説明

信号処理装置、映像繋ぎ編集方法、及びプログラム

【課題】繋ぎ編集された60i方式の映像信号を24p映像信号に正常に逆変換することを可能にする。
【解決手段】DVC101が、2−3プルダウン処理により、24p映像信号を60i方式の映像信号に変換して出力する。またDVC102が、3−2プルダウン処理により、24p映像信号を60i方式の映像信号に変換して出力する。編集機103は、DVC101から出力された60i方式の撮像信号に対して繋ぎ位置を調整した上で、該調整後の撮像信号に、DVC102から出力された60i方式の撮像信号を繋ぎ編集する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置、該信号処理装置に適用される映像繋ぎ編集方法、及び該映像繋ぎ編集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画像を撮影して磁気テープに記録し、再生するビデオカメラが知られている。このビデオカメラにおいてNTSC方式を採用した場合には、60フィールド/秒のインタレース走査方式(以下「60i方式」という)の映像信号を記録している。
【0003】
また一般に、映画フィルムには24コマ/秒の映像信号(以下「24p映像信号」という)が記録されるが、近年では、こうした24p映像信号をNTSCの60i方式の映像信号に変換して記録媒体に記録するテレシネ装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。24p映像信号を60i方式の映像信号に変換するには、2−3プルダウン方式、3−2プルダウン方式などの各種の変換方式がある。
【0004】
なお従来、60i方式の映像信号を得る撮影モードに加え、24p映像信号を得る撮影モードも選択でき、これによって、映像制作の可能性を拡大するようにしたDVC(Digital Video Camera)が商品化されている。このDVCでは、報道やスポーツ、ドキュメンタリー番組の制作に適した60i方式の映像信号を得ることも、映画やドラマ制作に適した24p映像信号を得ることもできる。
【0005】
こうした60i方式の映像信号を得る撮影モードに加え、24p映像信号を得る撮影モードも選択できるDVCでは、24p映像信号は60i方式の映像信号に変換した上で記録媒体上に記録される。このように、24p映像信号を60i方式の映像信号に変換した上で記録媒体上に記録することにより、多く普及している60i方式の記録装置により映像信号を記録することができる。また映像再生表示装置も、多く普及している60i方式の映像再生表示装置を利用できる。これによって、記録媒体や映像再生表示装置を内蔵するDVCの商品価格を低く抑えることが可能となる。
【特許文献1】特開平11−88845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の24p映像信号を60i方式の映像信号に変換して記録する従来のDVCが複数台あって、それらからそれぞれ出力された60i方式の映像信号を繋ぎ編集した場合に、次のような問題があった。
【0007】
すなわち、24p映像信号と60i方式の映像信号とを相互に変換する方式には、複数の異なる方式がある。複数のDVCが、異なる変換方式に基づいてそれぞれ映像信号の変換を行い、得られた60i方式の映像信号をそれぞれ出力し、それらが繋ぎ編集されたとする。その後の再生時において、繋ぎ編集された60i方式の映像信号を24p映像信号に逆変換した場合、繋ぎ目で映像が乱れたり、繋ぎ目以降で映像の逆変換ができなかったりするという問題があった。
【0008】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、繋ぎ編集された60i方式の映像信号を24p映像信号に正常に逆変換することを可能にした映像処理システム、映像繋ぎ編集方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明によれば、フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力手段と、フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力手段と、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とをそれぞれ設定された遅延量に従って遅延させる遅延手段と、前記遅延手段より遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力手段と、前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延手段による前記第1の映像信号と第2の映像信号との遅延量を設定する遅延量設定手段とを備えることを特徴とする信号処理装置が提供される。
【0010】
また、請求項5記載の発明によれば、フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力手段と、フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力手段と、前記第1の映像信号を設定された遅延量に従って遅延させる遅延手段と、前記遅延手段より遅延された前記第1の映像信号と前記第2の入力手段により入力された第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力手段と、前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延手段による前記第1の映像信号の遅延量を設定する遅延量設定手段とを備えることを特徴とする信号処理装置が提供される。
