説明

偏波スクランブラの監視装置及び方法並びに光伝送装置

【課題】偏波スクランブラの動作状態を簡易に検出(監視)できるようにする。
【解決手段】偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を通過する偏波通過デバイス14と、偏波通過デバイス14を通過した光の受光強度に応じた電気信号を生成する光電変換器15と、電気信号から、偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する検出部16と、をそなえ、検出部16は、電気信号に含まれる周波数成分のうち、所定帯域の成分の信号を通過する波長フィルタ161と、信号から、偏波制御部が偏波スクランブラに与えている変調周波数信号と同じ周波数成分の信号を検出することにより、波長フィルタからの出力から変調成分を検出する増幅回路163と、をそなえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、偏波スクランブラの監視装置及び方法並びに光伝送装置に関する。本件は、偏波スクランブラを備えた光伝送装置に用いられる場合がある。
【背景技術】
【0002】
近年、通信量の増大に対応すべく伝送量を増設する手段として、既存の海底ケーブルシステム等の光伝送システムの波長増設(アップグレード)を行なう場合がある。例えば、1波長の光伝送システム、あるいは、帯域の狭いwavelength division multiplexing(WDM、波長分割多重)システムにおいて、波長数を増やす場合、所定の信号帯域における波長間隔(グリッド)を狭く設定して波長を高密度で多重することがある。また、より特性の良いエラー訂正方式や符号化方式が要求されることもある。
【0003】
光伝送路を信号光がoptical signal to noise ratio(OSNR)の悪い状態で伝送さ
れると、信号光の偏波による影響が大きく、信号光の偏波が変化すると光アンプの利得の偏波依存性、伝送ロスの偏波依存性、偏波ホールバーニング等に起因して、信号光レベルの変動、特性劣化が生じる場合がある。このような偏波依存性による信号品質劣化等の影響を低減するために、信号光の偏波状態をランダム化する偏波スクランブラが用いられることがある。
【特許文献1】特開2003−60576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件の目的の一つは、偏波スクランブラの動作状態を簡易に検出(監視)できるようにすることにある。
【0005】
なお、前記目的に限らず、後述する実施形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的の一つとして位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、以下の手段を用いる。
(1)入力光の偏波状態を偏波制御部から与えられる偏波制御信号に従ってスクランブルする偏波スクランブラの監視装置であって、前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を通過する偏波通過デバイスと、前記偏波通過デバイスを通過した光の受光強度に応じた電気信号を生成する光電変換器と、前記電気信号から、前記偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する検出部と、をそなえ、前記検出部は、前記電気信号に含まれる周波数成分のうち、所定帯域の成分の信号を通過する波長フィルタと、前記信号から、前記偏波制御信号の変調周波数信号と同じ周波数成分の信号を検出することにより、前記波長フィルタからの出力から前記変調成分を検出する増幅回路と、をそなえたことを特徴とする、偏波スクランブラの監視装置を用いることができる。
【0007】
(2)入力光の偏波状態をスクランブルする偏波スクランブラと、前記偏波スクランブラに偏波制御信号を与えて前記スクランブルを制御する偏波制御部と、前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を通過する偏波通過デバイスと、前記偏波通過デバイスを通過した光の受光強度に応じた電気信号を生成する光電変換器と、前記電気信号から、前記偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する検出部と、をそなえ、前記検出部は、前記電気信号に含まれる周波数成分のうち、所定帯域の成分の信号を通過する波長フィルタと、前記信号から、前記偏波制御信号の変調周波数信号と同じ周波数成分の信号を検出することにより、前記波長フィルタからの出力から前記変調成分を検出する増幅回路と、をそなえたことを特徴とする、光伝送装置を用いることができる。
【0008】
