健康器具
【課題】 家庭でも利用できる健康器具を提供する。
【解決手段】 健康器具1は、踏板20の上に立って使用する。そしてこの健康器具1では、高速運転をする場合は、スイッチ22a、22bにより踏板20上に人が乗っていることが検出されていないと(S22:YES)、踏板20が振動しない。そのため、この健康器具1では、踏板20を高速で振動させても、人の重みで健康器具1が動くことが防止される。一方、踏板20から人が降りれば、踏板20の振動が止まるので(S30:YES)、本発明の健康器具1は、踏板20から人が降りても、踏板20の振動によって動くことがない。従って、この健康器具1を用いると、踏板20の振動によって動くことがないので、家庭でも利用することができる。
【解決手段】 健康器具1は、踏板20の上に立って使用する。そしてこの健康器具1では、高速運転をする場合は、スイッチ22a、22bにより踏板20上に人が乗っていることが検出されていないと(S22:YES)、踏板20が振動しない。そのため、この健康器具1では、踏板20を高速で振動させても、人の重みで健康器具1が動くことが防止される。一方、踏板20から人が降りれば、踏板20の振動が止まるので(S30:YES)、本発明の健康器具1は、踏板20から人が降りても、踏板20の振動によって動くことがない。従って、この健康器具1を用いると、踏板20の振動によって動くことがないので、家庭でも利用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、振動する踏板の上に、人が乗ることにより、人に振動を与えて健康を促進する健康器具がある。この健康器具は、全身振動刺激トレーニング装置と呼ばれることがあり、1990年代よりヨーロッパを中心に、主にアスリートのトレーニングに利用されている。
【0003】
この健康器具では、上下に細かく振動する板の上に乗ると全身の筋が収縮し、自動的に筋肉トレーニングが行われるので、この健康器具を用いると、他の器具を使ったトレーニングに比べ、効率的なトレーニングを行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の健康器具は、アスリートのトレーニング用などとして、トレーニング施設などに常設している大型のものであり、大きさも大きく、重量も重いものであった。 このように重量が思いと移動させ難いので、使用するときに取り出して、不要なときには収納することが予想される家庭での使用は、従来の重量の重い健康器具は不向きであった。 そのため、この健康器具を家庭でも使用できるようにするため、小型軽量化を図ることとした。
【0005】
しかし、健康器具を小型軽量化すると、踏板の振動によって、健康器具が動いてしまうことがあった。このように健康器具が動いてしまうと、壁を傷つけたりすることがあるので、家庭での利用に適さなかった。
【0006】
そこで本発明では、上述した問題点を解決し、家庭でも利用できる健康器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するためになされた発明である請求項1に記載の発明は、踏板20を備え、この踏板20上に乗った人に、踏板20から振動を与える健康器具1であって、右足を乗せる踏板20の右乗部21a、及び、左足を乗せる踏板20の左乗部21bが交互に上下に移動するように、踏板20を振動させる振動手段30と、踏板20上に人が乗っていることを検出する検出手段22a,22bと、検出手段22a,22bにより、踏板20上に人が乗っていることが検出された場合、踏板20が振動するように振動手段30を駆動させる制御手段5とを備えることを特徴とする。
【0008】
この健康器具では、検出手段により踏板上に人が乗っていることが検出されないと踏板が振動しない。そのため、この健康器具では、踏板が振動しているときには、必ず踏板の上に人が乗っていることとなるので、人の重みで健康器具が動くことが防止される。一方、踏板から人が降りれば、踏板の振動が止まるので、本発明の健康器具の場合、踏板の振動によって動くことがない。
【0009】
従って、本発明の健康器具を用いると、踏板の振動によって動くことがないので、家庭でも利用することができる。
尚、検出手段としては、人が触れたことを検出するタッチセンサーを用いても良いし、請求項2に記載したように、検出手段22a,22bは、各乗部21a,21bにそれぞれ設けられ、踏板20の板面に対し出没可能な一対のスイッチ22a,22bと、このスイッチを踏板20の板面から出るように付勢する付勢手段390と、を備え、両スイッチ22a,22bが、付勢手段390の付勢力に逆らって踏板20の板面に対し没するように押下されたことをもって、踏板20上に人が乗っていると検出するものを用いても良い。この場合、両スイッチが、付勢手段の付勢力に逆らって板面に対し没するように押下されたことをもって、踏板上に人が乗っていると検出するよう構成すればよい。
【0010】
次に、本発明の健康器具の踏板は、左右それぞれの足を乗せる一対の踏板で構成されていてもよいが、請求項3に記載したように、踏板20は、一枚の板材からなり、板材の右乗部21a及び左乗部21bの中間地点を支点に、板材をシーソー状に揺動可能に支持する支持部16,23を備える構造としてもよい。このようにすれば、踏板をシーソー上に揺動させるだけの簡単な構造で、踏板を振動させることができる。
【0011】
ところで、踏板に乗る人の体重によって、踏板の振動数が予め定められた規定数から外れることがある。
そこで、請求項4に記載したように、振動手段30が踏板20を振動させている速度を検出する振動数検出手段52を備え、制御手段5は、振動数検出手段52で検出された速度が予め定められた規定数から外れている場合、速度が規定数となるように振動手段30を駆動させることが好ましい。このようにすると、踏板に乗る人の体重によらず、一定の速度で踏板20を振動させることができるので、体重の軽重によらず、体重が異なる人に対し、同じ運動効果を与えることができる。
【0012】
次に、請求項5に記載したように、踏板20の縁部に沿った形状に形成され、かつ、踏板20が振動可能な大きさに形成された踏板孔部12が上面に形成された筐体を備え、踏板20の縁部は、下方から上方に向かうにつれて、踏板20の板面の中央側に向かって傾斜した傾斜部29が形成されていることが好ましい。このようにすると、踏板の縁部に指が吸込まれて、踏板と踏板孔部との間に指を挟むことを防止することができる。
【0013】
次に、請求項6に記載の健康器具において、制御手段5に無線で、振動手段30を駆動させる制御命令信号を送信する無線送信具6を備え、制御手段5は、この無線送信具6から受信した制御命令信号に基づいて振動手段30を駆動させることが好ましい。本発明の健康器具は、家庭用であるため、コンパクト化を図るためには、健康器具に操作部を設けて操作するのではなく、本発明のように無線送信具を用いて操作するよう構成するとよい。
【0014】