【0011】
また、請求項6記載の発明によれば、フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力ステップと、フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力ステップと、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とをそれぞれ設定された遅延量に従って遅延させる遅延ステップと、前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力ステップと、前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号との遅延量を設定する遅延量設定ステップとを有することを特徴とする映像繋ぎ編集方法が提供される。
【0012】
また、請求項10記載の発明によれば、フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力ステップと、フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力ステップと、前記第1の映像信号を設定された遅延量に従って遅延させる遅延ステップと、前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と前記第2の入力手段により入力された第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力ステップと、前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号の遅延量を設定する遅延量設定ステップとを有することを特徴とする映像繋ぎ編集方法が提供される。
【0013】
さらに、上記映像繋ぎ編集方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、方式が異なるプルダウン処理を行う複数の撮像信号出力装置からそれぞれ出力された撮像信号を繋ぎ編集するシステムにおいて、プルダウン逆変換を正常に行うことが可能となる。それによって、映像信号の繋ぎ目(境目)で映像が乱れることが抑制され、ユーザに対し、違和感なく、安定した24p映像(フレーム周波数24Hzのプログレッシブ走査方式によって撮像して得られた撮像信号による再生映像)をリアルタイムで提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
〔第1の実施の形態〕
図1は、2−3プルダウン変換における信号相関関係を示す図である。
【0017】
(A)は、フレーム周波数24Hzのプログレッシブ走査方式による24p映像信号4フレーム分を示し、(B)は、フィールド周波数60Hzのインタレース走査方式(60i方式)の映像信号5フレーム分を示す。
【0018】
図1(A)に示す24p映像信号の連続する4フレームA、B、C、Dが、2−3プルダウン変換により、図1(B)に示す60i方式の映像信号の連続するフレーム1〜5に変換される。60i方式の映像信号の各フレームはそれぞれフィールド1,2(1st、2nd)からなる。
【0019】
すなわち、24p映像信号のフレームAが、奇数ラインからなるフィールドと偶数ラインからなるフィールドとに分離され、該分離されたフィールドがそれぞれ、60i方式の映像信号のフレーム番号1のフィールド1(図中、○印)とフィールド2(図中、□印)として記録される。
【0020】
24p映像信号のフレームBは、60i方式の映像信号のフレーム番号2のフィールド1、フィールド2、および60i方式の映像信号のフレーム番号3のフィールド1として記録される。
【0021】
24p映像信号のフレームCは、60i方式の映像信号のフレーム番号3のフィールド2、および60i方式の映像信号のフレーム番号4のフィールド1として記録される。
【0022】
24p映像信号のフレームDは、60i方式の映像信号のフレーム番号4のフィールド2、および60i方式の映像信号のフレーム番号5のフィールド1、フィールド2として記録される。
【0023】
こうした24p映像信号の各フレームが60i方式の映像信号の各フィールドに割り当てられるフィールド変換パターンが、24p映像信号の4フレーム周期で繰り返される。
【0024】
図2は、3−2プルダウン変換における信号相関関係を示す図である。
【0025】
ここでも、(A)は、24p映像信号4フレーム分を示し、(B)は、60i方式の映像信号5フレーム分を示す。
【0026】
図2(A)に示す24p映像信号の連続する4フレームA、B、C、Dが、3−2プルダウン変換により、図2(B)に示す60i方式の映像信号の連続するフレーム1〜5に変換される。
【0027】
すなわち、24p映像信号のフレームAが、奇数ラインからなるフィールドと偶数ラインからなるフィールドとに分離され、該分離されたフィールドがそれぞれ、60i方式の映像信号のフレーム番号1のフィールド1(図中、○印)、フィールド2(図中、□印)、および60i方式の映像信号のフレーム番号2のフィールド1(図中、○印)として記録される。
【0028】
24p映像信号のフレームBは、60i方式の映像信号のフレーム番号2のフィールド2および60i方式の映像信号のフレーム番号3のフィールド1として記録される。
【0029】
24p映像信号のフレームCは、60i方式の映像信号のフレーム番号3のフィールド2、および60i方式の映像信号のフレーム番号4のフィールド1、フィールド2として記録される。