(3)入力光の偏波状態を偏波制御部から与えられる偏波制御信号に従ってスクランブルする偏波スクランブラの監視方法であって、前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を偏波通過デバイスにより通過させ、前記偏波通過デバイスを通過した光の受光強度に応じた電気信号を生成し、前記電気信号に含まれる周波数成分のうち、所定帯域の成分の信号を波長フィルタにより通過させ、前記信号から、前記偏波制御信号の変調周波数信号と同じ周波数成分の信号を検出することにより、前記波長フィルタからの出力から前記変調成分を検出する、ことを特徴とする、偏波スクランブラの監視方法を用いることができる。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、偏波スクランブラの動作状態を簡易に検出(監視)することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本実施形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。
【0011】
〔1〕第1実施形態
WDM光伝送装置において、送信信号光の偏波をスクランブルする場合、例えば、図1に示すように、波長多重部40にて波長多重される前の波長毎に偏波スクランブラ11によって偏波スクランブルを施す方法や、図2に示すように、波長多重部40にて波長多重された後のWDM信号について共通の偏波スクランブラ11で偏波スクランブルを一括して施す方法がある。なお、図1及び図2において、50はWDM信号を一括増幅するEDFA等の光アンプを示す。
【0012】
図1に示すWDM光伝送装置において、1波長分の偏波スクランブラ11の監視を行なう構成例を図3に示す。この図3に示すWDM光伝送装置は、例示的に、偏波スクランブラ11と、制御回路(偏波コントローラ)12と、光カプラ(分岐カプラ)13と、偏光子14と、受光器の一例としてのフォトダイオード(PD)15と、変調成分検出部16と、アラーム処理部(判定部)29と、をそなえる。光カプラ13、偏光子14、PD15、変調成分検出部16及びアラーム処理部29が、偏波スクランブラ11の監視装置の一例として用いられる。
【0013】
偏波スクランブラ(偏波変調部)11は、入力光の偏波(偏光)をスクランブル(変調あるいはランダム化)する。偏波スクランブラ11には、例示的に、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶等の電気光学効果を利用するものや、ロスが発生しないレベルで光ファイバに圧力,振動,温度,磁界などの外力を加えることで生じる複屈折率変化を利用するもの等を適用することができる。
【0014】
ここで、光の偏光状態は、ストークスパラメータS0(偏光強度),S1(水平直線偏光成分の強度),S2(45度直線偏光成分の強度),S3(右回り円偏光成分の強度)により表すことができる。例えば、degree of polarization(DOP)は、前記ストークスパラメータS0,S1,S2,S3を用いて、下記式(1)で定義することができる。
【数1】

完全偏光、即ち、degree of polarization(DOP、偏光度)=1では、(S0)1/2=(S1)1/2+(S2)1/2+(S3)1/2が成立する。
【0015】
したがって、偏光状態を表すストークスパラメータS1,S2,S3は、強度S0を半径とする球面上の一点に位置することになる。偏光状態に着目する場合には、単位強度(S0=1)の光について考えれば、S1,S2,S3をそれぞれ直交座標系の3軸とする単位球面上の位置によって偏光状態を表すことができる。このような球を「ポアンカレ球」と呼ぶ。
【0016】
制御回路12は、例えば、このポアンカレ球上に表される偏光状態が偏らない状態となるようにポアンカレ球を一定周期で1回転させることに相当する制御(偏波制御信号)を、偏波スクランブラ11に与えることで、DOPを0%(無偏光状態)に近づけることができる。
【0017】
例えば、光信号の偏波状態が光アンプ50の動作速度(応答周波数)よりも十分に速い速度(周波数)で変化するように前記制御を行なうことで、DOPを0%(無偏光状態)に近づけることができる。したがって、光アンプ50の利得の偏波依存性、光伝送路における伝送ロスの偏波依存性、偏波ホールバーニング等による信号品質劣化を低減することが可能となる。なお、本例において、制御回路12の前記偏波制御信号の周波数(変調周波数)は、数百kHz、例えば、100kHzと仮定する。
【0018】
分岐カプラ13は、偏波スクランブラ11によって偏波スクランブルされた光の一部を分岐して偏光子14に入力する。残りの光は、光伝送路へ送信される。
【0019】
偏光子(偏波通過デバイス)14は、分岐カプラ13から入力された光のうち、特定の方向の偏波の光を通過する。したがって、入力光の偏波が適切にスクランブルされていない場合は、偏波が偏光子の偏波面と一致する光が直流(DC)的に偏光子14を通過し、それ以外の偏波の光は偏光子14を通過しないことになる。なお、偏光子14は、特定の方向の偏波の光を通過する偏波通過デバイスの一例であり、これに限定されない(以下、同様)。
【0020】
一方、入力光の偏波が適切にスクランブルされている場合には、前記入力光には任意の偏光状態の光が平均的に含まれるから、偏波スクランブラ11による偏波の変化に応じて特定の偏波状態にある光が偏光子14を周期的に通過する。つまり、偏波スクランブラ11が適切に動作している場合、偏光子14からは、制御回路12が偏波スクランブラ11に与えている偏波制御信号(変調周波数:例えば、600kHz)に応じた周波数成分(変調成分)をもつ光、換言すれば、変調のかかった光が出力されることになる。
