説明

保護アップリケを備えたタイヤ

本発明は、タイヤ(10)であって、タイヤは、転動面を備えたトレッド(40)と、トレッドに形成された少なくとも1つの凹部(90)とを有し、凹部は、転動面上に開口し、凹部は、底壁及びただ1つの側壁によって画定され、タイヤは、少なくとも1つのアップリケ(100;1001,1002)を更に有し、アップリケは、凹部内に挿入されると共に接着剤(110)によって凹部の底壁又は側壁の少なくとも一部分に固定されていることを特徴とするタイヤに関する。本発明は又、タイヤが外部からの攻撃に対して耐性を持つようにする方法及びキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のタイヤに関する。本発明は、特に、外面に設けられた保護アップリケを有するタイヤ及びタイヤの凹部を種々の外部からの攻撃から保護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤは、その寿命中、多大な外部からの攻撃を受ける。この攻撃としては、特に結果的に切れ目やそれどころか穴を生じさせる機械的攻撃だけでなく、特に紫外線及び大気中のオゾンの存在に起因した化学的攻撃が挙げられる。
【0003】
タイヤのトレッドは、機械的攻撃によって特に影響を受ける。というのは、タイヤが転動している路面に接触するのは、その転動面だからである。特に、トレッドは、タイヤが転動して踏む場合がある鋭利な物体から損傷を受ける場合がある。トレッドは又、化学的攻撃によって影響を受けるが、タイヤが摩耗するということは、紫外線やオゾンの作用によって引き起こされる損傷が持続的な効果を持たず、タイヤが定期的に用いられる場合、少なくとも転動面を形成しているゴムに対して影響を及ぼさないということを意味している。
【0004】
しかしながら、摩耗を受けず、しかもトレッドの外面の一部であるトレッドの部分、即ち、転動面上に開口した凹部及び溝の内面又は底部の場合には状況が異なる。トレッドのこれら部分は、機械的及び化学的攻撃を受け、この攻撃の長期間にわたる効果によって損傷する場合がある。かくして、タイヤの溝の底部に見える亀裂を発見することは、珍しいことではない。
【0005】
溝及び他の凹部の底部は、トレッドのこれら場所に耐性の高い材料を用いることによって補強されるが、この手法は、製造費を増大させ(トレッド全体がこれら材料で作られている場合)又は製造プロセスを複雑にする(複合材のトレッドが採用されている場合)。この「上流(upstream)」手法(根源的手法)と関連したもう1つの欠点は、これにより、特定の使用条件へのタイヤの一時的適合が可能ではなくなるということにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、タイヤユーザにタイヤを外部の攻撃から保護する簡単な方法(幾つかの基本的ツールを備えた最終使用者の能力の範囲内にある)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、タイヤが外部からの攻撃に対して耐性を持つようにする方法であって、タイヤは、転動面及び転動面上に開口した少なくとも1つの凹部を備えたトレッドを有し、凹部は、底壁及びただ1つの側壁によって画定され、方法は、
(A)アップリケを凹部内に挿入するステップと、
(B)アップリケを接着剤によって凹部の底壁又は側壁の少なくとも一部分に固定するステップとを有することを特徴とする方法に関する本発明の一観点に従って達成される。
【0008】
本発明の方法の結果として、外部からの攻撃に対して耐性のあるタイヤが得られる。というのは、アップリケの存在は、
・切れ目又は穴の発生の恐れを減少させると共に/或いは、
・紫外線がアップリケの覆っている表面に到達する前に紫外線のうちの少なくとも幾分かを吸収すると共に/或いは、
・オゾンがこの表面に接触するのを阻止するという作用効果を有するからである。
【0009】
この方法の実施は、幾つかの基本的ツールを備えたタイヤのユーザの能力の範囲内にある。
【0010】
本発明は、最終使用者がタイヤを特定の使用条件に適合させることができるという利点を有する。一例を挙げると、自転車乗りは、攻撃性の低い地形については欠点となる場合のある重い又は高価なタイヤを用いることなく、アカシアの棘又は鋭利なフリントで覆われた地形向きに自分のマウンテンバイク用タイヤを瞬時に適合させることができる。
【0011】
底壁及び側壁は、必ずしも、互いに別個独立のものである必要はなく、これらを合体させても良いことは注目されるべきである。例えば、半球形の凹部内において、同じ壁が底壁と側壁の両方を形成する。
【0012】
