説明

偽造防止セキュリティオブジェクトおよび該オブジェクトの作製および検証方法

本発明のセキュリティオブジェクトは基板(1a)、表面構造(6)およびホログラム層(5)を有する。体積ホログラム(7)はホログラム層(5)に配置されている。このホログラム層(5)は、表面構造(6)によって不均一に変形され、これにより、体積ホログラム(7)からの得られる反射光に容易に検出可能な変化が生じる。これらの変化は、上記のオブジェクトの真正の証明に使用可能である。表面構造(6)は、例えば凹版印刷技術またはエンボスを使用して被着可能である。
表面構造(6)によるホログラム層(5)の変形とは択一的にまたはこれに加えて、ホログラム層(5)をエンボスによって変形することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止セキュリティオブジェクトおよびこのような基板を作製する方法に関する。本発明はまた、このようなオブジェクトの真正を証明する方法に関する。上記のセキュリティ機能は、体積ホログラムを有するホログラム層から構成される。
【0002】
背景技術
上記のタイプのセキュリティオブジェクトとしては、例えば、銀行券、パスポート、クレジットカード、IDカード、パッケージまたは貴重品用タグ、データ担体、レターヘッドなどが考えられる。このようなオブジェクトには、偽造を困難にするためのセキュリティ機能が設けられていることが多い。
【0003】
ホログラムに基づくセキュリティ機能は広く知られている。これらの機能のほとんどが平面ホログラム(例えば、わずかに1または数波長のオーダの深さしか有しない回折格子)を使用しているが、このようなアプリケーションに対して「体積ホログラム(volume hologram)」も提案されている。これについては例えばEP 1 091 267を参照されたい。体積ホログラムは、可視光線の波長よりもはるかに大きな深さの格子、例えば少なくとも10μmの、有利には少なくとも50μmの深さの格子を有している。体積ホログラムは、極めて大きな回折効率を有し、強力な画像を形成し、また明確な回折角および波長を有する。
【0004】
偽造のスキルが増すのに伴って、このようなセキュリティオブジェクトをさらに改善することが望ましい。またこれらのセキュリティオブジェクトが複数の特性を有し、これらの特性よってこれらのセキュリティオブジェクトの検証が容易になることが望ましい。
【0005】
発明の開示内容
したがって本発明の一般的な目的は、強力な偽造保護を提供するセキュリティオブジェクトおよび/または検証の容易なセキュリティオブジェクトを提供することである。
【0006】
本発明の上記の目的と、説明が進むに連れてさらに容易に明らかになると思われる別の目的とを実現するため、上記の偽造防止セキュリティオブジェクト作製方法には、ホログラム層に体積ホログラムを形成するステップと、このホログラム層を基板に被着するステップと、このホログラム層を不均一に変形することによって体積ホログラムを変形するステップとが含まれる。
【0007】
第2の様相において本発明は偽造防止セキュリティオブジェクトに関しており、ここでこのオブジェクトは、基板と、体積ホログラムを備えるホログラム層とを有しており、ここでこのホログラム層は、上記の基板の表面に配置されており、上記の体積ホログラムは、上記のホログラム層の変形によって生じた不均一の変形を含んでいる。
【0008】
最後の様相において本発明は、上記の第2様相のセキュリティオブジェクトの真正を証明する方法に関連しており、この方法は、上記の体積ホログラムを照明して反射ビームフィールドを形成するステップと、上記の不均一な変形によって生じた、この反射ビームフィールドの少なくとも1つの特性があるか否かをチェックするステップと、この特性がない場合に真正を否定するステップを含んでいる。
【0009】
ここでの「不均一な」変形とは、ホログラム全体に同様に作用を及ぼすことのない変形のことである。有利には上記のホログラムは局所的に変形される。すなわちホログラムの所定の領域だけが変形されるのである。
上記のホログラムの変形により、体積ホログラムの局所格子ベクトルの長さおよび/向きが変化し、この変化により、結果的に光が散乱する条件(波長および角度)に影響が及ぼされる。したがって上記の変形は、ホログラムを光学的に検査することによって簡単に認識することができるのである。体積ホログラムにおける波長および角度選択性は、表面ホログラムによりも格段に高いため、変形は体積ホログラムにおいてより一層顕著になる。
【0010】
基板にホログラム層を被着するステップおよびこの基板を変形するステップは同時または順次に行うことが可能である。
【0011】
有利な1実施例において、上記のホログラム層は基板の表面構造に被着され、この表面構造は、少なくとも10μm有利には少なくとも30μmの高さのエッジを有しており、これによってホログラムが変形される。ここでの「エッジ」とは、少なくとも10°、殊に少なくとも30°の傾斜角を伴う任意の高さの変化のことであると理解されたい。
【0012】
