説明

健康状態監視方法および健康状態監視システム

健康状態監視方法およびシステムは、共有された音響信号の異なる周波数成分を使って、患者の呼吸数および心拍数を推定する。患者の呼吸数および心拍数を推定するために、共通の音響信号を使うことによって、より経済的で単純な健康状態の監視が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康状態の監視に関するものである。より具体的には、より効率的で簡単な方法により、患者の呼吸数および心拍数を測定する健康状態監視方法および健康状態監視システムに関するものである。本発明は、歩行用の監視への応用において、携帯型のシステムに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
救命救急診療施設や喘息などの慢性の病気を患う患者の移動モニタリングにおいて、呼吸数および心拍数は、患者の健康状態の監視に用いられる重要なパラメータである。従来の健康状態監視システムでは、異なるデータ取得技術を使った、完全に相互に独立して動作するシステムが、これら2つの鍵となるパラメータを推定して出力する。
【0003】
患者の呼吸数の推定には、いくつかの異なるシステムが使われている。いくつかの呼吸数推定システムは、エアフローシステムである。エアフローシステムでは、患者の口を通過する空気の流れを計測する装置を通して患者は呼吸し、その呼吸数は当該空気の流れから推定される。他のシステムでは、患者の容積(volume)、動作、または組織中濃度が計測される。例えば、呼吸器インダクタンスプレチスモグラフィー(respiratory inductance plethysmography;RIP)システムにおいては、患者は第1のインダクタンスバンドを胸部周りに装着し、第2のインダクタンスバンドを腹部周りに装着する。患者が呼吸するたびに胸部および腹部の容積が変化し、コイルのインダクタンスが変わるため、患者の呼吸数はインダクタンスの変化に基づいて推定される。一方、他のシステムは肺音システムである。肺音システムでは、音響変換器が患者の呼吸数を推定する音響信号を生成する。Ayyagariらによる下記の特許文献1(US−2009−0112114A1、“Method and System for Self-Monitoring of Environment-Related Respiratory Ailments”と題された)では、局所的に採集された環境的および生理的なセンサデータおよび患者の背景情報を使って呼吸器の健康状態の情報が生成され、携帯可能なハンドセットが当該情報をリアルタイムに出力するシステムについて述べられている。
【0004】
患者の心拍数の推定に使われるシステムは、患者の呼吸数の推定に使われるものとは異なる。パルス酸素濃度計(pulse oximeter、SpO2)として知られる心拍数推定システムは、光検出を利用する。SpO2システムでは、酸化および脱酸素化ヘモグロビンを計測することによる血中の酸素飽和度に基づいて、患者の心拍数が推定される。他のシステムでは、心電計(electrocardiograph;ECG)に基づいて心拍数が計測される。他のシステムでは、頸動脈パルスまたは他の部位のパルスがカウントされる。気管や胸郭といった身体の各部位で検出された心音を使って、心拍数を推定するシステムもある。
【0005】
患者の呼吸数および心拍数を推定して出力するために、異なるデータ取得技術を使った、完全に相互に独立して動作するシステムに依存すれば、コンポーネントおよびインターフェースコストや、健康状態監視システムの複雑さを上げることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第11/999,569号明細書(2009年4月30日公開)
【発明の概要】
【0007】
本願発明は、基本的な特徴として、身体から取得された共有の音響信号の異なる周波数成分を使って患者の呼吸数および心拍数を推定する、健康状態監視方法およびシステムを提供する。患者の呼吸数および心拍数を推定するために、共通の音響信号を使うことによって、より経済的で単純な健康状態の監視が可能となる。
【0008】
本発明の1つの側面において、健康状態監視システムは、音響変換器と、前記音響変換器と通信可能に結合された信号プロセッサと、前記信号プロセッサと通信可能に結合された出力インターフェースとを備え、前記信号プロセッサは、前記音響変換器によって検出された音響に基づく音響信号を受信し、前記音響信号の第1の周波数成分を使って呼吸数データを生成し、前記音響信号の第2の周波数成分を使って心拍数データを生成し、前記呼吸数データおよび前記心拍数データを前記出力インターフェースへ送信する。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記出力インターフェースは、前記呼吸数データおよび前記心拍数データが表示されるユーザインターフェースを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記第1の周波数成分は、呼吸系列の近似からなる。