説明

信号光処理装置、光伝送装置、波長選択スイッチ及び信号光処理方法

【課題】設計や製造にかかる手間を省くことができる信号光処理装置、光伝送装置、波長選択スイッチ及び信号光処理方法を提供すること。
【解決手段】入力される波長多重信号光をデジタルコヒーレント信号と直接検波信号とに分離し、デジタルコヒーレント信号に対しては波長分散補償を行わず、直接検波信号に対しては波長分散補償を行う。そして、波長多重信号光を分離することで得られたデジタルコヒーレント信号と波長分散補償後の直接検波信号とを合波して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号光処理装置、光伝送装置、波長選択スイッチ及び信号光処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)伝送システムには、伝送速度「10Gbit/s」や「40Gbit/s」用の受信方式として、例えば直接検波方式が採用される。直接検波方式とは、信号光の強度変化を受光素子によって電気信号の変化に直接変換することにより受信処理を行う方式である。
【0003】
直接検波方式が採用される場合、送信側から送信される波長多重信号光には、光ファイバ等の伝送路において波形歪みが発生する。したがって、直接検波方式が採用される光伝送システムでは、伝送路上に設けられる中継器や光受信器にDCM(Dispersion Compensation Module:波長分散補償器)が配置されており、かかるDCMによって波長分散補償が行われる。
【0004】
ところで、近年、光伝送システムの大容量化に向けて、伝送速度を100Gbit/sに向上することが検討されており、100Gbit/s用の受信方式として、デジタルコヒーレント受信方式の開発が進んでいる。デジタルコヒーレント受信方式とは、光送信器において位相変調された信号を光受信器が高速デジタル信号処理により波長分散補償を行う方式である。このようなデジタルコヒーレント受信方式が実現すると、中継器や光受信器にDCMやDCMにおける損失を補償する光増幅器が不要になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−167297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術には、デジタルコヒーレント受信方式が導入された場合に、直接検波方式用の中継器と、デジタルコヒーレント受信方式用の中継器とを設計・製造することになるという問題があった。
【0007】
具体的には、今後、デジタルコヒーレント受信方式が導入された場合には、デジタルコヒーレント受信方式により受信する信号(以下、「デジタルコヒーレント信号」と言う)と、直接検波方式により受信する信号(以下、「直接検波信号」と言う)のいずれかが受信器に用いられる。かかる場合に、直接検波信号を中継する従来の中継器は、デジタルコヒーレント信号に対しても波長分散補償を行うことになる。このことは、デジタルコヒーレント信号のSN比(Signal Noise Ratio)が劣化し、その結果、デジタルコヒーレント信号の伝送距離が短くなるという問題を招く。
【0008】
したがって、SN比を劣化させることなくデジタルコヒーレント信号を中継させるには、DCMや光増幅器を有しない中継器を設計・製造することになる。また、デジタルコヒーレント受信方式が導入された場合であっても、直接検波信号も伝送するので、DCMや光増幅器を有する中継器も設計・製造することになる。すなわち、直接検波方式用の中継器と、デジタルコヒーレント受信方式用の中継器とを設計・製造することになるので、設計や製造に手間がかかる。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、設計や製造にかかる手間を省くことができる信号光処理装置、光伝送装置、波長選択スイッチ及び信号光処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する信号光処理装置は、一つの態様において、入力される波長多重信号光を波長毎に分離して、分離した信号光の波長に応じて該信号光を第1出力ポート又は第2出力ポートから出力する第1波長選択スイッチと、前記第1波長選択スイッチによって前記第1出力ポートから出力された信号光に対して波長分散補償を行う波長分散補償部と、前記波長分散補償部によって波長分散補償が行われた信号光と、前記第1波長選択スイッチによって前記第2出力ポートから出力された信号光とを合波する第2波長選択スイッチとを備える。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する信号光処理装置の一つの態様によれば、設計や製造にかかる手間を省くことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1に係る信号光処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例2に係る中継器を含むWDMシステムの構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、実施例2に係る中継器の構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3に示した分岐部の構成例を示す図である。
【図5】図5は、図4に示した分岐部の模式図である。
【図6】図6は、図4に示した分岐部の模式図である。
【図7】図7は、実施例3に係る中継器の構成例を示すブロック図である。
【図8】図8は、図5に例示したWSSに1個のポートが追加されたWSS921の模式図である。
【図9】図9は、図5に例示したWSSに1個のポートが追加されたWSS921の模式図である。
【図10】図10は、図7に示したWSSの模式図である。
【図11】図11は、図7に示したWSSの模式図である。
【図12】図12は、実施例4におけるWSSの模式図である。
【図13】図13は、実施例4におけるWSSの模式図である。
【図14】図14は、実施例4におけるWSSの模式図である。
【図15】図15は、実施例5に係る中継器の構成例を示すブロック図である。
【図16】図16は、実施例6に係るWDMシステムの構成例を示す図である。
【図17】図17は、実施例7に係るWDMシステムの構成例を示す図である。
【図18】図18は、図17に示したWSSの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する信号光処理装置、光伝送装置、波長選択スイッチ及び信号光処理方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示する信号光処理装置、光伝送装置、波長選択スイッチ及び信号光処理方法が限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
まず、図1を用いて、実施例1に係る信号光処理装置について説明する。図1は、実施例1に係る信号光処理装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、実施例1に係る信号光処理装置1は、第1波長選択スイッチ2と、波長分散補償部3と、第2波長選択スイッチ4とを有する。
【0015】
第1波長選択スイッチ2は、入力される波長多重信号光を波長毎に分離する。そして、第1波長選択スイッチ2は、信号光の波長に応じて、分離後の信号光を第1出力ポート又は第2出力ポートから出力する。
【0016】
具体的には、第1波長選択スイッチ2は、波長多重信号光を波長毎に分離し、波長分散補償対象の信号光を第1出力ポートから出力し、波長分散補償対象外の信号光を第2出力ポートから出力する。なお、ここでは、第1出力ポートは波長分散補償部3と接続されており、第2出力ポートは第2波長選択スイッチ4と接続されているものとする。
【0017】
波長分散補償部3は、第1波長選択スイッチ2によって第1出力ポートから出力された信号光に対して波長分散補償を行う。第2波長選択スイッチ4は、波長分散補償部3によって波長分散補償が行われた信号光と、第1波長選択スイッチ2によって第2出力ポートから出力された信号光とを合波する。
【0018】
このように、実施例1に係る信号光処理装置1は、入力される波長多重信号光を波長分散補償対象の信号光と、波長分散補償対象外の信号光とに分離する。そして、信号光処理装置1は、波長分散補償対象の信号光を波長分散補償部3へ出力し、波長分散補償対象外の信号光を第2波長選択スイッチ4へ出力する。そして、信号光処理装置1は、波長分散補償後の信号光と、波長分散補償対象外の信号光とを合波する。これにより、実施例1に係る信号光処理装置1は、波長分散補償対象の信号光と波長分散補償対象外の信号光とを含む波長多重信号光が入力される場合であっても、かかる波長多重信号光を劣化させずに伝送することができる。
【0019】
例えば、信号光処理装置1は、入力される波長多重信号光を、デジタルコヒーレント信号の波長に対応する信号光と、直接検波信号の波長に対応する信号光とに分離する。そして、信号光処理装置1は、デジタルコヒーレント信号に対して波長分散補償を行わず、直接検波信号に対して波長分散補償を行う。そして、信号光処理装置1は、デジタルコヒーレント信号と、波長分散補償後の直接検波信号とを合波して出力する。これにより、信号光処理装置1は、直接検波信号とデジタルコヒーレント信号とが波長多重された波長多重信号光が入力される場合であっても、直接検波信号に対しては波長分散補償を行うので、伝送路で発生する直接検波信号の波形歪みを補償することができる。また、信号光処理装置1は、デジタルコヒーレント信号に対しては波長分散補償を行わないので、デジタルコヒーレント信号のSN比が劣化することを防止することができる。以上のように、信号光処理装置1は、波長多重信号光に含まれる信号光の種類に適したな信号光処理を行うことができる。すなわち、実施例1によれば、信号光の種類毎に信号光処理装置を設計・製造することを要しないので、設計や製造にかかる手間を省くことができる。
【実施例2】
【0020】
次に、実施例2では、上記実施例1において説明した信号光処理装置1を中継器に適用する例について説明する。なお、実施例2では、まず、実施例2に係る中継器を含むWDMシステムについて説明し、次に、実施例2に係る中継器について説明する。
【0021】
[実施例2に係る中継器を含むWDMシステムの構成]
まず、図2を用いて、実施例2に係る中継器を含むWDMシステムについて説明する。図2は、実施例2に係る中継器を含むWDMシステムの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、実施例2におけるWDMシステム10は、送信装置20と、受信装置30と、中継器100とを含む。
【0022】
図2に示した例において、送信装置20と中継器100とは、伝送路11によって接続されており、受信装置30と中継器100とは、伝送路12によって接続されている。伝送路11及び12は、例えば、光ファイバ等である。なお、図2では、送信装置20と受信装置30との間に1台の中継器100が設置される例を示したが、送信装置20と受信装置30との間には、2台以上の中継器が設置されてもよい。
【0023】
送信装置20は、図2に示すように、光送信器21−1〜21−nと、AWG(Arrayed Waveguide Grating)22と、EDFA(Erbium Doped Fiber Amplifiers)23とを有する。
【0024】
光送信器21−1〜21−nは、信号光を生成し、生成した信号光をAWG22へ出力する。例えば、光送信器21−1〜21−nは、図示しないルータやスイッチ等の外部装置が接続されており、かかる外部装置から入力された信号を予め設定されている所定の波長の信号光に変換して、変換後の信号光をAWG22へ出力する。
【0025】
