偽造防止媒体
【課題】 セキュリティ的に信頼性が高い偽造防止媒体を提供する。
【解決手段】 少なくともレーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層と、電子透かし情報が記録された電子透かし情報層と、基材フィルムと、を備えた偽造防止媒体であって、前記体積型ホログラム層に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより前記電子透かし情報層に記録された情報を判読することを特徴とする。
【解決手段】 少なくともレーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層と、電子透かし情報が記録された電子透かし情報層と、基材フィルムと、を備えた偽造防止媒体であって、前記体積型ホログラム層に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより前記電子透かし情報層に記録された情報を判読することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止媒体に関し、特に、偽造防止の真贋判定に適用されるホログラムを利用した偽造防止媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャッシュカード、クレジットカード、小切手カード等のカード類、金券類、身分証明書、重要書類等のような認証とともに偽造防止を必要とする物品に対して、各種の偽造防止手段が図られている。例えば、クレジットカードにおいては、金属反射層を有するレリーフホログラムからなるレインボーホログラムが、目視によるカードの真贋判定のための認証構造としてカードの表面に設けられている。このようなホログラムの記録装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
また、このようなホログラムに情報を記録し、データ管理や確認を行う技術がある。ホログラムへの情報の記録はホログラム記録を行った後、ホログラム表面に印字を行い、情報を記録していた。図22に示すように、記録する情報としてはバーコード(図22(a))や2Dバーコード(図22(b))、シリアルナンバー(図22(c))等が用いられており、記録されている情報自体は目視では確認不可能であっても、何かしらの情報が記録されていることは確認することができた。したがって、可視にて情報の有無を確認可能であるため、情報の内容が確認できなくとも同じ印字を施すことで、偽造品を作られる可能性があった。
【0004】
そのため、可視にて情報が記録されていることを確認できなくするために、UVやIR発光のインクにて情報を記録する方法が用いられることもあった。
【0005】
なお、ホログラムに情報を印字する技術としては、特許文献2〜4が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭60−30948号公報
【特許文献2】特開昭62−133476号公報
【特許文献3】特開2004−268258号公報
【特許文献4】特開表2005−006166号公報
【特許文献5】特開平10−145757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法では、個別情報を記録する場合、記録した情報がホログラムの絵柄を邪魔してしまいデザイン性を損なう場合があった。そして、絵柄を邪魔しないようにする場合には、個別情報を印字するための専用領域を設ける必要があり、ホログラムのサイズが大きくなるという課題があった。また、ホログラムの絵柄を邪魔しない方法としてUVやIR発光のインクを用いて記録する方法もあるが、目視にて記録情報を確認不可能にするためには、記録方法や材料の選定が必要であり、コストも高くなるという問題があった。さらに、絵柄に対して情報の位置を合わせる必要があり生産性が悪かった。
【0008】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティ的に信頼性が高い偽造防止媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の偽造防止媒体は、少なくともレーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層と、電子透かし情報が記録された電子透かし情報層と、基材フィルムと、を備えた偽造防止媒体であって、前記体積型ホログラム層に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより前記電子透かし情報層に記録された情報を判読することを特徴とする。
【0010】
また、前記電子透かし情報層が、顔料もしくは染料を含む樹脂層からなることを特徴とする。
【0011】
また、前記電子透かし情報層が、液晶からなることを特徴とする。
【0012】
また、前記電子透かし情報層が、変質もしくはエングレービングにより形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、前記電子透かし情報層が、印刷により形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、前記電子透かし情報層が、熱転写により形成されたことを特徴とする。
【0015】
また、前記電子透かし情報層が、レーザーにより形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする。
【0017】
また、前記電子透かし情報層を保護する保護層が、前記電子透かし情報層が形成された前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする。
【0018】
また、前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の内部に形成されたことを特徴とする。
【0019】
また、前記基材フィルムから剥離され、被着体に接着させる粘着層を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、前記体積型ホログラムを熱転写により被着体に転写するヒートシール層を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、セキュリティ的に信頼性の高いホログラムに、秘匿性の高い電子透かし情報を用いることにより、通常の状態では目視による判読が困難であり、偽造防止効果を高めることが可能となる。また、冗長性のある電子透かし情報を用いることにより、位置合わせ等の煩雑な工程を要することなく効率的に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】偽造防止媒体の体積ホログラム層の再生像の観察を示す図である。
【図2】偽造防止媒体の体積ホログラム層の再生像を観察できない場合を示す図である。
【図3】電子透かし情報が付与される前の第1実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図4】電子透かし情報が付与された第1実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図5】電子透かし情報が付与される前の第2実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図6】電子透かし情報が付与された第2実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図7】第3実施形態の電子透かし情報が付与された樹脂層を形成した基材フィルムの断面図である。
【図8】ラベル加工を施した後の第3実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図9】ラベル加工を施した後の第4実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図10】ラベル加工を施した後の第5実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図11】電子透かし情報が付与される前の第6実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図12】電子透かし情報が付与された第6実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図13】電子透かし情報が付与される前の第7実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図14】電子透かし情報が付与された第7実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図15】電子透かし情報が付与される前の第8実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図16】電子透かし情報が付与された第8実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図17】電子透かし情報が付与される前の第9実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図18】電子透かし情報が付与された第9実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図19】図3の層構成の表面側をエングレービングした実施例を示す図である。