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記信号プロセッサは、前記音響信号に第1のバンドパスフィルタを適用することによって、前記第1の周波数成分を分離する。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記第1のバンドパスフィルタは、前記音響信号に対して、ハイパスカットオフ周波数100Hz、およびローパスカットオフ周波数900Hzにより適用する。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記信号プロセッサは、前記第1の周波数成分に対する自己相関エンベロープのピーク解析を使って、前記呼吸数を決定する。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記第2の周波数成分は、パルス系列の近似からなる。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記信号プロセッサは、前記音響信号に第2のバンドパスフィルタを適用することによって、前記第2の周波数成分を分離する。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記第2のバンドパスフィルタは、前記音響信号に対して、ローパスカットオフ周波数を100Hzで適用する。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記信号プロセッサは、前記第2の周波数成分に対する自己相関エンベロープのピーク解析を使って、前記心拍数を決定する。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記呼吸数データは平均呼吸数からなり、前記心拍数データは平均心拍数からなる。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記信号プロセッサは、前記呼吸数データおよび前記心拍数データを前記出力インターフェースへ実時間で送信する。
【0020】
本発明の他の側面において、健康状態監視方法は、検出した音響に基づく音響信号を生成するステップと、前記音響信号の第1の周波数成分を使って呼吸数データを生成するステップと、前記音響信号の第2の周波数成分を使って心拍数データを生成するステップと、前記呼吸数データおよび前記心拍数データを出力するステップとを含む。
【0021】
本願発明のこれらおよび他の側面は、以下を端的に表現する図面とあわせて以下の詳細な説明を参照することにより、さらに良く理解されるだろう。添付の請求項によって本発明が定義されることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のいくつかの実施形態における健康状態監視システムを表す。
【図2】本発明のいくつかの実施形態において、呼吸数データを生成する呼吸数ロジックにより実行される健康状態監視方法の各ステップを表す。
【図3】本発明のいくつかの実施形態において、心拍数データを生成する心拍数ロジックにより実行される健康状態監視方法の各ステップを表す。
【図4】生音響信号の一例を表す。
【図5】図4で示した信号にバンドパスフィルタを適用した後の、音響信号の一例を表す。
【図6】図5で示した信号にエンベロープ検出器およびスムージングモジュールを適用した後の、音響信号エンベロープの一例を表す。
【図7】図6で示した信号に自己相関モジュールを適用した後の、音響信号エンベロープの一例を表す。
【図8】図4で示した信号にバンドパスフィルタを適用した後の、音響信号の一例を表す。
【図9】図8で示した信号にエンベロープ検出器およびスムージングモジュールを適用した後の、音響信号エンベロープの一例を表す。
【図10】図9で示した信号に自己相関モジュールを適用した後の、音響信号エンベロープの一例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明のいくつかの実施形態における健康状態監視システムを表す。当該システムは、監視対象となる患者の身体に配置される音響変換器105を含む。変換器105は、前置増幅器110、増幅器115、およびアナログデジタル(A/D)変換器120を含むデータ取得モジュール106と直列に通信可能に結合されている。A/D変換器120は、変換器105から集められ、増幅器110、115によって補正された生音響信号を、信号プロセッサ190へ常に送信する。信号プロセッサ190は、生音響信号の異なる周波数成分を使って呼吸数データおよび心拍数データを常に生成し、当該呼吸数データおよび心拍数データを、信号プロセッサ190と通信可能に結合された出力インターフェース195へ常に送信する。構成110−120はデータ取得モジュール106上に配置されて示され、構成125−170は信号プロセッサ190上に配置されて示されているが、他の実施形態において、図1に示された各構成は、図1に示される、異なる構成とともに配置されてもよいし、単独の構成であってもよい。さらに、配置されていない構成が互いに近接して、または離れて配置されていてもよく、有線または無線接続を介して通信可能に結合されていてもよい。いくつかの実施形態において、信号プロセッサ190および出力インターフェース195は、携帯型の電子機器に配置されている。これらの実施形態においては、当該機器は、例えば患者の被服に(例えばクリップで留められて)密着している、または患者によって持ち運ばれる手持ちの機器である。さらに、いくつかの実施形態においては、呼吸数データおよび心拍数データは、複数の出力インターフェースに出力されてもよい。