なお、図2に示した例において、光送信器21−1及び21−2は100Gbit/sの伝送速度に対応し、光送信器21−3は40Gbit/sの伝送速度に対応し、光送信器21−nは10Gbit/sの伝送速度に対応するものとする。また、図2に示した例において、光送信器21−1は波長λ1の信号光を送信し、光送信器21−2は波長λ2の信号光を送信し、光送信器21−nは波長λnの信号光を送信するものとする。すなわち、光送信器21−1は、波長λ1のデジタルコヒーレント信号を送信し、光送信器21−2は、波長λ2のデジタルコヒーレント信号を送信する。また、光送信器21−3は、波長λ3の直接検波信号を送信し、光送信器21−nは、波長λnの直接検波信号を送信する。
【0026】
AWG22は、複数の異なる波長の信号光を波長多重し、波長多重後の波長多重信号光をEDFA23へ出力する。具体的には、AWG22は、光送信器21−1〜21−nから入力される信号光を波長多重し、波長多重後の波長多重信号光をEDFA23へ出力する。
【0027】
EDFA23は、入力される信号光を光増幅する。具体的には、EDFA23は、AWG22から入力される波長多重信号光を光増幅し、光増幅後の波長多重信号光を伝送路11へ送信する。
【0028】
このようにして送信装置20によって伝送路11へ送信された波長多重信号光は、中継器100、伝送路12を介して受信装置30へ伝送される。ここで、実施例2に係る中継器100は、送信装置20から送信される波長多重信号光のうち、デジタルコヒーレント信号に対しては波長分散補償を行わず、直接検波信号に対しては波長分散補償を行う。そして、中継器100は、デジタルコヒーレント信号と、波長分散補償後の直接検波信号とを合波して、合波後の波長多重信号光を受信装置30へ送信する。
【0029】
ここで、図3を用いて、実施例2に係る中継器100の構成について説明する。図3は、実施例2に係る中継器100の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、実施例2に係る中継器100は、例えば光伝送装置であり、EDFA110と、分岐部121と、合波部122と、光信号処理部130と、OADM(Optical Add Drop Multiplexing:光分岐挿入)装置140と、EDFA150とを有する。
【0030】
EDFA110は、外部から入力される波長多重信号光を光増幅する。図3に示した例では、EDFA110は、伝送路11から波長多重信号光を入力され、かかる波長多重信号光を光増幅する。
【0031】
分岐部121は、例えばWSS(Wavelength Selectable Switch)等の波長選択スイッチであり、1個の入力ポートと2個の出力ポートとを有する。図3に示した例において、分岐部121の入力ポートはEDFA110と接続される。また、分岐部121の第1出力ポートは光信号処理部130と接続され、第2出力ポートは合波部122と接続される。
【0032】
分岐部121は、EDFA110から入力される波長多重信号光を波長毎に分離する。そして、分岐部121は、分離した信号光のうち、デジタルコヒーレント信号を合波部122へ出力し、直接検波信号を光信号処理部130へ出力する。なお、分岐部121は、図1に示した第1波長選択スイッチ2に対応する。かかる分岐部121の構成については、図4を用いて後述する。
【0033】
光信号処理部130は、入力される信号光に対して光信号処理を行う。図3に示した例では、光信号処理部130は、DCM131と、EDFA132とを有する。DCM131は、分岐部121から入力される直接検波信号に対して波長分散補償を行う。EDFA132は、DCM131から入力される波長分散補償後の直接検波信号を光増幅し、光増幅後の直接検波信号を合波部122へ出力する。なお、DCM131は、図1に示した波長分散補償部3に対応する。
【0034】
合波部122は、例えばWSS等の波長選択スイッチであり、2個の入力ポートと1個の出力ポートとを有する。図3に示した例において、合波部122の第1入力ポートは光信号処理部130と接続され、第2入力ポートは分岐部121と接続される。また、合波部122の出力ポートはOADM装置140と接続される。
【0035】
合波部122は、分岐部121から入力されるデジタルコヒーレント信号と、EDFA132から入力される直接検波信号とを合波して、合波後の波長多重信号光をOADM装置140へ出力する。なお、合波部122は、図1に示した第2波長選択スイッチ4に対応する。
【0036】
このように、分岐部121は、波長多重信号光に含まれるデジタルコヒーレント信号を合波部122へ出力し、直接検波信号を光信号処理部130へ出力する。そして、合波部122は、デジタルコヒーレント信号と、光信号処理部130によって波長分散補償が行われた直接検波信号とを合波する。これにより、中継器100は、デジタルコヒーレント信号と直接検波信号とが波長多重された波長多重信号光を中継する場合であっても、デジタルコヒーレント信号に対しては波長分散補償を行わず、直接検波信号に対しては波長分散補償を行うことができる。
【0037】
OADM装置140は、波長多重信号光に含まれる一部の信号光を他のネットワークや他の受信器に分岐(Drop)させたり、他のネットワークや他の送信器から送信される信号光を挿入(Add)したりする。図3に示した例では、OADM装置140は、分岐部141と、合波部142とを有する。
【0038】
分岐部141は、例えば、光カプラやWSS等の波長選択スイッチであり、1個の入力ポートとN個の出力ポートとを有する。そして、分岐部141は、合波部122から入力される波長多重信号光を波長毎に分離する。そして、分岐部141は、分離後の一部の信号光を図示しない他のネットワークや他の受信器へDropする。また、分岐部141は、分離後の一部の信号光を合波部142へ出力する。
【0039】
合波部142は、例えば、光カプラやWSS等の波長選択スイッチであり、N個の入力ポートと1個の出力ポートとを有する。そして、合波部142は、分岐部141から入力される信号光と、図示しない他の送信器等から入力される信号光とを合波し、合波後の波長多重信号光をEDFA150へ出力する。
【0040】
EDFA150は、合波部142から入力される波長多重信号光を光増幅する。そして、EDFA150は、光増幅後の波長多重信号光を外部へ送信する。図3に示した例では、EDFA150は、波長多重信号光を伝送路12へ送信する。
【0041】
図2の説明に戻って、受信装置30の構成について説明する。受信装置30は、光受信器31−1〜31−nと、EDFA32と、分岐部33aと、合波部33bと、DCM34aと、EDFA34bと、AWG35と、EDFA36と、TDC(Tunable Dispersion Compensator:可変分散補償器)37とを有する。
【0042】
光受信器31−1〜31−nは、入力される信号光に対して復調処理等の受信処理を行う。なお、図2に示した例において、光受信器31−1及び31−2は100Gbit/sの伝送速度に対応し、光受信器31−3は40Gbit/sの伝送速度に対応し、光受信器31−nは10Gbit/sの伝送速度に対応するものとする。また、図2に示した例において、光受信器31−1は波長λ1の信号光に対して受信処理を行い、光送信器21−2は波長λ2の信号光に対して受信処理を行い、光送信器21−nは波長λnの信号光に対して受信処理を行うものとする。
【0043】
EDFA32は、伝送路12を介して中継器100から受信した波長多重信号光を全波長一括で光増幅する。分岐部33aは、図2に示した分岐部121と同様に、例えばWSS等の波長選択スイッチであり、1個の入力ポートと2個の出力ポートとを有する。かかる分岐部33aは、EDFA32から入力される波長多重信号光を波長毎に分離する。そして、分岐部33aは、分離した信号光のうち、デジタルコヒーレント信号を合波部33bへ出力し、直接検波信号をDCM34aへ出力する。
【0044】
DCM34aは、分岐部33aから入力される直接検波信号に対して波長分散補償を行う。EDFA34bは、DCM34aから入力される波長分散補償後の直接検波信号を光増幅し、光増幅後の直接検波信号を合波部33bへ出力する。
【0045】
合波部33bは、例えばWSS等の波長選択スイッチであり、2個の入力ポートと1個の出力ポートとを有する。かかる合波部33bは、分岐部33aから入力されるデジタルコヒーレント信号と、EDFA34bから入力される直接検波信号とを合波して、合波後の波長多重信号光をAWG35へ出力する。
【0046】
AWG35は、EDFA34から出力される波長多重信号光を波長毎に分離する。そして、AWG35は、分離後の信号光の波長に応じて、分離後の信号光を光受信器31−1〜31−nのいずれかへ出力する。図2に示した例では、AWG35は、分離後の信号光のうち、波長λ1の信号光を光受信器31−1へ出力し、波長λ2の信号光を光受信器31−2へ出力し、波長λ3の信号光をEDFA36へ出力し、波長λnの信号光を光受信器31−nへ出力する。
【0047】
EDFA36は、AWG35から出力される信号光を光増幅する。TDC37は、EDFA36から出力される光増幅後の信号光に対して波長分散補償を行う。このようにTDC37によって波長分散補償を行う理由は、伝送速度「40Gbit/s」によって伝送される信号光は、伝送速度「10Gbit/s」によって伝送される信号光よりも波長分散耐力が低いからである。言い換えれば、TDC37は、中継器100によって行われる波長分散補償の不足分を補うために波長分散補償を行う。
【0048】
このように、実施例2におけるWDMシステム10では、デジタルコヒーレント信号と直接検波信号とが波長多重された波長多重信号光を中継器100によって中継することができる。
【0049】
[実施例2における分岐部の構成]
次に、図4を用いて、図3に示した分岐部121の構成について説明する。図4は、図3に示した分岐部121の構成例を示す図である。図4には、1個の入力ポートと2個の出力ポートとを有するWSSの構成例を示す。
【0050】
図4に示すように、分岐部121を実現するWSSは、入力ポート121In1と、第1出力ポート121Out1と、第2出力ポート121Out2とを有する。入力ポート121In1、第1出力ポート121Out1、第2出力ポート121Out2は、例えば、光ファイバアレイである。
【0051】
入力ポート121In1は、信号光が入力されるポートであり、図3に示したEDFA110と接続される。また、第1出力ポート121Out1及び第2出力ポート121Out2は、信号光を出力するポートであり、合波部122又は光信号処理部130と接続される。図4に示した例では、第1出力ポート121Out1は光信号処理部130と接続され、第2出力ポート121Out2は合波部122と接続されるものとする。
【0052】
また、分岐部121は、回析格子121Gと、レンズ121Lと、ミラー121M−1〜121M−nとを有する。回析格子121Gは、信号光を波長毎に分離したり、複数の信号光を合波したりする分離合波器である。例えば、回析格子121Gは、入力ポート121In1から入射される信号光を波長毎に分離する。また、例えば、回析格子121Gは、レンズ121Lから入射される信号光を合波する。レンズ121Lは、複数の信号光を集光する。例えば、レンズ121Lは、ミラー121M−1〜121M−nから入射される信号光を回析格子121G方向へ集光する。
【0053】
ミラー121M−1〜121M−nは、回析格子121Gによって分離された信号光を反射させる。かかるミラー121M−1〜121M−nは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)やLCOS(Liquid Crystal On Silicon)等であり、反射角を変動させることができる。
【0054】