表面構造にホログラム層を被着するのに加えてまたはこれとは択一的に、室温においてまたは温度を上昇させてこれをエンボスすることにより、このホログラム層を変形することができる。ここに関連して「エンボス」とは、固いオブジェクトによって不均一な圧力を加えることによる任意の不均一な変形のことであり、このオブジェクトはホログラム層を変形させた後、除去される。
【0013】
有利な1実施形態において、変形がなければ視覚的に実質的に均一である体積ホログラムの領域に少なくとも変形の一部が加えられ、例えば、その局所的な格子ベクトルの長さおよび向きが変形の前には緩慢にしか変化せず、変形の後には格段に迅速に変化する領域に少なくとも変形の一部が加えられる。この場合、この変形は容易に識別することができる。
【0014】
本発明は、任意のタイプのセキュリティオブジェクトに適用可能である。有利な応用において、このセキュリティオブジェクトは銀行券であるが、このオブジェクトをパスポート、クレジットカード、ブランドラベルまたは上で挙げた任意のセキュリティオブジェクトとすることも可能である。
【0015】
図面の簡単な説明
以下の詳細な説明を考察すれば、本発明をより一層理解できまた上記とは別の課題も明らかになろう。この説明では添付の図面を参照する。ここで
図1は、ホログラム層を付着した銀行券の平面図であり、
図2は、ホログラム層および表面構造を有する基板の一部の概略断面図であり、
図3は、変形前の図2のホログラム層の断面図であり、
図4は、ホログラム層を被着する前の、表面構造を有する基板の断面図であり、
図5は、エンボスされたホログラム層および基板の一部の断面図であり、この図にはエンボススタンプも略示されており、
図6は、変形されていないホログラムによって形成される第1パターンと、変形によって形成される第2パターンとを含むホログラムの例を示す図である。
【0016】
本発明を実施するための実施形態
図1には本発明によるセキュリティオブジェクトの1実施形態として銀行券1が示されており、この銀行券は、押印または別の手法で被着された慣用のセキュリティフィーチャ2、画像3および価値情報4を有している。これに加えて銀行券1は、1つまたはそれ以上のホログラム層5を有する。
【0017】
図2にはホログラム層5およびその下にある銀行券基板1aの断面図が示されている。この実施形態において表面構造6は、基板1aの最上部に配置された2つの「隆起部」からなる。ホログラム層5は、これらの2つの隆起部にフィットするように不均一に変形される。
【0018】
図2のセキュリティオブジェクトは図3に示したように作製される。
【0019】
第1ステップにおいて図3に示した体積ホログラム7は、銀行券1とは別にホログラム層5に作成される。ホログラム層5は有利には、感光性材料からなる厚さが均一な透明熱可塑性シートである。体積ホログラム7は、例えば反対側からホログラム層5に当たる可干渉な2つの光ビームによってホログラム層5に書き込まれる。露光の後、光に対して耐性を有するようにするためこのホログラムは安定化される。有利な材料および方法は当業者には公知であり、例えば、ドイツのXetos社によるWO 03/036389に記載されている。
【0020】
図3のホログラム層5を基板1aに被着する前、表面構造6を基板の表面に被着する。
【0021】
このような表面構造(または少なくともその一部)は、例えば基板1aをエンボスすることによって形成することができる。これとは択一的にまたはこれに加えて、上記の構造を形成するための材料を基板1aの平らな表面に局所的に被着することができ、これは例えば凹版印刷を使用して材料を被着することによって行われる。容易に変形可能な材料を構造の形態で基板1aに被着することができ、つぎにこれを硬化させる別の任意の手法、例えば別の印刷技術なども使用可能である。
【0022】
図4の実施形態では、凹版印刷が使用され、また表面構造6の隆起部は、染色または硬化性の透明材料によって形成される。
【0023】
凹版印刷は、セキュリティ文書の作成に広く適用されており、したがって表面構造6を形成するための処理をセキュリティ印刷ラインに簡単に組み込めることに注意されたい。
【0024】
一旦表面構造6を配置して硬化してしまえば、例えば接着剤またはホットメルト法を使用して、ホログラム層5をこれに被着することができる。
【0025】
ホログラム層5を表面構造6および基板1aに接触させる場合、有利にはこのホログラム層5を加熱して、その温度を上げ、軟化させる。これによって表面構造6に対する変形が促される。熱処理に加えてまたはこれとは択一的にホログラム層5に圧力を加えて、変形を発生させることができる。
【0026】
ホログラム層5の体積ホログラムは、位相ホログラムおよび/または吸収ホログラムとすることが可能である。ここでこのホログラムはつぎのように配向される。すなわち、このホログラムにより、ホログラム層5の最上部の表面に当たるビーム8の少なくとも一部が反射光9として散乱し(図2を参照されたい)、これによって観察者が反射光9を見ることができるように配向されるのである。
【0027】
上記のように層5は変形して表面構造6の隆起部の上にフィットする。これにより、局所的に歪んだ領域10が体積ホログラム7に発生し、ここでは体積ホログラム7の格子間隔および方向が、歪みの発生の前のそれとは異なる。
【0028】