【0021】
したがって、偏光子14の出力光を監視することで、偏波スクランブラ11が適切に動作しているか否かを判断することができる。例えば、偏波スクランブラ11が適切に動作している場合に観測(検出)される変調成分を基準として、その基準に対して所定の許容範囲内にある変調成分が検出されれば、偏波スクランブラ11が適切に動作していると判断することができる。
【0022】
一方、前記許容範囲外の変調成分が検出されるか、変調成分自体が検出されなければ、偏波スクランブラ11が適切に動作していない(異常発生や性能劣化)と判断することができる。偏波スクランブラ11が適切に動作していないと判断した場合には、アラーム処理部29において、アラームを発生したり、ログの記録を行なったりすることができる。
【0023】
そこで、本例においては、偏光子14の出力光の監視をPD15及び変調成分検出部16を用いて行なう。すなわち、PD15は、偏光子14を通過した光の受光強度に応じた電気信号を偏波スクランブラ11の出力光のモニタ値として生成し、変調成分検出部16は、このPD15で得られたモニタ値から前記変調成分を検出する。
【0024】
変調成分検出部16の構成例を図4に示す。この図4に示す変調成分検出部16は、例示的に、バンドパスフィルタ(BPF)161と、積分回路162と、をそなえる。
【0025】
BPF161は、PD15にて偏光子14の出力光パワーに応じて得られた電気信号に含まれる周波数成分のうち、前記変調周波数を中心とする所定帯域の信号成分を通過する。
【0026】
積分回路162は、BPF161を通過した信号を積分(平均化)する。これにより、一定の直流(DC)電圧が前記変調成分の検出電圧(平均値)として得られる。
【0027】
なお、前記変調成分の検出精度を高めるために、変調成分検出部16は、図5に例示する構成としてもよい。この図5に示す変調成分検出部16は、例示的に、BPF161と、掛算器164及びローパスフィルタ(LPF)165を有するロックインアンプ163と、をそなえる。
【0028】
BPF161は、図4に示したものと同様に、PD15にて偏光子14の出力光パワーに応じて得られた電気信号に含まれるに含まれる周波数成分のうち、前記変調周波数を中心とする所定帯域の信号成分を通過する。
【0029】
ロックインアンプ163は、測定対象の入力信号から、参照信号と同じ周波数成分の信号を検出する。そこで、前記入力信号をBPF161の通過信号とし、かつ、前記参照信号を制御回路12が偏波スクランブラ11に与えている前記変調周波数(例えば図示を省略したローカル発振器の発振周波数)の信号とする(例えば図3中の点線矢印参照)。これにより、BPF161の出力から前記変調成分を検出することができる。
【0030】
より詳細には、乗算器164は、BPF161の出力信号と前記変調周波数の信号とを掛け算することにより、BPF161の出力信号のうち、参照信号である前記変調周波数と等しい成分を直流信号に変換する。このとき、他の周波数成分は交流信号に変換される。
【0031】
LPF165は、掛算器164の出力信号のうち、前記変調周波数を含む低周波信号(直流信号)を通過する。したがって、前記掛算器164で直流信号に変換された前記変調成分のみがLPF165を通過でき、交流信号に変換された他の周波数成分はLPF165にて除去される。結果として、LPF165の出力には、一定の直流(DC)電圧が前記変調成分の検出電圧(平均値)として得られる。
【0032】
ロックインアンプ163は、LPF165のカットオフ周波数が多少ずれたとしても、直流信号さえ通過できれば測定結果に大きな影響を与えない。また、BPFと比べて狭帯域LPFは実現が容易である。したがって、本例のようにロックインアンプ163を用いることで、前記変調成分の検出精度を容易に高めることが可能となる。
【0033】
なお、ロックインアンプ163には、掛算器164に代えて、スイッチ素子による同期検波回路(phase sensitive detector:PSD)を用いることもできる。
【0034】
アラーム処理部29は、例えば図6に示すように、比較器(コンパレータ)291をそなえる。このコンパレータ291は、変調成分検出部16による検出結果(一定のDC電圧)と、所定のアラーム閾値電圧とを比較する。その比較の結果、前記検出結果が前記アラーム閾値電圧以下となった場合、偏波スクランブラ11が適切に動作していないと判断し、コンパレータ291は、例えば、アラーム信号を出力する。このアラーム信号は、例えば、光伝送装置のオペレータに通知することができる。また、アラーム発生のログを記録しておくこともできる。
【0035】
偏波スクランブラ11の性能が劣化して偏波を十分に変化(スクランブル)させることができなくなった場合、偏波状態によっては信号品質の劣化が急激に起こってしまう場合もあれば、すぐには信号品質の劣化につながらない場合もある。そのため、光信号のエラーの状況等から偏波スクランブラ11の性能劣化を検出することは容易ではない。したがって、信号品質の劣化の原因が偏波スクランブラ11にあるのか、他の機器の異常にあるのかを切り分けることが難しい。
【0036】