このようなミラー121M−1〜121M−nの数(n個)は、例えば、回析格子121Gによって分離される信号光の波長の数に対応する。そして、各々のミラー121M−1〜121M−nは、所定の波長の信号光が入射される位置に配置される。例えば、ミラー121M−1は、波長λ1の信号光が入射される位置に配置され、ミラー121M−2は、波長λ2の信号光が入射される位置に配置され、ミラー121M−nは、波長λnの信号光が入射される位置に配置される。すなわち、かかる例の場合には、ミラー121M−1は、波長λ1の信号光を反射させ、ミラー121M−2は、波長λ2の信号光を反射させ、ミラー121M−nは、波長λnの信号光を反射させる。
【0055】
そして、各々のミラー121M−1〜121M−nの反射角は、ミラー121M−1〜121M−nによって反射される信号光の出力先に応じて調整される。例えば、ミラー121M−1が波長λ1の信号光を反射する位置に配置され、第2出力ポート121Out2が波長λ1の信号光を出力するものとする。かかる場合には、波長λ1の信号光が第2出力ポート121Out2に入射されるように、ミラー121M−1の反射角が調整される。
【0056】
図4に示した例では、ミラー121M−1やミラー121M−2は、入射される信号光をレンズ121Lの下部方向へ反射させている。これにより、ミラー121M−1やミラー121M−2によって反射された信号光は、回析格子121Gを介して第2出力ポート121Out2へ入射される。また、例えば、ミラー121M−3やミラー121M−nは、入射される信号光をレンズ121Lの上部方向へ反射させている。これにより、ミラー121M−3やミラー121M−nによって反射された信号光は、回析格子121Gを介して第1出力ポート121Out1へ入射される。
【0057】
ここでは、上記のように、第1出力ポート121Out1が光信号処理部130と接続され、第2出力ポート121Out2が合波部122と接続される。したがって、直接検波信号に対応する波長の信号光を反射させるミラーの反射角は、図4に示したミラー121M−3等のように、反射光が第1出力ポート121Out1に入射されるように調整される。また、デジタルコヒーレント信号に対応する波長の信号光を反射させるミラーの反射角は、図4に示したミラー121M−1等のように、反射光が第2出力ポート121Out2に入射されるように調整される。これにより、分岐部121は、デジタルコヒーレント信号を合波部122へ出力し、直接検波信号を光信号処理部130へ出力することができる。
【0058】
ここで、図5及び図6に、図4に示した分岐部121の模式図を示す。図5及び図6では、図4に示したミラー121M−1及びミラー121M−3を例に挙げて説明する。なお、図5及び図6に示した例において、ミラー121M−3は、波長λ3の信号光を反射させる位置に配置されているものとする。また、ミラー121M−3は、反射光が第1出力ポート121Out1に入射されるように、所定の基準線SL1とのなす角が「−θ」になるように配置されているものとする。また、ミラー121M−1は、波長λ1の信号光を反射させる位置に配置されているものとする。また、ミラー121M−1は、反射光が第2出力ポート121Out2に入射されるように、所定の基準線SL1とのなす角が「+θ」になるように配置されているものとする。
【0059】
図5の(状態1)に示した例において、ミラー121M−3は、回析格子121Gによって分離された信号光のうち、波長λ3の信号光が入射される。そして、ミラー121M−3は、入射される波長λ3の信号光を反射させる。ここでは、ミラー121M−3の反射光が第1出力ポート121Out1に入射されるようにミラー121M−3の反射角が調整されている。したがって、ミラー121M−3によって反射された波長λ3の信号光は、第1出力ポート121Out1に入射される。これにより、入力ポート121In1に入力される信号光のうち、波長λ3の信号光は、第1出力ポート121Out1へ出力される。すなわち、図5の(状態1)に示した例では、図6の(状態1)に示すように、入力ポート121In1と第1出力ポート121Out1との間で信号光が送受される。
【0060】
また、図5の(状態2)に示した例において、ミラー121M−1は、回析格子121Gによって分離された信号光のうち、波長λ1の信号光が入射される。そして、ミラー121M−1は、反射光が第2出力ポート121Out2に入射されるように、波長λ1の信号光を反射させる。これにより、入力ポート121In1に入力される信号光のうち、波長λ1の信号光は、第2出力ポート121Out2へ出力される。すなわち、図6の(状態2)に示すように、入力ポート121In1と第2出力ポート121Out2とは接続される。
【0061】
なお、図3に示した合波部122の構成は、図4に示したWSSの構成と同様である。ただし、合波部122は、図4に示した入力ポート121In1が出力ポートであり、図4に示した第1出力ポート121Out1及び第2出力ポート121Out2が入力ポートになる。
【0062】
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2に係る中継器100は、受信した波長多重信号光に含まれるデジタルコヒーレント信号に対しては波長分散補償を行わず、直接検波信号に対しては波長分散補償を行う。そして、中継器100は、デジタルコヒーレント信号と、波長分散補償後の直接検波信号とを合波して伝送する。これにより、中継器100は、デジタルコヒーレント信号と直接検波信号とが波長多重された波長多重信号光を受信する場合であっても、直接検波信号の波形歪みを補償することができ、デジタルコヒーレント信号のSN比が劣化することを防止することができる。すなわち、実施例2によれば、信号光の種類毎に中継器を設計・製造することを要しないので、設計や製造にかかる手間を省くことができる。
【0063】
なお、上記実施例2では、図2に示した例のように、送信装置20と受信装置30との間に中継器100が設置されるWDMシステムの構成を例に挙げて説明した。しかし、実施例2に係る中継器100は、図2に示した構成以外のWDMシステムにも適用することもできる。例えば、実施例2に係る中継器100は、複数の中継器100がリング型に接続されるリング型ネットワークのWDMシステムにも適用することができる。
【実施例3】
【0064】
上記実施例2では、1個の入力ポートと2個の出力ポートとを有するWSSである分岐部121と、2個の入力ポートと1個の出力ポートとを有するWSSである合波部122とを用いる例を示した。しかし、中継器は、1個のWSSにより信号光を分離及び合波してもよい。実施例3では、1個のWSSを用いて信号光を分離及び合波する中継器の例について説明する。
【0065】
[実施例3に係る中継器の構成]
まず、図7を用いて、実施例3に係る中継器の構成について説明する。図7は、実施例3に係る中継器の構成例を示すブロック図である。図7に示すように、実施例3に係る中継器200は、EDFA110と、光信号処理部130と、OADM装置140と、EDFA150と、WSS221とを有する。なお、以下では、既に示した構成部位と同様の機能を有する部位には同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0066】
WSS221は、第1入力ポート221In1と、第2入力ポート221In2と、第1出力ポート221Out1と、第2出力ポート221Out2とを有する。図7に示した例では、第1入力ポート221In1はEDFA110と接続され、第2入力ポート221In2は、光信号処理部130のEDFA132と接続されている。また、第1出力ポート221Out1は光信号処理部130のDCM131と接続され、第2出力ポート221Out2はOADM装置140と接続されている。
【0067】
そして、WSS221は、EDFA110から第1入力ポート221In1に波長多重信号光が入力された場合に、かかる波長多重信号光を分離する。そして、WSS221は、第2出力ポート221Out2を介して、分離後のデジタルコヒーレント信号をOADM装置140へ出力し、第1出力ポート221Out1を介して、直接検波信号を光信号処理部130へ出力する。ここで、光信号処理部130に出力された直接検波信号は、光信号処理部130によって波長分散補償が行われ、WSS221の第2入力ポート221In2に入力される。このとき、WSS221は、EDFA110から入力される波長多重信号光に含まれるデジタルコヒーレント信号と、光信号処理部130から入力される波長分散補償後の直接検波信号とを合波し、合波後の波長多重信号光をOADM装置140へ出力する。
【0068】
このように、実施例3に係る中継器200は、1個のWSS221を用いて、波長多重信号光を分離するとともに、デジタルコヒーレント信号と、波長分散補償後の直接検波信号とを合波することができる。
【0069】
[実施例3におけるWSSの構成]
次に、図7に示したWSS221の構成について説明する。WSS221は、少なくとも以下の(1)及び(2)に示すスイッチングを行うことが求められる。
【0070】
(1)所定の第1波長の信号光を第1入力ポート221In1から第1出力ポート221Out1へスイッチングするとともに、かかる第1波長と同一の波長の信号光を第2入力ポート221In2から第2出力ポート221Out2へスイッチングする。
(2)所定の第2波長の信号光を第1入力ポート221In1から第2出力ポート221Out2へスイッチングする。
【0071】
なお、上記の(1)に示した第1波長は、例えば、直接検波信号の波長に対応する。また、上記の(2)に示した第2波長は、例えば、デジタルコヒーレント信号の波長に対応する。
【0072】
WSS221が上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことが求められる理由について説明する。WSS221は、上記(1)のスイッチングを行うことにより、直接検波信号を光信号処理部130へ出力することができるとともに、デジタルコヒーレント信号と波長分散補償後の直接検波信号とを合波することができる。また、WSS221は、上記(2)のスイッチングを行うことにより、デジタルコヒーレント信号を光信号処理部130を介さずにOADM装置140へ出力することができる。すなわち、WSS221は、上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことにより、デジタルコヒーレント信号と波長分散補償後の直接検波信号とを合波することが可能になる。
【0073】
このようなWSS221は、図5に例示したWSSに1個のポートを追加することで実現できるとも考えられる。例えば、2個の入力ポートと1個の出力ポートとを有するWSSに1個の出力ポートを追加することでWSS221を実現できるとも考えられる。しかし、図5に例示したWSSに1個のポートを追加しただけでは、上記(1)及び(2)に示したスイッチングが可能なWSSを実現できるとは限らない。以下に、図5に例示したWSSに1個のポートを追加したWSSの例について説明し、次に、図7に示したWSS221の構成について説明する。
【0074】
図8及び図9は、図5に例示したWSSに1個のポートが追加されたWSS921の模式図である。図8に示すように、WSS921は、入力ポート921In1及び921In2と、出力ポート921Out1及び921Out2と、回析格子921Gと、レンズ921Lと、ミラー921Mとを有する。なお、図8に示したWSS921は、2個の入力ポート921In1及び921In2と1個の出力ポート921Out2とを有するWSSに、1個の出力ポート921Out1が追加されたものとする。
【0075】
まず、図8の(状態1)に示した例では、入力ポート921In1に入力される信号光が出力ポート921Out2へ反射されるように、ミラー921Mが設置されている。かかる場合には、図9の(状態1)に示すように、入力ポート921In1と出力ポート921Out2との間で信号光が送受される。しかし、図8の(状態1)や図9の(状態1)に示すように、入力ポート921In2に入力される信号光は、出力ポート921Out1へ反射されない。したがって、図8の(状態1)に示した例では、上記(1)に示したスイッチングを行うことができない。
