説明

倍電圧整流回路

【課題】 交流電源電圧の変動成分によって出力される直流電源電圧の変動が増加することを防止できる倍電圧整流回路を提供する。
【解決手段】 倍電圧整流部2は、トランジスタQ1がオン状態のとき、入力される交流電源電圧のm倍の直流電源電圧を生成して出力する。比較部3は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧を第1閾値電圧と比較する。切換部4は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧が第1閾値電圧以上になったときに、トランジスタQ1をオン状態からオフ状態に切換える。従って、入力される交流電源電圧が大きくなり、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧の振幅値が大きくなった場合には、出力される直流電源電圧の変動成分の振幅値も大きくなると考えられるので、倍電圧整流をm倍からn倍に低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倍電圧整流回路に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ装置等の電子機器に使用される電源回路において、入力される交流電源電圧をトランスで変圧した後、整流回路で整流し、直流電源電圧が生成され、出力される。倍電圧整流回路を使用することで、通常の整流回路と比較して、数倍の直流電源電圧を得ることができるが、入力される交流電源電圧の変動成分(例えばAC90V〜110V)も倍電圧整流回路によって数倍に増加してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−266970号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、交流電源電圧の変動成分によって出力される直流電源電圧の変動が増加することを防止できる倍電圧整流回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態による倍電圧整流回路は、入力される交流電源電圧を倍電圧整流して直流電源電圧を出力する倍電圧整流回路であって、トランジスタがオン状態のとき、入力される交流電源電圧のm倍(mは3以上の整数)の直流電源電圧を生成して出力し、かつ、前記トランジスタがオフ状態のとき、入力される交流電源電圧のn倍(nは2以上であり、かつ、m未満の整数)の直流電源電圧を生成して出力する倍電圧整流部と、前記トランジスタがオン状態のとき、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧を第1閾値電圧と比較し、前記トランジスタがオフ状態のとき、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧を前記第1閾値電圧よりも小さい第2閾値電圧と比較する比較部と、前記トランジスタを含み、前記比較部による比較の結果、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧が前記第1閾値電圧以上になったときに、前記トランジスタをオン状態からオフ状態に切換え、かつ、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧が前記第2閾値電圧以下になったときに、前記トランジスタをオフ状態からオン状態に切換える切換部とを備える。
【0006】
倍電圧整流部は、トランジスタがオン状態のとき、入力される交流電源電圧のm倍の直流電源電圧を生成して出力する。比較部は、倍電圧整流部から出力される直流電源電圧を第1閾値電圧と比較する。切換部は、倍電圧整流部から出力される直流電源電圧が第1閾値電圧以上になったときに、トランジスタをオン状態からオフ状態に切換える。従って、入力される交流電源電圧が大きくなり、倍電圧整流部から出力される直流電源電圧の振幅値が大きくなった場合には、出力される直流電源電圧の変動成分の振幅値も大きくなると考えられるので、倍電圧整流をm倍からn倍に低下させる。これにより、出力される直流電源電圧の変動成分が大きくなることを防止することができる。
【0007】
一方、倍電圧整流部は、トランジスタがオフ状態のとき、入力される交流電源電圧のn倍の直流電源電圧を生成して出力する。比較部は、倍電圧整流部から出力される直流電源電圧を第2閾値電圧と比較する。切換部は、倍電圧整流部から出力される直流電源電圧が第2閾値電圧以下になったときに、トランジスタをオフ状態からオン状態に切換える。従って、入力される交流電源電圧の振幅値が小さくなり、倍電圧整流部から出力される直流電源電圧の振幅値が小さくなった場合には、出力される直流電源電圧の変動成分の振幅値も小さくなると考えられるので、倍電圧整流をn倍からm倍に増加させる。これにより、大きな直流電源電圧を生成して出力することができる。
【発明の効果】
【0008】
交流電源電圧の変動成分によって出力される直流電源電圧の変動が増加することを防止できる倍電圧整流回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の好ましい実施形態による倍電圧整流回路1を示す回路図である。
【図2】交流電源電圧と、倍電圧整流部2からの直流電源電圧とを示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態による倍電圧整流回路1を示す回路図である。倍電圧整流回路1は、入力される交流電源電圧をm倍またはn倍に倍電圧整流して直流電源電圧を生成して出力する回路である。倍電圧整流回路1は、倍電圧整流部2と、比較部3と、切換部4とを概略備える。なお、本発明にとって必須構成ではないが、倍電圧整流回路1は、その他にも、整流部5と、電圧安定化部6とを備える。
