説明

偏波合成装置

【課題】平板状の複屈折結晶を用いた、小型且つPMDおよび偏波クロストークの特性が良好な偏波合成装置を提供する。
【解決手段】第1の出力導波路1081が出力端面Mに対して斜めに形成され、第2の出力導波路1091が第1の出力導波路1081と出力端面Mの双方に対して斜めに形成された光導波路素子10と、第1及び第2の出力導波路1081,1091からそれぞれ出射された光を互いに平行な光にするレンズ20と、光導波路素子10又はレンズ20からの出射光の偏波を回転させて該出射光を偏波が互いに異なる光LO,LEとする偏波回転部30と、偏波が互いに異なる光LO,LEを偏波合成する偏波合成素子40と、を備え、偏波合成素子40の光伝搬方向の厚さLは、偏波合成された光の偏波モード分散の許容最大値に対応する第1の厚さよりも小さく、偏波合成された光の偏波クロストークの許容最小値に対応する第2の厚さよりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏波合成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
偏波面が直交した2つの光を合成する偏波合成装置として、特許文献1には、プリズムを用いて2つの光の光路を互いに平行にしてからこれらの光を複屈折結晶に入射させるようにした構成が示されている。また、特許文献2には、くさび型の複屈折結晶を用いることにより、偏波分離後の2つの光を別方向に出射させるようにした構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−252420号公報
【特許文献2】特開2010−139602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成においては、光路中にプリズムを配置する必要があるため、装置を小型化するのが難しいという問題がある。また、特許文献2の構成においては、複屈折結晶自体をくさび型に形成するために特殊な加工を行わなければならないという問題がある。さらに、特許文献1および特許文献2のいずれにおいても、PMD(偏波モード分散)や偏波クロストークなどの光学特性について、特段の検討はなされていなかった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、一般的な形状である平板状の複屈折結晶を用いた、小型且つPMDおよび偏波クロストークの特性が良好な偏波合成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の偏波合成装置は、第1の光波が伝搬する第1の導波路が出射端面に対して斜めに形成され、第2の光波が伝搬する第2の導波路が前記第1の導波路と前記出射端面の双方に対して斜めに形成された光導波路素子と、前記第1の導波路から出射された第1の光波と前記第2の導波路から出射された第2の光波の光路を互いに平行にするレンズと、前記第1及び第2の光波の少なくとも一方の偏波を回転させて当該2つの光波間で偏波を異ならせる偏波回転部と、前記レンズの後段に設けられ、前記偏波が異なる第1光波と第2光波を偏波合成する偏波合成素子と、を備え、前記偏波合成素子の光伝搬方向の厚さは、前記偏波合成された第1及び第2の光波間の偏波モード分散の許容最大値に対応する第1の厚さよりも小さく、前記偏波合成された第1及び第2の光波間の偏波クロストークの許容最小値に対応する第2の厚さよりも大きく設定されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の偏波合成装置は、上記の偏波合成装置において、前記偏波合成素子の材質はルチルであり、前記偏波モード分散の許容最大値は0.4psであり、前記第1の厚さは1.1mmであり、前記偏波クロストークの許容最小値は27dBであり、前記第2の厚さは0.5mmであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の偏波合成装置は、上記の偏波合成装置において、前記光導波路素子と前記レンズが第1筐体に固定されたユニットと、前記偏波回転部と前記偏波合成素子が出力用光ファイバとともに第2筐体に固定されたユニットと、により構成されたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の偏波合成装置は、上記の偏波合成装置において、前記光導波路素子と前記偏波回転部が第1筐体に固定されたユニットと、前記レンズと前記偏波合成素子が出力用光ファイバとともに第2筐体に固定されたユニットと、により構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一般的な形状である平板状の複屈折結晶を用いた、小型且つPMDおよび偏波クロストークの特性が良好な偏波合成装置を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態による偏波合成装置の構成を示す上面図である。
