説明

健康疾患管理支援装置及び方法、並びに医用ネットワークシステム

【課題】従来よりも効果的な方法で、患者の日常的な健康疾患管理を継続させるためのモチベーションを維持させる。
【解決手段】データセンタは、患者が実践する健康疾患管理を支援する健康疾患管理支援サービスを提供する。類似データ検索画面51は、データセンタにアクセスした患者のクライアント端末に表示される。類似データ検索画面51には、表示部54に患者が入力した検査データが表示される。クライアント端末は、入力した検査データを検索条件として、その検査データに類似した検査データの検索要求をデータセンタに発行する。データセンタは、検索条件に類似した他の患者の検査データを検査データDBから抽出し、その類似部分以後の経過を含めた経過データをクライアント端末に配信する。経過データが表示領域53に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の健康疾患管理を支援する健康疾患管理支援装置及び方法、並びに医用ネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
糖尿病などの生活習慣病に代表される慢性的な疾患に対する治療や予防は、医師の指導に従った食生活や運動の実践、及び処方された薬剤の適切な服用といった健康や疾患に関する患者の日常的な自己管理(以下、健康疾患管理という)を継続させることが重要である。こうした患者の健康疾患管理を支援することを目的として、患者が自宅から送信する検査データ(血糖値やコレステロールなど)を受信して、検査データを元にした患者の健康状態や病状に関する情報をオンラインで提供するアプリケーションサービスが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に記載の健康疾患管理支援システムでは、蓄積された検査データに基づく統計的な手法を用いて、患者から受信した検査データを分析することにより、患者の現在の健康状態や病状の評価結果(例えば、患者の疾患が回復に向かっているか、悪化しているか、あるいは、健康状態が維持されているかといった患者の健康状態や病状の傾向など)を患者に対して提供する。
【0004】
また、特許文献3に記載の健康疾患管理支援システムでは、検査データと予測データの差異を、患者の現在の健康状態や病状の評価結果として提供する。予測データは、患者が医師の指導に従って健康疾患管理を行えば得られると予測されるデータである。
【0005】
こうしたサービスは、患者による日常的な健康疾患管理を継続するためのモチベーションを維持させるという効果があり、有用である。
【特許文献1】特表2002−512712号公報
【特許文献2】特開2002−132952号公報
【特許文献3】特開2002−183312号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、評価結果の捉え方は患者によって様々であり、良い評価結果を励みにしたり、悪い評価結果を戒めと捉えることにより、モチベーションを維持する患者がいる一方、良い評価結果によって油断して不摂生に陥ってしまう患者や、悪い評価結果で諦めて挫折してしまう患者のように、評価結果を提供する方法ではモチベーションを維持できない患者もいる。そこで、患者の健康疾患管理を継続させるモチベーションを維持させるための、より効果的な方法が模索されていた。
【0007】
本発明は、こうした背景に鑑みてなされたもので、その目的は、従来よりも実効性の高い方法で、患者の日常的な健康疾患管理を継続させるモチベーションを維持させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の健康疾患管理支援装置は、患者が行う健康疾患管理を支援する健康疾患管理支援装置において、前記患者の医療検査結果と病状に関する経過を記録した経過データを患者単位で蓄積するデータ蓄積手段と、前記健康疾患管理を現在行っている対象患者の前記経過と類似し、且つ前記対象患者より前記経過が進んだ他の患者の経過データを前記データ蓄積手段から検索する検索手段と、検索された前記経過データを検索結果として出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
前記検索結果として出力される前記経過データには、前記対象患者の経過と類似する類似部分と、前記類似部分以後の経過が含まれることが好ましい。
【0010】
前記出力手段は、前記検索結果を前記対象患者のクライアント端末へネットワークを通じて配信する配信手段であることが好ましい。
【0011】
前記医療検査結果には、生活習慣病を含む慢性疾患に対して行われる医療検査の結果が含まれることが好ましい。
【0012】
前記経過データには、前記対象患者に対して医師が指導した内容を表す指導データが含まれることが好ましい。
【0013】
前記医療検査結果に基づいて前記対象患者の病状を評価する評価手段と、前記評価手段の評価結果に応じて、前記対象患者に対して診療を促すメッセージを通知する通知手段とを備えたことが好ましい。また、前記メッセージには、診療予約サイトのアドレスが含まれることが好ましい。
【0014】
