説明

個包装箱を収納するための外装箱、およびそれを用いた製品箱

【課題】 個包装箱を収納するための外装箱において、外装箱から個包装箱を取り出す際の、取り出し易さを向上させた新規な外装箱の構造を提案する。
【解決手段】 前面板(11)の一部が高さ方向に切り取られて前面に開口部を形成することが可能となる前面開口片(12)を有し、この開口部から個包装箱の出し入れが可能となっており、上面板(21)の一部が後面板(15)に向けて切り取られて開口部を形成することが可能になる上面開口片(22)を有し、上面板の一部を後面板に向けて開口部を形成するに際して、個包装箱の後面あるいは後面に相当する傾斜面が露出するまで開口可能になっており、個包装の後面あるいは後面に相当する傾斜面を把持して個包装を前面板に形成された開口部からスライド移動させて取り出し可能となるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直方体の箱形態の個包装箱、あるいは傾斜する面を箱形態の一部として備える個包装箱を収納するための外装箱に関し、特に、外装箱から個包装箱を取り出す際の、取り出し易さを向上させた外装箱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイン等の飲料液体が封入された柔軟性のある包装袋であって、かつ注出口を備える包装袋を一次容器(内袋)とし、この一次容器(内袋)を収納して外形を保持するために備えられた外箱を合わせ持つ容器(「バッグインボックス」とも称される)からなる商品(例えば、フランジア:3Lタイプ)が、市場に存在している。
【0003】
このような商品は、壜製品よりも安価であり、ボックスのまま冷蔵庫内にすっきりと収納することができ、また、注出口があるために注ぎ易く、必要な時に必要な量だけ注ぎ出すことや内袋機能性と合わせることで、開封後の鮮度を長期間にわたって保持することができるという優れたメリットがある。
【0004】
本願に係る出願人らは、このようなメリットを最大限に生かせるように、従来より改善の要望が出されていたバッグ内の液体の注ぎ残しの問題を解決するために、傾斜する面を箱形態の一部として備える新規な箱体の提案を行っている(特願2008−156321)。すなわち、バッグ内の液体の注ぎ残しが極力少なくなるように、正面板の底蓋側において傾斜面を形成させ、箱全体を正面側に傾斜させる操作を容易ならしめるよう構成された箱体の提案を行なっている。
【0005】
このような傾斜面を備える箱体は、特殊な形態であり、一般的には、ワイン関連商品に限らず、直方体形態の箱体が市場に多く流通している。
【0006】
このような傾斜面を備える箱体や、通常の一般的な直方体形態の箱体は、個包装箱として取り扱われ、通常、複数個の個包装箱を整列させ、外装箱の中に隙間無く詰め込んだ状態で出荷される。
【0007】
それゆえ、開梱に際し、例えば、上蓋を開けてから、外装箱の中から個包装箱を持ち上げて取り出そうとすると、手(指)を入れるスペースは極めて少ない。それゆえ、無理して指を隙間に差し込んで取り出すと手が痛くなったり、あるいは、無理に個包装箱を≡もうとするせいか、個包装箱の端に傷がついたりしてしまうという不都合が生じていた。とにかく取り出し難いという問題があった。
【0008】
また、傾斜面を備える個包装箱に関して言及すれば、箱の傾斜組立を補助するための機能部分が付加されているものもあり、この機能部分を無理に≡んで引き出した場合には、本来の機能部分が破損して使い物にならなくなるというおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−1222号公報
【特許文献2】特開2002−68177号公報
【特許文献3】特開2004−35080号公報
【特許文献4】特開2006−76588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような実状のもとに、本発明は創案されたものであって、その目的は、個包装箱を収納するための外装箱において、外装箱から個包装箱を取り出す際の、取り出し易さを向上させた新規な外装箱の構造を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような課題を解決するために本発明は、個包装箱を収納するための外装箱であって、該外装箱は、前面板の一部が高さ方向(Z方向)に切り取られて前面に開口部を形成することが可能となる前面開口片を有し、当該開口部から個包装箱の出し入れが可能となっており、上面板の一部が後面板に向けて切り取られて開口部を形成することが可能になる上面開口片を有し、上面板の一部を後面板に向けて開口部を形成するに際して、個包装箱の後面あるいは後面に相当する傾斜面が露出するまで開口可能になっており、個包装の後面あるいは後面に相当する傾斜面を把持して個包装を前面板に形成された開口部からスライド移動させて取り出し可能となるように構成される。
【0012】
本発明の外装箱の好ましい態様として、傾斜する面を箱形態の一部として備える個包装箱を収納する外装箱において、該外装箱は、前面板、底面板、後面板、連結板、上面板および前面被着片が連結された帯状の胴部と、帯状の胴部を組み立てた際に側方に位置する一方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップ、ならびに他方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップとを備え、前記連結板は、傾斜面を形成するように構成されており、前記前面板は、当該前面板の上端部から底面板と連結される下端部の位置に至るまで引裂き可能な前面開口片が形成されるようになっており、引き裂き後の前面開口片は、前面板と底面板との接合線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっており、前記前面被着片は、前記前面板の上部を覆うように形成されており、前記上面板は、前面被着片の一部である引き裂き開始片に連接され、上面板の前部端部から上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂き可能な上面開口片が形成されるようになっており、前記傾斜面を形成している連結板の両サイドは、切断端となっており、上面開口片を上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂くと、引き裂かれた上面開口片と連結板との一体化物が、連結板と後面板との接合線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっているように構成される。
