説明

個人特性検出システム、個人特性検出方法およびプログラム

【課題】ユーザの生体情報に基づき、ユーザの個人特性を検出する個人特性検出システム、個人特性検出方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】取得部10は、ユーザの生体情報を取得し、算出部20に送る。算出部20は、多次元の所定の感情モデルにおいて、感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、生体情報から感情モデルの各次元の値を算出し、記憶部30に送る。記憶部30は、各次元の値を時系列データとして記憶する。特性検出部40は、各次元の値の時系列データを用いて、各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、ユーザの個人特性を検出する。そして、検出したユーザの個人特性を出力部50に送る。出力部50は、送られたユーザの個人特性を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人特性検出システム、個人特性検出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの生体情報に基づき、ユーザの感情を推測する技術が開発されている。
【0003】
特許文献1に開示される感情推定装置は、外的ストレスをユーザに付加した際のユーザの生体情報および感情を計測し、データベースを予め構築する。そして、データベースを用いて、ユーザの生体情報に基づき感情を推定する。
【0004】
特許文献2に開示されるヒト状態推定装置は、ユーザの眼球の固視微動を解析し、その解析結果に基づいて、利用者の心理状態、感情状態および思考状態のうちの少なくとも一つであるヒト状態を推定する。
【0005】
特許文献3に開示される感情の可視化装置は、ユーザの生体情報に基づき、感情を推測し、推測された感情を色により可視化する。また所定の期間における感情の変化や、所定の期間における各感情の割合を表す感情の状態分布も色により可視化する。
【0006】
特許文献4に開示される心理状態分析支援装置は、ユーザが選択した色を時刻情報と共に記憶する。また、所定の時点で複数のユーザが選択した色を並列に表示させる。それにより、ユーザの心理状態の経時変化を把握することを支援する。
【0007】
特許文献5に開示される心理状態推定装置は、ユーザに刺激を与え、刺激に対する生体情報の変化を時刻情報と共に取得し、学習データを更新する。そして、学習データを用いて、生体情報に基づきユーザの心理状態を推定する。
【0008】
特許文献6に開示される心理状態評価装置は、ユーザの複数の生体情報に基づき、心理状態を2次元心理モデルによって評価する。また、心理モデルを表す心理モデル式を、生体情報と心理状態との関係であって所定のタイミングからの時系列的な関係を表す式とすることで、ユーザの心理状態を所定のタイミングからの経時変化で評価することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−167014号公報
【特許文献2】国際公開第2009/001558号
【特許文献3】特開2005−058449号公報
【特許文献4】特開2005−143837号公報
【特許文献5】特開2009−018047号公報
【特許文献6】特開2010−264038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1ないし6に開示される技術は、ユーザの生体情報に基づきユーザの感情を推定する。さらに特許文献3ないし6に開示される技術は、ユーザの感情の変化を時系列で出力することができる。しかし、これらの技術では、ユーザの生体情報に基づき、ユーザの個人特性を検出することはできない。
【0011】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの生体情報に基づき、ユーザの個人特性を検出する個人特性検出システム、個人特性検出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る個人特性検出システムは、
ユーザの生体情報を取得する、生体情報取得手段と、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出手段と、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶手段と、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出手段と、
前記個人特性検出手段で検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の観点に係る個人特性検出方法は、
生体情報に基づきユーザの個人特性を検出する個人特性検出システムが行う、個人特性検出方法であって、
前記ユーザの前記生体情報を取得する、生体情報取得ステップと、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出ステップと、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶ステップと、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出ステップと、
前記個人特性検出ステップで検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、コンピュータに、
ユーザの生体情報を取得する、生体情報取得ステップと、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出ステップと、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶ステップと、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出ステップと、