尚、特許請求の範囲に記載した符号は、各手段に対応する実施形態の構成の符号であるが、特許請求の範囲に記載された事項は、この符号に対応する構成のみに限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。
ここで、図1は、本実施形態の健康器具1を表側から見た斜視図、図2は、健康器具1を裏側から見た斜視図である。
1.健康器具1の外部構成
まず、本実施形態の健康器具1の外部構成について説明する。
【0016】
本実施形態の健康器具1は、図1に示すように、筐体10と、踏板20とを備えている。
筐体10は、略直方体上に形成され、6面のうち面積の最も大きい2面のうち一方の面を床面に対向させた状態で床上に設置して使用する。以下、このように健康器具1を設置したとき、重力方向下方を向く面を下面10b、重力方向上方を向く面を上面10aといい、また、中間の面積の2面のうち、図1中に飾り部11が形成されている側の面を後面10d、もう一方の面を前面10cといい、さらに、この前面10cと後面10dとを前後方向としたときに左右方向を向く面であって、最も小さい2面の左側の面を左面10e、右側の面を右面10fと呼ぶ。
【0017】
この筐体10の上面10aには、踏板20が配置される踏板孔部12が形成されている。この踏板孔部12は、略長方形状に形成された踏板20の縁部に沿った形状に形成され、かつ、踏板20が振動可能な大きさに形成されている。
【0018】
この筐体10は、左右両面10c、10dの下方側に、前後方向に長尺な握部13aを有するハンドル13を備えている。
この筐体10の下面10bには、図2に示すように、防振用のゴムからなる円盤状に形成された脚部14が5つ取り付けられている。この脚部14は、軸方向に垂直な一方の面が下面10bに接触するように取り付けられ、下面10bの中央と、4隅にそれぞれ取り付けられている。
【0019】
また、この筐体10の下面10bには、前方側に取り付けられた各脚部14の後方側で固定され、下面10bに固定されたとき、左側のものは下面10bの左辺から、右側のものは下面10bの右辺からそれぞれ左右方向に延設された部位を有する支持棒固定部15が設けられている。この支持棒固定部15には、下面10bから突設された部分に後述する支持棒を固定する固定用孔部15aが形成されている。
【0020】
次に、踏板20は、図1に示すように、略長方形状に形成されており、筐体10の踏板孔部12に配置したときに、前方側及び後方側に長尺な辺が位置するように配置される。
この踏板20の上方側を向く上面の右側には、右足を乗せる右乗部21aが画定され、左側には、左足を乗せる左乗部21bが画定されている。
【0021】
また、右乗部21a及び左乗部21bの前後方向中央には、踏板20の上面から上方に突設されたスイッチ22a,22bがそれぞれ設けられている。
このスイッチ22a,22bは、踏板20の上面に対し、出没可能に構成されている。
【0022】
さらに、図1中の拡大図で示したように、踏板20の縁部は、下方から上方に向かうにつれて、踏板20の板面の中央側に向かって傾斜した傾斜部29が形成されている。
この傾斜部29が形成されていることで、本実施形態では、踏板20が揺動したときに、踏板孔部12に指が入り、踏板12と筐体10との間に指が挟まれることが防止される。
2.健康器具1の内部構成
次に、本実施形態の健康器具1の内部構成について説明する。
【0023】
ここで、図3は、健康器具1の平面図、図4は、図3のA−A’断面図、図5はB−B’断面図、図6はC−C’断面図である。また、図7は、健康器具1の振動装置30の模式図、図8は、振動装置30で発生した駆動力をシャフトから踏板20まで駆動力を伝える伝達系の模式図である。
2.1.踏板20を揺動可能に支持する構成
本実施形態の健康器具1は、図4に示すように、筐体10内に、踏板20の右乗部21aと、左乗部21bとの中間位置の下方に、二等辺三角形の頂点が位置するように配置された支持部16が、筐体10の内部の下面から立設されている。
【0024】
一方、踏板20の下面には、右乗部21aと左乗部21bとの中間位置に、三角形状に形成された連結部23が設けられている。
そして、本実施形態の健康器具1では、踏板20の右乗部21a、及び、左乗部21bが交互に上下に移動するように、連結部23が支持部16に対し回動可能に連結されることによって、踏板20が筐体10に対し揺動可能に取り付けられている。
2.2.振動装置30
次に、本実施形態の健康器具1は、筐体10の内部に、振動装置30を備えている。
【0025】
この振動装置30は、図5に示すように、モータ31と、駆動プーリ32と、主プーリ33と、無端ベルト34と、図6に示すように、一対のシャフト35と、一対の芯フレカム36と、一対の偏心シャフト37と、一対のクランクロッド38とを備えている。
【0026】
このうち主プーリ33は、図4に示すように、踏板20の右乗部21aと左乗部21bとの中間位置の下方であって、踏板20の揺動の中心となる揺動中心線を通る上下方向に沿った面に平行に配置されるように筐体10内で回転可能に固定されている。
【0027】
一方、駆動プーリ32も、主プーリ33の後方側で、主プーリ33と同様に配置されて、モータ31の駆動軸に取り付けられている。
そして、主プーリ33と駆動プーリ32とは、繊維が混入されたポリウレタン製の無端ベルト34で、駆動プーリ32から主プーリ33に駆動力を伝達できるように連結されている。この無端ベルト34は、いわゆるVベルトである。
【0028】
シャフト35は、主プーリ33の回転中心を通り、この主プーリ33を挟んだ両側に配置されて、主プーリ33に対し同軸上に取り付けられている。そしてこれらシャフト35は、主プーリ33から見てそれぞれ反対方向側であって主プーリ33から等距離の位置にそれぞれ設けられ、筐体10の下面に固定された一対の軸受17に回転可能に支持されている。
【0029】
また、一対の芯フレカム36は、各シャフト35の先端に設けられている。
そして、一対の偏心シャフト37は、主プーリ33から見て芯フレカム36よりも遠い側に向かって各芯フレカム36から立設され、一方が他方に対しシャフト35の軸周りに180度異なる方向にそれぞれ偏心して設けられている。この偏心シャフト37が設けられた位置は、踏板20の右乗部21a、左乗部21bのそれぞれ下方であり、主プーリ33から見てそれぞれ反対側の位置であって主プーリ33から等距離の位置である。
【0030】
一対のクランクロッド38は、この偏心シャフト37に対し軸周りに回転可能に取り付けられている。また、各偏心シャフト37の上方に位置する踏板20の下面には、それぞれ支持部24が設けられており、このクランクロッド38は、各支持部24に対しても、偏心シャフト37と平行な軸周りに回転可能に取り付けられている。
【0031】
このように構成された振動装置30では、図7に示すように、モータ31が回転し、駆動プーリ32が回転すると、無端ベルト34を介して主プーリ33に駆動力が伝達され、主プーリ33が回転する。そして、主プーリ33が回転すると、シャフト35及び芯フレカム36も回転して、主プーリ33から芯フレカム36に駆動力が伝達され、各偏心シャフト37がシャフト35の軸周りに回転する。