しかし、本例によれば、簡易な構成で、偏波スクランブラ11が適切に動作しているか否かを検出することが可能であるから、偏波スクランブラ11の特性(性能劣化等)を容易に監視することが可能であり、信号品質劣化の原因の切り分けも容易に可能となる。また、偏波状態をモニタするための高額な測定装置も不要である。
【0037】
〔2〕第2実施形態
図7は、第2実施形態に係るWDM光伝送装置の一例を示すブロック図である。この図7は、図2に例示したWDM光を一括して偏波スクランブルする偏波スクランブラ11の監視を行なう構成を例示している。
【0038】
この図7に示すWDM光伝送装置は、例示的に、図3〜図6に示した構成に比して、偏波スクランブラ11への入力光がWDM光である点と、分岐カプラ13と偏光子14との間に光バンドパスフィルタ(BPF)17が設けられている点とが異なる。なお、図7において、既述の符号と同一符号を付して示す要素は、特に断らない限り、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。本例において、光カプラ13、BPF17、偏光子14、PD15、変調成分検出部16及びアラーム処理部29が、偏波スクランブラ11の監視装置の一例として用いられる。
【0039】
偏波スクランブラ11は、図2に示した波長多重部40からのWDM信号を入力として受け、制御回路12からの制御の下、当該WDM信号に対して一括して偏波スクランブルをかける。
【0040】
BPF17は、分岐カプラ13で分岐された、偏波スクランブラ11の出力(WDM信号)のうち、いずれかの波長(チャンネル)の光信号を通過させる。このBPF17の通過波長は、固定でもよいし可変でもよい。
【0041】
これにより、偏波スクランブラ11から出力されるWDM信号に含まれる波長のいずれかについて、第1実施形態と同様にして、制御回路12が偏波スクランブラ11に与えている変調周波数に応じた変調成分の有無を偏光子14、PD15及び変調成分検出部16により検出することが可能となる。
【0042】
したがって、偏波状態をモニタする高額な測定装置でも監視が困難なWDM光についての偏波スクランブルの状態を、本例によれば、容易に監視することが可能となる。
【0043】
〔3〕第3実施形態
図8は、第3実施形態に係るWDM光伝送装置の一例を示すブロック図である。この図8も、図2に例示したWDM光を一括して偏波スクランブルする偏波スクランブラ11の監視を行なう構成を例示している。
【0044】
この図8に示すWDM光伝送装置は、例示的に、図3〜図6に示した構成に比して、偏波スクランブラ11への入力光がWDM信号であり、かつ、分岐カプラ13と偏光子14との間にトラッキングフィルタ18及び光カプラ(分岐カプラ)19が設けられるとともに、受光器(PD)20及びトラッキングフィルタ制御部21が設けられている点が異なる。
【0045】
なお、図8において、既述の符号と同一符号を付して示す要素は、特に断らない限り、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。本例において、光カプラ13、トラッキングフィルタ18、光カプラ19、PD20、トラッキングフィルタ制御部21、偏光子14、PD15、変調成分検出部16及びアラーム処理部29が、偏波スクランブラ11の監視装置の一例として用いられる。
【0046】
偏波スクランブラ11は、図2に示した波長多重部40からのWDM信号を入力として受け、制御回路12からの制御の下、当該WDM信号に対して一括して偏波スクランブルをかける。
【0047】
また、トラッキングフィルタ18は、波長可変フィルタであり、トラッキングフィルタ制御部21からの設定(制御)によって、通過波長(監視波長)を前記WDM信号に含まれる波長(チャンネル)のいずれかに設定することができる。
【0048】
分岐カプラ19は、トラッキングフィルタ18を通過した光信号を2分岐して、一方をPD20へ、他方を偏光子14へ出力する。
【0049】
PD20は、分岐カプラ19から入力された光信号の受光強度に応じた電気信号を生成して、トラッキングフィルタ制御部21へ出力する。
【0050】
トラッキングフィルタ制御部(波長フィルタ制御部)21は、トラッキングフィルタ18の通過波長(監視波長)を制御する。例えば、PD20で生成された電気信号レベルが例えば所定の閾値未満である場合、トラッキングフィルタ制御部21は、トラッキングフィルタ18を通過する波長の光が変調成分検出部16にて既述の変調成分を検出するのに十分な光強度をもたないと判断して、トラッキングフィルタ18の通過波長を他の波長に設定する。
【0051】
これにより、本例のWDM光伝送装置においては、WDM信号に含まれる一部の波長の光信号に障害が発生するなどして、前記変調成分の検出に十分な受光強度が得られない場合には、検出(監視)対象のチャンネル(監視チャンネル)を適応的に他のチャンネルに切り替えることができる。
【0052】
したがって、WDM信号の一部のチャンネルの光が欠落した状態や十分な光強度をもたない状態でも、確実に、偏波スクランブラ11の特性を監視することができる。
【0053】
なお、トラッキングフィルタ制御部21は、トラッキングフィルタ18の通過波長、つまり監視チャンネルを任意のタイミングで変更することも可能である。例えば、ポーリング等の所定のルールに従って周期的にトラッキングフィルタ18の通過波長(監視チャンネル)を変更することも可能である。