【図2】偏波合成素子の厚さLと入射光の離間距離Dの関係を示す図である。
【図3】偏波合成素子の厚さLの最適範囲を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態による偏波合成装置の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による偏波合成装置の構成を示す上面図である。この偏波合成装置1は、2つの変調光を偏波合成する偏波合成型変調器であって、入力光を変調する変調器本体10と、変調器本体10から出射された光をコリメートするとともに光軸が互いに平行となるよう光路を変換するレンズ20と、レンズ20から出射された光の偏波を回転させる1/2波長板30aと、1/2波長板30aと同じ光路長を有したガラス板30bと、1/2波長板30aおよびガラス板30bから出射された偏波の異なる光をその光路が一致するよう合成(偏波合成)する偏波合成素子40と、偏波合成素子40から出射された光を出力用光ファイバ60の入射位置に集光するレンズ50と、偏波合成された光を取り出すための出力用光ファイバ60とを有している。
【0013】
変調器本体10とレンズ20は、筐体70内に固定されている。1/2波長板30aとガラス板30bと偏波合成素子40とレンズ50と出力用光ファイバ60は、筒状の筐体80に収容されてユニット化されている。
【0014】
変調器本体10は、ニオブ酸リチウム(LiNbO:LNと称す)基板上に光導波路及び変調電極が形成されてなる光導波路素子(LN光変調器)である。
この変調器本体10の光導波路は、マッハツェンダー導波路MAの両アームにマッハツェンダー導波路MB,MCが設けられ、マッハツェンダー導波路MBの両アームにマッハツェンダー導波路101,102が、マッハツェンダー導波路MCの両アームにマッハツェンダー導波路103,104が、それぞれ設けられた入れ子構造を有する。即ち、変調器本体10への入力光は、マッハツェンダー導波路MAの入力導波路106へ導入され、アーム上のマッハツェンダー導波路MBとMCへ分岐される。また、マッハツェンダー導波路MBへ入力された光は、マッハツェンダー導波路101と102へ分岐され、マッハツェンダー導波路MCへ入力された光は、マッハツェンダー導波路103と104へ分岐される。そして、マッハツェンダー導波路101と102からの出力光は、マッハツェンダー導波路MBにより合波されてマッハツェンダー導波路MAのアーム108へ導入され、マッハツェンダー導波路103と104からの出力光は、マッハツェンダー導波路MCにより合波されてマッハツェンダー導波路MAのアーム109へ導入される。
【0015】
マッハツェンダー導波路101〜104は、それぞれに設けられた不図示の変調電極とともにLN光変調器を形成している。各LN光変調器101〜104の変調電極には、不図示の駆動回路から例えば25Gb/sの駆動信号が与えられ、各LN光変調器101〜104は、25Gb/sで変調された変調光を出力する。マッハツェンダー導波路MBのLN光変調器101と102の変調方式は、ここではDQPSK(差動四相位相偏移変調)を用いる。マッハツェンダー導波路MCのLN光変調器103と104の変調方式も同様である。DQPSKにより、マッハツェンダー導波路MAのアーム108,109へ導入される光は、50Gb/sの変調光となる。
【0016】
マッハツェンダー導波路MAのアーム108は、LN基板(変調器本体10)の一端面Mの近傍部分(出力導波路1081)が、端面Mの法線に対して角度θをなすように設けられている。また、同様に、マッハツェンダー導波路MAのアーム109は、端面Mの近傍部分(出力導波路1091)が、端面Mの法線に対して角度θをなすように設けられている。角度θ,θは、アーム108とアーム109がLN基板の内部で交差するような角度である。このような導波路配置により、出力導波路1081からは図1中の下方へ向けて斜めに光が出射され、出力導波路1091からは図1中の上方へ向けて斜めに光が出射されることとなる。なお、出力導波路1081,1091が端面Mに対して斜めに設けられていることにより、端面Mから出力導波路1081,1091への戻り光を低減することができる。
【0017】
