによりできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
背板7を嵌め込むと背板7の引っ掛け部7aが、支柱部材4B、4Cの嵌め込み部4aの内側に嵌め込まれる。また、背板7の引っ掛け部7bが、天板ユニット2の間口部材20の嵌め込み部20a、及び底板ユニット3の間口部材20の嵌め込み部20bの内側に嵌め込まれる。背板7の4辺にある引っ掛け部7a、7bが、嵌め込み部4a、20a、20bと嵌め込まれることにより固定することができる。
【0030】
第5工程では、第4工程により完成した、組立式つり銭ロッカー1の外組みの状態において、棚板8を嵌合していく。
第1に、嵌合の仕方は、間口部材20のある入口方向から棚板8を斜めに挿入する。
第2に棚板8を斜めの状態から、間口部材20と平行になるように横にする。棚板8が横の状態になると、図11に示すように、棚板8が、間口部材20と平行になる。
第3に、棚板8を図11の状態から下へ嵌め込むことにより、棚板8の嵌め込み部8Aが、右側板5の取付け部10、左側板6の取付け部10、及び背板7の取付け部10に嵌合される。
右側板5は内側から引っ掛け部5aを支柱部材4A、4Bの嵌め込み部4bに引っ掛けることにより嵌合されている。また、左側板6も内側から引っ掛け部6aを支柱部材4C、4Dの嵌め込み部4bに引っ掛けることにより嵌合されている。棚板8の大きさは、中心部の横の長さは、組立後の右側板5と左側板6との距離よりも長い長さである。右側板5と左側板6との距離よりも長いことにより、右側板5及び左側板6を内側から押圧することになり、右側板5及び左側板6を支柱部材4に固定することができる。
背板7は外側から引っ掛け部7aを支柱部材4B、4Cの嵌め込み部4aに引っ掛けることにより嵌合されている。棚板8の中心部の奥行の長さは、組立後の背板7と扉部材9との距離よりも短い長さである。背板7と扉部材9との距離よりも短いことにより、背板7を内側から引き寄せることができ、背板7を支柱部材4に固定することができる。
【0031】
棚板8は、下段から順番に嵌め込む。図9に示すように、嵌合部10aと背板7との幅Lは、棚板8の嵌合部8Aの幅Mと同じ幅である。棚板8の係合部8Aには凸部8aが成形されている。そのため、棚板8を嵌め込むためには、力が必要となるため、スペースを要する。そのため、下段から順番に嵌め込むことで、スペースに余裕があるため、棚板8を嵌合させやすい。
棚板8は、右側板5、左側板6を外側方向へ押し出す力が生じるため、右側板5及び左側板6に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。
また、棚板8は、背板7を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板7に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。
【0032】
第6工程では、扉部材9を支柱部材4に取付ける。第1に、図8に示す、扉取付部材12の嵌め込み部12aを、支柱4の嵌め込み部4aに嵌合させ、ネジ孔12bからネジを通し支柱部材4と扉取付部材12とを固定する。扉取付部材12は凸凹状の接合部12cを有する。
第2に、図12に示すように、扉部材9の扉取付部9bを扉取付部材12と係合させる。扉取付部9bは凸凹状であり、扉取付部材12の凸凹状と係合できるようになっている。扉取付部9bと扉取付部材12とに、軸棒14を差し込むことで、扉部材12と扉取り付け部材12とを係合させることができ、さらに、扉部材9を、開閉することができる。
【0033】
第7工程では、電気配線を行う。図13に示すように、天板ユニット2の上にある制御基板17と繋がる配線を、あらかじめ配線が通してあるダクト部材15より配線孔19aを介して天板ユニット2の上の制御基板17に配線する。あらかじめ配線がダクト部材15内を通してあるため、組立現場において電気工事屋さんが容易に配線を行うことができる。また、配線により錠前機構25と制御基板17とは電気的に繋がる。そのため、自動開閉鍵18により錠前の開閉を行うことができる。
以上の7工程を経ることにより、組立式つり銭ロッカー1を完成させることができる。
組立式つり銭ロッカー1は、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。さらに、組立が簡単であるため、電気屋さんが設置する現場で簡単に組立をすることができる。
【0034】
第2実施例を示す。
本出願に係る発明によれば、組立式書庫も提供することもできる。
例えば、図15では組立式書庫50の分解斜視図を示す。図16では、完成した組立式書庫50の正面図を示す。図17では、完成した組立式書庫50の、扉が開いた状態を示す。
右側板51、左側板52、及び背板53を、支柱部材54に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板55を有することにより、棚板55が、右側板51、左側板52を、外側に押圧することにより、支柱部材54に嵌め込んで固定することができ、棚板55が、背板53を、引き寄せることにより、支柱部材54に嵌め込んで固定することができる。それにより、右側板51及び左側板52に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板55は、背板53を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板53に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として組立式書庫50の強度を増すことができる。
また、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。
【0035】
支柱部材54が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板51、左側板52、及び背板53の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成したものであり、支柱部材54、及び、その他の天板56、底板57に使用される部材としても共通して使用することができる。そのため、支柱部材54の長さを変更するだけで、各々の部材として使用できるため、部材を一つ一つ製造する場合と比較して、コストを削減することができる。
左側板52に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、ダクト部材に、段数に対応する錠前機構が設置されていることにより、電気工事屋さんが簡単に配線作業を行うことができる。
【0036】
第3実施例を示す。
顧客が、間口幅400mm、間口高さ2m、奥行き500mm、段数が8段の組み立て式組立式つり銭ロッカーを欲している場合に、自動設計プログラムに当該設定条件を設定する。
自動設計プログラムは、設定条件に従い、組立式つり銭ロッカー1が、間口幅400mmと奥行き500mmに対応する寸法の天板ユニット2、及び底板ユニット3と、天板ユニット2と底板ユニット3、高さ1.98mの4本の支柱部材と、支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板5(縦1.98m、横480mm)、左側板6(縦1.98m、横480m)、及び1枚の背板7(縦1.98m、横380mm)と、棚板8と、扉部材9(横380mm)を自動的に計算し図面をする。
作成された図面の部品を自動的に切削等して準備する部品製造装置がある。
自動設計プログラムにより、今まで、専門的な知識を持つものでなければ設計を行うことができなかった、組立式つり銭ロッカー1の設計を、設定条件を入力するだけで誰でも設計を行えるようになった。
【0037】
以上詳細に説明したように、本実施例1の組立式つり銭ロッカー1によれば、