【0076】
また、図8の(状態2)に示した例では、入力ポート921In1に入力される信号光が出力ポート921Out1へ反射されるように、ミラー921Mが設置されている。かかる場合には、図9の(状態2)に示すように、入力ポート921In1と出力ポート921Out1との間で信号光が送受される。しかし、図8の(状態2)や図9の(状態2)に示すように、入力ポート921In2に入力される信号光は、出力ポート921Out2へ反射されない。したがって、図8の(状態2)に示した例では、上記(1)に示したスイッチングを行うことができない。
【0077】
また、図8の(状態3)に示した例では、入力ポート921In2に入力される信号光が出力ポート921Out2へ反射されるように、ミラー921Mが設置されている。かかる場合には、図9の(状態3)に示すように、入力ポート921In2と出力ポート921Out2との間で信号光が送受される。しかし、図8の(状態3)や図9の(状態3)に示すように、入力ポート921In1に入力される信号光は、出力ポート921Out1へ反射されない。したがって、図8の(状態3)に示した例では、上記(1)に示したスイッチングを行うことができない。
【0078】
また、図8の(状態4)に示した例では、入力ポート921In2に入力される信号光が出力ポート921Out1へ反射されるように、ミラー921Mが設置されている。かかる場合には、図9の(状態4)に示すように、入力ポート921In2と出力ポート921Out1との間で信号光が送受される。しかし、図8の(状態4)や図9の(状態4)に示すように、入力ポート921In1に入力される信号光は、出力ポート921Out2へ反射されない。したがって、図8の(状態4)に示した例では、上記(1)に示したスイッチングを行うことができない。
【0079】
このように、2個の入力ポートと1個の出力ポートとを有するWSSに1個の出力ポートを追加しても、上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことができるWSSを実現することはできない。
【0080】
次に、図10及び図11を用いて、図7に示したWSS221の構成について説明する。図10及び図11は、図7に示したWSS221の模式図である。なお、図10及び図11の(状態1)〜(状態3)には、WSS221が有するミラー(後述するミラー221M−1〜221M−3)の反射角が異なる例を示している。
【0081】
図10の(状態1)に示すように、WSS221は、第1入力ポート221In1と、第2入力ポート221In2と、第1出力ポート221Out1と、第2出力ポート221Out2とを有する。第1入力ポート221In1及び第2入力ポート221In2は、信号光が入力される。第1出力ポート221Out1及び第2出力ポート221Out2は、第1入力ポート221In1又は第2入力ポート221In2に入力される信号光に含まれる少なくとも一部の波長の信号光を出力する。
【0082】
また、図10の(状態1)に示すように、WSS221は、回析格子221Gと、第1反射部221R1とを有する。回析格子221Gは、第1入力ポート221In1又は第2入力ポート221In2に入力される信号光を波長毎に分離したり、複数の信号光を合波したりする分離合波器である。
【0083】
第1反射部221R1は、第1入力ポート221In1に入力される信号光のうち、回析格子221Gによって分離された第1波長の信号光を第1出力ポート221Out1に反射させる。さらに、第1反射部221R1は、第2入力ポート221In2に入力される信号光のうち、回析格子221Gによって分離された第1波長の信号光を第2出力ポート221Out2に反射させる。
【0084】
具体的には、第1反射部221R1は、レンズ221Lと、第1ミラー221M−1とを有する。レンズ221Lは、図5に示したレンズ121Lと同様である。第1ミラー221M−1は、第1入力ポート221In1及び第1出力ポート221Out1を両端とする線分の中点M1と、第2入力ポート221In2及び第2出力ポート221Out2を両端とする線分の中点M2とを結ぶ直線L1上に配置される。
【0085】
ここで、図10の(状態1)に示すように、第1ミラー221M−1は、第1入力ポート221In1から入射される信号光を第1出力ポート221Out1に反射させる角度で配置されるものとする。図10の(状態1)に示した例では、第1ミラー221M−1は、所定の基準線SL1とのなす角が「0°」になるように配置されている。かかる場合に、第1ミラー221M−1は、第2入力ポート221In2から入射される信号光を第2出力ポート221Out2に反射させることができる。これは、第1ミラー221M−1が、中点M1と中点M2とを結ぶ直線L1上に配置されているからである。
【0086】
このように、WSS221は、図10の(状態1)に示した例のように、上記(1)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図10の(状態1)では、図11の(状態1)に示すように、第1入力ポート221In1と第1出力ポート221Out1との間で信号光が送受され、第2入力ポート221In2と第2出力ポート221Out2との間で信号光が送受される。
【0087】
また、図10の(状態2)に示した例では、WSS221は、第2反射部221R2を有する。第2反射部221R2は、第1入力ポート221In1に入力される信号光のうち、回析格子221Gによって分離された第2波長の信号光を第2出力ポート221Out2に反射させる。
【0088】
具体的には、第2反射部221R2は、第1入力ポート221In1から入射される信号光を第2出力ポート221Out2に反射させる第2ミラー221M−2を有する。図10の(状態2)に示した例では、第2ミラー221M−2は、基準線SL1とのなす角が「−θ」になるように配置されている。
【0089】
このように、WSS221は、図10の(状態2)に示した例のように、上記(2)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図10の(状態2)に示した例では、図11の(状態2)に示すように、第1入力ポート221In1と第2出力ポート221Out2との間で信号光が送受される。
【0090】
また、図10の(状態3)に示した例では、WSS221は、第3反射部221R3を有する。第3反射部221R3は、第2入力ポート221In2から入射される信号光を第1出力ポート221Out1に反射させる第3ミラー221M−3を有する。図10の(状態3)に示した例では、第3ミラー221M−3は、基準線SL1とのなす角が「+θ」になるように配置されている。すなわち、図10の(状態3)に示した例では、図11の(状態3)に示すように、第2入力ポート221In2と第1出力ポート221Out1との間で信号光が送受される。
【0091】
このように、実施例3におけるWSS221は、図10に示した中点M1と中点M2とを結ぶ直線L1上に配置される第1ミラー221M−1及び第2ミラー221M−2を有することにより、上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことができる。
【0092】
例えば、WSS221が有するミラーのうち、直接検波信号に対応する波長の信号光が入射されるミラーは、図10の(状態1)に例示した位置及び角度に配置される。また、例えば、WSS221が有するミラーのうち、デジタルコヒーレント信号に対応する波長の信号光が入射されるミラーは、図10の(状態2)に例示した位置及び角度に配置される。これにより、WSS221は、波長多重信号光に含まれる直接検波信号を第1出力ポート221Out1を介して光信号処理部130へ出力することができる。また、WSS221は、光信号処理部130から第2入力ポート221In2を介して入力される直接検波信号と、波長多重信号光に含まれるデジタルコヒーレント信号とを合波することができる。さらに、WSS221は、合波後の波長多重信号光を第2出力ポート221Out2を介してOADM装置140へ出力することができる。
【0093】
[実施例3の効果]
上述してきたように、実施例3に係る中継器200は、1個のWSS221を用いて、波長多重信号光をデジタルコヒーレント信号と直接検波信号とに分離するとともに、デジタルコヒーレント信号と波長分散補償後の直接検波信号とを合波する。これにより、実施例3に係る中継器200は、小規模の構成によりデジタルコヒーレント信号と直接検波信号とが波長多重された波長多重信号光を中継することができる。すなわち、実施例3によれば、設計や製造にかかる手間を省くことができる。
【実施例4】
【0094】
上記実施例3では、図10及び図11に図示したWSS221を有する中継器200について説明した。しかし、2個の入力ポートと2個の出力ポートとを有するWSSの構成は、図10及び図11に示した例に限られない。実施例4では、2個の入力ポートと2個の出力ポートとを有するWSSの他の構成例について説明する。
【0095】
[2×2WSSの構成例(1)]
まず、図12を用いて、2個の入力ポートと2個の出力ポートとを有するWSS321の構成例について説明する。図12は、実施例4におけるWSS321の模式図である。なお、図12の(状態1)〜(状態3)には、WSS321が有するミラー(後述するミラー321M−1〜321M−3)の反射角が異なる例を示している。
【0096】
図12の(状態1)に示すように、WSS321は、第1入力ポート321In1と、第2入力ポート321In2と、第1出力ポート321Out1と、第2出力ポート321Out2とを有する。第1入力ポート321In1、第2入力ポート321In2は、それぞれ図10に示した第1入力ポート221In1、第2入力ポート221In2に対応する。また、第1出力ポート321Out1、第2出力ポート321Out2は、それぞれ図10に示した第1出力ポート221Out1、第2出力ポート221Out2に対応する。
【0097】
また、WSS321は、第1サーキュレータ321C1と、第2サーキュレータ321C2とを有する。第1サーキュレータ321C1は、第1入力ポート321In1に入力される信号光を回析格子221G方向へ出力し、回析格子221G方向から入射される信号光を第2出力ポート321Out2へ出力する。第2サーキュレータ321C2は、第2入力ポート321In2に入力される信号光を回析格子221G方向へ出力し、回析格子221G方向から入射される信号光を第1出力ポート321Out1へ出力する。
【0098】
また、WSS321は、ポート321P1とポート321P2とを有する。ポート321P1は、例えば光ファイバアレイであり、第1サーキュレータ321C1との間で信号光を送受する。ポート321P2は、例えば光ファイバアレイであり、第2サーキュレータ321C2との間で信号光を送受する。
【0099】
また、図12の(状態1)に示すように、WSS321は、第1反射部321R1を有する。第1反射部321R1は、第1ミラー321M−1を有する。第1ミラー321M−1は、第1入力ポート321In1及び第1出力ポート321Out1を両端とする線分の中点と、第2入力ポート321In2及び第2出力ポート221Out2を両端とする線分の中点とを結ぶ直線上に配置される。
【0100】
ここで、第1ミラー321M−1は、図12の(状態1)に示すように、第1サーキュレータ321C1から入射される信号光を第2サーキュレータ321C2に反射させる角度で配置される。図12の(状態1)に示した例では、第1ミラー321M−1は、基準線SL1とのなす角が「0°」になるように配置されている。かかる場合に、第1ミラー321M−1は、第2サーキュレータ321C2から入射される信号光を第1サーキュレータ321C1に反射させることができる。
