健康管理支援装置、健康管理支援方法、及びコンピュータープログラム
【課題】効率よく健康体を保つ管理支援方法を可能とする健康管理支援装置、健康管理支援方法、及びコンピュータープログラムを提供する。
【解決手段】健康管理支援装置は、マルチバンド画像取得部12,32,50と、分光推定パラメーター保存部36と、検量処理パラメーター保存部38と、検量処理部18と、診断データベース保存部39と、栄養管理データベース保存部40及び運動データベース保存部42と、ユーザー情報保存部44と、診断データベース保存部39に保存されている診断データを用いて、検量処理部18によって得られた特徴量から被検体Tの評価値を演算し、栄養管理データベース保存部40に保存されている栄養管理データ及び運動データベース保存部42に保存されている運動データを用いて、被検体Tの評価値から運動と運動量を演算する診断部19と、を備える。
【解決手段】健康管理支援装置は、マルチバンド画像取得部12,32,50と、分光推定パラメーター保存部36と、検量処理パラメーター保存部38と、検量処理部18と、診断データベース保存部39と、栄養管理データベース保存部40及び運動データベース保存部42と、ユーザー情報保存部44と、診断データベース保存部39に保存されている診断データを用いて、検量処理部18によって得られた特徴量から被検体Tの評価値を演算し、栄養管理データベース保存部40に保存されている栄養管理データ及び運動データベース保存部42に保存されている運動データを用いて、被検体Tの評価値から運動と運動量を演算する診断部19と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理支援装置、健康管理支援方法、及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活環境の変化に伴い、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が問題になっている。生活習慣病は、忙しい生活を送る中で毎日の食事が大切であることが忘れがちとなり、野菜の摂取不足、食塩・脂肪のとり過ぎ等の食生活が要因のひとつと考えられている。そのため、一般に、普段の生活習慣を見直し、適度な運動と、一日に摂取すべき栄養素をしっかりとれる栄養バランスのとれた食事をすることが生活習慣病予防に重要といわれている。
【0003】
従来、予め食事メニューを複数記憶し、個人情報(年齢、性別、身長、体重等)から良好なメニューを提案し、提案されたメニューから食べた物を選択入力してカロリーを特定する。また、各種運動の消費カロリーを予め記憶し、その日の食事メニューとその日の運動量を入力し、合計摂取カロリーから消費カロリーの差分を表示する。更に、超過カロリー分消費のための運動と運動量を表示し、その運動の質はウォーキングからなる健康管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−251871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では登録されている食事メニューからの選択が基本であり、登録されていない食事には対応できない。また、予め登録されたカロリー量なので、食事量(大盛り、多く食べた、食べ残した)のカロリー変動に対応できない。更に、食べた物のカロリーを直接計測していないので、材料や調理方法の差異による変動に対応できない。また更に、その日の管理が基本となるが、スケジュールや体調によって発生する「その日の過不足分」の管理も重要である。また、ウォーキング以外の運動が選択できない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る健康管理支援装置は、被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得するマルチバンド画像取得部と、波長帯域の相違するマルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを保存する分光推定パラメーター保存部と、前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを保存する検量処理パラメーター保存部と、前記分光推定パラメーター保存部に保存されている前記分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する分光推定部と、前記検量処理パラメーター保存部に保存されている前記検量処理パラメーターを用いて、前記分光推定部によって求められた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する検量処理部と、前記被検体の前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを保存する診断データベース保存部と、前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データを保存する栄養管理データベース保存部及び運動データを保存する運動データベース保存部と、前記栄養管理データ及び前記運動データの参照に用いるユーザー情報を保存するユーザー情報保存部と、前記診断データベース保存部に保存されている前記診断データを用いて、前記検量処理部によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算し、前記栄養管理データベース保存部に保存されている前記栄養管理データ及び前記運動データベース保存部に保存されている前記運動データを用いて、前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する診断部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、食品カロリー測定器の機能を活用し、摂取した食事量から基礎代謝を除く超過分を解消する運動と運動量を提案する。カロリー不足の場合は不足分を補う食事量を提案する。また、「〇〇を食べたい!!」ための前後の食事量と適切な運動量を提案することで、食事量(INPUT)と運動量(OUTPUT)との管理が手軽に長続き(継続できる)でき、結果的に効率よく健康体を保つ管理支援方法を可能とする健康管理支援装置を提供する。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載の健康管理支援装置において、前記診断部は、前記健康管理を表示部に出力することを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、健康管理を容易に提示できる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載の健康管理支援装置において、前記マルチバンド画像取得部は、複数の波長帯域の感度で前記被検体の撮影を行うマルチバンドカメラに対して測定帯域を指示することに用いる複数の測定帯域データを保存する測定帯域データ保存部と、前記測定帯域データ保存部に保存されている測定帯域データを前記マルチバンドカメラに送ることによって、前記マルチバンドカメラに測定帯域を指示する測定帯域指示部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、マルチバンドカメラに対して測定帯域を指示することが可能となることから、特定成分に応じた所定帯域を含む複数の波長帯域のマルチバンド画像をより確実に取得できる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載の健康管理支援装置において、前記マルチバンド画像の取得先であるマルチバンドカメラにおける誤差を補正することに用いる補正量を、前記マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれに対して定めた前処理データを保存する前処理データ保存部と、前記マルチバンド画像取得部によって取得したマルチバンド画像を、前記前処理データ保存部に保存されている前処理データに基づいて補正し、補正後のマルチバンド画像を前記分光推定部に送る前処理部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、マルチバンドカメラにおける誤差を、補正することができることから、推定精度をより高められる。
【0015】
[適用例5]本適用例に係る健康管理支援方法は、被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する工程と、波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する工程と、前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算により得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する工程と、前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する工程と、前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、高価な分光器を必要とせずに、マルチバンド画像から被検体の特徴量を高精度に推定できる。
【0017】
[適用例6]本適用例に係るコンピュータープログラムは、被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する機能と、波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する機能と、前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算によって得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する機能と、前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する機能と、前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する機能と、をコンピューターに実現させることを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、高価な分光器を必要とせずに、マルチバンド画像から被検体の特徴量を高精度に推定できる。
【0019】
更に、本発明は、前記適用例1ないし6以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、適用例1ないし4に記載の健康管理支援装置をマルチバンドカメラと共に備えた健康管理支援システムの形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例に係る健康管理支援システムの構成を概略的に示す説明図。
【図2】本実施例に係る健康管理支援システムを示すフローチャート。
【図3】本実施例に係る初期画面における画面遷移を示す図。
【図4】本実施例に係る判定画面における画面遷移を示す図。
【図5】本実施例に係る判定記録画面及び繰越確認画面における画面遷移を示す図。
【図6】本実施例に係る運動確認画面及び減量確認画面における画面遷移を示す図。
【図7】本実施例に係る身体活動レベルの活動内容を示す表。
【図8】本実施例に係る摂取可能量の判定がOKの流れを示すフローチャート。
【図9】本実施例に係る摂取可能量の判定がNGの流れを示すフローチャート。
【図10】本実施例に係る運動で消費するカロリー一覧を示す表。
【図11】本実施例に係る運動ナビを示すフローチャート。
【図12】本実施例に係る運動ナビの画面を示す図。
【図13】本実施例に係る消費カロリーの高い運動ランキングを示す表。
【図14】本実施例に係る料理の撮影を示すフローチャート。
【図15】本実施例に係るデータベースの生成・保存を示すフローチャート。
【図16】本実施例に係る栄養管理データベースを示す表。
【図17】本実施例に係る運動データベースを示す表。
【図18】本実施例に係る分光画像処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態を実施例に基づいて説明する。本実施例は、被検体である食事の特定成分に関する特徴量を推定し、健康管理を支援するためのものである。
【0022】
A.健康管理支援システムの全体構成:
図1は、本実施例に係る健康管理支援システムの構成を概略的に示す説明図である。図示するように、健康管理支援システム1は、分光画像処理装置100と、マルチバンドカメラ200と、表示装置(表示部)300と、記憶装置400と、を備える。マルチバンドカメラ200、表示装置300、及び記憶装置400は、分光画像処理装置100に電気的に接続されている。
【0023】
マルチバンドカメラ200は、レンズユニット210、波長選択フィルター220、CCD230、CCDAFE(Analog Front End)240、及び光源ユニット250等を備える。レンズユニット210は、被検体Tにフォーカスを合わせるオートフォーカス機構を備えないものであるが、オートフォーカス機構を備えるものとすることもできる。波長選択フィルター220は、透過波長帯域を変更可能なファブリペロー型のフィルターが用いられている。CCD230は、波長選択フィルター220を透過した光を光電変換して被検体T像を表す電気信号を得る撮像デバイスである。CCDAFE240は、CCD230の検出信号をデジタル化するためのものである。光源ユニット250は、被検体Tを照射するためのものである。
【0024】
上記構成のマルチバンドカメラ200では分光画像処理装置100から、複数の測定帯域の指示を波長選択フィルター220で順に受けることで、波長選択フィルター220の透過波長域が順に変更される。こうして、マルチバンドカメラ200は、複数の波長帯域(マルチバンド)の感度で被検体Tの撮影を行う。
【0025】
表示装置300は、画面に情報を表示するための装置である。記憶装置400は、データを記憶するための外部装置であり、例えばハードディスクドライブ装置である。
【0026】
