説明

保護フィルム付き光触媒シート

【課題】光触媒フィルムには光触媒層を保護する保護フィルムが光触媒層の上に貼りあわされている。この保護フィルムは光触媒フィルムを屋外で被貼合物に貼合施工した後、数日おいて剥がすことが多い。その際、基材フィルムから光触媒層が部分的に剥がれ落ちてしまうという不具合がしばしば発生する。光触媒層が剥がれた部分は防汚効果を発現しないので、貼合後の被貼合物は十分な防汚効果が得られない。
以上の不具合発生を防止し得る光触媒シートを提供することを課題とする。
【解決手段】基材上に、難分解性層、光触媒層、保護フィルムを順次有し、裏面に接着層を有する光触媒シートにおいて、前記保護フィルムに紫外線遮蔽性を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面を親水化することによって、セルフクリーニング機能や結露防止機能を発揮する光触媒シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セルフクリーニング機能(自浄性機能)を有する光触媒シートが開発されている。このような光触媒シートは、表面に二酸化チタン等の光触媒を含む光触媒層を設けることによって、その表面を高度に親水化することで、非常に水に濡れ易くし、塵埃等の汚れが付き難い性質を発現させ、且つ汚れが一時的に付着しても雨水等により容易に洗い流されるという、いわゆるセルフクリーニング機能(自浄性機能)を発揮するものである。
【0003】
通常、光触媒シートは、プラスチックフィルム基材上に該基材の分解を防ぐための難分解性層を設け、その上に光触媒層を設ける。裏面には被着体に貼るための粘着層および該粘着層を保護する離型フィルムを設ける。さらに、前記光触媒層上には、貼り合せ作業が終わるまで光触媒層を保護するための保護フィルムを貼合する、という構成をとる場合が多い(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−306563号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような光触媒シートは、防汚効果が必要な物の表面に貼り合わされる。その際、被着体に貼合後直ちに保護シートを剥がせば問題なく剥れるので、その後紫外線受光により貼合面全面に防汚効果が得られ、その機能を発揮することができる。しかし、このような光触媒シートは貼合後直ちに保護シートを剥がすということは少なく、通常は貼合後数日おいて剥がすことが多い。例えば、新築の建物の窓ガラスに施工した場合等、その他の部分の施工作業が完了してから保護フィルムを剥がすほうが、光触媒層の傷つきを防止する意味で有効である。その場合、数日おいて保護フィルムを剥がすことになるが、そうすると基材フィルムから光触媒層が部分的に剥がれ落ちてしまうという問題がしばしば発生した。
【0006】
そこで、発明者らは、貼合後数日おいて保護フィルムを剥がした際でも良好に保護シートを剥がすことができる光触媒シートを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、基材フィルムから光触媒層が部分的に剥がれ落ちてしまう原因が、保護フィルムを通して光触媒層に太陽光があたることによる、保護フィルムと光触媒層の表面との接着性の変化にあることを見出した。
【0008】
そしてさらに鋭意研究した結果、保護フィルムに紫外線遮蔽性を付与することにより接着性の変化を防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明の光触媒シートは、基材の一方の面に光触媒層を有し、前記光触媒層上に、紫外線遮蔽剤を含有した保護フィルムを貼合したことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の光触媒シートは、上記保護フィルムが接着層を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の光触媒シートの前記保護フィルムは、全光線透過率が60%以上であることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の光触媒シートは、前記基材のもう一方の面に接着層を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、光触媒シートの保護フィルムが紫外線遮蔽性を有するので、光触媒フィルム貼合施工後、数日おいて保護フィルムを剥がした際、基材フィルムから光触媒層が部分的に剥がれ落ちてしまうという問題の発生を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の光触媒シートは、基材の一方の面に光触媒層を有し、前記光触媒層上に、紫外線遮蔽性を有する保護フィルムを貼合したことを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の光触媒シートは、基材の一方の面に、難分解性層、光触媒層、保護フィルムをこの順に有し、他方の面に接着層 を有する構成となっている。
【0016】