【0101】
したがって、図12の(状態1)に示した例において、第1入力ポート321In1に入力される信号光は、第1サーキュレータ321C1、回析格子221Gを介して第1ミラー321M−1に入射される。そして、第1ミラー321M−1は、入射された信号光を第2サーキュレータ321C2に反射させる。第2サーキュレータ321C2に入射された信号光は、第1出力ポート321Out1から出力される。
【0102】
また、図12の(状態1)に示した例において、第2入力ポート321In2に入力される信号光は、第2サーキュレータ321C2、回析格子221Gを介して第1ミラー321M−1に入射される。そして、第1ミラー321M−1は、入射された信号光を第1サーキュレータ321C1に反射させる。第1サーキュレータ321C1に入射された信号光は、第2出力ポート321Out2から出力される。
【0103】
このように、WSS321は、図12の(状態1)に示した例のように、上記(1)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図12の(状態1)に示した例では、第1入力ポート321In1と第1出力ポート321Out1との間で信号光が送受されるとともに、第2入力ポート321In2と第2出力ポート321Out2との間で信号光が送受される。
【0104】
また、図12の(状態2)に示した例では、WSS321は、第2反射部321R2を有する。第2反射部321R2は、第1サーキュレータ321C1から入射される信号光を第1サーキュレータ321C1に反射させる角度で配置される第2ミラー321M−2を有する。
【0105】
図12の(状態2)に示した例において、第1入力ポート321In1に入力される信号光は、第1サーキュレータ321C1、回析格子221Gを介して第2ミラー321M−2に入射される。そして、かかる信号光は、第2ミラー321M−2によって第1サーキュレータ321C1に反射される。第1サーキュレータ321C1に入射された信号光は、第2出力ポート321Out2から出力される。
【0106】
このように、WSS321は、図12の(状態2)に示した例のように、上記(2)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図12の(状態2)に示した例では、第1入力ポート321In1と第2出力ポート321Out2との間で信号光が送受される。
【0107】
また、図12の(状態3)に示した例では、WSS321は、第3反射部321R3を有する。第3反射部321R3は、第2サーキュレータ321C2から入射される信号光を第2サーキュレータ321C2に反射させる角度で配置される第3ミラー321M−3を有する。
【0108】
図12の(状態3)に示した例において、第2入力ポート321In2に入力される信号光は、第2サーキュレータ321C2、回析格子221Gを介して第3ミラー321M−3に入射される。そして、かかる信号光は、第3ミラー321M−3によって第2サーキュレータ321C2に反射される。第2サーキュレータ321C2に入射された信号光は、第1出力ポート321Out1から出力される。すなわち、図12の(状態3)に示した例では、第2入力ポート321In2と第1出力ポート321Out1との間で信号光が送受される。
【0109】
このように、図12に示したWSS321は、上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことができる。したがって、実施例3に示した中継器200は、WSS221の代わりに、図12に示したWSS321を用いてもよい。
【0110】
[2×2WSSの構成例(2)]
次に、図13を用いて、2個の入力ポートと2個の出力ポートとを有するWSS421の構成例について説明する。図13は、実施例4におけるWSS421の模式図である。なお、図13の(状態1)〜(状態3)には、WSS421が有するミラー(後述するミラー421M−1〜421M−6)の反射角が異なる例を示している。
【0111】
図13の(状態1)に示すように、WSS421は、第1入力ポート421In1と、第2入力ポート421In2と、第1出力ポート421Out1と、第2出力ポート421Out2とを有する。第1入力ポート421In1、第2入力ポート421In2は、それぞれ図10に示した第1入力ポート221In1、第2入力ポート221In2に対応する。また、第1出力ポート421Out1、第2出力ポート421Out2は、それぞれ図10に示した第1出力ポート221Out1、第2出力ポート221Out2に対応する。
【0112】
また、WSS421は、第1中継ポート421P1と、第2中継ポート421P2とを有する。第1中継ポート421P1及び第2中継ポート421P2は、例えば光ファイバアレイであり、相互に接続される。例えば、第1中継ポート421P1に入力される信号光は、第2中継ポート421P2から出力される。また、例えば、第2中継ポート421P2に入力される信号光は、第1中継ポート421P1から出力される。
【0113】
また、図13の(状態1)に示すように、WSS421は、第1反射部421R1を有する。第1反射部421R1は、第1ミラー421M−1と、第2ミラー421M−2とを有する。第1ミラー421M−1は、図13の(状態1)に示すように、第1入力ポート421In1から入射される信号光を第1出力ポート421Out1に反射させる角度で配置される。また、第2ミラー421M−2は、図13の(状態1)に示すように、第2入力ポート421In2から入射される信号光を第2出力ポート421Out2に反射させる角度で配置される。
【0114】
このように、WSS421は、図13の(状態1)に示した例のように、上記(1)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図13の(状態1)に示した例では、第1入力ポート421In1と第1出力ポート421Out1との間で信号光が送受されるとともに、第2入力ポート421In2と第2出力ポート421Out2との間で信号光が送受される。
【0115】
また、図13の(状態2)に示した例では、WSS421は、第2反射部421R2を有する。第2反射部421R2は、第3ミラー421M−3と、第4ミラー421M−4とを有する。第3ミラー421M−3は、図13の(状態2)に示すように、第1入力ポート421In1から入射される信号光を第1中継ポート421P1に反射させる角度で配置される。また、第4ミラー421M−4は、第2中継ポート421P2から出力される信号光を第2出力ポート421Out2に反射させる角度で配置される。すなわち、第4ミラー421M−4は、第3ミラー421M−3によって第1中継ポート421P1に反射させられた信号光を第2出力ポート421Out2に反射させることになる。
【0116】
このように、WSS421は、図13の(状態2)に示した例のように、上記(2)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図13の(状態2)に示した例では、第1入力ポート421In1と第2出力ポート421Out2との間で信号光が送受される。
【0117】
また、図13の(状態3)に示した例では、WSS421は、第3反射部421R3を有する。第3反射部421R3は、第5ミラー421M−5と、第6ミラー421M−6とを有する。第6ミラー421M−6は、図13の(状態3)に示すように、第2入力ポート421In2から入射される信号光を第2中継ポート421P2に反射させる角度で配置される。また、第5ミラー421M−5は、第1中継ポート421P1から出力される信号光を第1出力ポート421Out1に反射させる角度で配置される。すなわち、第5ミラー421M−5は、第6ミラー421M−6によって第2中継ポート421P2に反射させられた信号光を第1出力ポート421Out1に反射させることになる。
【0118】
このように、図13に示したWSS421は、上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことができる。したがって、実施例3に示した中継器200は、WSS221の代わりに、図13に示したWSS421を用いてもよい。
【0119】
[2×2WSSの構成例(3)]
次に、図14を用いて、2個の入力ポートと2個の出力ポートとを有するWSS521の構成例について説明する。図14は、実施例4におけるWSS521の模式図である。なお、図14の(状態1)〜(状態3)には、WSS521が有するミラー(後述するミラー521M−1〜521M−8)の反射角が異なる例を示している。
【0120】
図14の(状態1)に示すように、WSS521は、第1入力ポート521In1と、第2入力ポート521In2と、第1出力ポート521Out1と、第2出力ポート521Out2とを有する。第1入力ポート521In1、第2入力ポート521In2は、それぞれ図10に示した第1入力ポート221In1、第2入力ポート221In2に対応する。また、第1出力ポート521Out1、第2出力ポート521Out2は、それぞれ図10に示した第1出力ポート221Out1、第2出力ポート221Out2に対応する。
【0121】
また、図14の(状態1)に示すように、WSS521は、第1反射部521R1を有する。第1反射部521R1は、第1ミラー521M−1と、第2ミラー521M−2と、ミラー521M−xとを有する。
【0122】
第1ミラー521M−1は、図14の(状態1)に示すように、第1入力ポート521In1から入射される信号光を第1出力ポート521Out1に反射させる角度で配置される。また、第2ミラー521M−2は、図14の(状態1)に示すように、第2入力ポート521In2から入射される信号光を第2出力ポート521Out2に反射させる角度で配置される。なお、図14の(状態1)に示した例では、ミラー521M−xは用いられない。
【0123】
このように、WSS521は、図14の(状態1)に示した例のように、上記(1)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図14の(状態1)に示した例では、第1入力ポート521In1と第1出力ポート521Out1との間で信号光が送受されるとともに、第2入力ポート521In2と第2出力ポート521Out2との間で信号光が送受される。
【0124】
また、図14の(状態2)に示した例では、WSS521は、第2反射部521R2を有する。第2反射部521R2は、第3ミラー521M−3と、第4ミラー521M−4と、第5ミラー521M−5とを有する。
【0125】
第4ミラー521M−4は、図14の(状態2)に示すように、第1入力ポート521In1から入射される信号光を第3ミラー521M−3に反射させる角度で配置される。また、第5ミラー521M−5は、第4ミラー521M−4によって第3ミラー521M−3に反射させられることにより、かかる第3ミラー521M−3から入射される信号光を第2出力ポート521Out2に反射させる角度で配置される。
【0126】
このように、WSS521は、図14の(状態2)に示した例のように、上記(2)に示したスイッチングを行うことができる。具体的には、図14の(状態2)に示した例では、第1入力ポート521In1と第2出力ポート521Out2との間で信号光が送受される。
【0127】
また、図14の(状態3)に示した例では、WSS521は、第3反射部521R3を有する。第3反射部521R3は、第6ミラー521M−6と、第7ミラー521M−7と、第8ミラー521M−8とを有する。
【0128】