散乱が行われるようにするため、入射光ビーム8の方向および波長は、体積ホログラム7の局所的な格子間隔および配向に適合していなければならない。したがって反射条件が、歪んだ領域10において変化するのである。
【0029】
このことを説明するため、変形の前の体積ホログラム、すなわち図3に示した状態の元々の体積ホログラムは、一定の間隔および配向を有する均一な格子であったと仮定する。このホログラム層を表面構造6に向かって変形させて拡散性の白色照明の下でこれを見る場合、歪んだ領域10からの反射光は、このホログラムの残りの部分からの反射光とは色および強度が異なる。
【0030】
このような視覚効果を得るため、隆起部の高さH(図4を参照されたい)は、かなり小さく、ふつうは少なくとも10μm、例えば30μmのオーダとすることが可能である。強い結果を得るためには、この高さは有利には70μm以上であり、隆起部のエッジは少なくとも20°の傾斜角を有するとよい。
【0031】
ホログラム層5を大きく変形するため、表面構造6の有利な実施形態には、少なくとも1つの方向にが1mmを越えない、有利には300μmを越えない幅Wを有する隆起部が含まれている。この隆起部のエッジの高さHは、上の段落に記載したようにすべきである。このタイプの隆起部は、例えば、凹版印刷によって基板1aに被着される染色線によって形成可能である。
【0032】
一般的には良好に視覚できるようにするため、表面構造6によって形成され互いに交わらない隣接エッジ間の間隔Dは1cmを上回ってはならない。
【0033】
簡単に見えるようにするため、この表面構造を有利には、基板に被着されかつ基板とは「別」であると識別されるアイテムのエッジ、例えば写真のエッジによって形成しない。
【0034】
上の実施例において表面構造6は、材料を基板1aの表面に加えることによって作製されており、またすでに述べたようにこの表面構造は、エンボスによって形成可能である。基板1aの粗いまたは構造化された表面領域を平らにすることによって、上記の表面構造を作製または変更することも可能であり、これは、例えばホログラム層5を被着する前に平らなスタンプによってその一部をエンボスすることによって行われる。例えば、基板1aの表面は、スタンプによって平らにされた箇所を除いて粗い紙とすることが可能である。基板1aにホログラム層5を被着する場合、このホログラム層は、基板の表面の粗い区画によって不均一に変形され、これにより、一般にこの領域においてホログラムの角度およびスペクトル選択性が低下することになる。
【0035】
ここまで説明した実施形態では、ホログラム層5は表面構造6によって不均一に変形されていた。これとは択一的にまたはこれに加えて、例えばエンボス処理においてホログラム層に不均一な圧力を加えることによって、ホログラム層5を不均一に変形することも可能である。
【0036】
このような手順が図5に記されており、ここではスタンプ15によってエンボスした後の基板1a上のホログラム層5が示されている。スタンプ15は、例えばその衝撃側17がくぼみまたは隆起部からなる表面構造16を含んでいる。基板1a上のホログラム層5の方に(または基板1aにホログラム層5を付着する前に)スタンプ15を押しつけることによって、相応する不均一な変形18がこのホログラム層に形成される。これにより、ここでも視覚的に捉えることの可能な歪み10が体積ホログラム7内に得られる。変形を促進するため、ここでもエンボスの前および/またはエンボス中にホログラム層5を加熱することが可能である。
【0037】
上記の実施例ではホログラム層5の変形の前、ホログラム7は均一であった。当業者には公知のようにホログラム7は、不均一とすることも可能であり、また所望の2次元または3次元の画像を表すことができる。
【0038】
したがって体積ホログラム7における視覚構造は、作製中に元々のホログラムに書き込むか、またはホログラム構造を不均一に変形することによって発生させることができるのである。上記の2つのパターンタイプを適当に組み合わせることによって、さらなるセキュリティフィーチャを作製することが可能である。
【0039】
このことは図6に示されており、ここでクロスハッチされた領域11は、元々のホログラムに書き込まれまたさらなる歪みなしにそこで見ることのできる第1のパターンを示しており、これに対してドットの領域12は、ホログラム層5を局所的に変形することによってホログラムの均一領域に形成された別のパターンを示している。ホログラム層5を変形する場合、第1パターン11のエッジと、第2パターン12のエッジとが同一線上になるように注意しなければならない。これによってユーザはホログラム層5が正しく被着されていることを検証することができる。
【0040】
体積ホログラム7の不均一な変形の領域10は、所望の任意の形状を有することができる。有利にはこれらの領域は、容易に認識可能な幾何学形状または文字の輪郭をトレースする。
【0041】
体積ホログラムに適用される不均一な変形は、例えば基板の表面に平行な方向に50μm以下の広がりを有する複数の局所的な変形によって発生させることも可能である。例えば、ランダムな隆起部またはクロスハッチングパターンを有する表面構造を使用することができる。これらの構造は個別に識別することはできないが、これらの構造によってホログラムはランダムに歪む。したがってこのホログラムからの反射は、角度およびスペクトル選択性が低く、これを見る人はこのことを識別することができ、また拡散性の照明の下ではホログラムの視認性が高まる。