分光画像処理装置100は、マルチバンドカメラ200で撮影して得られたマルチバンド画像を処理することで、被検体Tの鮮度を判定する装置である。分光画像処理装置100は、プログラムを実行することにより種々の処理や制御を行うCPU10と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリー30と、マルチバンドカメラ200から画像データを受取、かつ、表示装置300及び記憶装置400に診断の結果を送る入出力インターフェイス(I/F)50と、を備えている。
【0027】
メモリー30は、測定帯域データ保存部32、前処理データ保存部34、分光推定パラメーター保存部36、検量処理パラメーター保存部38、診断データベース保存部39、栄養管理データベース保存部40、運動データベース保存部42、及びユーザー情報保存部44を有している。各保存部32〜44の詳細については、後ほど詳述する。また、メモリー30は、図示はしないが、健康管理支援用プログラムを格納するプログラム保存部を有している。本実施例では、メモリー30は不揮発性のメモリーである。なお、不揮発性に替えて揮発性のメモリーとして、処理の実行前に必要なデータやパラメーターを外部から受け取って保存する構成としてもよい。
【0028】
CPU10は、メモリー30のプログラム保存部に格納された健康管理支援用プログラムを実行することで、測定帯域指示部12、前処理部14、分光推定部16、検量処理部18、及び診断部19を機能的に実現する。各部12〜19は、対応する保存部32〜44に保存されたデータやパラメーターを用いて各処理を実行する。測定帯域指示部12は、測定帯域データ保存部32に保存されている測定帯域データをマルチバンドカメラ200に送ることによって、マルチバンドカメラ200に測定帯域を指示する。前処理部14は、測定帯域指示部12によって取得したマルチバンド画像を、前処理データ保存部34に保存されている前処理データに基づいて補正し、補正後のマルチバンド画像を分光推定部16に送る。分光推定部16は、分光推定パラメーター保存部36に保存されている分光推定パラメーターを用いて、マルチバンド画像から分光スペクトルを演算する。検量処理部18は、検量処理パラメーター保存部38に保存されている検量処理パラメーターを用いて、分光推定部16によって求められた分光スペクトルから特徴量を演算する。診断部19は、診断データベース保存部39に保存されている診断データベース(診断データ)を用いて、検量処理部18によって得られた特徴量から被検体Tの評価値を演算する。診断部19は、栄養管理データベース保存部40に保存されている栄養管理データ及び運動データベース保存部42に保存されている運動データを用いて、被検体Tの評価値から運動と運動量を演算する。診断部19は、栄養管理データベース(栄養管理データ)の初期値計算及び運動データベース(運動データ)の参照(性別)にユーザー情報を使用する。診断部19は、健康管理を表示装置300に出力する。各処理の結果、CPU10は、マルチバンドカメラ200で得られるマルチバンド画像を取得し、マルチバンド画像から被検体Tの健康管理を支援し、その検索結果を、入出力I/F50を介して表示装置300及び記憶装置400に送信する。この結果、健康管理支援の結果が表示される。
【0029】
なお、分光画像処理装置100は、被検体Tによる健康管理を支援するに際し、被検体Tの特定成分に関する特徴量を推定していることから、特徴量推定装置としても機能する。入出力インターフェイス(I/F)50、メモリー30の測定帯域データ保存部32、及びCPU10で機能する測定帯域指示部12が、適用例1における「マルチバンド画像取得部」に対応している。
【0030】
B.健康管理支援の作業手順:
図2は、本実施例に係る健康管理支援システムを示すフローチャートである。図3は、本実施例に係る初期画面における画面遷移を示す図である。図4は、本実施例に係る判定画面における画面遷移を示す図である。図5は、本実施例に係る判定記録画面及び繰越確認画面における画面遷移を示す図である。図6は、本実施例に係る運動確認画面及び減量確認画面における画面遷移を示す図である。
【0031】
先ず、ステップS100において、CPU10は、一日の必要栄養量(=Z)を算出する。ハリス・ベネディクス式(HBE)(基礎代謝)身体活動レベルから算出する。その際、CPU10はユーザー情報保存部44のユーザー情報データを用いる。
【0032】
基礎代謝(基礎エネルギー消費量:BEE)を算出するための数式としてハリス・ベネディクトの式(HBE)がある。一日の消費エネルギー量は人それぞれ異なり、性別や体重、年齢などの因子により左右される。HBEは、安静状態の健常人が必要とするエネルギー量(kcal/day)を計算するために用いられる数式であり、以下の式で表される。男性:BEE=66.4730+13.7516w+5.0033h−6.7550a、女性:BEE=655.0955+9.5634w+1.8496h−1.8496a (w:体重(kg)、h:身長(cm)、a:年齢(歳))、HBEは、やや煩雑な式であるため、日本人のBEEを算出するために作られた簡易式が存在する。男性:BEE=14.1w+620、女性:BEE=10.8w+620である。
【0033】
必要エネルギー量算出の際のBEEは、生存に最低限必要なエネルギー量である。実際に必要とするエネルギーを算出するためには、活動係数やストレス係数(侵襲因子)と呼ばれる値を乗じて算出する必要がある。また、HBEは、もともと欧米人を対象として作られた計算式であるため、これを日本人にあてはめた場合には実際の値よりもやや高めに算出される可能性がある。
【0034】
本実施形態に係る栄養とは、一日のエネルギー必要量(kcal)=一日の基礎代謝量(kcal)×身体活動レベルである。例えば、年齢が30代で、通勤してデスクワーク中心の仕事をしている人(=身体活動レベルが普通、つまり数値が1.75)ならば一日のエネルギー必要量は、基礎代謝量が1520kcalの男性では、1520(kcal)×1.75=2660(kcal)である。基礎代謝量が1140kcalの女性では、1140(kcal)×1.75=1995kcal)である。
【0035】
図7は、本実施例に係る身体活動レベルの活動内容を示す表である。身体活動レベルは代表値であり、( )内はおよその範囲である。個々の活動の分類(時間/日)の( )内は、activity factor(Af各身体活動における単位時間当たりの強度を示す値、基礎代謝の倍数で表す)(代表値:下限〜上限)である。
【0036】
次に、ステップS110において、CPU10は、朝・昼・夕の区分を読み込む。例えば、CPU10は動作時間や動作回数などから朝・昼・夕の区分を判断してもよい。
【0037】
次に、ステップS120において、CPU10は、繰越し栄養量(Y)を読み込む。繰越し栄養量(=Y)は前日の繰越量である。繰越し栄養量(Y)はプラス量とマイナス量とあり、2回目の食事以降は更新された繰越栄養量(Y´)を読み込む。
【0038】
次に、ステップS130において、CPU10は、朝・昼・夕の取得栄養量平均値(X)を算出する。CPU10は朝・昼・夕の区分より取得栄養量平均値(X)を算出する。
【0039】
次に、ステップS140において、CPU10は、料理を撮影する(詳細はCを参照)。
【0040】
次に、ステップS150において、CPU10は、図3に示す「検量画面」で栄養検量(V)を読み込む。
【0041】
次に、ステップS160において、CPU10は、摂取可能量を判定する。X≦V+Yの場合(ステップS160でOK)、ステップS170へ進む。
【0042】
次に、ステップS170において、CPU10は、図4に示す「判定画面:OK」でグリーンランプを点灯する。そして、ステップS200へ進む。
【0043】
X>V+Yの場合(ステップS160でNG)、ステップS180へ進む。
【0044】
次に、ステップS180において、CPU10は、図4に示す「判定画面:NG」でイエローランプを点灯する。そして、ステップS300へ進む。
【0045】
図8は、本実施例に係る摂取可能量の判定がOKの流れを示すフローチャートである。
先ず、ステップS200において、CPU10は、不足栄養素を補う食事を提案する。CPU10は不足栄養素を補う食事として何をどのくらい摂取しなければならないか提案する。
【0046】
本実施形態では、現在食べた物と、その前後の食事量から運動量を提案する。例えば、過去のデータから三食ごとのカロリー平均値を記録する。
【0047】
本実施形態では、長期的な食事の制限はストレスになるので、食べたい物(目的)から、前後の食事量、運動量を提案する。前後で解消不可な場合は週間単位でコントロールする。例えば、過去のデータから3食ごとのカロリー平均値を記録する。具体的には、昼食にたくさん食べた場合、朝食の実カロリー量、昼食の予想カロリー量、夕食のカロリー平均値から「摂取可能な夕食カロリー量」又は「通常と同じ夕食量の場合は必要な運動量」を提示する。
【0048】
本実施形態では、不足の場合、食事履歴の嗜好から脂質、糖質、及びたんぱく質のバランスを考慮した食事を提案する。例えば食品画像も記録し、カロリー量とともにBlogにアップしてもよい。
【0049】
次に、ステップS210において、CPU10は、摂取の有無を判定する。摂取しない場合(ステップS210でNo)、ステップS220へ進む。摂取する場合(ステップS210でYes)、ステップS230へ進む。
【0050】
次に、ステップS220において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0051】
次に、ステップS230において、CPU10は、栄養検量(R)を読み込む。
【0052】
次に、ステップS240において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y+R)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0053】
次に、ステップS250において、CPU10は、摂取栄養量(朝・昼・夕)V´の取得栄養量平均値(X)を算出する。
【0054】
次に、ステップS260において、CPU10は、繰越栄養量(Y´=V´−X)を算出する。その際、図5に示す「繰越記録画面」のように繰越栄養量を表示してもよい。これにより次の食事は少し多く食べられる嬉しさを感じられる。
【0055】
次に、ステップS270において、CPU10は、図5に示すように一日の栄養量の主力レベル(Z´=Z−V´)を表示する。一日の必要栄養量Zに対する摂取レベルZ´を表示する。例えば棒グラフ等で表示してもよい。本実施形態では、当日清算できなかったカロリーオーバー分は翌日以降に繰り越される。
【0056】
図9は、本実施例に係る摂取可能量の判定がNGの流れを示すフローチャートである。
先ず、ステップS300において、CPU10は、運動の実施の可否を判定する。運動を実施する場合(ステップS300でYes)、ステップS310へ進む。運動を実施しない場合(ステップS300でNo)、ステップS350へ進む。
【0057】
次に、ステップS310において、CPU10は、図4に示す「運動選択画面」のようにお勧め運動量を表示する。CPU10は数種類の候補(運動内容、時間)を表示し、選択させる。
【0058】
次に、ステップS320において、CPU10は、図6に示す「運動確認画面」で実施結果を読み込む。
【0059】
次に、ステップS330において、CPU10は、運動消費カロリー量(U)を算出する。
【0060】
図10は、本実施例に係る運動で消費するカロリー一覧を示す表である。例えば、CPU10は図10に示す運動で消費するカロリーから運動消費カロリー量(U)を算出してもよい。
【0061】
次に、ステップS340において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y−U)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0062】
次に、ステップS350において、CPU10は、減らすか、次の食事で清算するかを判定する。減らす場合(ステップS350で減らす)、ステップS360へ進む。次の食事で清算する場合(ステップS350で清算)、ステップS400へ進む。例えば、たまには、どうしても食べたいものがあったり、たくさん食べたいときがあったりする。
【0063】
次に、ステップS360において、CPU10は、食べてよい分量(X≦V+Y)を表示する。CPU10は撮影した食事画像の何%を目安にするかあるいは数値で表示してもよい。
【0064】
次に、ステップS370において、CPU10は、残料理を撮影する(詳細はCを参照)。
【0065】
次に、ステップS380において、CPU10は、栄養検量(R)を読み込む。
【0066】
次に、ステップS390において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y−R)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0067】
次に、ステップS400において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y)を算出する。そして、ステップS260へ進む。
【0068】
図11は、本実施例に係る運動ナビを示すフローチャートである。図12は、本実施例に係る運動ナビの画面を示す図である。
先ず、ステップS500において、CPU10は、繰越カロリー量を読み込む。
【0069】
次に、ステップS510において、CPU10は、図12に示す「余時間選択画面」で余時間の選択結果を読み込む。例えば1.0Hを読み込む。
【0070】
次に、ステップS520において、CPU10は、図12に示す「お勧め運動量画面」で表示余時間の時間に応じてお勧めの運動量を表示する。CPU10は数種類の候補(運動内容、時間)を表示、選択させる。本実施形態では、入力された余時間から適切な運動を提案する。
【0071】
図13は、本実施例に係る消費カロリーの高い運動ランキングを示す表である。なお、消費カロリーは各運動を1時間行った場合における値である。例えば、CPU10は図13に示す消費カロリーの高い運動ランキングからお勧め運動量を表示してもよい。
【0072】
C.料理の撮影の作業手順:
図14は、本実施例に係る料理の撮影を示すフローチャートである。図示するように、先ず、ステップS600において、CPU10は、料理の撮影に必要となるデータベースを生成、そのデータベースを分光画像処理装置100のメモリー30に保存する。ここでいうデータベースは、分光画像処理装置100における各保存部32〜44(図1参照)に保存される各種データに相当する(詳細はC−1を参照)。
【0073】
次に、ステップS630において、CPU10は、分光画像処理装置100に接続されたマルチバンドカメラ200を用いて、被検体Tを撮影する。マルチバンドカメラ200は、被検体Tに対し光源ユニット250から近赤外光を照射し、その反射光をマルチバンドカメラ200で撮影する。測定波長帯域は、測定帯域指示部12が測定帯域データ保存部32に保存されている測定帯域データを読み出してマルチバンドカメラ200の波長選択フィルター220を制御する。撮影用の照明はカロリーを求めるのに必要なショ糖、脂質、蛋白質、及び水分の吸収があり、試料の比較的深部まで光が到達する近赤外光(600〜2500nm)が好ましい。なお、光源ユニット250は必ずしもマルチバンドカメラ200に含まれなくてもよい。また、ステップS600のデータベースの生成・保存において検量/診断対象に合わせた測定帯域データを生成しておけば、ステップS630の食事画像の撮影の処理は検量/診断対象によらず、共通の処理を用いることができる。
【0074】
次に、ステップS640において、CPU10は、分光画像処理装置100に接続される、マルチバンドカメラ200から出力されるマルチバンド画像から、各画素の分光スペクトル・特徴量を推定し、料理のカロリーを求めるのに必要な糖質、脂質、蛋白質及び水分の量/分布(診断結果)を求める(詳細はC−2を参照)。
【0075】
次に、ステップS660において、CPU10は、分光画像処理装置100に接続された表示装置300に特徴量及び診断結果を表示する。
【0076】
次に、ステップS670において、CPU10は、次の被検体Tがあるか否かを判定する。次の被検体Tがある場合(ステップS670でYes)には、ステップS630の食事メニューの検索に戻り、次の被検体Tに対してステップS630〜ステップS660を行う。ステップS670で、次の被検体Tがない場合(ステップS670でNo)には、処理を終了する。
【0077】
C−1.データベース生成・保存:
図15は、本実施例に係るデータベースの生成・保存を示すフローチャートである。前記ステップS600により生成し、保存するデータベースとしての各種データについて、その内容と生成方法を次に詳述する。各種データは、測定帯域データ、前処理データ、分光推定パラメーター、検量処理パラメーター、診断データベース、及び使用履歴である。なお、データベースの生成・保存は、分光画像処理装置100の工場出荷前に行うことが好適である。ステップS640における判定は、診断結果が既知の被検体Tを使用する場合には省略してもよい。上記の手順の一部を、図示しないインターフェイスを介して作業者が行ってもよい。
【0078】
先ず、ステップS602において、CPU10は、前処理データを生成・保存する。マルチバンドカメラ200には、光学系のムラや、波長選択フィルター220を構成するファブリペロー型フィルターの反りや、光源ユニット250の照明ムラなど、ハードウェア的な製造誤差がある。これにより、マルチバンドカメラ200では、撮影によって得られたマルチバンド画像の各面内(マルチバンド画像を構成する各バンド画像内)に波長ムラ(透過波長のムラ)や光量ムラが発生する。本実施例では、この面内波長ムラ及び光量ムラをキャンセルするための補正量を前処理データとして、前処理データ保存部34に記憶する。前処理データ保存部34は、マルチバンド画像の取得先であるマルチバンドカメラ200における誤差を補正することに用いる補正量を、マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれに対して定めた前処理データを保存する。
【0079】
具体的には、まず、健康管理支援に使用するマルチバンドカメラ200(機種が同一、より好ましくは実機そのもの)で均一色のサンプルを撮影し、マルチバンド画像を取得する。次いで、マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれにおいて、画像内のどの位置でも均一となるように、ハードウェア的な製造誤差をキャンセルする補正データを画素毎に求め、その画素毎の補正データの集合を各バンド画像に対応した前処理データとして、前処理データ保存部34に記憶する。均一色のサンプルとしては、どの波長域でも均等に光を反射可能な色が好ましく、例えば標準白色板を用意する。
【0080】
前処理データは、マルチバンド画像の各画素における補正量をテーブル化したものである。補正量は、マルチバンドカメラ200の光学系・フィルターなどのムラや、光源ユニット250の照明ムラを予め測定しておき、それをキャンセルする値を算出することで求める。なお、前処理データは、マルチバンドカメラ200の特性のみに依存するので、ステップS602の前処理データの生成・保存の処理は検量/診断対象によらず、共通の処理を用いることができる。
【0081】
次に、ステップS604において、CPU10は、分光推定パラメーター及び測定帯域データを生成・保存する。分光推定パラメーターは分光スペクトルの推定で使用される。分光推定パラメーターは分光推定パラメーター保存部36に保存される。分光推定パラメーター保存部36は、波長帯域の相違するマルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを保存する。
【0082】
測定帯域データは食事メニューの検索で使用される。測定帯域データは測定帯域データ保存部32に保存される。測定帯域データ保存部32は、複数の波長帯域の感度で被検体Tの撮影を行うマルチバンドカメラ200に対して測定帯域を指示することに用いる複数の測定帯域データを保存する。
【0083】
分光推定パラメーターは、マルチバンド画像と分光スペクトルとの関係を表したものである。マルチバンド画像はマルチバンドカメラ200で得られる波長帯域の相違する複数のバンド画像であり、分光スペクトルは分光器によって得られるスペクトルである。具体的には、分光推定パラメーターは、マルチバンド画像の画素値xと分光スペクトルpの関係を表したもので、以下の式における分光推定行列Mなどが相当する。
【0084】
p=Mx,x=t(x1,x2,…xn),p=t(p1,p2,…pm)
分光推定行列Mは、例えば以下の式を用いて算出する。
【0085】
tM=(XtX)-1XtP,X=(x1,x2,…xl),P=(p1,p2,…pl)
ここで、Xは複数の分光推定サンプルにおけるマルチバンド画像の画素値、Pは同じく分光スペクトルである。
【0086】
測定帯域データは、上記分光推定パラメーターの計算の際に、マルチバンド値xの測定帯域やバンド数を変えながら、少ないバンド数で分光推定精度を維持できる条件を探すことで求められる。
【0087】
なお、分光推定パラメーターは、マルチバンド画像と分光スペクトルとの関係を表すことができるものであれば、上記以外の内容に換えることができる。また、分光推定パラメーターの生成方法についても、上記に限る必要はなく、他の方法に換えることができる。更に、測定帯域データの生成処理についても、上記に限る必要はなく、主成分分析など他の方法に換えることができる。また、分光推定サンプルとしては、カラーチャートなどを用いてもよい。これにより分光推定パラメーターは、マルチバンドカメラ200にのみ依存する値となるので、被検体Tや特徴量によらず共通して使える。
【0088】
次に、ステップS606において、CPU10は、検量処理パラメーターを生成・保存する。検量処理パラメーターは分光スペクトルの推定で使用される。検量処理パラメーターは検量処理パラメーター保存部38に保存される。検量処理パラメーター保存部38は、分光スペクトルを特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを保存する。検量処理パラメーターは、分光スペクトルと被検体Tの特徴量との関係を表したものである。具体的には、検量処理パラメーターは、分光スペクトルpと特徴量sとの関係を表したもので、以下の式における混合行列Aなどが相当する。
【0089】
s=Ap,p=t(p1,p2,…pm)
混合行列Aは、例えば以下の式を用いて算出する。
【0090】
tA=(PtP)-1Pts,P=(p1,p2,…pl),s=(s1,s2,…sl)
ここで、Pは複数の検量サンプルにおける分光スペクトル、sは同じく特徴量である。なお、検量サンプルには、対象とする料理を用いてもよい。また、各サンプルについて分光光度計でマルチバンド画像と同じ波長帯の分光スペクトルを測定し、合わせて化学分析などで栄養素(糖質、脂質、蛋白質、及び水分など)の量を測定してもよい。更に、分光スペクトルと特徴量から検量処理パラメーターを求める処理は、検量/診断対象によらず共通の手法を用いてもよい。また、検量処理パラメーターは、分光スペクトルと被検体Tの特徴量との関係を表すことができるものであれば、上記以外の内容に換えることができる。更に、検量処理パラメーターの生成方法は、上記に限る必要はなく、主成分分析・PLS分析・ニューラルネットワークなどを用いる方法等、他の方法に換えることができる。
【0091】
次に、ステップS608において、CPU10は、診断データベースを生成・保存する。診断データベースは検量物質量の推定で使用される。診断データベースは診断データベース保存部39に保存される。診断データベース保存部39は、被検体Tの特徴量を被検体Tの評価値に変換することに用いる診断データベースを保存する。診断データベースは、各特徴量に対応する診断結果をテーブル化したものである。例えば、診断データベースには、1日の目標摂取カロリー/栄養素、年齢/性別/体重などが含まれる。1日の目標摂取カロリー/栄養素は、年齢/性別/体重などに応じて決める。また、使用者は最初に自身の年齢/性別/体重を入力する。
【0092】
図16は、本実施例に係る栄養管理データベースを示す表である。栄養管理データベース保存部40は、被検体Tの評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データを保存する。栄養管理データベース保存部40の栄養管理データベースの各数値の単位はkcalである。栄養管理データベースの初期値は、システム使用開始時の栄養量平均値として使用する。例えば、男性は、BEE=66.4730+13.7516w+5.0033h−6.7550a(w:体重(kg)、h:身長(cm)、a:年齢(歳))から、BEE=66.4730+(13.7526*67)+(5.0033*175)−(6.7550*43)=1573kcal(体重67kg、身長175cm、年齢43歳)となり、一日のエネルギー必要量(kcal)=一日の基礎代謝量(BEEkcal)×身体活動レベルは、1573kcal*1.4=2200kcal(身体活動レベル1.4)となる。朝昼夜のカロリー配分量は諸説あるが、本実施形態では、ダイエットに適するという配分、朝:昼:夜=2:3:1をベースに若干調整している。取得栄養量平均値は過去1ヶ月の各食事(朝昼夜ごと)の摂取カロリー平均値である。
【0093】
図17は、本実施例に係る運動データベースを示す表である。運動データベース保存部42は、被検体Tの評価値を運動と運動量に変換することに用いる運動データを保存する。運動データベース保存部42の運動データベースは、例えば各運動による一時間あたりの消費カロリーを示す。
【0094】
ユーザー情報保存部44は、栄養管理データベース及び運動データベースの参照に用いるユーザー情報を保存する。ユーザー情報保存部44のユーザー情報は、栄養管理データベースの初期値計算及び運動データベースの参照(性別)に使用される。参照された各データは診断部19にて判定や処理に使用される。ユーザー情報は、例えば、身長/体重/年齢/性別/生活強度(身体活動レベル、職種)/妊娠中などのパラメーターで構成されている。ユーザー情報の設定項目は、例えば、時刻設定、前日の繰越し栄養量を翌日も使用:する/しない、その日の身体活動レベル設定(必要に応じて変更可能)、ダイエットモードなどである。前日の栄養量を翌日に繰越さない場合は日付変更時点でリセットする。運動をする日や力仕事をする日は身体活動レベルの変更が可能である。ダイエットモードは総栄養量を低い値で運用する。
【0095】
C−2.分光画像処理:
図18は、本実施例に係る分光画像処理を示すフローチャートである。以下に各処理の詳細を示す。
先ず、ステップS642において、CPU10は、マルチバンドカメラ200からマルチバンド画像を取得する処理を行う。詳しくは、CPU10は、メモリー30の測定帯域データ保存部32に記憶された複数の測定帯域データを、マルチバンドカメラ200の波長選択フィルター220に順に送信することで、波長選択フィルター220の透過波長域を順に変更して、異なる測定帯域毎のバンド画像(スペクトル画像)を表すマルチバンド画像を、マルチバンドカメラ200から取得する。なお、このステップS642における処理の一部である、複数の測定帯域データをマルチバンドカメラ200に送信する構成が、CPU10で実現される測定帯域指示部12(図1)に相当する。
【0096】
次に、ステップS644において、CPU10は、ステップS642で取得したバンド画像のそれぞれを補正する前処理を実行する。マルチバンド画像には、マルチバンドカメラ200の光学系・フィルターなどのムラや、光源ユニット250の照明ムラに起因する測定誤差が含まれている。これを前処理データを用いて補正する。このステップS644の処理が、CPU10で実現される前処理部14(図1)に相当する。
【0097】
次に、ステップS646において、CPU10は、ステップS644で補正を終えた後のマルチバンド画像(以下、「補正後マルチバンド画像」と呼ぶ)から分光スペクトルを推定する処理を実行する。ステップS644のカメラ・光源のムラを補正で補正された補正後マルチバンド画像は、離散的な測定値であり、またマルチバンドカメラ200のフィルターの透過波長帯域で積分された値なので、被検体Tからの反射光のスペクトルとは差異が生じている。これをステップS604の分光推定パラメーター及び測定帯域データの生成・保存で生成・保存された分光推定パラメーターを用いて以下の式で推定する。