【0013】
本発明の外装箱の好ましい態様として、該外装箱は、前面板、底面板、後面板、上面板および前面被着片が連結された帯状の胴部と、帯状の胴部を組み立てた際に側方に位置する一方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップ、ならびに他方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップとを備え、前記前面板は、当該前面板の上端部から底面板と連結される下端部の位置に至るまで引裂き可能な前面開口片が形成されるようになっており、引き裂き後の前面開口片は、前面板と底面板との接合線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっており、前記前面被着片は、前記前面板の上部を覆うように形成されており、前記上面板は、前面被着片の一部である引き裂き開始片に連接され、上面板の前部端部から上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂き可能な上面開口片が形成されるようになっており、前記後面板は、前記上面開口片に連接して後面板の両サイドに沿ってその上部が引き裂き可能となる後面開口片が形成できるようになっており、前記上面開口片を上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂き、さらに、連接した状態で後面開口片を引き裂くと、引き裂かれた上面開口片と後面開口片との一体化物が、後面板の後面開口片の終点で結ばれた後面板の折り線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっているように構成される。
【0014】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記引き裂き後の前面開口片は、開口した状態で底面板と同じ高さレベルとなるように敷設されることが可能となるように構成される。
【0015】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記前面開口片の大きさは、個包装箱を引き摺り出すに十分な開口部を形成できる大きさに構成される。
【0016】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記前面開口片は、前面板の中央部に形成される。
【0017】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記一対の側部蓋用内フラップは、前記前面板の両サイドに連接される前面板連接内フラップと、前記後面板の両サイドに連接される後面板連接内フラップとから構成され、後面板連接内フラップの奥側上端は、コーナーカットされており、当該コーナーカットの上端に、前記傾斜面を構成する連結板の両サイドが覆うように被せられ箱形成がなされるように構成される。
【0018】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記一対の側部蓋用内フラップは、前記前面板の両サイドに連接される前面板連接内フラップと、前記後面板の両サイドに連接される後面板連接内フラップとから構成される。
【0019】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記引裂き可能な前面開口片は、引き裂き前、その形態がカット線で形取られるように構成される。
【0020】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記引裂き可能な前面開口片は、一定の幅間隔を空けた高さ方向の上下に延びる2本のカット線で形取られるように構成される。
【0021】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記引裂き可能な上面開口片は、引き裂き前、その形態がカット線で形取られるように構成される。
【0022】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記引裂き可能な上面開口片の形態を形取るカット線は、前記引き裂き開始片の幅方向の両端部からそれぞれ、上面板と外フラップとの接合線へと向かって進み、当該接合線に到達した後には、当該接合線に沿って進むように形成される。
【0023】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記引裂き可能な上面開口片の形態を形取るカット線は、接合線に沿って進み、前記傾斜面を形成している連結板の両サイドの切断端に向かうように構成される。
【0024】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記引裂き可能な上面開口片の形態を形取るカット線は、接合線に沿って進み、後面開口片を形取るカット線に連接されるように構成される。
【0025】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記前面被着片は、前記前面板の上部を幅方向に亘り覆うように形成されており、当該前面被着片の中央部分が引き裂き開始片として構成される。
【0026】
本発明の外装箱の好ましい態様として、前記前面被着片の引き裂き開始片として構成される部分は、カット線により区分されるとともに、引き裂きが容易となるように端部に切欠きが設けられるように構成される。
【0027】
本発明の製品箱は、前記外装箱の中に、傾斜する面を箱形態の一部として備える個包装箱を複数個、収納した製品箱であり、個包装箱の傾斜する面が外装箱の傾斜面に沿って収納されているように構成される。
【0028】
