説明

個別のスムージの材料の密封パック、ならびに関連する方法および装置

【課題】密封パック(440)は、1人前のスムージを作るための多量の材料を含んで提供する。
【解決手段】この材料は、果物(イチゴ、ラズベリー、マンゴー)片などの風味材料(410)、水、果汁、牛乳、コーヒー、紅茶などの液体(420)の凍結した部分、ならびにアイスクリーム、シャーベット、ヨーグルトなどの粘稠性材料(430)を含んでいる。このパックは、パック(440)内の材料の一部の凍結状態を維持するのに十分な低い温度にさらすことができる。また、パックに、第1および第2の容器に、または凍結している状態および凍結していない状態の様々な材料に対する区画を備える容器に材料をパック詰めする方法と、材料が付加的な液体と混合される、密封パックを使用して個別のスムージを調理する方法と、1人前のスムージを自動で販売するための密封パックを使用する装置とを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合物を調理するための材料のパック詰め、および予め詰められた材料を使用して混合物を調理するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5年前、ジュースバーは、余った果物を処理する食料品店や健康食品店に分類されていた。しかしながら、ジュースバーは、最近ではファーストフード市場の重要な一部分となっており、またフランチャイズまたは独立した事業体として急増し始めている。ジュースバーの主要な製品はスムージであり、このスムージーとは、ピューレにされるかあるいはアイスクリーム、シャーベットまたはヨーグルトと混合されたフルーツ片、および/または牛乳やジュースを一般に含んでいる濃厚でかつ(質感が)滑らかな飲物である。非果物スムージーは、チョコレート、コーヒー、アルコールなど、果物の代わりの風味材料を含んでいる。エネルギー増強サプリメント、ミューズリー、プロテイン、生卵などのような他の具材が加えられることもある。
【0003】
図1は、従来のジュースバーのレイアウトの平面図である。陳列カウンタ110は、スムージおよび他のジュースバー製品の調理において使用する新鮮な果物を陳列することが可能である。シンク120は新鮮な果物を調理するために使用し、その新鮮な果物はジューサ130で加工することができる。フリーザ140は、氷、アイスクリームおよびヨーグルトなどの具材を保存するために使用する。冷凍機/ディスペンサ150は、スムージおよび/または他のジュースバー製品の液体材料を冷蔵するために用いる。一列のミキサー160は、スムージおよび/または他のジュースバー製品の材料を混合するために使用し、それらのスムージおよび/または他のジュースバー製品は、後に、客に運ぶためにカップに分配する。顧客は、レジ170で支払いを行う。使用済みの混合容器は、再使用するためにシンク180で洗浄する。自動食器洗い機を使用することもでき、その自動食器洗い機はカウンタの下に設置することができる。
【0004】
図1に示すようなジュースバーは、通常、3人から6人のオペレータによって運営される。スムージの調理は通常、混合するための清潔な容器を取り出すステップと、ジュースバーの各貯蔵領域から果物、ヨーグルト、氷など適量の材料を得るステップと、スムージを混合するステップと、スムージをカップに分配するステップと、スムージをそれぞれの客に手渡すステップとを伴う。したがって、スムージを調理する際、オペレータはジュースバーを動き回ることが必要となる。ジュースバーは一般に、作業の流れの要件に従ってレイアウトされているが、オペレータが相当量移動することは不可避である。これによって時間が費やされると共に、スムージなどの製品を同時に調理することができるオペレータの人数が制限される。
【0005】
したがって、スムージなどの混合物を供給し調理する改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の態様は、混合物を調理するための装置、方法およびパック詰めを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、1人前の混合物を調理するための材料をパック詰めするための方法が提供される。その方法は、混合物の少なくとも1つの材料を第1の容器に保存するステップと、混合物の残りの材料を第2の容器に保存するステップとを含んでいる。残りの材料の1つまたは複数は凍結している。第2の容器の内容物を凍結させるのに十分な低い温度に第1および第2の容器が同時にさらされるときにも、第1の容器の内容物は、好ましくは凍結しないままである。第1の容器の内容物は、混合物の液体主成分を含むことができ、また、第1の容器の内容物の凍結を防止する作用物質をさらに含むこともできる。