基材としては、各種プラスチックフィルムを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、フッ素系樹脂などからなるプラスチックフィルムを用いることができる。これらプラスチックフィルムの厚みは特に制限されないが、6μm〜2mm程度とすることが好ましく、さらには12μm〜200μm程度とすることが好ましい。また、これらプラスチックフィルムは透明なもの(全光線透過率が60%以上)が好ましい。紫外線吸収剤や光安定剤を含有しているものでも良い。
【0017】
基材フィルムと光触媒との間には難分解性層を設けることが好ましい。難分解性層を設けることにより、光触媒層の光触媒反応によりプラスチックフィルムが劣化するのを防止することができ、基材と光触媒層の接着性を上げることができる。
【0018】
難分解性層としては、シリカ、アルミナ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム等の無機系材質を、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等で真空製膜することによって得られる真空堆積膜、又はこれらの無機系材質からなるアルコキシド化合物などを主成分とする湿式塗布法によって得られる塗布膜などを用いることができる。
【0019】
ここで特に無機系材質からなるものとしては、高透明性、低ヘーズ、可撓性、耐候性、および光触媒層との接着性を向上させるという観点から、シリカ系、シリコーン系等のケイ素系化合物からなるものであることが好ましい。このようなケイ素系化合物としては、真空製膜法によるシリカ膜の他、ケイ素原子を含む化合物の加水分解縮重合反応または該加水分解縮重合反応の一部の反応を利用した化合物を主成分とした塗布膜などが好適に用いられる。ケイ素原子を含む化合物としては、加水分解性シラン誘導体、あるいは加水分解性シラン誘導体の部分加水分解物及び脱水縮重合物、または加水分解シラン誘導体の部分加水分解物とテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトシシラン等の部分加水分解物との脱水縮重合により調整したものや、シリコーン樹脂等を利用することができる。
【0020】
難分解性層の厚みは特に制限されることはないが、低ヘーズ、基材の劣化防止という観点から、0.05〜10μmであることが好ましい。
【0021】
難分解性層上に設けられる光触媒層は、紫外線あるいは可視光線の照射を受けて活性化し、いわゆるセルフクリーニング性、結露防止性、光分解性などの機能を有するものである。光触媒層は主として光触媒とバインダーからなる。
【0022】
光触媒としては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等があげられる。これらの中でもアナターゼ型酸化チタンが好適に使用されが、窒素ドープされた酸化チタンや、金属イオンが担持された酸化チタンも有効に使用される。
【0023】
バインダーとしては、無機系バインダーを主成分とすることが好ましい。無機系バインダーとしては、ケイ素系化合物からなるバインダー、ジルコニウム系化合物からなるバインダー、アルミニウム系化合物からなるバインダー、チタン系化合物からなるバインダーを用いることができる。これらのバインダーの中でも、高紫外線透過率、低ヘーズ、および中間層との接着性を向上させるという観点から、シリカ系、シリコーン系等のケイ素系化合物からなるバインダーからなるものであることが好ましい。
【0024】
このようなケイ素系化合物からなるバインダーとしては、加水分解性シラン誘導体、あるいは加水分解性シラン誘導体の部分加水分解物及び脱水縮重合物、または加水分解シラン誘導体の部分加水分解物とテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解物との脱水縮重合により調整したものや、シリコーン樹脂等を利用することができる。
【0025】
光触媒層中のバインダーと光触媒との含有比は特に制限されることはないが、バインダー100重量部に対し、光触媒が50〜300重量部であることが好ましい。光触媒の量を50重量部以上とすることにより、光触媒活性を十分なものとすることができ、300重量部以下とすることにより、難分解性層との密着不良を防止したり、ヘーズが高くなるのを防止することができる。
【0026】
光触媒層の厚みは特に制限されることはないが、0.01〜0.2μmが好ましく、0.02〜0.1μmがより好ましい。0.01μm以上とすることにより光触媒活性を十分なものとすることでき、0.2μm以下とすることにより、厚膜化による白化現象や、低透過率になること、ヘーズが高くなること、干渉ムラなどの外観不良を低減させることができる。
【0027】
プラスチックフィルムの光触媒層とは反対側の面には、被着体に貼り合わせるための接着層を設けることが好ましい。接着層としては、アクリル系感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤などの感圧接着剤、ホットメルト接着剤などの接着剤の他、熱圧着可能な熱可塑性樹脂フィルムなどを用いることができる。感圧接着剤を用いる場合、接着層上には、光触媒シートの取り扱い性を損なわないようにセパレータを貼り合わせておくことが好ましい。セパレータとしては、各種合成樹脂フィルムに離型処理を施したものなどを使用することができる。
