個人情報カード
【課題】 社員証などの個人情報カードにおいて、個人情報の内容の変更などに対応して表示を書き換えたり、場所により必要情報の表示・非表示の制御を行ったり、情報機器の利用情報を表示したりすること。
【解決手段】 本発明実施例の個人情報カードを用いた電子社員証では、表示部と通信部と制御部を備えて表示内容の変更を可能とし、前記通信部により場所情報を取得して、その場所に応じて電子社員証の内容を表示したり、非表示にしたりする。また、複合機や自動販売機などと通信を行ってそれらの装置の利用情報の表示も可能とする。
【解決手段】 本発明実施例の個人情報カードを用いた電子社員証では、表示部と通信部と制御部を備えて表示内容の変更を可能とし、前記通信部により場所情報を取得して、その場所に応じて電子社員証の内容を表示したり、非表示にしたりする。また、複合機や自動販売機などと通信を行ってそれらの装置の利用情報の表示も可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
表示部を有する個人情報カードにおいて、場所により前記表示部の表示内容を変更したり、外部の通信機器と通信を行って外部装置の利用情報の表示を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、社員証などの個人情報カードは、写真、氏名、所属などが印刷されてIDカードとしての役割を果たすが、それらの情報に変更があった際には、廃棄して新規のカードを作成するという方法がとられており、そのたびにコストがかかり、また資源の再利用という面からも無駄が多かった。
【0003】
また、社員証などは個人情報の固まりであるので、常にその内容を表示しておくということは個人情報の漏洩に繋がることもあり、必要な場面にのみその内容を表示するような仕組みがあれば望ましいが、そのような個人情報カードは存在しなかった。
【0004】
従来技術として、書き換えが自由なレシートとしても利用することができる会員カードがある。この会員カードでは、会員コードを記憶する記憶部と、電子画像を格納する電子ペーパー部とを具備し、商品販売データ処理装置における売上処理の際に、記憶部に売上処理データを記憶し、該データを電子ペーパー部に格納して表示することにより、書き換え可能なレシートとして利用することができる(特許文献1参照)。
【0005】
しかし、この方法では、場所によっての表示内容の制御を行うことは出来なかった。また、画像形成装置の利用情報などを表示することはできなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2005−144837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、個人情報カードにおいて表示内容の変更が有った場合に新規に個人情報カードを作成することなく、情報内容の表示の変更を可能とする点と、表示内容を場所に応じて変更する点と、外部機器の利用情報などを表示する点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の個人情報カードは、情報の表示を行う表示部と、外部の機器と通信を行って個人情報の授受を行う通信部と、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部へ表示させるための制御を行う制御部と、を有することを最も主要な特徴とする。
【0009】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記制御部は、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部に表示されている個人情報の全てに代えて、又は選択的に代えて表示させることを主要な特徴とする。
【0010】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、外部の機器と通信を行って場所情報を取得し、前記制御部は、前記場所情報に基づいて前記表示部での表示又は表示する個人情報の選択を制御することを主要な特徴とする。
【0011】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、前記外部の機器の個人の利用情報を個人情報とし、前記制御部は、前記利用情報を表示するよう前記表示部を制御することを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の個人情報カードは、情報の表示を行う表示部と、外部の機器と通信を行って個人情報の授受を行う通信部と、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部へ表示させるための制御を行う制御部と、を有することを最も主要な特徴とするため、個人情報の変更が有った場合にその新規の情報を外部の機器との通信によって取得して、その表示が可能なため、新規に個人情報カードを作成することなく必要な情報の更新をすることが可能となった。
【0013】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記制御部は、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部に表示されている個人情報の全てに代えて、又は選択的に代えて表示させることを主要な特徴とするため、個人情報の変更が有った場合にその新規の情報を外部の機器との通信によって取得して、その表示が可能なため、新規に個人情報カードを作成することなく必要な情報の更新をすることが可能となった。