【0008】
本発明の他の態様によれば、混合物を調理するための材料をパック詰めするための方法が提供される。その方法は、混合物の少なくとも1つの材料を第1の容器に保存するステップと、混合物の他の材料を第2の容器に保存するステップと、第2の容器の内容物を凍結させるのに十分な低い温度に第1および第2の容器を同時にさらすステップとを含んでいる。その混合物はスムージを構成することができ、少なくとも1つの材料はそのスムージの液体主成分を構成することができる。
【0009】
本発明の他の態様によれば、1人前の混合物を調理するための材料を収容している予め詰められたパックが提供される。そのパックは、材料の異なる1つを保存するための複数の区画を備えており、それらの区画の少なくとも1つの内容物は凍結し、それらの区画の別の少なくとも1つの内容物は凍結しないままである。予め詰められたパックは、区画の少なくとも1つの内容物を凍結させるのに十分な低い温度にさらすことができる。少なくとも1つの区画の凍結しないままである内容物は、液体主成分と、その液体主成分の凍結を防止する作用物質とを含むことができる。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、混合物を調理するための方法が提供され、その方法は、予め詰められたパックの内容物を容器に移すステップと、容器内のその内容物を混合するステップとを含んでいる。そのパックは、混合物の異なる材料を収容する複数の区画を備えている。それらの区画の少なくとも1つの内容物は凍結し、それらの区画の別の少なくとも1つの内容物は凍結しない。少なくとも1つの区画の凍結しないままである内容物は、少なくとも1つの区画の内容物の凍結を防止する作用物質を含むことができる。少なくとも1つの区画の凍結しないままである内容物は、混合物を調理するための液体主成分を含むことができる。その混合物はスムージを構成することができ、そのパックは1人前のスムージを調理するための材料を含むことができる。
【0011】
本発明の他の態様では、1人前のスムージを調理するための材料を保存するための方法が提供される。その方法は、風味材料をパック内に配置するステップと、パック内に液体の凍結した部分を配置するステップと、パック内に少なくとも1つの付加的な粘稠性材料を配置するステップと、パックの材料の少なくとも一部の凍結した状態を維持するのに十分な低い温度にパックをさらすステップとを含んでいる。密封パックの材料の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいている。
【0012】
本発明のさらなる他の態様では、1人前のスムージを調理するための材料を収容した密封パックが提供される。そのパックは、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを含んでいる。密封パックの材料の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいて決定する。
【0013】
本発明のさらなる他の態様では、1人前のスムージを調理するための方法が提供され、その方法は、密封パックの内容物を容器に移すステップと、液体の一部分をその容器に加えるステップと、その容器の内容物を混合するステップとを含んでいる。その密封パックの内容物は、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを含んでいる。密封パックの内容物の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいている。
【0014】
本発明の他の態様では、1人前ずつスムージを自動的に販売するための装置が提供される。その装置は、密封パックの内容物を容器に分配するための第1の分配手段と、液体の一部分を容器に分配するための第2の分配手段と、容器の内容物を混合するための混合手段と、容器の内容物を1人前のスムージとして販売するための販売手段とを備えている。その密封パックの内容物は、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを含んでいる。密封パックの内容物の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいている。
【0015】
本発明のさらなる他の態様では、1人前ずつスムージを自動的に販売するための装置が提供される。その装置は、スムージの材料を容器に分配するための第1の分配手段と、液体の一部分を容器に分配するための第2の分配手段と、容器の内容物を混合するための混合手段と、容器の内容物の一部分を1人前のスムージとして販売するための販売手段とを備えている。その材料は、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを含んでいる。
