説明

信号処理装置、及び映像表示装置

【課題】従来の映像表示装置は、出力する垂直同期信号の周期が入力される垂直同期信号の周期と異なる。そのため、両者の長短の関係により、一定周期のフレーム落ち、又は同一フレームの2度書きが発生し、映像が不連続に表示されるという問題がある。そこで本発明は、表示手段における映像の不連続表示の頻度を低減することが可能な信号処理装置を提案することを目的とする。
【解決手段】第1の読み出し周期による読み出しと第2の読み出し周期による読み出しとが繰返し切り替えられるように読み出し周期を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された映像信号を蓄えるフレームメモリーを備える信号処理装置、及び当該信号処理装置を用いた映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の液晶テレビなどの映像表示装置には、映像を表示させる際に、装置に入力される垂直同期信号の周期とは異なり、映像表示装置に対応した表示周期で表示させるものがある。このような映像表示装置として、入力される垂直同期信号の周期を基準に画像信号をフレームメモリーに蓄える一方で、表示手段へ出力する垂直同期信号の周期を基準にフレームメモリーから画像信号を読み出すものがある(特許文献1)。この装置では、入力の垂直同期信号の周期に関係なく、表示手段への垂直同期信号の周期を安定的に一定にすることができるので、入力される垂直同期信号の周期の変化などにより発生するノイズ表示などを考慮することなく装置の設計を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−83928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、出力する垂直同期信号の周期が、入力される垂直同期信号の周期と異なるので、これら入出力の周期差がずれとして蓄積されていく。蓄積されたずれが所定以上の大きさになると、フレーム落ち、又は同一フレームの2度書きが発生し、映像が不連続に表示される。特許文献1のような従来の映像表示装置においては、出力する垂直同期信号の周期と入力される垂直同期信号の周期は変化しないため、蓄積されるずれは画像データが読み出される度に増加し、ある時間で所定値に達してしまう。従って、映像の不連続の表示が頻繁に発生してしまうという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、表示手段における映像の不連続表示の頻度を低減することが可能な信号処理装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る信号処理装置は、画像信号に含まれる画像データを記録する画像データ記録手段と、画像信号に対応する垂直同期信号に基づいた書き込み周期で、画像データ記録手段に画像データを書き込む書き込み手段と、画像データを表示する表示手段の表示周期に対応して離散的に存在する複数の読み出し周期のうち、書き込み周期よりも長い第1の読み出し周期、及び書き込み周期よりも短い第2の読み出し周期で、画像データ記録手段から画像データを読み出す読み出し手段と、読み出された画像データを表示手段に出力する出力手段と、第1の読み出し周期による読み出しと第2の読み出し周期による読み出しとが周期的に切り替えられるように読み出し手段を制御する読み出し制御手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る信号処理装置は、第1の読み出し周期による読み出しと第2の読み出し周期による読み出しとが周期的に切り替えられるように読み出し手段を制御するので、読み出しが不連続となる頻度が低減され、表示手段における映像の不連続表示の頻度を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る液晶テレビ10の構成を示す概略図である。図示の液晶テレビ10は、信号処理部9、及び液晶モジュール16を有している。信号処理部9は、周波数計測部11、タイミング発生部12、画像処理部13、フレームメモリー14、制御部15、から構成される。液晶テレビ10は、映像信号を発生する供給部(図示せず)に接続されており、供給部から受けた映像信号に基づいて液晶モジュール16に映像を表示する。映像信号は、画像信号としてのデジタルビデオ信号Vdと当該デジタルビデオ信号の同期信号Syとから構成されている。
【0009】
周波数計測部11は、供給部から受けた同期信号Syに含まれる水平同期信号および垂直同期信号の周波数をそれぞれ計測し、制御信号Scとして制御部15に出力する。制御部15は、周波数計測部11から出力された制御信号Scを受け、制御信号Scに含まれる周波数の計測結果から、映像信号のフォーマット(480i等)を判定する。