【0014】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、外部の機器と通信を行って場所情報を取得し、前記制御部は、前記場所情報に基づいて前記表示部での表示又は表示する個人情報の選択を制御することを主要な特徴とするため、例えば個人情報カードの内容を該カードを使用する施設内では表示を行い、該カードを使用しない前記施設外では表示を行わないとすることが可能となり、個人情報カードに通常表示されている個人情報が不用意に漏洩することを抑制できるようになった。
【0015】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、前記外部の機器の個人の利用情報を個人情報とし、前記制御部は、前記利用情報を表示するよう前記表示部を制御することを主要な特徴とするため、画像形成装置などの外部機器の利用記録を個人情報カード上に表示して、例えば一ヶ月に割り当てられた複写枚数の残量の確認などが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
個人情報カードにおいて、個人情報が変わっても新規に作成することなく内容を更新可能としたり、個人情報の漏洩を抑制したり、外部機器の利用情報を表示したりすることを外部機器との通信機能を持たせた表示部つきのカードにより実現した。
【実施例1】
【0017】
[構成]
本発明の個人情報カードの実施例としての電子社員証について以下に説明する。
【0018】
図1は、電子社員証(個人情報カード)の機能ブロック図である。
【0019】
電子社員証101は、表示部111、通信部113、制御部115の各機能ブロックを有している。
【0020】
表示部111は、電子ペーパーなどの電子ディスプレイ技術を用いて、個人情報の例えば個人の写真、所属名、氏名や所属団体名やロゴなどを表示する。さらに、画像形成装置などの外部の機器の利用情報などを表示する。表示部111は、後述の制御部115により表示内容が制御され、個人情報の表示・非表示の制御を場所に合わせて行う。
【0021】
電子ペーパーによる技術では、表示の書き換え時のみに電源が必要で、すでに表示された内容を保持するためには、電源を必要としないものがある。そのため、表示内容の変更を行う際に通信部113が外部装置から送信される高周波を電源として、表示内容の変更に必要な電力として利用することにより、電子社員証(個人情報カード)自体に内臓電池などの電源を持たなくとも動作可能とすることが出来る。
【0022】
通信部113は、RFID(Radio Frequency IDentification)の技術を用いて、外部の通信機器(外部の機器)からの高周波を電源として用いて、前記外部の通信機器と通信を行う。通信を行う相手の外部の通信機器は、例えば、場所情報を提供する通信ゲート201(図3、詳細後述)や利用情報を提供する画像形成装置301(図3、詳細後述)や食堂の利用情報を提供する自動販売機401(図3、詳細後述)である。又、例えば画像形成装置301やその他の専用の情報書き込み装置(不図示)などを用いて、社員証の所有者の個人情報の書き込み・書き換えを行うことも可能である。
【0023】
制御部115は、前記外部の通信機器(外部の機器)との通信により授受した前記個人情報の表示部111での表示・非表示の制御を行う。又、前記画像形成装置301や前記自動販売機401の利用情報の表示の制御を行う。
【0024】
[電子社員証の表示例]
図2、図3及び図4を用いて、電子社員証が場所によって、又は外部装置との通信によって表示内容を変更する例について説明する。
【0025】
図2(P)は、電子社員証が社内で通常用いられる場合の表示である。
【0026】
電子社員証101は、そのカードの片側全面が表示部111となっており、そこには、社員の写真35、会社のロゴ39、所属部署名及び氏名41が表示されている。また、電子社員証101には、外部装置の情報を表示する情報表示スペース43が設けられている。
【0027】
図4には、電子社員証の用いられる会社の施設を模式図化したものを示す。
【0028】
壁面で囲まれた会社施設は以下の4つの区域に区切られている。玄関区域(A)、共通廊下区域(B)、社内特定社員制限区域(C)、共通食堂区域(D)。
【0029】
前記の各区域の出入り口には、場所情報の特定を行う通信機器である通信ゲート201が設けられており、電子社員証をつけた社員(11から21)が各区域を移動する際に、電子社員証が通信ゲートと通信を行って、社員がどこの区域からどこの区域に移動したかを電子社員証が把握できるようになっている。
【0030】
図4の社員11は、玄関区域(A)から施設外にでたので、社員証に表示されている個人情報を非表示とし、図2(R)に示すような例えば全面が灰色の表示となる。
【0031】
図4の社員13は、共通廊下区域(B)に入ったところで、その電子社員証の表示は、図2(P)に示すように、個人写真や、会社ロゴ、所属部署、氏名を表示している。
【0032】