【0016】
添付の図面を参照して、少数の実施形態について単に例として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、従来のジュースバーの配置の平面図である。
【図2】図2は、スムージなどの混合物を調理するための材料をパック詰めするための方法の流れ図を示す。
【図3】図3は、1人前のスムージなどの混合物を調理するための予め混合されたパックを示す。
【図4】図4は、1人前のスムージを調理するための材料を保存するための方法の流れ図を示す。
【図5】図5は、1人前のスムージを調理するための材料の密封パックを示す。
【図6】図6は、1人前のスムージを調理するための方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
混合物を調理するための方法およびパック詰めの実施形態について以下に説明する。実施形態をスムージに関連させて詳細に説明するが、本発明がこのように限定されることは意図していない。具体的には、本発明は、他の種類の混合物に適用することができ、特に、スープなど人が飲食するための他の混合物に適用することができる。
【0019】
本明細書における「スムージ」という用語の使用は、果物ベースのスムージと非果物ベースのスムージとを含めることを意図したものであり、この非果物ベースのスムージは、コーヒー、チョコレート、アルコールなどの風味材料を含むことができる。さらにまた、スムージは、乳製品ベースでもよく、また非乳製品ベースでもよい。
【0020】
本明細書における「凍結していない」という用語の使用は、「完全には凍結していない」ということを意味することを意図したものであり、意図する意味の範囲に、「部分的に凍結した」、「半凍結の」および「氷状の」ということを含めることを意図したものである。本明細書における「部分的に凍結した」という用語の使用は、「完全には凍結していない」ということを意味することを意図したものであり、意図する意味の範囲に、「半凍結の」および「氷状の」ということを含めることを意図したものである。
【0021】
本明細書における「1人前」という表現の使用は、1人の人間すなわち個人が飲食するのに適した取り分を意味することを意図したものである。しかしながら、かかる取り分は、異なる個人(例えば、大人および子供、または体の小さい人、中くらいの人および大きい人)に対して提供すべき量が異なることがある。
【0022】
図2は、スムージなどの混合物を調理するための材料をパック詰めするための方法の流れ図を示している。ステップ210において、混合物の少なくとも1つの材料を第1の容器に保存する。ステップ220において、混合物を調理するための残りの材料を第2の容器に保存する。第2の容器内の残りの材料のうちの1つまたは複数をステップ230で凍結させることができる。場合によっては、すでに凍結している材料を第2の容器に保存し、ステップ230を利用してかかる材料を凍結状態に維持することができる。
【0023】
スムージを作る場合、第1の容器の内容物は、リンゴジュース濃縮物やマンゴー果汁(ネクター)などの液体主成分を含んでおり、その液体主成分は、凍結していない状態に維持される。液体主成分の凍結を防止すると、好都合にも、凍結した主成分を使用する場合と比較して、調理したスムージの質感が改善される。一方のスムージのジュース主成分は液体であり、他方のスムージのジュース主成分は凍結していることを除いて同一である原料を有する2つのスムージを同一のミキサー内で混合する場合、液体主成分を有するスムージは、凍結している主成分を有するスムージよりも滑らかで流動性の高い質感を有する。第2の容器の内容物は、冷凍ヨーグルト、個別瞬間冷凍(IQF)果物や氷片など、スムージを調理するための残りの材料を含んでいる。IQF果物は、例えば、丸ごとのイチゴ、ラズベリー、ボイゼンベリーおよびマンゴーの塊を含んでもよい。
【0024】
一実施形態において、第1および第2の容器は、1人前のスムージを調理するための材料を収容している単一パッケージの別個の区画を備えている。この場合、パッケージ全体は、第2の区画の内容物が凍結することを確実にするのに十分な低い温度にさらされる。しかしながら、第1の区画の液体内容物は凍結するのを防止される。凍結を防止するために用いられる1つの方法は、液体主成分の内容物に「凍結防止用」添加剤を加えることである。凍結を防止するもう1つの方法は、第1の区画に断熱材料を使用することである。これらの方法は、別個に用いても組み合わせて用いてもよい。
【0025】