【0054】
〔4〕第4実施形態
図9は、第4実施形態に係るWDM光伝送装置の一例を示すブロック図である。この図9も、図2に例示したWDM光を一括して偏波スクランブルする偏波スクランブラ11の監視を行なう構成を例示している。
【0055】
この図9に示すWDM光伝送装置は、例示的に、図3〜図6に示した構成に比して、偏波スクランブラ11の入力側に、波長λsの光を出力する光源22と光カプラ(合波カプラ)23とが設けられるとともに、分岐カプラ13と偏光子14との間にバンドパスフィルタ(BPF)17が設けられている点が異なる。
【0056】
なお、図9において、既述の符号と同一符号を付して示す要素は、特に断らない限り、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。本例において、光源22、光カプラ23、光カプラ13、BPF17、偏光子14、PD15、変調成分検出部16及びアラーム処理部29が、偏波スクランブラ11の監視装置の一例として用いられる。
【0057】
光源22は、例えば、偏波スクランブラ11に入力されるWDM信号に含まれる波長(チャンネル)以外の波長(λs)の光を発生する。光源22には、レーザダイオード等の発光素子を用いることができる。この光源22が発生する光は、信号光を生成するのに用いる光源の発光量よりも少ない発光量でよい。そのため、光源22は、信号光用の光源よりも寿命が長くできる等の信頼度を向上することができる。
【0058】
合波カプラ23は、送信信号光であるWDM信号と光源22からの直流光とを合波して偏波スクランブラ11に入力する。
【0059】
偏波スクランブラ11は、制御回路12からの制御の下、合波カプラ23から入力されたWDM光に対して一括して偏波スクランブルをかける。
【0060】
偏波スクランブルされたWDM光は、分岐カプラ13にて2分岐されて、一方はBPF17へ、他方は光伝送路へ送信される。
【0061】
BPF17は、光源22の発光波長λsの光を通過させる通過帯域特性を有し、分岐カプラ13から入力されるWDM光のうち、前記波長λsの光を監視チャンネルの光として通過させる。
【0062】
BPF17を通過した光は、偏光子14に入力される。これにより、偏光子14、PD15及び変調成分検出部16によって、監視チャンネルの波長λsの光に制御回路22による制御(変調周波数)に応じた変調成分が含まれるか否かを検出することが可能となる。
【0063】
このように、本例によれば、信頼度の高い波長(監視チャンネル)λsの光をWDM光に波長多重して偏波スクランブラ11に入力し、その出力光のうち波長λsの光が制御回路22による制御に応じて変調されているか否かを検出することで、偏波スクランブラ11の特性を監視することができる。したがって、既述の実施形態よりも、長期間安定して偏波スクランブラ11の特性監視を行なうことができる。
【0064】
また、WDM光の一部の波長(チャンネル)の信号光が欠落することがあるような場合であっても、WDM光のチャンネルとは個別の監視チャンネルを変更する必要がないので、波長増減設が行なわれる度に、監視チャンネルを設定し直すなどの面倒を回避することができる。
【0065】
〔5〕第5実施形態
図10は、第5実施形態に係るWDM光伝送装置の一例を示すブロック図である。この図10も、図2に例示したWDM光を一括して偏波スクランブルする偏波スクランブラ11の監視を行なう構成を例示している。
【0066】
この図10に示すWDM光伝送装置は、例示的に、図3〜図6に示した構成に比して、偏波スクランブラ11への入力光がWDM信号であり、かつ、分岐カプラ13と偏光子14との間にフィルタ24と光カプラ(分岐カプラ)25とが設けられるとともに、受光器(PD)26及びAC/DC比較部27が設けられている点が異なる。
【0067】
なお、図10においても、既述の符号と同一符号を付して示す要素は、特に断らない限り、既述の要素と同一若しくは同様の要素である。本例において、光カプラ13、フィルタ24、光カプラ25、PD26、偏光子14、PD15、変調成分検出部16、AC/DC比較部27及びアラーム処理部29が、偏波スクランブラ11の監視装置の一例として用いられる。
【0068】
偏波スクランブラ11は、制御回路12からの制御の下、入力されたWDM光に対して一括して偏波スクランブルをかける。
【0069】
偏波スクランブルされたWDM光は、分岐カプラ13にて2分岐されて、一方はフィルタ24へ、他方は光伝送路へ送信される。
【0070】
フィルタ24は、前記WDM光に含まれる波長のいずれかの光を通過させる通過波長特性を有し、例えば、通過波長が固定又は可変のBPFである。
【0071】
分岐カプラ25は、フィルタ24を通過した光を2分岐して、一方を偏光子14へ、他方をPD26へ出力する。
【0072】
PD26は、分岐カプラ25からの分岐光、つまり偏光子14を通過する前のフィルタ24を通過した光の強度(DC成分)に応じた電気信号をモニタ値として生成する。当該モニタ値は、AC/DC比較部27に入力される。
【0073】