図4の社内特定社員制限区域(C)内は、例えば開発部などの秘密情報を扱っている部署で、社員の中でも同部署に所属しているものとそうでないものの電子社員証の表示を異ならせる区域である。例えば社員15は、同部署に所属しているのでその表示は、図2(P)のように標準の個人情報が表示されているが、社員17cは、社内特定社員制限区域(C)の部署に所属していない社員であるため、その社員証の表示は、図2(Q)に示すように訪問者表示37を表示して、周りの人間に同区域の部署に所属していない訪問者である事を示す。同社員が食堂区域(D)に移動した場合は、社員17dの電子社員証の表示からは、訪問者表示37が消えて図2(P)の通常の表示となる。
【0033】
また、電子社員証101は、外部の機器と通信を行ってその通信機器の利用情報を情報表示スペース43に表示が可能である。
【0034】
例えば、図4の社員19は、画像形成装置301に近づいて、同装置を利用しようとしているが、同装置に近づいたことにより、社員19の画像形成装置の例えば今月の利用記録を表示する。その表示例を図3(S)に示す。情報表示スペースには、画像形成装置であるMFP(複合機)#301の使用履歴を示してあり、今月、同社員証の所有者がこれまでにカラーコピーを35枚行い、当月の割り当て枚数が100枚あり、カラープリントを60枚行い、当月の割り当て枚数が同じく100枚であり、今月は950円分使用していることを示している。
【0035】
また、社員21は、食堂の自動販売機401の前に近づき食券の購入をしようとしているが、そのときその電子社員証は、図3(T)に示すように、同食堂での前回及び前々回の食券購入のデータを表示している。
【0036】
[実施例の効果]
本発明実施例の電子社員証により、以下のことが可能となった。
【0037】
内容を書き換えて表示することが可能であるので、従来、所属部署や氏名などに変更があるとその度に新規に作成していた社員証をそのまま継続して使用することが可能となり資源の無駄遣いが無くなった。
【0038】
本発明実施例の電子社員証は、表示を必要とする施設内でのみ社員の個人情報の表示を行い、施設外に出ると表示が消去されるため、個人情報の漏洩が抑制された。
【0039】
本発明実施例の電子社員証は、外部の情報機器と通信を行いその利用情報を表示することが可能となった。
【0040】
[その他]
本発明実施例に示したように電子社員証(個人情報カード)内に電池などを内蔵せずに、外部からの高周波電流などによって電源を供給する形であっても良いし、内臓電池や太陽電池パネルなどを搭載してカード自体が電源を持つ形であっても良いし、又、それらの組み合わせであっても良い。
【0041】
本発明実施例に示したように画像形成装置などの外部の機器と通信して利用情報を取得する際には、電子社員証が画像形成装置に近づくと通信を行って装置へのログインを行うとする方法としても良い。又、電子社員証をつけた社員が装置から離れると、画像形成装置が電子社員証との通信が出来なくなることをきっかけとしてログオフしたとする方法をとってもよい。
【0042】
個人情報カードとして、所有しているのが本人であるかどうかの確認を行うために、指紋や静脈パターンや虹彩形状などの生体認証情報を個人情報カードに記憶させて、生体認証情報の照合装置を用いて個人情報カードの所有者が正当な所有者であるかどうかを照合してセキュリティを上げる方法を取っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明実施例の電子社員証の機能ブロック図である(実施例1)。
【図2】本発明実施例の電子社員証の個人情報及び訪問者識別の表示及び非表示の例である(実施例1)。
【図3】本発明実施例の電子社員証の外部の機器の利用情報の表示例である(実施例1)。
【図4】本発明実施例の電子社員証の場所情報の取得及び外部の機器の利用時の例の図である(実施例1)。
【符号の説明】
【0044】
101 電子社員証(個人認識カード)
111 表示部
113 通信部
115 制御部
201 通信ゲート(外部の機器)
301 画像形成装置(外部の機器)
401 食券自動販売機(外部の機器)
【技術分野】
【0001】
表示部を有する個人情報カードにおいて、場所により前記表示部の表示内容を変更したり、外部の通信機器と通信を行って外部装置の利用情報の表示を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、社員証などの個人情報カードは、写真、氏名、所属などが印刷されてIDカードとしての役割を果たすが、それらの情報に変更があった際には、廃棄して新規のカードを作成するという方法がとられており、そのたびにコストがかかり、また資源の再利用という面からも無駄が多かった。
【0003】
また、社員証などは個人情報の固まりであるので、常にその内容を表示しておくということは個人情報の漏洩に繋がることもあり、必要な場面にのみその内容を表示するような仕組みがあれば望ましいが、そのような個人情報カードは存在しなかった。
【0004】
従来技術として、書き換えが自由なレシートとしても利用することができる会員カードがある。この会員カードでは、会員コードを記憶する記憶部と、電子画像を格納する電子ペーパー部とを具備し、商品販売データ処理装置における売上処理の際に、記憶部に売上処理データを記憶し、該データを電子ペーパー部に格納して表示することにより、書き換え可能なレシートとして利用することができる(特許文献1参照)。
【0005】
しかし、この方法では、場所によっての表示内容の制御を行うことは出来なかった。また、画像形成装置の利用情報などを表示することはできなかった。
【0006】