レンズ20は、変調器本体10(出力導波路1081,1091)から出射された2つの光がコリメートされ、且つレンズ20を通過後にこれら2つの光の伝搬方向が互いに平行となるように、その焦点距離fと配置(レンズ20と出力導波路1081,1091の出射端との距離、およびレンズ20の光軸方向)が調整されている。上記のとおりレンズ20へ入射される光がレンズ20の光軸に対して斜め方向を向いているため、焦点距離fとレンズ20の配置の調整により、レンズ20からの出射光を互いに平行にすることが可能である。よって、従来(特許文献1)のように光路を変換するためのプリズムが必要なく、部品点数の削減と小型化を図ることができる。
【0018】
レンズ20の焦点距離は、f=1.8mmとする。これは、焦点距離を長くすると、(1)変調器本体10とレンズ20間の距離が長くなり小型化に反する、(2)コリメートされた光のビーム径が太くなるため後述する偏波クロストーク劣化の問題が生じる、また、焦点距離を短くすると、(3)コリメート光とみなせる有効距離が偏波合成素子40の厚さLより短くなってしまうことにより偏波合成素子40からの出射光を完全に偏波合成できない、等の点を考慮したものである。
【0019】
1/2波長板30aは、レンズ20を通過した2つの平行光のうち、出力導波路1091から出射された方の光の偏波面を90°回転させる。また、ガラス板30bは、出力導波路1081から出射された方の光に、出力導波路1091から出射された方の光が1/2波長板30aから受ける位相遅延と同じ位相遅延を付与する(偏波面は変化させない)。これにより、1/2波長板30aを出射した光とガラス板30bを出射した光は、互いに偏波面が90°傾いた状態(位相差なし)になる。
【0020】
偏波合成素子40は、平板状に形成された複屈折媒質であり、1/2波長板30aを通過し偏波合成素子40へ入射した光(出力導波路1091からの出射光)が常光LOとして偏波合成素子40内を伝搬し、ガラス板30bを通過し偏波合成素子40へ入射した光(出力導波路1081からの出射光)が異常光LEとして偏波合成素子40内を伝搬するように、その光学軸の向きが設定されている。これにより、1/2波長板30aおよびガラス板30bから偏波合成素子40の異なる入射位置に入射された2つの光が同一の光路上に出射されて、互いの偏波面が直交する50Gb/sの変調光が合成されてなる100Gb/sの変調光が得られる。偏波合成素子40としては、例えば、ルチルや方解石から作られたものを用いることができる。
【0021】
レンズ50は、焦点距離fを有し、偏波合成素子40を通過した偏波合成された光(コリメート光)を焦点位置に集光する。出力用光ファイバ60は、その入射側のコア端面がレンズ50の焦点位置にくるようにして配置される。これにより、偏波合成素子40からの光が出力用光ファイバ60へ結合されて、偏波合成された100Gb/sの変調光が偏波合成装置1の出力として外部へ取り出される。
【0022】
次に、上記の偏波合成装置1を小型にし、且つPMDおよび偏波クロストークの特性を良好にするためのより具体的な構成について説明する。
【0023】
図1の偏波合成装置1において、偏波合成素子40内を伝搬する異常光LEの伝搬方向は、常光LOの伝搬方向に対し、偏波合成素子40の複屈折(常光に対する屈折率nと異常光に対する屈折率nの差)に応じた角度θだけ傾いている。このとき、1/2波長板30aおよびガラス板30bから偏波合成素子40へ入射する互いの偏波が直交した2つの光(平行光)の離間距離をD(図1参照)とすると、この2つの光が偏波合成素子40を通過して同一光路上に出射される(すなわち偏波合成される)ために必要な偏波合成素子40の厚さL(常光LOの伝搬方向の長さ、図1参照)は、L=D/tanθと表される。図2に、偏波合成素子40としてルチル結晶を用いた場合の結晶厚さLと離間距離Dの関係を示す(n=2.45、n=2.71、θ=5.68°)。上式および図2から、離間距離Dが小さいほど偏波合成素子40の厚さLを小さくすることが可能である。
【0024】
ここで、偏波合成素子40(1/2波長板30a、ガラス板30b)への入射光はレンズ20によってコリメートされ有限のビーム径を有しているから、上述の離間距離Dが小さすぎると、これら2つの入射光同士が重なって(2つのビームがオーバーラップして)しまう。但し、ビームの中心間の距離を離間距離Dと定義するものとする。そうすると、1/2波長板30aへ出力導波路1081からの光の一部が、また、ガラス板30bへ出力導波路1091からの光の一部が、それぞれ望まれない漏れ光として入射してしまうこととなる。このため、偏波合成素子40へ入射する2つの光の離間距離Dが小さい場合には、偏波合成素子40の出射光における2つの偏波間の偏波クロストークが劣化する。
【0025】