【0032】
そして、本実施形態では、このように各偏シャフト37がシャフト35の軸周りに回転すると、図8に示すように、各クランクロッド38が交互に上下し、このクランクロッド38が交互に上下する上下運動が、支持部24を介して踏板20に伝達され、踏板20が揺動する。
2.3.スイッチ22a、22b
次に、本実施形態の健康器具1が備えているスイッチ22a、22bについて説明する。
【0033】
スイッチ22a、22bは、図4に示すように、踏板20の右乗部21aと左乗部21bに設けられた各スイッチ孔220に対し、各スイッチ孔220内を上下方向に移動可能に取り付けられている。
【0034】
また筐体10は、各スイッチ22a、22bを付勢する一対のバネ390を備えており、このバネ390は、各スイッチ22a,22bを上方に向かって付勢している。
さらに、筐体10は、各スイッチ22a,22bが押下されたか否かを検出する後述するスイッチセンサ53を備えている。
3.制御装置5
次に、本実施形態の健康器具1の制御装置5について説明する。
【0035】
ここで、図9は、制御装置5及びリモコン6のブロック図である。
この制御装置5は、図9に示すように、中央制御部50と、モータ制御部51と、主プーリ回転数検出センサ52と、スイッチセンサ53と、リモコン受信部54とを備えている。
【0036】
またリモコン6は、低速運転スイッチ60と、高速運転スイッチ61と、スタートスイッチ62、ストップスイッチ63とを備えている。
このうち中央制御部50は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータ装置で、後述する各種処理を実行する。
【0037】
モータ制御部51は、図示しない電源からモータ31に供給する電力を調整する装置で、中央制御部50からの指示によって、この電力を制御する。
主プーリ回転数検出センサ52は、主プーリ33の回転数を検出するセンサで、検出結果を中央制御部50に送信する。
【0038】
スイッチセンサ53は、スイッチ22a,22bが押下されているか否かを検出するセンサで、これらスイッチ22a,22bが押下されているか否かを中央制御部50に送信する。
【0039】
リモコン受信部54は、リモコン6から送信される操作信号を受信するもので、その操作信号を中央制御部50に送信する。
リモコン6は、低速運転スイッチ60が押下されたら、低速運転をするよう指示する操作信号を無線で送信し、高速運転スイッチ61が押下されたら、高速運転をするよう指示する操作信号を無線で送信する。また、スタートスイッチ62が押下されたら、運転開始を指示する信号を無線で送信し、ストップスイッチ63が押下されたら、運転停止を指示する信号を無線で送信する。
【0040】
制御装置5は、このリモコン6から送信される信号をリモコン受信部54で受信し、この受信した信号に基づいて、後述する運転処理1a等を実行する。
4.運転処理
次に、本実施形態の中央制御部50で実行される運転処理について説明する。
【0041】
ここで、図10は、運転処理1aのフローチャートである。
この運転処理1aは、筐体10に備えられた図示しない電源スイッチがオンされ、かつ、リモコン6のスタートスイッチ62が押下されてから、ストップスイッチ63が押下されるまで実行される処理である。
【0042】
運転処理1aでは、まず、低速運転スイッチ60か、高速運転スイッチ61のいずれかが押下されたか否かを判定する(S10)。
この判定(S10)で、いずれのスイッチも押下されていないと判定されたときは(S10:NO)は待機する。
【0043】
一方、低速運転スイッチ60が押下されていると判定されたときは(S10:低速)、1秒間に10往復する速度で踏板20が揺動するよう主プーリ33を回転させるため、その回転に必要な電力がモータ31に供給されるよう設定する処理がモータ制御部51に対して実行される(S12)。
【0044】
このS12の処理が終了すると、モータ制御部51からモータ31に電力が直ちに供給されて低速運転が開始される(S14)。
続いて、S14の処理が開始され、踏板20が揺動を開始すると、S12で設定された速度で、踏板20が揺動しているか監視する処理が、主プーリ33の回転数を主プーリ回転数検出センサ52で検出することによって監視することによって実行される(S16)。
【0045】
そして、このS16で、S12で設定された速度よりも、踏板20が揺動する速度が遅い(早い)とき(S16:YES)は、S12で設定された速度で踏板20が揺動するよう、モータ31に供給する電力を調整する調整処理(S18)が実行される。その後再びS16が実行され、S12で設定された速度で踏板20が揺動するまで、S16〜S18の処理が繰り返される。
【0046】
このようにすると、踏板20に乗った人の体重が重いため、踏板20がS12で設定された速度で揺動しないような場合でも、S16〜S18の処理を実行することで、踏板20に乗った人の体重によらず、踏板20は一定の速度で揺動する。
【0047】
また、体重が重い人が降りて、踏板20の速度が早くなっても、S16〜S18の処理を実行することで、踏板20は一定の速度で揺動する。
他方、高速運転スイッチ61が押下されていると判定されたときは(S10:高速)、1秒間に18往復する速度で踏板20が揺動するよう主プーリ33を回転させるため、その回転に必要な電力がモータ31に供給されるよう設定する処理がモータ制御部51に対して実行される(S20)。
【0048】
次に、スイッチ22a、22bのいずれもが押下されているか否かを検出する処理が実行され(S22)、押下されていない場合は待機する(S22:NO)。一方、スイッチ22a,22bが押下されていることが検出されたときは、モータ制御部51からモータ31に電力が直ちに供給されて高速運転が開始される(S24)。
【0049】
そして、この高速運転が開始されると(S24)、踏板20が揺動を開始すると、S12で設定された速度で、踏板20が揺動しているか監視する処理が、主プーリ33の回転数を主プーリ回転数検出センサ52で検出することによって監視することによって実行される(S26)。
【0050】
そして、このS26で、S20で設定された速度よりも、踏板20が揺動する速度が遅い(早い)とき(S26:YES)は、S20で設定された速度で踏板20が揺動するよう、モータ31に供給する電力を調整する調整処理(S28)が実行される。
【0051】
その後スイッチ22a、22bが押下されていない状態か否かを検出する処理がスイッチセンサ53を用いて実行され(S30)、押下されていると判定されると(S30:NO)、再びS26以下の処理が実行される。
【0052】
そして、このS30でスイッチ22a,22bが押下されていないと判定されている間は、S12で設定された速度で踏板20が揺動するまで、S26〜S28の処理が繰り返される。
【0053】