【0010】
タイミング発生部12は、供給部から受けた同期信号Sy、及び制御部15から出力される制御信号Scの指示によって、液晶モジュール16に適した周期の液晶タイミング信号を生成し、出力する。液晶タイミング信号は、映像エリア信号Se、及びクロックSkなどから構成されている。また、タイミング発生部12は、フレームメモリー14への画像処理部13によるメモリー画像用信号Vmの書き込み、または読み出しを指示するリード、ライト信号Swrをフレームメモリー14に出力する。リード信号には、画像データの読み出し周期の情報が含まれており、ライト信号には、画像データの書き込み周期の情報が含まれている。また、画像処理部13における画像処理タイミングを指示する画像処理タイミング信号Stを生成し、画像処理部13へ出力する。
【0011】
画像処理部13は、制御部15からの制御信号Scによる指示、および、画像処理タイミング信号Stによって、デジタルビデオ信号Vdを液晶モジュール16に適した画像信号へ拡大、縮小処理する。この際、画像信号をメモリー画像用信号Vmによってフレームメモリー14へ蓄え、処理を行う。また、画像処理部13は、出力手段として、処理後の画像信号を液晶画像信号Vpとして液晶モジュール16へ出力する。
【0012】
画像処理部13のメモリー画像用信号Vmによる画像データの書き込み、及び読み込みは、制御部15からの制御信号Scによる指示、および、画像処理タイミング信号Stによって行われる。フレームメモリー14からの画像データ読み出しは、リード信号に含まれる読み出し周期で行われ、フレームメモリー14への画像データの書き込みは、ライト信号に含まれる書き込み周期で行われる。このように、画像処理部13は、タイミング発生部12と共に書き込み手段及び読み出し手段を構成している。
【0013】
フレームメモリー14は、リード、ライト信号Swr、メモリー画像用信号Vmに従い、画像信号を一時的に蓄える。フレームメモリー14は、画像信号に含まれる画像データを記録する画像データ記録手段である。
【0014】
制御部15は、制御信号Scによって、受信するデジタルビデオ信号Vdの同期信号Syの情報を周波数計測部11から得、タイミング発生部12、画像処理部13の処理方法と出力を指示する。また、制御部15は、周波数計測部11から、同期信号Syに含まれる垂直同期信号の周期Viを取得し、取得した周期Viから液晶モジュール16への垂直同期信号の周期Voを決定する。周期Voは、液晶モジュール16が表示可能な離散的に存在する周期のうち、周期Viを挟んで隣接する第1の周期Vo1又は第2の周期Vo2のいずれかの周期とする。制御部15は、決定した周期Voに基づいて、ある期間の間Vo=Vo1となり、またある期間の間Vo=Vo2となるように定期的にタイミング発生部12を制御する。このように、制御部15は、タイミング発生部12と画像処理部13とからなる読み出し手段の読み出し周期を制御する読み出し制御手段としての機能を有している。
【0015】
制御部15によりタイミング発生部12が制御されることで、タイミング発生部12からは、制御された周期情報を含む映像エリア信号Se及びクロックSkからなる液晶タイミング信号が液晶モジュール16へ出力される。表示手段としての液晶モジュール16は、液晶画像信号Vp、映像エリア信号Se及びクロックSkからなる液晶タイミング信号を受け映像を表示する。
【0016】
次に、本発明に係る液晶テレビの動作について説明する。まず比較のために従来の液晶テレビの動作を説明し、それから本発明の液晶テレビの動作を説明する。
【0017】
図2は従来の液晶テレビにおけるフレーム落ちの発生を示す概略図である。図2を用いて周期Vi<周期Voのフレーム落ちの場合を説明する。図2は、図中左から右に向かって時間が経過するにつれ、フレームメモリー14に書き込まれる画像データとフレームメモリー14から読み出される画像データとが順次変化してく様子を2段に分けて示している。
【0018】
ここで、画像処理部13が制御部15から1フレーム分の画像データを読み出すよう指示を受けた場合は、画像データの読み出し開始時に、直前に書き込みが完了した画像データを読み出すよう動作するものとする。例えば、図2における読み出し開始時刻aでは、画像処理部13は、書き込み中の4フレーム目の画像データではなく、直前に書き込みが完了している3フレーム目の画像データを読み出す動作をする。
【0019】
図2において、2フレーム目の画像データの書き込み開始時刻と1フレーム目の画像データの読み出し開始時刻は一致している。しかし周期Viが周期Voよりも短いことから、3フレーム目の画像データの書き込み開始時刻は、2フレーム目の画像データの読み出し開始時刻よりも、周期Voと周期Viとの差に相当する期間ΔVx1だけ早まっている。周期Viが周期Voよりも短いという関係はその後も変化しないため、画像データの読み出しを行うごとに周期Viと周期Voとの差に相当する期間ΔVxずつ読み出し開始時刻に当たる箇所がずれていく。