【図20】図11の層構成の表面側をエングレービングした実施例を示す図である。
【図21】多面ホログラムにおける電子透かし情報を示す図である。
【図22】従来のホログラムに記録する情報を示す図である。
【図23】多面ホログラムにおいて位置ズレした電子透かし情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照にして本発明に係る偽造防止媒体について説明する。本発明に係る偽造防止媒体は、レーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層2と、電子透かし情報が記録された電子透かし情報層としての情報層21,23と、を備えた偽造防止媒体であって、体積型ホログラム層2に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより情報層21,23に記録された情報を判読する。
【0024】
すなわち、目視では判読困難で、専用の読み取り機器によって判読可能な電子透かし情報を記録したものである。ここで、電子透かし情報とは、ホログラムに対して、ホログラムの特徴を損なわないように埋め込む視認可能なホログラムの絵柄、パターン自体とは別の情報をいう。また、電子透かし情報としては所定のアルゴリズムによる繰り返しパターン情報が好ましい。なお、電子透かしの挿入方法、読み取り方法は特許文献5に開示されている。
【0025】
情報層21と体積ホログラム層2を有する偽造防止媒体において、体積ホログラム層2の再生像を観察する場合、図1に示すように、像が再生される設計角で照明光を入射すると、体積ホログラム層2の再生像が観察できる。図2に示すように、像が再生される設計角とは異なる角度で照明光を入射した場合、体積ホログラム層2の再生像が観察できない。リップマンホログラムの場合、角度選択性が高いため、照明光の入射角が設計と異なっていれば体積ホログラム層2の再生像は再生されず、情報層21の情報のみを読み出しやすくなる。また、波長選択性も高いため、体積ホログラム層2の再生像が再生される角度から照明光を入射した場合でも、波長が異なっていれば像は再生されないため、情報層21の情報のみを読み出しやすくなる。
【0026】
図3及び図4は、第1実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図3は電子透かし情報が付与される前の第1実施形態の偽造防止媒体の断面図、図4は電子透かし情報が付与された第1実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0027】
図3に示すように、第1実施形態では、まず、ホログラム基材としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成する。
【0028】
基材フィルム1は、ある程度の機械的強度を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、PETフィルム等を用いることができる。また、このようなホログラム基材1の厚さとしては、通常5μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmの範囲内とされる。
【0029】
体積ホログラム層2の形成は、基材フィルム1上に、一般的なコーティング手段、例えば、スピンコーター、グラビアコーター等により塗布し、必要に応じて乾燥する。ホログラム用材料としては、従来公知の体積ホログラム記録材料を使用できる。具体的には、銀塩感材、重クロム酸ゼラチン、光架橋型ポリマー、フォトポリマー等が例示される。特に、フォトポリマーは、その他の材料に比べて、乾式プロセスのみで体積型ホログラムを作製することができ、量産性に優れた材料である。ホログラム用材料に使用されるフォトポリマーは、少なくとも1種の光重合性化合物と、光重合開始剤を有するものである。
【0030】
体積型ホログラムは、干渉縞が屈折率変調又は透過率変調として記録され形成されるものであり、体積型ホログラム層2に、レーザー光を照射し露光することにより、光重合性化合物を重合させて、干渉縞を記録する。ホログラフィー露光に用いられるレーザー光は、アルゴンイオンレーザー(457.9nm,476.5nm,488.0nm,514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(632.8nm)、YAGレーザー(532nm)等を使用することができる。
【0031】
上記の像の干渉縞を記録する方法としては、従来の公知の方法を使用することができる。例えば、上記体積型ホログラム層2に原版を密着させ、基材フィルム1側から可視光、あるいは紫外線や電子線等の電離放射線を用いて干渉露光を行うことにより像の干渉縞が記録される。
【0032】
また、屈折率変調の促進、光重合性化合物等の重合反応完結のために干渉露光後、紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
【0033】
次に、偽造防止媒体にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。
【0034】
ラベル基材12は情報が付与された偽造防止媒体50を被着体に適用する際に剥離するものであるので、粘着層11からの剥離性が適度なもので、ある程度の機械的強度があるものを用いればよく、特に限定されるものではない。例えばPETフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム等の透明樹脂フィルムを用いることができる。
【0035】
また、このようなラベル基材12に用いられるフィルムの厚さとしては、ラベルの用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、通常2μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmの範囲内とされる。
【0036】
ラベル形態に加工する際の粘着層11は、偽造防止媒体50と被着体を接着させるもので、例えばアクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系粘着剤を使用して得られる。粘着層11の厚みとしては、4μm〜30μmが好ましい。
【0037】
次に、図4に示すように、電子透かし情報からなる情報層21を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体の製造方法では、ホログラム基材1の上に情報層21を形成する。
【0038】
情報層21を形成する方法としては、インクジェットプリントや融転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや溶融転写プリントで使用されるインキとしては、顔料系のインキが用いられる。
【0039】
なお、情報層21の形成は、ラベル加工の前に行ってもよい。また、情報層21は、冗長性を有することが好ましい。
【0040】
次に、第2実施形態について説明する。
【0041】
図5又は図6は、第2実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図5は電子透かし情報が付与される前の第2実施形態の偽造防止媒体の断面図、図6は電子透かし情報が付与された第2実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0042】
第2実施形態では、まず、第1実施形態と同様に、図3に示すように、ホログラム基材としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成し、その後、ラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。
【0043】
次に、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光した後、基材フィルム1に対して体積型ホログラム層2の反対側に受像層としての樹脂層22を形成する。
【0044】
次に、図6に示すように、電子透かし情報からなる情報層23を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体50の製造方法では、樹脂層22に情報層23を形成する。
【0045】
情報層23を形成する方法としては、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや昇華転写プリント等で使用されるインキとしては、染料系のインキが用いられる。
【0046】
なお、樹脂層22及び情報層23の形成は、ラベル加工の前に行ってもよい。また、情報層21は、冗長性を有することが好ましい。