【0030】
24p映像信号のフレームDは、60i方式の映像信号のフレーム番号5のフィールド1とフィールド2として記録される。
【0031】
以上のように、3−2プルダウン変換でも、24p映像信号の各フレームが60i方式の映像信号の各フィールドに割り当てられるフィールド変換パターンが、24p映像信号の4フレーム周期で繰り返される。
【0032】
このように、24p映像信号を60i方式の映像信号に変換するプルダウン変換方式として、例えば2−3プルダウン変換方式と3−2プルダウン変換方式とが存在する。そして、この2つの変換方式で作成された各映像信号においては、3−2プルダウン変換方式で作成された映像信号を4フレーム分(または1フレーム分)ずらすと、その1周期分のフィールド変換パターンは、2−3プルダウン変換方式で作成された映像信号における1周期分のフィールド変換パターンと一致する。具体的には、図1(B)に示す60i方式の映像信号のフレーム番号1,2,3,4,5の各フレームが、図2(B)に示す60i方式の映像信号のフレーム番号5,1,2,3,4の各フレームに、フィールド変換パターンにおいて一致する。
【0033】
こうした2−3プルダウン変換方式と3−2プルダウン変換方式との間の相互関係に着目して、第1の実施の形態では、異なるプルダウン変換方式でそれぞれ変換された映像信号が繋ぎ編集された場合に、この繋ぎ編集された映像信号に対してプルダウン逆変換を正常に行うことができるようにする。
【0034】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る映像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0035】
本映像処理システムは、24p映像信号を出力する複数のDVC(Digital Video Camera)101,102と編集機103とで構成され、複数のDVC101,102にてそれぞれ撮影されて得られたデジタル映像データを、編集機103にて繋ぎ編集することが行われる。
【0036】
図中104は、編集機103にて編集された24p映像信号を受け取って記録する記録装置、105,106はプルダウン情報付加部、107はプルダウン情報検出部、108,109は遅延量制御部である。なお、DVC101,102および編集機103はそれぞれ、制御装置を含む。該制御装置は、例えば中央演算装置(CPU)、CPUが実行する制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUが演算に使用するRAM(Random Access Memory)、入出力装置等から構成される。そして、上記のプルダウン情報付加部105,106、プルダウン情報検出部107、遅延量制御部108,109は、対応のCPUが制御プログラムを実行することにより実現される機能を表す。
【0037】
また、DVC101,102から編集機103にそれぞれ送出される映像信号は、DVC101,102の記録媒体に対する記録方式である60i方式のSDI(Serial Digital Interface)映像信号であるものとする。SDI映像信号は、ANCILLARYデータのUSER_DATA_AREA(最大255word、1word/10bit)を含み、これを利用して、対応のDVCにおけるプルダウン変換情報が編集機103に送信される。
【0038】
ところで、DVC101,102からそれぞれ出力された映像信号を編集者が編集機103にて繋ぎ編集する場合について、以下に説明する。
【0039】
例えば、DVC101が、2−3プルダウン変換方式で映像信号を変換していて、2−3プルダウン変換された映像信号を編集機103に出力し、一方、DVC102が、3−2プルダウン変換方式で変換を行っていて、3−2プルダウン変換された映像信号を編集機103に出力しているとする。この場合、2−3プルダウン変換によるフィールド変換パターンと3−2プルダウン変換によるフィールド変換パターンとが異なるので、図4に示すような繋ぎ編集上の問題が発生してしまう。
【0040】
図4は、2−3プルダウン変換方式で変換された映像信号と、3−2プルダウン変換方式で変換された映像信号とを、この様な変換方式の違いを特に考慮せずに繋ぎ編集した場合を示す図である。
【0041】
(A)は、2−3プルダウン変換方式で変換されてDVC101から出力された映像信号を示し、(B)は、3−2プルダウン変換方式で変換されてDVC102から出力された映像信号を示す。(C)は、(A)の映像信号のE1点に、(B)の映像信号のE2点を繋ぎ編集した場合の60i方式の映像信号の各フィールドを示す。(D)は、(C)の60i方式の映像信号を24p映像信号に逆変換した場合の信号状態を示す。なお、E1点は、2−3プルダウン変換方式のフィールド変換パターンの途中の位置であり、E2点は、3−2プルダウン変換方式のフィールド変換パターンの先頭の位置である。
【0042】
図4(C)に示す繋ぎ編集された60i方式の映像信号を24p映像信号に逆変換する場合、図4(C)に実線で示すような2−3プルダウン変換方式のフィールド変換パターンに従って2−3プルダウン逆変換が行われる。その場合、繋ぎ目(編集点)以降では、図4(C)に破線で示すような3−2プルダウン変換方式のフィールド変換パターンと錯綜してしまい、60i方式の映像信号を24p映像信号に逆変換することができなくなってしまう。このように、異なる方式のプルダウン変換が行われた複数の映像信号を単純に繋いだことにより、24p映像信号に逆変換する際に必要なフィールドの相関関係が崩れてしまう。したがって、図4(D)に示すように、繋ぎ目(編集点)以降で、24p映像信号を得られなくなり、24コマ撮り(24コマ/秒)の映画フィルムのような映像を得られなくなってしまう。