本発明の製品箱は、前記外装箱の中に、直方体の箱形態を備える個包装箱を複数個、収納してなるように構成される。
【0029】
本発明の製品箱の好ましい態様として、収納される個包装箱の長手方向が、外装箱の前面板から後面板に向かう方向と同一であるように構成される。
【0030】
本発明の製品箱の好ましい態様として、複数の個包装箱が、外装箱の一方の側部から他方の側部へと順次並べられた状態で収納されるように構成される。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、個包装箱を収納するための外装箱であって、該外装箱は、前面板の一部が高さ方向に切り取られて前面に開口部を形成することが可能となる前面開口片を有し、当該開口部から個包装箱の出し入れが可能となっており、上面板の一部が後面板に向けて切り取られて開口部を形成することが可能になる上面開口片を有し、上面板の一部を後面板に向けて開口部を形成するに際して、個包装箱の後面あるいは後面に相当する傾斜面が露出するまで開口可能になっており、個包装の後面あるいは後面に相当する傾斜面を把持して個包装を前面板に形成された開口部からスライド移動させて取り出し可能となるように構成されている。
【0032】
このような構成ゆえに、所定の前面開口および上面開口等の開梱操作をした後、露出した個包装箱の後面あるいは傾斜する面を手に掛けて後方から前方に個包装箱をスライド移動させることにより、極めて容易に個包装箱を取り出すことができ、従来の問題は解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態における外装箱の展開図の一例を示したものである。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態における外装箱を正面斜めから見た概略斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態における外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた状態を示す概略斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態における外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた後に、内部に収納されている個包装箱を手前にスライド移動させて取り出す状態を示す概略斜視図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態における外装箱による梱包対象の一例である個包装箱の概略斜視図である。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態における外装箱の展開図の一例を示したものである。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態における外装箱を正面斜めから見た概略斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態における外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた状態を示す概略斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態における外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた後に、内部に収納されている個包装箱を手前にスライド移動させて取り出す状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0035】
本発明は、個包装箱を収納するための外装箱に関するものであり、この外装箱は、前面板の一部が高さ方向に切り取られて前面に開口部を形成することが可能となる前面開口片を有している。そして、この開口部から個包装箱の出し入れが可能となっている。
【0036】
さらに本発明においては、上面板の一部が後面板に向けて切り取られて開口部を形成することが可能になる上面開口片を有している。そして、上面板の一部を後面板に向けて開口部を形成するに際して、個包装箱の後面あるいは後面に相当する傾斜面が露出するまで開口可能になっている。このような構成を備えることにより、開口により露出した個包装の後面あるいは後面に相当する傾斜面を把持して個包装を前面板に形成された開口部からスライド移動させて取り出すことが可能となる。
【0037】
このような本願発明の外装箱のより具体的な構成は、内部に収納される個包装箱形態に合せて、要部以外の仕様が若干異なる。それゆえ、本発明においては、傾斜する面を箱形態の一部として備える個包装箱を収納するために用いられる外装箱の構成を第1の実施形態とし、それ以外の個包装箱形態、例えば、直方体形態の個包装箱を収納するために用いられる外装箱の構成を第2の実施形態とし、これらを分けて以下に説明する。
【0038】
本発明の第1の実施形態の説明
本発明の第1の実施形態の外装箱は、傾斜する面を箱形態の一部として備える個包装箱を収納するために用いられる外装箱である。本発明の外装箱の具体的実施の形態の一例について説明する前に、本発明の外装箱による梱包対象の一例である個包装箱の概略の形態について、図5を参照しつつ簡単に説明しておく。ただし、本発明において、個包装箱の形態は図5に示される形態に限定されることはない。
【0039】
図5は、本発明の外装箱による梱包対象の一例である個包装箱500の概略斜視図であり、この個包装箱500は、傾斜する面503を箱形態の一部として備えている。傾斜する面503は箱を前方に傾け易くし、注ぎ残しを低減させるために設けられている。
【0040】
図5に示される個包装箱500は、後述する図3や図4に示される収納状態からわかるように、本発明の外装箱の中に収納されるに際し、図5の図面で描かれている箱体の上下面をひっくり返した状態で、なおかつ、傾斜する面503が外装箱の後部の奥側上部に位置するように収納される。すなわち、外装箱内に収納されて載置される下面が符号504で示される面となり、上面が符号502で示される面となる。外装箱内に収納される前面が符号501で示される面となり、後面が符号505で示される面となる。
