説明

元素分析装置

【課題】元素分析装置1における試料導入部5の清掃などのメンテナンスにおける作業性を向上させる。
【解決手段】上部電極3及び下部電極4によりるつぼ2を狭持し、前記上部電極3の上側に設けられた試料導入部5から前記るつぼ2に試料を導入し、前記上部電極3及び下部電極4に電圧を印加することにより、前記るつぼ2を加熱して前記試料を溶解し、それによって生じるガスから前記試料の元素を分析する元素分析装置1であって、前記試料導入部5が、前記試料を前記るつぼ2に導く導入通路51Aを有するブロック体51と、前記ブロック体51に固定され、前記導入通路51Aに対して移動する可動子521を有する駆動機構52と、前記駆動機構52とは独立して前記ブロック体51に取り外し可能に設けられ、前記可動子521の移動に連動して、前記試料を保持又は前記試料を前記るつぼに導入する開閉構造体53と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄鋼や非鉄金属、セラミックスなどの測定試料中に含まれる炭素(C)、窒素(N)、水素(H)、硫黄(S)、酸素(O)等の元素を分析する元素分析装置に関し、特に測定試料を導入するための試料導入部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の元素分析装置において、例えば特許文献1に示すように、上部電極及び下部電極に狭持されたるつぼに測定試料を収容して、電圧を印加することにより、るつぼ内の測定試料を加熱溶解して、それによって生じたガスを分析して前記測定試料の元素を分析するものがある。この装置には、上部電極の上側に、前記るつぼに測定試料を導入(投下)するための試料導入部が設けられている。
【0003】
従来、この試料導入部は、上部孔を通過した試料を下部孔に導くためにシリンダ内に固定された固定部材と、その固定部材から離間、またはそれに当接して、下部孔を開閉するように、シリンダ内にスライド可能に設けられた開閉部材とを備え、固定部材及び開閉部材の相対した各面の上部側を斜面にして、それらを当接させたときに受部を形成するように構成されている(引用文献1の第1図参照)。そして、開閉部材には、シリンダ又は装置本体に固定されたエアシリンダが固定されている。
【0004】
ここで、るつぼには黒鉛製のものを用いており、測定後に黒鉛等のゴミが受部に付着してしまうことから、試料導入部を定期的に清掃や交換などのメンテナンスを行う必要がある。
【0005】
しかしながら、清掃等のメンテナンスが必要な部分は、固定部材及び開閉部材の受部を構成する傾斜面が主であるにも関わらず、上記構成の試料導入部では、開閉部材とともにエアシリンダも装置本体から取り外す必要があり、清掃等のメンテナンスの作業が非常に手間であるという問題がある。また、開閉部材とは別に、シリンダ内に固定部材が設けられているため、固定部材をシリンダから取り外す作業も非常に手間であるという問題がある。
【特許文献1】特許2949501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、元素分析装置における試料導入部の清掃などのメンテナンスにおける作業性を向上させることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る元素分析装置は、上部電極及び下部電極によりるつぼを狭持し、前記上部電極の上側に設けられた試料導入部から前記るつぼに測定試料を導入し、前記上部電極及び下部電極に電圧を印加することにより、前記るつぼを加熱して前記測定試料を溶解し、それによって生じるガスから前記測定試料の元素を分析する元素分析装置であって、前記試料導入部が、前記測定試料を前記るつぼに導く導入通路を有するブロック体と、前記ブロック体に固定され、前記導入通路に対して移動する可動子を有する駆動機構と、前記駆動機構とは独立して前記ブロック体に取り外し可能に設けられ、前記可動子の移動に連動して、前記測定試料を保持又は前記試料を前記るつぼに導入する開閉構造体と、を具備することを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、開閉構造体を駆動機構と別体とし、開閉構造体を、ブロック体に固定されている駆動機構とは独立して、ブロック体から取り外し可能に設けられているので、るつぼからの黒鉛等のゴミが付着する部分のみを装置から取り外すことができ、清掃などのメンテナンスにおける作業を簡単にすることができる。
【0009】
前記開閉構造体の具体的な実施の態様としては、前記開閉構造体が、試料導入口を有する頂板と、前記頂板の下面に設けられ、前記試料導入口と連通する試料保持部と、を備え、前記試料保持部が、前記頂板の下面に固定された側板と、前記可動子と接触し、前記側板との間で前記測定試料を保持する保持位置、及び前記側板から離間して前記測定試料を導入する離間位置との間を移動する移動板と、前記頂板と移動板との間に設けられ、前記移動板を前記離間位置に付勢する付勢部材と、を備えていることが望ましい。これならば、移動板が離間位置に付勢されているので、移動板が保持位置と離間位置との間で移動する際に可動子と押圧接触するようにできる。したがって、開閉構造体をブロック体に取り付けたときには、駆動機構との連結を簡単に実現することができる一方で、移動板は可動子と接触しているだけであり、開閉構造体をブロック体から簡単に取り外すことができる。