【0024】
気管や胸郭といった患者の身体の部位で、変換器105は音響を検出する。変換器105は、肺音のバンドにおいて、高い感度、高い信号ノイズ比、および一般に一定の周波数応答を提供する。いくつかの実施形態において、変換器105は、適当な深さと直径とを有する空気室に格納された、全方向の圧電セラミックのマイクロホンを備える。例えば、部品BL−21785としてノールズアコースティクス(Knowles Acoustics)から市販されているマイクロホンを使用してよい。変換器105は、検出した音響に基づいて、生音響信号をデータ取得モジュール106の前置増幅器110へ、10−200mVの範囲にあるアナログ電圧として出力する。
【0025】
データ取得モジュール106において、前置増幅器110は、変換器105から受信した生音響信号に対してインピーダンス整合を行い、当該生音響信号を増幅する。例えば、プレソナスオーディオエレクトロニクスからボリュームユニット(VU;Volume Unit)メータ付きチューブプレシングルチャネルマイクロホンプレアンプ(TubePre Single Channel Microphone Preamp)として市販されている前置増幅器を使用してよい。
【0026】
増幅器115は、増幅器110から受信した生音響信号を、+/−1Vの範囲へさらに増幅する。
【0027】
A/D変換器120は、増幅器115から受信した生音響信号にA/D変換を行い、解析のために当該生音響信号を信号プロセッサ190へ送信する。
【0028】
信号プロセッサ190は、データ取得モジュール106から受信された当該生音響信号に対して信号処理を実行するための、ソフトウェア実行ファイルを備えたマイクロプロセッサである。信号プロセッサ190において、生音響信号は分割され、当該生音響信号の2つのインスタンスは、それぞれ呼吸数ロジック180および心拍数ロジック185によって処理される。そして、それぞれで平均呼吸数および平均心拍数が生成され、リアルタイムで出力インターフェース195へ送信される。他の実施形態において、信号プロセッサ190の全部または一部の機能は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits;ASIC)のような、カスタム論理において実行されてもよい。
【0029】
呼吸数ロジック180は、バンドパスフィルタ125(第1のバンドパスフィルタ)、エンベロープ検出器130、スムージングモジュール135、自己相関モジュール140、および呼吸数計算器145を含む。本発明のいくつかの実施形態において、呼吸数データを生成するために呼吸数ロジック180によって実行される健康状態監視方法の各ステップは、図2に示される。これを、図4−7を参照して説明する。
【0030】
最初に、生音響信号が、データ取得モジュール106から受信される(205)。図4は、生音響信号の一例を表す。当該生音響信号はノイズが多く、パルス系列は呼吸系列と混ざっている。
【0031】
次に、呼吸系列(respiratory sequence;RS)に近い当該信号の第1の周波数成分を分離するために、バンドパスフィルタ125は、ハイパスカットオフ周波数を100Hzで、およびローパスカットオフ周波数を900Hzで当該音響信号に対して適用する(210)。図5は、結果信号の一例を表す。パルス系列は除去され、ノイズ除去によって呼吸系列がよく現れている。
【0032】
次に、スムーズRSエンベロープを生成するために、エンベロープ検出器130およびスムージングモジュール135がRS音響信号に適用される(215)。スムージングモジュール135は、RS音響信号から追加ノイズを除去し、信号の質を改善する。いくつかの実施形態において、スムージングモジュール135は、800から1200の範囲にあるオーダーのスムーズFIRフィルタ(例えば、1000のオーダーのハニング窓)を、RS音響信号に適用する。図6は、スムーズRSエンベロープの結果の一例を表す。
【0033】
いくつかの実施形態においては、サンプルされたデータ長を短くし、計算資源を節約するために、この時点でダウンサンプラー(図示せず)がより低いサンプリング周期でスムーズRSエンベロープをダウンサンプリングする。
【0034】