一方、偏光子14、PD15及び変調成分検出部16は、フィルタ24を通過した光に関して、前記変調成分の有無を検出する。その検出結果(偏光子14を通過した後の変調成分(AC成分))は、AC/DC比較部27に入力される。
【0074】
AC/DC比較部27は、PD26からの前記DC成分と変調成分検出部16からのAC成分とを比較して偏波スクランブラ11の変調度を検出し、その検出情報を偏波スクランブラ11にフィードバックする。
【0075】
通常、偏波スクランブラ11のDOPは、LN変調器を利用するタイプのものでも、光ファイバに圧力をかけるタイプのものでも、偏波スクランブラ11に印加する電圧によって変化する。
【0076】
そこで、前記AC成分とDC成分との比率(AC/DC)が一定になるように偏波スクランブラ11の制御回路12にフィードバックをかけることで、DOPを一定にする安定した制御を実現することができる。
【0077】
つまり、本例のAC/DC比較部27は、偏波スクランブラ11の出力光の直流成分と、交流成分である前記変調成分との比率が一定となるように、制御回路12が偏波スクランブラ11に与えている制御信号を調整する調整部の一例として用いられる。
【0078】
〔6〕第6実施形態
図11は、第6実施形態に係るWDM光伝送装置の一例を示すブロック図である。この図11は、図1に例示した1波長分の偏波コントローラの監視を行なう構成を例示している。
【0079】
この図11に示すWDM光伝送装置は、例示的に、直列に接続された偏波スクランブラ11A及び11Bと、これらの偏波スクランブラ11A,11B毎の制御回路12A,12Bと、光カプラ(分岐カプラ)13と、偏光子14と、受光器(PD)15と、変調成分検出部16と、ON/OFF切替制御部28と、をそなえる。本例において、光カプラ13、偏光子14、PD15、変調成分検出部16、ON/OFF切替制御部28及びアラーム処理部29が、偏波スクランブラ11の監視装置の一例として用いられる。
【0080】
偏波スクランブラ11A,11B(以下、区別しない場合は、偏波スクランブラ11と表記する)は、それぞれ、既述の偏波スクランブラ11と同一若しくは同様のものであり、対応する制御回路12A,12Bの制御の下、入力光の偏波をスクランブルする。なお、偏波スクランブラ11A及び偏波スクランブラ11Bには、それぞれ、同じタイプ(LNタイプ又は圧力タイプ等)のものを適用してもよいし、異なるタイプのものを適用してもよい。
【0081】
制御回路(偏波コントローラ)12A,12Bは、それぞれ、既述の制御回路12と同一若しくは同様のものであり、例えば、既述のポアンカレ球上に表される偏光状態が偏らない状態となるようにポアンカレ球を一定周期で1回転させることに相当する制御を、対応する偏波スクランブラ11A,11Bにかけることで、入力光のDOPを0%(無偏光状態)に近づけることができる。
【0082】
本例においても、制御回路12A,12Bは、それぞれ、例えば、光信号の偏波状態が光アンプ50の動作速度(応答周波数)よりも十分に速い速度(周波数)で変化するように前記制御を行なうことで、DOPを0%(平均的な偏波状態)に近づけることができる。その際の前記周波数も、既述の実施形態と同様に、数百kHz、例えば、100kHzとすることができる。
【0083】
なお、制御回路12A,12Bは、各偏波スクランブラ11A,11Bに共通の制御回路としてもよい。
【0084】
ON/OFF切替制御部28は、変調成分検出部16の検出結果に基づいて、制御回路12A及び12Bのいずれか一方を動作(ON)状態とし、他方を非動作(OFF)状態とする制御を行なう。
【0085】
例えば、制御回路12AがON状態であり、かつ、制御回路12BがOFF状態であるときに、変調成分検出部16にて、適正な前記変調成分が検出されない(前記検出部による検出結果が所定の閾値以下である)とする。この場合、ON/OFF切替制御部28は、制御回路12AをOFF状態とし、かつ、制御回路12BをON状態として、動作させる偏波スクランブラを異なる偏波スクランブラ11Bに切り替える。
【0086】
なお、偏光子14、PD15及び変調成分検出部16による変調成分の検出動作は、既述の実施形態で説明した検出動作と同じである。
【0087】
一般に、偏波スクランブラ11A,11Bのスクランブル機能は、光ファイバ等のパッシブ部品を用いて実現されているため、直列に接続された偏波スクランブラ11A,11Bの一方に障害や性能劣化が生じても、信号光が断状態になることはない。
【0088】
したがって、上述のように複数の偏波スクランブラ11を直列に接続して冗長化しておき、変調成分検出部16にて適正な前記変調成分が検出されない場合に、ON状態の偏波スクランブラ11をOFF状態に制御し、かつ、それ以外のOFF状態の偏波スクランブラ11のいずれかをON状態に制御することで、WDM光伝送装置の運用を停止することなく、適切に動作する偏波スクランブラ11への切り替えを行なうことが可能となる。
【0089】
以上の項目〔1〕〜〔6〕で述べた実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0090】
〔7〕付記
(付記1)
入力光の偏波状態を偏波制御信号に従ってスクランブルする偏波スクランブラの監視装置であって、
前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を通過する偏波通過デバイスと、