第7ミラー521M−7は、図14の(状態3)に示すように、第2入力ポート521In2から入射される信号光を第6ミラー521M−6に反射させる角度で配置される。また、第8ミラー521M−8は、第7ミラー521M−7によって第6ミラー521M−6に反射させられることにより、かかる第6ミラー521M−6から入射される信号光を第1出力ポート521Out1に反射させる角度で配置される。
【0129】
このように、図14に示したWSS521は、上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことができる。したがって、実施例3に示した中継器200は、WSS221の代わりに、図14に示したWSS521を用いてもよい。
【0130】
[実施例4の効果]
上述してきたように、実施例4に係るWSS321、421、521は、上記(1)及び(2)に示したスイッチングを行うことができる。したがって、実施例3に示した中継器200は、WSS321、421、521を用いて、波長多重信号光をデジタルコヒーレント信号と直接検波信号とに分離するとともに、デジタルコヒーレント信号と波長分散補償後の直接検波信号とを合波することができる。
【実施例5】
【0131】
上記実施例2では、OADM装置140が分岐部141と合波部142とを有する例を示した。しかし、OADM装置は、実施例3に示したWSS221や、実施例4に示したWSS321、421、521のように、2個の入力ポートと2個の出力ポートを有するWSSを有してもよい。実施例5では、OADM装置が実施例3に示したWSSを有する例について説明する。
【0132】
図15は、実施例5に係る中継器の構成例を示すブロック図である。図15に示すように、実施例5に係る中継器300は、図3に示した中継器200と比較して、OADM装置140の代わりにOADM装置340を有する。
【0133】
OADM装置340は、図15に示すように、WSS222と、AWG341と、AWG342とを有する。WSS222の構成は、実施例3に示したWSS221の構成と同様である。なお、WSS222の構成は、実施例4に示したWSS321、421、521の構成と同様であってもよい。
【0134】
WSS222は、第1入力ポート222In1と、第2入力ポート222In2と、第1出力ポート222Out1と、第2出力ポート222Out2とを有する。図15に示した例では、第1入力ポート222In1はWSS221と接続され、第2入力ポート222In2はAWG342と接続される。また、第1出力ポート222Out1はAWG341と接続され、第2出力ポート222Out2はEDFA150と接続される。
【0135】
このような構成の下、WSS222は、第1入力ポート222In1を介してWSS221から入力される波長多重信号光を分離する。そして、WSS222は、分離後の信号光のうち、所定の波長の信号光を第1出力ポート222Out1を介してAWG341へ分岐(Drop)させる。AWG341へ分岐(Drop)された信号光は、AWG341によって他の光受信器等へ送信される。また、WSS222は、第2入力ポート222In2を介してAWG342から入力される所定の波長の信号光を挿入(Add)する。
【0136】
例えば、WSS222は、WSS221から波長λ1、λ2、λ3、λ5の信号光を含む波長多重信号光が入力されるものとする。また、OADM装置340は、波長λ2の信号光をAWG341へ分岐(Drop)させることが決められているものとする。また、OADM装置340は、AWG342から入力される信号光のうち、波長λ4の信号光を挿入(Add)することが決められているものとする。
【0137】
かかる場合に、WSS222は、第1入力ポート222In1を介して入力される波長多重信号光を波長λ1の信号光と、波長λ2の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光とに分離する。そして、WSS222は、分離後の波長λ2の信号光を第1出力ポート222Out1を介してAWG341へ分岐(Drop)させる。
【0138】
そして、WSS222は、AWG342から第2入力ポート222In2を介して入力される信号光を分離して、分離後の波長λ4の信号光と、前述において分離した波長λ1の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光とを合波する。そして、WSS222は、合波後の波長多重信号光を第2出力ポート222Out2を介してEDFA150へ出力する。
【0139】
上記例の場合、WSS222が有するミラーのうち、波長λ2及びλ4の信号光が入射されるミラーは、図10の(状態1)に例示した位置及び角度に配置される。また、例えば、WSS222が有するミラーのうち、波長λ1、λ3及びλ5の信号光が入射されるミラーは、図10の(状態2)に例示した位置及び角度に配置される。これにより、WSS222は、波長λ2の信号光をDropすることができるとともに、波長λ4の信号光をAddすることができる。
【0140】
[実施例5の効果]
上述してきたように、実施例5に係る中継器300は、1個のWSS222により実現されるOADM装置340を有する。これにより、実施例5に係る中継器300は、小規模の構成によりOADM装置を実現することができる。このような中継器300は、3R(Reshaping Retiming Regeneration)再生中継器に適用することができる。
【実施例6】
【0141】
上記実施例3に示したWSS221や、実施例4に示したWSS321、421、521は、クロスコネクトを実現するWDM伝送路で用いられる中継器に適用することもできる。実施例6では、クロスコネクトを実現する中継器に実施例3に示したWSSを適用する例を示す。
【0142】
図16は、実施例6に係るWDMシステムの構成例を示す図である。図16に示すように、実施例6に係るWDMシステム60は、WSS621と、WSS622とによってクロスコネクトが実現される。WSS621及びWSS622の構成は、実施例3に示したWSS221の構成と同様である。なお、WSS621及びWSS622の構成は、実施例4に示したWSS321、421、521の構成と同様であってもよい。
【0143】
WSS621は、伝送路13に配置され、入力ポートIn11及びIn21と、出力ポートOut11及びOut21とを有する。また、WSS622は、伝送路14に配置され、入力ポートIn12及びIn22と、出力ポートOut12及びOut22とを有する。
【0144】
例えば、伝送路13には、波長λ1、λ2、λ3、λ5の信号光を含む波長多重信号光が伝送するものとする。また、WSS621は、波長λ2の信号光を伝送路14へ中継するものとする。また、伝送路14には、波長λ1、λ3、λ4、λ5の信号光を含む波長多重信号光が伝送するものとする。また、WSS622は、波長λ4の信号光を伝送路13へ中継するものとする。
【0145】
かかる場合に、WSS621は、伝送路13から入力ポートIn11を介して入力される波長多重信号光を波長λ1の信号光と、波長λ2の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光とに分離する。そして、WSS621は、分離後の波長λ2の信号光を出力ポートOut21から出力する。出力ポートOut21から出力された波長λ2の信号光は、入力ポートIn12を介してWSS622に入力される。
【0146】
また、WSS622は、伝送路14から入力ポートIn22を介して入力される波長多重信号光を波長λ1の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ4の信号光と、波長λ5の信号光とに分離する。そして、WSS622は、分離後の波長λ4の信号光を出力ポートOut22から出力する。出力ポートOut22から出力された波長λ4の信号光は、入力ポートIn21を介してWSS621に入力される。
【0147】
そして、WSS621は、入力ポートIn21から入力される波長λ4の信号光と、入力ポートIn11から入力される波長多重信号光に含まれる波長λ1の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光とを合波する。そして、WSS621は、合波後の波長多重信号光を出力ポートOut11を介して伝送路13へ出力する。
【0148】
また、WSS621は、入力ポートIn12から入力される波長λ2の信号光と、入力ポートIn22から入力される波長多重信号光に含まれる波長λ1の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光とを合波する。そして、WSS622は、合波後の波長多重信号光を出力ポートOut12を介して伝送路14へ出力する。
【0149】
[実施例6の効果]
上述してきたように、実施例6に係るWDMシステム60は、上記実施例3に示したWSS221や、実施例4に示したWSS321、421、521を用いてクロスコネクトを実現することができる。
【実施例7】
【0150】
上記実施例6では、2個のWSSを用いてクロスコネクトを実現する例を示した。しかし、1個のWSSを用いてクロスコネクトを実現することもできる。実施例7では、1個のWSSを用いてクロスコネクトを実現するWDMシステムの例について説明する。
【0151】
図17は、実施例7に係るWDMシステム70の構成例を示す図である。図17に示すように、実施例7に係るWDMシステム70は、WSS721によってクロスコネクトが実現される。具体的には、WSS721は、第1入力ポート721In1と、第2入力ポート721In2と、第1出力ポート721Out1と、第2出力ポート721Out2とを有する。
【0152】
WSS721は、伝送路15を伝送する波長多重信号光を波長毎に分離し、分離後の信号光を第1出力ポート721Out1又は第2出力ポート721Out2から出力する。また、WSS721は、伝送路16を伝送する波長多重信号光を波長毎に分離し、分離後の信号光を第1出力ポート721Out1又は第2出力ポート721Out2から出力する。
【0153】
例えば、伝送路15には、波長λ1、λ2、λ3、λ5の信号光を含む波長多重信号光が伝送するものとする。また、WSS721は、伝送路15を伝送する波長多重信号光に含まれる波長λ2の信号光を伝送路16へ中継するものとする。また、伝送路16には、波長λ1、λ3、λ4、λ5の信号光を含む波長多重信号光が伝送するものとする。また、WSS721は、伝送路16を伝送する波長多重信号光に含まれる波長λ4の信号光を伝送路15へ中継するものとする。
【0154】
かかる場合に、WSS721は、伝送路15から第1入力ポート721In1を介して入力される波長多重信号光を波長λ1の信号光と、波長λ2の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光とに分離する。そして、WSS721は、分離後の波長λ2の信号光を第1出力ポート721Out1から出力する。
【0155】
また、WSS721は、伝送路16から第2入力ポート721In2を介して入力される波長多重信号光を波長λ1の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ4の信号光と、波長λ5の信号光とに分離する。そして、WSS721は、分離後の波長λ4の信号光を第2出力ポート721Out2から出力する。
【0156】
このとき、WSS721は、伝送路15から入力される波長多重信号光に含まれる波長λ1の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光と、伝送路16から入力される波長多重信号光に含まれる波長λ4の信号光とを合波する。そして、WSS721は、合波後の波長多重信号光を第2出力ポート721Out2を介して伝送路15へ出力する。
【0157】
また、WSS721は、伝送路16から入力される波長多重信号光に含まれる波長λ1の信号光と、波長λ3の信号光と、波長λ5の信号光と、伝送路15から入力される波長多重信号光に含まれる波長λ2の信号光とを合波する。そして、WSS721は、合波後の波長多重信号光を第1出力ポート721Out1を介して伝送路16へ出力する。