検討対象の凹部が側壁を1つしか備えていないということにより、溝が2つの側壁を有する場合、これら溝が上述の意味での凹部であるとは考えられない。
【0013】
本発明の別の観点は、タイヤであって、タイヤは、転動面を備えたトレッドと、トレッドに形成された少なくとも1つの凹部とを有し、凹部は、転動面上に開口し、凹部は、底壁及びただ1つの側壁によって画定され、タイヤは、少なくとも1つのアップリケを更に有し、アップリケは、凹部内に挿入されると共に接着剤によって凹部の底壁又は側壁の少なくとも一部分に固定されていることを特徴とするタイヤに関する。
【0014】
本出願人は、驚くべきことに、しかも予想とは逆に、タイヤのかかる凹部内に接着剤により結合されたアップリケは、トレッドの受ける応力に対して良好な耐性を示すことを発見した。
【0015】
有利な一実施形態によれば、アップリケは、底壁の少なくとも一部分に固定される。このアップリケは、好ましくは、底壁の表面の少なくとも80%を覆う。
【0016】
アップリケの寿命は、アップリケ全体が転動面の半径方向内側に位置するのに十分凹部が深い場合、即ち、アップリケの半径方向最も外側の箇所がトレッドの転動面の半径方向内側に位置している場合に最も長い。
【0017】
好ましい一実施形態によれば、凹部の側壁は、閉鎖された(閉じられた)表面である。本明細書における説明の範囲内において、タイヤが新品である場合にトレッドの転動面との側壁の交差部が閉じられた曲線であり、即ち、端点のない曲線である場合に「閉鎖表面(closed surface)」であると考えられる。これとは対照的に、凹部の側壁は、タイヤが新品である場合にトレッドの転動面との側壁の交差部が開いた曲線であり、即ち、2つの端点を備えた曲線である場合に「開放(開かれた)表面(open surface)」であると考えられる。凹部の側壁が閉鎖表面である場合、アップリケは、タイヤから剥がれないよう特に良好に保護される。
【0018】
タイヤの側壁が閉鎖表面であるかどうかを判定する場合、凹部中に開口したサイプは無視されるべきである。事実上、凹部の側壁が閉鎖表面であり、アップリケの半径方向最も外側の箇所がトレッドの転動面の半径方向内側に位置している場合、凹部を包囲している転動面がタイヤの転動している路面と接触した場合に凹部の容積部内に閉じこめられた空気を逃がすことができるサイプを提供することが有利である。これは、特に、タイヤが転動しているときにタイヤによって生じる騒音の観点において有利である。
【0019】
好ましい一実施形態によれば、凹部の側壁は、疑似閉鎖表面である。凹部の側壁は、タイヤが新品である場合にタイヤの転動面との側壁の交差部が開放曲線であり、即ち、2つの端点C1,C2を備えた曲線であり且つ端点C1,C2を互いに結ぶ直線Lの長さが直線Lに平行に測定して曲線Cの任意の2つの点相互間の最大距離よりも短い場合に「疑似閉鎖表面(quasi-closed surface)」であると考えられる。側壁が疑似閉鎖である凹部は、アップリケを依然として保護する。というのは、側壁が凹部の側方開口部に向かって幅が狭くなっていることにより、アップリケが開口部中に変位しないようになるからである。
【0020】
好ましくは、端点C1,C2を互いに結ぶ直線Lの長さは、直線Lに平行に測定して曲線Cの任意の2つの点相互間の最大距離の50%よりも小さく、より好ましくは、直線Lに平行に測定して曲線Cの任意の2つの点相互間の最大距離の20%未満である。
【0021】
アップリケは黒色であっても良く、それによりアップリケがトレッド上で肉眼ではほぼ見えないようになるが、アップリケは、黒色以外の色の少なくとも一部分を有しても良く、この部分は、トレッドの外側に位置すると共にアップリケに向いた視点から見える。かくして、保護効果に加えて装飾効果を得ることができる。
【0022】
当業者であれば理解されるように、「黒色以外」の色という記載を選択した理由は、タイヤトレッドがほぼ間違いなく黒色であるからである。本発明を黒色以外の或る特定の色をもつトレッドに対して実施すべき場合、対応のアップリケは、この色以外の色の少なくとも一部分を備えなければならない。
【0023】
本発明の別の観点は、本明細書において開示する方法に従ってタイヤが外部からの攻撃に対して耐性を持つようにするキットであって、キットは、タイヤトレッドに設けられた凹部内に挿入されるよう設計された少なくとも1つのアップリケを含み、凹部は、底壁及び側壁によって画定され、キットは、アップリケを凹部の底壁又は側壁の少なくとも一部分に固定する適当な接着剤を更に含むことを特徴とするキットに関する。
【0024】