前記偏波通過デバイスを通過した光から、前記偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する検出部と、
をそなえたことを特徴とする、偏波スクランブラの監視装置。
【0091】
(付記2)
前記検出部による検出結果が所定の閾値以下である場合に、前記偏波スクランブラが正常に動作していないと判断する判定部をさらにそなえた、ことを特徴とする、付記1記載の偏波スクランブラの監視装置。
【0092】
(付記3)
前記入力光は、複数波長の光が波長多重された波長多重光であり、
前記監視装置は、
前記偏波スクランブラの出力光のうち前記複数波長のいずれかの光を通過して前記偏波通過デバイスへ入力する波長フィルタをさらにそなえた、ことを特徴とする、付記1又は2に記載の偏波スクランブラの監視装置。
【0093】
(付記4)
前記波長フィルタは、通過波長が可変のフィルタであり、
前記監視装置は、
前記検出部による検出結果が所定の閾値以下である場合に、前記通過波長を変更する波長フィルタ制御部をさらにそなえた、ことを特徴とする、付記3記載の偏波スクランブラの監視装置。
【0094】
(付記5)
前記入力光の波長とは異なる監視波長の光を発生する光源と、
前記光源が発生した光を前記入力光に波長多重する波長多重部と、
前記偏波スクランブラの出力光のうち前記監視波長の光を通過して前記偏波通過デバイスへ入力する波長フィルタと、をそなえたことを特徴とする、付記1又は2に記載の偏波スクランブラの監視装置。
【0095】
(付記6)
前記偏波スクランブラの出力光の直流成分と、交流成分である前記変調成分との比率が一定となるように前記偏波制御信号を調整する調整部をさらにそなえたことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の偏波スクランブラの監視装置。
【0096】
(付記7)
複数の前記偏波スクランブラが直列に接続されるとともに、
前記監視装置は、
前記検出部による検出結果が所定の閾値以下である場合に、動作させる偏波スクランブラを異なる偏波スクランブラに切り替える切替制御部をそなえたことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の偏波スクランブラの監視装置。
【0097】
(付記8)
前記偏波通過デバイスは、偏光子である、ことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の偏波スクランブラの監視装置。
【0098】
(付記9)
入力光の偏波状態をスクランブルする偏波スクランブラと、
前記偏波スクランブラに偏波制御信号を与えて前記スクランブルを制御する偏波制御部と、
前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を通過する偏波通過デバイスと、
前記偏波通過デバイスを通過した光から、前記偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する検出部と、
をそなえたことを特徴とする、光伝送装置。
【0099】
(付記10)
入力光の偏波状態を偏波制御信号に従ってスクランブルする偏波スクランブラの監視方法であって、
前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を偏波通過デバイスにより通過させ、
前記偏波通過デバイスを通過した光から、前記偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する、
ことを特徴とする、偏波スクランブラの監視方法。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】WDM光伝送装置の送信系の構成例を示すブロック図である。
【図2】WDM光伝送装置の送信系の他の構成例を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る偏波スクランブラの監視装置の一例を示すブロック図である。
【図4】図3に例示する変調成分検出部の構成例を示すブロック図である。
【図5】図3に例示する変調成分検出部の他の構成例を示すブロック図である。
【図6】図3に例示するアラーム処理部の構成例を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る偏波スクランブラの監視装置の一例を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態に係る偏波スクランブラの監視装置の一例を示すブロック図である。
【図9】第4実施形態に係る偏波スクランブラの監視装置の一例を示すブロック図である。
【図10】第5実施形態に係る偏波スクランブラの監視装置の一例を示すブロック図である。
【図11】第6実施形態に係る偏波スクランブラの監視装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0101】
11,11A,11B 偏波スクランブラ
12,12A,12B 制御回路(偏波コントローラ)
13 光カプラ(分岐カプラ)