【特許文献1】特開2005−144837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、個人情報カードにおいて表示内容の変更が有った場合に新規に個人情報カードを作成することなく、情報内容の表示の変更を可能とする点と、表示内容を場所に応じて変更する点と、外部機器の利用情報などを表示する点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の個人情報カードは、情報の表示を行う表示部と、外部の機器と通信を行って個人情報の授受を行う通信部と、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部へ表示させるための制御を行う制御部と、を有することを最も主要な特徴とする。
【0009】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記制御部は、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部に表示されている個人情報の全てに代えて、又は選択的に代えて表示させることを主要な特徴とする。
【0010】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、外部の機器と通信を行って場所情報を取得し、前記制御部は、前記場所情報に基づいて前記表示部での表示又は表示する個人情報の選択を制御することを主要な特徴とする。
【0011】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、前記外部の機器の個人の利用情報を個人情報とし、前記制御部は、前記利用情報を表示するよう前記表示部を制御することを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の個人情報カードは、情報の表示を行う表示部と、外部の機器と通信を行って個人情報の授受を行う通信部と、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部へ表示させるための制御を行う制御部と、を有することを最も主要な特徴とするため、個人情報の変更が有った場合にその新規の情報を外部の機器との通信によって取得して、その表示が可能なため、新規に個人情報カードを作成することなく必要な情報の更新をすることが可能となった。
【0013】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記制御部は、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部に表示されている個人情報の全てに代えて、又は選択的に代えて表示させることを主要な特徴とするため、個人情報の変更が有った場合にその新規の情報を外部の機器との通信によって取得して、その表示が可能なため、新規に個人情報カードを作成することなく必要な情報の更新をすることが可能となった。
【0014】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、外部の機器と通信を行って場所情報を取得し、前記制御部は、前記場所情報に基づいて前記表示部での表示又は表示する個人情報の選択を制御することを主要な特徴とするため、例えば個人情報カードの内容を該カードを使用する施設内では表示を行い、該カードを使用しない前記施設外では表示を行わないとすることが可能となり、個人情報カードに通常表示されている個人情報が不用意に漏洩することを抑制できるようになった。
【0015】
また、本発明の個人情報カードは、前記個人情報カードであって、前記通信部は、前記外部の機器の個人の利用情報を個人情報とし、前記制御部は、前記利用情報を表示するよう前記表示部を制御することを主要な特徴とするため、画像形成装置などの外部機器の利用記録を個人情報カード上に表示して、例えば一ヶ月に割り当てられた複写枚数の残量の確認などが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
個人情報カードにおいて、個人情報が変わっても新規に作成することなく内容を更新可能としたり、個人情報の漏洩を抑制したり、外部機器の利用情報を表示したりすることを外部機器との通信機能を持たせた表示部つきのカードにより実現した。
【実施例1】
【0017】
[構成]
本発明の個人情報カードの実施例としての電子社員証について以下に説明する。
【0018】
図1は、電子社員証(個人情報カード)の機能ブロック図である。
【0019】
電子社員証101は、表示部111、通信部113、制御部115の各機能ブロックを有している。
【0020】
表示部111は、電子ペーパーなどの電子ディスプレイ技術を用いて、個人情報の例えば個人の写真、所属名、氏名や所属団体名やロゴなどを表示する。さらに、画像形成装置などの外部の機器の利用情報などを表示する。表示部111は、後述の制御部115により表示内容が制御され、個人情報の表示・非表示の制御を場所に合わせて行う。
【0021】
電子ペーパーによる技術では、表示の書き換え時のみに電源が必要で、すでに表示された内容を保持するためには、電源を必要としないものがある。そのため、表示内容の変更を行う際に通信部113が外部装置から送信される高周波を電源として、表示内容の変更に必要な電力として利用することにより、電子社員証(個人情報カード)自体に内臓電池などの電源を持たなくとも動作可能とすることが出来る。