前記個人特性検出ステップで検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの生体情報に基づき、ユーザの個人特性を検出する個人特性検出システム、個人特性検出方法およびプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る個人特性検出システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係る多次元の感情モデルの例を示す図である。
【図3】実施の形態に係る時系列データの例を示す図である。
【図4】実施の形態に係る変化ベクトルの例を示す図である。
【図5】実施の形態に係る個人特性検出の動作を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係る個人特性検出装置の物理的な構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る個人特性検出システムの構成例を示すブロック図である。個人特性検出システム1は、任意の数の取得部10および個人特性検出装置2を備える。個人特性検出装置2は、算出部20、記憶部30、特性検出部40、および出力部50を備える。
【0019】
個人特性検出システム1は任意の数の取得部10を備える。取得部10は、ユーザの1または複数の種類の生体情報を取得し、取得した生体情報を算出部20に送る。取得部10と算出部20の間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。取得部10は、ユーザが装着する装着型であってもよいし、ユーザの周囲に設置する非装着型であってもよい。生体情報として、例えば、心拍数、皮膚電気活動、脳波、体温、血圧、発汗量、まばたきの頻度や速度、音声、表情、などを用いることができる。個人特性検出システム1は、例えば以下のように個人特性を検出する。
【0020】
個人特性検出システム1は、心拍数センサ、皮膚電位センサ、および脳波センサの3つの取得部10を備えるとする。心拍数センサはユーザの心拍数を取得し、皮膚電位センサはユーザの皮膚電気活動を取得し、脳波センサはユーザの脳波を取得し、それぞれ取得した生体情報を算出部20に送信する。
【0021】
算出部20は、多次元の所定の感情モデルにおいて、生体情報から感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、送信された生体情報から感情モデルの各次元の値を算出する。そして、算出した各次元の値を記憶部30に送る。図2は、実施の形態に係る多次元の感情モデルの例を示す図である。図2の例では、Russellの感情円環モデルのように二次元の感情モデルを用い、横軸に快感度を、縦軸に興奮度を用いる。
【0022】
算出部20は、例えば脳波をフーリエ変換し、脳波全体の周波数成分のパワーの内、α波に該当する所定の周波数成分のパワーが占める割合をα波の割合とする。α波の割合に定数を乗じたものを快感度の値としてもよいし、α波の割合から所定の関数を用いて快感度の値を算出してもよい。関数として、例えば階段関数を用いてα波の割合から快感度の値を算出してもよいし、所定の期間でのα波の割合の平均値に対する変化率を快感度の値として算出してもよい。
【0023】
興奮度の次元については、算出部20は、心拍数および皮膚電気活動から所定の関数を用いて興奮度の値を算出する。例えば所定の関数として、心拍数と皮膚電気活動の逆数との線形和を算出する関数、心拍数と皮膚電気活動の逆数を乗算する関数、心拍数の二乗と皮膚電気活動の逆数の二乗の線形和の平方根を算出する関数などを用いることができる。
【0024】
興奮度の値を算出するために、心拍数および皮膚電気活動の所定の時間での変化量に基づき、心拍数の変化量と皮膚電気活動の逆数の変化量の線形和を算出する関数、心拍数の変化量と皮膚電気活動の逆数の変化量を乗算する関数、心拍数の変化量の二乗と皮膚電気活動の逆数の変化量の二乗の線形和の平方根を算出する関数などを用いることができる。また、測定値と上述の所定の時間での変化量に基づき、心拍数と皮膚電気活動の逆数の変化量の線形和を算出する関数などを用いることができる。
【0025】
感情モデルにおける原点については、所定の期間内に算出された各次元の値により特定される点を多次元の座標にプロットし、プロットされた複数の点の重心を原点とするよう構成してもよい。また、上述の各次元の値の中央値により特定される点を原点としてもよい。
【0026】
感情モデルの各次元の値を、多次元の座標で示したものを感情ベクトルとする。図2の例では、感情ベクトルA1は、快感度および興奮度がそれぞれ原点の値以上であるので、感情は「喜び」であることを表している。同様に、快感度が原点の値以上で興奮度が原点の値より小さい場合は「リラックス」、快感度が原点の値より小さく興奮度が原点の値以上である場合は「怒り」、快感度および興奮度がそれぞれ原点の値より小さい場合は「悲しみ」を表す。
【0027】
記憶部30は、送られた各次元の値を時刻情報と対応づけて、時系列データとして記憶する。時刻情報としては、各次元の値を算出した時刻の内、早い時刻や、各次元の値の算出に使われた生体情報の内、所定の生体情報を取得した時刻などを用いることができる。図3は、実施の形態における時系列データの例を示す図である。図3の例では、快感度の値、興奮度の値および算出時刻が記憶されている。
【0028】
特性検出部40は、時系列データを用いて、感情ベクトルの変化が所定の条件に合致するか否かに基づき、ユーザの個人特性を検出する。感情ベクトルの変化を変化ベクトルとする。図4は、実施の形態に係る変化ベクトルの例を示す図である。感情ベクトルA2、A3は、それぞれ図3に示す(x2、y2)、(x3、y3)の位置を表す。変化ベクトルB1は、感情ベクトルA2から感情ベクトルA3への変化を表すベクトルである。