このようにすると、踏板20に乗った人の体重が重いため、踏板20がS12で設定された速度で揺動しないような場合でも、S26〜S28の処理を実行することで、踏板20に乗った人の体重によらず、踏板20は一定の速度で揺動する。
【0054】
また、体重が重い人が降りて、踏板20の速度が早くなっても、S26〜S28の処理を実行することで、踏板20は一定の速度で揺動する。
一方、S30でスイッチ22a、22bが押下されていない状態と判定されると(S30:YES)、モータ31への電力の供給を止め、踏板20の揺動を停止する処理が実行され(S30)、再びS22以下の処理が実行される。
【0055】
この運転処理1aでは、高速運転の場合(S20)、人が踏板20に乗るなどして、スイッチ22a,22bが押下されていないと振動を開始せず(S22:YES)、一旦動き出しても、人が踏板20から降りるなどして、スイッチ22a、22bが押下されなくなると(S30:YES)、踏板20の振動が停止する。
【0056】
また、この運転処理1aでは、踏板20に乗った人の体重によらず、踏板20は一定の速度で揺動する。
5.実施形態に係る健康器具1の特徴
本実施形態の健康器具1は、図11に示すように、踏板20の上に立って使用する。
【0057】
そして本実施形態の健康器具1では、高速運転をする場合は、スイッチ22a、22bにより踏板20上に人が乗っていることが検出されていないと(S22:YES)、踏板20が振動しない。そのため、この健康器具1では、踏板20を高速で振動させても、人の重みで健康器具1が動くことが防止される。
【0058】
一方、踏板20から人が降りれば、踏板20の振動が止まるので(S30:YES)、本発明の健康器具1は、踏板20から人が降りても、踏板20の振動によって動くことがない。
【0059】
従って、本実施形態の健康器具1を用いると、踏板20の振動によって動くことがないので、家庭でも利用することができる。
6.その他の実施形態
上記実施形態では、踏板20の上に人が立って使用する例を説明したが、図12(a)に示すように、イスに座った人の両脚を踏板20の上に乗せて使用してもよい。このようにすると足腰の弱い人でも、本実施形態の健康器具1を利用することができる。
【0060】
また図12(b)に示すように、膝を床について、両手を踏板20の上に乗せて使用してもよい。このようにすると、二の腕等を鍛えることができる。
さらに図12(c)に示すように、踏板20上に腰を下ろして使用してもよい。このようにすると、上半身を集中して鍛えることができる。
【0061】
またさらに、図13に示すように、支持棒固定部15に支持棒を取り付けて、使用してもよい。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施形態の健康器具1を表側から見た斜視図である。
【図2】健康器具1を裏側から見た斜視図である。
【図3】健康器具1の平面図である。
【図4】図3のA−A’断面図である。
【図5】図3のB−B’断面図である。
【図6】図3のC−C’断面図である。
【図7】健康器具1の振動装置30の模式図である。
【図8】振動装置30で発生した駆動力をシャフトから踏板20まで駆動力を伝える伝達系の模式図である。
【図9】制御装置5及びリモコン6のブロック図である。
【図10】運転処理1aのフローチャートである。
【図11】本実施形態の健康器具1を利用する様子を示す説明図である。
【図12】本実施形態の健康器具1を利用する様子を示す説明図である。
【図13】本実施形態の健康器具1を利用する様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1…健康器具、1a…運転処理、5…制御装置、6…リモコン、10…筐体、11…飾り部、12…踏板孔部、13…ハンドル、13a…握部、14…脚部、15…支持棒固定部、15a…固定用孔部、16…支持部、17…軸受、20…踏板、21a…右乗部、21b…左乗部、22a,22b…スイッチ、23…連結部、24…支持部、29…傾斜部、30…振動装置、31…モータ、32…駆動プーリ、33…主プーリ、34…無端ベルト、35…シャフト、36…芯フレカム、37…偏心シャフト、38…クランクロッド、50…中央制御部、51…モータ制御部、52…主プーリ回転数検出センサ、53…スイッチセンサ、54…リモコン受信部、60…低速運転スイッチ、61…高速運転スイッチ、62…スタートスイッチ、63…ストップスイッチ、390…バネ
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、振動する踏板の上に、人が乗ることにより、人に振動を与えて健康を促進する健康器具がある。この健康器具は、全身振動刺激トレーニング装置と呼ばれることがあり、1990年代よりヨーロッパを中心に、主にアスリートのトレーニングに利用されている。
【0003】
この健康器具では、上下に細かく振動する板の上に乗ると全身の筋が収縮し、自動的に筋肉トレーニングが行われるので、この健康器具を用いると、他の器具を使ったトレーニングに比べ、効率的なトレーニングを行うことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の健康器具は、アスリートのトレーニング用などとして、トレーニング施設などに常設している大型のものであり、大きさも大きく、重量も重いものであった。 このように重量が思いと移動させ難いので、使用するときに取り出して、不要なときには収納することが予想される家庭での使用は、従来の重量の重い健康器具は不向きであった。 そのため、この健康器具を家庭でも使用できるようにするため、小型軽量化を図ることとした。
【0005】
しかし、健康器具を小型軽量化すると、踏板の振動によって、健康器具が動いてしまうことがあった。このように健康器具が動いてしまうと、壁を傷つけたりすることがあるので、家庭での利用に適さなかった。
【0006】
そこで本発明では、上述した問題点を解決し、家庭でも利用できる健康器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した問題を解決するためになされた発明である請求項1に記載の発明は、踏板20を備え、この踏板20上に乗った人に、踏板20から振動を与える健康器具1であって、右足を乗せる踏板20の右乗部21a、及び、左足を乗せる踏板20の左乗部21bが交互に上下に移動するように、踏板20を振動させる振動手段30と、踏板20上に人が乗っていることを検出する検出手段22a,22bと、検出手段22a,22bにより、踏板20上に人が乗っていることが検出された場合、踏板20が振動するように振動手段30を駆動させる制御手段5とを備えることを特徴とする。
【0008】
この健康器具では、検出手段により踏板上に人が乗っていることが検出されないと踏板が振動しない。そのため、この健康器具では、踏板が振動しているときには、必ず踏板の上に人が乗っていることとなるので、人の重みで健康器具が動くことが防止される。一方、踏板から人が降りれば、踏板の振動が止まるので、本発明の健康器具の場合、踏板の振動によって動くことがない。