本発明の健康疾患管理支援方法は、患者が行う健康疾患管理を支援する健康疾患管理支援方法において、前記患者の医療検査結果と病状に関する経過を記録した経過データを患者単位でデータ蓄積手段に蓄積するデータ蓄積ステップと、前記健康疾患管理を現在行っている対象患者の前記経過と類似し、且つ前記対象患者より前記経過が進んだ他の患者の経過データを前記データ蓄積手段から検索する検索ステップと、検索された前記経過データを検索結果として出力する出力ステップとを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の医用ネットワークシステムは、データセンタのコンピュータシステムと、前記コンピュータシステムとネットワークを通じて通信可能に接続され、前記データセンタが提供する健康疾患管理支援サービスを利用する対象患者のクライアント端末とからなる医用ネットワークシステムにおいて、前記コンピュータシステムは、前記患者の医療検査結果と病状に関する経過を記録した経過データを患者単位で蓄積するデータ蓄積手段と、前記健康疾患管理を現在行っている前記対象患者の前記経過と類似し、且つ前記対象患者より前記経過が進んだ他の患者の経過データを前記データ蓄積手段から検索する検索手段と、検索された前記経過データを検索結果として前記クライアント端末に配信する配信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記コンピュータシステムは、前記対象患者のクライアント端末及び前記対象患者が受診した医療施設のクライアント端末を通じて前記対象患者の医療検査結果を取得して、前記データ蓄積手段に格納することが好ましい。
【0017】
前記コンピュータシステムは、さらに、前記対象患者の医療検査結果に基づいて病状を評価する評価手段と、前記評価手段の評価結果に応じて、前記対象患者に対して診療を促すメッセージを通知する通知手段とを備えたことが好ましい。また、前記メッセージには、診療予約サイトのアドレスが含まれることが好ましい。
【0018】
前記コンピュータシステムは、前記対象患者のクライアント端末が前記診療予約サイトにアクセスして送信した前記医療施設宛ての診療予約の申し込み情報を前記医療施設へ配信することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、患者が入力した検査結果の経過に基づいて、その患者の経過と類似する経過を辿った他の患者の経過データを、その後の経過も含めて出力するようにしたから、どのような経過を辿って疾患が回復するのか、あるいは、どのような経過を辿って健康状態が悪化していくのかといった、疾患の治療や予防の帰結を示す具体的な情報を提供することができるので、従来とは別の方法で、健康疾患管理を継続させるためのモチベーションを維持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1に示す医用ネットワークシステム10は、データセンタ11のコンピュータシステムと、このコンピュータシステムと通信ネットワークによって接続された、病院12及び診療所13の各医療施設のコンピュータシステムとからなる。病院12は、例えば、地域における医療施設の中で比較的大規模な医療施設であり、CT(Computed Tomography)装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置など高度な医療検査設備(モダリティ)を保有し、外部の医療施設からの検査依頼を受託する医療検査施設である。診療所13は、そうしたモダリティを持たず、病院12に対して医療検査を委託する比較的小規模な医療施設の例である。病院12は、診療所13からの検査依頼をデータセンタ11経由で受け付けて、医療検査を受託する。
【0021】
データセンタ11のコンピュータシステムは、病院12、診療所13、及び患者14のそれぞれのコンピュータシステムを構成する各クライアント端末16、17、18とWAN(Wide Area Network)19を介して通信可能に接続されており、クライアント端末16、17、18からの要求に応じて、診療予約支援サービスや健康疾患管理支援サービスといったアプリケーションサービスを提供する。患者14は、データセンタ11のアプリケーションサービスを利用する対象患者であり、疾患を患って治療中の罹患者と、疾患を予防中の未罹患者を含む。
【0022】
各クライアント端末16、17、18には、例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)に対応したブラウザ(ソフトウエア)がインストールされており、ブラウザを通じてデータセンタ11のコンピュータシステムと通信を行ってアプリケーションサービスを受ける。
【0023】
診療予約支援サービスは、診療所13から病院12に対する検査委託の予約申し込み情報や、患者14から病院12及び診療所13のそれぞれに対する、検査や診察を含む診療の予約申し込み情報を受け付けて、依頼先の病院12へオンラインで中継するサービスである。
【0024】
診療予約支援サービスでは、診療所13のクライアント端末17や患者14のクライアント端末18に対して、病院12の予約受け付け枠に対応したスケジュールデータを配信し、各クライアント端末17、18から受信した予約申し込み情報を病院12へ配信する。クライアント端末17、18に配信されるスケジュールデータは、クライアント端末17、18において、例えば、カレンダ形式で表示される。診療所13や患者14は、表示されたスケジュールから空き状況を確認して、依頼先の病院12宛の予約申し込み情報を、クライアント端末17、18からデータセンタ11に送信する。データセンタ11は、受信した予約申し込み情報を、病院12のクライアント端末16へ配信する。
【0025】
健康疾患管理支援サービスは、患者14の健康疾患管理を支援するサービスである。
患者14の治療や予防の対象となる疾患は、例えば、糖尿病などの生活習慣病に代表される慢性疾患である。患者14は、例えば、医師によって自宅で携帯検査機器21による健康疾患管理を行うように指導され、自宅で携帯検査機器21による検査を行う。
【0026】
健康疾患管理支援サービスは、携帯検査機器21を使用して患者14が自ら行った検査の検査結果を表す検査データや、患者14が病院12や診療所13において受診した検査結果を表す検査データを、データセンタ11で保管するデータ保管サービスと、複数の患者から収集して蓄積した検査データの中から、患者14の検査結果の経過と類似の経過を辿った他の患者の経過を配信するデータ配信サービスからなる。
【0027】