次に、データの基本となる周期性を特定するために、自己相関モジュール140が当該スムーズRSエンベロープに適用される(220)。図7は、自己相関スムーズRSエンベロープの結果の一例を表す。時間遅延ゼロで最大のピークがある。両方向に類似の振幅をもつ隣接ピークまでの時間的距離が、複数の周期にまたがる平均呼吸期に対応する。
【0035】
次に、呼吸数計算器145は、自己相関スムーズRSエンベロープのピーク解析を使って平均呼吸期を測定する(225)。当該平均呼吸期は、自己相関スムーズRSエンベロープに含まれる、最も高いピークと正または負の方向にある類似した振幅をもつ次のピークとの間にある、ピークからピークへの時間差分として特定される。図7に示す例では、最も高いピークと、正または負の方向にある類似した振幅をもつ次のピークとの時間差分は、2.958秒である。これは平均呼吸期として特定され、適用される。
【0036】
次に、呼吸数計算器145は、平均呼吸期に基づいて平均呼吸数を測定する(230)。1分ごとの呼吸に対する平均呼吸数は、平均呼吸期によって分割される60である。図7で示した例に戻ると、平均呼吸数は60/2.958、すなわち1分ごとに20.284呼吸である。
【0037】
最後に、信号プロセッサ190は、平均呼吸数を出力インターフェース195に送信する(235)。いくつかの実施形態において、出力インターフェース195は、平均呼吸数データをリアルタイムで患者に提示するためのユーザインターフェースである。いくつかの実施形態において、出力インターフェース195は、呼吸数データをさらに処理する計算システムである。
【0038】
心拍数ロジック185は、バンドパスフィルタ150(第2のバンドパスフィルタ)、エンベロープ検出器155、スムージングモジュール160、自己相関モジュール165、および心拍数計算器170を含む。本発明のいくつかの実施形態において、心拍数データを生成するために心拍数ロジック185によって実行される健康状態監視方法の各ステップが図4に示される。これを、図8−10を参照して説明する。
【0039】
最初に、生音響信号が、データ取得モジュール106から受信される(305)。図4は、生音響信号の一例を表す。当該生音響信号はノイズが多く、パルス系列は呼吸系列と混ざっている。
【0040】
次に、パルス系列(pulse sequence;PS)に近い当該信号の第2の周波数成分を分離するために、バンドパスフィルタ150は、ローパスカットオフ周波数を100Hzで当該音響信号に対して適用する(310)。図8は、結果信号の一例を表す。呼吸系列は除去され、ノイズ除去によってパルス系列がよく現れている。
【0041】
次に、スムーズPSエンベロープを生成するために、エンベロープ検出器155およびスムージングモジュール160がPS音響信号に適用される(315)。スムージングモジュール160は、PS音響信号から追加ノイズを除去し、信号の質を改善する。いくつかの実施形態において、スムージングモジュール160は、800から1200の範囲にあるオーダーのスムーズFIRフィルタ(例えば、1000のオーダーのハニング窓)を、PS音響信号に適用する。図9は、スムーズPSエンベロープの結果の一例を表す。
【0042】
いくつかの実施形態においては、サンプルされたデータ長を短くし、計算資源を節約するために、この時点でダウンサンプラー(図示せず)がより低いサンプリング周期でスムーズPSエンベロープをダウンサンプリングしてもよい。
【0043】
次に、データの基本となる周期性を特定するために、自己相関モジュール165が当該スムーズPSエンベロープに適用される(320)。図10は、自己相関スムーズPSエンベロープの結果の一例を表す。時間遅延ゼロで最大のピークがある。両方向において類似の振幅をもつ隣接ピークまでの時間的距離が、複数の周期にまたがる平均パルス期に対応する。
【0044】
次に、心拍数計算器170は、自己相関スムーズPSエンベロープのピーク解析を使って平均パルス期を測定する(325)。当該平均パルス期は、自己相関スムーズPSエンベロープに含まれる、最も高いピークと正または負の方向にある類似した振幅をもつ次のピークとの間にある、ピークからピークへの時間差分として特定される。図10に示す例では、最も高いピークと、正または負の方向にある類似した振幅をもつ次のピークとの時間差分は、0.6463秒である。これは平均パルス期として特定され、適用される。
【0045】
次に、心拍数計算器170は、平均パルス期に基づいて平均心拍数を測定する(330)。1分ごとの拍に対する平均心拍数は、平均パルス期によって分割される60である。図10で示した例に戻ると、平均心拍数は60/0.6463、すなわち1分ごとに92.836拍である。
【0046】
最後に、信号プロセッサ190は、さらなる処理かつ/または提示のために、平均心拍数を出力インターフェース195に送信する(335)。
【0047】