他の実施形態において、第1および第2の容器は、別個のパックを備えている。したがって、取り扱いおよびジュースバーへの納入を容易にするために、複数の第1の容器をより大きな1つの容器に(たとえば、プラスチックボトルをボール箱またはプラスチックケースに)詰め込むことができる。複数の第2の容器を同様により大きな1つの容器にまとめて、その複数の第2の容器の内容物を凍結させるのに十分な低い温度にそのより大きい容器をさらすことができる。
【0026】
本願明細書で説明する方法に従ってパック詰めできかつ/または調理できる果物スムージの材料リストの例を以下に3つ示す。
【0027】

ミックスベリーフルーツスムージ
1.リンゴジュース濃縮物(液状):200ml
2.イチゴ風味の冷凍ヨーグルト:180ml
3.イチゴ(IQF):各11gを丸ごと2個で22g
4.ラズベリー(IQF):各2gを丸ごと2個で4g
5.氷片:0.75カップ

マンゴーフルーツスムージ
1.マンゴー果汁(液状):150ml
2.マンゴー片(冷凍):各6gを3個で18g
3.マンゴー風味の冷凍ヨーグルト:180ml
4.氷片:0.75カップ

トロピカルフルーツスムージ
1.トロピカルジュース(液状):200ml
2.マンゴー風味の冷凍ヨーグルト:180ml
3.マンゴー片(凍結):各6gを1個で6g
4.イチゴ(IQF):各11gを丸ごと1個で11g
4.ラズベリー(IQF):各2gを丸ごと2個で4g
5.氷片:0.5カップ

果物は個別に凍結しているため、果物混合物を事前に混合する必要がなくなり、このことはスムージの質感および新鮮度に寄与する。
【0028】
図3は、1人前のスムージを調理するための事前混合(プリミックス)パックを示している。パック310は、凍結した材料および凍結していない材料を保存する2つの別個の区画320および330をそれぞれ備えている。事前混合パックは、可撓性プラスチック材料で構成することができる。熱絶縁は、プラスチック材料上に金属を蒸着させることによって実現することができる。
【0029】
図4は、1人前のスムージを調理するための材料を保存するための方法の流れ図を示している。ステップ410において、風味材料をパックに配置する。風味材料は、例えば、果物、チョコレート、コーヒー、アルコールなどを含むことができる。果物の場合、パックの調理を容易にするために、かつ/またはパックの内容物を後に混合するのを援助するために、個別に凍結した果物片を用いることができる。しかしながら、ピューレなどの他の形式の果物の一部分を代わりに使用することもできる。新鮮な果物もまた用いることができるが、これには使用期限が比較的短いという欠点がある。ステップ420において、液体の凍結した部分をパックに配置する。凍結した液体部分は、たとえば、複数の個別に凍結した少量の水(氷)、果汁、牛乳、紅茶および/またはコーヒーの部分を含むことができる。これは、スムージの粘稠性および質感の改善に寄与すると共に、パックの内容物を混合する間におけるミキサーの損傷の防止またはミキサーの磨耗の軽減に役立つ。ある種の実施形態において、その凍結した液体部分は、複数の中空の凍結した部分(例えば中空の角氷)を含んでいる。中空でない場合、凍結した液体部分は、ミキサーの損傷の防止に役立つように、より小さい寸法のものであることが好ましい。ステップ430において、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料をパックに配置する。少なくとも1つの付加的な粘稠性材料は、スムージの質感または流動性に寄与し、例えばアイスクリーム、シャーベットおよび/またはヨーグルトを含むことができる。密封パックの材料の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいて決定する。ステップ440において、そのパックは、パックの内容物の少なくとも一部の凍結した状態を維持するのに十分な低い温度にさらされる。エネルギー増強サプリメント、ミューズリー、プロテイン、生卵などの他の材料もまた、スムージに加えることができる。
【0030】