携帯検査機器21で得られた検査データは、患者14のクライアント端末18を通じてデータセンタ11にアップロードされ、病院12や診療所13において得られた検査データは、それぞれのクライアント端末16、17を通じてデータセンタ11にアップロードされる。
【0028】
検査データは、例えば、血液検査や尿検査などの検体検査や、血圧や脈拍といった生理機能検査に関する検査データである。携帯検査機器21は、血糖値やコレステロールを測定する血液検査、尿糖を測定する尿検査、血圧や脈拍の測定を行うための簡易検査機器である。
【0029】
WAN19は、広域IP(Internet Protocol)ネットワーク、公衆電話網、専用線といった広域通信網である。データセンタ11と、病院12や診療所13のそれぞれとを結ぶWAN19としては、例えば、情報セキュリティと通信コストのバランスを考慮して、通信事業者が提供するIPネットワークやインターネットなどの共有ネットワーク上に専用回線を仮想的に構築するVPN(Virtual Private Network)が使用される。患者14のクライアント端末18とデータセンタ11を結ぶWAN19としては、例えば、インターネットが使用される。
【0030】
データセンタ11のコンピュータシステムは、アプリケーションサーバ22、センタDBサーバ23、ルータ24からなる。ルータ24は、データセンタ11内のLAN(Local Area Network)25とWAN19といった異なるネットワーク間でデータの受け渡しを行う転送機器であり、LAN25と接続するLANポートと、WAN19と接続するWANポートを備えている。アプリケーションサーバ22及びセンタDBサーバ23は、ルータ24のLANポートと接続されている。
【0031】
アプリケーションサーバ22は、クライアント端末16、17、18からのアクセスを受け付けて、診療予約支援サービスや健康疾患管理支援サービスを提供するサーバである。アプリケーションサーバ22内には、診療予約支援サービスを提供するための窓口となる診療予約サイト、及び健康疾患管理支援サービスを提供するための窓口となる健康疾患管理サイトが開設されており、これらの各サイトを通じてクライアント端末16、17、18からのアクセスを受け付ける。
【0032】
センタDBサーバ23は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータをベースに、DB(Data Base)を管理するソフトウエアであるDBMS(Data Base Management System)をインストールすることによって構成される。センタDBサーバ23のストレージユニットには、病院情報DB26、患者基本情報DB27、検査データDB28が構築されている。センタDBサーバ23は、アプリケーションサーバ22からの要求に応じて、各DB26、27、28内のデータの更新、検索、読み出しといった処理を行う。
【0033】
図2に示すように、病院情報DB26には、病院12や診療所13に関する情報が各医療施設単位で格納されている。病院12や診療所13に関する情報には、病院ID、病院名、その病院で開設されている診療科、得意分野(その病院が得意とする診療の分野)といった基本情報が含まれており、検査を受託する病院12については、さらに、予約受付用のスケジュールデータ及び予約申し込み情報が含まれる。アプリケーションサーバ22は、病院情報DB26にアクセスして、スケジュールデータの読み出しや更新、受信した予約申し込み情報の書き込みを行う。
【0034】
図3に示すように、患者基本情報DB27には、健康疾患管理支援サービスを利用する患者14を含む複数の患者の基本情報が患者単位で格納される。患者基本情報には、患者名、生年月日、年齢、性別、身長、登録時の体重といった情報が含まれている。
【0035】
検査データDB28には、健康疾患管理支援サービスを利用する患者毎の検査データファイルが格納される。検査データDB28には、検査データファイルとともに、経過データを構成する、病状データファイル及び指導データファイルが格納される。検査データファイル、病状データファイル及び指導データファイルは、患者IDによって関連付けて格納されている。経過データは、どのような経過を辿って患者が疾患から回復したか、あるいは、どのような経過を辿って健康状態や疾患が悪化していったかといった、患者の疾患の治療やその予防の過程と、その帰結を示す患者毎の具体的な記録である。
【0036】
検査データファイルは、検査データを格納したファイルであり、検査日単位で生成された複数のレコードからなる。各レコードは、複数の検査項目に対応するフィールドを有し、各フィールドには、各検査項目の検査結果である、測定値や判定結果がそれぞれ記録される。1件のレコードには、例えば、血液検査の検査結果である血糖値、中性脂肪及びコレステロールなどの測定値、尿検査の検査結果である尿糖の判定結果(陰性か陽性か)、生理機能検査の検査結果である血圧、さらに、身長と体重から求めた肥満度を表す指標であるBMI(Body Mass Index)など、それぞれの検査項目の検査結果を表す検査データが記録される。検査データファイルには、検査日単位で検査データが記録されるので、各検査日の検査データを時系列に並べて一覧表示すれば、検査結果の経過を把握することができる。
【0037】
病状データファイルは、病状データを格納したファイルであり、病院12や診療所13において患者が診断された病状に関する病状データが記録される。病状データには、例えば、糖尿病の発病、糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症の発症といった情報が記録される。この病状データには、患者が治癒に至ったか、あるいは、死に至ったかといった、治療や予防の帰結を示す情報も含まれる。
【0038】
指導データファイルは、指導データを格納したファイルであり、病院12や診療所13において、患者が医師から受けた食事療法など、医師による患者に対する指導データが記録される。病状データや指導データについても、受診を受けた受診日単位でレコードが生成され、生成されたレコードが各ファイルに順次記録される。病状データファイル及び指導データファイルには、それぞれ受診日単位で病状データや指導データが記録されるため、これらを一覧表示すれば、病状の経過や指導の過程を把握することができる。