【0009】
従って、本発明の健康器具を用いると、踏板の振動によって動くことがないので、家庭でも利用することができる。
尚、検出手段としては、人が触れたことを検出するタッチセンサーを用いても良いし、請求項2に記載したように、検出手段22a,22bは、各乗部21a,21bにそれぞれ設けられ、踏板20の板面に対し出没可能な一対のスイッチ22a,22bと、このスイッチを踏板20の板面から出るように付勢する付勢手段390と、を備え、両スイッチ22a,22bが、付勢手段390の付勢力に逆らって踏板20の板面に対し没するように押下されたことをもって、踏板20上に人が乗っていると検出するものを用いても良い。この場合、両スイッチが、付勢手段の付勢力に逆らって板面に対し没するように押下されたことをもって、踏板上に人が乗っていると検出するよう構成すればよい。
【0010】
次に、本発明の健康器具の踏板は、左右それぞれの足を乗せる一対の踏板で構成されていてもよいが、請求項3に記載したように、踏板20は、一枚の板材からなり、板材の右乗部21a及び左乗部21bの中間地点を支点に、板材をシーソー状に揺動可能に支持する支持部16,23を備える構造としてもよい。このようにすれば、踏板をシーソー上に揺動させるだけの簡単な構造で、踏板を振動させることができる。
【0011】
ところで、踏板に乗る人の体重によって、踏板の振動数が予め定められた規定数から外れることがある。
そこで、請求項4に記載したように、振動手段30が踏板20を振動させている速度を検出する振動数検出手段52を備え、制御手段5は、振動数検出手段52で検出された速度が予め定められた規定数から外れている場合、速度が規定数となるように振動手段30を駆動させることが好ましい。このようにすると、踏板に乗る人の体重によらず、一定の速度で踏板20を振動させることができるので、体重の軽重によらず、体重が異なる人に対し、同じ運動効果を与えることができる。
【0012】
次に、請求項5に記載したように、踏板20の縁部に沿った形状に形成され、かつ、踏板20が振動可能な大きさに形成された踏板孔部12が上面に形成された筐体を備え、踏板20の縁部は、下方から上方に向かうにつれて、踏板20の板面の中央側に向かって傾斜した傾斜部29が形成されていることが好ましい。このようにすると、踏板の縁部に指が吸込まれて、踏板と踏板孔部との間に指を挟むことを防止することができる。
【0013】
次に、請求項6に記載の健康器具において、制御手段5に無線で、振動手段30を駆動させる制御命令信号を送信する無線送信具6を備え、制御手段5は、この無線送信具6から受信した制御命令信号に基づいて振動手段30を駆動させることが好ましい。本発明の健康器具は、家庭用であるため、コンパクト化を図るためには、健康器具に操作部を設けて操作するのではなく、本発明のように無線送信具を用いて操作するよう構成するとよい。
【0014】
尚、特許請求の範囲に記載した符号は、各手段に対応する実施形態の構成の符号であるが、特許請求の範囲に記載された事項は、この符号に対応する構成のみに限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。
ここで、図1は、本実施形態の健康器具1を表側から見た斜視図、図2は、健康器具1を裏側から見た斜視図である。
1.健康器具1の外部構成
まず、本実施形態の健康器具1の外部構成について説明する。
【0016】
本実施形態の健康器具1は、図1に示すように、筐体10と、踏板20とを備えている。
筐体10は、略直方体上に形成され、6面のうち面積の最も大きい2面のうち一方の面を床面に対向させた状態で床上に設置して使用する。以下、このように健康器具1を設置したとき、重力方向下方を向く面を下面10b、重力方向上方を向く面を上面10aといい、また、中間の面積の2面のうち、図1中に飾り部11が形成されている側の面を後面10d、もう一方の面を前面10cといい、さらに、この前面10cと後面10dとを前後方向としたときに左右方向を向く面であって、最も小さい2面の左側の面を左面10e、右側の面を右面10fと呼ぶ。
【0017】
この筐体10の上面10aには、踏板20が配置される踏板孔部12が形成されている。この踏板孔部12は、略長方形状に形成された踏板20の縁部に沿った形状に形成され、かつ、踏板20が振動可能な大きさに形成されている。
【0018】
この筐体10は、左右両面10c、10dの下方側に、前後方向に長尺な握部13aを有するハンドル13を備えている。
この筐体10の下面10bには、図2に示すように、防振用のゴムからなる円盤状に形成された脚部14が5つ取り付けられている。この脚部14は、軸方向に垂直な一方の面が下面10bに接触するように取り付けられ、下面10bの中央と、4隅にそれぞれ取り付けられている。
【0019】
また、この筐体10の下面10bには、前方側に取り付けられた各脚部14の後方側で固定され、下面10bに固定されたとき、左側のものは下面10bの左辺から、右側のものは下面10bの右辺からそれぞれ左右方向に延設された部位を有する支持棒固定部15が設けられている。この支持棒固定部15には、下面10bから突設された部分に後述する支持棒を固定する固定用孔部15aが形成されている。
【0020】
次に、踏板20は、図1に示すように、略長方形状に形成されており、筐体10の踏板孔部12に配置したときに、前方側及び後方側に長尺な辺が位置するように配置される。
この踏板20の上方側を向く上面の右側には、右足を乗せる右乗部21aが画定され、左側には、左足を乗せる左乗部21bが画定されている。
【0021】
また、右乗部21a及び左乗部21bの前後方向中央には、踏板20の上面から上方に突設されたスイッチ22a,22bがそれぞれ設けられている。
このスイッチ22a,22bは、踏板20の上面に対し、出没可能に構成されている。
【0022】
さらに、図1中の拡大図で示したように、踏板20の縁部は、下方から上方に向かうにつれて、踏板20の板面の中央側に向かって傾斜した傾斜部29が形成されている。
この傾斜部29が形成されていることで、本実施形態では、踏板20が揺動したときに、踏板孔部12に指が入り、踏板12と筐体10との間に指が挟まれることが防止される。
2.健康器具1の内部構成
次に、本実施形態の健康器具1の内部構成について説明する。
【0023】
ここで、図3は、健康器具1の平面図、図4は、図3のA−A’断面図、図5はB−B’断面図、図6はC−C’断面図である。また、図7は、健康器具1の振動装置30の模式図、図8は、振動装置30で発生した駆動力をシャフトから踏板20まで駆動力を伝える伝達系の模式図である。
2.1.踏板20を揺動可能に支持する構成
本実施形態の健康器具1は、図4に示すように、筐体10内に、踏板20の右乗部21aと、左乗部21bとの中間位置の下方に、二等辺三角形の頂点が位置するように配置された支持部16が、筐体10の内部の下面から立設されている。
