説明

信号に対する受容的および/または透過的特性を有する物質を実現するための方法およびシステム

本発明は、物質(101)に、物質(101)が源物質に由来する電磁場をインターセプトすることにより獲得される信号により処理され、および/またはその信号を伝送するようにできる受容的および/または透過的特性を与えるための方法およびシステムに関する。物質(101)は、トランスミッタ(102)を使って、電磁場および/または所定の期間に所定の周波数スペクトルに含まれる1つまたは複数の周波数で放射される音波(104)に曝される。本発明は、当初非受容的、非透過的であった物質(101)に、受容的および/または透過的特性を与えることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、源物質により発生する電磁場から発生する信号を印加した後、物質、特に水が源物質の活性特性を確実に持つようにする方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特にフランス特許FR2783606から、最初は不活性である物質に、源物質により発生する電磁場から、また源物質により発生する電磁場の関数として、発生する信号を印加することにより、源物質の特性を持つ物質を生産することが可能であることが知られている。
【0003】
この活性特性は、生物学的および/または化学的活性または生物学的および/または化学的挙動でありうる。
【0004】
このような信号を物質に印加しても、この印加の後、物質が源物質の活性特性を獲得することは保証されないことが観察されている。信号の印加により源物質の活性特性を獲得する物質の能力には大きなバラツキのあることが観察されている。
【0005】
特に、ときには、活性源物質により発生する電磁場から、また活性源物質により発生する電磁場の関数として、発生する信号に曝される水は、比活性度を持たない。信号は、活性を持たせるために水に作用していないように思われる。そのため、水が曝された信号を記録する、つまりその信号の痕跡を保持する、水の能力は、特定のロボットで操作を実行する場合であっても、実験毎に0%から100%の範囲で変化する。とりわけ、このことは、再現性に関して明白な問題を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この再現性問題を解決する。これは、信号の印加に先立って物質を処理することからなる。この目的のために、本発明は、物質、特に水に、物質が信号、特に源物質に由来する電磁場をインターセプトすることにより獲得される信号により処理され、および/またはその信号を伝送するようにできる受容的および/または透過的特性を与える方法に関するものであり、前記方法は、トランスミッタを使って、物質を、電磁場および/または所定の期間に所定の周波数スペクトルに含まれる1つまたは複数の周波数で放射される音波に曝す工程を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本質的に、本発明によれば、当初非受容的、非透過的であった物質が、信号を受信および/または伝送することができるようにされる。
【0008】
他の実施形態によれば、この方法は、さらに、物質を攪拌する工程を含み、前記攪拌する工程は、物質を電磁場および/または放射された音波に曝す工程に続き、および/または同時に行われる。
【0009】
この攪拌により、特に、物質が電磁場および/または放射される音波に曝される所定の期間を短縮することが可能になる。この攪拌は、例えば、溶液中に渦を形成することからなる。
【0010】
本発明は、さらに、上で示されているような方法を実装するためのシステム、本発明の方法により受容的および/または透過的にされる物質、およびそのような物質を使用して源物質の活性特性を有する物質を生産することにも関する。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、付属の図面を参照しつつ、例示的で限定されない実施例により与えられる、以下の説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1によれば、本発明によるシステムは、物質101を電磁場および/または所定の期間に所定の周波数スペクトルに含まれる1つまたは複数の周波数で放射される音波104に曝すためのトランスミッタ102を備える。
【0013】
トランスミッタは、例えば、物質を音波形態で印加される周波数に曝すためのスピーカーである。
【0014】
また、トランスミッタは、例えば物質を50Hz、500Hzなどの周波数範囲、つまりホワイトノイズに曝す、電磁波トランスミッタ、例えば、電磁コイルとすることが可能である。
【0015】
電磁場発生器103および/または音波発生器104による所定の周波数スペクトルから、1つの周波数または複数の周波数が選択される。
【0016】
電磁場および/または音波104に1つまたは複数の所定の周波数を使用することが可能である。
【0017】
物質、この場合には水を、少なくとも可聴周波数スペクトル(20Hz〜20,000Hz)の範囲のランダム周波数に曝すことで、いわゆるフォーマットされた水、つまり、活性源物質に由来する信号を伝送する良好な受容性および/または良好な特性を持つ水を得ることが可能になる。