(1)間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板ユニット2、及び底板ユニット3と、天板ユニット2と底板ユニット3との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材4と、支柱部材4に内側から嵌め込まれる右側板5、左側板6、及び1枚の背板7と、右側板5、左側板6、及び背板7を、支柱部材4に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板8と、段数に対応する扉部材9を有することを特徴とすることにより、棚板8が、右側板5、左側板6を外側方向へ押し出すため、右側板5及び左側板6に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板8は、背板7を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板7に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として、組立式つり銭ロッカー1の強度を上げることができる。
また、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。さらに、組立が簡単であるため、電気屋さんが設置する現場で簡単に組立をすることができる。
【0038】
(2)(1)に記載する組立式つり銭ロッカー1において、支柱部材4が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板5、左側板6、及び背板7の端面を嵌め込む嵌め込み部4a、4bが四角形状の2隅に形成されていることを特徴とすることにより、支柱部材、及び、その他の天板、底板に使用される部材としても共通して使用することができる。そのため、支柱部材の長さを変更するだけで、各々の部材として使用できるため、部材を一つ一つ製造する場合と比較して、コストを削減することができる。
(3)(1)または(2)に記載する組立式つり銭ロッカー1において、右側板5、左側板6、及び背板7の内側に、棚板8を上から嵌め込む嵌合部10aが形成されていることを特徴とするため、棚板8を嵌合させることができる。また、嵌合部10aには、凸部10dが成形されている。そのため、棚板8を嵌め込むことにより、凸部10dが嵌合部8aを押止する。そのため、仮に下から上への力が掛かったとしても、棚板8が外れることはない。
【0039】
(4)(1)乃至(3)に記載する保管庫1において、棚板8が、右側板5と左側板6を、外側に押圧すること、又は引き寄せることにより、かつ、背板7を押圧すること、又は引き寄せることにより、支柱部材4に嵌め込んで固定すること、及び(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫1において、棚板8が、右側板5と左側板6を、外側に押圧することにより、支柱部材4に嵌め込んで固定すること、棚板8が、背板7を、引き寄せることにより、支柱部材4に嵌め込んで固定すること、を特徴とするため、右側板5、左側板6を外側方向へ押し出す力が生じるため、右側板5及び左側板6に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板8は、背板7を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板7に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として組立式つり銭ロッカー1の強度を上げることができる。
(6)(1)乃至(5)に記載する組立式つり銭ロッカー1のいずれか1つにおいて、左側板6に、配線のためのダクト部材15が取り付けられ、ダクト部材15に、段数に対応する錠前機構25が設置されていることを特徴とすることにより、電気工事屋さんが簡単に配線作業を行うことができる。また、自動開閉鍵18は電子錠であるため、組立式つり銭ロッカー1の使用履歴、使用時間、誰が開けたのかを把握することができる。
【0040】
(7) 顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した組立式つり銭ロッカー1を製造する組立式つり銭ロッカー1の製造システムであって、(1)組立式つり銭ロッカー1が、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板ユニット2、及び底板ユニット3と、天板ユニット2と底板ユニット3との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材4と、支柱部材4に内側から嵌め込まれる右側板5、左側板6、及び外側から嵌めこまれる1枚の背板7と、右側板5、左側板6を、外側に押圧することにより、支柱部材4に嵌め込んで固定し、かつ、背板7を引き寄せることにより支柱部材4に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板8と、段数に対応する扉部材9を有し、(2)顧客から注文に応じて、天板ユニット2、底板ユニット3、支柱部材4、右側板5、左側板6、背板7、棚板8、扉部材9の図面を作成する自動設計プログラムを有すること、を特徴とすることにより、専門的な知識を持つものでなければ設計を行うことができなかった、組立式つり銭ロッカー1の設計を、設定条件を入力するだけで誰でも設計を行うことができる。
【0041】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、図10に示すように、爪部を有する引っ掛け部31及び嵌め込み部30とすることにより、一度嵌め込まれると互いの爪が係止し合って、抜けを防止することができる。
当該爪部を有する構成は、すべての引っ掛け部及び嵌め込み部に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】組立式つり銭ロッカー1の分解斜視図である。
【図2】組立式つり銭ロッカー1の完成図である。
【図3】組立式つり銭ロッカー1の扉9がすべて開いた状態である。
【図4】天板ユニット2の分解斜視図である。
【図5】底板ユニット3の分解斜視図である。
【図6】支柱部材4の拡大断面図である。
【図7】第3工程を示した図である。
【図8】第4工程を示した図である。
【図9】取付部材10を拡大した図である。
【図10】爪部を有する引っ掛け部及び嵌め込み部を示した図である。
【図11】棚板8の取付例を示した図である。
【図12】組立式つり銭ロッカー1のうち一つのロッカーの上断面を示した図である。
【図13】組立式つり銭ロッカー1の横断面を示した図である。
【図14】棚板8の正面図である。
【図15】組立式書庫50の分解斜視図である。
【図16】組立式書庫50の正面図である。
【図17】組立式書庫50の扉58が開いた状態を示した正面図である。
【図18】特許文献1に係る組立式保管庫100である。
【図19】特許文献2に係る組立式保管庫110である。
【符号の説明】
【0043】
1 組立式つり銭ロッカー
2 天板ユニット
3 底板ユニット
4 支柱部材
4a、4b 嵌め込み部
5 右側板
6 左側板
7 背板
8 棚板
9 扉部材
10 取付部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管庫に関するものであり、詳細には、顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した保管庫を製造する保管庫製造システム、及びそのシステムにより製造される保管庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の技術として、下記の特許文献1及び2に記載される組立式保管庫がある。