【0039】
図4に示すように、アプリケーションサーバ22は、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータをベースに、オペレーティングシステムや、診療予約支援サービスや健康疾患管理支援サービスを提供するための支援プログラム38といったサーバアプリケーションソフトウエアをインストールすることによって構成される。
【0040】
アプリケーションサーバ22は、CPU31、メモリ32、HDD(Hard Disk Drive)33、LANポート34及びコンソール36を備えており、これらはデータバス37を介して接続されている。コンソール36は、ディスプレイと、キーボードやマウスなどの入力デバイスとからなり、アプリケーションサーバ22の管理や設定を行うために用いられる。HDD33には、CPU31が実行するオペレーティングシステムや支援プログラム38などの各種のプログラムが格納される。
【0041】
メモリ32は、CPU31が処理を実行するためのワークメモリである。CPU31は、HDD33に格納されたプログラムをメモリ32へロードして、プログラムに従った処理を実行することにより、アプリケーションサーバ22の各部を統括的に制御する。LANポート34は、LAN25との間で伝送制御を行うネットワークインタフェースである。
【0042】
CPU31は、支援プログラム38を実行することにより、要求受付部31a、格納処理部31b、検索処理部31cとして機能する。
【0043】
図5に示すように、要求受付部31aは、病院12や診療所13のクライアント端末16、17と、患者14のクライアント端末18からのデータの送信要求を受け付けて、クライアント端末16、17、18からアップロードされたデータを受信する。クライアント端末16、17からは、受診した患者14の検査データ、病状データ、指導データがアップロードされる。クライアント端末18からは、患者14が携帯検査機器21を用いて自ら行った検査データがアップロードされる。
【0044】
要求受付部31aは、データがアップロードされると、格納処理部31bにデータ格納処理を指令する。格納処理部31bは、要求受付部31aからの格納指令に基づいて、センタDBサーバ23にアクセスして、格納対象のデータを検査データDB28に格納する。こうして、患者14の検査データ、病状データ及び指導データがデータセンタ11に保管される。
【0045】
また、要求受付部31aは、患者14のクライアント端末18から、患者14自身の検査データを検索条件として受け付けて、その検査結果の経過と類似する経過を辿った、患者14とは別の患者の検査データ(類似データ)の検索要求を受け付ける。要求受付部31aは、検索要求を受け付けると、それに対応する検索処理を検索処理部31cに対して指令する。
【0046】
なお、要求受付部31aが検査データを検索条件として受け付ける方法としては、クライアント端末18からアップロードされ、検査データDB28に未登録の検査データを検索条件として受け付けてもよいし、既に検査データDB28に登録済みの検査データが検索条件として使用される場合には、検査データのアップロードを受けずに、検索条件として使用する検査データの指定情報のみをクライアント端末18から受信して検索条件として受け付けてもよい。
【0047】
検索処理部31cは、要求受付部31aからの検索指令に基づいて、センタDBサーバ23にアクセスして、既に検査データDB28に蓄積済みの検査データの中から、患者14の検査結果の経過と類似する類似データの検索処理を実行する。検索処理では、例えば、検索条件として指定された検査項目について、患者14の検査データと蓄積済みの検査データの比較を行って類似データを検索する。例えば、指定された検査項目が血糖値である場合、血糖値の測定値同士が比較される。
【0048】
検査データの比較方法としては、例えば、検索条件として指定された患者14の検査データに、所定間隔(例えば、1ヶ月間隔)で測定された複数回分の測定値からなるデータ系列が含まれている場合には、他の患者の検査データの中から、患者14の検査データのデータ系列と略同間隔で測定された測定値のデータ系列を抽出して比較対象とする。
【0049】
データ系列の比較方法は、データ系列に基づいて、測定値の経時的な推移を表す直線又は曲線の式を算出し、算出した式同士を比較して類似度を求めたり、データ系列に含まれる個々の測定値同士を比較して、両者の差が基準範囲内か否かによって類似度を求めるといった周知の統計的手法を用いて行われる。
【0050】
また、検査データ内に複数の検査項目が含まれていて、比較すべきデータ系列が複数ある場合(例えば、血糖値、中性脂肪及びコレステロールのそれぞれの検査結果のデータ系列を比較する場合)には、それぞれのデータ系列の比較結果に基づいて類似度を算出して、類似度の合計値が基準値以上の検査データを類似データとして抽出する。例えば、血糖値のデータ系列の類似度と、中性脂肪の類似度の合計が、基準値以上である場合には、その検査データを類似データであると判定する。
【0051】
類似データは、比較されたデータ系列の類似部分だけでなく、類似部分以後の検査結果の経過を表す部分も含めて、検査データDB28から読み出される。検索処理部31cは、読み出した類似データに対応する病状データと指導データを、検査データDB28から読み出して、各データのレコードを、受診日と検査日をキーとして時系列にソートして、検査データ、病状データ及び指導データを統合した経過データを生成する。
【0052】