【0018】
ランダム周波数は、特に、楽曲を伝送することにより得ることができる。
所定の期間の実施例は、以下に示される。発生器103により、所定の期間を制御することが可能になる。例えば、一晩音楽104に曝された水は、良好な受容性および/または良好な透過特性を持つ。
【0019】
本発明の他の実施形態によれば、システムは、さらに、例えば旋回流中で、物質を攪拌する手段を備える。
【0020】
物質中で攪拌することにより、特に、水がフォーマットされるために曝されなければならない所定の期間を短縮することが可能になる。例えば、水を適切にフォーマットすることで良好な受容性および/または良好な透過特性が得られることは、水を2時間音楽104に曝し、その後、例えば、20秒間、旋回流中で攪拌するときに観察される。また、その楽曲を同時に伝送しながら水を攪拌することも可能である。
【0021】
容器100は、物質101を収納する。この容器は、例えば、透明プラスチック製の円柱である。物質を受けるのに好適な他の形状(管など)および音波および/または電磁波に対し透過性を有する他の材料(ガラス、金属など)を使用することができる。この容器は、トランスミッタ102の上に置くと都合がよいが、物質が電磁波および/または音波104を受けることができる他の位置も考えられる。
【0022】
他の実施形態では、トランスミッタは、物質中に置く、例えば、水に浸けることができる。
【0023】
図2は、活性特性を有する源物質により発生する電磁場から発生する信号により水を処理できることに対する本発明による方法の作用を例示している。
【0024】
ヒルジンは、トロンビンを直接阻害することにより作用する抗凝固薬である。活性部位において、ヒルジンの効果は直接的である。与えられた例示では、源物質は、ヒルジンであり、源物質の電磁場から発生する信号は、「ヒルジン信号」と呼ばれる。
【0025】
処理済み物質、つまり、ヒルジンのような抗凝固薬の特性を有する物質を得ることを可能にするいわゆる処理方法は、フランス特許FR2783606で説明されている。
【0026】
この方法によれば、ヒルジン−源物質−に由来する電磁場は、電磁場をインターセプトするトランスデューサ−受信機を使って電気信号に変換される。次いで、電気信号は、トランスデューサ−トランスミッタを使って、物質に印加される。
【0027】
電気信号が印加される物質は、本発明による方法を適用されている場合もあれば、適用されていない場合もある。
【0028】
実験は、処理方法の適用に先立って、本発明による方法を適用された物質および適用されていない他の物質を比較することからなる。
【0029】
トロンビンを含む水溶液−本発明による方法を適用することができる物質−は、ヒルジンの抗凝固薬効果またはヒルジン信号を明らかにするための生物学的システムとして使用される。水−トロンビン溶液は、フィブリノゲン溶液と混合され、これの結果、トロンビンの効果の下で、フィブリン血餅が形成され、血液凝固の最終ステージとなる。
【0030】
血液凝固を測定するために、混合から得られた溶液の光学的濃度の変動が、時間の関数として測定される。そこで、図2は、光学的濃度曲線を示している(縦座標上)。
【0031】
曲線201は、分子ヒルジンが存在しない中でトロンビンを含む水溶液をフィブリノゲンを含む溶液に添加した後に観察される光学的濃度がどのように進むかを示している。トロンビンを含む水溶液は、事前の準備が行われていない水とともに生成される(したがって、上記の言い回しを使うと、フォーマットされていないということである)。光学的濃度は、急速に増大し、血液凝固が生じることがわかる。
【0032】
図2は、曲線202を表しており、これは、分子ヒルジンがフィブリノゲンを含む溶液とともに添加されたトロンビンを含む水溶液の混合液に対応する。光学的濃度のごくわずかな増大が時間の関数として観察され、血液凝固がないことは明らかである。
【0033】
次に、比較のため、トロンビンを含む複数の溶液を、本発明によるフォーマット法を適用されず、上述のようなヒルジン信号を使用する処理方法を適用されている水とともに準備する。
【0034】
フィブリノゲンを含む溶液との混合の後に得られる光学的濃度曲線は、あまり再現性がないことが観察される。そのため、曲線201、曲線202、または中間曲線のような曲線を観察することが可能である。例えば、曲線203は、分子ヒルジンを含まないが、ヒルジン信号が印加されているフォーマットされていない水溶液を表している。ヒルジン信号の抗凝固効果は、観察されない。
【0035】
また、比較のため、トロンビンを含む複数の溶液を、本発明によるフォーマット法を適用され、上述のようなヒルジン信号を使用する処理方法を適用されている水とともに準備する。
【0036】
曲線204は、そのような水溶液で得られた結果を表しており、これは分子ヒルジンなしのトロンビンを含むが、ヒルジン信号が印加されている。
【0037】
このような曲線は、再現可能な形で得られる。
【0038】
最後に、本発明によるフォーマット法を適用され、ヒルジン信号を使用する処理方法を適用されていない水とともに準備されたトロンビンを含む水溶液により曲線201に類似の曲線が得られる。