【0020】
図2では、n+2フレーム目の画像データの書き込み開始時刻とn+1フレーム目の画像データの読み出し開始時刻との差である期間ΔVxnは周期Viを越えていないため、n+1フレーム目の画像データの読み出しまでは、画像データを順に読み出している。しかし、n+3フレーム目の画像データの書き込み開始時刻とn+2フレーム目の画像データの読み出し開始時刻との差である期間ΔVx(n+1)は周期Viを越えていることから、n+2フレーム目の画像データは読み出しを飛ばされ、n+3フレーム目の画像データが読み出されている。そのため、液晶テレビ10の表示としては、n+2フレーム目の画像データが表示されず、不連続表示となる。
【0021】
このように、書き込み開始時刻と読み出し開始時刻との差である期間ΔVxが周期Viを超えたところでフレーム落ちが発生し、不連続表示となる。このフレーム落ちは、その後も期間ΔVxが周期Viを超えるたびに定期的に発生するので、不連続表示も定期的に発生することとなる。
【0022】
なお、図2においては、周期Vi<周期Voのフレーム落ちの場合を説明したが、逆に周期Vi>周期Voの場合は、フレームの2度書きが発生する。フレームの2度書きについても、フレーム落ちの場合と同様に考えることができる。周期Viと周期Voとの差である期間ΔVxが画像データの読み出しを行うごとに増加していき、期間ΔVxが周期Viを越える度に定期的にフレームの2度書きが発生し、不連続表示となる。
【0023】
図3は、本発明に係る液晶テレビ10の動作例について示したものである。図3は、図中左から右に向かって時間が経過するにつれ、フレームメモリー14に書き込まれる画像データとフレームメモリー14から読み出される画像データとが順次変化してく様子を3段に分けて示している。図2と同一または対応する部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0024】
図3において、制御部15は、時刻t0から時刻t1まで期間Xの間、読み出し周期を第1の周期Vo1に設定し、時刻t1から時刻t2まで期間Yの間、読み出し周期を第2の周期Vo2に設定するよう、タイミング発生部12及び画像処理部13を制御している。また、この周期の切り替えは、その後も期間X、または期間Yが経過する毎に繰り返される。ここで、第1の周期Vo1は、液晶モジュール16が表示可能な離散的に存在する周期のうち、周期Viに隣接し周期Viよりも長い周期に設定されるものとし、第2の周期Vo2は、液晶モジュール16が表示可能な離散的に存在する周期のうち、周期Viに隣接し周期Viよりも短い周期に設定されるものとする。
【0025】
第1の周期Vo1は周期Viよりも長く設定されているため、時刻t0から時刻t1まで期間Xの間、期間ΔVxは時間の経過と共に増加していく。時刻t1での期間ΔVx(k−1)が最大値となるが、この期間ΔVx(k−1)が周期Viよりも長い場合はフレーム落ちが発生してしまうので、期間Xは期間ΔVx(k−1)が周期Viより長くならない範囲で設定される。
【0026】
時刻t1になると、周期Voは第1の周期Vo1から第2の周期Vo2に切り替えられる。第2の周期Vo2は第1の周期Viよりも短いため、周期Voが第1の周期Vo1に設定されていたことによって蓄積されていた期間ΔVxは時間の経過と共に減少していく。時刻t1から期間Yが経過した時刻t2では期間ΔVx(m−2)は最小となるが、この期間ΔVx(m−2)が負の値である場合はフレームの2度書きが発生してしまうため、期間Yは期間ΔVx(m−2)が正または零となる範囲で設定される。
【0027】
時刻t2になると、再度周期Voは第2の周期Vo2から第1の周期Vo1に切り替えられ、その後は期間X、または期間Yが経過する度に、周期Voが周期Vo1または周期Vo2に交互に切り替えられる。
【0028】
このように、第1の周期Vo1を周期Viよりも長く、第2の周期Vo2を周期Viよりも短く設定した場合は、期間ΔVxが零以上であって周期Vi以下になるように、周期Voを第1の周期Vo1または第2の周期Vo2に切り替えることで、フレーム落ち及びフレームの2度書きを防ぎ、不連続表示の発生を防ぐことができる。
【0029】
次に、第1の周期Vo1、第2の周期Vo2、期間X、及び期間Yのより具体的な設定について説明する。以下では、周期Vi=16.68335mSec(周波数=59.94Hz)であり、使用する液晶モジュール16の仕様により、クロックSkの周波数(Fsk)=82MHz、映像エリア信号Seに含まれる水平周期=1706/Fskに設定するものとする。
【0030】