【0041】
このような個包装箱500を複数個収納するための本発明の第1の実施形態の外装箱1について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0042】
図1は、本発明の外装箱1を展開した図面の一例としての平面図であり、図2は、図1の展開された、例えば、オリジナル段ボールを外装箱として組み立てた概略斜視図である。図3は、本発明の外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた状態を示す概略斜視図である。図4は、本発明の外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた後に、内部に収納されている個包装箱を手前にスライド移動させて取り出す状態を示す概略斜視図である。
【0043】
本発明の外装箱1の形態および構造は、図1に示される展開図および図2の概略組み立て完了図、並びに図3および図4に示される開梱操作説明図から理解することができる。なお、図2におけるカット線は、紙面の大きさの関係で点線で簡略的に記載してあるが、図1のカット線(L字の集合体でライン化されたカット線)と同じものである。
【0044】
本発明の外装箱1は、図1に示されるように、前面板11、底面板25、後面板15、連結板6、上面板21および前面被着片70が連結された帯状の胴部と、帯状の胴部を組み立てた際に側方に位置する一方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップ31、35および側部蓋用外フラップ41、45、ならびに他方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップ32、36および側部蓋用外フラップ42、46とを備えている。
【0045】
図1に示されるように、本発明の外装箱1は、後面板15の高さ(図1における図面の左右方向が該当する)を、前面板11の高さよりも低くして、後面板15と上面板21との間に連結板6を介在させ、組立後の連結板6が傾斜面を形成するように構成されている。この傾斜面の勾配の程度および大きさ等は、収納される個包装箱の傾斜する面(図5:符号503)に合せて設計するようにすればよい。
【0046】
本発明の外装箱1における前面板11は、図1や図2に示されるように、前面板11の上端部(図1の符号11a)から底面板25と連結される下端部111の位置に至るまで引裂き可能な前面開口片12が形成される。本発明でいう『引裂き可能な』という文言は、ミシン目等のカット線により、切り口が案内されている場合において、この案内されるカット線に沿って、手で切り裂くことが可能なことを意味する。つまり、引裂き可能な前面開口片12は、引き裂き前、その形態がミシン目のカット線やL字の集合体でライン化されたカット線などによって形取られている。
【0047】
本実施形態では、前面開口片12を形成するために、図1や図2に示されるように、カット線12a、12bが所定の間隔を空けて略平行となるように形成されている。換言すれば、一定の幅間隔を空けた高さ方向の上下に延びる2本のカット線12a、12bで形取られている。カット線12a、12bとの間隔により、個包装箱を取り出す開口部の幅が規定され、前面開口片12の大きさ(幅)は、個包装箱を引き摺り出すに十分な開口部を形成できる大きさとされる。そのため、取り出し対象となる個包装箱の幅や収納個数等を考慮してカット線12a、12bとの間隔が定められる。
【0048】
本実施形態では、図3や図4に示されるように、4個の個包装箱500が外装箱一方の側部から他方の側部へと順次並べられた状態で収納されており、収納される個包装箱500の長手方向が、外装箱の前面板11から後面板15に向かう方向と同一とされている。
【0049】
この実施例では、偶数個(4個)の個包装箱500が収納されており、前面開口片12が形成される位置を前面板11の略中央に配置しようとしているために、開口幅は、2個分の個包装箱500の幅と同等程度に設定されている。
【0050】
この一方で、奇数個の個包装箱500を収納する場合には、開口幅を1個分の個包装箱の幅と同等程度にすることもできる。また、前面開口片12を前面板11の略中央に配置する必要性がないのであれば、偶数個の個包装箱が収納されている場合であっても、開口幅を1個分の個包装箱の幅と同等程度にすることもできる。
【0051】
なお、図3に示されるように、前面板11の部分であって符号13および14で示される部材は、前面開口片12を引き裂き後の残余の紙部分であり、これらはそのまま立設し、箱形態の一部を形成している。
【0052】
図3に示される引き裂き後の前面開口片12は、前面板11と底面板25との接合線111を基線として、揺動できるとともに開口部を開閉可能とすることができるようになっている。そして、引き裂き後の前面開口片12は、開口した状態で前面開口片12が底面板25と同じ高さレベルとなるように敷設された状態にすることができる(図3参照)。こうすることにより、内部に収納されている個包装箱500を手前(前面開口片12を開口した方向)にスライド移動させて取り出すことができる。
【0053】
図1および図2に示されるように、前面被着片70は、上面板21に連接されるとともに、組立後は前面板11の上部を幅方向(図2のX方向)に亘り覆うように被着形成されている。通常は糊付けされている。
【0054】
このような前面被着片70は、中央に位置する引き裂き開始片72と、その両端にそれぞれ位置する残存片71、73を有し構成されている。引き裂き開始片72と残存片71、73と切り離しが容易となるように、それらの境目には、切れ込み線(ミシン目等のカット線)やスリットを形成しておくことが望ましい。さらに、引き裂きの開始が容易となるように端部に切欠き72aを設けることが望ましい(図1参照)。また、引き裂き開始片72の幅は、前述した前面開口片12の幅と同程度、あるいはそれ以上の大きさとすることが望ましい。
【0055】
図1や図2に示されるごとく、上面板21には、前面被着片70の一部である引き裂き開始片72に連接される上面板21の前部端部(2箇所存在し、符号Pで示される)から上面板21の後部の両サイド(2箇所存在し、符号Sで示される)に至るまで引き裂き可能な上面開口片22が形成されるようになっている。