【0042】
上記の複数の実施例は、銀行券に関連している。しかしながら同じメカニズムは、冒頭部で述べた別のタイプのオブジェクトをマークするためにも使用可能である。
【0043】
上記のように変形したホログラムを含むオブジェクトの真正を証明するため、以下のステップを使用することができる。
【0044】
1. 体積ホログラム7に光を当てて、ここから反射される光フィールドを形成する。照明光は、拡散性とすることができ、可干渉である必要はない。
【0045】
2. 変形によって引き起こされた不均一性10によって生じた、反射光フィールドの少なくとも1つの特性があるか否かをチェックする。図2の実施形態の真正をチェックする場合、上記の特性は、例えば、表面構造6の隆起部の近くに色付きの反射が見えることとすることができる。より一般的に言えば、上記の特性とはふつう、体積ホログラム7の変形によって生じる任意の反射のこと(または反射がないこと)である。
【0046】
3. ステップ2でチェックした特性が見つからない場合、このオブジェクトの真正を否定することができる。
【0047】
ここでは本発明の有利な実施形態を示し説明したが、本発明はこれらの実施形態に制限されず、添付の請求項の範囲内でさまざまに実施および実現できることを明瞭に理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】ホログラム層を付着した銀行券の平面図である。
【図2】ホログラム層および表面構造を有する基板の一部の概略断面図である。
【図3】変形前の図2のホログラム層の断面図である。
【図4】ホログラム層を被着する前の、表面構造を有する基板の断面図である。
【図5】エンボスされたホログラム層および基板の一部の断面図である。
【図6】変形されていないホログラムによって形成される第1パターンと、変形によって形成される第2パターンとを含むホログラムの例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偽造防止セキュリティオブジェクトを作製する方法において、
ホログラム層に体積ホログラム(7)を形成するステップと、
該ホログラム層(5)を基板(1a)に被着するステップと、
該ホログラム層(5)を不均一に変形することによって、前記の体積ホログラム(7)を変形することを特徴とする、
偽造防止セキュリティオブジェクトを作製する方法。
【請求項2】
前記のホログラム層(5)を局所的に変形する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の基板(1a)の表面構造(6)の少なくとも一部にホログラム層(5)を被着し、該ホログラム層を表面構造(6)にフィットするように変形することによって体積ホログラム(7)を変形する、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面構造(6)は、少なくとも10μmの高さのエッジを有する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記表面構造(6)は、少なくとも30μmの高さのエッジを有する、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記表面構造(6)は、少なくとも1方向にて1mmを上回らない幅を有する隆起部を含む、
請求項3から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記表面構造(6)は、少なくとも1方向にて300μmを上回らない幅を有する隆起部を含む、
請求項3から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記の表面構造(6)によって形成される互いに交わらない隣接エッジ間の間隔は、1cmを上回らない、
請求項3から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記の基板(1a)をエンボスすることによって表面構造(6)の少なくとも一部を作製するステップを有する、
請求項3から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記の基板(1a)の表面に局所的に材料を被着して、当該材料を硬化することにより、表面構造(6)の少なくとも一部を作製するステップを有する、
請求項3から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
印刷によって前記の基板(1a)に表面構造(6)を被着する、
請求項3から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
凹版印刷によって前記の基板(1a)に表面構造(6)を被着する、
請求項3から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記のホログラム層(5)を被着する前に表面構造(6)の一部を平らにするステップを有する、