図5は、1人前のスムージを調理するための材料の密封パックを示している。密封パック510は、果物512の部分と、液体514の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料516とを含んでいる。個別に凍結した果物片が、パックの内容物を後に混合するのを容易にするために使用することができる。しかしながら、ピューレなどの他の形式の果物の一部分を代わりに使用することもできる。新鮮な果物もまた用いることができるが、これには使用期限が比較的短いという欠点がある。コーヒー、チョコレート、アルコールなどの他の風味材料を果物の代わりに使用することができる。凍結した液体部分514は、水(氷)、果汁、牛乳、紅茶および/またはコーヒーの個別に凍結した複数の少量の部分を含むことが好ましい。これは、スムージの粘稠性および質感を改善するのに寄与すると共に、パックの内容物を混合する間における損傷を防止するのに役立つ。ある種の実施形態において、複数の凍結した液体部分514は中空である(例えば中空の角氷)。中空でない場合、凍結した液体部分514は、ミキサーの損傷の防止またはミキサーの磨耗の軽減に役立つように、より小さい寸法のものであることが好ましい。少なくとも1つの付加的な粘稠性材料516は、スムージの質感または流動性に寄与し、例えばアイスクリーム、シャーベットおよび/またはヨーグルトを含むことができる。密封パックの材料の量は通常、1人前のスムージを対象とする量に基づいて決定する。パック510は通常、プラスチック袋やプラスチックカップなど、密封可能または再密封可能な使い捨て容器を含んでいる。エネルギー増強サプリメント、ミューズリー、プロテイン、生卵などの他の材料もまた、スムージに加えることができる。
【0031】
図6は、1人前のスムージを調理するための方法の流れ図を示している。ステップ610において、密封パックの内容物は、混合のために容器へと移される。パックの内容物は、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを含んでおり、この粘稠性材料は、スムージの質感または流動性に寄与し、例えばアイスクリーム、シャーベットおよび/またはヨーグルトを含むことができる。風味材料は、果物スムージの場合には果物の一部分を含んでもよい。凍結した液体部分は、複数の個別に凍結した少量の水(氷)、果汁、牛乳、コーヒーおよび/または紅茶を含むことが好ましい。これは、スムージの粘稠性および質感を改善するのに寄与すると共に、パックの内容物を混合する間における損傷を防止するのに役立つ。ある種の実施形態において、複数の凍結した液体部分は中空である(例えば中空の角氷)。中空でない場合、凍結した液体部分は、ミキサーの損傷の防止またはミキサーの磨耗の軽減に役立つように、より小さい寸法のものであることが好ましい。パックの内容物を後に混合するのを援助するために、個別に凍結した果物片を好ましくは使用する。しかしながら、ピューレなどの他の形式の果物の一部分を代わりに使用することもできる。新鮮な果物もまた用いることができるが、これには「有効な」使用期限が比較的短いという欠点がある。密封パックの内容物の量は通常、1人前のスムージを対象とする量に基づいて決定する。液体の一部分をステップ620で容器に加え、容器の内容物をステップ630で混合する。混合プロセスのために、液体が存在することが必要である。液体は、例えば、水、果汁、牛乳、紅茶および/またはコーヒーを含むことができる。エネルギー増強サプリメント、ミューズリー、プロテイン、生卵などの他の材料もまた、スムージに加えることができる。
【0032】
ある実施形態においては、前述のように、自動販売機を使用してスムージを1人前ずつ混合して販売する。材料の一部またはすべては、1人前ずつ貯蔵するかもしくは予めパック詰めすることができ、または前述のように自動販売機で提供される。あるいは、材料の一部またはすべてを自動販売機にまとめて貯蔵し、1人前のスムージを調理するのに適切な量で分配することができる。たとえば、自動販売機は、図5に関連して説明し図5に示したような、貯蔵タンクから分配される多量の液体と混合するためのパックを貯蔵することができ、この貯蔵タンクは自動販売機の内部または外部に配置することができる。液体は、例えば、水、果汁、牛乳、紅茶および/またはコーヒーを含むことができる。エネルギー増強サプリメント、ミューズリー、プロテイン、生卵などの他の材料もまた、スムージに加えることができる。自動販売機は、このようにしてスムージを1人前ずつ自動的に混合して分配する。
【0033】
スムージおよび他の混合物に対する方法およびパック詰めについては前述した。かかる方法およびパック詰めは、それらによって、正確な分配を確実にすることができ、したがって製造および販売の時点で粘稠性および品質の管理を改善することができるという点で有利である。スムージを1人前ずつ作るための予めパック詰めされた材料は、ジュースバーまたは業者が使用する標準的なカップの大きさをちょうど満たすように設計されており、したがって浪費を削減または排除することができる。また、スムージを1人前ずつパック詰めすると、好都合にも、製造および販売の時点で必要となる労力および土地が削減されることになる。これは、人員を削減し、ジュースバーをより小店舗化し、結果的に営業経費を削減することにつながる。さらには、材料のすべてまたは大部分を単一のパッケージで購入することにより、サプライチェーン全体を通じた節減につながる可能性がある。また、スムージを1人前ずつパック詰めすると、好都合にも、スムージの調理をより迅速にすることができ、したがって生産性を向上させると共に顧客満足度を向上させることが可能となる。