周期Vo=(映像エリア信号Seに含まれる水平周期)×(映像エリア信号Seに含まれる総ライン数)であるので、周期Viを挟んで隣接する2つの周期Vo1とVo2は、映像エリア信号Seに含まれる総ライン数が802の場合の16.68551mSecと、映像エリア信号Seに含まれる総ライン数が801の場合の16.66471mSecとなる。
【0031】
ここで、第1の周期Vo1=16.68551mSec、第2のVo2=16.66471mSecであるとすると、周期Viと第1の周期Vo1との周期差ΔV1は、2.16μSecとなり、周期Viと第2の周期Vo2との周期差ΔV2は、18.64μSecとなる。
【0032】
周期差ΔV1と周期差ΔV2とを互いに打ち消し合うように発生させれば、結果的に読み出しの周期Voとしては周期Viとの周期差が生じず、不連続表示の発生を防ぐことができる。
【0033】
このような状況となるのは、画像信号に含まれる画像データ数(すなわち、周期が周期Viの画像データ数)をhとし、読み出される画像データのうち周期が周期Vo1の画像データ数をj、周期が周期Vo2の画像データ数をkとしたときに、以下の条件を満たす場合である。
【0034】
【数1】

【0035】
また、上記の式は、Vo=Vo1で動作するよう設定している累積の期間Xと、Vo=Vo2で動作するよう設定している累積の期間Yとで表現すると、Vo=Vo1で動作している期間Xはj×Vo1(sec)であり、Vo=Vo2で動作している期間Yはk×Vo2(sec)であることから、次のように書ける。
【0036】
【数2】

【0037】
上記の設定値では、期間X:期間Y=8.63:1.00となる。従って、期間XとYがこの比率となるように、制御部15がタイミング発生部12を制御することにより、最も効果的に不連続表示の頻度を低減できる。具体的な制御としては、映像エリア信号Seに含まれる総ライン数が802と801との間で切替わり、周期Voが第1周期Vo1と第2周期Vo2との間で切替わるように設定変更すればよい。また、期間Xと期間Yは不連続表示が起きる期間より十分短い時間である必要がある。
【0038】
なお、上述のように期間X:期間Y=8.63:1.00の比率でVo=Vo1とVo=Vo2の切り替えを行うと最も効果的に不連続表示の頻度を低減できるが、必ずしもこのような高い精度で制御しなくとも、十分な効果を得ることができる。以下では大まかに期間X:期間Y=9:1でVo=Vo1とVo=Vo2の切り替えを行う場合について、例えば、Vo=Vo1の期間X=9Sec、Vo=Vo2の期間Y=1Secになるよう制御した場合を説明する。
【0039】
この場合の液晶モジュール16への仮想垂直同期信号周期(Vov)は、Vo=Vo1、Vo=Vo2の切り替え期間が不連続表示発生期間よりも十分短いので、下記に近似できる。
【0040】
【数3】

【0041】
数3より、Vov=16.68343mSecとなるので、仮想垂直同期信号周期Vovと周期Viとの周期差ΔV=0.08μSecとなる。そのため、フレーム落ちによる不連続表示は、Vi/ΔV=208541.88≒208542フレーム毎、すなわち、20854フレーム2×Vi=3479.18Sec毎に発生することになる。
【0042】
一方、垂直同期信号周期Voを第1の周期Vo1に固定したときのフレーム落ちによる不連続表示は、Vi/ΔV1=7723.77≒7724フレーム毎、すなわち、7724フレーム×Vi=128.89Sec毎に発生し、垂直同期信号周期Voを第2の周期Vo2に固定したときのフレームの2度書きによる不連続表示は、Vi/ΔV1=895.03≒895フレーム毎、すなわち、895フレーム×Vi=14.93Sec毎に発生する。従って、垂直同期信号周期Voをいずれかの周期に固定した場合に比べ、Vo=Vo1の期間X=9Sec、Vo=Vo2の期間Y=1Secになるよう制御した場合は、不連続表示の頻度が大幅に低減されることになる。そのため、映像が一定速度で移動するようなシーンなどで不連続表示が発生したときの違和感を覚える頻度を大幅に低減することができる。
【0043】
なお、上述では、一例として期間X:期間Y=9:1となる条件を満たすように制御するものとしたが、周期Voとの差が小さい方の周期(Vo1又はVo2)が設定される期間よりも、周期Voとの差が大きい方の周期(Vo2又はVo1)設定される期間の方が短くなるように制御することで、不連続表示の頻度を低減することができる。
【0044】
以上のように、本発明に係る液晶テレビにおいては、前記周期決定手段は、前記表示手段の表示周期に対応して離散的に存在する複数の読み出し周期のうち、前記書き込み周期を挟んで隣接する第1の読み出し周期又は第2の読み出し周期を前記読み出し周期とし、前記書き込み周期との差が小さい方の第1の読み出し周期又は第2の読み出し周期が前記読み出し周期とされる期間よりも、前記書き込み周期との差が大きい方の第1の読み出し周期又は第2の読み出し周期が前記読み出し周期とされる期間の方が短くなるようにしたので、不連続表示の頻度を低減することができる。