患者14の検査データと類似部分を有する経過データであっても、類似部分以後の経過が、患者14の検査データと比較して、ある程度進んでいないと経過データとして意味をなさない。つまり、類似部分以後の経過の記録が1日分しかないというように、類似部分の経過の記録が極端に短い場合には、経過データとしての有効性がない。そのため、検索処理部31cは、類似部分を有する経過データの中から、類似部分以後の経過の記録が、所定期間(例えば、1ヶ月、3ヶ月、半年、1又は複数年)以上ある経過データを選別する。
【0053】
また、検索処理部31cは、抽出した類似データの件数が、配信する類似データの件数の上限値として予め定めた規定件数よりも多い場合には、患者基本情報DB27から、検索要求元の患者14の年齢、身長、性別といった情報を絞り込み条件として読み出し、その絞り込み条件に基づいて、検索条件によって抽出した類似データの絞り込みを行う。例えば、患者14が40代の男性である場合には、抽出した類似データの中から、40代の男性の類似データを選別する。
【0054】
こうして類似データを有する経過データの絞り込みを行って、選別した類似データを処理結果として要求受付部31aに受け渡す。なお、本例では、検査データDB28から、検索条件に基づいて類似データを抽出した後、絞り込みを行っているが、絞り込みを行って検索対象範囲を定めた後、類似データの抽出を行ってもよい。
【0055】
また、検索処理部31cは、経過データが複数件ある場合は、そのリストデータを処理結果として要求受付部31aに受け渡す。そして、リストデータの中から指定された経過データの要求を要求受付部31aから受けた場合に、指定された経過データを生成して、要求受付部31aに受け渡す。
【0056】
要求受付部31aは、検索処理部31cから受け取った経過データから、患者ID、患者名及び連絡先といった患者の特定につながる個人情報の削除処理を行って、処理済みの経過データを、検索結果としてクライアント端末18に送信する。
【0057】
図6に示すデータ登録画面41は、クライアント端末18に表示される、検査データ登録用のGUI(Graphical User Interface)の例である。クライアント端末18が、ブラウザを通じてアプリケーションサーバ22の健康疾患管理支援サイトにアクセスして、患者14のユーザIDを入力してログインすると、データ登録画面41を生成するためのWebページが配信される。クライアント端末18は、受信したWebページのソースコードをブラウザで解析してデータ登録画面41を生成して表示する。Webページは、周知のとおり、WWW(World Wide Web)に対応した、XML(Extensible Markup Language)などのマークアップ言語によってソースコードが記述されたページデータである。
【0058】
データ登録画面41には、検査データを入力する入力領域42と、登録済みの検査データを表示する表示領域43が設けられる。入力領域42には、上部に、ログインした患者14の患者IDと患者名が表示され、その下方に、検査データを検査項目毎に入力するための入力部44、検査日を入力する入力ボックス45、入力したデータの送信指示を与えるための送信ボタン46が設けられる。入力部44は、タブ44aによって複数のページが切り替えられるようになっており、検体検査のページには、血糖値、中性脂肪、コレステロールといった項目の測定値を入力する入力ボックス44bが設けられ、別のページには、血圧やBMIの測定値を入力する入力ボックス(図示せず)が設けられる。
【0059】
表示領域43には、データセンタ11に登録済みの検査データを表示する表示部47と、表示部47の下方に、類似データ検索画面51(図7参照)へ移行するための移行ボタン48が設けられている。表示部47には、検査項目毎に検査結果が時系列で表示される。検査データの他に、病状データや指導データが登録されている場合には、それらのデータも受診日に基づいてソートされて表示部47に挿入される。指導データが挿入されている場合には、例えば、詳細ボタン49が表示され、詳細ボタン49をクリックすると、指導データの内容が表示される。
【0060】
図7に示す類似データ検索画面51は、類似データ検索用のGUI(Graphical User Interface)の例であり、データ登録画面41と同様にWebページの形式でアプリケーションサーバ22から配信される。類似データ検索画面51には、類似データを検索するための検索条件を指定する検索条件指定領域52と、検索結果である経過データを表示する経過データ表示領域53が設けられる。
【0061】
検索条件指定領域52には、患者14の登録済みの検査データのうち、検索条件として指定されるデータ系列(比較データ)を表示する比較データ表示部54と、比較範囲や比較項目を指定するための指定ボタン55、56と、検索実行ボタン57と、終了ボタン58からなる。
【0062】
比較データ表示部54は、データ登録画面41の表示部47と同様の形態で、比較データが時系列にソートされて表示される。
【0063】
指定ボタン55は、比較データを指定するためのボタンである。指定ボタン55をクリックすると、例えば、範囲指定ウインドウ(図示せず)が表示される。範囲指定ウインドウでは、比較データとして使用する件数や日付の範囲などを入力して、比較データの範囲指定を行う。件数で指定する場合には、登録済みの検査データのうち、最新の検査日から遡って入力した件数分前の検査データが、検索用の比較データとして指定される。日付で指定する場合には、例えば、入力時点から遡って過去何ヶ月分といった方法や、始期と終期を定めて指定する方法で、比較範囲が指定される。図7では、最新の日付を含めて2件分前の計3件分のデータ系列が比較データとして指定され、指定された比較データが比較データ表示部54に表示された状態を示す。
【0064】
指定ボタン56は、検査データに含まれる複数の検査項目のうち、類似データを検索する際に比較する検査項目(比較項目)を指定するためのボタンである。指定ボタン56をクリックすると、例えば、比較項目指定ウインドウ(図示せず)が表示される。比較項目指定ウインドウには、例えば、血糖値、中性脂肪、コレステロールといった各検査項目に対応するチェックボックスが設けられており、チェックされた検査項目が比較項目として指定される。また、比較項目の指定方法としては、糖尿病、高脂血症、高血圧といった疾患名を入力することにより、その疾患名に応じた検査項目が指定されるようにしてもよい。
