説明

健康椅子

【課題】股関節を容易に柔軟にできる健康椅子を提供する。
【解決手段】健康椅子10は、使用者が座るための着座部20と、使用者が背をもたれるための背凭れ部30と、使用者が頭をもたれるためのヘッドレスト部32とを備えている。また、健康椅子10には、使用者が脚を乗せる一対の脚置き部40,50が備えられている。着座部20や一対の脚置き部40,50は、矩形の基台14の上に載置されている。着座部20は、直方体状のものであり、その内部に組み込まれた周知のエアーシリンダ20aを駆動させることにより上下動する。上に移動したときの最高高さは基台14から約50cmであり、最低高さは基台14から約35cmである。なお、ここでいう、高さは、基台14の上面からの高さをいう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、股関節を軟らかくするための健康椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体を鍛えるために種々の健康器具が販売されているが、股関節を軟らかくする器具は知られていない。股関節を柔軟にすることは健康に良いだけでなく、全てのスポーツに欠かせない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
股関節を柔軟にする運動としては、股割などの厳しいトレーニングが知られているが、このようなトレーニングを行うことは、一般の人には適さず無理であり、特に高齢者には適さない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、股関節を容易に柔軟にできる健康椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の健康椅子は、
(1)使用者が座る着座部と、
(2)この使用者が脚を乗せる一対の脚置き部と、
(3)これら着座部及び一対の脚置き部を同時に上下動させる上下動機構と、
(4)前記一対の脚置き部を左右に移動させてその間隔を変える変更機構とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】
また、
(5)前記着座部は、その前面に、前記一対の脚置部を上下に案内すると共に左右に案内するためのガイド溝が形成されているものであってもよい。
【0007】
さらに、
(6)前記一対の脚置部は、その後面に、前記ガイド溝に嵌まり込むガイドボールが固定されているものであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、身長に合わせて椅子の高さを調整でき、さらに、股関節の柔軟さに合わせて脚置台の幅を変えられるので、どのような人であっても、簡単に股関節を柔軟にするトレーニングができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は、本発明の健康椅子の一実施例を正面から見た正面図であり、(b)は、ガイド溝とガイドボールを横から見た透視図であり、(c)は、ガイド溝を説明するための説明図である。
【図2】図1(a)の状態の健康椅子に人が座っている様子を示す正面図である。
【図3】一対の脚置き部の幅が最小の幅(約20cm)のときの健康椅子を示す正面図である。
【図4】図3の状態の健康椅子に人が座っている様子を示す正面図である。
【図5】一対の脚置き部の幅が最大の幅(約50cm)のときの健康椅子を示す正面図である。
【図6】図5の状態の健康椅子に人が座っている様子を示す正面図である。
【図7】一対の脚置き部の幅を固定しておくための固定具を示す拡大図であり、(a)は、一対の脚置き部がほぼ中間の位置に位置するときの固定具の状態を示し、(b)は、一対の脚置き部の幅が最も狭い位置に位置するときの固定具の状態を示し、(c)は、一対の脚置き部が最も広い位置に位置するときの固定具の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、幅を変化できる椅子に実現された。
【実施例1】
【0011】
図1と図2を参照して、本発明の健康椅子の概略構造を説明する。
【0012】
図1(a)は、本発明の健康椅子の一実施例を正面から見た正面図であり、(b)は、ガイド溝とガイドボールを横から見た透視図であり、(c)は、ガイド溝を説明するための説明図である。図2は、図1(a)の状態の健康椅子に人が座っている様子を示す正面図である。