図18に示す特許文献1に係る組立式保管庫100は、大きくは、後板101、左右側板102、扉103、天板104、底板105、下枠106により構成されている。
後板101と左右側板102と天板104と底板105は係合部材107により連結される。扉103は、蝶番108を差込、蝶番108をネジ109で固定されている。
【0003】
図19に示す特許文献2に係る組立式保管庫110は、後板111が左右側板112と連結枠113により連結している。その他に、天板114、底板115、左右前柱118、上下前柱116により構成されている。
左右側板112の後板111の反対方向に左右前柱118と上下前柱116を嵌め込み、天板114と底板115を装着する。
【0004】
【特許文献1】特開平11−75948号公報
【特許文献2】特開平9−125719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の特許文献1及び特許文献2に係る発明には、以下の問題があった。
(1)特許文献1、特許文献2に係る発明の保管庫の大きさは、定型であり、決まった大きさのものである。そのため、限定されたスペースに合わせることができない問題があった。
すなわち、オフィス用保管庫は、大手メーカーが標準品として、規格化されたサイズの保管庫を大量生産して市場に供給している。そのため、オフィスを設計する時にも、標準化された保管庫のサイズを意識してレイアウト等を決定している。
しかし、既存のオフィス等では、限定された空間に書類等の保管庫を設置したい場合がある。そのような場合には、本出願人のような中小のメーカーが、特注品として、受注を受け、製造している。その場合に、設計作業は、ある程度規則化されているが、図面作成等に多くの時間を必要とするため、コストが高くなる問題があった。
【0006】
(2)また、保管庫の輸送は、空間ばかりとるため効率が悪い。そのため、組立式保管庫が、特許文献1、特許文献2のように、提案されている。従来は、家具販売店の店員が、材料を輸送して、現地で組立を行っている。
しかし、例えば、組立式つり銭ロッカーのような保管庫の場合、収納スペースは小さいが、各保管スペースに鍵付扉を必要とする。そして、鍵としては自動開閉鍵を使用するので、各扉に配線する必要がある。特許文献1、特許文献2の保管庫では、自動開閉鍵は開示されておらず、配線に対する示唆もない。従来の場合には、配線を必要とすると、組立をした家具販売店の店員の他に、電気工事の資格を持つ作業者が来て、電気工事を行っていた。そのため、組付コストが高くなっていた。
本出願人は、ビジネスモデルとして、電気工事屋さんでも簡単に組み立てられ、電気工事も同時に行ってもらえる、自動開閉鍵付でありながら、簡易な組立保管庫の検討を進めてきた。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、電気工事屋さんでも簡単に組み立てられ、電気工事も同時に行ってもらえる、自動開閉鍵付でありながら、簡易な組立保管庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の保管庫は、次のような構成を有している。
(1)間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、天板と底板との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材と、支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び1枚の背板と、右側板、左側板、及び背板を、支柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板と、段数に対応する扉部材を有することを特徴とする。
(2)(1)に記載する保管庫において、支柱部材が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板、左側板、及び背板の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成されていることを特徴とする。
【0009】
(3)(1)または(2)に記載する保管庫において、右側板、左側板、及び背板の内側に、棚板を上から嵌め込む棚板嵌め込み部が形成されていることを特徴とする。
(4)(1)乃至(3)に記載する保管庫において、棚板が、右側板と左側板を、外側に押圧すること、又は引き寄せることにより、かつ、背板を押圧すること、又は引き寄せることにより、支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする。
(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫において、棚板が、右側板と左側板を、外側に押圧することにより、支柱部材に嵌め込んで固定すること、棚板が、背板を、引き寄せることにより、支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)に記載する保管庫のいずれか1つにおいて、左側板に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、ダクト部材に、段数に対応する錠前機構が設置されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の保管庫製造システムは、次の構成を有する。
(7) 顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した保管庫を製造する保管庫製造システムであって、(1)保管庫が、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、天板と底板との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材と、支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び外側から嵌めこまれる1枚の背板と、右側板、左側板を、外側に押圧することにより、支柱部材に嵌め込んで固定し、かつ、背板を引き寄せることにより支柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板と、段数に対応する扉部材を有し、(2)顧客から注文に応じて、天板、底板、支柱部材、右側板、左側板、背板、棚板、扉部材の図面を作成する自動設計プログラムを有すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成を有する保管庫、及び保管庫製造システムの作用、及び効果について説明する。
右側板、左側板、及び背板を、支柱部材に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板を有することにより、棚板が、右側板、左側板を、外側に押圧することにより、支柱部材に嵌め込んで固定することができ、棚板が、背板を、引き寄せることにより、支柱部材に嵌め込んで固定することができる。それにより、右側板及び左側板に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板は、背板を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として保管庫の強度を増すことができる。
また、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。
【0012】
支柱部材が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板、左側板、及び背板の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成したものであり、支柱部材、及び、その他の天板、底板に使用される部材としても共通して使用することができる。そのため、支柱部材の長さを変更するだけで、各々の部材として使用できるため、部材を一つ一つ製造する場合と比較して、コストを削減することができる。