【0056】
このような引裂き可能な上面開口片22は、引き裂き前、その形態がミシン目のカット線やL字の集合体でライン化されたカット線22a、22b、22c、22dによって形取られている。
【0057】
本実施の形態において、前面開口片22の形態を形取るカット線は、図1に示されるように引き裂き開始片72の幅方向(図2のX方向)の両端部Pから、それぞれ、上面板21と外フラップ41、42との接合線101、102へと向かって進み(カット線22a、22b)、接合線101、102に到達した後には、接合線101、102に沿って進むように形成されている(カット線22c、22d)。
【0058】
組立後に傾斜面を形成する連結板6の両サイド6a、6bは、図1に示されるように切断端となっており、開梱に際し、上面開口片22を上面板21の後部の両サイドSに至るまで引き裂くと、引き裂かれた上面開口片22と連結板6との一体化物が、連結板6と後面板15との接合線131を基線として、揺動できるとともに開閉可能に構成されている。
【0059】
このように可動可能な上面開口片22と連結板6との一体化物が、接合線131を基線として、後方へ捲られると、内部に収納されていた個包装箱の傾斜する面(例えば、図5:符号503)が露出する状態となる(図3参照)。本発明では、この露出した傾斜面503を手で≡みながら個包装箱500を手前(前面開口片12を開口した方向)にスライド移動させて取り出すことができるので、個包装箱の取り出し操作は極めて容易となる(図4参照)。
【0060】
図1を参照しつつ内フラップについて、さらに詳述すると、側部蓋用内フラップは、前面板11の両サイドに接合線61、62を介して連接される前面板連接内フラップ31、32と、後面板15の両サイドに接合線81、82を介して連接される後面板連接内フラップ35、36とから構成される。前面板連接内フラップ31、32は通常の略四角形状であるが、後面板連接内フラップ35、36の一方の上端35a、36aは、それぞれ、図示のごとくコーナーカットされており、コーナーカットの上端(35a、36a)に、傾斜面を構成する連結板6の両サイド6a、6b近傍の面がそれぞれ覆うように被せられて箱の形成がなされる。このことは、図1に示される展開図を実際に外装箱として組み立てれば明瞭となるであろう。
【0061】
<本発明の第1の実施形態の外装箱1を開梱して個包装箱500を取り出す操作手法についての説明>
本発明の外装箱の作用、すなわち、本発明の外装箱を開梱して個包装箱500を取り出す操作手法の一連の流れを、以下、まとめて説明する。
【0062】
図3に示されるように、前面被着片70の一部である引き裂き開始片72を持って、上方に引き上げると、これに連なる上面開口片22が徐々に引き裂かれる。すなわち、上面開口片22は、図1に示されるごとく引き裂き開始片72の幅方向(図2のX方向)の両端部Pから、それぞれ、上面板21と外フラップ41、42との接合線101、102へと向かって進み、接合線101、102に到達した後には、接合線101、102に沿って進む。上面板21の後部の両サイドSに至るまで引き裂かれると、連結板6の両サイド6a、6bは、切断端となっているため、引き裂かれた上面開口片22と連結板6との一体化物を、連結板6と後面板15との接合線131を基線として、揺動させることができる。
【0063】
次いで、前面開口片12の引裂き操作を行い、前面板11に開口部を設ける。すなわち、前面開口片12の上端部に手を掛けて、当該上端部から底面板25と連結される下端部111の位置に至るまで引き裂く。引き裂き後の前面開口片12は、開口した状態で前面開口片12が底面板25と同じ高さレベルとなるように敷設された状態とされる(図3参照)。
しかる後、図4に示されるごとく、個包装箱500の後方上部に露出した傾斜面503を手で≡みながら個包装箱500を手前(前面開口片12を開口した方向)にスライド移動させて取り出す。
【0064】
このように本願発明では、露出した個包装箱の傾斜する面を手に掛けて後方から前方に個包装箱をスライド移動させる操作ができるので、極めて容易に個包装箱を取り出すことができ、従来の問題は全て解消できる。
【0065】
〔本発明の第2の実施形態の説明〕
本発明の第2の実施形態の外装箱は、例えば、直方体形態の個包装箱を収納するために用いられる外装箱である。
【0066】
本発明の第2の実施形態の外装箱による梱包対象の一例である個包装箱の概略の形態については、前述した図5において傾斜部が存在しない直方体形態を想起すればよく、このような直方体形態の個包装箱を符号600と記す。
【0067】
このような個包装箱600を複数個収納するための本発明の第2の実施形態の外装箱1について、図6〜図9を参照しつつ説明する。
【0068】
図6は、本発明の第2の実施形態の外装箱2を展開した図面の一例としての平面図であり、図7は、図6の展開された、例えば、オリジナル段ボールを外装箱として組み立てた概略斜視図である。図8は、本発明の外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた状態を示す概略斜視図である。図9は、本発明の外装箱の開梱に際し、上面開口片および前面開口片を空けた後に、内部に収納されている個包装箱を手前にスライド移動させて取り出す状態を示す概略斜視図である。
【0069】
本発明の外装箱2の形態および構造は、図6に示される展開図および図7の概略組み立て完了図、並びに図8および図9に示される開梱操作説明図から理解することができる。なお、図7におけるカット線は、紙面の大きさの関係で点線で簡略的に記載してあるが、図6のカット線(L字の集合体でライン化されたカット線)と同じものである。
【0070】
本発明の外装箱2は、図6に示されるように、前面板11、底面板25、後面板15、上面板21および前面被着片70が連結された帯状の胴部と、帯状の胴部を組み立てた際に側方に位置する一方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップ31、35および側部蓋用外フラップ41、45、ならびに他方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップ32、36および側部蓋用外フラップ42、46とを備えている。