【0065】
検索実行ボタン57は、検索の実行を指示するボタンであり、検索実行ボタン57がクリックされると、指定された検索条件の検索要求が発行され、発行された検索要求がクライアント端末18からアプリケーションサーバ22に送信される。終了ボタン58は、類似データの検索を終了するボタンであり、終了ボタン58がクリックされると、データ登録画面41に復帰する。
【0066】
経過データ表示領域53には、類似データとそれに対応する病状データ及び指導データを含む経過データが表示される表示部61と、リスト表示ボタン62とが設けられている。リスト表示ボタン62は、経過データが複数件抽出された場合に、それらのリスト(図示せず)を表示するためのボタンである。リスト内から選択した経過データが表示部61に表示される。データセンタ11から配信される経過データは、患者が特定されないように、個人情報が削除されるため、経過データ表示領域53では、経過データの患者名は匿名や非表示とされる。
【0067】
表示部61は、比較データ表示部54と同様の形態で、検査データ、病状データ、指導データが時系列で表示される。表示部61は、類似部分表示部61aと経過部分表示部61bに分かれており、類似部分表示部61aには、検索条件として指定された比較データと比較されて経過が類似すると判定された類似部分が表示される。経過部分表示部61bには、類似部分表示部61aに表示された類似部分以後の経過を表す経過部分が表示される。本例においては、経過部分表示部61bの病状の表示欄には、糖尿病を発病し、その後、糖尿病の合併症である網膜症を発症したことが表示されている。経過データは、患者14の経過と類似した経過を持つある患者の健康疾患管理の具体的な記録である。経過部分表示部61bに表示される経過部分は、ある患者が辿った経過の事実を示すものであるが、これは、患者14にとっては、現在の検査結果の経過から予測される帰結を示唆するものである。
【0068】
以下、上記構成による作用について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。患者14は、生活習慣病の予防や治療のために、例えば、病院12の診療を受診する。患者14が健康疾患管理支援サービスの利用を希望する場合には、患者14が受診した病院12は、クライアント端末16から、患者14の検査データ、病状データ、指導データを、アプリケーションサーバ22にアップロードする。また、患者14は、医師の指導に従った食生活や運動の実践といった健康疾患管理を行うとともに、携帯検査機器21を使用して検査を行う。携帯検査機器21で得られた検査データは、クライアント端末18からアプリケーションサーバ22にアップロードされる。アプリケーションサーバ22は、受信したデータを患者単位で検査データDB28に格納する。こうした処理を繰り返すことで、検査データDB28に各データが蓄積される。
【0069】
患者14は、自分の検査データと類似の経過を辿った類似データを検索する場合には、クライアント端末18を通じてアプリケーションサーバ22にアクセスして、類似データ検索画面51を表示する。類似データ検索画面51において患者14による検索条件の指定が行われて、検索実行ボタン57がクリックされると、クライアント端末18は、アプリケーションサーバ22に対して、類似データの検索要求を発行する。
【0070】
アプリケーションサーバ22は、要求受付部31aで検索要求を受け付けて、検索処理部31cに検索処理を実行させる。検索処理部31cは、センタDBサーバ23にアクセスして、検査データDB28から類似データを検索し、処理結果を要求受付部31aに返す。要求受付部31aは、抽出された類似データとそれに対応する病状データや指導データを統合した経過データを検索結果としてクライアント端末18に配信する。クライアント端末18では、受信した経過データが類似データ検索画面51に表示される。
【0071】
経過データには、患者14の検査結果と類似する経過を辿った類似部分と、その類似部分以後の経過が含まれるため、類似部分以後の経過が悪い経過(発病や死亡など)であれば、患者14に対して、健康状態や病状に関する危険性を認識させることができ、健康疾患管理を継続するモチベーションが与えることができる。これにより、患者14の健康疾患管理への取り組みが促進される。
【0072】
しかも、経過データは、患者14の検査データの評価結果とは異なり、ある患者の具体的な健康疾患管理の記録であるため、患者14に対して、危険性を具体的に認識させ、患者14の危機感を煽る効果もある。また、経過データを提供する方法は、評価結果を提供する従来の方法とは、患者14に提供される情報の内容が全く異なるので、評価結果ではモチベーションを維持できない患者14に対する効果も期待できる。また、類似部分以後の経過が良い経過であれば、患者14にとって励みにもなる。
【0073】
また、経過データ表示領域53には、類似部分以後の経過だけでなく、類似部分についても表示されるので、患者14は、自分の検査結果の経過との比較を容易に行うことができる。また、類似部分を表示することで、類似部分以後の経過の信憑性も増すので、患者14に与える心理的な効果も大きい。
【0074】
また、経過データには、指導データも含まれているので、患者14が自分の指導内容と、他の患者の指導内容を比較して、自分の健康疾患管理の点検や見直しを行うといったことも可能である。
【0075】
上記実施形態では、経過データ表示領域に、類似部分と類似部分以後の経過の両方を表示する例で説明したが、類似部分以後の経過だけを表示してもよい。
【0076】