【0047】
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。
【0048】
図7又は図8は、第3実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図7は第3実施形態の電子透かし情報が付与された樹脂層を形成した基材フィルムの断面図、図8は第3実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0049】
第3実施形態では、ホログラム基材としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成する前に、まず、図7に示すように、受像層としての樹脂層22を基材フィルム1に形成する。次に、樹脂層22に情報層23を形成する。情報層23を形成する方法としては、第2実施形態と同様に、染料系のインキを使用し、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。
【0050】
次に、図8に示すように、樹脂層22に対して基材フィルム1の反対側に体積型ホログラム層2を形成し、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光する。
【0051】
次に、情報層23が形成された偽造防止媒体50にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。
【0052】
このように偽造防止媒体50を形成した場合、レーザー露光時に情報層23で光が遮断され、情報層23が影となって体積型ホログラム層2に記録される。また、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0053】
情報層23は、表面に面していないので、改鼠を防止すると共に、傷や汚れによる影響が少ない。
【0054】
次に、第3実施形態の他の製造方法について説明する。
【0055】
第3実施形態の他の製造方法では、まず、基材フィルム1に剥離処理を行ったものを使用し、レーザー露光を行った後、基材フィルム1を一度剥離する。次に、樹脂層22に情報層23を形成する。樹脂層22の情報層23側に体積型ホログラム層2を積層する。その後、基材フィルム1を樹脂層23に貼り合わせ作製する。剥離処理に用いられる材料としては、例えば、アクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、各種界面活性剤、金属酸化物等の1種または2種以上混合したもの等を挙げることができる。
【0056】
次に、第4実施形態の偽造防止媒体50について説明する。
【0057】
図9は、ラベル加工を施した後の第4実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0058】
第4実施形態では、まず、ホログラム基材1としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成し、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光する。
【0059】
次に、受像層としての樹脂層22に情報層23を形成する。情報層23を形成する方法としては、第2実施形態と同様に、染料系のインキを使用し、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。
【0060】
次に、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものと、樹脂層22とを積層する。積層する際は、体積型ホログラム層2と情報層23が隣接するように形成する。
【0061】
次に、情報層23が形成された偽造防止媒体50にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。また、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0062】
情報層23は、表面に面していないので、改鼠を防止すると共に、傷や汚れによる影響が少ない。
【0063】
なお、情報層23を形成する他の方法として、基材フィルム1にホログラム層を形成し、情報層23を形成した樹脂層22を積層した後、レーザー露光を行う方法でもよい。このような方法を適用することにより、情報層23にレーザー光を反射又は吸収するインク等を使用した場合、情報層23の情報をホログラムとして記録することができる。
【0064】
また、樹脂層22及び情報層23にラベル加工を行った後、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものを積層してもよい。
【0065】
図10は、ラベル加工を施した後の第5実施形態の偽造防止媒体の断面図である。第5実施形態は、第4実施形態の変形例であり、樹脂層22に基材フィルム1を積層した後、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものをさらに積層し、偽造防止媒体50を形成する。
【0066】
次に、偽造防止媒体50にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。
【0067】
なお、樹脂層22及び情報層23にラベル加工を行った後、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものを積層してもよい。また、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0068】
情報層23は、表面に面していないので、改鼠を防止すると共に、傷や汚れによる影響が少ない。
【0069】
次に、電子透かし情報からなる情報層21が付与された体積型ホログラム層2を転写箔に加工する際にヒートシール層16を適用する偽造防止媒体50について説明する。
【0070】
ヒートシール層16は、電子透かし情報が付与された体積型ホログラム層2を熱転写により被着体上に転写する際に密着させて加熱等することにより電子透かし情報が付与された体積型ホログラムと被着体とを接着する層である。
【0071】
このような感熱性接着剤層としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。上記の中でも、180℃以下の温度でヒートシール可能な層であることが好ましく、さらにエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の酢酸含量25%以上のものを用いることが好ましい。また、上記樹脂に、必要に応じて感熱性接着剤層が着色されたものであってもよい。
【0072】
図11及び図12は、第6実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図11は電子透かし情報が付与される前の第6実施形態の偽造防止媒体の断面図、図12は電子透かし情報が付与された第6実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0073】
図11に示すように、第6実施形態では、まず、保護層31に対して体積型ホログラム層2を形成する。
【0074】
次に、保護層31により保護した体積型ホログラム層2にヒートシール層16を形成する。
【0075】
次に、図12に示すように、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光した後、情報層21を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体の製造方法では、保護層31の上に情報層21を形成する。
【0076】
情報層21を形成する方法としては、インクジェットプリントや溶融転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや溶融転写プリントで使用されるインキとしては、顔料系のインキが用いられる。なお、情報層21は、冗長性を有することが好ましい。
【0077】
また、体積型ホログラム層2を保護層31により保護し、情報層21を形成した後、ヒートシール層16を形成してもよい。
【0078】
図13及び図14は、第7実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図13は、電子透かし情報が付与される前の第7実施形態の偽造防止媒体の断面図、図14は、電子透かし情報が付与された第7実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0079】
図13に示すように、第7実施形態では、まず、保護層31に対して体積型ホログラム層2を形成する。
【0080】
次に、保護層31により保護した体積型ホログラム層2にヒートシール層16を形成する。続いて、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光した後、樹脂層22を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体の製造方法では、保護層31の上に樹脂層22を形成する。