【0098】
p=Mx,x=t(x1,x2,…xn),p=t(p1,p2,…pm)
なお、ステップS604の分光推定パラメーター及び測定帯域データの生成・保存と同様に、分光推定処理についても、上記に限る必要はなく、他の方法に換えることができる。
【0099】
次に、ステップS648において、CPU10は、ステップS646で得られた分光スペクトルから被検体Tの特徴量、すなわちカロリー/栄養素量を推定する処理を行う。ここでは、検量処理パラメーター保存部38に記憶された検量処理パラメーターに基づいて前記推定を行う。
【0100】
詳しくは、ステップS646の分光スペクトルの推定で求めた各画素の分光スペクトルと、ステップS606の検量処理パラメーターの生成・保存で生成・保存された求めた検量処理パラメーターから、以下の式を用いて特徴量を推定する。
【0101】
s=Ap,p=t(p1,p2,…pm)
なお、ステップS606の検量処理パラメーターの生成・保存と同様に、検量処理についても、上記に限る必要はなく、他の方法に換えることができる。
【0102】
このステップS646の処理が、CPU10で実現される分光推定部16(図1)に相当し、上記ステップS648の処理が、CPU10で実現される検量処理部18(図1)に相当する。
【0103】
次に、ステップS650において、CPU10は、ステップS648で得られた特徴量から診断結果を求める処理を行う。ここでは、診断データベース保存部39に記憶された診断データベースに基づいて、前記鮮度判定結果の演算を行う。
算出された食事のカロリー/栄養素を、同じ日に既に摂取したカロリー/栄養素量と加算し、診断データベース保存部39に保存されている1日の目標摂取カロリー/栄養素量と比較することで、診断結果を求める。また、目標値に対する乖離度合いで診断結果を求める。
【0104】
次に、ステップS652において、CPU10は、ステップS650で得られた診断結果を表示装置300に出力する。ステップS650の診断結果の算出で求めた診断結果、あるいはステップS648の検量物質量の推定で求めた特徴量、ステップS646の分光スペクトルの推定で求めた分光スペクトル及び診断日時、場所情報などを、表示装置300に出力する。
【0105】
なお、図14に示すステップS600のデータベースの生成・保存において検量/診断対象に合わせた分光推定パラメーター及び検量処理パラメーターを生成しておけば、ステップS640の分光画像処理は検量/診断対象によらず、共通の処理を用いることができる。
【0106】
本実施形態により、測定物質に応じて必要最低限数の測定帯域を測定し、そのデータから分光スペクトルを推定・検量するので、測定時間・精度の両立が可能となるので、短時間で高精度測定できる。
【0107】
また、センサーの分光感度の幅が広くても分光スペクトルが推定できるので、センサーに入射する光量が増え、より高解像度なセンサーや安価でS/Nが悪いセンサーでも測定が可能となるので、高解像度・安価に測定できる。
【0108】
更に、1日の目標摂取カロリー/栄養素との差分や時間、場所などの条件に合う食事メニューが提示されるので、実際にその場で摂取可能な食事を選ぶことができ、食事メニュー選択の手間を省くことで、食事メニュー選択の手間を省くができる。
【0109】
本実施形態によれば、分光情報から実際の食事のカロリー量が計測可能である。これにより、カロリー量の誤差が少ない(予め設定されたカロリー量の置換えでない)。また、システムのメニュー登録及び食事データベースの作成が不要であり、システムのメモリー量を削減できる。
【0110】
また、食事量がOK、NGに応じて緑(OK)や黄(NG)のランプが点灯、又は表示手段全面が緑、黄になる。これにより、その場で素早く計測(入力)することが可能である。
【0111】
更に、栄養検量の結果は総カロリー量とPFCバランス(たんぱく質、脂質、炭水化物)とで出力される。これにより、簡単にカロリー量が入力(出力)できるのでユーザーも利用が長続きする。
【0112】
また、取得栄養量平均値は過去の食事記録から算出される(利用回数とともに精度が上がる)。初回時は朝:昼:夜=3:4.5:2.5程度である。これにより、ユーザーの嗜好、実生活に則した食事が可能である。
【0113】
更に、三食のカロリーバランス(朝:昼:夕摂取比率)を設定することが可能である。例えば夜は控えめ昼重視することなどの設定が可能である。これにより、食事を目的としたポジティブな健康管理が可能となる。
【0114】
D.変形例:
この発明は前記実施例やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、変形例の説明にあたっては上述した実施例と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0115】
(変形例1)
前記実施例では、健康管理支援システム1専用の分光画像処理装置100を用いていたが、分光画像処理装置100は汎用のパーソナルコンピューターに換えることができる。また、マルチバンドカメラ200と分光画像処理装置100とは別体であったが、一体とすることもできる。例えば、分光画像処理装置100を内蔵する構成としてもよいし、マルチバンドカメラ200に分光画像処理装置100を例えばチップの形で内蔵する構成としてもよい。表示装置300及び記憶装置400も、分光画像処理装置100と一体とすることもできる。
【0116】
(変形例2)
前記実施例及び各変形例において、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。
【0117】
(変形例3)
前記実施例及び各変形例では、分光推定パラメーターを用いて、マルチバンド画像から分光スペクトルを演算し、検量処理パラメーターを用いて、前記分光スペクトルから特徴量を演算する構成としていたが、これに換えて、分光推定パラメーターMと検量処理パラメーターZとを掛け合わせたパラメーターL(=Z・M)を用いて、マルチバンド画像から直接、特徴量を推定する構成としてもよい。マルチバンドカメラ200の個体、被検体Tの種類、及び推定する特徴量の組合せが予め定められている場合には、この構成によっても、高価な分光器を必要とせずに、マルチバンド画像から被検体の特徴量を高精度に推定することができる。
【0118】
(変形例4)
前記実施例及び各変形例では、測定帯域データ保存部32に記憶された複数の測定帯域データを、マルチバンドカメラ200の波長選択フィルター220に順に送信することで、波長選択フィルター220の透過波長域を順に変更して、異なる測定帯域毎のバンド画像(スペクトル画像)を表すマルチバンド画像を、マルチバンドカメラ200から取得する構成とした。これに替えて、予め定められた複数の測定帯域毎のバンド画像を表すマルチバンド画像をマルチバンドカメラ200から取得する構成としてもよい。すなわち、測定帯域データ保存部32及び測定帯域指示部12はなくてもよい。
【0119】
(変形例5)
前記実施例及び各変形例では、前処理データ保存部34に記憶した前処理データに基づいて、前処理部14がマルチバンド画像を補正し、補正後マルチバンド画像から分光スペクトルを推定する構成とした。これに替えて、マルチバンド画像取得部が取得したマルチバンド画像から分光スペクトルを推定する構成としてもよい。また、マルチバンド画像取得部が、補正後マルチバンド画像を取得してもよい。すなわち、前処理データ保存部34及び前処理部14はなくてもよい。
【0120】
(変形例6)
前記実施例及び各変形例では、分光画像処理装置100の診断データベース保存部39に記憶された診断データベースと、推定された特徴量とに基づいて、診断部19が判定を行う構成とした。これに替えて、推定された特徴量を分光画像処理装置100とは別に構成された診断装置に出力し、診断装置が診断を行ってもよい。すなわち、分光画像処理装置100には診断データベース保存部39及び診断部19はなくてもよい。
【0121】
(変形例7)
前記実施例では、図2に示すステップS170でグリーンランプを点灯する。ステップS180でイエローランプを点灯する構成とした。これに替えて、音、振動等で識別してもよい。また、OK/NGの表示のみでもよい。
【0122】
(変形例8)
前記実施例では、図8に示すステップS200、S210、S230、S240で不足栄養素を補う食事を提案する構成とした。これに替えて、不足栄養素を補う食事の提案を省略してもよい。
【0123】
なお、前述した各実施例及び各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0124】
1…健康管理支援システム 10…CPU 12…測定帯域指示部(マルチバンド画像取得部) 14…前処理部 16…分光推定部 18…検量処理部 19…診断部 30…メモリー 32…測定帯域データ保存部(マルチバンド画像取得部) 34…前処理データ保存部 36…分光推定パラメーター保存部 38…検量処理パラメーター保存部 39…診断データベース保存部 40…栄養管理データベース保存部 42…運動データベース保存部 44…ユーザー情報保存部 50…入出力I/F(マルチバンド画像取得部) 100…分光画像処理装置 200…マルチバンドカメラ 210…レンズユニット 220…波長選択フィルター 230…CCD 240…CCDAFE 250…光源ユニット 300…表示装置 400…記憶装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康管理支援装置、健康管理支援方法、及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活環境の変化に伴い、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が問題になっている。生活習慣病は、忙しい生活を送る中で毎日の食事が大切であることが忘れがちとなり、野菜の摂取不足、食塩・脂肪のとり過ぎ等の食生活が要因のひとつと考えられている。そのため、一般に、普段の生活習慣を見直し、適度な運動と、一日に摂取すべき栄養素をしっかりとれる栄養バランスのとれた食事をすることが生活習慣病予防に重要といわれている。
【0003】
従来、予め食事メニューを複数記憶し、個人情報(年齢、性別、身長、体重等)から良好なメニューを提案し、提案されたメニューから食べた物を選択入力してカロリーを特定する。また、各種運動の消費カロリーを予め記憶し、その日の食事メニューとその日の運動量を入力し、合計摂取カロリーから消費カロリーの差分を表示する。更に、超過カロリー分消費のための運動と運動量を表示し、その運動の質はウォーキングからなる健康管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−251871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では登録されている食事メニューからの選択が基本であり、登録されていない食事には対応できない。また、予め登録されたカロリー量なので、食事量(大盛り、多く食べた、食べ残した)のカロリー変動に対応できない。更に、食べた物のカロリーを直接計測していないので、材料や調理方法の差異による変動に対応できない。また更に、その日の管理が基本となるが、スケジュールや体調によって発生する「その日の過不足分」の管理も重要である。また、ウォーキング以外の運動が選択できない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例に係る健康管理支援装置は、被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得するマルチバンド画像取得部と、波長帯域の相違するマルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを保存する分光推定パラメーター保存部と、前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを保存する検量処理パラメーター保存部と、前記分光推定パラメーター保存部に保存されている前記分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する分光推定部と、前記検量処理パラメーター保存部に保存されている前記検量処理パラメーターを用いて、前記分光推定部によって求められた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する検量処理部と、前記被検体の前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを保存する診断データベース保存部と、前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データを保存する栄養管理データベース保存部及び運動データを保存する運動データベース保存部と、前記栄養管理データ及び前記運動データの参照に用いるユーザー情報を保存するユーザー情報保存部と、前記診断データベース保存部に保存されている前記診断データを用いて、前記検量処理部によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算し、前記栄養管理データベース保存部に保存されている前記栄養管理データ及び前記運動データベース保存部に保存されている前記運動データを用いて、前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する診断部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本適用例によれば、食品カロリー測定器の機能を活用し、摂取した食事量から基礎代謝を除く超過分を解消する運動と運動量を提案する。カロリー不足の場合は不足分を補う食事量を提案する。また、「〇〇を食べたい!!」ための前後の食事量と適切な運動量を提案することで、食事量(INPUT)と運動量(OUTPUT)との管理が手軽に長続き(継続できる)でき、結果的に効率よく健康体を保つ管理支援方法を可能とする健康管理支援装置を提供する。
【0009】