したがって、本実施形態の偏波合成装置1では、上記のような偏波クロストークの劣化を防止するために、離間距離Dが小さくなりすぎないよう偏波合成素子40の厚さLに下限値を設けることとする。具体的には、偏波合成素子40の厚さLは、偏波クロストークが偏波合成装置1の伝送特性として許容される最小値よりも大きくなるような、所定値Lminよりも大きい範囲に設定することとする。
【0026】
図3の曲線C1に、偏波合成素子40としてルチル結晶を用いた場合における、偏波合成素子40の厚さL(横軸)と偏波クロストーク(右側縦軸)の関係(計算例)を示す。この図によれば、偏波クロストークの許容最小値を27dBとするとLmin≒0.5mmであることから、偏波合成素子40の厚さLは、0.5mm<Lの範囲に設定すればよいことが分かる。
【0027】
一方、偏波合成素子40内において常光LOと異常光LEは光路長差を有しているから、偏波合成素子40の厚さLが大きすぎると、偏波合成素子40から出射される2つの偏波間の遅延時間が大きくなって、PMDが劣化する。
したがって、本実施形態の偏波合成装置1では、このようなPMDの劣化を防止するために、偏波合成素子40の厚さLに上限値を設けることとする。具体的には、偏波合成素子40の厚さLは、PMDが偏波合成装置1の伝送特性として許容される最大値よりも小さくなるような、所定値Lmaxよりも小さい範囲に設定することとする。
【0028】
図3の曲線C2に、偏波合成素子40としてルチル結晶を用いた場合における、偏波合成素子40の厚さL(横軸)とPMD(左側縦軸)の関係を計算した例を示す。この図によれば、PMDの許容最大値を0.4psとするとLmax≒1.1mmであることから、偏波合成素子40の厚さLは、L<1.1mmの範囲に設定すればよいことが分かる。
【0029】
以上のように、偏波合成素子40の厚さLを0.5mm<L<1.1mmの範囲(レンズ20の焦点距離をf=1.8mmとし偏波合成素子40としてルチル結晶を用いた場合)に設定することにより、小型で、且つ良好なPMDおよび偏波クロストークの特性を持った偏波合成装置1が実現可能となる。
【0030】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態による偏波合成装置の構成を示す上面図である。この偏波合成装置2は、1/2波長板30aおよびガラス板30bが変調器本体10の出射側の端面Mに接合されている点と、レンズ21が図1のレンズ20および50に代えて用いられている点が、第1実施形態による偏波合成装置1と異なっている。以下、偏波合成装置1との相違点を中心に偏波合成装置2の説明を行う。なお、以下に説明の無い点に関しては、偏波合成装置1と偏波合成装置2は同一の構成である。
【0031】
1/2波長板30aは、出力導波路1091から出射された光の偏波面を90°回転させる。また、ガラス板30bは、出力導波路1081から出射された光に、出力導波路1091から出射された光が1/2波長板30aから受ける位相遅延と同じ位相遅延を付与する(偏波面は変化させない)。これにより、1/2波長板30aを出射した光とガラス板30bを出射した光は、第1実施形態と同様、互いに偏波面が90°傾いた状態(位相差なし)になる。
【0032】
レンズ21は、1/2波長板30aとガラス板30bから出射された2つの光が出力用光ファイバ60の入射側のコア端面に集光し、且つレンズ21を通過後にこれら2つの光の伝搬方向が互いに平行となるように、その焦点距離fと配置(レンズ21と出力導波路1081,1091の出射端との距離、およびレンズ21の光軸方向)が調整されている。すなわち、レンズ21を用いた偏波合成装置2の光学系は、集光光学系である。ここで、レンズ21へ入射される光は、(変調器本体10が第1実施形態と同一構成であるため)第1実施形態と同じくレンズ21の光軸に対して斜め方向を向いている。よって、第1実施形態と同様、焦点距離fとレンズ21の配置の調整により、レンズ21からの出射光を互いに平行にすることが可能であり、従来(特許文献1)のように光路を変換するためのプリズムが必要なく、部品点数の削減と小型化を図ることができる。
【0033】
偏波合成素子40は、平板状に形成された複屈折媒質であり、1/2波長板30aとレンズ21を順に通過し偏波合成素子40へ入射した光(出力導波路1091からの出射光)が常光LOとして偏波合成素子40内を伝搬し、ガラス板30bとレンズ21を順に通過し偏波合成素子40へ入射した光(出力導波路1081からの出射光)が異常光LEとして偏波合成素子40内を伝搬するように、その光学軸の向きが設定されている。これにより、第1実施形態と同様、偏波合成素子40の異なる入射位置に入射された2つの光が同一の光路上に出射されて、互いの偏波面が直交する50Gb/sの変調光が合成されてなる100Gb/sの変調光が得られる。
【0034】