【0071】
本発明の外装箱2における前面板11は、図6や図7に示されるように、前面板11の上端部(図1の符号11a)から底面板25と連結される下端部111の位置に至るまで引裂き可能な前面開口片12が形成される。本発明でいう『引裂き可能な』という文言は、ミシン目等のカット線により、切り口が案内されている場合において、この案内されるカット線に沿って、手で切り裂くことが可能なことを意味する。つまり、引裂き可能な前面開口片12は、引き裂き前、その形態がミシン目のカット線やL字の集合体でライン化されたカット線などによって形取られている。
【0072】
本実施形態では、前面開口片12を形成するために、図6や図7に示されるように、カット線12a、12bが所定の間隔を空けて略平行となるように形成されている。換言すれば、一定の幅間隔を空けた高さ方向の上下に延びる2本のカット線12a、12bで形取られている。カット線12a、12bとの間隔により、個包装箱を取り出す開口部の幅が規定され、前面開口片12の大きさ(幅)は、個包装箱を引き摺り出すに十分な開口部を形成できる大きさとされる。そのため、取り出し対象となる個包装箱の幅や収納個数等を考慮してカット線12a、12bとの間隔が定められる。
【0073】
本実施形態では、図8や図9に示されるように、4個の個包装箱600が外装箱一方の側部から他方の側部へと順次並べられた状態で収納されており、収納される個包装箱600の長手方向が、外装箱の前面板11から後面板15に向かう方向と同一とされている。
【0074】
この実施例では、偶数個(4個)の個包装箱600が収納されており、前面開口片12が形成される位置を前面板11の略中央に配置しようとしているために、開口幅は、2個分の個包装箱600の幅と同等程度に設定されている。
【0075】
この一方で、奇数個の個包装箱600を収納する場合には、開口幅を1個分の個包装箱の幅と同等程度にすることもできる。また、前面開口片12を前面板11の略中央に配置する必要性がないのであれば、偶数個の個包装箱が収納されている場合であっても、開口幅を1個分の個包装箱の幅と同等程度にすることもできる。
【0076】
なお、図8に示されるように、前面板11の部分であって符号13および14で示される部材は、前面開口片12を引き裂き後の残余の紙部分であり、これらはそのまま立設し、箱形態の一部を形成している。
【0077】
図8に示される引き裂き後の前面開口片12は、前面板11と底面板25との接合線111を基線として、揺動できるとともに開口部を開閉可能とすることができるようになっている。そして、引き裂き後の前面開口片12は、開口した状態で前面開口片12が底面板25と同じ高さレベルとなるように敷設された状態にすることができる(図8参照)。こうすることにより、内部に収納されている個包装箱600を手前(前面開口片12を開口した方向)にスライド移動させて取り出すことができる。
【0078】
図6および図7に示されるように、前面被着片70は、上面板21に連接されるとともに、組立後は前面板11の上部を幅方向(図7のX方向)に亘り覆うように被着形成されている。通常は糊付けされている。
【0079】
このような前面被着片70は、中央に位置する引き裂き開始片72と、その両端にそれぞれ位置する残存片71、73を有し構成されている。引き裂き開始片72と残存片71、73と切り離しが容易となるように、それらの境目には、切れ込み線(ミシン目等のカット線)やスリットを形成しておくことが望ましい。さらに、引き裂きの開始が容易となるように端部に切欠き72aを設けることが望ましい(図6参照)。また、引き裂き開始片72の幅は、前述した前面開口片12の幅と同程度、あるいはそれ以上の大きさとすることが望ましい。
【0080】
図6や図7に示されるごとく、上面板21には、前面被着片70の一部である引き裂き開始片72に連接される上面板21の前部端部(2箇所存在し、符号Pで示される)から上面板21の後部の両サイド(2箇所存在し、符号Sで示される)に至るまで引き裂き可能な上面開口片22が形成されるようになっている。
【0081】
このような引裂き可能な上面開口片22は、引き裂き前、その形態がミシン目のカット線やL字の集合体でライン化されたカット線22a、22b、22c、22dによって形取られている。
【0082】
本実施の形態において、前面開口片22の形態を形取るカット線は、図6に示されるように引き裂き開始片72の幅方向(図7のX方向)の両端部Pから、それぞれ、上面板21と外フラップ41、42との接合線101、102へと向かって進み(カット線22a、22b)、接合線101、102に到達した後には、接合線101、102に沿って進むように形成されている(カット線22c、22d)。
【0083】
図6に示されるように、本発明の外装箱2における後面板15は、前記上面開口片22に連接して後面板15の両サイドに沿ってその上部が引き裂き可能となる後面開口片16が形成できるようになっており、前記上面開口片22を上面板21の後部の両サイド(S)に至るまで引き裂き、さらに、連接した状態で後面開口片16を符号Qの位置まで引き裂く(カット線16a,16bに沿う)と、引き裂かれた上面開口片22と後面開口片16との一体化物が、後面板15の後面開口片の終点(符号Q)で結ばれた後面板の折り線16cを基線として、揺動できるとともに開閉可能になっている
【0084】
このように可動可能な上面開口片22と後面開口片16との一体化物が、接合線16cを基線として、後方へ捲られると、内部に収納されていた個包装箱600の後ろ面の上面(例えば、図9:符号603)が露出する状態となる。本発明では、この露出した後ろ面の上面603を手で≡みながら個包装箱600を手前(前面開口片12を開口した方向)にスライド移動させて取り出すことができるので、個包装箱の取り出し操作は極めて容易となる(図9参照)。
【0085】
<本発明の第2の実施形態の外装箱2を開梱して個包装箱600を取り出す操作手法についての説明>
本発明の外装箱2の作用、すなわち、本発明の外装箱2を開梱して個包装箱600を取り出す操作手法の一連の流れを、以下、まとめて説明する。