[適用例2]上記適用例に記載の健康管理支援装置において、前記診断部は、前記健康管理を表示部に出力することを特徴とする。
【0010】
本適用例によれば、健康管理を容易に提示できる。
【0011】
[適用例3]上記適用例に記載の健康管理支援装置において、前記マルチバンド画像取得部は、複数の波長帯域の感度で前記被検体の撮影を行うマルチバンドカメラに対して測定帯域を指示することに用いる複数の測定帯域データを保存する測定帯域データ保存部と、前記測定帯域データ保存部に保存されている測定帯域データを前記マルチバンドカメラに送ることによって、前記マルチバンドカメラに測定帯域を指示する測定帯域指示部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本適用例によれば、マルチバンドカメラに対して測定帯域を指示することが可能となることから、特定成分に応じた所定帯域を含む複数の波長帯域のマルチバンド画像をより確実に取得できる。
【0013】
[適用例4]上記適用例に記載の健康管理支援装置において、前記マルチバンド画像の取得先であるマルチバンドカメラにおける誤差を補正することに用いる補正量を、前記マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれに対して定めた前処理データを保存する前処理データ保存部と、前記マルチバンド画像取得部によって取得したマルチバンド画像を、前記前処理データ保存部に保存されている前処理データに基づいて補正し、補正後のマルチバンド画像を前記分光推定部に送る前処理部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本適用例によれば、マルチバンドカメラにおける誤差を、補正することができることから、推定精度をより高められる。
【0015】
[適用例5]本適用例に係る健康管理支援方法は、被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する工程と、波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する工程と、前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算により得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する工程と、前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する工程と、前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する工程と、を含むことを特徴とする。
【0016】
本適用例によれば、高価な分光器を必要とせずに、マルチバンド画像から被検体の特徴量を高精度に推定できる。
【0017】
[適用例6]本適用例に係るコンピュータープログラムは、被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する機能と、波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する機能と、前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算によって得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する機能と、前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する機能と、前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する機能と、をコンピューターに実現させることを特徴とする。
【0018】
本適用例によれば、高価な分光器を必要とせずに、マルチバンド画像から被検体の特徴量を高精度に推定できる。
【0019】
更に、本発明は、前記適用例1ないし6以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、適用例1ないし4に記載の健康管理支援装置をマルチバンドカメラと共に備えた健康管理支援システムの形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本実施例に係る健康管理支援システムの構成を概略的に示す説明図。
【図2】本実施例に係る健康管理支援システムを示すフローチャート。
【図3】本実施例に係る初期画面における画面遷移を示す図。
【図4】本実施例に係る判定画面における画面遷移を示す図。
【図5】本実施例に係る判定記録画面及び繰越確認画面における画面遷移を示す図。
【図6】本実施例に係る運動確認画面及び減量確認画面における画面遷移を示す図。
【図7】本実施例に係る身体活動レベルの活動内容を示す表。
【図8】本実施例に係る摂取可能量の判定がOKの流れを示すフローチャート。
【図9】本実施例に係る摂取可能量の判定がNGの流れを示すフローチャート。
【図10】本実施例に係る運動で消費するカロリー一覧を示す表。
【図11】本実施例に係る運動ナビを示すフローチャート。
【図12】本実施例に係る運動ナビの画面を示す図。
【図13】本実施例に係る消費カロリーの高い運動ランキングを示す表。
【図14】本実施例に係る料理の撮影を示すフローチャート。
【図15】本実施例に係るデータベースの生成・保存を示すフローチャート。
【図16】本実施例に係る栄養管理データベースを示す表。
【図17】本実施例に係る運動データベースを示す表。
【図18】本実施例に係る分光画像処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態を実施例に基づいて説明する。本実施例は、被検体である食事の特定成分に関する特徴量を推定し、健康管理を支援するためのものである。
【0022】
A.健康管理支援システムの全体構成:
図1は、本実施例に係る健康管理支援システムの構成を概略的に示す説明図である。図示するように、健康管理支援システム1は、分光画像処理装置100と、マルチバンドカメラ200と、表示装置(表示部)300と、記憶装置400と、を備える。マルチバンドカメラ200、表示装置300、及び記憶装置400は、分光画像処理装置100に電気的に接続されている。
【0023】
マルチバンドカメラ200は、レンズユニット210、波長選択フィルター220、CCD230、CCDAFE(Analog Front End)240、及び光源ユニット250等を備える。レンズユニット210は、被検体Tにフォーカスを合わせるオートフォーカス機構を備えないものであるが、オートフォーカス機構を備えるものとすることもできる。波長選択フィルター220は、透過波長帯域を変更可能なファブリペロー型のフィルターが用いられている。CCD230は、波長選択フィルター220を透過した光を光電変換して被検体T像を表す電気信号を得る撮像デバイスである。CCDAFE240は、CCD230の検出信号をデジタル化するためのものである。光源ユニット250は、被検体Tを照射するためのものである。
【0024】
上記構成のマルチバンドカメラ200では分光画像処理装置100から、複数の測定帯域の指示を波長選択フィルター220で順に受けることで、波長選択フィルター220の透過波長域が順に変更される。こうして、マルチバンドカメラ200は、複数の波長帯域(マルチバンド)の感度で被検体Tの撮影を行う。
【0025】
表示装置300は、画面に情報を表示するための装置である。記憶装置400は、データを記憶するための外部装置であり、例えばハードディスクドライブ装置である。
【0026】
分光画像処理装置100は、マルチバンドカメラ200で撮影して得られたマルチバンド画像を処理することで、被検体Tの鮮度を判定する装置である。分光画像処理装置100は、プログラムを実行することにより種々の処理や制御を行うCPU10と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリー30と、マルチバンドカメラ200から画像データを受取、かつ、表示装置300及び記憶装置400に診断の結果を送る入出力インターフェイス(I/F)50と、を備えている。
【0027】
メモリー30は、測定帯域データ保存部32、前処理データ保存部34、分光推定パラメーター保存部36、検量処理パラメーター保存部38、診断データベース保存部39、栄養管理データベース保存部40、運動データベース保存部42、及びユーザー情報保存部44を有している。各保存部32〜44の詳細については、後ほど詳述する。また、メモリー30は、図示はしないが、健康管理支援用プログラムを格納するプログラム保存部を有している。本実施例では、メモリー30は不揮発性のメモリーである。なお、不揮発性に替えて揮発性のメモリーとして、処理の実行前に必要なデータやパラメーターを外部から受け取って保存する構成としてもよい。
【0028】
CPU10は、メモリー30のプログラム保存部に格納された健康管理支援用プログラムを実行することで、測定帯域指示部12、前処理部14、分光推定部16、検量処理部18、及び診断部19を機能的に実現する。各部12〜19は、対応する保存部32〜44に保存されたデータやパラメーターを用いて各処理を実行する。測定帯域指示部12は、測定帯域データ保存部32に保存されている測定帯域データをマルチバンドカメラ200に送ることによって、マルチバンドカメラ200に測定帯域を指示する。前処理部14は、測定帯域指示部12によって取得したマルチバンド画像を、前処理データ保存部34に保存されている前処理データに基づいて補正し、補正後のマルチバンド画像を分光推定部16に送る。分光推定部16は、分光推定パラメーター保存部36に保存されている分光推定パラメーターを用いて、マルチバンド画像から分光スペクトルを演算する。検量処理部18は、検量処理パラメーター保存部38に保存されている検量処理パラメーターを用いて、分光推定部16によって求められた分光スペクトルから特徴量を演算する。診断部19は、診断データベース保存部39に保存されている診断データベース(診断データ)を用いて、検量処理部18によって得られた特徴量から被検体Tの評価値を演算する。診断部19は、栄養管理データベース保存部40に保存されている栄養管理データ及び運動データベース保存部42に保存されている運動データを用いて、被検体Tの評価値から運動と運動量を演算する。診断部19は、栄養管理データベース(栄養管理データ)の初期値計算及び運動データベース(運動データ)の参照(性別)にユーザー情報を使用する。診断部19は、健康管理を表示装置300に出力する。各処理の結果、CPU10は、マルチバンドカメラ200で得られるマルチバンド画像を取得し、マルチバンド画像から被検体Tの健康管理を支援し、その検索結果を、入出力I/F50を介して表示装置300及び記憶装置400に送信する。この結果、健康管理支援の結果が表示される。
【0029】
なお、分光画像処理装置100は、被検体Tによる健康管理を支援するに際し、被検体Tの特定成分に関する特徴量を推定していることから、特徴量推定装置としても機能する。入出力インターフェイス(I/F)50、メモリー30の測定帯域データ保存部32、及びCPU10で機能する測定帯域指示部12が、適用例1における「マルチバンド画像取得部」に対応している。
【0030】
B.健康管理支援の作業手順:
図2は、本実施例に係る健康管理支援システムを示すフローチャートである。図3は、本実施例に係る初期画面における画面遷移を示す図である。図4は、本実施例に係る判定画面における画面遷移を示す図である。図5は、本実施例に係る判定記録画面及び繰越確認画面における画面遷移を示す図である。図6は、本実施例に係る運動確認画面及び減量確認画面における画面遷移を示す図である。
【0031】
先ず、ステップS100において、CPU10は、一日の必要栄養量(=Z)を算出する。ハリス・ベネディクス式(HBE)(基礎代謝)身体活動レベルから算出する。その際、CPU10はユーザー情報保存部44のユーザー情報データを用いる。
【0032】
基礎代謝(基礎エネルギー消費量:BEE)を算出するための数式としてハリス・ベネディクトの式(HBE)がある。一日の消費エネルギー量は人それぞれ異なり、性別や体重、年齢などの因子により左右される。HBEは、安静状態の健常人が必要とするエネルギー量(kcal/day)を計算するために用いられる数式であり、以下の式で表される。男性:BEE=66.4730+13.7516w+5.0033h−6.7550a、女性:BEE=655.0955+9.5634w+1.8496h−1.8496a (w:体重(kg)、h:身長(cm)、a:年齢(歳))、HBEは、やや煩雑な式であるため、日本人のBEEを算出するために作られた簡易式が存在する。男性:BEE=14.1w+620、女性:BEE=10.8w+620である。
【0033】
必要エネルギー量算出の際のBEEは、生存に最低限必要なエネルギー量である。実際に必要とするエネルギーを算出するためには、活動係数やストレス係数(侵襲因子)と呼ばれる値を乗じて算出する必要がある。また、HBEは、もともと欧米人を対象として作られた計算式であるため、これを日本人にあてはめた場合には実際の値よりもやや高めに算出される可能性がある。
【0034】
本実施形態に係る栄養とは、一日のエネルギー必要量(kcal)=一日の基礎代謝量(kcal)×身体活動レベルである。例えば、年齢が30代で、通勤してデスクワーク中心の仕事をしている人(=身体活動レベルが普通、つまり数値が1.75)ならば一日のエネルギー必要量は、基礎代謝量が1520kcalの男性では、1520(kcal)×1.75=2660(kcal)である。基礎代謝量が1140kcalの女性では、1140(kcal)×1.75=1995kcal)である。
【0035】
図7は、本実施例に係る身体活動レベルの活動内容を示す表である。身体活動レベルは代表値であり、( )内はおよその範囲である。個々の活動の分類(時間/日)の( )内は、activity factor(Af各身体活動における単位時間当たりの強度を示す値、基礎代謝の倍数で表す)(代表値:下限〜上限)である。
【0036】
次に、ステップS110において、CPU10は、朝・昼・夕の区分を読み込む。例えば、CPU10は動作時間や動作回数などから朝・昼・夕の区分を判断してもよい。