【0028】
なお、基材および接着層には、後述の紫外線吸収剤、または紫外線遮蔽剤を添加しても良い。そうすることによって、光触媒シートを貼合した被着体の内側にある物の紫外線劣化を防ぐことができる。
【0029】
光触媒層上には、光触媒層の傷つきを防止するため、保護フィルムを貼り合わせる。保護フィルムは基材単体、もしくは基材に樹脂層、接着層等を設けた構成からなる。この保護フィルムには、本発明の課題を解決するための手段として、紫外線遮蔽性を付与する。以下、その理由を説明する。
【0030】
光触媒フィルムを屋外の被着体に貼合施工後、数日おいて保護フィルムを剥がすとき、保護フィルム付きの光触媒シートはその数日間太陽光にさらされる。その結果、保護フィルムを通過した太陽光が光触媒層を活性化し保護フィルムと光触媒層の接着性が上昇する。そしてその接着性が上昇した状態で保護フィルムを剥がすと、光触媒層と保護フィルムの接着力のほうが光触媒層と基材との接着力よりも高くなっている部分の光触媒層は保護フィルムとともに剥がれ落ちてしまう。
【0031】
以上のような事象があり、施工物件ごとに、その受光時間と受光強度が一様ではないので、ある物件では光触媒層が部分的に剥がれ落ちることがあり、ある物件では剥がれ落ちないことがあるということが判明した。
【0032】
そこで、本発明では、保護フィルムに紫外線遮蔽性を持たせることにより、光触媒層との接着性上昇の防止が可能となった。保護フィルムに紫外線遮蔽性を持たせることは一見簡易なようにも思える。しかし、貼合施工後は剥いで廃棄する保護フィルムなので、あえてこのような高付加価値品にはしたくないという理由で、通常、本発明のような手段が選択されることはありえない。
【0033】
保護フィルムに紫外線遮蔽性を持たせる手段としては、以下の手段があげられる。
第一の手段として、基材、あるいは基材に設ける樹脂層もしくは接着層に、紫外線吸収剤および/または光安定剤を含有させる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、トリアジン系のものを用いることができる。光安定剤は樹脂層の耐クラッキング性に顕著な効果を有しており、ヒンダードアミン系のものが好適である。これらの紫外線吸収剤および光安定剤は保護フィルムの透明性を妨げないという点でも好ましい。
第二の手段として、基材、あるいは基材に設ける樹脂層もしくは接着層に、紫外線遮蔽剤を含有させる。紫外線遮蔽剤としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、カーボンブラックなどを用いることができる。これらの中でも、紫外線を遮蔽し透明性を妨げない酸化チタン、酸化亜鉛の超微粉末(粒径100nm以下)を使用するのが好ましい。
第三の手段として、基材として、2種類以上の熱可塑性樹脂を交互に積層してなり、紫外線を選択的に反射可能なものを用いる(例えば特開2007−330915)。この手段は、透明性を妨げない点で好ましい。
【0034】
保護フィルムの紫外線遮蔽性の好適な範囲は、使用環境により異なるため一概には言えないが、太陽光中の光触媒層活性化に必要な、波長300nm以上、380nm以下の紫外線透過率の平均が15%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
【0035】
保護フィルムの透明性は、光触媒フィルムの貼合施工時に異物を巻き込んだり、空気泡が残留するなどの貼合欠陥を確認できるという観点から、全光線透過率が60%以上であることが好ましい。
【0036】
保護フィルムの基材は前述の各種プラスチックフィルムが使用できる。しかし、光触媒基材とは異質のフィルムを使用すると、それぞれの熱伸縮係数、湿度伸縮係数が異なるため、温湿度変化でカーリングが発生する。このカーリングは貼合施工時のトラブルとなる場合があるので、同種のプラスチックフィルムを使用することが好ましい。
【0037】
上記第一の手段および第二の手段で用いる樹脂層を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などがあげられる。これらの樹脂の中から、使用する保護フィルム基材への接着性、使用する紫外線吸収剤および光安定剤との相溶性、使用する光遮蔽剤の分散性、等を考慮し、選択することができる。
【0038】
保護フィルムの光触媒層への貼着面は接着層を設けることが好ましい。保護フィルム基材にポリエチレン、エチレン酢ビ等を選択すれば接着層を特に設けなくとも、張り合わせることができるが、その他の材質のフィルムを使用する際は接着層が必要となる。
【0039】
接着層としては、アクリル系感圧接着剤、ゴム系感圧接着剤などの感圧接着剤が使用できる。
【0040】
上述した難分解性層、光触媒層、接着層中には、硬化剤、レベリング剤などの添加剤を添加してもよい。
【0041】
以上のような難分解性層、光触媒層、接着層を設ける方法としては、各層を構成する材料を、適宜必要に応じて添加剤や希釈溶剤等を加えて塗布液として調整して、当該塗布液を従来公知のコーティング方法により塗布、乾燥する方法があげられる。