【0081】
次に、図14に示すように、樹脂層22に情報層23を形成する。なお、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0082】
情報層23を形成する方法としては、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや昇華転写プリント等で使用されるインキとしては、染料系のインキが用いられる。
【0083】
なお、情報層23を形成する他の方法として、保護層31にホログラム層2を積層し、情報層23を形成した樹脂層22を積層した後、レーザー露光を行う方法でもよい。このような方法を適用することにより、情報層23にレーザー光を反射又は吸収するインク等を使用した場合、情報層23の情報をホログラムとして記録することができる。
【0084】
また、体積型ホログラム層2を保護層31により保護し、情報層23を形成した後、ヒートシール層16を形成してもよい。
【0085】
次に、レーザーマーキングによって電子透かし情報を記録する実施形態について説明する。
【0086】
図15及び図16は、第8実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図15は電子透かし情報が付与される前の第8実施形態の偽造防止媒体の断面図、図16は電子透かし情報が付与された第8実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0087】
第8実施形態では、図15に示すように、図3に示した第1実施形態と同様の層構成のホログラムにおいて、顔料、染料又は金属粒子等を含む粘着層11’を用いる。その後、図16に示すように、レーザーマーキングを行い、粘着層11’を変質させることにより電子透かし情報を記録する。この場合、ホログラム層には影響なく、粘着層11’に電子透かし情報を記録することができる。なお、粘着層11’とホログラム層2を貼り合わせる前に粘着層11’に電子透かし情報を記録してもよい。
【0088】
図17及び図18は、第9実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図17は電子透かし情報が付与される前の第9実施形態の偽造防止媒体の断面図、図18は電子透かし情報が付与された第9実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0089】
第9実施形態では、図17に示すように、図3に示した第1実施形態の層構成の粘着層11内で、二つの粘着層11の間に挟持されるように顔料、染料又は金属粒子等を含むPET等の着色フィルム24を設ける。その後、図18に示すように、レーザーマーキングを行い、着色フィルム24に電子透かし情報を記録する。この場合、ホログラム層には影響なく、着色フィルム24に電子透かし情報を記録することができる。なお、粘着層11とホログラム層2を貼り合わせる前に着色フィルム24に電子透かし情報を記録してもよい。
【0090】
なお、レーザーマーキングに使用するレーザーの波長、出力等を変更することで、最表面のPET層、PET層とホログラム層にも記録することができるが、表面にマーキングが面しているので、好ましくは改竄を防止すると共に、傷や汚れによる影響の少ない、粘着層もしくは粘着層で挟持されたPET層にマーキングを行い記録するのがよい。
【0091】
これらの実施形態1〜9では、情報層21,23の電子透かし情報と体積ホログラム層2の絵柄とが少なくとも一部重なって記録される。この場合、電子透かし情報を読み取る際に、ホログラム像が再生される照明角度により照明すると、電子透かし情報は、ホログラム像に影響され、読み取りづらくなる。したがって、電子透かし情報を読み取る際には、ホログラム像を再生する再生照明光とは波長、方向、角度のいずれかが異なる光を照明すると、ホログラム像が再生されず、電子透かし情報のみを読み取ることができ、好ましい。
【0092】
なお、図3の基材フィルム1をラッピング処理し、液晶溶液(重合性ネマチック液晶や重合性コレステリック液晶等)を、グラビア印刷等を用いてパターン印刷を行い、乾燥させた後、紫外線を照射することにより、液晶による情報層を形成してもよい。この場合、層構成は、図4のようになる。また、図11及び図13に示す層構成でも同様に形成することができる。
【0093】
また、マーキング用レーザーの波長を調整することにより、ホログラムラベルの最表面の基材フィルム1をエングレービングすることが可能であり、エングレービングによるパターンを情報として記録する。また、図19に示すように、出力や周波数を調整することにより、図3に示した層構成の基材フィルム1、体積型ホログラム層2をエングレービングすることも可能である。更に調整することにより、ホログラム層下の粘着層もエングレービング可能である。
【0094】
さらに、図11の層構成の場合でも同じく、図20に示すように、表面側にエングレービングすることが可能であるが、保護層は転写後に剥すものなので、マーキング用レーザーの波長を調整することにより、保護層31及び体積型ホログラム層2をエングレービングすることが可能であり、エングレービングによるバターンを情報として記録する。また、出力や周波数を調整することにより、保護層31、体積型ホログラム層2、ヒートシール層16をエングレービングすることが可能である。
【0095】
また、熱転写により情報層を形成してもよい。
【0096】
なお、電子透かし情報は、ホログラムの絵柄と一部重なってもよいし、全面で重なっても良い。また、多面付けされたホログラムにおいてホログラム毎に異なる情報を入れる場合、図23に示すように位置ズレにより余計な電子透かし情報が隣接する他のホログラムにはみ出てしまうことを防止するために、図21に示すように、電子透かし情報はホログラムサイズより小さい領域に収めることが好ましい。
【0097】
本発明によれば、セキュリティ的に信頼性の高いホログラムに、秘匿性の高い電子透かし情報を用いることにより、通常の状態では目視による判読が困難であり、偽造防止効果を高めることが可能となる。また、冗長性のある電子透かし情報を用いることにより、位置合わせ等の煩雑な工程を要することなく効率的に生産することが可能となる。
【0098】
以上、本発明のホログラム及びホログラム作製方法を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施形態に限定されず種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0099】
1…基材フィルム
2…体積型ホログラム層
11…粘着層
12…ラベル基材
16…ヒートシール層
21…情報層(電子透かし情報層)
22…樹脂層
23…情報層(電子透かし情報層)
50…偽造防止媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、偽造防止媒体に関し、特に、偽造防止の真贋判定に適用されるホログラムを利用した偽造防止媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャッシュカード、クレジットカード、小切手カード等のカード類、金券類、身分証明書、重要書類等のような認証とともに偽造防止を必要とする物品に対して、各種の偽造防止手段が図られている。例えば、クレジットカードにおいては、金属反射層を有するレリーフホログラムからなるレインボーホログラムが、目視によるカードの真贋判定のための認証構造としてカードの表面に設けられている。このようなホログラムの記録装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
また、このようなホログラムに情報を記録し、データ管理や確認を行う技術がある。ホログラムへの情報の記録はホログラム記録を行った後、ホログラム表面に印字を行い、情報を記録していた。図22に示すように、記録する情報としてはバーコード(図22(a))や2Dバーコード(図22(b))、シリアルナンバー(図22(c))等が用いられており、記録されている情報自体は目視では確認不可能であっても、何かしらの情報が記録されていることは確認することができた。したがって、可視にて情報の有無を確認可能であるため、情報の内容が確認できなくとも同じ印字を施すことで、偽造品を作られる可能性があった。
【0004】
そのため、可視にて情報が記録されていることを確認できなくするために、UVやIR発光のインクにて情報を記録する方法が用いられることもあった。
【0005】
なお、ホログラムに情報を印字する技術としては、特許文献2〜4が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭60−30948号公報
【特許文献2】特開昭62−133476号公報
【特許文献3】特開2004−268258号公報
【特許文献4】特開表2005−006166号公報