【0011】
倍電圧整流部2は、トランジスタQ1がオン状態とされたときに、入力される交流電源電圧のm倍(mは3以上の整数)の直流電源電圧を生成して出力し、かつ、トランジスタQ1がオフ状態とされたときに、入力される交流電源電圧のn倍(nは2以上であり、かつ、m未満の整数)の直流電源電圧を生成して出力する回路である。本実施形態においては、m=5、n=4である(つまり、5倍整流と4倍整流とを切換え可能である)が、これに限定されず、例えば、m=4、n=3であってもよく、m=4、n=2であってもよい。
【0012】
倍電圧整流部2は、ダイオードD1〜D6と、コンデンサC1〜C5とを有する。以下、接続構成について説明する。
ダイオードD1は、アノードが図示しないトランスの二次巻線の他端(負側)に接続され、トランスの二次巻線から交流電源電圧が入力され、カソードがダイオードD2のアノードと、コンデンサC1とC3との接続点に接続されている。
コンデンサC1は、一端が図示しないトランスの二次巻線の一端(正側)に接続され、トランスの二次巻線から交流電源電圧が入力され、他端がコンデンサC3の一端と、ダイオードD1とD2との接続点に接続されている。
ダイオードD2のカソードは、ダイオードD3のアノードと、コンデンサC2とコンデンサC4との接続点とに接続されている。
コンデンサC2は、一端がダイオードD1のアノードと、図示しないトランスの他端とに接続され、トランスの二次巻線から交流電源電圧が入力され、他端がコンデンサC4の一端と、ダイオードD2とD3との接続点とに接続されている。
ダイオードD3のカソードは、ダイオードD4のアノードと、コンデンサC3とダイオードD5との接続点とに接続されている。
コンデンサC3は、一端がコンデンサC1の他端と、ダイオードD1とD2との接続点とに接続され、他端がダイオードD5のアノードと、ダイオードD3とD4との接続点に接続されている。
ダイオードD4のカソードは、トランジスタQ1のエミッタと、抵抗R10の一端とに接続されている。
コンデンサC4は、一端がコンデンサC2の他端と、ダイオードD2とD3との接続点に接続され、他端がダイオードD4とトランジスタQ1との接続点に接続されている。
ダイオードD5のカソードは、ダイオードD6のカソードとコンデンサC5の一端とに接続されている。カソード電圧(コンデンサC5の電圧)VOUT2が、n倍整流の場合の倍電圧整流部2の出力電圧になっている。
ダイオードD6は、アノードがトランジスタQ1のコレクタに接続され、カソードがコンデンサ5の一端に接続され、カソード電圧(コンデンサC5の電圧)VOUT2が、m倍整流の場合の倍電圧整流部2の出力電圧になっている。
コンデンサC5の他端は接地電位に接続されており、直流電源電圧VOUT2が充電されて、出力される。
【0013】
トランジスタQ1がオン状態になると、倍電圧整流部2は、コンデンサC1、C2、C3、C4、C5、ダイオードD1、D2、D3、D4、D6によって構成される5倍の倍電圧整流回路として動作する。一方、トランジスタQ1がオフ状態になると、倍電圧整流部2は、コンデンサC1、C2、C3、C5、ダイオードD1、D2、D3、D5によって構成される4倍の倍電圧整流回路として動作する。
【0014】
比較部3は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧を閾値電圧と比較し、比較した結果を切換部4に供給する。つまり、比較部3は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧が閾値電圧以上になったときに、直流電源電圧が閾値電圧以上になったことを示す信号(例えばローレベルの信号)を切換部4に出力する。一方、比較部3は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧が閾値電圧未満になったときに、直流電源電圧が閾値電圧未満になったことを示す信号(例えばハイレベルの信号)を切換部4に出力する。
【0015】
好ましくは、比較部3の閾値電圧にはヒステリシスが設けられる。すなわち、閾値電圧は、第1閾値電圧と、第1閾値電圧よりも小さい第2閾値電圧とを含む。つまり、比較部3は、トランジスタQ1がオン状態(つまりm倍の倍電圧整流)のときに、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧と第1閾値電圧とを比較し、直流電源電圧が第1閾値電圧以上になったときに、直流電源電圧が第1閾値電圧以上になったことを示す信号(例えばローレベルの信号)を切換部4に出力する。これにより、トランジスタQ1をオフ状態にさせ、n倍の倍電圧整流に切換えさせる。一方、比較部3は、トランジスタQ1がオフ状態(つまりn倍の倍電圧整流)のときに、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧と第2閾値電圧とを比較し、直流電源電圧が第2閾値電圧以下になったときに、直流電源電圧が第2閾値電圧以下であることを示す信号(例えばハイレベルの信号)を切換部4に出力する。これにより、トランジスタQ1をオン状態にさせ、m倍の倍電圧整流に切換えさせる。以下の例では、閾値電圧にヒステリシスが設けられる場合を説明する。
【0016】
比較部3は、コンパレータQ2と、抵抗R1〜R8とを有する。以下、接続構成について説明する。
