説明

個人用緊急対応システムにおいて使用するためのスピーカフォン及び増設スピーカフォン

個人用緊急対応システム(PERS)は、ベースユニット16と、1つ以上の増設ユニット20を含む。ベースユニットは、スピーカ64、マイクロフォン72、電話インターフェース回路40、マイクロコントローラ46、及び自動ダイヤラ48を含む。各増設ユニットは、スピーカ164、マイクロフォン172、電話インターフェース回路140、及び、自動ダイヤラ無しのコントローラ146を含む。ベースユニットコントローラ46と増設ユニットコントローラ146は、ヘルプモードにおいて、ベースユニットコントローラと増設ユニットコントローラがマスター/スレーブ関係をとるようにプログラムされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は個人用緊急対応システム(PERS)に特に適用可能であり、特にそれに関連して記載される。しかしながら、他の種類の個人用通信システムにも適用され得ることが理解されるものとする。
【背景技術】
【0002】
個人用緊急対応システムは、典型的には、契約者によって作動されるとコールセンターに自動的に電話をするベースユニットを含む。契約者は典型的には、ベースユニット上、又は、自動呼出しを作動させるために契約者が携帯する遠隔RFユニット上の呼び出し若しくは緊急ボタンを押すことができる。ベースユニットは典型的にはコールセンターと契約者間の音声通信を確立するためのスピーカフォンとして機能し、契約者はベースユニットのところにいるかどうかはわからない。例えば、契約者は倒れているかもしれず、立つこと又はベースユニットへ移動することができないかもしれない。
【0003】
一部の契約者が直面する問題は、その生活空間が1つのベースユニットでは十分ではないということである。契約者は生活空間の全部分においてベースユニットを聞くことができないかもしれない。反対に、契約者は生活空間の全領域からベースユニットと通信するために十分な音量で話すことができないかもしれない。
【0004】
1つの可能性のある解決法は、生活空間の他の領域に追加のベースユニットを設けることである。しかしながら、複数のベースユニットは複数の電話線を必要とする。各ベースユニットはコールセンターに電話するための自動ダイヤラを含む。結果として、わずかな時間遅延を伴う可能性がある2つ以上のベースユニットが同時にコールセンターに電話しようとした場合、2つの電話が干渉し、コールセンターに連絡することができずに終わる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は上記の問題などを克服する改良されたスピーカフォンシステムを記載する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、個人用緊急対応システムが提供される。該システムは、スピーカと、マイクロフォンと、スピーカ、マイクロフォン、及び電話線と接続される電話インターフェース回路と、マイクロコントローラと、自動ダイヤラとを含むベースユニットを含む。該システムはさらに、スピーカと、マイクロフォンと、スピーカ、マイクロフォン、及び電話線と接続される電話インターフェース回路と、自動ダイヤラ無しのコントローラとを含む1つの増設ユニットを含む。ベースユニットコントローラと増設ユニットコントローラは、ヘルプモードにおいてベースユニットコントローラと増設ユニットコントローラがマスター/スレーブ関係をとるようにプログラムされる。
【0007】
別の態様によれば、個人用応答システムを使用する方法が提供される。ヘルプモードに入るべき指示を受信するのに応じて、ベースユニットマイクロコントローラがヘルプモードに置かれ、自動ダイヤラが予め選択された番号をダイヤルするように始動させられ、ベースユニット及び増設ユニットのマイクロフォンがミュートにされる。コールセンターとの通信リンクを確立すると、予め記録された音声チップがリンクの接続成功を契約者に知らせるように始動させられる。コールセンターにいるオペレータが契約者から発する音を聞くことができるようにするために、ベースユニット及び増設ユニットのマイクロフォンのゲインはミュート解除され、調整される。
【0008】
別の態様によれば、増設スピーカフォンユニットが提供される。増設スピーカフォンユニットは、スピーカと、マイクロフォンと、スピーカ及びマイクロフォンを電話線に接続するための電話インターフェース回路と、自動ダイヤラ無しの制御プロセッサとを含む。電話インターフェース回路は電話線から30mA未満を引き込む。制御プロセッサは、ベースユニット制御プロセッサから電話線を通じて受信される信号に応じてスレーブモードに切り替えられるように構成される。
【0009】
別の態様によれば、個人用緊急対応法が提供される。ヘルプモードに入るべきことを示す信号をベーススピーカフォンユニットのコントローラにおいて受信するのに応じて、増設ユニットコントローラをスレーブモードに置くために増設スピーカフォンユニットのコントローラへ電話線を通じて信号を送る。ベースユニットと増設ユニットの両方が電話線上で同時に又は個別に信号を送信し、電話線から同時に信号を受信することができるよう、電話線を通じてコールセンターとの通信が確立される。