【0013】
健康椅子10は、使用者12が座るための着座部20と、使用者12が背をもたれるための背凭れ部30と、使用者12が頭をもたれるためのヘッドレスト部32とを備えている。また、健康椅子10には、使用者12が脚12aを乗せる一対の脚置き部40,50が備えられている。着座部20や一対の脚置き部40,50は、矩形の基台14の上に載置されている。
【0014】
着座部20は、直方体状のものであり、その内部に組み込まれた周知のエアーシリンダ20aを駆動させることにより上下動する。上に移動したときの最高高さは基台14から約50cmであり、最低高さは基台14から約35cmである。エアーシリンダ20aは、着座部20の側面に配置されたスイッチ(図示せず)をオンにすることにより駆動して着座部20を徐々に上昇させ、使用者12が着座部20に座った状態で上記のスイッチをオンにすることにより着座部20は使用者の体重によって徐々に下降する。なお、ここでいう、高さは、基台14の上面からの高さをいう。
【0015】
一対の脚置き部40,50も、直方体状のものであり、その内部には周知のエアーシリンダ40a,50aが組み込まれており、これらを駆動させることにより上下動する。この駆動は、エアーシリンダ20aの駆動に連動するように構成されており、着座部20の上面20bと一対の脚置き部40,50の上面40b,50bとは常に同一面に位置するようになっている(構成されている)。
【0016】
また、着座部20の前面(一対の脚置き部40,50に向き合う面)には、図1に示すようにガイド溝22が形成されている。このガイド溝22は、一対の脚置き部40,50が上下動する際にこれらを上下に案内する機能と、これらが左右に移動する際にこれらを左右に案内する機能を有する。即ち、一対の脚置き部40,50は、互いの間隔を変えることにより、その幅を狭めたり広げたりすることができる。図1及び図2に示す例は、一対の脚置き部40,50の幅が中間の幅であり、図3及び図4に示す例は、一対の脚置き部40,50の幅が最小の幅(約20cm)であり、図5及び図6に示す例は、一対の脚置き部40,50の幅が最大の幅(約50cm)である。
【0017】
図1(c)を参照して、ガイド溝22について説明する。
【0018】
ガイド溝22は、上記したように着座部20の前面(前側の側面壁)に形成されており、縦に延びる縦ガイド溝22aと、横(左右)に延びる横ガイド溝22bとから構成されている。縦ガイド溝22aは一対の脚置き部40,50をそれぞれ上下方向(矢印A方向)に案内するものであり、横ガイド溝22bは一対の脚置き部40,50をそれぞれ左右方向(矢印B方向)に案内するものである。
【0019】
また、一対の脚置き部40,50の後面(後ろ側の側面壁であり、着座部20の前面に対向する面)には、図1(b)に示すように、ガイド溝22に嵌まり込むガイドボール40cが固定されている。ここでは、脚置き部40のガイドボール40c(40c1〜40c3)のみを示すが、脚置き部50にも同じ物が固定されている。3つのガイドボール40c1〜40c3の間隔は、横ガイド溝22bの間隔と等しい。また、一番高い位置にあるガイドボール40c1が、一番高い位置に形成された横ガイド溝22bに嵌まり込んだときが、脚置き部40の最上位置であり、一番低い位置にあるガイドボール40c3が、一番低い位置に形成された横ガイド溝22bに嵌まり込んだときが、脚置き部40の最低位置である。脚置き部50についても同様である。
【0020】
図1と図7を参照して、一対の脚置き部40,50の幅を変えて固定しておく構造を説明する。
【0021】
図7は、一対の脚置き部の幅を固定しておくための固定具を示す拡大図であり、(a)は、一対の脚置き部40,50がほぼ中間の位置に位置するときの固定具の状態を示し、(b)は、一対の脚置き部40,50の幅が最も狭い位置に位置するときの固定具の状態を示し、(c)は、一対の脚置き部40,50が最も広い位置に位置するときの固定具の状態を示す。
【0022】