【0039】
本発明によるフォーマット法を適用されている水サンプルおよびヒルジン信号の印加に先立ってフォーマットを適用されていない水サンプルに関する反復測定から、本発明の方法によりフォーマットされたサンプル中では平均抗凝固活性はかなり高いことがわかる。以下の表は、ヒルジン信号をフォーマットされた水サンプルに印加し、またフォーマットされていない水サンプルに印加した後の抗凝固活性の測定結果をまとめたものである。示されている結果は、30分後のトロンビンの阻害割合に対応している。比較のため、1μM/Lに滴定されたヒルジン溶液の抗凝固活性の測定結果を示す。そのため、ヒルジンに対する高い平均値(70.6%)は、本発明によりフォーマットされた水サンプル中に観察された平均(21.4%)とフォーマットされていない水サンプルで観察された平均(9.6%)との大きな差とともに、観察される。
【0040】
【表1】



したがって、本発明による方法を物質に適用することで、ヒルジンを含む源物質により発生する電磁場から発生する信号の印加を再現性のあるものにすることが可能であることが観察される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるシステムを表す図である。
【図2】本発明により得られる、または得られない物質における活性特性の存在または非存在を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物質(101)、特に水に、前記物質(101)が信号により処理される、および/または信号を伝送するようにできる受容的および/または透過的特性を与える方法であって、特に信号は源物質に由来する電磁場をインターセプトすることにより獲得され、トランスミッタ(102)を使って、前記物質(101)を、電磁場および/または所定の期間に所定の周波数スペクトルに含まれる1つまたは複数の周波数で放射される音波(104)に曝す工程を含み、当初非受容的および/または非透過的であった物質(101)が受容的および/または透過的特性を有するようにする方法。
【請求項2】
さらに、前記物質(101)を攪拌する工程を含み、前記攪拌する工程は前記物質(101)を電磁場および/または放射される音波(104)に曝す工程に続く請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記物質(101)を攪拌する工程を含み、前記攪拌する工程は前記物質(101)を電磁場および/または放射される音波(104)に曝す工程と同時である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
物質(101)、特に水に、前記物質(101)が信号により処理される、および/または信号を伝送するようにできる受容的および/または透過的特性を与えるためのシステムであって、特に信号は源物質に由来する電磁場をインターセプトすることにより獲得され、前記物質(101)を、電磁場および/または所定の期間に所定の周波数スペクトルに含まれる1つまたは複数の周波数で放射される音波(104)に曝すためのトランスミッタ(102)を備え、当初非受容的および/または非透過的であった物質が受容的および/または透過的特性を有するようにするシステム。
【請求項5】
さらに、前記物質(101)を電磁場および/または放射される音波(104)に曝した後、前記物質(101)を攪拌する手段を備える請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
さらに、前記物質(101)を電磁場および/または放射される音波(104)に曝すのと同時に前記物質を攪拌する手段を備える請求項4に記載システム。
【請求項7】
物質(101)、特に水であって、前記物質(101)が信号により処理され、および/または信号を伝送するようにできる受容的および/または透過的特性を有し、特に信号は源物質に由来する電磁場をインターセプトすることにより獲得され、電磁場および/または所定の期間に所定の周波数スペクトルに含まれる1つまたは複数の周波数で放射される音波(104)に曝されている物質(101)、特に水。
【請求項8】
前記信号を前記物質(101)に印加することにより、前記信号を発生することを可能にした電磁場を有する源物質の特性を有する物質を生産するための請求項5に記載の物質(101)の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−500894(P2008−500894A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514058(P2007−514058)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【国際出願番号】PCT/FR2005/050405
【国際公開番号】WO2005/119271
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(506400258)デジバイオ エスエー (1)
【Fターム(参考)】