抵抗R1は一端が倍電圧整流部2の出力端(コンデンサC5の一端)に接続され、他端が抵抗R2の一端とコンパレータQ2の負側入力端子とに接続されている。抵抗R2の他端は接地電位に接続されている。抵抗R1およびR2によって、倍電圧整流部2からの直流電源電圧は分圧されて、コンパレータQ1の負側入力端子に入力される。
【0017】
抵抗R3は一端が電源電圧VDDと抵抗R5の一端とに接続され、他端が抵抗R4の一端とコンパレータQ1の正側入力端子と抵抗R6の一端とに接続されている。抵抗R4の他端は接地電位に接続されている。抵抗R5の他端は、抵抗R6の他端とコンパレータQ2の出力端子と抵抗R7の一端とに接続されている。電源電圧VDDと、抵抗R3、R4、R5、R6とによって第1閾値電圧および第2閾値電圧が決定され、第1閾値電圧および第2閾値電圧はコンパレータQ2の正側入力端子に入力される。
【0018】
抵抗R7の他端は、抵抗R8の一端とトランジスタQ3のベースとに接続されている。抵抗R8の他端は、接地電位に接続されている。
【0019】
切換部4は、比較部3による比較の結果、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧が第1閾値電圧以上になったときに、トランジスタQ1をオフ状態とし、m倍の倍電圧整流からn倍の倍電圧整流に切換えさせる。一方、切換部4は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧が第2閾値電圧以下になったときに、トランジスタQ1をオン状態とし、n倍の倍電圧整流からm倍の倍電圧整流に切換えさせる。このように、切換部4は、比較部3の比較結果に応じて、倍電圧整流部2をm倍の倍電圧整流とn倍の倍電圧整流とに切り換える。
【0020】
切換部4は、トランジスタQ1、Q3、抵抗R9、R10を有する。トランジスタQ1は、pnp型トランジスタであり、エミッタが、ダイオードD4のカソードと抵抗R10の一端とに接続され、コレクタがダイオードD6のアノードに接続され、ベースが抵抗R9の一端と抵抗R10の他端とに接続されている。トランジスタQ3は、コレクタが抵抗R9の他端に接続され、エミッタが接地電位に接続され、ベースが抵抗R7とR8とに接続されている。
【0021】
切換部4は、比較部3から供給される信号がローレベルの信号である場合、トランジスタQ3がオフ状態になり、トランジスタQ1がオフ状態になるので、倍電圧整流部2を4倍の倍電圧整流に切換える。一方、切換部4は、比較部3から供給される信号がハイレベルの信号である場合、トランジスタQ3がオン状態になり、トランジスタQ1がオン状態になるので、倍電圧整流部2を5倍の倍電圧整流に切換える。
【0022】
整流部5は、倍電圧整流部2と並列に接続された通常の整流回路である。整流部5は、入力される交流電源電圧を整流し、直流電源電圧VOUT1を出力する。
【0023】
電圧安定化部6は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧VOUT2が供給され、定電圧を生成して、出力する回路である。電圧安定化部6は、トランジスタQ4と、抵抗R11と、ツェナーダイオードD7と、コンデンサC6、C7とを有する。電圧安定化部6の構成および動作は周知であるので説明を割愛する。
【0024】
以上の構成を有する倍電圧整流回路1についてその動作を説明する。図2は、入力される交流電源電圧(実効値)(1)と、それに対する倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧(2)を概念的に示すタイミングチャートである。交流電源電圧は倍電圧整流部2に入力されて、m倍又はn倍に倍電圧整流され、直流電源電圧VOUT2として出力される。
【0025】
[時刻T1まで]
コンパレータQ2からの信号はローレベルになっており、トランジスタQ3およびQ1はオフ状態になっており、倍電圧整流部2は、4倍の倍電圧整流になっている。図2に示すように、入力される交流電源電圧は時刻T1に向けて低下するので、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧も低下する。倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧VOUT2は、抵抗R1を介してコンパレータQ2の負側入力端子に入力される。コンパレータQ2の出力端子がローレベルになることによって、コンパレータQ2の正側入力端子には、第2閾値電圧が入力された状態になっている。コンパレータQ2は、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2と第2閾値電圧とを比較する。時刻T1までは、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2は第2閾値電圧よりも大であるので、コンパレータQ2はローレベルの信号を出力し続ける。
【0026】
[時刻T1]
時刻T1において、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2は第2閾値電圧以下になる。従ってコンパレータQ2は出力信号をローレベルからハイレベルに反転させる。その結果、トランジスタQ3はオン状態になり、トランジスタQ1はオン状態になるので、倍電圧整流部2は、5倍の倍電圧整流に切換えられる。従って、時刻T1において、倍電圧整流部2からの直流電源電圧が瞬間的に増加する。このとき、コンパレータQ2がハイレベルの信号を出力することにより、コンパレータQ2の正側入力端子には、第1閾値電圧が入力されることになる。従って、これ以降、コンパレータQ2は、直流電源電圧と第1閾値電圧とを比較する。
【0027】
[時刻T1〜T2]