左側板に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、ダクト部材に、段数に対応する錠前機構が設置されていることにより、電気工事屋さんが簡単に配線作業を行うことができる。
【0013】
既存のオフィスにおいては、例えば階段下に空スペースが生じた場合に、その場所に書類等を保管する保管庫を設置したい場合がある。そのような場合に、従来では、標準品である小さめの保管庫を設置して空間を無駄にするか、特注してコストの高い保管庫を入れるかの選択があった。特注するとコストが高いのは、メーカーが、特注に応じて図面を作成し、部品の製造を手配し、組立し、配線工事をする必要があったからである。部品の製造は、プレスが多くプレス機械にデータを入力するのも手間であった。
本発明の保管庫では、4本の支柱部材が、例えばアルミ押出で成形されており、特注に応じて、切断するだけである。また、底板、天板、右側板、左側板、背板、扉等の図面が、間口幅、間口高さ、奥行き、段数を入力するだけで、自動的に製図され、さらに、プレス機械にデータを入力できるようにするので、コストを低減できる。
【0014】
保管庫の組立について説明する。
4本の支柱部材を天板と底板に組み付けた後、右側板、左側板を支柱部材の支柱嵌め込み部に内側から嵌め込み、背板を支柱部材の支柱はめ込み部に外側から嵌め込む。次に、複数の棚板を順次、背板、右側板、左側板の内面に形成された板嵌め込み部に嵌め込むことにより、右側板、左側板を外側に押圧して、背板を内側に引っ張り、支柱嵌め込み部に対して嵌め込んで固定する。棚板は、嵌め込むと抜けないように、板嵌め込み部には、凸部が形成されている。
次に、右側板のダクト内の配線を、各扉に対応して取り付けられている自動開閉鍵に配線する。次に、扉を取り付ける。これにより、組立作業は、終了する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1実施例を示す。
本発明に係る保管庫の実施例のうち組立式つり銭ロッカー1の一実施の形態について図面を参照して説明する。つり銭ロッカーとは、例えば、スーパーなどで現金を保管するためのロッカーであり、開店前と閉店後に利用されるものである。つり銭ロッカーは、スーパーでは、開店時と閉店時にのみ使われるものであり、頻繁に使われるものではないため、空スペースなどに置かれることが多い。空スペースであり、市販品が使えないため、特注に応じて図面を作成し、部品の製造を手配し、組立する必要がある。本実施例では、間口400mm、奥行500mm、高さ2mの組立式つり銭ロッカーが注文されたものとして検討していく。
さらに、組立式つり銭ロッカーは現金を保管するため、施錠する必要性及びセキュリティの問題から自動開閉鍵を用いるため、配線工事をする必要もある。
図2は、組立式つり銭ロッカー1の完成図であり、図3は、組立式つり銭ロッカー1の扉9がすべて開いた状態を示した図である。
図2及び図3の組立式つり銭ロッカー1の構成物品を説明するため、図1の組立式つり銭ロッカー1の分解斜視図で説明する。
【0016】
図1に示すように、組立式つり銭ロッカー1は、天板ユニット2(請求項上の、「天板」に相当する。)、底板ユニット3(請求項上の、「底板」に相当する。)、4本の支柱部材4、右側板5、左側板6、背板7、複数の棚板8、複数の扉9及び天板カバー13により構成されている。
支柱部材4の断面形状を図6に示す。支柱部材4は、本実施例においては、アルミニウムにより製造されている。支柱部材4は、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプである。支柱部材4の四角形状パイプの2隅には、支柱の長さと同じ長さの分だけL字形状の嵌め込み部4a、4bが形成されている。支柱部材4の成形後、支柱部材4の一側面にネジ孔4cを形成する。
【0017】
図4は、天板ユニット2の分解斜視図を示す。天板ユニット2は、天板19、間口部材20、奥行部材21及び係合部材22によって構成されている。天板19の間口の長さは、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、間口が400mmであるため、400mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた380mmの長さである。
また、天板19の奥行の長さは、奥行部材21の長さとほぼ同じ長さである。すなわち本実施例では、奥行が500mmであるため、500mから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた480mmの長さである。
間口部材20及び奥行部材21は、上記図6に示した支柱部材4と、長さは異なるが、同様の形状である。そのため、間口部材20及び奥行部材21は、注文に応じた、間口380mm、奥行480mmの長さで、支柱部材4と同じ部材を切断するだけで本実施例の組立式つり銭ロッカー1に対応する部材を用意できる。
【0018】
天板19の上部には制御基板17が積載されている。制御基板17は図示しない電源と接続している。天板19には、配線孔19a及びネジ孔19bが形成されている。また天板19には、奥行部材21の嵌め込み部21aに嵌め込むための嵌め込み部19cが形成されている。
係合部材22は、3箇所の挿入部を有するものであり、2箇所の挿入部22aはL字形状の先端に形成され、さらに1箇所の挿入部22bは、L字形状の角部22cから軸方向に伸びた先端に形成されている。係合部材22は、樹脂で成形されている。挿入部22a、22bの根元22dの太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを一回り小さくしたものである。根元22d以外の太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを二回り小さくしたものである。
【0019】
図5には、底板ユニット3の分解斜視図を示す。底板ユニット3は、底板23、間口部材20、奥行部材21、係合部材22及び滑り止め部材24から構成されている。底板23の間口の長さは、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、間口が400mmであるため、400mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた380mmの長さが間口の長さである。
また、底板23の奥行の長さは、奥行部材21の長さとほぼ同じ長さである。すなわち本実施例では、奥行が500mmであるため、500mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた480mmの長さが奥行の長さである。
【0020】
図1に示す、背板7の横の長さは、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、間口が400mmであるため、400mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた380mmの長さが横の長さである。
背板7の縦の長さは、支柱部材4の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、高さが2mであるため、2mから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた1.98mの長さが縦の長さである。
縦及び横の長さが、間口部材20、支柱部材4とほぼ同じ長さであることにより、間口部材20と支柱部材4により外組みができたときに、背板7を間口部材20と支柱部材4によりできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