【0010】
1つの利点は契約者が複数のスピーカフォンユニットを持つことができることである。
【0011】
別の利点は、生活空間の広範な部分のいかなる部分においても、契約者が聞くことができ、聞かれることができることにある。
【0012】
なおもさらなる効果と利点は、以下の詳細な説明を読んで理解することで当業者に明らかとなるだろう。
【0013】
本発明は、様々な部品及び部品の配置で、並びに様々なステップ及びステップの配置で具体化し得る。図面は好適な実施形態を説明する目的に過ぎず、本発明を限定するものと解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】個人用緊急対応システムの略図である。
【図2】図1のベースユニット16の詳細な図である。
【図3】図1の増設ユニット20の詳細な図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、契約者の生活空間は、第一の部屋12及び第二の部屋14における電話ジャックなど、複数の電話ジャック10を含む。第二の部屋14において、個人用緊急対応システム(PERS)は、電話ジャック10と相互接続されるベース通信ユニット16を含む。随意的に、電話18がベースユニット16を介して電話ジャック10と接続される。もう一つの部屋12において、PERSは電話ジャック10と接続される少なくとも1つの増設スピーカフォンユニット20をさらに含む。随意的に、電話22が増設ユニット20を介して電話ジャック10と相互接続される。部屋12のような追加の増設ユニット20を持つ追加の部屋があってもよいが、そのような部屋は示されていない。契約者は緊急ボタン32を含むRF遠隔ユニット30を身につけるか又は携帯する。契約者が、緊急ボタン32、又はベースユニット上の類似する緊急ボタンを押すと、ベースユニット16は、ベースユニット16及び1つ以上の増設ユニット20によって共有される共通電話線34を通じて、電話会社中央局36を介して、コールセンター38にいるオペレータへダイヤルする。そしてベースユニット16は、自分自身及び1つ以上の増設ユニット20の両方をアラームモードに置き、ここではベースユニット及び1つ以上の増設ユニット20の両方が受話器を外した状態になり(off‐hook)、契約者からの音を同時に聞いて送信するか、又は契約者へ送信するための音声通信を同時に送信する。
【0016】
図2を参照すると、PERSのベースユニット16は、電話ジャック10、及びRJ11を介して増設電話18と接続される電話インターフェース回路40を含む。電話インターフェース回路40は、下記の通り、電話18が電話をかける及び受けるために使用されることを可能にし、ベースユニット16が電話をかけることを可能にする。
【0017】
ベースユニット16は、RF遠隔ユニット30からRF信号を受信するアンテナ42とRF受信機44をさらに含む。RF遠隔ユニット30から信号が受信されると、コントローラ46はヘルプモード又は緊急モードに入る。コントローラ46は電話インターフェース回路40に発信音を要求させる(共通電話線34にわたって負荷をかける)。発信音を受信すると、コントローラ46が、コールセンター38の電話番号をダイヤルする自動ダイヤラ48を作動させるように、コントローラ46は自動ダイヤラ48を含むか、又は自動ダイヤラ48に接続される。音声通信が確立されると、予め記録された音声チップ50が、接続成功を確認する音声メッセージを契約者へ与える。トーン検出回路52は、コントローラ46が自動ダイヤラ48を始動させる前に受信するのを待っている発信音について電話線34を監視する。また、トーン検出回路52は、通信がコールセンター38から受信されるときに音のレベルについて電話線を監視する。コントローラ46は、ヘルプモード又は緊急モードに入ったことを知らせ、受話器を外すように信号を送るために、1つ以上の増設ユニット20と通信する増設信号ユニット54を含むか、又はそれに接続される。図示された実施形態では、ベースユニットコントローラ46は電話線34を通じて1つ以上の増設ユニット20と通信する。
【0018】
例えばRF遠隔ユニット30からRF信号を受信するRF受信機44を通して、契約者によって通話が開始された後、コールセンター38から電話線34を通じて受信される音声又は音を聞こえるように送信するために、スピーカ調整ゲイン回路60とスピーカドライバ62がラウドスピーカ64を駆動する(ボリュームはゲイン調整66によって随意的に調整可能)。これは次のように達成される。前述の通り、通話を開始するためにRF遠隔ユニット30からの信号がRF受信機44によって受信されると、コントローラ46はヘルプモード又は緊急モードに入る。ヘルプモード又は緊急モードにおいて、コントローラ46は、コールセンター38から通信が受信されるときにスピーカドライバ62を有効にし(受信モード)、一実施形態においては、コントローラ46は通信がコールセンター38に送信されるときにスピーカドライバ62を無効にするか又はミュートにする(送信モード)。