【0037】
次に、ステップS120において、CPU10は、繰越し栄養量(Y)を読み込む。繰越し栄養量(=Y)は前日の繰越量である。繰越し栄養量(Y)はプラス量とマイナス量とあり、2回目の食事以降は更新された繰越栄養量(Y´)を読み込む。
【0038】
次に、ステップS130において、CPU10は、朝・昼・夕の取得栄養量平均値(X)を算出する。CPU10は朝・昼・夕の区分より取得栄養量平均値(X)を算出する。
【0039】
次に、ステップS140において、CPU10は、料理を撮影する(詳細はCを参照)。
【0040】
次に、ステップS150において、CPU10は、図3に示す「検量画面」で栄養検量(V)を読み込む。
【0041】
次に、ステップS160において、CPU10は、摂取可能量を判定する。X≦V+Yの場合(ステップS160でOK)、ステップS170へ進む。
【0042】
次に、ステップS170において、CPU10は、図4に示す「判定画面:OK」でグリーンランプを点灯する。そして、ステップS200へ進む。
【0043】
X>V+Yの場合(ステップS160でNG)、ステップS180へ進む。
【0044】
次に、ステップS180において、CPU10は、図4に示す「判定画面:NG」でイエローランプを点灯する。そして、ステップS300へ進む。
【0045】
図8は、本実施例に係る摂取可能量の判定がOKの流れを示すフローチャートである。
先ず、ステップS200において、CPU10は、不足栄養素を補う食事を提案する。CPU10は不足栄養素を補う食事として何をどのくらい摂取しなければならないか提案する。
【0046】
本実施形態では、現在食べた物と、その前後の食事量から運動量を提案する。例えば、過去のデータから三食ごとのカロリー平均値を記録する。
【0047】
本実施形態では、長期的な食事の制限はストレスになるので、食べたい物(目的)から、前後の食事量、運動量を提案する。前後で解消不可な場合は週間単位でコントロールする。例えば、過去のデータから3食ごとのカロリー平均値を記録する。具体的には、昼食にたくさん食べた場合、朝食の実カロリー量、昼食の予想カロリー量、夕食のカロリー平均値から「摂取可能な夕食カロリー量」又は「通常と同じ夕食量の場合は必要な運動量」を提示する。
【0048】
本実施形態では、不足の場合、食事履歴の嗜好から脂質、糖質、及びたんぱく質のバランスを考慮した食事を提案する。例えば食品画像も記録し、カロリー量とともにBlogにアップしてもよい。
【0049】
次に、ステップS210において、CPU10は、摂取の有無を判定する。摂取しない場合(ステップS210でNo)、ステップS220へ進む。摂取する場合(ステップS210でYes)、ステップS230へ進む。
【0050】
次に、ステップS220において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0051】
次に、ステップS230において、CPU10は、栄養検量(R)を読み込む。
【0052】
次に、ステップS240において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y+R)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0053】
次に、ステップS250において、CPU10は、摂取栄養量(朝・昼・夕)V´の取得栄養量平均値(X)を算出する。
【0054】
次に、ステップS260において、CPU10は、繰越栄養量(Y´=V´−X)を算出する。その際、図5に示す「繰越記録画面」のように繰越栄養量を表示してもよい。これにより次の食事は少し多く食べられる嬉しさを感じられる。
【0055】
次に、ステップS270において、CPU10は、図5に示すように一日の栄養量の主力レベル(Z´=Z−V´)を表示する。一日の必要栄養量Zに対する摂取レベルZ´を表示する。例えば棒グラフ等で表示してもよい。本実施形態では、当日清算できなかったカロリーオーバー分は翌日以降に繰り越される。
【0056】
図9は、本実施例に係る摂取可能量の判定がNGの流れを示すフローチャートである。
先ず、ステップS300において、CPU10は、運動の実施の可否を判定する。運動を実施する場合(ステップS300でYes)、ステップS310へ進む。運動を実施しない場合(ステップS300でNo)、ステップS350へ進む。
【0057】
次に、ステップS310において、CPU10は、図4に示す「運動選択画面」のようにお勧め運動量を表示する。CPU10は数種類の候補(運動内容、時間)を表示し、選択させる。
【0058】
次に、ステップS320において、CPU10は、図6に示す「運動確認画面」で実施結果を読み込む。
【0059】
次に、ステップS330において、CPU10は、運動消費カロリー量(U)を算出する。
【0060】
図10は、本実施例に係る運動で消費するカロリー一覧を示す表である。例えば、CPU10は図10に示す運動で消費するカロリーから運動消費カロリー量(U)を算出してもよい。
【0061】
次に、ステップS340において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y−U)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0062】
次に、ステップS350において、CPU10は、減らすか、次の食事で清算するかを判定する。減らす場合(ステップS350で減らす)、ステップS360へ進む。次の食事で清算する場合(ステップS350で清算)、ステップS400へ進む。例えば、たまには、どうしても食べたいものがあったり、たくさん食べたいときがあったりする。
【0063】
次に、ステップS360において、CPU10は、食べてよい分量(X≦V+Y)を表示する。CPU10は撮影した食事画像の何%を目安にするかあるいは数値で表示してもよい。
【0064】
次に、ステップS370において、CPU10は、残料理を撮影する(詳細はCを参照)。
【0065】
次に、ステップS380において、CPU10は、栄養検量(R)を読み込む。
【0066】
次に、ステップS390において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y−R)を算出する。そして、ステップS250へ進む。
【0067】
次に、ステップS400において、CPU10は、摂取栄養量(V´=V+Y)を算出する。そして、ステップS260へ進む。
【0068】
図11は、本実施例に係る運動ナビを示すフローチャートである。図12は、本実施例に係る運動ナビの画面を示す図である。
先ず、ステップS500において、CPU10は、繰越カロリー量を読み込む。
【0069】
次に、ステップS510において、CPU10は、図12に示す「余時間選択画面」で余時間の選択結果を読み込む。例えば1.0Hを読み込む。
【0070】
次に、ステップS520において、CPU10は、図12に示す「お勧め運動量画面」で表示余時間の時間に応じてお勧めの運動量を表示する。CPU10は数種類の候補(運動内容、時間)を表示、選択させる。本実施形態では、入力された余時間から適切な運動を提案する。
【0071】
図13は、本実施例に係る消費カロリーの高い運動ランキングを示す表である。なお、消費カロリーは各運動を1時間行った場合における値である。例えば、CPU10は図13に示す消費カロリーの高い運動ランキングからお勧め運動量を表示してもよい。
【0072】
C.料理の撮影の作業手順:
図14は、本実施例に係る料理の撮影を示すフローチャートである。図示するように、先ず、ステップS600において、CPU10は、料理の撮影に必要となるデータベースを生成、そのデータベースを分光画像処理装置100のメモリー30に保存する。ここでいうデータベースは、分光画像処理装置100における各保存部32〜44(図1参照)に保存される各種データに相当する(詳細はC−1を参照)。
【0073】
次に、ステップS630において、CPU10は、分光画像処理装置100に接続されたマルチバンドカメラ200を用いて、被検体Tを撮影する。マルチバンドカメラ200は、被検体Tに対し光源ユニット250から近赤外光を照射し、その反射光をマルチバンドカメラ200で撮影する。測定波長帯域は、測定帯域指示部12が測定帯域データ保存部32に保存されている測定帯域データを読み出してマルチバンドカメラ200の波長選択フィルター220を制御する。撮影用の照明はカロリーを求めるのに必要なショ糖、脂質、蛋白質、及び水分の吸収があり、試料の比較的深部まで光が到達する近赤外光(600〜2500nm)が好ましい。なお、光源ユニット250は必ずしもマルチバンドカメラ200に含まれなくてもよい。また、ステップS600のデータベースの生成・保存において検量/診断対象に合わせた測定帯域データを生成しておけば、ステップS630の食事画像の撮影の処理は検量/診断対象によらず、共通の処理を用いることができる。
【0074】
次に、ステップS640において、CPU10は、分光画像処理装置100に接続される、マルチバンドカメラ200から出力されるマルチバンド画像から、各画素の分光スペクトル・特徴量を推定し、料理のカロリーを求めるのに必要な糖質、脂質、蛋白質及び水分の量/分布(診断結果)を求める(詳細はC−2を参照)。
【0075】
次に、ステップS660において、CPU10は、分光画像処理装置100に接続された表示装置300に特徴量及び診断結果を表示する。
【0076】
次に、ステップS670において、CPU10は、次の被検体Tがあるか否かを判定する。次の被検体Tがある場合(ステップS670でYes)には、ステップS630の食事メニューの検索に戻り、次の被検体Tに対してステップS630〜ステップS660を行う。ステップS670で、次の被検体Tがない場合(ステップS670でNo)には、処理を終了する。
【0077】
C−1.データベース生成・保存:
図15は、本実施例に係るデータベースの生成・保存を示すフローチャートである。前記ステップS600により生成し、保存するデータベースとしての各種データについて、その内容と生成方法を次に詳述する。各種データは、測定帯域データ、前処理データ、分光推定パラメーター、検量処理パラメーター、診断データベース、及び使用履歴である。なお、データベースの生成・保存は、分光画像処理装置100の工場出荷前に行うことが好適である。ステップS640における判定は、診断結果が既知の被検体Tを使用する場合には省略してもよい。上記の手順の一部を、図示しないインターフェイスを介して作業者が行ってもよい。
【0078】
先ず、ステップS602において、CPU10は、前処理データを生成・保存する。マルチバンドカメラ200には、光学系のムラや、波長選択フィルター220を構成するファブリペロー型フィルターの反りや、光源ユニット250の照明ムラなど、ハードウェア的な製造誤差がある。これにより、マルチバンドカメラ200では、撮影によって得られたマルチバンド画像の各面内(マルチバンド画像を構成する各バンド画像内)に波長ムラ(透過波長のムラ)や光量ムラが発生する。本実施例では、この面内波長ムラ及び光量ムラをキャンセルするための補正量を前処理データとして、前処理データ保存部34に記憶する。前処理データ保存部34は、マルチバンド画像の取得先であるマルチバンドカメラ200における誤差を補正することに用いる補正量を、マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれに対して定めた前処理データを保存する。
【0079】
具体的には、まず、健康管理支援に使用するマルチバンドカメラ200(機種が同一、より好ましくは実機そのもの)で均一色のサンプルを撮影し、マルチバンド画像を取得する。次いで、マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれにおいて、画像内のどの位置でも均一となるように、ハードウェア的な製造誤差をキャンセルする補正データを画素毎に求め、その画素毎の補正データの集合を各バンド画像に対応した前処理データとして、前処理データ保存部34に記憶する。均一色のサンプルとしては、どの波長域でも均等に光を反射可能な色が好ましく、例えば標準白色板を用意する。
【0080】
前処理データは、マルチバンド画像の各画素における補正量をテーブル化したものである。補正量は、マルチバンドカメラ200の光学系・フィルターなどのムラや、光源ユニット250の照明ムラを予め測定しておき、それをキャンセルする値を算出することで求める。なお、前処理データは、マルチバンドカメラ200の特性のみに依存するので、ステップS602の前処理データの生成・保存の処理は検量/診断対象によらず、共通の処理を用いることができる。
【0081】
次に、ステップS604において、CPU10は、分光推定パラメーター及び測定帯域データを生成・保存する。分光推定パラメーターは分光スペクトルの推定で使用される。分光推定パラメーターは分光推定パラメーター保存部36に保存される。分光推定パラメーター保存部36は、波長帯域の相違するマルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを保存する。
【0082】
測定帯域データは食事メニューの検索で使用される。測定帯域データは測定帯域データ保存部32に保存される。測定帯域データ保存部32は、複数の波長帯域の感度で被検体Tの撮影を行うマルチバンドカメラ200に対して測定帯域を指示することに用いる複数の測定帯域データを保存する。
【0083】
分光推定パラメーターは、マルチバンド画像と分光スペクトルとの関係を表したものである。マルチバンド画像はマルチバンドカメラ200で得られる波長帯域の相違する複数のバンド画像であり、分光スペクトルは分光器によって得られるスペクトルである。具体的には、分光推定パラメーターは、マルチバンド画像の画素値xと分光スペクトルpの関係を表したもので、以下の式における分光推定行列Mなどが相当する。
【0084】
p=Mx,x=t(x1,x2,…xn),p=t(p1,p2,…pm)
分光推定行列Mは、例えば以下の式を用いて算出する。
【0085】
tM=(XtX)-1XtP,X=(x1,x2,…xl),P=(p1,p2,…pl)