請求項3から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記のホログラム層(5)の温度を上げることによって、表面構造(6)に接触している当該ホログラム層(5)を軟化するステップを有する、
請求項3から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記の表面構造(6)を写真のエッジによって形成しない、
請求項3から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記のホログラム層(5)をエンボスすることによって当該ホログラム層(5)を変形するステップを含む、
請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記の体積ホログラム(7)が視覚的に実質的に均一である領域にてホログラム層(5)を変形する、
請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記セキュリティオブジェクトは、銀行券である、
請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
偽造防止セキュリティオブジェクトにおいて、
基板(1a)と、体積ホログラム(7)を備えるホログラム層(5)とを有しており、
ここで該ホログラム層(5)は、前記の基板(1a)の表面に配置されており、
前記の体積ホログラム(7)は、ホログラム層(5)の変形によって生じた不均一の変形を含むことを特徴とする
偽造防止セキュリティオブジェクト。
【請求項20】
さらに前記の基板(1a)に表面構造(6)を有しており、
該表面構造(6)は、少なくとも10μmの高さまたは付加を有しており、
前記の体積ホログラム(5)は、表面構造(6)の少なくとも一部に配置されており、該表面構造(6)によって変形される、
請求項19に記載のセキュリティオブジェクト。
【請求項21】
前記表面構造(6)は、少なくとも10μmの高さのエッジを有する、
請求項20に記載のセキュリティオブジェクト。
【請求項22】
前記の表面構造(6)を写真のエッジによって形成しない、
請求項20または21に記載のセキュリティオブジェクト。
【請求項23】
前記表面構造(6)は、少なくとも1方向にて1mmを上回らない幅を有する隆起部を含む、
請求項20から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記表面構造(6)は、少なくとも1方向にて300μmを上回らない幅を有する隆起部を含む、
請求項20から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記の表面構造(6)の互いに交わらない隣接エッジ間の間隔は、1cmを上回らない、
請求項20から24までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記の体積ホログラムは、個別に識別できない複数の不均一な変形を有する、
請求項19から25までのいずれか1項に記載のセキュリティオブジェクト。
【請求項27】
前記の体積ホログラム(7)は、不均一な変形なしに、第1エッジを有する第1パターンを含んでおり、
前記の不均一な変形により、第2エッジを有する第2パターンが形成され、
前記の第1エッジのうちの少なくともいくつかのエッジと、第2エッジのうちの少なくともいくつかのエッジとが同一直線上にある、
請求項19から26までのいずれか1項に記載のセキュリティオブジェクト。
【請求項28】
前記セキュリティオブジェクトは、銀行券である、
請求項19から27までのいずれか1項に記載のセキュリティオブジェクト。
【請求項29】
セキュリティオブジェクトの真正を証明する方法において、
該方法は、
前記の体積ホログラム(7)を照明して反射光フィールドを形成するステップと、
前記の不均一な変形によって生じた、当該反射光フィールドの少なくとも1つの特性があるか否かをチェックするステップと、
当該特性がない場合には真正を否定するステップとを含むことを特徴とする、
請求項19から28までのいずれか1項に記載のセキュリティオブジェクトの真正を証明する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−504577(P2008−504577A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518432(P2007−518432)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000415
【国際公開番号】WO2006/002552
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(507002745)カーイクスオー アクチエンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】KXO AG
【住所又は居所原語表記】c/o OVD Kinegram AG, Zaehlerweg 12, CH−6301 Zug, Switzerland
【Fターム(参考)】