【0024】
一方、踏板20の下面には、右乗部21aと左乗部21bとの中間位置に、三角形状に形成された連結部23が設けられている。
そして、本実施形態の健康器具1では、踏板20の右乗部21a、及び、左乗部21bが交互に上下に移動するように、連結部23が支持部16に対し回動可能に連結されることによって、踏板20が筐体10に対し揺動可能に取り付けられている。
2.2.振動装置30
次に、本実施形態の健康器具1は、筐体10の内部に、振動装置30を備えている。
【0025】
この振動装置30は、図5に示すように、モータ31と、駆動プーリ32と、主プーリ33と、無端ベルト34と、図6に示すように、一対のシャフト35と、一対の芯フレカム36と、一対の偏心シャフト37と、一対のクランクロッド38とを備えている。
【0026】
このうち主プーリ33は、図4に示すように、踏板20の右乗部21aと左乗部21bとの中間位置の下方であって、踏板20の揺動の中心となる揺動中心線を通る上下方向に沿った面に平行に配置されるように筐体10内で回転可能に固定されている。
【0027】
一方、駆動プーリ32も、主プーリ33の後方側で、主プーリ33と同様に配置されて、モータ31の駆動軸に取り付けられている。
そして、主プーリ33と駆動プーリ32とは、繊維が混入されたポリウレタン製の無端ベルト34で、駆動プーリ32から主プーリ33に駆動力を伝達できるように連結されている。この無端ベルト34は、いわゆるVベルトである。
【0028】
シャフト35は、主プーリ33の回転中心を通り、この主プーリ33を挟んだ両側に配置されて、主プーリ33に対し同軸上に取り付けられている。そしてこれらシャフト35は、主プーリ33から見てそれぞれ反対方向側であって主プーリ33から等距離の位置にそれぞれ設けられ、筐体10の下面に固定された一対の軸受17に回転可能に支持されている。
【0029】
また、一対の芯フレカム36は、各シャフト35の先端に設けられている。
そして、一対の偏心シャフト37は、主プーリ33から見て芯フレカム36よりも遠い側に向かって各芯フレカム36から立設され、一方が他方に対しシャフト35の軸周りに180度異なる方向にそれぞれ偏心して設けられている。この偏心シャフト37が設けられた位置は、踏板20の右乗部21a、左乗部21bのそれぞれ下方であり、主プーリ33から見てそれぞれ反対側の位置であって主プーリ33から等距離の位置である。
【0030】
一対のクランクロッド38は、この偏心シャフト37に対し軸周りに回転可能に取り付けられている。また、各偏心シャフト37の上方に位置する踏板20の下面には、それぞれ支持部24が設けられており、このクランクロッド38は、各支持部24に対しても、偏心シャフト37と平行な軸周りに回転可能に取り付けられている。
【0031】
このように構成された振動装置30では、図7に示すように、モータ31が回転し、駆動プーリ32が回転すると、無端ベルト34を介して主プーリ33に駆動力が伝達され、主プーリ33が回転する。そして、主プーリ33が回転すると、シャフト35及び芯フレカム36も回転して、主プーリ33から芯フレカム36に駆動力が伝達され、各偏心シャフト37がシャフト35の軸周りに回転する。
【0032】
そして、本実施形態では、このように各偏シャフト37がシャフト35の軸周りに回転すると、図8に示すように、各クランクロッド38が交互に上下し、このクランクロッド38が交互に上下する上下運動が、支持部24を介して踏板20に伝達され、踏板20が揺動する。
2.3.スイッチ22a、22b
次に、本実施形態の健康器具1が備えているスイッチ22a、22bについて説明する。
【0033】
スイッチ22a、22bは、図4に示すように、踏板20の右乗部21aと左乗部21bに設けられた各スイッチ孔220に対し、各スイッチ孔220内を上下方向に移動可能に取り付けられている。
【0034】
また筐体10は、各スイッチ22a、22bを付勢する一対のバネ390を備えており、このバネ390は、各スイッチ22a,22bを上方に向かって付勢している。
さらに、筐体10は、各スイッチ22a,22bが押下されたか否かを検出する後述するスイッチセンサ53を備えている。
3.制御装置5
次に、本実施形態の健康器具1の制御装置5について説明する。
【0035】
ここで、図9は、制御装置5及びリモコン6のブロック図である。
この制御装置5は、図9に示すように、中央制御部50と、モータ制御部51と、主プーリ回転数検出センサ52と、スイッチセンサ53と、リモコン受信部54とを備えている。
【0036】
またリモコン6は、低速運転スイッチ60と、高速運転スイッチ61と、スタートスイッチ62、ストップスイッチ63とを備えている。
このうち中央制御部50は、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータ装置で、後述する各種処理を実行する。
【0037】
モータ制御部51は、図示しない電源からモータ31に供給する電力を調整する装置で、中央制御部50からの指示によって、この電力を制御する。
主プーリ回転数検出センサ52は、主プーリ33の回転数を検出するセンサで、検出結果を中央制御部50に送信する。
【0038】
スイッチセンサ53は、スイッチ22a,22bが押下されているか否かを検出するセンサで、これらスイッチ22a,22bが押下されているか否かを中央制御部50に送信する。
【0039】
リモコン受信部54は、リモコン6から送信される操作信号を受信するもので、その操作信号を中央制御部50に送信する。
リモコン6は、低速運転スイッチ60が押下されたら、低速運転をするよう指示する操作信号を無線で送信し、高速運転スイッチ61が押下されたら、高速運転をするよう指示する操作信号を無線で送信する。また、スタートスイッチ62が押下されたら、運転開始を指示する信号を無線で送信し、ストップスイッチ63が押下されたら、運転停止を指示する信号を無線で送信する。
【0040】
制御装置5は、このリモコン6から送信される信号をリモコン受信部54で受信し、この受信した信号に基づいて、後述する運転処理1a等を実行する。
4.運転処理
次に、本実施形態の中央制御部50で実行される運転処理について説明する。
【0041】
ここで、図10は、運転処理1aのフローチャートである。
この運転処理1aは、筐体10に備えられた図示しない電源スイッチがオンされ、かつ、リモコン6のスタートスイッチ62が押下されてから、ストップスイッチ63が押下されるまで実行される処理である。
【0042】
運転処理1aでは、まず、低速運転スイッチ60か、高速運転スイッチ61のいずれかが押下されたか否かを判定する(S10)。
この判定(S10)で、いずれのスイッチも押下されていないと判定されたときは(S10:NO)は待機する。
【0043】
一方、低速運転スイッチ60が押下されていると判定されたときは(S10:低速)、1秒間に10往復する速度で踏板20が揺動するよう主プーリ33を回転させるため、その回転に必要な電力がモータ31に供給されるよう設定する処理がモータ制御部51に対して実行される(S12)。