【0158】
[実施例7におけるWSSの構成]
次に、図18を用いて、図17に示したWSS721の構成について説明する。図18は、図17に示したWSS721の模式図である。なお、図18の(状態1)及び(状態2)には、WSS721が有するミラー(後述するミラー721M−1〜721M−4)の反射角が異なる例を示している。
【0159】
図18の(状態1)に示すように、WSS721は、第1入力ポート721In1と、第2入力ポート721In2と、第1出力ポート721Out1と、第2出力ポート721Out2とを有する。第1入力ポート721In1、第2入力ポート721In2は、それぞれ図10に示した第1入力ポート221In1、第2入力ポート221In2に対応する。また、第1出力ポート721Out1、第2出力ポート721Out2は、それぞれ図10に示した第1出力ポート221Out1、第2出力ポート221Out2に対応する。
【0160】
また、WSS721は、第1サーキュレータ721C1と、第2サーキュレータ721C2とを有する。第1サーキュレータ721C1は、第1入力ポート721In1に入力される信号光を回析格子221G方向へ出力し、回析格子221G方向から入射される信号光を第2出力ポート721Out2へ出力する。第2サーキュレータ721C2は、第2入力ポート721In2に入力される信号光を回析格子221G方向へ出力し、回析格子221G方向から入射される信号光を第1出力ポート721Out1へ出力する。
【0161】
また、WSS721は、第1中継ポート721P1と、第2中継ポート721P2と、ポート721P3及びポート721P4とを有する。第1中継ポート721P1及び第2中継ポート721P2は、相互に接続される。例えば、第1中継ポート721P1に入力される信号光は、第2中継ポート721P2から出力される。また、例えば、第2中継ポート721P2に入力される信号光は、第1中継ポート721P1から出力される。
【0162】
また、図18の(状態1)に示すように、WSS721は、第1反射部721R1を有する。第1反射部721R1は、第1ミラー721M−1と、第2ミラー721M−2とを有する。第1ミラー721M−1は、図18の(状態1)に示すように、第1サーキュレータ721C1から入射される信号光を第1中継ポート721P1に反射させる角度で配置される。つまり、第1ミラー721M−1は、図18の(状態1)に示すように、第1中継ポート721P1から入射される信号光を第1サーキュレータ721C1に反射させる。
【0163】
また、第2ミラー721M−2は、図18の(状態1)に示すように、第2サーキュレータ721C2から入射される信号光を第2中継ポート721P2に反射させる角度で配置される。つまり、第2ミラー721M−2は、図18の(状態1)に示すように、第2中継ポート721P2から入射される信号光を第2サーキュレータ721C2に反射させる。
【0164】
図18の(状態1)に示した例において、第1入力ポート721In1に入力される信号光は、第1サーキュレータ721C1を介して第1ミラー721M−1に入射される。そして、かかる信号光は、第1ミラー721M−1によって第1中継ポート721P1に反射される。第1中継ポート721P1に入射された信号光は、第2中継ポート721P2から出力される。第2中継ポート721P2から出力される信号光は、第2ミラー721M−2によって第2サーキュレータ721C2に反射される。第2サーキュレータ721C2に入射された信号光は、第1出力ポート721Out1から出力される。
【0165】
また、図18の(状態1)に示した例において、第2入力ポート721In2に入力される信号光は、第2サーキュレータ721C2を介して第2ミラー721M−2に入射される。そして、かかる信号光は、第2ミラー721M−2によって第2中継ポート721P2に反射される。第2中継ポート721P2に入射された信号光は、第1中継ポート721P1から出力される。第1中継ポート721P1から出力される信号光は、第1ミラー721M−1によって第1サーキュレータ721C1に反射される。第1サーキュレータ721C1に入射された信号光は、第2出力ポート721Out2から出力される。
【0166】
すなわち、図18の(状態1)に示した例では、第1入力ポート721In1と第1出力ポート721Out1との間で信号光が送受されるとともに、第2入力ポート721In2と第2出力ポート721Out2との間で信号光が送受される。
【0167】
また、図18の(状態2)に示した例では、WSS721は、第2反射部721R2を有する。第2反射部721R2は、第3ミラー721M−3と、第4ミラー721M−4とを有する。
【0168】
第3ミラー721M−3は、第1サーキュレータ721C1から入射される信号光を第1サーキュレータ721C1に反射させる角度で配置される。また、第4ミラー721M−4は、第2サーキュレータ721C2から入射される信号光を第2サーキュレータ721C2に反射させる角度で配置される。
【0169】
図18の(状態2)に示した例において、第1入力ポート721In1に入力される信号光は、第1サーキュレータ721C1を介して第3ミラー721M−3に入射される。そして、かかる信号光は、第3ミラー721M−3によって第1サーキュレータ721C1に反射される。第1サーキュレータ721C1に入射された信号光は、第2出力ポート721Out2から出力される。
【0170】
また、図18の(状態2)に示した例において、第2入力ポート721In2に入力される信号光は、第2サーキュレータ721C2を介して第4ミラー721M−4に入射される。そして、かかる信号光は、第4ミラー721M−4によって第2サーキュレータ721C2に反射される。第2サーキュレータ721C2に入射された信号光は、第1出力ポート721Out1から出力される。
【0171】
すなわち、図18の(状態2)に示した例では、第1入力ポート721In1と第2出力ポート721Out2との間で信号光が送受されるとともに、第2入力ポート721In2と第1出力ポート721Out1との間で信号光が送受される。
【0172】
[実施例7の効果]
上述してきたように、実施例7に係るWDMシステム70は、1個のWSS721を用いてクロスコネクトを実現することができる。
【0173】
なお、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0174】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0175】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0176】
(付記1)入力される波長多重信号光を波長毎に分離して、分離した信号光の波長に応じて該信号光を第1出力ポート又は第2出力ポートから出力する第1波長選択スイッチと、
前記第1波長選択スイッチによって前記第1出力ポートから出力された信号光に対して波長分散補償を行う波長分散補償部と、
前記波長分散補償部によって波長分散補償が行われた信号光と、前記第1波長選択スイッチによって前記第2出力ポートから出力された信号光とを合波する第2波長選択スイッチと
を備えることを特徴とする信号光処理装置。
【0177】
(付記2)入力される波長多重信号光を波長に応じて第1信号光と第2信号光とに分離する波長選択スイッチと、
前記波長選択スイッチによって分離された第1信号光に対して波長分散補償を行う波長分散補償部とを有し、
前記波長選択スイッチは、前記波長分散補償部によって波長分散補償が行われた信号光と、前記第2信号光とを合波することを特徴とする信号光処理装置。
【0178】
(付記3)前記波長分散補償部は、波長分散補償後の信号光を光増幅する光増幅器をさらに備え、
前記波長選択スイッチは、前記光増幅器によって光増幅された信号光と、前記第2信号光とを合波することを特徴とする付記2に記載の信号光処理装置。
【0179】
(付記4)付記1〜3のいずれか一つに記載の信号光処理装置と、
前記信号光処理装置によって合波された波長多重信号光を受信し、受信した波長多重信号光を送信する光分岐挿入装置と
を備えることを特徴とする光伝送装置。
【0180】
(付記5)信号光が入力される第1入力ポート及び第2入力ポートと、
前記第1入力ポート又は前記第2入力ポートに入力される信号光に含まれる少なくとも一部の波長の信号光を出力する第1出力ポート及び第2出力ポートと、
前記第1入力ポート又は前記第2入力ポートに入力される信号光を波長毎に分離し、入射される複数の信号光を合波する分離合波器と、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記分離合波器を介して前記第1出力ポートに反射させ、前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記分離合波器を介して前記第2出力ポートに反射させる第1反射部と、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記分離合波器を介して前記第2出力ポートに反射させる第2反射部と
を備えることを特徴とする波長選択スイッチ。
【0181】
(付記6)前記第1反射部は、前記第1入力ポート及び前記第1出力ポートを両端とする線分の中点と、前記第2入力ポート及び前記第2出力ポートを両端とする線分の中点とを結ぶ直線上に配置される反射鏡を有することを特徴とする付記5に記載の波長選択スイッチ。
【0182】
(付記7)入力される信号光を相互に送受する第1中継ポート及び第2中継ポートをさらに備え、
前記第1反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第1出力ポートに反射させる第1反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第2出力ポートに反射させる第2反射鏡と
を有し、
前記第2反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記第1中継ポートに反射させる第3反射鏡と、
前記第3反射鏡によって前記第1中継ポートに反射させられることにより前記第2中継ポートから出力される信号光を前記第2出力ポートに反射させる第4反射鏡と
を有することを特徴とする付記5に記載の波長選択スイッチ。
【0183】
(付記8)前記第1反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第1出力ポートに反射させる第1反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第2出力ポートに反射させる第2反射鏡と
を有し、
前記第2反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を第3反射鏡に反射させる第4反射鏡と、
前記第4反射鏡によって前記第3反射鏡に反射させられることにより該第3反射鏡から入射される信号光を前記第2出力ポートに反射させる第5反射鏡と
を有することを特徴とする付記5に記載の波長選択スイッチ。
【0184】
(付記9)前記第1入力ポートに入力される信号光を前記分離合波器方向へ出力し、前記第1反射部又は前記第2反射部から入射される信号光を前記第2出力ポートへ出力する第1サーキュレータと、
前記第2入力ポートに入力される信号光を前記分離合波器方向へ出力し、前記第1反射部又は前記第2反射部から入射される信号光を前記第1出力ポートへ出力する第2サーキュレータと、
入力される信号光を相互に送受する第1中継ポート及び第2中継ポートと
をさらに備え、