【特許文献5】特開平10−145757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法では、個別情報を記録する場合、記録した情報がホログラムの絵柄を邪魔してしまいデザイン性を損なう場合があった。そして、絵柄を邪魔しないようにする場合には、個別情報を印字するための専用領域を設ける必要があり、ホログラムのサイズが大きくなるという課題があった。また、ホログラムの絵柄を邪魔しない方法としてUVやIR発光のインクを用いて記録する方法もあるが、目視にて記録情報を確認不可能にするためには、記録方法や材料の選定が必要であり、コストも高くなるという問題があった。さらに、絵柄に対して情報の位置を合わせる必要があり生産性が悪かった。
【0008】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティ的に信頼性が高い偽造防止媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の偽造防止媒体は、少なくともレーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層と、電子透かし情報が記録された電子透かし情報層と、基材フィルムと、を備えた偽造防止媒体であって、前記体積型ホログラム層に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより前記電子透かし情報層に記録された情報を判読することを特徴とする。
【0010】
また、前記電子透かし情報層が、顔料もしくは染料を含む樹脂層からなることを特徴とする。
【0011】
また、前記電子透かし情報層が、液晶からなることを特徴とする。
【0012】
また、前記電子透かし情報層が、変質もしくはエングレービングにより形成されたことを特徴とする。
【0013】
また、前記電子透かし情報層が、印刷により形成されたことを特徴とする。
【0014】
また、前記電子透かし情報層が、熱転写により形成されたことを特徴とする。
【0015】
また、前記電子透かし情報層が、レーザーにより形成されたことを特徴とする。
【0016】
また、前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする。
【0017】
また、前記電子透かし情報層を保護する保護層が、前記電子透かし情報層が形成された前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする。
【0018】
また、前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の内部に形成されたことを特徴とする。
【0019】
また、前記基材フィルムから剥離され、被着体に接着させる粘着層を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、前記体積型ホログラムを熱転写により被着体に転写するヒートシール層を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、セキュリティ的に信頼性の高いホログラムに、秘匿性の高い電子透かし情報を用いることにより、通常の状態では目視による判読が困難であり、偽造防止効果を高めることが可能となる。また、冗長性のある電子透かし情報を用いることにより、位置合わせ等の煩雑な工程を要することなく効率的に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】偽造防止媒体の体積ホログラム層の再生像の観察を示す図である。
【図2】偽造防止媒体の体積ホログラム層の再生像を観察できない場合を示す図である。
【図3】電子透かし情報が付与される前の第1実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図4】電子透かし情報が付与された第1実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図5】電子透かし情報が付与される前の第2実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図6】電子透かし情報が付与された第2実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図7】第3実施形態の電子透かし情報が付与された樹脂層を形成した基材フィルムの断面図である。
【図8】ラベル加工を施した後の第3実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図9】ラベル加工を施した後の第4実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図10】ラベル加工を施した後の第5実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図11】電子透かし情報が付与される前の第6実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図12】電子透かし情報が付与された第6実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図13】電子透かし情報が付与される前の第7実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図14】電子透かし情報が付与された第7実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図15】電子透かし情報が付与される前の第8実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図16】電子透かし情報が付与された第8実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図17】電子透かし情報が付与される前の第9実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図18】電子透かし情報が付与された第9実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【図19】図3の層構成の表面側をエングレービングした実施例を示す図である。
【図20】図11の層構成の表面側をエングレービングした実施例を示す図である。
【図21】多面ホログラムにおける電子透かし情報を示す図である。
【図22】従来のホログラムに記録する情報を示す図である。
【図23】多面ホログラムにおいて位置ズレした電子透かし情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照にして本発明に係る偽造防止媒体について説明する。本発明に係る偽造防止媒体は、レーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層2と、電子透かし情報が記録された電子透かし情報層としての情報層21,23と、を備えた偽造防止媒体であって、体積型ホログラム層2に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより情報層21,23に記録された情報を判読する。
【0024】
すなわち、目視では判読困難で、専用の読み取り機器によって判読可能な電子透かし情報を記録したものである。ここで、電子透かし情報とは、ホログラムに対して、ホログラムの特徴を損なわないように埋め込む視認可能なホログラムの絵柄、パターン自体とは別の情報をいう。また、電子透かし情報としては所定のアルゴリズムによる繰り返しパターン情報が好ましい。なお、電子透かしの挿入方法、読み取り方法は特許文献5に開示されている。
【0025】
情報層21と体積ホログラム層2を有する偽造防止媒体において、体積ホログラム層2の再生像を観察する場合、図1に示すように、像が再生される設計角で照明光を入射すると、体積ホログラム層2の再生像が観察できる。図2に示すように、像が再生される設計角とは異なる角度で照明光を入射した場合、体積ホログラム層2の再生像が観察できない。リップマンホログラムの場合、角度選択性が高いため、照明光の入射角が設計と異なっていれば体積ホログラム層2の再生像は再生されず、情報層21の情報のみを読み出しやすくなる。また、波長選択性も高いため、体積ホログラム層2の再生像が再生される角度から照明光を入射した場合でも、波長が異なっていれば像は再生されないため、情報層21の情報のみを読み出しやすくなる。
【0026】
図3及び図4は、第1実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図3は電子透かし情報が付与される前の第1実施形態の偽造防止媒体の断面図、図4は電子透かし情報が付与された第1実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0027】
図3に示すように、第1実施形態では、まず、ホログラム基材としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成する。
【0028】