【0021】
右側板5と左側板6の大きさは同じであり、横の長さは、奥行部材21の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、奥行が500mmであるため、500mmから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた480mmの長さが横の長さである。
縦の長さは支柱部材4の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、本実施例では、高さが2mであるため、2mから係合部材22の角部22cの10mmの2つ分である20mmを引いた1.98mの長さが縦の長さである。
縦及び横の長さが、奥行部材21、支柱部材4とほぼ同じ長さであることにより、奥行部材21と支柱部材4により外組みができたときに、右側板5と左側板6を奥行部材21と支柱部材4によりできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
左側板6には、配線を通すためのダクト部材15が、あらかじめ工場にて溶接されている。また、ダクト部材15には、錠前機構25があらかじめ工場にて溶接されている。ダクト部材15内には配線が通っており、配線は、工場であらかじめ左側板6を製造する際に、配線を通しておく。配線が通っていることにより、電気屋工事屋さんが、現場で配線をする必要がなくなり作業が容易になるからである。
【0022】
図1に示すように、取付部材10(請求項3における「棚板嵌め込み部」に相当する。)が溶接により右側板5、左側板6、及び背板7に結合されている。取付部材10は、棚板8に対応しているため、本実施例においては、棚板8に対して、7つ接合されている。
図14に示すように、棚板8の大きさは、中心部の横の長さOは、組立後の、右側板5と左側板6との距離よりも長い長さである。また、中心部の奥行の長さNは、組立後の背板7と扉部材9との距離よりも短い長さである。
棚板8は、1隅に配線案内溝8Bがあり、その他の3隅に支柱部材4案内溝8Cが形成されている。
扉部材9は、棚板8に底板ユニット3を合わせた数に対応しているため、本実施例においては、8個の扉部材9がある。
扉部材9の大きさは、横の長さが、間口部材20の長さとほぼ同じ長さである。縦の長さは、棚板8が、嵌め込まれた場合の上下の棚板8同士の間隔の長さとほぼ同じ長さである。
【0023】
図9は、取付部材10を拡大した図である。図9に示すように、取付部材10の形状は、略Z形状をしている。さらに、嵌合部10aと連通部10cは直行しており、接合部10bと連通部10cも直行している。取付部材10と背板7が接合する接合部10bは、溶接により背板7と結合している。嵌合部10aと背板7との幅Lは、棚板8の嵌合部8Aの幅Mと同じ幅である。
嵌合部10aには、凹部係合孔10dが形成されている。そのため、棚板8を嵌め込むことにより、嵌合部8Aの凸部8aが、凹部係合孔10dに挿入され固定される。そのため、仮に下から上への力が掛かったとしても、棚板8が外れることはない。
右側板5も背板7と同様に取付部材10が溶接されている。
左側板6も背板7と同様に取付部材10が溶接されている。取付部材10は、棚板8に対応しているため、本実施例においては、7つある。左側板6には、図8に示すような、ダクト部材15も溶接されている。
【0024】
次に、組立式つり銭ロッカー1の組立方法の工程を順に説明していく。
組立式つり銭ロッカー1は、工場で組み立てられるのではなく、現場で電気工事屋さんなどが組立を行うものである。そのため、以下の工程は、組立式つり銭ロッカー1が分解された状態で運ばれ、組立式つり銭ロッカー1が設置される場所において、電気工事屋さんが行なう作業工程である。
【0025】
第1工程では、天板ユニット2を組み立てる。第1に、図4に示すように、間口部材20及び奥行部材21のパイプの中に、挿入部材22のL字形状部分の2つの挿入部22aを挿入する。挿入部22a、22bの根元22dの太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを一回り小さくしたものである。そのため、挿入部22a、22bの根元22dは、間口部材20及び奥行部材21のパイプ内に圧入することができる。それにより、四角形状の天板ユニットの枠組みができる。
第2に、天板19を天板ユニット2の枠組みの上方から真ん中に挿入する。天板19の大きさは天板ユニット2の枠組みの内周とほぼ同じ大きさであるため、天板19を天板ユニット2の枠組みに隙間なく挿入できる。天板19を天板ユニット2の枠組みに挿入すると、嵌め込み部19cが奥行部材21の嵌め込み部21aに嵌合する。天板19が奥行部材21と嵌合した状態で、ネジ16をネジ孔19b、20cに挿入することで、天板19を天板ユニット2の枠組みに固定することができる。
以上の第1工程により、天板ユニット2が完成する。
【0026】
第2工程では、底板ユニット3を組み立てる。第1に、図5に示すように、間口部材20及び奥行部材21のパイプの中に、挿入部材22のL字形状の2つの挿入部22aを挿入する。挿入部22a、22bの根元22dの太さは、間口部材20及び奥行部材21の四角形状パイプを一回り小さくしたものである。それにより、四角形状の底板ユニット3の枠組みができる。
第2に、底板23を底板ユニット3の枠組みの下方から真ん中に挿入する。底板23の大きさは底板ユニット3の枠組みの内周とほぼ同じ大きさであるため、底板23を底板ユニット3の枠組みに隙間なく挿入できる。底板23を底板ユニット3の枠組みに挿入すると、嵌め込み部23aが奥行部材21の嵌め込み部21aに嵌合する。底板23が奥行部材21と嵌合した状態で、ネジ16をネジ孔23a、20cに挿入することで、底板23を底板ユニット3の枠組みに固定することができる。
挿入部22のL字形状の角部に滑り止め部材24を付設する。滑り止め部材24により、組立式つり銭ロッカー1の横滑りを防止することができる。
以上の第2工程により、底板ユニット3が完成する。
【0027】
第3工程では、図7に示すように、第1に、第2工程により完成した底板ユニット3の係合部材22のL字形状の角部22cから軸方向に伸びた挿入部22bを、支柱部材4の軸方向の下方向のパイプ孔に挿入する。底板ユニット3から組み立てていくことにより、土台を安定させて、天板ユニット2を組みつけていくことができる。
第2に、第1工程により完成した天板ユニット2の係合部材22のL字形状の角部22cから軸方向に伸びた挿入部22bを、支柱部材4の軸方向の上方向のパイプ孔に挿入する。
以上の第3工程により、組立式つり銭ロッカー1の外組みが完成する。
【0028】
第4工程では、右側板5、左側板6、背板7を、第3工程で組み立てた組立式つり銭ロッカー1の外組みに嵌め込む。図8は、第4工程の組立図を示す。なお、図8は、嵌め込みの工程が理解しやすいように、第3工程で完成した組立式つり銭ロッカー1の外組み状態から天板ユニット2を、支柱部材4から取外した状態のものを図示している。
右側板5を、前方の間口部材20側から、前方の2本の支柱部材4A、4Dの間を通し、右側の奥行部材21の両端の支柱部材4A、4Bの間に嵌め込む。右側板5の面積が、奥行部材21と支柱部材4A、4Bによりできる外組みの内周とほぼ同じ大きさであるため、右側板5を奥行部材21と支柱部材4A、4Bからできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
右側板5を嵌め込むと右側板5の引っ掛け部5aが、支柱部材4A、4Bの嵌め込み部4bの内側に嵌め込まれる。また、右側板5の引っ掛け部5bが、天板ユニット2の奥行部材21の嵌め込み部21b、及び底板ユニット3の奥行部材21の嵌め込み部21bの内側に嵌め込まれる。右側板5の4辺にある引っ掛け部5a、5bが、嵌め込み部4b、21bと嵌め込まれることにより固定することができる。