【0019】
契約者が送信モードでコールセンター38に通信している場合、調整マイクロフォンゲイン回路70は、ベースユニット16においてマイクロフォン72によってひろわれる音声又は声を増幅する。音は、電話線34上に適切な送信信号として置かれるよう、調整ハイブリッドキャンセル回路74によって電話インターフェース回路40へ通信される。調整ハイブリッドキャンセル回路74は、ベースユニットがコールセンター38へ信号を送信している間にベースユニット16によって受信される信号レベルを下げるために、コントローラ46によって制御される。従って、送信モードにおいて、マイクロフォン72から遠い、又は大きな声で話すことができない契約者を補うために、選択されたレベルに音を引き上げるよう、マイクロフォン信号が増幅されることができる。受信モードにおいて、マイクロフォン72はミュートされるか又は切断される。
【0020】
あるいは、ユニット12、14が独立して送信モードと受信モードを切り替えるとき、ラウドスピーカ64は受信モードにおいてユニット12、14のうちの一方において一定ボリュームで駆動され、一方ユニット12、14のうちのもう一方のマイクロフォンゲインは送信モードにおいてフィードバックが除去されるまで調整される(例えば必要に応じて置き換えられる)。
【0021】
電源80は、コントローラ46、スピーカドライバ62、マイクロフォンゲイン回路70、及び他のシステム部品に適切な電力を供給する。図示された実施形態において、電源80は一般の家庭用壁コンセントと相互接続され、例えば緊急バッテリバックアップを含む。レギュレータは様々な回路部品にとって適切なレベルに電圧を調節する。
【0022】
ベースユニット16の様々な状態の表示をユーザへ与えるために、LEDなどのインジケータ82がベースユニット16の表面上に表示されるように取り付けられる。契約者が、RF遠隔ユニット30において遠隔的にではなく、ベースユニット16において局所的にヘルプモード又は緊急モードを始動させることを可能にするために、ヘルプボタン又はヘルプスイッチ84がベースユニット16上に配置される。つまり、契約者はヘルプモード又は緊急モードを開始するために遠隔ユニット30上のヘルプボタン32ではなく、ヘルプボタン又はスイッチ84を押すことができる。ヘルプモード又は緊急モードをキャンセルするためにリセットスイッチ又はボタン86もまたベースユニット16上に配置される。
【0023】
図3を参照すると、PERSの各増設ユニット20は電話インターフェース回路140を含む。しかしながら、ベースユニットインターフェース回路40とは異なり、増設ユニット電話インターフェース回路140は低ループ電流を引き込むように構成される。典型的には、30mAのループ電流が、通話がなされるべきことを認識して発信音を発するように中央局36を始動させる。中央局の想定外の始動を防ぐために、30mAをはるかに下回る、例えば2又は3mAのループ電流を引き込むような増設電話インターフェース回路140の部品が選択される。
【0024】
増設ユニットコントローラ146は、トーン検出回路152を介して、電話線を通じて受信される音を受信する。コントローラ146が、ヘルプモード又は緊急モードに入るべきことを示す信号をベースユニット16から受信すると、コントローラ146は増設ユニット20の電話インターフェース回路140に受話器を外す(電話線に接続する)ようにさせる。コントローラ146はまた、スピーカドライバ162を作動させて、電話インターフェース回路140を介してコールセンター38から受信される音声及び他の音を選択されたレベルへ増幅し、それらをスピーカ164へ供給する。増設ユニットコントローラ146は自動ダイヤラを含まない。
【0025】
マイクロフォンゲイン回路170及びマイクロフォン172は増設スピーカフォンユニット20近くの音をひろい、それらを調整ハイブリッドキャンセル回路174を介して電話インターフェース回路140へ通信する。ベースユニットコントローラ46のように、増設ユニットコントローラ146は、受信モードにおいてスピーカを有効にしてマイクロフォンを無効にし、送信モードにおいてスピーカを無効にしてマイクロフォンを有効にする。増設ユニットコントローラ146はまた、受信モードにおいてスピーカのボリュームを制御し、送信モードにおいてマイクロフォンのゲインを予め選択された振幅へ調整する。あるいは、ボリュームは受信モードにおいて選択されたレベルに設定されることができ、マイクロフォンのゲインは送信モードにおいてフィードバック無しに可能な限り多くのゲイン(選択された限度まで)をもたらすように調整されることができる。
【0026】
電源180は、増設スピーカフォンユニット20のコントローラ146及び他の部品へ調整電力を供給する。電源180は例えば一般の壁コンセントと接続される。随意的に、バッテリバックアップもまた設けられ得る(図示せず)。