キットは、好ましくは、上述した少なくとも本発明の実施形態の方法のステップ(A)及びステップ(B)に関する1組の説明書を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】先行技術のモーターサイクル用タイヤを概略的に示す図である。
【図2】先行技術のモーターサイクル用タイヤを概略的に示す図である。
【図3】先行技術のモーターサイクル用タイヤの概略半径方向断面図である。
【図4】本発明の実施形態としてのタイヤのトレッドの概略平面図である。
【図5】図4のタイヤの一部の概略半径方向断面図である。
【図6】本発明の実施形態としての方法で用いられるよう設計された1つのアップリケを概略的に示す図である。
【図7】本発明の実施形態としての方法で用いられるよう設計された別のアップリケを概略的に示す図である。
【図8】本発明の実施形態としてのタイヤを概略的に示す図である。
【図9】本発明の実施形態に従って凹部を備えたトレッドブロックの斜視図である。
【図10】疑似閉鎖表面である側壁を有する凹部を示す図である。
【図11】疑似閉鎖表面である側壁を有する凹部を示す図である。
【図12】本発明の実施形態としてのタイヤの一部の概略周方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
「半径方向」という用語を用いる際、当業者の間で用いられるこの言葉の数種類の異なる使い方を区別することが重要である。まず第1に、この表現は、タイヤの半径を意味している。この意味では、点(箇所)P1が点P2よりもタイヤの回転軸線の近くに位置する場合、点P1は、点P2の「半径方向内側」に位置すると呼ばれる。これとは逆に、点P3が点P4よりもタイヤの回転軸線から見て遠くに位置する場合、点P3は、点P4の「半径方向外側」に位置すると呼ばれる。半径方向距離について説明している場合、かかる用語についてもこの意味が当てはまる。「半径方向内側(又は外側)に向かって」という表現は、小さくなっていく(大きくなっていく)半径に向かうことを意味する。かかる用語のこの意味は、半径方向距離について説明する場合にも当てはまる。
【0027】
しかしながら、細線又は補強材は、細線又は補強材の補強要素が周方向と80°以上且つ90°以下の角度をなす場合に「半径方向」と呼ばれる。注目されるべきこととして、本明細書においては、「細線」という用語は、最も広い意味に解されなければならず、細線は、細線の構成材料又はゴムとのその結合性を促進するために実施される表面処理とは無関係に、モノフィラメント、マルチフィラメント、コード、ヤーン(糸)又はこれらと同等の集成体の形態をした細線を含む。
【0028】
最後に、「半径方向断面」という用語は、タイヤの回転軸線を含む平面に沿って取った断面を意味している。
【0029】
「軸方向」は、タイヤの回転軸線に平行な方向である。点P5が点P6よりもタイヤの中間平面の近くに位置する場合、点P5は、点P6の「軸方向内側」に位置すると呼ばれる。これとは逆に、点P7が点P8よりもタイヤの中間平面から見て遠くに位置する場合、点P7は、点P8の「軸方向外側」に位置すると呼ばれる。タイヤの「中間平面」は、タイヤの回転軸線に垂直であり且つ各ビードの環状補強構造体から等距離のところに位置する平面である。
【0030】
「周方向」は、タイヤの半径と軸方向の両方に対して垂直な方向である。「周方向断面」は、タイヤの回転軸線に垂直な平面で取った断面である。
【0031】
「転動面」は、本明細書では、タイヤが転動しているときに路面に接触するタイヤのトレッド上の全ての点を意味している。
【0032】
「ゴムコンパウンド」という表現は、少なくともエラストマー及び充填剤を含む配合ゴムを意味している。
【0033】
図1及び図2は、先行技術のタイヤ10、この場合モーターサイクル用タイヤの略図である。タイヤ10は、クラウン補強材(図1では見えない)を備えたクラウンを有し、クラウン補強材の頂部にはトレッド40が設けられ、他方、2つのサイドウォール30がクラウンから半径方向内方に延び、2つのビード20がサイドウォール30の半径方向内側に位置している。トレッド40は、複数本の溝50を有する。タイヤの回転軸線70も又図2に示されており、図2は、タイヤを平面図で示している。
【0034】
図3は、先行技術のタイヤ10、この場合も又モーターサイクル用タイヤの半部の概略半径方向断面図である。タイヤ10は、ホイールリム(図示せず)に接触するよう設計された2つのビード20を有し、各ビード20は、環状補強構造体、この場合ビードワイヤ25を有している。2つのサイドウォール30は、ビード20から半径方向外方に延び、そして少なくとも1枚の補強プライを備えたクラウン補強材45を有するクラウンに合体し、このクラウン補強材の頂部上にはトレッド40が半径方向に位置している。タイヤ10は、ビード20からサイドウォール30を通ってクラウンまで延びるカーカス補強材60を更に有している。カーカス補強材60は、ビードワイヤ25周りの折り返し部又は巻き上げ部によって2つのビード20の各々内に繋留されている。