左側板6も右側板5と同様の構成により、固定することができる。
【0029】
背板7を、天板ユニット2の後方の間口部材20、底板ユニット3の後方の間口部材20と後方の2つの支柱部材4B、4Cとの組合せからできる枠内に嵌め込む。背板7の面積が、間口部材20と支柱部材4B、4Cによりできる外組みの内周とほぼ同じ大きさのため、背板7を間口部材20と支柱部材4B、4Cによりできる外組みの内側に隙間なく嵌め込むことができる。
背板7を嵌め込むと背板7の引っ掛け部7aが、支柱部材4B、4Cの嵌め込み部4aの内側に嵌め込まれる。また、背板7の引っ掛け部7bが、天板ユニット2の間口部材20の嵌め込み部20a、及び底板ユニット3の間口部材20の嵌め込み部20bの内側に嵌め込まれる。背板7の4辺にある引っ掛け部7a、7bが、嵌め込み部4a、20a、20bと嵌め込まれることにより固定することができる。
【0030】
第5工程では、第4工程により完成した、組立式つり銭ロッカー1の外組みの状態において、棚板8を嵌合していく。
第1に、嵌合の仕方は、間口部材20のある入口方向から棚板8を斜めに挿入する。
第2に棚板8を斜めの状態から、間口部材20と平行になるように横にする。棚板8が横の状態になると、図11に示すように、棚板8が、間口部材20と平行になる。
第3に、棚板8を図11の状態から下へ嵌め込むことにより、棚板8の嵌め込み部8Aが、右側板5の取付け部10、左側板6の取付け部10、及び背板7の取付け部10に嵌合される。
右側板5は内側から引っ掛け部5aを支柱部材4A、4Bの嵌め込み部4bに引っ掛けることにより嵌合されている。また、左側板6も内側から引っ掛け部6aを支柱部材4C、4Dの嵌め込み部4bに引っ掛けることにより嵌合されている。棚板8の大きさは、中心部の横の長さは、組立後の右側板5と左側板6との距離よりも長い長さである。右側板5と左側板6との距離よりも長いことにより、右側板5及び左側板6を内側から押圧することになり、右側板5及び左側板6を支柱部材4に固定することができる。
背板7は外側から引っ掛け部7aを支柱部材4B、4Cの嵌め込み部4aに引っ掛けることにより嵌合されている。棚板8の中心部の奥行の長さは、組立後の背板7と扉部材9との距離よりも短い長さである。背板7と扉部材9との距離よりも短いことにより、背板7を内側から引き寄せることができ、背板7を支柱部材4に固定することができる。
【0031】
棚板8は、下段から順番に嵌め込む。図9に示すように、嵌合部10aと背板7との幅Lは、棚板8の嵌合部8Aの幅Mと同じ幅である。棚板8の係合部8Aには凸部8aが成形されている。そのため、棚板8を嵌め込むためには、力が必要となるため、スペースを要する。そのため、下段から順番に嵌め込むことで、スペースに余裕があるため、棚板8を嵌合させやすい。
棚板8は、右側板5、左側板6を外側方向へ押し出す力が生じるため、右側板5及び左側板6に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。
また、棚板8は、背板7を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板7に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。
【0032】
第6工程では、扉部材9を支柱部材4に取付ける。第1に、図8に示す、扉取付部材12の嵌め込み部12aを、支柱4の嵌め込み部4aに嵌合させ、ネジ孔12bからネジを通し支柱部材4と扉取付部材12とを固定する。扉取付部材12は凸凹状の接合部12cを有する。
第2に、図12に示すように、扉部材9の扉取付部9bを扉取付部材12と係合させる。扉取付部9bは凸凹状であり、扉取付部材12の凸凹状と係合できるようになっている。扉取付部9bと扉取付部材12とに、軸棒14を差し込むことで、扉部材12と扉取り付け部材12とを係合させることができ、さらに、扉部材9を、開閉することができる。
【0033】
第7工程では、電気配線を行う。図13に示すように、天板ユニット2の上にある制御基板17と繋がる配線を、あらかじめ配線が通してあるダクト部材15より配線孔19aを介して天板ユニット2の上の制御基板17に配線する。あらかじめ配線がダクト部材15内を通してあるため、組立現場において電気工事屋さんが容易に配線を行うことができる。また、配線により錠前機構25と制御基板17とは電気的に繋がる。そのため、自動開閉鍵18により錠前の開閉を行うことができる。
以上の7工程を経ることにより、組立式つり銭ロッカー1を完成させることができる。
組立式つり銭ロッカー1は、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。さらに、組立が簡単であるため、電気屋さんが設置する現場で簡単に組立をすることができる。
【0034】
第2実施例を示す。
本出願に係る発明によれば、組立式書庫も提供することもできる。
例えば、図15では組立式書庫50の分解斜視図を示す。図16では、完成した組立式書庫50の正面図を示す。図17では、完成した組立式書庫50の、扉が開いた状態を示す。
右側板51、左側板52、及び背板53を、支柱部材54に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板55を有することにより、棚板55が、右側板51、左側板52を、外側に押圧することにより、支柱部材54に嵌め込んで固定することができ、棚板55が、背板53を、引き寄せることにより、支柱部材54に嵌め込んで固定することができる。それにより、右側板51及び左側板52に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板55は、背板53を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板53に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として組立式書庫50の強度を増すことができる。
また、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。
【0035】
支柱部材54が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板51、左側板52、及び背板53の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成したものであり、支柱部材54、及び、その他の天板56、底板57に使用される部材としても共通して使用することができる。そのため、支柱部材54の長さを変更するだけで、各々の部材として使用できるため、部材を一つ一つ製造する場合と比較して、コストを削減することができる。
左側板52に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、ダクト部材に、段数に対応する錠前機構が設置されていることにより、電気工事屋さんが簡単に配線作業を行うことができる。
【0036】
第3実施例を示す。
顧客が、間口幅400mm、間口高さ2m、奥行き500mm、段数が8段の組み立て式組立式つり銭ロッカーを欲している場合に、自動設計プログラムに当該設定条件を設定する。
自動設計プログラムは、設定条件に従い、組立式つり銭ロッカー1が、間口幅400mmと奥行き500mmに対応する寸法の天板ユニット2、及び底板ユニット3と、天板ユニット2と底板ユニット3、高さ1.98mの4本の支柱部材と、支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板5(縦1.98m、横480mm)、左側板6(縦1.98m、横480m)、及び1枚の背板7(縦1.98m、横380mm)と、棚板8と、扉部材9(横380mm)を自動的に計算し図面をする。