【0043】
そこで、本発明の第1の実施の形態では、24p映像信号を得るためのプルダウン逆変換が正常に行えるように、60i方式の映像信号の繋ぎ編集において該映像信号に対してのタイミング制御(フレーム遅延制御)を行う。すなわちまず、図3におけるDVC101において、24p映像信号から2−3プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号を編集機103に送出する際、プルダウン情報付加部105が、「2−3プルダウン変換がされたこと」を示すプルダウン変換情報をSDI映像信号に書き込む。例えば、SDI映像信号におけるANCILLARYデータのUSER_DATA_AREAにおいて、所定のword番号におけるデータのLSB(Least Significant Bit/Byte)を「1」にする。
【0044】
また同様に、図3におけるDVC102において、24p映像信号から3−2プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号を編集機103に送出する際、プルダウン情報付加部106が、「3−2プルダウン変換がされたこと」を示すプルダウン変換情報をSDI映像信号に書き込む。例えば、SDI映像信号におけるANCILLARYデータのUSER_DATA_AREAにおいて、DVC101と同一のword番号におけるデータのLSBを「0」にする。
【0045】
こうした60i方式のSDI映像信号を受け取った編集機103では、プルダウン情報検出部107が、SDI映像信号におけるANCILLARYデータのUSER_DATA_AREAに書き込まれたプルダウン変換情報を検出する。すなわち、プルダウン情報検出部107では、「1」が検出されれば、受け取った60i方式のSDI映像信号が、予め2−3プルダウン変換を行われていると判別し、「0」が検出されれば、予め3−2プルダウン変換を行われていると判別する。
【0046】
遅延量制御部108,109は各々、プルダウン情報検出部107から受け取った判別結果に応じて、DVC101,102からそれぞれ受信した60i方式のSDI映像信号に対して、タイミング制御(フレーム遅延制御)を行う。
【0047】
図5は、遅延量制御部108,109において行われるタイミング制御(フレーム遅延制御)を示す図である。
【0048】
(A)は、2−3プルダウン変換方式で変換されてDVC101から出力された映像信号を示し、(B)は、3−2プルダウン変換方式で変換されてDVC102から出力された映像信号を示す。(C)は、(A)の映像信号に、(B)の映像信号を繋ぎ編集した場合の60i方式の映像信号の各フィールドを示す。(D)は、(C)の60i方式の映像信号を24p映像信号に逆変換した場合のフレームを示す。
【0049】
ここでは例えば、図5(A)に示す2−3プルダウン変換方式で変換された映像信号のP1点に、図5(B)に示す3−2プルダウン変換方式で変換された映像信号のP3点を繋ぎ編集しようとした場合の遅延量制御部108,109のタイミング制御を説明する。なお、P1点は、2−3プルダウン変換方式のフィールド変換パターンの途中の位置であり、P3点は、3−2プルダウン変換方式のフィールド変換パターンの先頭の位置である。プルダウン情報検出部107は、DVC101からの映像信号とDVC102からの映像信号のプルダウン方式を検出する。そして、検出したプルダウン方式に基づき、各映像信号が、図1(B)、図2(B)の60i方式のSDI映像信号の5フレームのうちの何れであるかを検出し、検出したフレーム番号に基づいて遅延量制御部108、109による遅延量を設定する。
【0050】
遅延量制御部108は、プルダウン情報検出部107から受け取った遅延量の情報に基づいてDVC101から受信した映像信号を遅延させる。例えばDVC101からの映像信号が図5(A)に示すタイミングで入力され、DVC102からの映像信号が図5(B)のタイミングで入力された場合を考える。この場合、DVC101から受信した2−3プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号(図5(A))に対して、P2点までの遅延を行う。すなわち、P1点では、図1(A)に示す24p映像信号のフレームDが、図1(B)に示すように60i方式の映像信号のフレーム4とフレーム5とに跨っているので、こうした複数フレームに跨った状態を避けるべくP2点まで、遅延量制御部108が、図5(A)に示す映像信号に対して遅延を行う。
【0051】
また、遅延量制御部109は、DVC102から受信した3−2プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号(図5(B))に対して、P4点までの遅延を行う。すなわち前述のように、3−2プルダウン変換方式で作成された映像信号を4フレーム分(または1フレーム分)ずらすと、該1フレーム分ずらされた映像信号における1周期分のフィールド変換パターンが、2−3プルダウン変換方式で作成された映像信号における1周期分のフィールド変換パターンと一致する。これに着目して、図5(B)に示す映像信号に対して、遅延量制御部109がP3点からP4点まで(4フレーム分)遅延を行い、2−3プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号(図5(A))のP2点に、このP4点を繋ぐようにする。この結果得られる60i方式のSDI映像信号(図5(C))は、2−3プルダウン変換方式によるフィールド変換パターンと合致する。