基材フィルム1は、ある程度の機械的強度を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、PETフィルム等を用いることができる。また、このようなホログラム基材1の厚さとしては、通常5μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmの範囲内とされる。
【0029】
体積ホログラム層2の形成は、基材フィルム1上に、一般的なコーティング手段、例えば、スピンコーター、グラビアコーター等により塗布し、必要に応じて乾燥する。ホログラム用材料としては、従来公知の体積ホログラム記録材料を使用できる。具体的には、銀塩感材、重クロム酸ゼラチン、光架橋型ポリマー、フォトポリマー等が例示される。特に、フォトポリマーは、その他の材料に比べて、乾式プロセスのみで体積型ホログラムを作製することができ、量産性に優れた材料である。ホログラム用材料に使用されるフォトポリマーは、少なくとも1種の光重合性化合物と、光重合開始剤を有するものである。
【0030】
体積型ホログラムは、干渉縞が屈折率変調又は透過率変調として記録され形成されるものであり、体積型ホログラム層2に、レーザー光を照射し露光することにより、光重合性化合物を重合させて、干渉縞を記録する。ホログラフィー露光に用いられるレーザー光は、アルゴンイオンレーザー(457.9nm,476.5nm,488.0nm,514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(632.8nm)、YAGレーザー(532nm)等を使用することができる。
【0031】
上記の像の干渉縞を記録する方法としては、従来の公知の方法を使用することができる。例えば、上記体積型ホログラム層2に原版を密着させ、基材フィルム1側から可視光、あるいは紫外線や電子線等の電離放射線を用いて干渉露光を行うことにより像の干渉縞が記録される。
【0032】
また、屈折率変調の促進、光重合性化合物等の重合反応完結のために干渉露光後、紫外線による全面露光や加熱等の処理を適宜行うことができる。
【0033】
次に、偽造防止媒体にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。
【0034】
ラベル基材12は情報が付与された偽造防止媒体50を被着体に適用する際に剥離するものであるので、粘着層11からの剥離性が適度なもので、ある程度の機械的強度があるものを用いればよく、特に限定されるものではない。例えばPETフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム等の透明樹脂フィルムを用いることができる。
【0035】
また、このようなラベル基材12に用いられるフィルムの厚さとしては、ラベルの用途や種類等に応じて適宜選択されるものであるが、通常2μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmの範囲内とされる。
【0036】
ラベル形態に加工する際の粘着層11は、偽造防止媒体50と被着体を接着させるもので、例えばアクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等、また、アルファ−シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系粘着剤を使用して得られる。粘着層11の厚みとしては、4μm〜30μmが好ましい。
【0037】
次に、図4に示すように、電子透かし情報からなる情報層21を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体の製造方法では、ホログラム基材1の上に情報層21を形成する。
【0038】
情報層21を形成する方法としては、インクジェットプリントや融転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや溶融転写プリントで使用されるインキとしては、顔料系のインキが用いられる。
【0039】
なお、情報層21の形成は、ラベル加工の前に行ってもよい。また、情報層21は、冗長性を有することが好ましい。
【0040】
次に、第2実施形態について説明する。
【0041】
図5又は図6は、第2実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図5は電子透かし情報が付与される前の第2実施形態の偽造防止媒体の断面図、図6は電子透かし情報が付与された第2実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0042】
第2実施形態では、まず、第1実施形態と同様に、図3に示すように、ホログラム基材としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成し、その後、ラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。
【0043】
次に、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光した後、基材フィルム1に対して体積型ホログラム層2の反対側に受像層としての樹脂層22を形成する。
【0044】
次に、図6に示すように、電子透かし情報からなる情報層23を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体50の製造方法では、樹脂層22に情報層23を形成する。
【0045】
情報層23を形成する方法としては、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや昇華転写プリント等で使用されるインキとしては、染料系のインキが用いられる。
【0046】
なお、樹脂層22及び情報層23の形成は、ラベル加工の前に行ってもよい。また、情報層21は、冗長性を有することが好ましい。
【0047】
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。
【0048】
図7又は図8は、第3実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図7は第3実施形態の電子透かし情報が付与された樹脂層を形成した基材フィルムの断面図、図8は第3実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0049】
第3実施形態では、ホログラム基材としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成する前に、まず、図7に示すように、受像層としての樹脂層22を基材フィルム1に形成する。次に、樹脂層22に情報層23を形成する。情報層23を形成する方法としては、第2実施形態と同様に、染料系のインキを使用し、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。
【0050】
次に、図8に示すように、樹脂層22に対して基材フィルム1の反対側に体積型ホログラム層2を形成し、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光する。
【0051】
次に、情報層23が形成された偽造防止媒体50にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。
【0052】
このように偽造防止媒体50を形成した場合、レーザー露光時に情報層23で光が遮断され、情報層23が影となって体積型ホログラム層2に記録される。また、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0053】
情報層23は、表面に面していないので、改鼠を防止すると共に、傷や汚れによる影響が少ない。
【0054】
次に、第3実施形態の他の製造方法について説明する。
【0055】
第3実施形態の他の製造方法では、まず、基材フィルム1に剥離処理を行ったものを使用し、レーザー露光を行った後、基材フィルム1を一度剥離する。次に、樹脂層22に情報層23を形成する。樹脂層22の情報層23側に体積型ホログラム層2を積層する。その後、基材フィルム1を樹脂層23に貼り合わせ作製する。剥離処理に用いられる材料としては、例えば、アクリル系およびメタアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、各種界面活性剤、金属酸化物等の1種または2種以上混合したもの等を挙げることができる。
【0056】
次に、第4実施形態の偽造防止媒体50について説明する。
【0057】
図9は、ラベル加工を施した後の第4実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0058】
第4実施形態では、まず、ホログラム基材1としての基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成し、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光する。
【0059】