いくつかの実施形態において、出力インターフェース195はユーザインターフェースである。これらの実施形態では、出力インターフェース195は、直近の平均呼吸数と平均心拍数とを患者に示す液晶ディスプレイ(liquid crystal display;LCD)、または発光ダイオード(light emitting diode;LED)パネルであってよい。現在の平均呼吸数および平均心拍数は共有された音響信号から生成され、ほとんど同時に同じユーザインターフェースへ出力されるため、インターフェースおよび同期の複雑さは回避される。
【0048】
本発明は、その思想または本質的な性質から乖離することなく、他の特定の形態で実施可能であることを当業者は理解するだろう。したがって、本記載は説明されたすべての事項として考慮され、限定的なものではない。本発明の技術的範囲は、添付の請求項のみならず、ここに包含されることが意図された等しい事項の意味および範囲から得られるすべての変形例によって示唆される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響変換器と、
前記音響変換器と通信可能に結合された信号プロセッサと、
前記信号プロセッサと通信可能に結合された出力インターフェースとを備え、
前記信号プロセッサは、
前記音響変換器によって検出された音響に基づく音響信号を受信し、
前記音響信号に第1パスフィルタを適用することにより、前記音響信号の第1の周波数成分を分離し、
前記音響信号に第2パスフィルタを適用することにより、前記音響信号の第2の周波数成分を分離し、
前記第1の周波数成分に第1のエンベロープ検出器および第1のスムージングモジュールを適用することにより、スムーズ呼吸系列エンベロープを生成し、
前記第2の周波数成分に第2のエンベロープ検出器および第2のスムージングモジュールを適用することにより、スムーズパルス系列エンベロープを生成し、
前記スムーズ呼吸系列エンベロープおよび前記スムーズパルス系列エンベロープの自己相関エンベロープのピーク解析を決定し、
前記音響信号の前記第1の周波数成分を使って呼吸数データを生成し、
前記音響信号の前記第2の周波数成分を使って心拍数データを生成し、
前記呼吸数データおよび前記心拍数データを前記出力インターフェースへ送信する
ことを特徴とする健康状態監視システム。
【請求項2】
前記出力インターフェースは、前記呼吸数データおよび前記心拍数データが表示されるユーザインターフェースを含むことを特徴とする請求項1に記載の健康状態監視システム。
【請求項3】
前記第1の周波数成分は、呼吸系列の近似からなることを特徴とする請求項1に記載の健康状態監視システム。
【請求項4】
前記第1パスフィルタは、前記音響信号に対して、ハイパスカットオフ周波数100Hz、およびローパスカットオフ周波数900Hzにより適用することを特徴とする請求項1に記載の健康状態監視システム。
【請求項5】
前記第2の周波数成分は、パルス系列の近似からなることを特徴とする請求項1に記載の健康状態監視システム。
【請求項6】
前記第2パスフィルタは、前記音響信号に対して、ローパスカットオフ周波数を100Hzで適用することを特徴とする請求項1に記載の健康状態監視システム。
【請求項7】
前記呼吸数データは平均呼吸数からなり、前記心拍数データは平均心拍数からなることを特徴とする請求項1に記載の健康状態監視システム。
【請求項8】
前記信号プロセッサは、前記呼吸数データおよび前記心拍数データを前記出力インターフェースへ実時間で送信することを特徴とする請求項1に記載の健康状態監視システム。
【請求項9】
検出した音響に基づく音響信号を生成するステップと、
前記音響信号に第1パスフィルタを適用することにより、前記音響信号の第1の周波数成分を分離するステップと、
前記音響信号に第2パスフィルタを適用することにより、前記音響信号の第2の周波数成分を分離するステップと、
前記第1の周波数成分に第1のエンベロープ検出器および第1のスムージングモジュールを適用することにより、スムーズ呼吸系列エンベロープを生成するステップと、
前記第2の周波数成分に第2のエンベロープ検出器および第2のスムージングモジュールを適用することにより、スムーズパルス系列エンベロープを生成するステップと、
前記スムーズ呼吸系列エンベロープおよび前記スムーズパルス系列エンベロープの自己相関エンベロープのピーク解析を決定するステップと、
前記音響信号の前記第1の周波数成分を使って呼吸数データを生成するステップと、
前記音響信号の前記第2の周波数成分を使って心拍数データを生成するステップと、
前記呼吸数データおよび前記心拍数データを送信するステップとを含むことを特徴とする健康状態監視方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−522537(P2012−522537A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542601(P2011−542601)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/JP2010/054618
【国際公開番号】WO2010/113649
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】