【0052】
この様に、遅延量調整部108、109により調整された60i映像信号がそれぞれ記録装置104に供給される。記録装置104では、2つの60i映像信号のタイミングが前述の様に調整されているため、何れのタイミングで映像信号を切り替えた場合にも、繋ぎ位置においてフィールド周期がみだれることがない。
【0053】
このため、図5(C)に示す繋ぎ編集が行われた60i方式のSDI映像信号に対して、2−3プルダウン変換方式によるフィールド変換パターンに基づき、プルダウン逆変換を正常に行うことができ、繋ぎ目で映像が乱れることのない、図5(D)に示すような24p映像信号を得ることができる。
【0054】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0055】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る映像処理システムの構成を示すブロック図である。
【0056】
本映像処理システムも、24p映像信号を出力する複数のDVC601,602と編集機603とで構成され、複数のDVC601,602によってそれぞれ撮影されて得られたデジタル映像データを、編集機603にて繋ぎ編集することが行われる。
【0057】
図中604は、編集機603から出力された映像信号を記録する記録装置である。605,606はプルダウン情報付加部、607はプルダウン情報検出部、608は遅延量制御部である。なお、DVC601,602および編集機603には、第1の実施の形態と同様に、それぞれ制御装置が含まれる。そして、上記のプルダウン情報付加部605,606、プルダウン情報検出部607、遅延量制御部608は、対応の制御装置において制御プログラムが実行されることにより実現される機能を表す。
【0058】
また、DVC601,602から編集機603に送出される映像信号は、DVC601,602の記録媒体に対する記録方式である60i方式のSDI映像信号であるものとする。SDI映像信号は、ANCILLARYデータのUSER_DATA_AREAを含み、これを利用して、対応のDVCにおけるプルダウン変換情報を編集機603に送信する。
【0059】
すなわち、DVC601において、24p映像信号から2−3プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号を編集機603に送出する際、プルダウン情報付加部605が、「2−3プルダウン変換されたこと」を示すプルダウン変換情報をSDI映像信号に書き込む。例えば、SDI映像信号におけるANCILLARYデータのUSER_DATA_AREAにおいて、所定のword番号におけるデータのLSB(Least Significant Bit/Byte)を「1」にする。
【0060】
また同様に、DVC602において、24p映像信号から3−2プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号を編集機603に送出する際、プルダウン情報付加部606が、「3−2プルダウン変換されたこと」を示すプルダウン変換情報をSDI映像信号に書き込む。例えば、SDI映像信号におけるANCILLARYデータのUSER_DATA_AREAにおいて、DVC101と同一のword番号におけるデータのLSB(Least Significant Bit/Byte)を「0」にする。
【0061】
こうした60i方式のSDI映像信号を受け取った編集機603では、プルダウン情報検出部607が、SDI映像信号におけるANCILLARYデータのUSER_DATA_AREAに書き込まれたプルダウン変換情報を検出する。すなわち、プルダウン情報検出部607では、「1」が検出されれば、受け取った60i方式のSDI映像信号が、予め2−3プルダウン変換を行われていると判別し、「0」が検出されれば、予め3−2プルダウン変換を行われていると判別する。プルダウン情報検出部607は、これらの検出結果と、DVC601からの映像信号とDVC602からの映像信号の前述の5フレーム内におけるフレーム番号に従って遅延量制御部608の遅延量を設定する。
【0062】
遅延量制御部608は、プルダウン情報検出部607から受け取った遅延量の設定結果に応じて、DVC601から受信した60i方式のSDI映像信号に対して、タイミング制御(フレーム遅延制御)を行う。
【0063】
図7は、遅延量制御部608において行われるタイミング制御(フレーム遅延制御)を示す図である。
【0064】
(A)は、2−3プルダウン変換方式で変換されてDVC601から出力された映像信号を示し、(B)は、3−2プルダウン変換方式で変換されてDVC602から出力された映像信号を示す。(C)は、(A)の映像信号に、(B)の映像信号を繋ぎ編集した場合の60i方式の映像信号の各フィールドを示す。(D)は、(C)の60i方式の映像信号を24p映像信号に逆変換した場合のフレームを示す。
【0065】
ここでは例えば、図7(A)に示す2−3プルダウン変換方式で変換された映像信号のP1点に、図7(B)に示す3−2プルダウン変換方式で変換された映像信号のP3点を繋ぎ編集しようとした場合の遅延量制御部608のタイミング制御を説明する。なお、P1点は、2−3プルダウン変換方式のフィールド変換パターンの途中の位置であり、P3点は、3−2プルダウン変換方式のフィールド変換パターンの先頭の位置である。
【0066】