上記実施形態では、対象患者の検査データに類似する類似データを含む他の患者の経過データを配信する例で説明したが、経過データの配信に加えて、アプリケーションサーバ22が対象患者の検査データを分析して検査結果の評価を行い、その評価結果を配信してもよい。検査結果の評価は、例えば、アプリケーションサーバ22のCPU31が、患者14の検査データに基づいて検索された他の患者の経過データに病状が記録されているか否かを調べて、病状が記録されている場合には、予測される疾患があると判定する。本例のように、経過データ内の病状の記録の有無で評価する方法によれば、複雑な統計的手法を用いることなく、簡単に検査データの評価を行うことができる。
【0077】
検査データの評価方法については、本例以外の方法として、例えば、特許文献1、2に記載された手法と同様の統計的な手法を用いてもよい。こうした統計的な手法では、検査データが異常値を示しているか否か、検査データが所定期間毎の目標の検査結果に達しているか否かといった複雑な判定を行うことができる。
【0078】
また、図9に示すように、検査データを評価して、未罹患者に関して発病の危険性がある、あるいは、治療中の罹患者の疾患の病状が悪化傾向にあるというように、検査結果に問題が有ると判定された場合に、診療の受診を促すメッセージを配信してもよい。メッセージは、例えば、要求受付部31aが検査データを受信したときに、検査データの送信元のクライアント端末18に向けて通知し、データ登録画面41などに表示される。もちろん、患者基本情報DB27から送信元のメールアドレスを読み出して、そのメールアドレス宛にメール形式でメッセージを通知してもよい。
【0079】
メッセージには、例えば、図10に示すメッセージ63のように、検査結果の評価結果、検査結果の経過が良くないため早急に受診すべきこと、診療予約サイトのアドレスや診療受付枠の空き状況といった内容が含まれる。アプリケーションサーバ22は、診療予約サービスも提供するので、診療予約サイトのアドレスは、例えば、アプリケーションサーバ22内の診療予約サイトのアドレスが使用される。また、診療受付枠の空き状況は、アプリケーションサーバ22がセンタDBサーバ23にアクセスして、病院情報DB26内のスケジュールデータから取得する。
【0080】
なお、診療予約サイトのアドレスとしては、データセンタ11内の診療予約サイトのアドレスを紹介する代わりに、病院12や診療所13のそれぞれが開設する予約サイトのアドレスを紹介してもよい。
【0081】
また、検査データの評価に基づいて、予測される疾患がある場合には、その疾患に応じた適切な病院12を、メッセージ63を通じて紹介するようにしてもよい。この場合、アプリケーションサーバ22のCPU31は、病院情報DB26内の基本情報を調べて、基本情報に含まれる得意分野と予測される疾患名とを照合して、得意分野と疾患名とが一致する病院12を抽出する。そして、抽出した病院12の名称とその予約空き状況を、メッセージ63を通じて配信する。
【0082】
上記実施形態では、生活習慣病を疾患の例として説明したが、生活習慣病以外の疾患の検査データにも適用可能である。
【0083】
上記実施形態では、データセンタが健康疾患管理支援サービスを提供する例で説明したが、健康疾患管理支援サービスを病院や診療所が提供してもよい。その場合には、アプリケーションサーバなど健康疾患管理支援サービスを提供するコンピュータシステムを病院や診療所のコンピュータシステムによって構成する。
【0084】
また、病院や診療所のコンピュータシステムで、本発明の健康疾患管理支援装置を実現する場合には、ネットワーク経由で経過データを配信するオンラインサービスの形態でなくてもよい。例えば、病院や診療所の待合室などに健康疾患管理支援装置を構成する端末装置を配置し、この端末装置によって患者が持ち込んだ記憶メディアから検査データを読み込み、端末装置のディスプレイに検索結果を出力するといったサービス形態でもよい。
【0085】
上記実施形態では、本発明の健康疾患管理支援装置を、アプリケーションサーバとセンタDBサーバからなるコンピュータシステムで実現した例で説明したが、健康疾患管理支援装置は、1つのサーバで実現してもよいし、3台以上のサーバで実現するなどコンピュータシステムの構成は適宜変更が可能である。また、データセンタのコンピュータシステムが、病院のコンピュータシステムにWAN経由でリアルタイムのオンラインアクセスが可能ならば、病院のコンピュータシステムに構築した検査データDBと、データセンタのアプリケーションサーバとから健康疾患管理支援装置を構成するというように、健康疾患管理支援装置の一部をネットワーク上に分散させて配置してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、本発明の医用ネットワークシステムを、医療施設のコンピュータシステムと、データセンタのコンピュータシステムとからなる形態で説明したが、本発明の医用ネットワークシステムは、様々な形態に応用することが可能である。例えば、1つの病院に複数の拠点があり、それぞれの拠点の複数のコンピュータシステムをネットワークで接続した医用ネットワークシステムとしてもよい。また、複数の病院のそれぞれのコンピュータシステムをネットワークで接続した医用ネットワークシステムでもよい。この場合、いずれかの病院がデータセンタとなりホスト的な役割を担う。上記いずれの場合でも、各コンピュータシステム間を接続するネットワークはWANでもLANでもよい。
【0087】
なお、上記実施形態で示したとおり、本発明は、プログラムの形態、さらにはプログラムを記憶する記憶媒体にも及ぶことはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】医用ネットワークシステムの概略を示す構成図である。
【図2】病院情報DBの説明図である。
【図3】患者基本情報DB、検査データDBの説明図である。
【図4】アプリケーションサーバの概略構成図である。
【図5】データ格納処理及びデータ検索処理の説明図である。
【図6】データ登録画面の説明図である。