【0044】
このS12の処理が終了すると、モータ制御部51からモータ31に電力が直ちに供給されて低速運転が開始される(S14)。
続いて、S14の処理が開始され、踏板20が揺動を開始すると、S12で設定された速度で、踏板20が揺動しているか監視する処理が、主プーリ33の回転数を主プーリ回転数検出センサ52で検出することによって監視することによって実行される(S16)。
【0045】
そして、このS16で、S12で設定された速度よりも、踏板20が揺動する速度が遅い(早い)とき(S16:YES)は、S12で設定された速度で踏板20が揺動するよう、モータ31に供給する電力を調整する調整処理(S18)が実行される。その後再びS16が実行され、S12で設定された速度で踏板20が揺動するまで、S16〜S18の処理が繰り返される。
【0046】
このようにすると、踏板20に乗った人の体重が重いため、踏板20がS12で設定された速度で揺動しないような場合でも、S16〜S18の処理を実行することで、踏板20に乗った人の体重によらず、踏板20は一定の速度で揺動する。
【0047】
また、体重が重い人が降りて、踏板20の速度が早くなっても、S16〜S18の処理を実行することで、踏板20は一定の速度で揺動する。
他方、高速運転スイッチ61が押下されていると判定されたときは(S10:高速)、1秒間に18往復する速度で踏板20が揺動するよう主プーリ33を回転させるため、その回転に必要な電力がモータ31に供給されるよう設定する処理がモータ制御部51に対して実行される(S20)。
【0048】
次に、スイッチ22a、22bのいずれもが押下されているか否かを検出する処理が実行され(S22)、押下されていない場合は待機する(S22:NO)。一方、スイッチ22a,22bが押下されていることが検出されたときは、モータ制御部51からモータ31に電力が直ちに供給されて高速運転が開始される(S24)。
【0049】
そして、この高速運転が開始されると(S24)、踏板20が揺動を開始すると、S12で設定された速度で、踏板20が揺動しているか監視する処理が、主プーリ33の回転数を主プーリ回転数検出センサ52で検出することによって監視することによって実行される(S26)。
【0050】
そして、このS26で、S20で設定された速度よりも、踏板20が揺動する速度が遅い(早い)とき(S26:YES)は、S20で設定された速度で踏板20が揺動するよう、モータ31に供給する電力を調整する調整処理(S28)が実行される。
【0051】
その後スイッチ22a、22bが押下されていない状態か否かを検出する処理がスイッチセンサ53を用いて実行され(S30)、押下されていると判定されると(S30:NO)、再びS26以下の処理が実行される。
【0052】
そして、このS30でスイッチ22a,22bが押下されていないと判定されている間は、S12で設定された速度で踏板20が揺動するまで、S26〜S28の処理が繰り返される。
【0053】
このようにすると、踏板20に乗った人の体重が重いため、踏板20がS12で設定された速度で揺動しないような場合でも、S26〜S28の処理を実行することで、踏板20に乗った人の体重によらず、踏板20は一定の速度で揺動する。
【0054】
また、体重が重い人が降りて、踏板20の速度が早くなっても、S26〜S28の処理を実行することで、踏板20は一定の速度で揺動する。
一方、S30でスイッチ22a、22bが押下されていない状態と判定されると(S30:YES)、モータ31への電力の供給を止め、踏板20の揺動を停止する処理が実行され(S30)、再びS22以下の処理が実行される。
【0055】
この運転処理1aでは、高速運転の場合(S20)、人が踏板20に乗るなどして、スイッチ22a,22bが押下されていないと振動を開始せず(S22:YES)、一旦動き出しても、人が踏板20から降りるなどして、スイッチ22a、22bが押下されなくなると(S30:YES)、踏板20の振動が停止する。
【0056】
また、この運転処理1aでは、踏板20に乗った人の体重によらず、踏板20は一定の速度で揺動する。
5.実施形態に係る健康器具1の特徴
本実施形態の健康器具1は、図11に示すように、踏板20の上に立って使用する。
【0057】
そして本実施形態の健康器具1では、高速運転をする場合は、スイッチ22a、22bにより踏板20上に人が乗っていることが検出されていないと(S22:YES)、踏板20が振動しない。そのため、この健康器具1では、踏板20を高速で振動させても、人の重みで健康器具1が動くことが防止される。
【0058】
一方、踏板20から人が降りれば、踏板20の振動が止まるので(S30:YES)、本発明の健康器具1は、踏板20から人が降りても、踏板20の振動によって動くことがない。
【0059】
従って、本実施形態の健康器具1を用いると、踏板20の振動によって動くことがないので、家庭でも利用することができる。
6.その他の実施形態
上記実施形態では、踏板20の上に人が立って使用する例を説明したが、図12(a)に示すように、イスに座った人の両脚を踏板20の上に乗せて使用してもよい。このようにすると足腰の弱い人でも、本実施形態の健康器具1を利用することができる。
【0060】
また図12(b)に示すように、膝を床について、両手を踏板20の上に乗せて使用してもよい。このようにすると、二の腕等を鍛えることができる。
さらに図12(c)に示すように、踏板20上に腰を下ろして使用してもよい。このようにすると、上半身を集中して鍛えることができる。
【0061】
またさらに、図13に示すように、支持棒固定部15に支持棒を取り付けて、使用してもよい。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施形態の健康器具1を表側から見た斜視図である。
【図2】健康器具1を裏側から見た斜視図である。
【図3】健康器具1の平面図である。
【図4】図3のA−A’断面図である。
【図5】図3のB−B’断面図である。
【図6】図3のC−C’断面図である。
【図7】健康器具1の振動装置30の模式図である。
【図8】振動装置30で発生した駆動力をシャフトから踏板20まで駆動力を伝える伝達系の模式図である。
【図9】制御装置5及びリモコン6のブロック図である。
【図10】運転処理1aのフローチャートである。
【図11】本実施形態の健康器具1を利用する様子を示す説明図である。
【図12】本実施形態の健康器具1を利用する様子を示す説明図である。