固定具60は、円筒状の大径筒62と、円筒状の小径筒64とから構成されている。大径筒62と小径筒64には、周壁に貫通孔62a,64aが形成されており、2つの貫通孔62a,64aが重なった位置でこれらの貫通孔にボルトやピンなどを挿し込むことにより、大径筒62と小径筒64とが矢印B方向に移動しないように固定され、これにより、一対の脚置き部40,50の幅が固定されることとなる。小径筒64の外径は、大径筒62の内部に入り込む程度のものであり、小径筒64が大径筒62の中に入り込む量(長さ)に応じて一対の脚置き部40,50の幅が変わる。大径筒62の右端部は脚置き部50に強く固定されており、小径筒64の左端部は脚置き部40に強く固定されている。なお、小径筒64と大径筒62の配置を逆にしてもよく、この場合も、本発明の範囲に含まれる。
【0023】
着座部20と一対の脚置き部40,50の高さと幅を変えるに際しては、図4に示すように、一対の脚置き部40,50を接触させた状態で着座部20に座った使用者12がエアーシリンダ20aのスイッチ(図示せず)をオンにして着座部20を徐々に上昇させてその使用者12の身長に合った適宜の位置でスイッチをオフにする。これにより、図4に示すように、使用者12が座っている着座部20の高さと一対の脚置き部40,50の高さとがほぼ同一平面上となる。続いて、股関節をストレッチするために、一対の脚置き部40,50を互いに離す。この場合、3つのガイドボール40c1〜40c3が横ガイド溝22bに嵌まり込む位置に対応していれば、一対の脚置き部40,50を互いに離す方向に移動させるだけで、一対の脚置き部40,50はそれぞれ円滑に容易に矢印B方向に移動するが、3つのガイドボール40c1〜40c3が横ガイド溝22bに嵌まり込む位置に対応していなければ、横ガイド溝22bの入口に3つのガイドボール40c1〜40c3が接触するので、3つのガイドボール40c1〜40c3が横ガイド溝22bに円滑に容易に嵌まり込まない。このような場合は、使用者がエアーシリンダ20aのスイッチ(図示せず)を少しの時間だけオンにして一対の脚置き部40,50を移動させることにより3つのガイドボール40c1〜40c3の位置を適宜に変えて、3つのガイドボール40c1〜40c3を横ガイド溝22bに嵌まり込む位置に移動させる。これにより、一対の脚置き部40,50はそれぞれ円滑に容易に矢印B方向に移動するので、一対の脚置き部40,50の間隔を適宜に変えられる。
【0024】
上記のようにして、一対の脚置き部40,50をほぼ中間の位置に位置させたときの状態を示した図が図2と図7(a)であり、一対の脚置き部40,50を最も広い位置に位置させたときの状態を示した図が図6と図7(c)である。このようにして、使用者の身長と股関節の柔らかさに応じて着座部20の高さと一対の脚置き部40,50の高さとを適宜に変更させると共に一対の脚置き部40,50の間隔を適宜に変えることにより一般の人であっても、また、高齢者であっても股関節を容易に柔軟にできる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
身長に合わせて椅子の高さを調整でき、さらに、股関節の柔軟さに合わせて脚置台の幅を変えられるので、どのような人であっても、簡単に股関節を柔軟にするトレーニングができる健康椅子を提供できる。
【符号の説明】
【0026】
10 健康椅子
12 使用者
14 基台
20 着座部
20a,40a,50a エアーシリンダ
22 ガイド溝
30 背凭れ部
32 ヘッドレスト部
40,50 一対の脚置き部
60 固定具
62 大径筒
64小径筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が座る着座部と、この使用者が脚を乗せる一対の脚置き部と、これら着座部及び一対の脚置き部を同時に上下動させる上下動機構と、前記一対の脚置き部を左右に移動させてその間隔を変える変更機構とを備えたことを特徴とする健康椅子。
【請求項2】
前記着座部は、その前面に、前記一対の脚置部を上下に案内すると共に左右に案内するためのガイド溝が形成されているものであることを特徴とする請求項1に記載の健康椅子。
【請求項3】
前記一対の脚置部は、その後面に、前記ガイド溝に嵌まり込むガイドボールが固定されているものであることを特徴とする請求項2に記載の健康椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−254947(P2011−254947A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131060(P2010−131060)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(510160465)
【Fターム(参考)】