作成された図面の部品を自動的に切削等して準備する部品製造装置がある。
自動設計プログラムにより、今まで、専門的な知識を持つものでなければ設計を行うことができなかった、組立式つり銭ロッカー1の設計を、設定条件を入力するだけで誰でも設計を行えるようになった。
【0037】
以上詳細に説明したように、本実施例1の組立式つり銭ロッカー1によれば、
(1)間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板ユニット2、及び底板ユニット3と、天板ユニット2と底板ユニット3との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材4と、支柱部材4に内側から嵌め込まれる右側板5、左側板6、及び1枚の背板7と、右側板5、左側板6、及び背板7を、支柱部材4に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板8と、段数に対応する扉部材9を有することを特徴とすることにより、棚板8が、右側板5、左側板6を外側方向へ押し出すため、右側板5及び左側板6に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板8は、背板7を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板7に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として、組立式つり銭ロッカー1の強度を上げることができる。
また、組立式であるため、輸送も容易であり、また、エレベーターにも十分入る大きさであるため、電気工事屋さんが一人で運ぶこともできる。さらに、組立が簡単であるため、電気屋さんが設置する現場で簡単に組立をすることができる。
【0038】
(2)(1)に記載する組立式つり銭ロッカー1において、支柱部材4が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、右側板5、左側板6、及び背板7の端面を嵌め込む嵌め込み部4a、4bが四角形状の2隅に形成されていることを特徴とすることにより、支柱部材、及び、その他の天板、底板に使用される部材としても共通して使用することができる。そのため、支柱部材の長さを変更するだけで、各々の部材として使用できるため、部材を一つ一つ製造する場合と比較して、コストを削減することができる。
(3)(1)または(2)に記載する組立式つり銭ロッカー1において、右側板5、左側板6、及び背板7の内側に、棚板8を上から嵌め込む嵌合部10aが形成されていることを特徴とするため、棚板8を嵌合させることができる。また、嵌合部10aには、凸部10dが成形されている。そのため、棚板8を嵌め込むことにより、凸部10dが嵌合部8aを押止する。そのため、仮に下から上への力が掛かったとしても、棚板8が外れることはない。
【0039】
(4)(1)乃至(3)に記載する保管庫1において、棚板8が、右側板5と左側板6を、外側に押圧すること、又は引き寄せることにより、かつ、背板7を押圧すること、又は引き寄せることにより、支柱部材4に嵌め込んで固定すること、及び(5)(1)乃至(4)に記載する保管庫1において、棚板8が、右側板5と左側板6を、外側に押圧することにより、支柱部材4に嵌め込んで固定すること、棚板8が、背板7を、引き寄せることにより、支柱部材4に嵌め込んで固定すること、を特徴とするため、右側板5、左側板6を外側方向へ押し出す力が生じるため、右側板5及び左側板6に掛かる内周方向への力に対して強度を持つようになる。また、棚板8は、背板7を内側方向へ引き寄せる力が生じるため、背板7に係る外周方向への力に対し強度を持つようになる。全体として組立式つり銭ロッカー1の強度を上げることができる。
(6)(1)乃至(5)に記載する組立式つり銭ロッカー1のいずれか1つにおいて、左側板6に、配線のためのダクト部材15が取り付けられ、ダクト部材15に、段数に対応する錠前機構25が設置されていることを特徴とすることにより、電気工事屋さんが簡単に配線作業を行うことができる。また、自動開閉鍵18は電子錠であるため、組立式つり銭ロッカー1の使用履歴、使用時間、誰が開けたのかを把握することができる。
【0040】
(7) 顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した組立式つり銭ロッカー1を製造する組立式つり銭ロッカー1の製造システムであって、(1)組立式つり銭ロッカー1が、間口幅と奥行きに対応する寸法の天板ユニット2、及び底板ユニット3と、天板ユニット2と底板ユニット3との四隅に立設され、間口高さと段数により長さが決定された4本の支柱部材4と、支柱部材4に内側から嵌め込まれる右側板5、左側板6、及び外側から嵌めこまれる1枚の背板7と、右側板5、左側板6を、外側に押圧することにより、支柱部材4に嵌め込んで固定し、かつ、背板7を引き寄せることにより支柱部材4に嵌め込んで固定する、段数に対応する棚板8と、段数に対応する扉部材9を有し、(2)顧客から注文に応じて、天板ユニット2、底板ユニット3、支柱部材4、右側板5、左側板6、背板7、棚板8、扉部材9の図面を作成する自動設計プログラムを有すること、を特徴とすることにより、専門的な知識を持つものでなければ設計を行うことができなかった、組立式つり銭ロッカー1の設計を、設定条件を入力するだけで誰でも設計を行うことができる。
【0041】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、図10に示すように、爪部を有する引っ掛け部31及び嵌め込み部30とすることにより、一度嵌め込まれると互いの爪が係止し合って、抜けを防止することができる。
当該爪部を有する構成は、すべての引っ掛け部及び嵌め込み部に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】組立式つり銭ロッカー1の分解斜視図である。
【図2】組立式つり銭ロッカー1の完成図である。
【図3】組立式つり銭ロッカー1の扉9がすべて開いた状態である。
【図4】天板ユニット2の分解斜視図である。
【図5】底板ユニット3の分解斜視図である。
【図6】支柱部材4の拡大断面図である。
【図7】第3工程を示した図である。
【図8】第4工程を示した図である。
【図9】取付部材10を拡大した図である。
【図10】爪部を有する引っ掛け部及び嵌め込み部を示した図である。
【図11】棚板8の取付例を示した図である。
【図12】組立式つり銭ロッカー1のうち一つのロッカーの上断面を示した図である。
【図13】組立式つり銭ロッカー1の横断面を示した図である。
【図14】棚板8の正面図である。
【図15】組立式書庫50の分解斜視図である。
【図16】組立式書庫50の正面図である。
【図17】組立式書庫50の扉58が開いた状態を示した正面図である。
【図18】特許文献1に係る組立式保管庫100である。
【図19】特許文献2に係る組立式保管庫110である。
【符号の説明】
【0043】
1 組立式つり銭ロッカー
2 天板ユニット
3 底板ユニット
4 支柱部材
4a、4b 嵌め込み部
5 右側板
6 左側板
7 背板
8 棚板
9 扉部材
10 取付部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、
前記間口幅と前記奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、
前記天板と前記底板との四隅に立設され、前記間口高さと前記段数により長さが決定された4本の支柱部材と、
前記支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び1枚の背板と、
前記右側板、前記左側板、及び前記背板を、前記支柱部材に嵌め込んで固定する、前記段数に対応する棚板と、