【0035】
図4は、本発明の方法のステップ(B)及びステップ(C)の前後における本発明のタイヤ10のトレッドの概略平面図である。図5は、このタイヤ10の一部を図4に示された軸線I‐Iで取った半径方向断面で示している。
【0036】
軸線80の左側に位置したトレッド40の半部は、タイヤを本発明の方法のステップ(A)後に見える状態で示しており、円筒形の凹部90がトレッド40に穴あけされている。各凹部90は、2つの壁、即ち、転動面上に開口した円筒形側壁92(図5参照)及び円形底壁91(図5参照)によって画定されている。凹部90の側壁92は、「閉鎖表面」であり、トレッドの転動面とのこの側壁の交差部は、円に近い。ステップ(A)では、アップリケ100を凹部90内に挿入する。アップリケ100は、底壁の表面の90%を覆い、それによりその保護効果が最大になる。ステップ(B)では、軸線80の右側に位置するトレッド40の半部に示されているようにこのアップリケを接着剤層110によって凹部の底を形成している壁に固定する。
【0037】
図6は、本発明の方法で用いられるよう設計された極めて簡単なアップリケ100を概略的に示している。この種のアップリケは、多くの材料、例えば弾性材料(シリコーン、ゴム等)、テキスタイル材料、軟質又は硬質マイクロフォーム材料、硬質材料(金属、PVC等)、皮革、ベルベット等で作製可能である。接着剤層110も又図示されている。
【0038】
多種多様な接着剤を用いることができ、例は、アクリル系接着剤(例えば、シアノアクリレート)、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤(接触又は非接触)、ウレタン系接着剤、ラテックスを主成分とする接着剤、天然ゴムを主成分とする接着剤、ホットメルト接着剤、ナノプレン溶剤、ニトリル、SBR等である。
【0039】
当然のことながら、複合アップリケ、例えば図9に示されているアップリケを用いることも可能である。この図に示されているアップリケは、2つの層101,102を有している。例えば、フォーム層が剛性の層に取り付けられ、或いは着色層がトレッドの材料中に含まれている着色生成物の移動に対するバリヤとして働く層に取り付けられるのが良い。別の例は、或る特定の剛性を全体に与える内側ゴム層に取り付けられた再帰反射性ストリップ(例えば、3M(登録商標Scotcilite(登録商標)のストリップ)により形成された外側層である。
【0040】
図9に示されたタイヤ10は、モーターサイクル用タイヤである。このタイヤは、周方向溝51及び一方の側部がサイドウォール30上に開口した凹部52を有し、凹部の側壁は、疑似閉鎖表面である。アップリケ1002がこれら凹部中に結合されている。タイヤは、凹部90を更に有し、かかる凹部の側壁は、閉鎖表面である。アップリケ1001が凹部90の底壁に固定されている。しかしながら、本発明は、モーターサイクル用タイヤには何ら限定されないことが注目されるべきである。
【0041】
上述したように、凹部の側壁が閉鎖表面であるかどうかを判定する場合、凹部内に開口したサイプは無視されるべきである。換言すると、これは、サイドウォールが上記において定義されている「閉鎖表面」ではないと考えられるようにするサイプが存在するからというわけではない。当業者には周知であるように、かかるサイプは、代表的には、トレッドの転動面上のこれらの最も大きな寸法方向に垂直な方向に沿って測定して0.3〜1.5mmの幅を有する。かかるサイプの存在によって凹部内のアップリケの保護が損なわれるわけではなく、それどころか、このことは、積極的な効果を有する場合がある。この状況は、図9に示されており、この場合、2つのサイプ141,142がトレッドブロック41に設けられた凹部90内に開口している。凹部90を包囲している転動面がタイヤの転動する路面と接触したときにアップリケ100と路面との間で凹部内に閉じこめられた空気は、これらサイプ141,142を通って逃げ出ることができる。これは、タイヤが転動しているときにタイヤによって生じる騒音を考慮すると有利である。
【0042】
「疑似閉鎖」側壁を備えた凹部90の一例が図10に示されており、この図10は、トレッドブロック41の平面図である。凹部の側壁は、トレッドの転動面との交差部C(図11)を有している。交差部Cは、2つの端点C1,C2を備えた開放曲線である。これら端点C1,C2を互いに結ぶ直線Lは、直線Lに平行に測定して任意の2つの交差点C相互間の最大距離Mの約40%である長さを有する。