【0034】
以上の詳細な説明は、例示的な実施形態のみを提供するものであり、本発明の範囲、適用性または構成を限定することを意図したものではない。むしろ、この例示的実施形態の説明は、本発明の実施形態を実施するための説明を当業者に提供するものである。先の特許請求の範囲で述べた本発明の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および構成において様々な変更を行うことができる。
【0035】
本明細書において言及した特定の特徴、要素およびステップが、本発明に関連する従来技術に既知の均等物を有する場合、かかる既知の均等物は、別個に述べた場合と同様に本明細書に組み込まれるとみなされる。さらに、特定の実施形態に関連して言及した特徴、要素、およびステップは、特に断らない限り、任意の他の実施形態の一部を任意に構成することができる。
【0036】
本発明の実施形態はジュースバー以外にも適用することができる。たとえば、先に説明した混合物を調理するための方法およびパック詰めは、スーパーマーケットなどの様々な小売販売店、レストラン、喫茶店、コーヒー店などの様々な飲食店、ならびに個人の家庭において利用することができる。
【0037】
本明細書の文脈において、「備えている」という語は「必ずしも単独でではないが主として含んでいる」または「有している」もしくは「含んでいる」という意味であり、「のみからなる」という意味ではない。「備える(comprise)」や「備える(comprises)」など、「備えている」という語の変化形は、対応して変化した意味を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1人前のスムージを調理するための材料を保存するための方法において、
風味材料をパック内に配置するステップと、
前記パック内に液体の凍結した部分を配置するステップと、
前記パック内に少なくとも1つの付加的な粘稠性材料を配置するステップと、
前記パック内の前記材料の少なくとも一部の凍結した状態を維持するのに十分な低い温度に前記パックをさらすステップと、を備えており、
前記パックの前記材料の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいている方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、液体の前記凍結した部分は、水、果汁、牛乳、コーヒーおよび紅茶からなる液体の群から選択された少なくとも1つの液体の複数の凍結した部分を含んでいる方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、液体の前記凍結した部分は、液体の複数の中空の凍結した部分を含んでいる方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記風味材料は、果物の一部分を備えている方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、果物の前記部分は、個別に凍結した複数の果物片を含んでいる方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記少なくとも1つの付加的な粘稠性材料は、アイスクリーム、シャーベットおよびヨーグルトからなる材料の群から選択される方法。
【請求項7】
1人前のスムージを調理するための材料を収容している密封パックにおいて、
風味材料と、
液体の凍結した部分と、
少なくとも1つの付加的な粘稠性材料と、を備えており、
前記密封パックの前記材料の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいている密封パック。
【請求項8】
請求項7に記載の密封パックにおいて、液体の前記凍結した部分は、水、果汁、牛乳、コーヒーおよび紅茶からなる液体の群から選択された少なくとも1つの液体の複数の凍結した部分を含んでいる密封パック。
【請求項9】
請求項7に記載の密封パックにおいて、液体の前記凍結した部分は、液体の複数の中空の凍結した部分を含んでいる密封パック。
【請求項10】
請求項7に記載の密封パックにおいて、前記風味材料は、果物の一部分を含んでいる密封パック。
【請求項11】
請求項10に記載の密封パックにおいて、果物の前記部分は、個別に凍結した複数の果物片を含んでいる密封パック。
【請求項12】