【0042】
以上説明した本発明の光触媒シートは、主として、窓ガラスなどの外側に貼り付けて使用される。
【実施例】
【0043】
以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0044】
〔実施例〕
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーT60:東レ社)の一方の面に、下記の難分解性層塗布液を乾燥後の厚みが1.0μmとなるように塗布乾燥して難分解性層を形成した。次いで、フィルムの反対側の面に、下記の接着層塗布液を乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布乾燥して接着層を形成した。次いで、難分解性層上に、下記の光触媒層塗布液を乾燥後の厚みが0.1μmとなるように塗布乾燥して光触媒層を形成した。
次いで、厚み50μmで、波長300〜380nmの光線透過率の平均が1%以下であるカーボンブラック練り込みタイプ・ポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーX30:東レ社)の一方の面に下記の保護フィルム接着層塗布液を乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布乾燥して接着層を形成し、光触媒シートの保護フィルムを得た。
上記光触媒シートの光触媒層上に上記保護フィルムを貼り合わせ、本発明の保護フィルム付き光触媒シートを得た。
【0045】
<難分解性層塗布液>
シリコーン系樹脂溶液(フレッセラN2液混合タイプ:パナソニック電工社)を溶剤で希釈して塗布液とした。
【0046】
<接着層塗布液>
アクリル系感圧接着剤(オリバインBPS5160:東洋インキ製造社)を溶剤で希釈して塗
布液とした。
【0047】
<光触媒層塗布液>
光触媒用酸化チタンコーティング剤(TKC―304:テイカ社)を溶剤で希釈して塗布液とした。
【0048】
<保護フィルム接着層塗布液>
アクリル系感圧接着剤(SKダイン1491H:綜研化学社)を溶剤で希釈して塗布液とした。
【0049】
〔比較例〕
上記実施例中の保護フィルムの基材であるカーボンブラック練り込みタイプ・ポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーX30:東レ社)を、波長300〜380nmの光線透過率の平均が62%である透明タイプ・ポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーT60:東レ社)に変更した以外はすべて実施例と同様にして、比較例の保護フィルム付き光触媒シートを得た。
【0050】
実施例および比較例で得られた保護フィルム付き光触媒シートを縦400mm、横300mmに切り取り、その接着層を、同サイズで厚さ3mmのアクリル板に貼り付けて、屋外で太陽光暴露試験を行なった。そして、未暴露品を含め、暴露試験日数5日から80日のものについて、下記項目の評価を行った。
【0051】
(1)評価1
未暴露品を含め、暴露試験日数5日から80日のもの、それぞれの試験片の保護フィルムを剥がし、光触媒層の脱落の有無を観察した。
【0052】
未暴露から暴露10日までの実施例と比較例の保護フィルムはきれいに剥ぐことができ、光触媒層の脱落は全く観察できなかった。
【0053】
暴露20日の実施例の保護フィルムはきれいに剥ぐことができ、光触媒層の脱落は全く観察できなかった。一方、暴露20日の比較例の保護フィルムは、剥がれ具合がやや重く感じられ、剥離後、光触媒シートの光触媒層の脱落が一部わずかではあるが観察できた。
【0054】
暴露40〜80日の実施例の保護フィルムはきれいに剥ぐことができ、光触媒層の脱落は全く観察できなかった。一方、暴露40〜80日の比較例の保護フィルムは、剥がれ具合が重く感じられ、剥離後、光触媒層の脱落部分が随所に観察できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の一方の面に光触媒層を有する光触媒シートにおいて、前記光触媒層上に、紫外線遮蔽性を有する保護フィルムを貼合したことを特徴とする保護フィルム付き光触媒シート。
【請求項2】
前記保護フィルムが接着層を有し、当該接着層と前記光触媒層とが接していることを特徴とする請求項1記載の保護フィルム付き光触媒シート。
【請求項3】
前記保護フィルムの全光線透過率(JIS 7361−1:1997)が60%以上である請求項1又は2項記載の保護フィルム付き光触媒シート。
【請求項4】
前記基材の光触媒層とは反対側の面に接着層を有することを特徴とする請求項1から3何れか1項記載の保護フィルム付き光触媒シート。

【公開番号】特開2011−206940(P2011−206940A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74465(P2010−74465)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000125978)株式会社きもと (167)
【Fターム(参考)】