【0027】
増設スピーカフォンユニットはまた、増設ユニットが電力を持つ、又はヘルプモードであるときを示す、LEDなどのインジケータ182も含む。
【0028】
ホームシステムが通常の非アラームモードであるとき、契約者は、従来の電話をかける及び受けるために、ベースユニット16と接続されるハンドセット18、又は増設ユニット20と接続されるハンドセット22を使うことができる。ヘルプボタン84がベースユニット又は患者携帯型ユニット30の上で押されると、ベースユニット16におけるコントローラ46はPERSを制御する。ベースユニットコントローラ46及び増設ユニットコントローラ146はヘルプモードにおいてマスター‐スレーブ関係をとるように構成され、ベースユニットコントローラ46が"マスター"の役割をするように構成され、増設ユニットコントローラ146が"スレーブ"の役割をするように構成される。ベースユニットコントローラ46は増設ユニットをアラームモードに置くように増設ユニットコントローラ146に信号を送る。アラームモードに入ると、ベースユニットコントローラ46は、電話線にわたって負荷をかける、又は他の方法で発信音を要求するよう、電話インターフェースユニット40を制御する。アラームモードに入ると、増設ユニット20における増設ユニットコントローラ146は、スピーカ及びマイクロフォンを電話線34と接続するよう、電話インターフェース回路140を制御する。ベースユニット16上のコントローラ46は自動ダイヤラ48がコールセンター38へダイヤルすることを可能にする。コールセンター38がベースユニット16から情報を受信する準備ができていることを示す、特定の"ハンドシェイク"トーンをコールセンター38から感知すると、ベースユニットコントローラ46は、契約者及びアラーム状態を識別する情報がコールセンター38へ送信されるようにするために、トーン発生回路90を作動させる。
【0029】
一旦コールセンター38との通信が確立されると、ベースコントローラ46と増設コントローラ146は、スピーカ用のゲイン制御及びドライバ回路と、マイクロフォン用のゲイン制御及びハイブリッドキャンセル回路とを調停する。コントローラ46、146は、電話線上で受信される信号の振幅と、マイクロフォンから受信される信号の振幅を監視する。一実施形態において、スピーカ調整ゲイン又はドライバ回路は、マイクロフォンからの信号の振幅が、契約者が話していることを示すとき、削減されるか又はゼロにされる。交互に、スピーカへのゲインは、コールセンター38が聞いていること、すなわち非常に低い振幅信号が電話線上で受信されていることをコントローラが感知するのに応じて、削減されるか又はゼロにされることができる。コントローラはマイクロフォンからの信号の振幅を監視し、信号の振幅を公称値まで引き上げるためにゲインを調整する。このようにして、例えば契約者による不規則な呼吸など、唯一の音が非常に弱い場合、呼吸音はコールセンターがそれを聞くために十分に増幅される。
【0030】
別の実施形態において、コールセンター38から受信される信号の振幅が、コールセンターの代表が話していることを示すほど十分に高いことをコントローラ46、146が感知すると、コントローラは受信モードに切り替わる。受信モードにおいて、コントローラはフィードバックループが確立されるのを防ぐためにマイクロフォンの出力を削減するか又はゼロにする。コントローラがコールセンター38からの音声の欠如を感知すると、コントローラは送信モードに入る。送信モードにおいて、マイクロフォン出力は両方とも選択された振幅へ増幅され、電話線へ適用される。コントローラ46、146のうちの一方がフィードバックを感知すると、スピーカはオフにされることができる。別の変形例では、スピーカはフィードバックに関係なく送信モードにおいてオフにされることができる。つまり、コントローラは、(1)受信モードにおいてスピーカは選択されたボリュームでオンになり、マイクロフォンは切断される状態と、(2)送信モードにおいてスピーカは切断され、マイクロフォンは有効にされる状態とを切り替えるように構成される。別の変形例では、スピーカは選択されたボリュームへ増幅するように構成され、マイクロフォンのゲインはフィードバックを最小化するように調整される。ベースユニットと増設ユニットが送信モードと受信モードを独立して切り替えるように構成されることもまた可能である。
【0031】
コールセンターの代表が話しているかどうかを決定するために、様々な技術が利用されることができる。例えば、電話線上の入力信号が周期的にサンプリングされることができる。話し中に生じる自然な間について区別するために、入力信号の振幅は公称期間にわたって平均化されることができる。平均が最小閾値を上回る場合、電話線上で受信される信号の電流ピーク値が平均と比較されることができる。ピーク値が、予め選択された期間、例えば1秒間の平均を下回るとき、コントローラは送信モードに入ることによって応答することができる。送信モードには、電話線上で受信される信号の振幅が最小閾値を下回る平均値を持つときにも入ることができる。1つの又は予め選択された複数のサンプリングに対して閾値を上回る電話線上で受信される信号の検出は、コールセンターの代表が話しており、受信モードに入ったことを示す表示として、コントローラによって受け取られることができる。