14 偏光子(偏波通過デバイス)
15 受光器(PD)
16 変調成分検出部
161 バンドパスフィルタ(BPF)
162 積分回路
163 ロックインアンプ
164 掛算器
165 ローパスフィルタ(LPF)
17 バンドパスフィルタ(BPF)
18 トラッキングフィルタ
19 光カプラ(分岐カプラ)
20 受光器(PD)
21 トラッキングフィルタ制御部
22 光源
23 光カプラ(合波カプラ)
24 フィルタ
25 光カプラ(分岐カプラ)
26 受光器(PD)
27 AC/DC比較部(調整部)
28 ON/OFF切替制御部
29 アラーム処理部(判定部)
291 比較器(コンパレータ)
40 波長多重部
50 光アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力光の偏波状態を偏波制御部から与えられる偏波制御信号に従ってスクランブルする偏波スクランブラの監視装置であって、
前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を通過する偏波通過デバイスと、
前記偏波通過デバイスを通過した光の受光強度に応じた電気信号を生成する光電変換器と、
前記電気信号から、前記偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する検出部と、
をそなえ、
前記検出部は、前記電気信号に含まれる周波数成分のうち、所定帯域の成分の信号を通過する波長フィルタと、前記信号から、前記偏波制御信号の変調周波数信号と同じ周波数成分の信号を検出することにより、前記波長フィルタからの出力から前記変調成分を検出する増幅回路と、
をそなえたことを特徴とする、偏波スクランブラの監視装置。
【請求項2】
前記検出部による検出結果が所定の閾値以下である場合に、前記偏波スクランブラが正常に動作していないと判断する判定部をさらにそなえた、ことを特徴とする、請求項1記載の偏波スクランブラの監視装置。
【請求項3】
前記入力光は、複数波長の光が波長多重された波長多重光であり、
前記監視装置は、
前記偏波スクランブラの出力光のうち前記複数波長のいずれかの光を通過して前記偏波通過デバイスへ入力する波長フィルタをさらにそなえた、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の偏波スクランブラの監視装置。
【請求項4】
前記波長フィルタは、通過波長が可変のフィルタであり、
前記監視装置は、
前記検出部による検出結果が所定の閾値以下である場合に、前記通過波長を変更する波長フィルタ制御部をさらにそなえた、ことを特徴とする、請求項3記載の偏波スクランブラの監視装置。
【請求項5】
前記入力光の波長とは異なる監視波長の光を発生する光源と、
前記光源が発生した光を前記入力光に波長多重する波長多重部と、
前記偏波スクランブラの出力光のうち前記監視波長の光を通過して前記偏波通過デバイスへ入力する波長フィルタと、をそなえたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の偏波スクランブラの監視装置。
【請求項6】
入力光の偏波状態をスクランブルする偏波スクランブラと、
前記偏波スクランブラに偏波制御信号を与えて前記スクランブルを制御する偏波制御部と、
前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を通過する偏波通過デバイスと、
前記偏波通過デバイスを通過した光の受光強度に応じた電気信号を生成する光電変換器と、
前記電気信号から、前記偏波制御信号の周波数に応じた変調成分を検出する検出部と、
をそなえ、
前記検出部は、前記電気信号に含まれる周波数成分のうち、所定帯域の成分の信号を通過する波長フィルタと、前記信号から、前記偏波制御信号の変調周波数信号と同じ周波数成分の信号を検出することにより、前記波長フィルタからの出力から前記変調成分を検出する増幅回路と、
をそなえたことを特徴とする、光伝送装置。
【請求項7】
入力光の偏波状態を偏波制御部から与えられる偏波制御信号に従ってスクランブルする偏波スクランブラの監視方法であって、
前記偏波スクランブラの出力光のうち特定の偏波の光を偏波通過デバイスにより通過させ、
前記偏波通過デバイスを通過した光の受光強度に応じた電気信号を生成し、
前記電気信号に含まれる周波数成分のうち、所定帯域の成分の信号を波長フィルタにより通過させ、
前記信号から、前記偏波制御信号の変調周波数信号と同じ周波数成分の信号を検出することにより、前記波長フィルタからの出力から前記変調成分を検出する、
ことを特徴とする、偏波スクランブラの監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−55679(P2013−55679A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−238078(P2012−238078)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2008−135371(P2008−135371)の分割
【原出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】