請求項7に記載の密封パックにおいて、プラスチック袋およびプラスチックカップからなる容器の群から選択された使い捨て容器を含んでいる密封パック。
【請求項13】
請求項7に記載の密封パックにおいて、前記少なくとも1つの付加的な粘稠性材料は、アイスクリーム、シャーベットおよびヨーグルトからなる材料の群から選択される密封パック。
【請求項14】
1人前のスムージを調理するための方法において、
密封パックの内容物を容器に移すステップと、
液体の一部分を前記容器に加えるステップと、
前記容器の内容物を混合するステップと、を含んでおり、
前記密封パックの内容物は、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを備えており、
前記密封パックの内容物の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいている方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、液体の前記凍結した部分は、水、果汁、牛乳、コーヒーおよび紅茶からなる液体の群から選択された少なくとも1つの液体の複数の凍結した部分を含んでいる方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、液体の前記凍結した部分は、液体の複数の中空の凍結した部分を含んでいる方法。
【請求項17】
請求項14に記載の方法において、液体の前記加えた部分は、水、果汁、牛乳、コーヒーおよび紅茶からなる液体の群から選択された少なくとも1つの液体を含んでいる方法。
【請求項18】
請求項14に記載の方法において、前記少なくとも1つの付加的な粘稠性材料は、アイスクリーム、シャーベットおよびヨーグルトからなる材料の群から選択される方法。
【請求項19】
請求項14に記載の方法において、前記風味材料は、果物の一部分を含んでいる方法。
【請求項20】
請求項14に記載の方法において、果物の前記部分は、個別に凍結した複数の果物片を含んでいる方法。
【請求項21】
スムージを1人前ずつ自動的に販売するための装置において、
密封パックの内容物を容器に分配するための第1の分配手段と、
液体の一部分を前記容器に分配するための第2の分配手段と、
前記容器の内容物を混合するための混合手段と、
前記容器の内容物を1人前のスムージとして販売するための販売手段と、を備えており、
前記密封パックの内容物は、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを備えており、
前記密封パックの内容物の量は、1人前のスムージを対象とする量に基づいている装置。
【請求項22】
請求項21に記載の装置において、前記少なくとも1つの付加的な粘稠性材料は、アイスクリーム、シャーベットおよびヨーグルトからなる材料の群から選択される装置。
【請求項23】
請求項21に記載の装置において、前記風味材料は、果物の一部分を含んでいる装置。
【請求項24】
スムージを1人前ずつ自動的に販売するための装置において、
スムージの材料を容器に分配するための第1の分配手段と、
液体の一部分を前記容器に分配するための第2の分配手段と、
前記容器の内容物を混合するための混合手段と、
前記容器の内容物の一部分を1人前のスムージとして販売するための販売手段と、を備えており、
前記材料は、風味材料と、液体の凍結した部分と、少なくとも1つの付加的な粘稠性材料とを含んでいる装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、前記少なくとも1つの付加的な粘稠性材料は、アイスクリーム、シャーベットおよびヨーグルトからなる材料の群から選択される装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置において、前記風味材料は、果物の一部分を含んでいる装置。
【請求項27】
1人前の混合物を調理するための材料をパック詰めするための方法において、
前記混合物の少なくとも1つの材料を第1の容器に保存するステップと、
前記混合物の残りの材料を第2の容器に保存するステップと、を備えており、
前記残りの材料の1つまたは複数を凍結させる方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、前記第2の容器の内容物を凍結させるさらなるステップを含んでいる方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法において、前記第1の容器の内容物は、凍結しないままである液体主成分を含んでいる方法。
【請求項30】