【0032】
本発明は好適な実施形態に関して記載されている。前述の詳細な説明を読んで理解することで、修正及び変更が想到され得る。本発明は、そうした修正及び変更を、添付の請求項又はその均等物の範囲内にある限りにおいて全て含むものと解釈されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人用緊急対応システムであって、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記スピーカ及び前記マイクロフォン、及び電話線と接続される電話インターフェース回路と、
マイクロコントローラと、
自動ダイヤラと、
を含むベースユニットと、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記スピーカ及び前記マイクロフォン、及び前記電話線と接続される電話インターフェース回路と、
自動ダイヤラ無しのコントローラと、
を各々が含む1つ以上の増設ユニットとを有し、
ヘルプモードにおいて前記ベースユニットコントローラと前記増設ユニットコントローラがマスター‐スレーブ関係をとるように、前記ベースユニットコントローラと前記増設ユニットコントローラがプログラムされる、個人用緊急対応システム。
【請求項2】
前記増設ユニット電話インターフェース回路が、電話会社中央局に発信音を求める信号を送らないよう、前記増設ユニット電話インターフェース回路が30mA未満のループ電流を前記電話線から引き込む、請求項1に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項3】
ラジオ周波数信号を送信するための遠隔ユニット、及び前記ヘルプモードを始動させるためのヘルプスイッチのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項4】
前記ベースユニットが、
前記遠隔ユニットから前記ラジオ周波数信号を受信するためのアンテナとRF受信機をさらに含む、請求項3に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項5】
前記ベースユニット電話インターフェース回路及び前記増設ユニット電話インターフェース回路が共通電話線と接続され、前記ベースユニットコントローラが前記共通電話線を介して前記増設ユニットコントローラと通信する、請求項1に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項6】
前記ベースユニットが、前記ベースユニットコントローラへ前記ヘルプモードに入るよう信号を送るために、ボタン及びRF受信機のうちの少なくとも1つをさらに含み、前記ベースユニットコントローラは、前記増設ユニットコントローラに前記ヘルプモードに入るよう指示するために前記共通電話線を通じて前記増設ユニットコントローラへ信号を送る増設シグナリングユニットを含む、請求項5に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項7】
前記ベースユニットコントローラ及び前記増設ユニットコントローラのうちの少なくとも1つが、前記スピーカのうちの1つ以上と前記マイクロフォンのうちの1つ以上との間にフィードバックループが形成されるのを防ぐために、フィードバックループ防止ルーチンを含む、請求項1に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項8】
前記ベースユニット及び前記増設ユニットのうちの少なくとも1つが、
スピーカフォンの全体的性能を改良するために、前記マイクロフォンと前記電話インターフェース回路との間に接続される、かつ前記コントローラによって制御される調整ハイブリッドキャンセル回路をさらに含む、請求項1に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項9】
前記ベースユニット及び前記増設ユニットのうちの少なくとも1つが、
前記電話線を通じて音声が送信されるときに、出力音を予め選択されたレベルへ増幅するように前記マイクロフォンゲインを調整するため、及び、音声が前記電話線上で受信されるときに前記マイクロフォンをミュートにするために、前記コントローラによって制御されるマイクロフォン調整ゲイン回路をさらに含む、請求項8に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項10】
前記ベースユニットコントローラ及び前記増設ユニットコントローラが、前記電話線を監視し、前記電話線上で音声が受信されるときに受信モードに入り、前記電話線上に音声がないときに送信モードに入るようにプログラムされる、請求項1に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項11】