【図7】類似データ検索画面の説明図である。
【図8】健康疾患管理支援サービスの流れを示すフローチャートである。
【図9】検査結果を評価してメッセージを通知する場合のフローチャートである。
【図10】メッセージの内容の説明図である。
【符号の説明】
【0089】
10 医用ネットワークシステム
11 データセンタ
12 病院
13 診療所
14 患者
16 クライアント端末(病院)
17 クライアント端末(診療所)
18 クライアント端末(患者)
19 WAN
22 アプリケーションサーバ
23 センタDBサーバ
26 病院情報DB
27 患者基本情報DB
28 検査データDB
31 CPU
31a 要求受付部
31b 格納処理部
31c 検索処理部
38 支援プログラム
41 データ登録画面
51 類似データ検索画面
61 メッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者が行う健康疾患管理を支援する健康疾患管理支援装置において、
前記患者の医療検査結果と病状に関する経過を記録した経過データを患者単位で蓄積するデータ蓄積手段と、
前記健康疾患管理を現在行っている対象患者の前記経過と類似し、且つ前記対象患者より前記経過が進んだ他の患者の経過データを前記データ蓄積手段から検索する検索手段と、
検索された前記経過データを検索結果として出力する出力手段とを備えたことを特徴とする健康疾患管理支援装置。
【請求項2】
前記検索結果として出力される前記経過データには、前記対象患者の経過と類似する類似部分と、前記類似部分以後の経過が含まれることを特徴とする請求項1記載の健康疾患管理支援装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記検索結果を前記対象患者のクライアント端末へネットワークを通じて配信する配信手段であることを特徴とする請求項1又は2記載の健康疾患管理支援装置。
【請求項4】
前記医療検査結果には、生活習慣病を含む慢性疾患に対して行われる医療検査の結果が含まれることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の健康疾患管理支援装置。
【請求項5】
前記経過データには、前記対象患者に対して医師が指導した内容を表す指導データが含まれることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の健康疾患管理支援装置。
【請求項6】
前記医療検査結果に基づいて、前記対象患者の病状を評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に応じて、前記対象患者に対して診療を促すメッセージを通知する通知手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の健康疾患管理支援装置。
【請求項7】
前記メッセージには、診療予約サイトのアドレスが含まれることを特徴とする請求項6記載の健康疾患管理支援装置。
【請求項8】
患者が行う健康疾患管理を支援する健康疾患管理支援方法において、
前記患者の医療検査結果と病状に関する経過を記録した経過データを患者単位でデータ蓄積手段に蓄積するデータ蓄積ステップと、
前記健康疾患管理を現在行っている対象患者の前記経過と類似し、且つ前記対象患者より前記経過が進んだ他の患者の経過データを前記データ蓄積手段から検索する検索ステップと、
検索された前記経過データを検索結果として出力する出力ステップとを備えたことを特徴とする健康疾患管理支援方法。
【請求項9】
データセンタのコンピュータシステムと、前記コンピュータシステムとネットワークを通じて通信可能に接続され、前記データセンタが提供する健康疾患管理支援サービスを利用する対象患者のクライアント端末とからなる医用ネットワークシステムにおいて、
前記コンピュータシステムは、
前記患者の医療検査結果と病状に関する経過を記録した経過データを患者単位で蓄積するデータ蓄積手段と、
前記健康疾患管理を現在行っている前記対象患者の前記経過と類似し、且つ前記対象患者より前記経過が進んだ他の患者の経過データを前記データ蓄積手段から検索する検索手段と、
検索された前記経過データを検索結果として前記クライアント端末に配信する配信手段と、を備えたことを特徴とする医用ネットワークシステム。
【請求項10】
前記コンピュータシステムは、前記対象患者のクライアント端末及び前記対象患者が受診した医療施設のクライアント端末を通じて前記対象患者の医療検査結果を取得して、前記データ蓄積手段に格納することを特徴とする請求項9記載の医用ネットワークシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムは、さらに、前記対象患者の医療検査結果に基づいて病状を評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果に応じて、前記対象患者に対して診療を促すメッセージを通知する通知手段とを備えたことを特徴とする請求項10記載の医用ネットワークシステム。
【請求項12】
前記メッセージには、診療予約サイトのアドレスが含まれることを特徴とする請求項11記載の医用ネットワークシステム。
【請求項13】
前記コンピュータシステムは、前記対象患者のクライアント端末が前記診療予約サイトにアクセスして送信した前記医療施設宛ての診療予約の申し込み情報を前記医療施設へ配信することを特徴とする請求項12記載の医用ネットワークシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−205456(P2009−205456A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47248(P2008−47248)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】