【0029】
特性検出部40は、変化ベクトルB1を用いて、例えば、所定の期間における、移動回数の内、「怒り」の状態から「喜び」の状態への移動回数の割合が所定の値以上である場合には、「テンションを保ったまま怒りが冷める」という個人特性を検出する。同様に、「怒り」の状態から「悲しみ」の状態への点の移動回数の割合が所定の値以上である場合には、「怒りが悲しみに転化する」という個人特性を検出する。
【0030】
感情領域間の所定の距離の移動時間を表す、変化ベクトルB2を用いて、例えば、所定の期間における、「怒り」の状態から「リラックス」の状態への移動時間の平均値が所定の値以下である場合、すなわち「怒り」の状態から「リラックス」の状態への移動速度の平均値が所定の値以上である場合には、「怒りがすぐ冷め落ち着きやすい」という個人特性を検出する。
【0031】
所定の時間での移動距離を表す、変化ベクトルB3を用いて、例えば、所定の期間における、所定の時間での「怒り」の状態からの移動距離の平均値が所定の値より小さい場合には、「怒りが冷めにくい」という個人特性を検出する。
【0032】
上述の他に、所定の位置、例えば興奮度の絶対値が一定以上の位置から移動を開始して所定の位置、例えば興奮度の値が原点と同じ値の位置まで戻る時間などを用いて、個人特性を検出するよう構成してもよい。
【0033】
特性検出部40は、検出したユーザの個人特性を出力部50に送る。出力部50は、送られたユーザの個人特性を表示する。なお出力部50は、ユーザの個人特性を外部装置に送信するよう構成してもよい。
【0034】
図5は、実施の形態に係る個人特性検出の動作を示すフローチャートである。個人特性検出システム1が行う個人特性検出動作について説明する。取得部10は、ユーザの生体情報を取得し、算出部20に送る(ステップS110)。算出部20は、多次元の所定の感情モデルと生体情報から感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、送信された生体情報から感情モデルの各次元の値を算出する(ステップS120)。そして、算出した各次元の値を記憶部30に送る。
【0035】
記憶部30は、送られた各次元の値を時間情報と対応づけて、時系列データとして記憶する(ステップS130)。特性検出部40は、時系列データを用いて、感情ベクトルの変化が所定の条件に合致するか否かに基づき、ユーザの個人特性を検出する(ステップS140)。そして、検出したユーザの個人特性を出力部50に送る。出力部50は、送られたユーザの個人特性を出力する(ステップS150)。個人特性検出システム1は、上述の処理を繰り返し行う。
【0036】
以上説明したとおり、本発明の実施の形態に係る個人特性検出システム1によれば、生体情報に基づき、多次元の感情モデルにおける各次元の値により特定される点の軌跡を算出する。そして、軌跡に基づき個人特性を検出する。軌跡には個人差があるため、軌跡を用いて個人特性を検出することにより、個人特性の検出の精度を向上させることが可能となる。
【0037】
本発明の実施の形態は上述の実施の形態に限られない。感情モデルは二次元に限られない。また感情モデルの軸としてはストレスや不安感などその他の感情を用いるよう構成してもよい。例えば、心拍数および血圧から所定の関数を用いてストレス度の値を算出する。例えば所定の関数として、心拍数と血圧の線形和を算出する関数、心拍数と血圧を乗算する関数、心拍数の二乗と血圧の二乗の線形和の平方根を算出する関数などを用いることができる。
【0038】
ストレス度の値を算出するために、心拍数および血圧の所定の時間での変化量に基づき、心拍数の変化量と血圧の変化量の線形和を算出する関数、心拍数の変化量と血圧の変化量を乗算する関数、心拍数の変化量の二乗と血圧の変化量の二乗の線形和の平方根を算出する関数などを用いることができる。また、測定値と上述の所定の時間での変化量に基づき、心拍数と血圧の変化量の線形和を算出する関数などを用いることができる。
【0039】
不安度の次元については、例えば、発汗量およびまばたきの頻度から所定の関数を用いて不安度の値を算出する。例えば所定の関数として、発汗量とまばたきの頻度の線形和を算出する関数、発汗量とまばたきの頻度を乗算する関数、発汗量の二乗とまばたきの頻度の二乗の線形和の平方根を算出する関数などを用いることができる。
【0040】
不安度の値を算出するために、発汗量およびまばたきの頻度の所定の時間での変化量に基づき、発汗量の変化量とまばたきの頻度の変化量の線形和を算出する関数、発汗量の変化量とまばたきの頻度の変化量を乗算する関数、発汗量の変化量の二乗とまばたきの頻度の変化量の二乗の線形和の平方根を算出する関数などを用いることができる。また、測定値と上述の所定の時間での変化量に基づき、発汗量とまばたきの頻度の変化量の線形和を算出する関数などを用いることができる。
【0041】
本発明の実施の形態に係る個人特性検出システム1は、話し相手の個人特性に基づき対話シナリオを変更する対話システム、人同士の対話を支援する対話支援システム、相性の良い個人特性を持つ人同士を組み合わせる組織運営システムなどに適用することができる。
【0042】
図6は、本発明の実施の形態に係る個人特性検出装置の物理的な構成例を示すブロック図である。個人特性検出装置2は、図6に示すように、制御部61、主記憶部62、外部記憶部63、操作部64、表示部65、入出力部66、および送受信部67を備える。主記憶部62、外部記憶部63、操作部64、表示部65、入出力部66および送受信部67はいずれも内部バス60を介して制御部61に接続されている。
【0043】