請求項28に記載の方法において、凍結させる前記ステップは、前記第2の容器の内容物を凍結させるのに十分な低い温度に前記第1および第2の容器を同時にさらすステップを含んでいる方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、前記第1の容器の内容物は凍結しないままである方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、凍結を防止する作用物質を前記第1の容器の内容物に加えるさらなるステップを含んでいる方法。
【請求項33】
混合物を調理するための材料をパック詰めするための方法において、
前記混合物の少なくとも1つの材料を第1の容器に保存するステップと、
前記混合物の他の材料を第2の容器に保存するステップと、
前記第2の容器の内容物を凍結させるのに十分な低い温度に前記第1および第2の容器を同時にさらすステップと、
を備えている方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記第1の容器の内容物は凍結しないままである方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、凍結を防止する作用物質を前記第1の容器の内容物に加えるさらなるステップを含んでいる方法。
【請求項36】
請求項33から35のいずれか一項に記載の方法において、前記混合物はスムージを構成しており、前記少なくとも1つの材料は前記スムージの液体主成分を構成している方法。
【請求項37】
混合物を調理するための材料を収容している予め詰められたパックにおいて、前記材料の異なる1つを保存するための複数の区画を備えており、前記区画の少なくとも1つの内容物は凍結し、前記区画の別の少なくとも1つの内容物は凍結しないパック。
【請求項38】
請求項37に記載の予め詰められたパックにおいて、前記区画の少なくとも1つの内容物を凍結させるのに十分な低い温度にさらされているパック。
【請求項39】
請求項38に記載の予め詰められたパックにおいて、前記少なくとも1つの区画の凍結しないままである内容物は、前記少なくとも1つの区画の内容物の凍結を防止する作用物質をさらに含んでいるパック。
【請求項40】
請求項39に記載の予め詰められたパックにおいて、前記少なくとも1つの区画の凍結しないままである内容物は液体主成分を含んでいるパック。
【請求項41】
請求項37から40のいずれか一項に記載の予め詰められたパックにおいて、1人前の前記混合物を調理するための材料を収容しているパック。
【請求項42】
請求項37から40のいずれか一項に記載の予め詰められたパックにおいて、2つの区画を備えているパック。
【請求項43】
請求項37から40のいずれか一項に記載の予め詰められたパックにおいて、前記混合物はスムージを構成しているパック。
【請求項44】
混合物を調理する方法において、
予め詰められたパックの内容物を容器に移すステップと、
前記容器内の前記内容物を混合するステップと、を含んでおり、
前記パックは、前記混合物の異なる材料を収容する複数の区画を備えており、前記区画の少なくとも1つの内容物は凍結し、前記区画の別の少なくとも1つの内容物は凍結しない方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法において、前記少なくとも1つの区画の凍結しないままである内容物は、前記少なくとも1つの区画の前記内容物の凍結を防止する作用物質を含んでいる方法。
【請求項46】
請求項44に記載の方法において、前記少なくとも1つの区画の凍結しないままである内容物は、前記混合物の液体主成分を含んでいる方法。
【請求項47】
請求項44から46のいずれか一項に記載の方法において、前記パックは、1人前の前記混合物を調理するための材料を収容している方法。
【請求項48】
請求項44から46のいずれか一項に記載の方法において、前記混合物はスムージを構成している方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−125255(P2012−125255A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−71976(P2012−71976)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【分割の表示】特願2007−526119(P2007−526119)の分割
【原出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(507052223)スムー ピーティワイ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】