【0045】
また、第1の周期と第1の存在係数との積と、第2の周期と第2の存在係数との積との和が、書き込み周波数となるように、読み出し周波数を第1の読み出し周期又は第2の読み出し周期に切替えることにより、不連続表示の発生を防ぐことができる。
【0046】
また、上記の切替制御は制御部15のマイクロコンピュータ(以下、マイコンを称す)が行うため、上述のように制御の精度を下げることで、安価なマイコンを採用することができる。
【0047】
なお、上述では、本発明を液晶テレビに適用した例について説明したが、本発明は液晶に限らず、PDP、ELなどのデジタル表示装置に広く適応可能である。
【0048】
なお、上述では、垂直同期信号周期Voは、液晶モジュール16が表示可能な周期のうち、垂直同期信号周期Viを挟んで隣接する第1の周期Vo1又は第2の周期Vo2のいずれかの周期であるとしたが、第1の周期Vo1及び第2の周期Vo2以外の周期とすることもできる。すなわち、垂直同期信号周期Viよりも長く2×Viよりも短い周期を第1の周期とし、垂直同期信号周期Viよりも短い周期を第2の周期とし、第1の周期と第2の周期のうち垂直同期信号周期Viに近い方の周期が垂直同期信号周期Vo設定される時間が長くなるように設定することで、不連続表示の頻度を低減することができる。但し、第1の周期および第2の周期として、いずれも垂直同期信号周期Viに近い周期を選択することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶テレビを示す概略図
【図2】従来の液晶テレビに係るフレーム落ちの発生を示す概略図
【図3】本発明の一実施形態に係る液晶テレビの順次表示するフレームを示す概略図。
【符号の説明】
【0050】
10 液晶テレビ
11 周波数計測部
12 タイミング発生部
13 画像処理部
14 フレームメモリー
15 制御部
16 液晶モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号に含まれる画像データを記録する画像データ記録手段と、
前記画像信号に対応する垂直同期信号に基づいた書き込み周期で、前記画像データ記録手段に前記画像データを書き込む書き込み手段と、
前記画像データを表示する表示手段の表示周期に対応して離散的に存在する複数の読み出し周期のうち、前記書き込み周期よりも長い第1の読み出し周期、及び前記書き込み周期よりも短い第2の読み出し周期で、前記画像データ記録手段から前記画像データを読み出す読み出し手段と、
前記読み出された画像データを前記表示手段に出力する出力手段と、
前記第1の読み出し周期による読み出しと前記第2の読み出し周期による読み出しとが周期的に切り替えられるように前記読み出し手段を制御する読み出し制御手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
前記読み出し制御手段は、前記第1の読み出し周期及び前記第2の読み出し周期のうち、前記書き込み周期との差が小さい方の読み出し周期で前記画像データを読み出す期間よりも、前記書き込み周期との差が大きい方の読み出し周期で前記画像データを読み出す期間の方が短くなるように、前記読み出し手段を制御すること
を特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記第1の読み出し周期及び前記第2の読み出し周期は、前記書き込み周期を挟んで隣接する周期であることを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記読み出し制御手段は、前記第1の読み出し周期で前記画像データ記録手段から読み出される画像データ数と前記第1の読み出し周期との積と、前記第2の読み出し周期で前記画像データ記録手段から読み出される画像データ数と前記第2の読み出し周期との積との和が、前記画像データ記録手段に書き込まれた画像データ数と前記書き込み周期との積と等しくなるように、前記読み出し手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の信号処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の信号処理装置と、
前記信号処置装置から出力された画像データを表示する表示手段と
を備える映像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−204253(P2010−204253A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47843(P2009−47843)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】