制御部61はCPU(Central Processing Unit)などから構成され、外部記憶部63に記憶されている制御プログラム68に従って、個人特性検出装置2が行うユーザの個人特性検出を実行する。
【0044】
主記憶部62はRAM(Random-Access Memory)などから構成され、外部記憶部63に記憶されている制御プログラム68をロードし、制御部61の作業領域として用いられる。
【0045】
外部記憶部63は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)などの不揮発性メモリから構成され、上述の処理を制御部61に行わせるための制御プログラム68を予め記憶し、また、制御部61の指示に従って、この制御プログラム68が記憶するデータを制御部61に供給し、制御部61から供給されたデータを記憶する。
【0046】
操作部64はキーボードおよびマウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス60に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部64を介して、例えばユーザの個人特性の検出に用いられる所定の条件の入力を受け付ける。
【0047】
表示部65は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)もしくは有機ELディスプレイ、およびスピーカなどから構成され、ユーザの個人特性などを出力する。
【0048】
入出力部66は、シリアルインタフェースまたはパラレルインタフェースから構成されている。入出力部66に、例えば、取得部10が接続され、生体情報を取得する。
【0049】
送受信部67は、無線送受信機、無線モデムまたは網終端装置、およびそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部67を介して、例えば、取得部10から生体情報を受信する。
【0050】
個人特性検出装置2の処理は、制御プログラム68が、制御部61、主記憶部62、外部記憶部63、操作部64、表示部65、入出力部66、送受信部67などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0051】
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0052】
制御部61、主記憶部62、外部記憶部63、内部バス60などから構成される制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなど)に格納して配布し、前記コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する個人特性検出装置2を構成してもよい。また、インターネットなどの通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に前記コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロードなどすることで個人特性検出装置2を構成してもよい。
【0053】
また、個人特性検出装置2の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0054】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0055】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0056】
(付記1)
ユーザの生体情報を取得する、生体情報取得手段と、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出手段と、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶手段と、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出手段と、
前記個人特性検出手段で検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力手段と、
を備えることを特徴とする個人特性検出システム。
【0057】
(付記2)
前記生体情報取得手段は、複数種類の前記生体情報を取得し、
前記算出手段は、前記感情モデルの少なくとも1の次元について、前記次元の値を前記複数種類の生体情報に基づき算出する、
ことを特徴とする付記1に記載の個人特性検出システム。
【0058】
(付記3)
前記感情モデルは、快感度の次元と興奮度の次元を含み、
前記生体情報取得手段は、前記ユーザのα波、心拍数および皮膚電気活動を取得し、
前記算出手段は、前記取得したα波から前記快感度の値を算出し、前記取得した心拍数および前記取得した皮膚電気活動から前記興奮度の値を算出する、
ことを特徴とする付記2に記載の個人特性検出システム。
【0059】
(付記4)
生体情報に基づきユーザの個人特性を検出する個人特性検出システムが行う、個人特性検出方法であって、
前記ユーザの前記生体情報を取得する、生体情報取得ステップと、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出ステップと、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶ステップと、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出ステップと、
前記個人特性検出ステップで検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力ステップと、
を備えることを特徴とする個人特性検出方法。
【0060】
(付記5)
前記生体情報取得ステップにおいて、複数種類の前記生体情報を取得し、