【0043】
図4、図5及び図8〜図10に示されたアップリケは、転動面から突き出ておらず、これらアップリケの厚さは、これらの半径方向最も外側の末端を形成する1つ又は複数の箇所がトレッドの転動面の半径方向内側に位置するようなものである。しかしながら、これは、図12に示されているように本発明の必須の特徴ではなく、図12は、本発明のタイヤのトレッドの一部を周方向断面で概略的に示している。トレッドは、フォームアップリケ100が結合される(接着剤層110が見える)凹部を有し、その結果、アップリケは、これが転動面と面一をなすまで凹部を満たしている。このように、アップリケは、トレッド40と一緒に摩耗する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ(10)であって、前記タイヤは、転動面を備えたトレッド(40)と、前記トレッドに形成された少なくとも1つの凹部(90)とを有し、前記凹部は、前記転動面上に開口し、前記凹部は、底壁及びただ1つの側壁によって画定され、前記タイヤは、少なくとも1つのアップリケ(100;1001,1002)を更に有し、前記アップリケは、前記凹部内に挿入されると共に接着剤(110)によって前記凹部の前記底壁又は前記側壁の少なくとも一部分に固定されている、タイヤ。
【請求項2】
前記アップリケは、前記底壁の少なくとも一部分に固定されている、請求項1記載のタイヤ。
【請求項3】
前記アップリケは、前記底壁の表面の少なくとも80%を覆っている、請求項1又は2記載のタイヤ。
【請求項4】
前記アップリケ(100)の半径方向最も外側の箇所は、前記トレッド(40)の前記転動面の半径方向内側に位置している、請求項1〜3のうちいずれか一に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記凹部の前記側壁は、閉鎖表面である、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記凹部の前記側壁は、閉鎖表面であり、少なくとも1つのサイプが前記凹部内に開口している、請求項4記載のタイヤ。
【請求項7】
前記凹部の前記側壁は、疑似閉鎖表面である、請求項1〜4のうちいずれか一に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記アップリケ(100;1001,1002)は、黒色以外の色の少なくとも一部分を備え、該部分は、前記トレッド(40)の外側に位置すると共に前記アップリケに向いた視点から見える、請求項1〜7のうちいずれか一に記載のタイヤ。
【請求項9】
タイヤ(10)が外部からの攻撃に対して耐性を持つようにする方法であって、前記タイヤは、転動面及び前記転動面上に開口した少なくとも1つの凹部(90)を備えたトレッド(40)を有し、前記凹部は、底壁及びただ1つの側壁によって画定され、前記方法は、
(A)アップリケ(100;1001,1002)を前記凹部内に挿入するステップと、
(B)前記アップリケを接着剤(110)によって前記凹部の前記底壁又は前記側壁の少なくとも一部分に固定するステップとを有する、方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法に従ってタイヤが外部からの攻撃に対して耐性を持つようにするキットであって、前記キットは、前記タイヤトレッド(40)に設けられた凹部(90)内に挿入されるよう設計された少なくとも1つのアップリケ(100;1001,1002)を含み、前記凹部は、底壁及び側壁によって画定され、前記キットは、前記アップリケを前記凹部の前記底壁又は前記側壁の少なくとも一部分に固定する適当な接着剤(110)を更に含む、キット。
【請求項11】
前記キットは、請求項8記載の方法の前記ステップ(A)及びステップ(B)に関する1組の説明書を更に含む、請求項10記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−520790(P2012−520790A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500244(P2012−500244)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/053481
【国際公開番号】WO2010/106114
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)