次に、受像層としての樹脂層22に情報層23を形成する。情報層23を形成する方法としては、第2実施形態と同様に、染料系のインキを使用し、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。
【0060】
次に、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものと、樹脂層22とを積層する。積層する際は、体積型ホログラム層2と情報層23が隣接するように形成する。
【0061】
次に、情報層23が形成された偽造防止媒体50にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。また、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0062】
情報層23は、表面に面していないので、改鼠を防止すると共に、傷や汚れによる影響が少ない。
【0063】
なお、情報層23を形成する他の方法として、基材フィルム1にホログラム層を形成し、情報層23を形成した樹脂層22を積層した後、レーザー露光を行う方法でもよい。このような方法を適用することにより、情報層23にレーザー光を反射又は吸収するインク等を使用した場合、情報層23の情報をホログラムとして記録することができる。
【0064】
また、樹脂層22及び情報層23にラベル加工を行った後、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものを積層してもよい。
【0065】
図10は、ラベル加工を施した後の第5実施形態の偽造防止媒体の断面図である。第5実施形態は、第4実施形態の変形例であり、樹脂層22に基材フィルム1を積層した後、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものをさらに積層し、偽造防止媒体50を形成する。
【0066】
次に、偽造防止媒体50にラベル加工を施し、取り扱い性を容易にする。ラベル加工は、第1実施形態と同様の構成とする。
【0067】
なお、樹脂層22及び情報層23にラベル加工を行った後、基材フィルム1に体積型ホログラム層2を形成したものを積層してもよい。また、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0068】
情報層23は、表面に面していないので、改鼠を防止すると共に、傷や汚れによる影響が少ない。
【0069】
次に、電子透かし情報からなる情報層21が付与された体積型ホログラム層2を転写箔に加工する際にヒートシール層16を適用する偽造防止媒体50について説明する。
【0070】
ヒートシール層16は、電子透かし情報が付与された体積型ホログラム層2を熱転写により被着体上に転写する際に密着させて加熱等することにより電子透かし情報が付与された体積型ホログラムと被着体とを接着する層である。
【0071】
このような感熱性接着剤層としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。上記の中でも、180℃以下の温度でヒートシール可能な層であることが好ましく、さらにエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の酢酸含量25%以上のものを用いることが好ましい。また、上記樹脂に、必要に応じて感熱性接着剤層が着色されたものであってもよい。
【0072】
図11及び図12は、第6実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図11は電子透かし情報が付与される前の第6実施形態の偽造防止媒体の断面図、図12は電子透かし情報が付与された第6実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0073】
図11に示すように、第6実施形態では、まず、保護層31に対して体積型ホログラム層2を形成する。
【0074】
次に、保護層31により保護した体積型ホログラム層2にヒートシール層16を形成する。
【0075】
次に、図12に示すように、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光した後、情報層21を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体の製造方法では、保護層31の上に情報層21を形成する。
【0076】
情報層21を形成する方法としては、インクジェットプリントや溶融転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや溶融転写プリントで使用されるインキとしては、顔料系のインキが用いられる。なお、情報層21は、冗長性を有することが好ましい。
【0077】
また、体積型ホログラム層2を保護層31により保護し、情報層21を形成した後、ヒートシール層16を形成してもよい。
【0078】
図13及び図14は、第7実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図13は、電子透かし情報が付与される前の第7実施形態の偽造防止媒体の断面図、図14は、電子透かし情報が付与された第7実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0079】
図13に示すように、第7実施形態では、まず、保護層31に対して体積型ホログラム層2を形成する。
【0080】
次に、保護層31により保護した体積型ホログラム層2にヒートシール層16を形成する。続いて、体積型ホログラム層2にレーザー光を照射し露光した後、樹脂層22を形成する。本実施形態の電子透かし情報が付与された偽造防止媒体の製造方法では、保護層31の上に樹脂層22を形成する。
【0081】
次に、図14に示すように、樹脂層22に情報層23を形成する。なお、情報層23は、冗長性を有することが好ましい。
【0082】
情報層23を形成する方法としては、インクジェットプリントや昇華転写プリント等を用いることができる。また、インクジェットや昇華転写プリント等で使用されるインキとしては、染料系のインキが用いられる。
【0083】
なお、情報層23を形成する他の方法として、保護層31にホログラム層2を積層し、情報層23を形成した樹脂層22を積層した後、レーザー露光を行う方法でもよい。このような方法を適用することにより、情報層23にレーザー光を反射又は吸収するインク等を使用した場合、情報層23の情報をホログラムとして記録することができる。
【0084】
また、体積型ホログラム層2を保護層31により保護し、情報層23を形成した後、ヒートシール層16を形成してもよい。
【0085】
次に、レーザーマーキングによって電子透かし情報を記録する実施形態について説明する。
【0086】
図15及び図16は、第8実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図15は電子透かし情報が付与される前の第8実施形態の偽造防止媒体の断面図、図16は電子透かし情報が付与された第8実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0087】
第8実施形態では、図15に示すように、図3に示した第1実施形態と同様の層構成のホログラムにおいて、顔料、染料又は金属粒子等を含む粘着層11’を用いる。その後、図16に示すように、レーザーマーキングを行い、粘着層11’を変質させることにより電子透かし情報を記録する。この場合、ホログラム層には影響なく、粘着層11’に電子透かし情報を記録することができる。なお、粘着層11’とホログラム層2を貼り合わせる前に粘着層11’に電子透かし情報を記録してもよい。
【0088】
図17及び図18は、第9実施形態の偽造防止媒体を示す図である。図17は電子透かし情報が付与される前の第9実施形態の偽造防止媒体の断面図、図18は電子透かし情報が付与された第9実施形態の偽造防止媒体の断面図である。
【0089】
第9実施形態では、図17に示すように、図3に示した第1実施形態の層構成の粘着層11内で、二つの粘着層11の間に挟持されるように顔料、染料又は金属粒子等を含むPET等の着色フィルム24を設ける。その後、図18に示すように、レーザーマーキングを行い、着色フィルム24に電子透かし情報を記録する。この場合、ホログラム層には影響なく、着色フィルム24に電子透かし情報を記録することができる。なお、粘着層11とホログラム層2を貼り合わせる前に着色フィルム24に電子透かし情報を記録してもよい。
【0090】
なお、レーザーマーキングに使用するレーザーの波長、出力等を変更することで、最表面のPET層、PET層とホログラム層にも記録することができるが、表面にマーキングが面しているので、好ましくは改竄を防止すると共に、傷や汚れによる影響の少ない、粘着層もしくは粘着層で挟持されたPET層にマーキングを行い記録するのがよい。
【0091】
これらの実施形態1〜9では、情報層21,23の電子透かし情報と体積ホログラム層2の絵柄とが少なくとも一部重なって記録される。この場合、電子透かし情報を読み取る際に、ホログラム像が再生される照明角度により照明すると、電子透かし情報は、ホログラム像に影響され、読み取りづらくなる。したがって、電子透かし情報を読み取る際には、ホログラム像を再生する再生照明光とは波長、方向、角度のいずれかが異なる光を照明すると、ホログラム像が再生されず、電子透かし情報のみを読み取ることができ、好ましい。