前記第1反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第1中継ポートに反射させ、前記第1中継ポートから出力される信号光を前記第1サーキュレータに反射させる第1反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第2中継ポートに反射させ、前記第2中継ポートから出力される信号光を前記第2サーキュレータに反射させる第2反射鏡と
を有し、
前記第2反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記第1サーキュレータに反射させる第3反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記第2サーキュレータに反射させる第4反射鏡と
を有することを特徴とする付記5に記載の波長選択スイッチ。
【0185】
(付記10)前記光分岐挿入装置は、付記5〜9のいずれか一つに記載の波長選択スイッチを有し、
前記第1入力ポートは、前記信号光処理装置によって合波された波長多重信号光が入力され、
前記第1出力ポートは、前記第1入力ポートに入力された波長多重信号光に含まれる第1波長の信号光を出力し、
前記第2入力ポートは、外部から波長多重信号光が入力され、
前記第2出力ポートは、前記第1入力ポートに入力された波長多重信号光に含まれる第1波長以外の波長の信号光と、前記第2入力ポートに入力された波長多重信号光に含まれる第2波長の信号光とが合波された波長多重信号光を出力する付記4に記載の光伝送装置。
【0186】
(付記11)第1伝送路と第2伝送路とを有する波長分割多重伝送システムであって、
付記5〜8のいずれか一つに記載の波長選択スイッチであって、前記第1伝送路を伝送する波長多重信号光に含まれる信号光の経路を前記第2伝送路に切り替える第1中継器と、
付記5〜8のいずれか一つに記載の波長選択スイッチであって、前記第2伝送路を伝送する波長多重信号光に含まれる信号光の経路を前記第1伝送路に切り替える第2中継器と
を備えることを特徴とする波長分割多重伝送システム。
【0187】
(付記12)第1伝送路と第2伝送路とを有する波長分割多重伝送システムであって、
付記9に記載の波長選択スイッチであって、前記第1伝送路を伝送する波長多重信号光に含まれる信号光の経路を前記第2伝送路に切り替えるとともに、前記第2伝送路を伝送する波長多重信号光に含まれる信号光の経路を前記第1伝送路に切り替える中継器を備えることを特徴とする波長分割多重伝送システム。
【0188】
(付記13)信号光処理装置によって実行される信号光処理方法であって、
前記信号光処理装置が、
入力される波長多重信号光を波長毎に分離して、分離した信号光の波長に応じて該信号光を第1出力ポート又は第2出力ポートから出力する第1波長選択ステップと、
前記第1波長選択ステップによって前記第1出力ポートから出力された信号光に対して波長分散補償を行う波長分散補償ステップと、
前記波長分散補償ステップによって波長分散補償が行われた信号光と、前記第1波長選択ステップによって前記第2出力ポートから出力された信号光とを合波する第2波長選択ステップと
を実行することを特徴とする信号光処理方法。
【符号の説明】
【0189】
1 信号光処理装置
2 第1波長選択スイッチ
3 波長分散補償部
4 第2波長選択スイッチ
10、60、70 WDMシステム
20 送信装置
21−1〜21−n 光送信器
22、35 AWG
23、32、34b、36、110、132、150 EDFA
30 受信装置
31−1〜31−n 光受信器
34a、131 DCM
37 TDC
100、200、300 中継器
121M−1〜121M−n ミラー
121L、221L レンズ
121G、221G 回析格子
121In1 入力ポート
121Out1 第1出力ポート
121Out2 第2出力ポート
33a、121、141 分岐部
33b、122、142 合波部
130 光信号処理部
140、340 OADM装置
221M−1〜221M−3 第1ミラー〜第3ミラー
221In1、222In1、321In1、421In1、521In1、721In1 第1入力ポート
221In2、222In2、321In2、421In2、521In2、721In2 第2入力ポート
221Out1、222Out1、321Out1、421Out1、521Out1、721Out1 第1出力ポート
221Out2、222Out2、321Out2、421Out2、521Out2、721Out2 第2出力ポート
221R1〜221R3 第1反射部〜第3反射部
321M−1〜321M−3 第1ミラー〜第3ミラー
321C1、721C1 第1サーキュレータ
321C2、721C2 第2サーキュレータ
321R1〜321R3 第1反射部〜第3反射部
421M−1〜421M−6 第1ミラー〜第6ミラー
421P1、721P1 第1中継ポート
421P2、721P2 第2中継ポート
421R1〜421R3 第1反射部〜第3反射部
521M−1〜521M−9 第1ミラー〜第9ミラー
521R1〜521R3 第1反射部〜第3反射部
721M−1〜721M−4 第1ミラー〜第4ミラー
721R1 第1反射部
721R2 第2反射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される波長多重信号光を波長毎に分離して、分離した信号光の波長に応じて該信号光を第1出力ポート又は第2出力ポートから出力する第1波長選択スイッチと、
前記第1波長選択スイッチによって前記第1出力ポートから出力された信号光に対して波長分散補償を行う波長分散補償部と、
前記波長分散補償部によって波長分散補償が行われた信号光と、前記第1波長選択スイッチによって前記第2出力ポートから出力された信号光とを合波する第2波長選択スイッチと
を備えることを特徴とする信号光処理装置。
【請求項2】
入力される波長多重信号光を波長に応じて第1信号光と第2信号光とに分離する波長選択スイッチと、
前記波長選択スイッチによって分離された第1信号光に対して波長分散補償を行う波長分散補償部とを有し、
前記波長選択スイッチは、前記波長分散補償部によって波長分散補償が行われた信号光と、前記第2信号光とを合波することを特徴とする信号光処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の信号光処理装置と、
前記信号光処理装置によって合波された波長多重信号光を受信し、受信した波長多重信号光を送信する光分岐挿入装置と
を備えることを特徴とする光伝送装置。
【請求項4】
信号光が入力される第1入力ポート及び第2入力ポートと、
前記第1入力ポート又は前記第2入力ポートに入力される信号光に含まれる少なくとも一部の波長の信号光を出力する第1出力ポート及び第2出力ポートと、
前記第1入力ポート又は前記第2入力ポートに入力される信号光を波長毎に分離し、入射される複数の信号光を合波する分離合波器と、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記分離合波器を介して前記第1出力ポートに反射させ、前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記分離合波器を介して前記第2出力ポートに反射させる第1反射部と、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記分離合波器を介して前記第2出力ポートに反射させる第2反射部と
を備えることを特徴とする波長選択スイッチ。
【請求項5】
前記第1反射部は、前記第1入力ポート及び前記第1出力ポートを両端とする線分の中点と、前記第2入力ポート及び前記第2出力ポートを両端とする線分の中点とを結ぶ直線上に配置される反射鏡を有することを特徴とする請求項4に記載の波長選択スイッチ。
【請求項6】
入力される信号光を相互に送受する第1中継ポート及び第2中継ポートをさらに備え、
前記第1反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第1出力ポートに反射させる第1反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第2出力ポートに反射させる第2反射鏡と
を有し、
前記第2反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記第1中継ポートに反射させる第3反射鏡と、
前記第3反射鏡によって前記第1中継ポートに反射させられることにより前記第2中継ポートから出力される信号光を前記第2出力ポートに反射させる第4反射鏡と
を有することを特徴とする請求項4に記載の波長選択スイッチ。
【請求項7】
前記第1反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第1出力ポートに反射させる第1反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第2出力ポートに反射させる第2反射鏡と
を有し、
前記第2反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を第3反射鏡に反射させる第4反射鏡と、
前記第4反射鏡によって前記第3反射鏡に反射させられることにより該第3反射鏡から入射される信号光を前記第2出力ポートに反射させる第5反射鏡と
を有することを特徴とする請求項4に記載の波長選択スイッチ。
【請求項8】
前記第1入力ポートに入力される信号光を前記分離合波器方向へ出力し、前記第1反射部又は前記第2反射部から入射される信号光を前記第2出力ポートへ出力する第1サーキュレータと、
前記第2入力ポートに入力される信号光を前記分離合波器方向へ出力し、前記第1反射部又は前記第2反射部から入射される信号光を前記第1出力ポートへ出力する第2サーキュレータと、
入力される信号光を相互に送受する第1中継ポート及び第2中継ポートと
をさらに備え、
前記第1反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第1中継ポートに反射させ、前記第1中継ポートから出力される信号光を前記第1サーキュレータに反射させる第1反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第1波長の信号光を前記第2中継ポートに反射させ、前記第2中継ポートから出力される信号光を前記第2サーキュレータに反射させる第2反射鏡と
を有し、
前記第2反射部は、
前記第1入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記第1サーキュレータに反射させる第3反射鏡と、
前記第2入力ポートに入力される信号光のうち、前記分離合波器によって分離された第2波長の信号光を前記第2サーキュレータに反射させる第4反射鏡と
を有することを特徴とする請求項4に記載の波長選択スイッチ。
【請求項9】
信号光処理装置によって実行される信号光処理方法であって、
前記信号光処理装置が、
入力される波長多重信号光を波長毎に分離して、分離した信号光の波長に応じて該信号光を第1出力ポート又は第2出力ポートから出力する第1波長選択ステップと、
前記第1波長選択ステップによって前記第1出力ポートから出力された信号光に対して波長分散補償を行う波長分散補償ステップと、
前記波長分散補償ステップによって波長分散補償が行われた信号光と、前記第1波長選択ステップによって前記第2出力ポートから出力された信号光とを合波する第2波長選択ステップと
を実行することを特徴とする信号光処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−199779(P2011−199779A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66933(P2010−66933)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】