前記受信モードにおいて、前記スピーカが予め選択されたボリュームに設定され、前記マイクロフォンが切断され、
前記送信モードにおいて、前記マイクロフォンが接続され、前記スピーカが切断されるか又はミュートにされる、
請求項10に記載の個人用緊急対応システム。
【請求項12】
請求項1に記載の個人用緊急対応システムを用いる方法であって、
前記ヘルプモードに入るべき指示を受信するのに応じて、前記増設ユニットマイクロコントローラを前記ヘルプモードに置くために前記増設ユニットマイクロコントローラと通信し、予め選択された電話番号をダイヤルするように前記自動ダイヤラを始動させ、前記ベースユニットマイクロフォン及び前記増設ユニットマイクロフォンをミュートにし、コールセンターと確立されるべき通信リンクを聞くステップと、
前記コールセンターとの通信リンクを確立すると、前記コールセンターへ契約者を識別する情報を送るようにトーン発生回路を始動させるステップと、
前記コールセンターにいるオペレータが契約者から発する音を聞くことを可能にするために、前記ベースユニットマイクロフォン及び前記増設ユニットマイクロフォンのゲインをミュート解除して調整するステップと、
を有する方法。
【請求項13】
前記コールセンターから発する音声について、前記ベースユニット及び前記増設ユニットに接続される前記共通電話線を監視するステップと、
前記音声を検出するのに応じて受信モードに入り、音声がないことに応じて送信モードに入るステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記受信モードにおいて、前記マイクロフォンをミュートにするか又は切断するステップと、
前記送信モードにおいて、前記スピーカをミュートにするか又は切断するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記送信モードにおいて、フィードバックを感知するステップと、
フィードバックを感知するのに応じて、前記マイクロフォンからの信号の増幅を下げるステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
増設スピーカフォンユニットであって、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記スピーカ及び前記マイクロフォンを電話線に接続するための電話インターフェース回路であって、前記電話線から30mA未満を引き込む、電話インターフェース回路と、
自動ダイヤラ無しの制御プロセッサであって、ベースユニット制御プロセッサから前記電話線を通じて受信される信号に応じてスレーブモードに切り替えられるように構成される、制御プロセッサと、
を有する、増設スピーカフォンユニット。
【請求項17】
ヘルプモードに入るべきことを示す信号をベーススピーカフォンユニットのコントローラにおいて受信するのに応じて、増設スピーカフォンユニットのコントローラへ、前記増設ユニットコントローラをスレーブモードに置くために、電話線を通じて信号を送信するステップと、
前記ベーススピーカフォンユニット及び前記増設スピーカフォンユニットの両方が、前記電話線上で同時に信号を送信し、前記電話線から同時に信号を受信するように、前記電話線を通じてコールセンターとの通信を確立するステップと、
を有する、個人用緊急対応法。
【請求項18】
前記ヘルプモードにおいて信号を受信するときに、前記ベースユニット及び前記増設ユニットが、
選択された振幅において送信するようにスピーカを制御し、
フィードバックを監視し、
フィードバックを除去するためにマイクロフォンの増幅を調整する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ヘルプモードにおいて、前記ベースユニット及び前記増設ユニットが、
信号を受信するとき、前記受信された信号に基づく音声信号を送信し、かつ、マイクロフォンをミュートにするか又は切断し、
信号を送信するとき、前記音声信号の送信をブロックするか又はミュートし、かつ、選択された振幅の信号を前記電話線上で前記コールセンターへ送信するために前記マイクロフォンからの信号の振幅を制御する、
請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−525082(P2011−525082A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514155(P2011−514155)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【国際出願番号】PCT/IB2009/052299
【国際公開番号】WO2009/153684
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】