前記算出ステップにおいて、前記感情モデルの少なくとも1の次元について、前記次元の値を前記複数種類の生体情報に基づき算出する、
ことを特徴とする付記4に記載の個人特性検出方法。
【0061】
(付記6)
前記感情モデルは、快感度の次元と興奮度の次元を含み、
前記生体情報取得ステップにおいて、前記ユーザのα波、心拍数および皮膚電気活動を取得し、
前記算出ステップにおいて、前記取得したα波から前記快感度の値を算出し、前記取得した心拍数および前記取得した皮膚電気活動から前記興奮度の値を算出する、
ことを特徴とする付記5に記載の個人特性検出方法。
【0062】
(付記7)
コンピュータに、
ユーザの生体情報を取得する、生体情報取得ステップと、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出ステップと、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶ステップと、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出ステップと、
前記個人特性検出ステップで検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0063】
1 個人特性検出システム
2 個人特性検出装置
10 取得部
20 算出部
30 記憶部
40 特性検出部
50 出力部
60 内部バス
61 制御部
62 主記憶部
63 外部記憶部
64 操作部
65 表示部
66 入出力部
67 送受信部
68 制御プログラム
A1、A2、A3 感情ベクトル
B1、B2、B3 変化ベクトル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生体情報を取得する、生体情報取得手段と、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出手段と、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶手段と、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出手段と、
前記個人特性検出手段で検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力手段と、
を備えることを特徴とする個人特性検出システム。
【請求項2】
前記生体情報取得手段は、複数種類の前記生体情報を取得し、
前記算出手段は、前記感情モデルの少なくとも1の次元について、前記次元の値を前記複数種類の生体情報に基づき算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の個人特性検出システム。
【請求項3】
前記感情モデルは、快感度の次元と興奮度の次元を含み、
前記生体情報取得手段は、前記ユーザのα波、心拍数および皮膚電気活動を取得し、
前記算出手段は、前記取得したα波から前記快感度の値を算出し、前記取得した心拍数および前記取得した皮膚電気活動から前記興奮度の値を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の個人特性検出システム。
【請求項4】
生体情報に基づきユーザの個人特性を検出する個人特性検出システムが行う、個人特性検出方法であって、
前記ユーザの前記生体情報を取得する、生体情報取得ステップと、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出ステップと、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶ステップと、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出ステップと、
前記個人特性検出ステップで検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力ステップと、
を備えることを特徴とする個人特性検出方法。
【請求項5】
前記生体情報取得ステップにおいて、複数種類の前記生体情報を取得し、
前記算出ステップにおいて、前記感情モデルの少なくとも1の次元について、前記次元の値を前記複数種類の生体情報に基づき算出する、
ことを特徴とする請求項4に記載の個人特性検出方法。
【請求項6】
前記感情モデルは、快感度の次元と興奮度の次元を含み、
前記生体情報取得ステップにおいて、前記ユーザのα波、心拍数および皮膚電気活動を取得し、
前記算出ステップにおいて、前記取得したα波から前記快感度の値を算出し、前記取得した心拍数および前記取得した皮膚電気活動から前記興奮度の値を算出する、
ことを特徴とする請求項5に記載の個人特性検出方法。
【請求項7】
コンピュータに、
ユーザの生体情報を取得する、生体情報取得ステップと、
多次元の所定の感情モデルにおいて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出するための関数を用いて、前記生体情報から前記感情モデルの各次元の値を算出する、算出ステップと、
前記各次元の値を時系列データとして記憶する、記憶ステップと、
前記各次元の値の時系列データを用いて、前記各次元の値により特定される点の移動方向、移動速度もしくは所定の時間での移動距離またはこれらの組み合わせを含む、変化情報が所定の条件に合致するか否かに基づき、前記ユーザの個人特性を検出する、個人特性検出ステップと、
前記個人特性検出ステップで検出した前記ユーザの個人特性を出力する、出力ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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