【0022】
通信部113は、RFID(Radio Frequency IDentification)の技術を用いて、外部の通信機器(外部の機器)からの高周波を電源として用いて、前記外部の通信機器と通信を行う。通信を行う相手の外部の通信機器は、例えば、場所情報を提供する通信ゲート201(図3、詳細後述)や利用情報を提供する画像形成装置301(図3、詳細後述)や食堂の利用情報を提供する自動販売機401(図3、詳細後述)である。又、例えば画像形成装置301やその他の専用の情報書き込み装置(不図示)などを用いて、社員証の所有者の個人情報の書き込み・書き換えを行うことも可能である。
【0023】
制御部115は、前記外部の通信機器(外部の機器)との通信により授受した前記個人情報の表示部111での表示・非表示の制御を行う。又、前記画像形成装置301や前記自動販売機401の利用情報の表示の制御を行う。
【0024】
[電子社員証の表示例]
図2、図3及び図4を用いて、電子社員証が場所によって、又は外部装置との通信によって表示内容を変更する例について説明する。
【0025】
図2(P)は、電子社員証が社内で通常用いられる場合の表示である。
【0026】
電子社員証101は、そのカードの片側全面が表示部111となっており、そこには、社員の写真35、会社のロゴ39、所属部署名及び氏名41が表示されている。また、電子社員証101には、外部装置の情報を表示する情報表示スペース43が設けられている。
【0027】
図4には、電子社員証の用いられる会社の施設を模式図化したものを示す。
【0028】
壁面で囲まれた会社施設は以下の4つの区域に区切られている。玄関区域(A)、共通廊下区域(B)、社内特定社員制限区域(C)、共通食堂区域(D)。
【0029】
前記の各区域の出入り口には、場所情報の特定を行う通信機器である通信ゲート201が設けられており、電子社員証をつけた社員(11から21)が各区域を移動する際に、電子社員証が通信ゲートと通信を行って、社員がどこの区域からどこの区域に移動したかを電子社員証が把握できるようになっている。
【0030】
図4の社員11は、玄関区域(A)から施設外にでたので、社員証に表示されている個人情報を非表示とし、図2(R)に示すような例えば全面が灰色の表示となる。
【0031】
図4の社員13は、共通廊下区域(B)に入ったところで、その電子社員証の表示は、図2(P)に示すように、個人写真や、会社ロゴ、所属部署、氏名を表示している。
【0032】
図4の社内特定社員制限区域(C)内は、例えば開発部などの秘密情報を扱っている部署で、社員の中でも同部署に所属しているものとそうでないものの電子社員証の表示を異ならせる区域である。例えば社員15は、同部署に所属しているのでその表示は、図2(P)のように標準の個人情報が表示されているが、社員17cは、社内特定社員制限区域(C)の部署に所属していない社員であるため、その社員証の表示は、図2(Q)に示すように訪問者表示37を表示して、周りの人間に同区域の部署に所属していない訪問者である事を示す。同社員が食堂区域(D)に移動した場合は、社員17dの電子社員証の表示からは、訪問者表示37が消えて図2(P)の通常の表示となる。
【0033】
また、電子社員証101は、外部の機器と通信を行ってその通信機器の利用情報を情報表示スペース43に表示が可能である。
【0034】
例えば、図4の社員19は、画像形成装置301に近づいて、同装置を利用しようとしているが、同装置に近づいたことにより、社員19の画像形成装置の例えば今月の利用記録を表示する。その表示例を図3(S)に示す。情報表示スペースには、画像形成装置であるMFP(複合機)#301の使用履歴を示してあり、今月、同社員証の所有者がこれまでにカラーコピーを35枚行い、当月の割り当て枚数が100枚あり、カラープリントを60枚行い、当月の割り当て枚数が同じく100枚であり、今月は950円分使用していることを示している。
【0035】
また、社員21は、食堂の自動販売機401の前に近づき食券の購入をしようとしているが、そのときその電子社員証は、図3(T)に示すように、同食堂での前回及び前々回の食券購入のデータを表示している。
【0036】
[実施例の効果]
本発明実施例の電子社員証により、以下のことが可能となった。
【0037】
内容を書き換えて表示することが可能であるので、従来、所属部署や氏名などに変更があるとその度に新規に作成していた社員証をそのまま継続して使用することが可能となり資源の無駄遣いが無くなった。
【0038】
本発明実施例の電子社員証は、表示を必要とする施設内でのみ社員の個人情報の表示を行い、施設外に出ると表示が消去されるため、個人情報の漏洩が抑制された。
【0039】
本発明実施例の電子社員証は、外部の情報機器と通信を行いその利用情報を表示することが可能となった。
【0040】
[その他]
本発明実施例に示したように電子社員証(個人情報カード)内に電池などを内蔵せずに、外部からの高周波電流などによって電源を供給する形であっても良いし、内臓電池や太陽電池パネルなどを搭載してカード自体が電源を持つ形であっても良いし、又、それらの組み合わせであっても良い。
【0041】
本発明実施例に示したように画像形成装置などの外部の機器と通信して利用情報を取得する際には、電子社員証が画像形成装置に近づくと通信を行って装置へのログインを行うとする方法としても良い。又、電子社員証をつけた社員が装置から離れると、画像形成装置が電子社員証との通信が出来なくなることをきっかけとしてログオフしたとする方法をとってもよい。