【0086】
図8に示されるように、前面被着片70の一部である引き裂き開始片72を持って、上方に引き上げると、これに連なる上面開口片22が徐々に引き裂かれる。すなわち、上面開口片22は、図6に示されるごとく引き裂き開始片72の幅方向(図7のX方向)の両端部Pから、それぞれ、上面板21と外フラップ41、42との接合線101、102へと向かって進み、接合線101、102に到達した後には、接合線101、102に沿って進む。上面板21の後部の両サイドSに至るまで引き裂き、さらに連接した状態で後面開口片16を符号Qの位置まで引き裂く(カット線16a,16bに沿う)。引き裂かれた上面開口片22と後面開口片16との一体化物は、後面板15の後面開口片の終点(符号Q)で結ばれた後面板の折り線16cを基線として、揺動させることができる。
【0087】
次いで、前面開口片12の引裂き操作を行い、前面板11に開口部を設ける。すなわち、前面開口片12の上端部に手を掛けて、当該上端部から底面板25と連結される下端部111の位置に至るまで引き裂く。引き裂き後の前面開口片12は、開口した状態で前面開口片12が底面板25と同じ高さレベルとなるように敷設された状態とされる(図8参照)。
しかる後、図9に示されるごとく、個包装箱600の後ろ面の上面603を手で≡みながら個包装箱600を手前(前面開口片12を開口した方向)にスライド移動させて取り出す。
【0088】
このように本願発明では、露出した個包装箱600の後ろ面の上面603を手に掛けて後方から前方に個包装箱をスライド移動させる操作ができるので、極めて容易に個包装箱を取り出すことができ、従来の問題は全て解消できる。
【符号の説明】
【0089】
1…外装箱
6…連結板
11…前面板
12…前面開口片
15…後面板
16…後面開口片
21…上面板
22…上面開口片
25…底面板
31、32、35、36…内フラップ
41、42、45、46…外フラップ
70…前面被着片
500…個包装箱
600…個包装箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個包装箱を収納するための外装箱であって、
該外装箱は、
前面板の一部が高さ方向(Z方向)に切り取られて前面に開口部を形成することが可能となる前面開口片を有し、当該開口部から個包装箱の出し入れが可能となっており、
上面板の一部が後面板に向けて切り取られて開口部を形成することが可能になる上面開口片を有し、上面板の一部を後面板に向けて開口部を形成するに際して、個包装箱の後面あるいは後面に相当する傾斜面が露出するまで開口可能になっており、個包装の後面あるいは後面に相当する傾斜面を把持して個包装を前面板に形成された開口部からスライド移動させて取り出し可能となるように構成されていることを特徴とする外装箱。
【請求項2】
傾斜する面を箱形態の一部として備える個包装箱を収納する請求項1に記載された外装箱であって、
該外装箱は、前面板、底面板、後面板、連結板、上面板および前面被着片が連結された帯状の胴部と、
帯状の胴部を組み立てた際に側方に位置する一方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップ、ならびに他方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップとを備え、
前記連結板は、傾斜面を形成するように構成されており、
前記前面板は、当該前面板の上端部から底面板と連結される下端部の位置に至るまで引裂き可能な前面開口片が形成されるようになっており、引き裂き後の前面開口片は、前面板と底面板との接合線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっており、
前記前面被着片は、前記前面板の上部を覆うように形成されており、
前記上面板は、前面被着片の一部である引き裂き開始片に連接され、上面板の前部端部から上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂き可能な上面開口片が形成されるようになっており、
前記傾斜面を形成している連結板の両サイドは、切断端となっており、上面開口片を上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂くと、引き裂かれた上面開口片と連結板との一体化物が、連結板と後面板との接合線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっている請求項1に記載の外装箱。
【請求項3】
前記引き裂き後の前面開口片は、開口した状態で底面板と同じ高さレベルとなるように敷設されることが可能である請求項2に記載の外装箱。
【請求項4】
前記前面開口片の大きさは、個包装箱を引き摺り出すに十分な開口部を形成できる大きさとされる請求項2または請求項3に記載の外装箱。
【請求項5】
前記前面開口片は、前面板の中央部に形成される請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の外装箱。
【請求項6】
前記一対の側部蓋用内フラップは、前記前面板の両サイドに連接される前面板連接内フラップと、前記後面板の両サイドに連接される後面板連接内フラップとから構成され、
後面板連接内フラップの奥側上端は、コーナーカットされており、当該コーナーカットの上端に、前記傾斜面を構成する連結板の両サイドが覆うように被せられ箱形成がなされる請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の外装箱。
【請求項7】
前記引裂き可能な前面開口片は、引き裂き前、その形態がカット線で形取られる請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の外装箱。
【請求項8】
前記引裂き可能な前面開口片は、一定の幅間隔を空けた高さ方向の上下に延びる2本のカット線で形取られる請求項7に記載の外装箱。
【請求項9】
前記引裂き可能な上面開口片は、引き裂き前、その形態がカット線で形取られる請求項2ないし請求項8のいずれかに記載の外装箱。
【請求項10】