遅延量制御部608が、プルダウン情報検出部607から、「2−3プルダウン変換」という判別結果を受け取ると、DVC601から受信した2−3プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号(図7(A))に対して、P2点までの遅延を行う。すなわち、P1点では、24p映像信号の1フレーム分が、60i方式の映像信号の2つのフレームに跨っているので、こうした複数フレームに跨った状態を避けるべくP2点まで、遅延量制御部608が、図7(A)に示す映像信号に対して遅延を行う。
【0067】
なお、DVC602から受信した3−2プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号(図7(B))の繋ぎ目(編集点)に関しては、第1の実施の形態のようにP3点からP4点まで遅延を行うことをしない。すなわち、DVC602から受信したSDI映像信号(図7(B))のP3点は、3−2プルダウン変換方式のフィールド変換パターンの先頭の位置であり、第2の実施の形態では、遅延を行うことを必要としない。
【0068】
この様に遅延量を設定することで、記録装置604においては、2−3プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号(図7(A))のP2点に、DVC602から受信した3−2プルダウン変換された60i方式のSDI映像信号(図7(B))のP3点を繋ぎ記録し、24p映像信号に逆変換した場合にも、フィールド周期がみだれることがない。
【0069】
〔他の実施の形態〕
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0070】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0071】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0072】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0073】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】2−3プルダウン変換における信号相関関係を示す図である。
【図2】3−2プルダウン変換における信号相関関係を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る映像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図4】2−3プルダウン変換方式で変換された映像信号と、3−2プルダウン変換方式で変換された映像信号とを従来の方法で繋ぎ編集した場合を示す図である。
【図5】遅延量制御部において行われるタイミング制御(フレーム遅延制御)を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る映像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図7】遅延量制御部において行われるタイミング制御(フレーム遅延制御)を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
101,102 DVC
103 編集機
104 記録装置
105,106 プルダウン情報付加部
107 プルダウン情報検出部
108,109 遅延量制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力手段と、
フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力手段と、
前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とをそれぞれ設定された遅延量に従って遅延させる遅延手段と、
前記遅延手段より遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力手段と、
前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延手段による前記第1の映像信号と第2の映像信号との遅延量を設定する遅延量設定手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
前記第1の変換手順は2−3プルダウン方式であり、前記第2の変換手順は3−2プルダウン方式であることを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記記録装置は、前記第1の映像信号と第2の映像信号とのうちの一方を選択して記録しており、
前記遅延量設定手段は、前記記録装置が記録する映像信号を前記第1の映像信号と第2の映像信号とのうちの一方から他方に切り替えた場合に、前記フレーム周波数24Hzの映像信号の1フレーム分が前記切り替え位置の前後に跨がらないよう、前記遅延量を設定することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記遅延量設定手段は、前記第1の映像信号及び第2の映像信号に付加されている変換情報に基づいて前記変換手順を検出し、
前記出力手段は、前記遅延手段から出力された第1の映像信号と第2の映像信号とを前記付加情報が付加された状態で出力する
ことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
【請求項5】
フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力手段と、
フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力手段と、