【0042】
個人情報カードとして、所有しているのが本人であるかどうかの確認を行うために、指紋や静脈パターンや虹彩形状などの生体認証情報を個人情報カードに記憶させて、生体認証情報の照合装置を用いて個人情報カードの所有者が正当な所有者であるかどうかを照合してセキュリティを上げる方法を取っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明実施例の電子社員証の機能ブロック図である(実施例1)。
【図2】本発明実施例の電子社員証の個人情報及び訪問者識別の表示及び非表示の例である(実施例1)。
【図3】本発明実施例の電子社員証の外部の機器の利用情報の表示例である(実施例1)。
【図4】本発明実施例の電子社員証の場所情報の取得及び外部の機器の利用時の例の図である(実施例1)。
【符号の説明】
【0044】
101 電子社員証(個人認識カード)
111 表示部
113 通信部
115 制御部
201 通信ゲート(外部の機器)
301 画像形成装置(外部の機器)
401 食券自動販売機(外部の機器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の表示を行う表示部と、
外部の機器と通信を行って個人情報の授受を行う通信部と、
前記通信部が授受した個人情報を前記表示部へ表示させるための制御を行う制御部と、を有する
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項2】
請求項1記載の個人情報カードであって、
前記制御部は、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部に表示されている個人情報の全てに代えて、又は選択的に代えて表示させる
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の個人情報カードであって、
前記通信部は、外部の機器と通信を行って場所情報を取得し、
前記制御部は、前記場所情報に基づいて前記表示部での表示又は表示する個人情報の選択を制御する
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の個人情報カードであって、
前記通信部は、前記外部の機器の個人の利用情報を個人情報とし、
前記制御部は、前記利用情報を表示するよう前記表示部を制御する
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項5】
請求項4に記載の個人情報カードであって、
前記外部の機器が画像形成装置であり、
前記通信部は、前記画像形成装置に関する個人の利用情報を個人情報とする
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の個人情報カードであって、
前記通信部が授受する前記個人情報は、個人が所属する団体に関係したものである
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項1】
情報の表示を行う表示部と、
外部の機器と通信を行って個人情報の授受を行う通信部と、
前記通信部が授受した個人情報を前記表示部へ表示させるための制御を行う制御部と、を有する
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項2】
請求項1記載の個人情報カードであって、
前記制御部は、前記通信部が授受した個人情報を前記表示部に表示されている個人情報の全てに代えて、又は選択的に代えて表示させる
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の個人情報カードであって、
前記通信部は、外部の機器と通信を行って場所情報を取得し、
前記制御部は、前記場所情報に基づいて前記表示部での表示又は表示する個人情報の選択を制御する
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の個人情報カードであって、
前記通信部は、前記外部の機器の個人の利用情報を個人情報とし、
前記制御部は、前記利用情報を表示するよう前記表示部を制御する
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項5】
請求項4に記載の個人情報カードであって、
前記外部の機器が画像形成装置であり、
前記通信部は、前記画像形成装置に関する個人の利用情報を個人情報とする
ことを特徴とする個人情報カード。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の個人情報カードであって、
前記通信部が授受する前記個人情報は、個人が所属する団体に関係したものである
ことを特徴とする個人情報カード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2009−70313(P2009−70313A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240457(P2007−240457)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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