ここで、Xは複数の分光推定サンプルにおけるマルチバンド画像の画素値、Pは同じく分光スペクトルである。
【0086】
測定帯域データは、上記分光推定パラメーターの計算の際に、マルチバンド値xの測定帯域やバンド数を変えながら、少ないバンド数で分光推定精度を維持できる条件を探すことで求められる。
【0087】
なお、分光推定パラメーターは、マルチバンド画像と分光スペクトルとの関係を表すことができるものであれば、上記以外の内容に換えることができる。また、分光推定パラメーターの生成方法についても、上記に限る必要はなく、他の方法に換えることができる。更に、測定帯域データの生成処理についても、上記に限る必要はなく、主成分分析など他の方法に換えることができる。また、分光推定サンプルとしては、カラーチャートなどを用いてもよい。これにより分光推定パラメーターは、マルチバンドカメラ200にのみ依存する値となるので、被検体Tや特徴量によらず共通して使える。
【0088】
次に、ステップS606において、CPU10は、検量処理パラメーターを生成・保存する。検量処理パラメーターは分光スペクトルの推定で使用される。検量処理パラメーターは検量処理パラメーター保存部38に保存される。検量処理パラメーター保存部38は、分光スペクトルを特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを保存する。検量処理パラメーターは、分光スペクトルと被検体Tの特徴量との関係を表したものである。具体的には、検量処理パラメーターは、分光スペクトルpと特徴量sとの関係を表したもので、以下の式における混合行列Aなどが相当する。
【0089】
s=Ap,p=t(p1,p2,…pm)
混合行列Aは、例えば以下の式を用いて算出する。
【0090】
tA=(PtP)-1Pts,P=(p1,p2,…pl),s=(s1,s2,…sl)
ここで、Pは複数の検量サンプルにおける分光スペクトル、sは同じく特徴量である。なお、検量サンプルには、対象とする料理を用いてもよい。また、各サンプルについて分光光度計でマルチバンド画像と同じ波長帯の分光スペクトルを測定し、合わせて化学分析などで栄養素(糖質、脂質、蛋白質、及び水分など)の量を測定してもよい。更に、分光スペクトルと特徴量から検量処理パラメーターを求める処理は、検量/診断対象によらず共通の手法を用いてもよい。また、検量処理パラメーターは、分光スペクトルと被検体Tの特徴量との関係を表すことができるものであれば、上記以外の内容に換えることができる。更に、検量処理パラメーターの生成方法は、上記に限る必要はなく、主成分分析・PLS分析・ニューラルネットワークなどを用いる方法等、他の方法に換えることができる。
【0091】
次に、ステップS608において、CPU10は、診断データベースを生成・保存する。診断データベースは検量物質量の推定で使用される。診断データベースは診断データベース保存部39に保存される。診断データベース保存部39は、被検体Tの特徴量を被検体Tの評価値に変換することに用いる診断データベースを保存する。診断データベースは、各特徴量に対応する診断結果をテーブル化したものである。例えば、診断データベースには、1日の目標摂取カロリー/栄養素、年齢/性別/体重などが含まれる。1日の目標摂取カロリー/栄養素は、年齢/性別/体重などに応じて決める。また、使用者は最初に自身の年齢/性別/体重を入力する。
【0092】
図16は、本実施例に係る栄養管理データベースを示す表である。栄養管理データベース保存部40は、被検体Tの評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データを保存する。栄養管理データベース保存部40の栄養管理データベースの各数値の単位はkcalである。栄養管理データベースの初期値は、システム使用開始時の栄養量平均値として使用する。例えば、男性は、BEE=66.4730+13.7516w+5.0033h−6.7550a(w:体重(kg)、h:身長(cm)、a:年齢(歳))から、BEE=66.4730+(13.7526*67)+(5.0033*175)−(6.7550*43)=1573kcal(体重67kg、身長175cm、年齢43歳)となり、一日のエネルギー必要量(kcal)=一日の基礎代謝量(BEEkcal)×身体活動レベルは、1573kcal*1.4=2200kcal(身体活動レベル1.4)となる。朝昼夜のカロリー配分量は諸説あるが、本実施形態では、ダイエットに適するという配分、朝:昼:夜=2:3:1をベースに若干調整している。取得栄養量平均値は過去1ヶ月の各食事(朝昼夜ごと)の摂取カロリー平均値である。
【0093】
図17は、本実施例に係る運動データベースを示す表である。運動データベース保存部42は、被検体Tの評価値を運動と運動量に変換することに用いる運動データを保存する。運動データベース保存部42の運動データベースは、例えば各運動による一時間あたりの消費カロリーを示す。
【0094】
ユーザー情報保存部44は、栄養管理データベース及び運動データベースの参照に用いるユーザー情報を保存する。ユーザー情報保存部44のユーザー情報は、栄養管理データベースの初期値計算及び運動データベースの参照(性別)に使用される。参照された各データは診断部19にて判定や処理に使用される。ユーザー情報は、例えば、身長/体重/年齢/性別/生活強度(身体活動レベル、職種)/妊娠中などのパラメーターで構成されている。ユーザー情報の設定項目は、例えば、時刻設定、前日の繰越し栄養量を翌日も使用:する/しない、その日の身体活動レベル設定(必要に応じて変更可能)、ダイエットモードなどである。前日の栄養量を翌日に繰越さない場合は日付変更時点でリセットする。運動をする日や力仕事をする日は身体活動レベルの変更が可能である。ダイエットモードは総栄養量を低い値で運用する。
【0095】
C−2.分光画像処理:
図18は、本実施例に係る分光画像処理を示すフローチャートである。以下に各処理の詳細を示す。
先ず、ステップS642において、CPU10は、マルチバンドカメラ200からマルチバンド画像を取得する処理を行う。詳しくは、CPU10は、メモリー30の測定帯域データ保存部32に記憶された複数の測定帯域データを、マルチバンドカメラ200の波長選択フィルター220に順に送信することで、波長選択フィルター220の透過波長域を順に変更して、異なる測定帯域毎のバンド画像(スペクトル画像)を表すマルチバンド画像を、マルチバンドカメラ200から取得する。なお、このステップS642における処理の一部である、複数の測定帯域データをマルチバンドカメラ200に送信する構成が、CPU10で実現される測定帯域指示部12(図1)に相当する。
【0096】
次に、ステップS644において、CPU10は、ステップS642で取得したバンド画像のそれぞれを補正する前処理を実行する。マルチバンド画像には、マルチバンドカメラ200の光学系・フィルターなどのムラや、光源ユニット250の照明ムラに起因する測定誤差が含まれている。これを前処理データを用いて補正する。このステップS644の処理が、CPU10で実現される前処理部14(図1)に相当する。
【0097】
次に、ステップS646において、CPU10は、ステップS644で補正を終えた後のマルチバンド画像(以下、「補正後マルチバンド画像」と呼ぶ)から分光スペクトルを推定する処理を実行する。ステップS644のカメラ・光源のムラを補正で補正された補正後マルチバンド画像は、離散的な測定値であり、またマルチバンドカメラ200のフィルターの透過波長帯域で積分された値なので、被検体Tからの反射光のスペクトルとは差異が生じている。これをステップS604の分光推定パラメーター及び測定帯域データの生成・保存で生成・保存された分光推定パラメーターを用いて以下の式で推定する。
【0098】
p=Mx,x=t(x1,x2,…xn),p=t(p1,p2,…pm)
なお、ステップS604の分光推定パラメーター及び測定帯域データの生成・保存と同様に、分光推定処理についても、上記に限る必要はなく、他の方法に換えることができる。
【0099】
次に、ステップS648において、CPU10は、ステップS646で得られた分光スペクトルから被検体Tの特徴量、すなわちカロリー/栄養素量を推定する処理を行う。ここでは、検量処理パラメーター保存部38に記憶された検量処理パラメーターに基づいて前記推定を行う。
【0100】
詳しくは、ステップS646の分光スペクトルの推定で求めた各画素の分光スペクトルと、ステップS606の検量処理パラメーターの生成・保存で生成・保存された求めた検量処理パラメーターから、以下の式を用いて特徴量を推定する。
【0101】
s=Ap,p=t(p1,p2,…pm)
なお、ステップS606の検量処理パラメーターの生成・保存と同様に、検量処理についても、上記に限る必要はなく、他の方法に換えることができる。
【0102】
このステップS646の処理が、CPU10で実現される分光推定部16(図1)に相当し、上記ステップS648の処理が、CPU10で実現される検量処理部18(図1)に相当する。
【0103】
次に、ステップS650において、CPU10は、ステップS648で得られた特徴量から診断結果を求める処理を行う。ここでは、診断データベース保存部39に記憶された診断データベースに基づいて、前記鮮度判定結果の演算を行う。
算出された食事のカロリー/栄養素を、同じ日に既に摂取したカロリー/栄養素量と加算し、診断データベース保存部39に保存されている1日の目標摂取カロリー/栄養素量と比較することで、診断結果を求める。また、目標値に対する乖離度合いで診断結果を求める。
【0104】
次に、ステップS652において、CPU10は、ステップS650で得られた診断結果を表示装置300に出力する。ステップS650の診断結果の算出で求めた診断結果、あるいはステップS648の検量物質量の推定で求めた特徴量、ステップS646の分光スペクトルの推定で求めた分光スペクトル及び診断日時、場所情報などを、表示装置300に出力する。
【0105】
なお、図14に示すステップS600のデータベースの生成・保存において検量/診断対象に合わせた分光推定パラメーター及び検量処理パラメーターを生成しておけば、ステップS640の分光画像処理は検量/診断対象によらず、共通の処理を用いることができる。
【0106】
本実施形態により、測定物質に応じて必要最低限数の測定帯域を測定し、そのデータから分光スペクトルを推定・検量するので、測定時間・精度の両立が可能となるので、短時間で高精度測定できる。
【0107】
また、センサーの分光感度の幅が広くても分光スペクトルが推定できるので、センサーに入射する光量が増え、より高解像度なセンサーや安価でS/Nが悪いセンサーでも測定が可能となるので、高解像度・安価に測定できる。
【0108】
更に、1日の目標摂取カロリー/栄養素との差分や時間、場所などの条件に合う食事メニューが提示されるので、実際にその場で摂取可能な食事を選ぶことができ、食事メニュー選択の手間を省くことで、食事メニュー選択の手間を省くができる。
【0109】
本実施形態によれば、分光情報から実際の食事のカロリー量が計測可能である。これにより、カロリー量の誤差が少ない(予め設定されたカロリー量の置換えでない)。また、システムのメニュー登録及び食事データベースの作成が不要であり、システムのメモリー量を削減できる。
【0110】
また、食事量がOK、NGに応じて緑(OK)や黄(NG)のランプが点灯、又は表示手段全面が緑、黄になる。これにより、その場で素早く計測(入力)することが可能である。
【0111】
更に、栄養検量の結果は総カロリー量とPFCバランス(たんぱく質、脂質、炭水化物)とで出力される。これにより、簡単にカロリー量が入力(出力)できるのでユーザーも利用が長続きする。
【0112】
また、取得栄養量平均値は過去の食事記録から算出される(利用回数とともに精度が上がる)。初回時は朝:昼:夜=3:4.5:2.5程度である。これにより、ユーザーの嗜好、実生活に則した食事が可能である。
【0113】
更に、三食のカロリーバランス(朝:昼:夕摂取比率)を設定することが可能である。例えば夜は控えめ昼重視することなどの設定が可能である。これにより、食事を目的としたポジティブな健康管理が可能となる。
【0114】
D.変形例:
この発明は前記実施例やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。なお、変形例の説明にあたっては上述した実施例と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0115】
(変形例1)
前記実施例では、健康管理支援システム1専用の分光画像処理装置100を用いていたが、分光画像処理装置100は汎用のパーソナルコンピューターに換えることができる。また、マルチバンドカメラ200と分光画像処理装置100とは別体であったが、一体とすることもできる。例えば、分光画像処理装置100を内蔵する構成としてもよいし、マルチバンドカメラ200に分光画像処理装置100を例えばチップの形で内蔵する構成としてもよい。表示装置300及び記憶装置400も、分光画像処理装置100と一体とすることもできる。
【0116】
(変形例2)
前記実施例及び各変形例において、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。
【0117】
(変形例3)
前記実施例及び各変形例では、分光推定パラメーターを用いて、マルチバンド画像から分光スペクトルを演算し、検量処理パラメーターを用いて、前記分光スペクトルから特徴量を演算する構成としていたが、これに換えて、分光推定パラメーターMと検量処理パラメーターZとを掛け合わせたパラメーターL(=Z・M)を用いて、マルチバンド画像から直接、特徴量を推定する構成としてもよい。マルチバンドカメラ200の個体、被検体Tの種類、及び推定する特徴量の組合せが予め定められている場合には、この構成によっても、高価な分光器を必要とせずに、マルチバンド画像から被検体の特徴量を高精度に推定することができる。
【0118】
(変形例4)