前記段数に対応する扉部材を有することを特徴とする保管庫。
【請求項2】
請求項1に記載する保管庫において、
前記支柱部材が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、前記右側板、前記左側板、及び前記背板の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成されていることを特徴とする保管庫。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する保管庫において、
前記右側板、前記左側板、及び前記背板の内側に、前記棚板を上から嵌め込む棚板嵌め込み部が形成されていることを特徴とする保管庫。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載する保管庫において、
前記棚板が、前記右側板と前記左側板を、外側に押圧すること、又は引き寄せることにより、かつ、前記背板を押圧すること、又は引き寄せることにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする保管庫。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載する保管庫において、
前記棚板が、前記右側板と前記左側板を、外側に押圧することにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定すること、
前記棚板が、前記背板を、引き寄せることにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする保管庫。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載する保管庫のいずれか1つにおいて、
前記左側板に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、
前記ダクト部材に、前記段数に対応する錠前機構が設置されていることを特徴とする保管庫。
【請求項7】
顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した保管庫を製造する保管庫製造システムであって、
(1)前記保管庫が、
前記間口幅と前記奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、
前記天板と前記底板との四隅に立設され、前記間口高さと前記段数により長さが決定された4本の支柱部材と、
前記支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び外側から嵌めこまれる1枚の背板と、
前記右側板、前記左側板を、外側に押圧することにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定し、かつ、前記背板を引き寄せることにより前記支柱部材に嵌め込んで固定する、前記段数に対応する棚板と、
前記段数に対応する扉部材を有し、
(2)前記顧客から注文に応じて、前記天板、前記底板、前記支柱部材、前記右側板、前記左側板、前記背板、前記棚板、前記扉部材の図面を作成する自動設計プログラムを有すること、
を特徴とする保管庫製造システム。
【請求項1】
間口幅、間口高さ、奥行き、段数を条件として製造される保管庫であって、
前記間口幅と前記奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、
前記天板と前記底板との四隅に立設され、前記間口高さと前記段数により長さが決定された4本の支柱部材と、
前記支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び1枚の背板と、
前記右側板、前記左側板、及び前記背板を、前記支柱部材に嵌め込んで固定する、前記段数に対応する棚板と、
前記段数に対応する扉部材を有することを特徴とする保管庫。
【請求項2】
請求項1に記載する保管庫において、
前記支柱部材が、アルミ押出成形またはアルミ引抜成形により製造された四角形状パイプであり、前記右側板、前記左側板、及び前記背板の端面を嵌め込む側板背板嵌め込み部が四角形状の2隅に形成されていることを特徴とする保管庫。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載する保管庫において、
前記右側板、前記左側板、及び前記背板の内側に、前記棚板を上から嵌め込む棚板嵌め込み部が形成されていることを特徴とする保管庫。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載する保管庫において、
前記棚板が、前記右側板と前記左側板を、外側に押圧すること、又は引き寄せることにより、かつ、前記背板を押圧すること、又は引き寄せることにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする保管庫。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載する保管庫において、
前記棚板が、前記右側板と前記左側板を、外側に押圧することにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定すること、
前記棚板が、前記背板を、引き寄せることにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定すること、を特徴とする保管庫。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載する保管庫のいずれか1つにおいて、
前記左側板に、配線のためのダクト部材が取り付けられ、
前記ダクト部材に、前記段数に対応する錠前機構が設置されていることを特徴とする保管庫。
【請求項7】
顧客から、間口幅、間口高さ、奥行き、段数が任意に設定されたときに、その設定条件に合致した保管庫を製造する保管庫製造システムであって、
(1)前記保管庫が、
前記間口幅と前記奥行きに対応する寸法の天板、及び底板と、
前記天板と前記底板との四隅に立設され、前記間口高さと前記段数により長さが決定された4本の支柱部材と、
前記支柱部材に内側から嵌め込まれる右側板、左側板、及び外側から嵌めこまれる1枚の背板と、
前記右側板、前記左側板を、外側に押圧することにより、前記支柱部材に嵌め込んで固定し、かつ、前記背板を引き寄せることにより前記支柱部材に嵌め込んで固定する、前記段数に対応する棚板と、
前記段数に対応する扉部材を有し、
(2)前記顧客から注文に応じて、前記天板、前記底板、前記支柱部材、前記右側板、前記左側板、前記背板、前記棚板、前記扉部材の図面を作成する自動設計プログラムを有すること、
を特徴とする保管庫製造システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図14】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−254738(P2009−254738A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110041(P2008−110041)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(391020322)東海理研株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【出願人】(391020322)東海理研株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
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