【0092】
なお、図3の基材フィルム1をラッピング処理し、液晶溶液(重合性ネマチック液晶や重合性コレステリック液晶等)を、グラビア印刷等を用いてパターン印刷を行い、乾燥させた後、紫外線を照射することにより、液晶による情報層を形成してもよい。この場合、層構成は、図4のようになる。また、図11及び図13に示す層構成でも同様に形成することができる。
【0093】
また、マーキング用レーザーの波長を調整することにより、ホログラムラベルの最表面の基材フィルム1をエングレービングすることが可能であり、エングレービングによるパターンを情報として記録する。また、図19に示すように、出力や周波数を調整することにより、図3に示した層構成の基材フィルム1、体積型ホログラム層2をエングレービングすることも可能である。更に調整することにより、ホログラム層下の粘着層もエングレービング可能である。
【0094】
さらに、図11の層構成の場合でも同じく、図20に示すように、表面側にエングレービングすることが可能であるが、保護層は転写後に剥すものなので、マーキング用レーザーの波長を調整することにより、保護層31及び体積型ホログラム層2をエングレービングすることが可能であり、エングレービングによるバターンを情報として記録する。また、出力や周波数を調整することにより、保護層31、体積型ホログラム層2、ヒートシール層16をエングレービングすることが可能である。
【0095】
また、熱転写により情報層を形成してもよい。
【0096】
なお、電子透かし情報は、ホログラムの絵柄と一部重なってもよいし、全面で重なっても良い。また、多面付けされたホログラムにおいてホログラム毎に異なる情報を入れる場合、図23に示すように位置ズレにより余計な電子透かし情報が隣接する他のホログラムにはみ出てしまうことを防止するために、図21に示すように、電子透かし情報はホログラムサイズより小さい領域に収めることが好ましい。
【0097】
本発明によれば、セキュリティ的に信頼性の高いホログラムに、秘匿性の高い電子透かし情報を用いることにより、通常の状態では目視による判読が困難であり、偽造防止効果を高めることが可能となる。また、冗長性のある電子透かし情報を用いることにより、位置合わせ等の煩雑な工程を要することなく効率的に生産することが可能となる。
【0098】
以上、本発明のホログラム及びホログラム作製方法を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施形態に限定されず種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0099】
1…基材フィルム
2…体積型ホログラム層
11…粘着層
12…ラベル基材
16…ヒートシール層
21…情報層(電子透かし情報層)
22…樹脂層
23…情報層(電子透かし情報層)
50…偽造防止媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともレーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層と、
電子透かし情報が記録された電子透かし情報層と、
基材フィルムと、
を備えた偽造防止媒体であって、
前記体積型ホログラム層に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより前記電子透かし情報層に記録された情報を判読する
ことを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項2】
前記電子透かし情報層が、顔料もしくは染料を含む樹脂層からなることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項3】
前記電子透かし情報層が、液晶からなることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項4】
前記電子透かし情報層が、変質もしくはエングレービングにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項5】
前記電子透かし情報層が、印刷により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項6】
前記電子透かし情報層が、熱転写により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項7】
前記電子透かし情報層が、レーザーにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項8】
前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項9】
前記電子透かし情報層を保護する保護層が、前記電子透かし情報層が形成された前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする請求項8に記載の偽造防止媒体。
【請求項10】
前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の内部に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項11】
前記基材フィルムから剥離され、被着体に接着させる粘着層を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載の偽造防止媒体。
【請求項12】
前記体積型ホログラムを熱転写により被着体に転写するヒートシール層を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載の偽造防止媒体。
【請求項1】
少なくともレーザー光を照射し露光することにより干渉縞を記録した体積型ホログラム層と、
電子透かし情報が記録された電子透かし情報層と、
基材フィルムと、
を備えた偽造防止媒体であって、
前記体積型ホログラム層に記録された画像を再生するためのホログラム再生照明光と入射方向、入射角度又は入射波長のいずれか一つ以上を異ならせた光を照射することにより前記電子透かし情報層に記録された情報を判読する
ことを特徴とする偽造防止媒体。
【請求項2】
前記電子透かし情報層が、顔料もしくは染料を含む樹脂層からなることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項3】
前記電子透かし情報層が、液晶からなることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項4】
前記電子透かし情報層が、変質もしくはエングレービングにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項5】
前記電子透かし情報層が、印刷により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項6】
前記電子透かし情報層が、熱転写により形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項7】
前記電子透かし情報層が、レーザーにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項8】
前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項9】
前記電子透かし情報層を保護する保護層が、前記電子透かし情報層が形成された前記偽造防止媒体の表面に形成されたことを特徴とする請求項8に記載の偽造防止媒体。
【請求項10】
前記電子透かし情報層が、前記偽造防止媒体の内部に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
【請求項11】
前記基材フィルムから剥離され、被着体に接着させる粘着層を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載の偽造防止媒体。
【請求項12】
前記体積型ホログラムを熱転写により被着体に転写するヒートシール層を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載の偽造防止媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2010−253829(P2010−253829A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−107619(P2009−107619)
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月27日(2009.4.27)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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