前記実施例及び各変形例では、測定帯域データ保存部32に記憶された複数の測定帯域データを、マルチバンドカメラ200の波長選択フィルター220に順に送信することで、波長選択フィルター220の透過波長域を順に変更して、異なる測定帯域毎のバンド画像(スペクトル画像)を表すマルチバンド画像を、マルチバンドカメラ200から取得する構成とした。これに替えて、予め定められた複数の測定帯域毎のバンド画像を表すマルチバンド画像をマルチバンドカメラ200から取得する構成としてもよい。すなわち、測定帯域データ保存部32及び測定帯域指示部12はなくてもよい。
【0119】
(変形例5)
前記実施例及び各変形例では、前処理データ保存部34に記憶した前処理データに基づいて、前処理部14がマルチバンド画像を補正し、補正後マルチバンド画像から分光スペクトルを推定する構成とした。これに替えて、マルチバンド画像取得部が取得したマルチバンド画像から分光スペクトルを推定する構成としてもよい。また、マルチバンド画像取得部が、補正後マルチバンド画像を取得してもよい。すなわち、前処理データ保存部34及び前処理部14はなくてもよい。
【0120】
(変形例6)
前記実施例及び各変形例では、分光画像処理装置100の診断データベース保存部39に記憶された診断データベースと、推定された特徴量とに基づいて、診断部19が判定を行う構成とした。これに替えて、推定された特徴量を分光画像処理装置100とは別に構成された診断装置に出力し、診断装置が診断を行ってもよい。すなわち、分光画像処理装置100には診断データベース保存部39及び診断部19はなくてもよい。
【0121】
(変形例7)
前記実施例では、図2に示すステップS170でグリーンランプを点灯する。ステップS180でイエローランプを点灯する構成とした。これに替えて、音、振動等で識別してもよい。また、OK/NGの表示のみでもよい。
【0122】
(変形例8)
前記実施例では、図8に示すステップS200、S210、S230、S240で不足栄養素を補う食事を提案する構成とした。これに替えて、不足栄養素を補う食事の提案を省略してもよい。
【0123】
なお、前述した各実施例及び各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0124】
1…健康管理支援システム 10…CPU 12…測定帯域指示部(マルチバンド画像取得部) 14…前処理部 16…分光推定部 18…検量処理部 19…診断部 30…メモリー 32…測定帯域データ保存部(マルチバンド画像取得部) 34…前処理データ保存部 36…分光推定パラメーター保存部 38…検量処理パラメーター保存部 39…診断データベース保存部 40…栄養管理データベース保存部 42…運動データベース保存部 44…ユーザー情報保存部 50…入出力I/F(マルチバンド画像取得部) 100…分光画像処理装置 200…マルチバンドカメラ 210…レンズユニット 220…波長選択フィルター 230…CCD 240…CCDAFE 250…光源ユニット 300…表示装置 400…記憶装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得するマルチバンド画像取得部と、
波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを保存する分光推定パラメーター保存部と、
前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを保存する検量処理パラメーター保存部と、
前記分光推定パラメーター保存部に保存されている前記分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する分光推定部と、
前記検量処理パラメーター保存部に保存されている前記検量処理パラメーターを用いて、前記分光推定部によって求められた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する検量処理部と、
前記被検体の前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを保存する診断データベース保存部と、
前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データを保存する栄養管理データベース保存部及び運動データを保存する運動データベース保存部と、
前記栄養管理データ及び前記運動データの参照に用いるユーザー情報を保存するユーザー情報保存部と、
前記診断データベース保存部に保存されている前記診断データを用いて、前記検量処理部によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算し、
前記栄養管理データベース保存部に保存されている前記栄養管理データ及び前記運動データベース保存部に保存されている前記運動データを用いて、前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する診断部と、
を備えることを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の健康管理支援装置において、
前記診断部は、前記健康管理を表示部に出力することを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の健康管理支援装置において、
前記マルチバンド画像取得部は、
複数の波長帯域の感度で前記被検体の撮影を行うマルチバンドカメラに対して測定帯域を指示することに用いる複数の測定帯域データを保存する測定帯域データ保存部と、
前記測定帯域データ保存部に保存されている測定帯域データを前記マルチバンドカメラに送ることによって、前記マルチバンドカメラに測定帯域を指示する測定帯域指示部と、
を備えることを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の健康管理支援装置において、
前記マルチバンド画像の取得先であるマルチバンドカメラにおける誤差を補正することに用いる補正量を、前記マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれに対して定めた前処理データを保存する前処理データ保存部と、
前記マルチバンド画像取得部によって取得したマルチバンド画像を、前記前処理データ保存部に保存されている前処理データに基づいて補正し、補正後のマルチバンド画像を前記分光推定部に送る前処理部と、
を備えることを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項5】
被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する工程と、
波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する工程と、
前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算により得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する工程と、
前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する工程と、
前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する工程と、
を含むことを特徴とする健康管理支援方法。
【請求項6】
被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する機能と、
波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する機能と、
前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算によって得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する機能と、
前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する機能と、
前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する機能と、
をコンピューターに実現させることを特徴とするコンピュータープログラム。
【請求項1】
被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得するマルチバンド画像取得部と、
波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを保存する分光推定パラメーター保存部と、
前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを保存する検量処理パラメーター保存部と、
前記分光推定パラメーター保存部に保存されている前記分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する分光推定部と、
前記検量処理パラメーター保存部に保存されている前記検量処理パラメーターを用いて、前記分光推定部によって求められた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する検量処理部と、
前記被検体の前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを保存する診断データベース保存部と、
前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データを保存する栄養管理データベース保存部及び運動データを保存する運動データベース保存部と、
前記栄養管理データ及び前記運動データの参照に用いるユーザー情報を保存するユーザー情報保存部と、
前記診断データベース保存部に保存されている前記診断データを用いて、前記検量処理部によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算し、
前記栄養管理データベース保存部に保存されている前記栄養管理データ及び前記運動データベース保存部に保存されている前記運動データを用いて、前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する診断部と、
を備えることを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の健康管理支援装置において、
前記診断部は、前記健康管理を表示部に出力することを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の健康管理支援装置において、
前記マルチバンド画像取得部は、
複数の波長帯域の感度で前記被検体の撮影を行うマルチバンドカメラに対して測定帯域を指示することに用いる複数の測定帯域データを保存する測定帯域データ保存部と、
前記測定帯域データ保存部に保存されている測定帯域データを前記マルチバンドカメラに送ることによって、前記マルチバンドカメラに測定帯域を指示する測定帯域指示部と、
を備えることを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の健康管理支援装置において、
前記マルチバンド画像の取得先であるマルチバンドカメラにおける誤差を補正することに用いる補正量を、前記マルチバンド画像を構成するバンド画像のそれぞれに対して定めた前処理データを保存する前処理データ保存部と、
前記マルチバンド画像取得部によって取得したマルチバンド画像を、前記前処理データ保存部に保存されている前処理データに基づいて補正し、補正後のマルチバンド画像を前記分光推定部に送る前処理部と、
を備えることを特徴とする健康管理支援装置。
【請求項5】
被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する工程と、
波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する工程と、
前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算により得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する工程と、
前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する工程と、
前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する工程と、
を含むことを特徴とする健康管理支援方法。
【請求項6】
被検体の特定成分に応じた所定の波長帯域を少なくとも含む複数の波長帯域で前記被検体を撮影して得られるマルチバンド画像を取得する機能と、
波長帯域の相違する前記マルチバンド画像を分光スペクトルに変換することに用いる分光推定パラメーターを用いて、前記マルチバンド画像から前記分光スペクトルを演算する機能と、
前記分光スペクトルを被検体の特定成分に関する特徴量に変換することに用いる検量処理パラメーターを用いて、前記演算によって得られた前記分光スペクトルから前記特徴量を演算する機能と、
前記特徴量を前記被検体の評価値に変換することに用いる診断データを用いて、前記演算によって得られた前記特徴量から前記被検体の前記評価値を演算する機能と、
前記被検体の前記評価値を運動と運動量に変換することに用いる栄養管理データ及び運動データを用いて、前記演算によって得られた前記被検体の前記評価値から前記運動と前記運動量を演算する機能と、
をコンピューターに実現させることを特徴とするコンピュータープログラム。
【図2】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図12】
【図17】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図12】
【図17】
【公開番号】特開2013−92917(P2013−92917A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234705(P2011−234705)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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