前記第1の映像信号を設定された遅延量に従って遅延させる遅延手段と、
前記遅延手段より遅延された前記第1の映像信号と前記第2の入力手段により入力された第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力手段と、
前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延手段による前記第1の映像信号の遅延量を設定する遅延量設定手段と
を備えることを特徴とする信号処理装置。
【請求項6】
フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力ステップと、
フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力ステップと、
前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とをそれぞれ設定された遅延量に従って遅延させる遅延ステップと、
前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力ステップと、
前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号との遅延量を設定する遅延量設定ステップと
を有することを特徴とする映像繋ぎ編集方法。
【請求項7】
前記第1の変換手順は2−3プルダウン方式であり、前記第2の変換手順は3−2プルダウン方式であることを特徴とする請求項6記載の映像繋ぎ編集方法。
【請求項8】
前記記録装置は、前記第1の映像信号と第2の映像信号とのうちの一方を選択して記録しており、
前記遅延量設定ステップでは、前記記録装置が記録する映像信号を前記第1の映像信号と第2の映像信号とのうちの一方から他方に切り替えた場合に、前記フレーム周波数24Hzの映像信号の1フレーム分が前記切り替え位置の前後に跨がらないよう、前記遅延量を設定することを特徴とする請求項6記載の映像繋ぎ編集方法。
【請求項9】
前記遅延量設定ステップでは、前記第1の映像信号及び第2の映像信号に付加されている変換情報に基づいて前記変換手順を検出し、
前記出力ステップでは、前記遅延ステップにおいて遅延された第1の映像信号と第2の映像信号とを前記付加情報が付加された状態で出力することを特徴とする請求項6記載の映像繋ぎ編集方法。
【請求項10】
フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力ステップと、
フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力ステップと、
前記第1の映像信号を設定された遅延量に従って遅延させる遅延ステップと、
前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と前記第2の入力手段により入力された第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力ステップと、
前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号の遅延量を設定する遅延量設定ステップと
を有することを特徴とする映像繋ぎ編集方法。
【請求項11】
フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力ステップと、
フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力ステップと、
前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とをそれぞれ設定された遅延量に従って遅延させる遅延ステップと、
前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力ステップと、
前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と第2の映像信号との遅延量を設定する遅延量設定ステップと
を有することを特徴とする、コンピュータで実行させるためのプログラム。
【請求項12】
フレーム周波数24Hzの映像信号を第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第1の映像信号を入力する第1の入力ステップと、
フレーム周波数24Hzの映像信号を、前記第1の変換手順または第2の変換手順によりフィールド周波数60Hzに変換して得られた第2の映像信号を入力する第2の入力ステップと、
前記第1の映像信号を設定された遅延量に従って遅延させる遅延ステップと、
前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号と前記第2の入力手段により入力された第2の映像信号とを並列に記録装置に出力する出力ステップと、
前記第1の映像信号の変換手順と前記第2の変換手順とを検出し、この検出結果に従って前記遅延ステップにおいて遅延された前記第1の映像信号の遅延量を設定する遅延量設定ステップと
を有することを特徴とする、コンピュータで実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−158961(P2007−158961A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353910(P2005−353910)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】