【図13】本実施形態の健康器具1を利用する様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1…健康器具、1a…運転処理、5…制御装置、6…リモコン、10…筐体、11…飾り部、12…踏板孔部、13…ハンドル、13a…握部、14…脚部、15…支持棒固定部、15a…固定用孔部、16…支持部、17…軸受、20…踏板、21a…右乗部、21b…左乗部、22a,22b…スイッチ、23…連結部、24…支持部、29…傾斜部、30…振動装置、31…モータ、32…駆動プーリ、33…主プーリ、34…無端ベルト、35…シャフト、36…芯フレカム、37…偏心シャフト、38…クランクロッド、50…中央制御部、51…モータ制御部、52…主プーリ回転数検出センサ、53…スイッチセンサ、54…リモコン受信部、60…低速運転スイッチ、61…高速運転スイッチ、62…スタートスイッチ、63…ストップスイッチ、390…バネ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏板20を備え、この踏板20上に乗った人に、前記踏板20から振動を与える健康器具1であって、
右足を乗せる前記踏板20の右乗部21a、及び、左足を乗せる前記踏板20の左乗部21bが交互に上下に移動するように、前記踏板20を振動させる振動手段30と、
前記踏板20上に人が乗っていることを検出する検出手段22a,22bと、
前記検出手段22a,22bにより、踏板20上に人が乗っていることが検出された場合、前記踏板20が振動するように前記振動手段30を駆動させる制御手段5と
を備えることを特徴とする健康器具1。
【請求項2】
請求項1に記載の健康器具1において、
前記検出手段22a,22bは、
前記各乗部21a,21bにそれぞれ設けられ、前記踏板20の板面に対し出没可能な一対のスイッチ22a,22bと、
このスイッチを前記踏板20の板面から出るように付勢する付勢手段390と、
を備え、
前記両スイッチ22a,22bが、前記付勢手段390の付勢力に逆らって前記踏板20の板面に対し没するように押下されたことをもって、前記踏板20上に人が乗っていると検出することを特徴とする健康器具1。
【請求項3】
請求項1,2のいずれかに記載の健康器具1において、
前記踏板20は、一枚の板材からなり、
前記板材の前記右乗部21a及び前記左乗部21bの中間地点を支点に、前記板材をシーソー状に揺動可能に支持する支持部16,23を備えることを特徴とする健康器具1。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の健康器具1において、
前記振動手段が前記踏板を振動させている速度を検出する振動数検出手段52を備え、
前記制御手段5は、
前記振動数検出手段52で検出された速度が予め定められた規定数から外れている場合、前記速度が前記規定数となるように前記振動手段30を駆動させることを特徴とする健康器具1。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の健康器具1において、
前記踏板20の縁部に沿った形状に形成され、かつ、前記踏板20が振動可能な大きさに形成された踏板孔部12が上面に形成された筐体を備え、
前記踏板20の縁部は、下方から上方に向かうにつれて、前記踏板20の板面の中央側に向かって傾斜した傾斜部29が形成されていることを特徴とする健康器具1。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の健康器具1において、
前記制御手段5に無線で、前記振動手段30を駆動させる制御命令信号を送信する無線送信具6を備え、
前記制御手段5は、この無線送信具6から受信した制御命令信号に基づいて前記振動手段30を駆動させることを特徴とする健康器具1。
【請求項1】
踏板20を備え、この踏板20上に乗った人に、前記踏板20から振動を与える健康器具1であって、
右足を乗せる前記踏板20の右乗部21a、及び、左足を乗せる前記踏板20の左乗部21bが交互に上下に移動するように、前記踏板20を振動させる振動手段30と、
前記踏板20上に人が乗っていることを検出する検出手段22a,22bと、
前記検出手段22a,22bにより、踏板20上に人が乗っていることが検出された場合、前記踏板20が振動するように前記振動手段30を駆動させる制御手段5と
を備えることを特徴とする健康器具1。
【請求項2】
請求項1に記載の健康器具1において、
前記検出手段22a,22bは、
前記各乗部21a,21bにそれぞれ設けられ、前記踏板20の板面に対し出没可能な一対のスイッチ22a,22bと、
このスイッチを前記踏板20の板面から出るように付勢する付勢手段390と、
を備え、
前記両スイッチ22a,22bが、前記付勢手段390の付勢力に逆らって前記踏板20の板面に対し没するように押下されたことをもって、前記踏板20上に人が乗っていると検出することを特徴とする健康器具1。
【請求項3】
請求項1,2のいずれかに記載の健康器具1において、
前記踏板20は、一枚の板材からなり、
前記板材の前記右乗部21a及び前記左乗部21bの中間地点を支点に、前記板材をシーソー状に揺動可能に支持する支持部16,23を備えることを特徴とする健康器具1。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の健康器具1において、
前記振動手段が前記踏板を振動させている速度を検出する振動数検出手段52を備え、
前記制御手段5は、
前記振動数検出手段52で検出された速度が予め定められた規定数から外れている場合、前記速度が前記規定数となるように前記振動手段30を駆動させることを特徴とする健康器具1。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の健康器具1において、
前記踏板20の縁部に沿った形状に形成され、かつ、前記踏板20が振動可能な大きさに形成された踏板孔部12が上面に形成された筐体を備え、
前記踏板20の縁部は、下方から上方に向かうにつれて、前記踏板20の板面の中央側に向かって傾斜した傾斜部29が形成されていることを特徴とする健康器具1。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の健康器具1において、
前記制御手段5に無線で、前記振動手段30を駆動させる制御命令信号を送信する無線送信具6を備え、
前記制御手段5は、この無線送信具6から受信した制御命令信号に基づいて前記振動手段30を駆動させることを特徴とする健康器具1。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−229184(P2008−229184A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−75490(P2007−75490)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(596030634)株式会社ドリーム (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(596030634)株式会社ドリーム (5)
【Fターム(参考)】
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