前記引裂き可能な上面開口片の形態を形取るカット線は、前記引き裂き開始片の幅方向の両端部からそれぞれ、上面板と外フラップとの接合線へと向かって進み、当該接合線に到達した後には、当該接合線に沿って進むように形成される請求項9に記載の外装箱。
【請求項11】
前記引裂き可能な上面開口片の形態を形取るカット線は、接合線に沿って進み、前記傾斜面を形成している連結板の両サイドの切断端に向かう請求項10に記載の外装箱。
【請求項12】
前記前面被着片は、前記前面板の上部を幅方向に亘り覆うように形成されており、当該前面被着片の中央部分が引き裂き開始片として構成される請求項2ないし請求項11のいずれかに記載の外装箱。
【請求項13】
前記前面被着片の引き裂き開始片として構成される部分は、カット線により区分されるとともに、引き裂きが容易となるように端部に切欠きが設けられる請求項2ないし請求項12のいずれかに記載の外装箱。
【請求項14】
請求項2ないし請求項13のいずれかに記載の外装箱の中に、傾斜する面を箱形態の一部として備える個包装箱を複数個、収納した製品箱であり、
個包装箱の傾斜する面が外装箱の傾斜面に沿って収納されていることを特徴とする製品箱。
【請求項15】
収納される個包装箱の長手方向が、外装箱の前面板から後面板に向かう方向と同一である請求項14に記載の製品箱。
【請求項16】
複数の個包装箱が、外装箱の一方の側部から他方の側部へと順次並べられた状態で収納される請求項14または請求項15に記載の製品箱。
【請求項17】
個包装箱を収納する請求項1に記載された外装箱であって、
該外装箱は、前面板、底面板、後面板、上面板および前面被着片が連結された帯状の胴部と、
帯状の胴部を組み立てた際に側方に位置する一方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップ、ならびに他方の側部蓋を形成するための一対の側部蓋用内フラップおよび側部蓋用外フラップとを備え、
前記前面板は、当該前面板の上端部から底面板と連結される下端部の位置に至るまで引裂き可能な前面開口片が形成されるようになっており、引き裂き後の前面開口片は、前面板と底面板との接合線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっており、
前記前面被着片は、前記前面板の上部を覆うように形成されており、
前記上面板は、前面被着片の一部である引き裂き開始片に連接され、上面板の前部端部から上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂き可能な上面開口片が形成されるようになっており、
前記後面板は、前記上面開口片に連接して後面板の両サイドに沿ってその上部が引き裂き可能となる後面開口片が形成できるようになっており、前記上面開口片を上面板の後部の両サイドに至るまで引き裂き、さらに、連接した状態で後面開口片を引き裂くと、引き裂かれた上面開口片と後面開口片との一体化物が、後面板の後面開口片の終点で結ばれた後面板の折り線を基線として、揺動できるとともに開閉可能になっている請求項1に記載の外装箱。
【請求項18】
前記引き裂き後の前面開口片は、開口した状態で底面板と同じ高さレベルとなるように敷設されることが可能である請求項17に記載の外装箱。
【請求項19】
前記前面開口片の大きさは、個包装箱を引き摺り出すに十分な開口部を形成できる大きさとされる請求項17または請求項18に記載の外装箱。
【請求項20】
前記前面開口片は、前面板の中央部に形成される請求項17ないし請求項19のいずれかに記載の外装箱。
【請求項21】
前記一対の側部蓋用内フラップは、前記前面板の両サイドに連接される前面板連接内フラップと、前記後面板の両サイドに連接される後面板連接内フラップとから構成される請求項17ないし請求項20のいずれかに記載の外装箱。
【請求項22】
前記引裂き可能な前面開口片は、引き裂き前、その形態がカット線で形取られる請求項17ないし請求項21のいずれかに記載の外装箱。
【請求項23】
前記引裂き可能な前面開口片は、一定の幅間隔を空けた高さ方向の上下に延びる2本のカット線で形取られる請求項22に記載の外装箱。
【請求項24】
前記引裂き可能な上面開口片は、引き裂き前、その形態がカット線で形取られる請求項17ないし請求項23のいずれかに記載の外装箱。
【請求項25】
前記引裂き可能な上面開口片の形態を形取るカット線は、前記引き裂き開始片の幅方向の両端部からそれぞれ、上面板と外フラップとの接合線へと向かって進み、当該接合線に到達した後には、当該接合線に沿って進むように形成される請求項24に記載の外装箱。
【請求項26】
前記引裂き可能な上面開口片の形態を形取るカット線は、接合線に沿って進み、後面開口片を形取るカット線に連接される請求項25に記載の外装箱。
【請求項27】
前記前面被着片は、前記前面板の上部を幅方向に亘り覆うように形成されており、当該前面被着片の中央部分が引き裂き開始片として構成される請求項17ないし請求項26のいずれかに記載の外装箱。
【請求項28】
前記前面被着片の引き裂き開始片として構成される部分は、カット線により区分されるとともに、引き裂きが容易となるように端部に切欠きが設けられる請求項17ないし請求項27のいずれかに記載の外装箱。
【請求項29】
請求項17ないし請求項28のいずれかに記載の外装箱の中に、直方体の箱形態を備える個包装箱を複数個、収納してなることを特徴とする製品箱。
【請求項30】
収納される個包装箱の長手方向が、外装箱の前面板から後面板に向かう方向と同一である請求項29に記載の製品箱。
【請求項31】
複数の個包装箱が、外装箱の一方の側部から他方の側部へと順次並べられた状態で収納される請求項29または請求項30に記載の製品箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−93601(P2011−93601A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251961(P2009−251961)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【出願人】(000001915)メルシャン株式会社 (48)
【Fターム(参考)】