入力される交流電源電圧は引き続き低下するので、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2も低下する。従って、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2は第1閾値電圧未満であるので、コンパレータQ2は引き続きハイレベルの信号を出力する。
【0028】
[時刻T2〜T3]
入力される交流電源電圧は増加するので、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2も増加する。しかし、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2は第1閾値電圧未満であるので、コンパレータQ2は引き続きハイレベルの信号を出力する。
【0029】
[時刻T3]
時刻T3において、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2は第1閾値電圧以上になる。従ってコンパレータQ2は出力信号をハイレベルからローレベルに反転させる。トランジスタQ3はオフ状態になり、トランジスタQ1はオフ状態になるので、倍電圧整流部2は、4倍の倍電圧整流に切換えられる。時刻T3において、直流電源電圧が瞬間的に低下する。このとき、コンパレータQ2がローレベルの信号を出力することにより、コンパレータQ2の正側入力端子には、第2閾値電圧が入力されることになる。従って、これ以降、コンパレータQ2は、直流電源電圧と第2閾値電圧とを比較する。
【0030】
[時刻T3以降]
入力される交流電圧は増加するので、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2も増加する。従って、倍電圧整流部2からの直流電源電圧VOUT2は第2閾値電圧よりも大であるので、コンパレータQ2は引き続きローレベルの信号を出力する。
【0031】
以上のように、本実施形態によると、倍電圧整流部2は、トランジスタQ1がオン状態のとき、入力される交流電源電圧のm倍の直流電源電圧を生成して出力する。比較部3は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧を第1閾値電圧と比較する。切換部4は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧が第1閾値電圧以上になったときに、トランジスタQ1をオン状態からオフ状態に切換える。従って、入力される交流電源電圧が大きくなり、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧の振幅値が大きくなった場合には、出力される変動成分の振幅値も大きくなると考えられるので、倍電圧整流をm倍からn倍に低下させる。これにより、出力される変動成分が大きくなることを防止することができる。
【0032】
一方、倍電圧整流部2は、トランジスタQ1がオフ状態のとき、入力される交流電源電圧のn倍の直流電源電圧を生成して出力する。比較部3は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧を第2閾値電圧と比較する。切換部4は、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧が第2閾値電圧以下になったときに、トランジスタQ1をオフ状態からオン状態に切換える。従って、入力される交流電源電圧の振幅値が小さくなり、倍電圧整流部2から出力される直流電源電圧の振幅値が小さくなった場合には、出力される変動成分の振幅値も小さくなると考えられるので、倍電圧整流をn倍からm倍に増加させる。これにより、大きな直流電源電圧を生成して出力することができる。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、例えばオーディオ機器の電源回路における整流回路として好適に使用される。
【符号の説明】
【0035】
1 倍電圧整流回路
2 倍電圧整流部
3 比較部
4 切換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される交流電源電圧を倍電圧整流して直流電源電圧を出力する倍電圧整流回路であって、
トランジスタがオン状態のとき、入力される交流電源電圧のm倍(mは3以上の整数)の直流電源電圧を生成して出力し、かつ、前記トランジスタがオフ状態のとき、入力される交流電源電圧のn倍(nは2以上であり、かつ、m未満の整数)の直流電源電圧を生成して出力する倍電圧整流部と、
前記トランジスタがオン状態のとき、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧を第1閾値電圧と比較し、前記トランジスタがオフ状態のとき、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧を前記第1閾値電圧よりも小さい第2閾値電圧と比較する比較部と、
前記トランジスタを含み、前記比較部による比較の結果、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧が前記第1閾値電圧以上になったときに、前記トランジスタをオン状態からオフ状態に切換え、かつ、前記倍電圧整流部から出力される直流電源電圧が前記第2閾値電圧以下になったときに、前記トランジスタをオフ状態からオン状態に切換える切換部とを備える、倍電圧整流回路。

【図1】
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【図2】
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