偏波合成素子40の厚さLは、第1実施形態と同様に、0.5mm<L<1.1mmの範囲(レンズ21の焦点距離をf=1.8mmとし偏波合成素子40としてルチル結晶を用いた場合)に設定する。これにより、小型で、且つ良好なPMDおよび偏波クロストークの特性を持った偏波合成装置2が実現可能となる。
【0035】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。変形例を以下に列挙する。
【0036】
出力導波路1081,1091とLN基板の端面Mの法線のなす角度θ,θを、端面Mに近いほどアーム108,109間の距離が小さくなる(出力導波路1081,1091がLN基板の内部で交差しない)ような角度とし、変調器本体10の外部においてアーム108,109からの各出射光が交差するようにしてもよい。
第1実施形態の偏波合成装置1において、1/2波長板30aとガラス板30bを第2実施形態の偏波合成装置2のように変調器本体10の出射側の端面Mに接合させた構成としてもよい。
第2実施形態の偏波合成装置2において、1/2波長板30aとガラス板30bを第1実施形態の偏波合成装置1のようにレンズ21と偏波合成素子40との間に配置した構成としてもよい。
1/2波長板30aによる偏波面の回転角度が45°となるようにし、ガラス板30bに代えて、1/2波長板30aの偏波面回転方向とは反対方向に偏波面を45°回転させる1/2波長板を使用して、この1/2波長板と1/2波長板30aとによって2つの光の偏波面を相対的に90°傾いた状態とするようにしてもよい。
上記実施形態では偏波合成型変調器を一例にとって説明をしたが、本発明はこれに限られるものではなく、2つの異なる偏波を合成するものであれば、他の光機能デバイスを用いた構成にも同様に本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1,2…偏波合成装置 10…変調器本体 MA,MB,MC,101〜104…マッハツェンダー導波路 106…入力導波路 108,109…マッハツェンダー導波路のアーム 1081,1091…出力導波路 20,21,50…レンズ 30a…1/2波長板 30b…ガラス板 40…偏波合成素子 60…出力用光ファイバ 70,80…筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光波が伝搬する第1の導波路が出射端面に対して斜めに形成され、第2の光波が伝搬する第2の導波路が前記第1の導波路と前記出射端面の双方に対して斜めに形成された光導波路素子と、
前記第1の導波路から出射された第1の光波と前記第2の導波路から出射された第2の光波の光路を互いに平行にするレンズと、
前記第1及び第2の光波の少なくとも一方の偏波を回転させて当該2つの光波間で偏波を異ならせる偏波回転部と、
前記レンズの後段に設けられ、前記偏波が異なる第1光波と第2光波を偏波合成する偏波合成素子と、
を備え、
前記偏波合成素子の光伝搬方向の厚さは、前記偏波合成された第1及び第2の光波間の偏波モード分散の許容最大値に対応する第1の厚さよりも小さく、前記偏波合成された第1及び第2の光波間の偏波クロストークの許容最小値に対応する第2の厚さよりも大きく設定されている
ことを特徴とする偏波合成装置。
【請求項2】
前記偏波合成素子の材質はルチルであり、
前記偏波モード分散の許容最大値は0.4psであり、
前記第1の厚さは1.1mmであり、
前記偏波クロストークの許容最小値は27dBであり、
前記第2の厚さは0.5mmである
ことを特徴とする請求項1に記載の偏波合成装置。
【請求項3】
前記光導波路素子と前記レンズが第1筐体に固定されたユニットと、
前記偏波回転部と前記偏波合成素子が出力用光ファイバとともに第2筐体に固定されたユニットと、
により構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偏波合成装置。
【請求項4】
前記光導波路素子と前記偏波回転部が第1筐体に固定されたユニットと、
前記レンズと前記偏波合成素子が出力用光ファイバとともに第2筐体に固定されたユニットと、
により構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の偏波合成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−203282(P2012−203282A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69332(P2011−69332)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】