【0010】
開閉構造体を駆動機構とは独立して取り外し可能としていることから、開閉構造体をブロック体に取り付けたときに、開閉構造体と駆動機構との位置関係がずれてしまうおそれがある。この問題点を解決するためには、前記開閉構造体の前記ブロック体に対する取り付け位置を規定する位置決め機構をさらに備え、当該位置決め機構が、前記ブロック体又は前記開閉構造体の一方に設けられた凸部と、前記ブロック体又は前記開閉構造体の他方に設けられた凹部と、からなることが望ましい。
【0011】
また、開閉構造体の取り付け及び取り外しを簡単にするためには、前記頂板の上面にツマミが設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
このように構成した本発明によれば、元素分析装置における試料導入部の清掃などのメンテナンスにおける作業性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図1は元素分析装置1にるつぼ2をセットした状態を示す電極部分3、4及び試料導入部5を主として示す断面図であり、図2は試料導入部5を主として示す分解斜視図であり、図3は離間位置Qにある開閉構造体53の断面図であり、図4は保持位置Pにある開閉構造体53の断面図である。
【0014】
<装置構成>
本実施形態に係る元素分析装置1は、金属中に含まれる元素を分析する金属中元素分析装置であって、金属などの測定試料及び/又はフラックス(以下、特に区別しないときは「試料」という。)を収容する黒鉛るつぼ2を上部電極3と下部電極4とで狭持して、上部電極3の上側に設けられた試料導入部5から前記るつぼ2に試料を導入し、電圧を印加する(るつぼ2に通電する)ことにより、るつぼ2内の試料を加熱溶解して、その時に発生する分析用ガスを図示しない分析部に送って分析し、測定試料に含まれる元素を分析するものである。
【0015】
本実施形態の分析部としては、例えば一酸化炭素(CO)を測定する非分散赤外線検出器等の酸素成分検出部と、例えば窒素(N)を測定する熱伝導度検出器等の窒素成分検出部とが考えられる。その他、水素成分分析部や硫黄成分検出部などでも良い。
【0016】
上部電極3は、図1に示すように、試料導入部5の下部に固定され、その下側に開口したるつぼ収容空間S1を有している。その空間S1の上面には、るつぼ2の上端面と接触して電圧を印加するための電極面31が形成されている。また、るつぼ収容空間S1の内周面は、測定時に下部電極4がシール部材(Oリング)を介して気密に嵌合される。また、上部電極3の側壁(下部電極4が嵌合される部分より上)には、分析用ガスを図示しない分析部に導くための導入管6が接続されるガス取り出し孔32が設けられている。上部電極3の内部には、冷却水を流通させるための流通路S2が形成されている。図1中、3Aは、流通路S2内に冷却水を導入するための冷却水導入口であり、3Bは、流通路S2から外部に冷却水を導出するための冷却水導出口である。なお、電極面31には、保護のためタングステンからなる環状板が固定されている。この環状板には、内側周面から外側周面に向かって径方向に延びる凹溝が、円周方向に複数設けられており、これにより上部電極3及び下部電極4でるつぼ2を狭持しても、るつぼ内部の空間とるつぼ収容空間S1、さらには、るつぼ内部の空間と導入管6とが繋がり、分析用ガスを導入管6に導くことができる。
【0017】
また、下部電極4は、図1に示すように、電極面41上に黒鉛るつぼ2が載置され、図示しない昇降機構により上部電極3に対して昇降移動するものである。また、下部電極4の内部には、冷却水を流通させる流通路S3が形成されている。図1中、4Aは、流通路S3内に冷却水を導入するための冷却水導入口であり、4Bは、流通路S3から外部に冷却水を導出するための冷却水導出口である。なお、電極面41上には、保護のためタングステンからなる円板が固定されている。
【0018】
しかして、本実施形態の試料導入部5は、一旦試料を保持するとともに、上部電極3及び下部電極4により狭持されたるつぼ2に試料を導入(投下)するものである。その構成は、図1に示すように、装置本体(図示しない)に固定されるブロック体51と、そのブロック体51に固定された駆動機構52と、駆動機構52とは独立してブロック体51に取り外し可能に設けられ、試料を保持又は試料を前記るつぼ2に導入する開閉構造体53と、を具備する。
【0019】
以下、ブロック体51、駆動機構52及び開閉構造体53について説明する。
【0020】
ブロック体51は、図1及び図2に示すように、装置本体(図示しない)にネジにより固定されており、内部に試料をるつぼ2に導くための導入通路51Aを有する。この導入通路51Aは、るつぼ2の軸方向と同軸上に設けられ、上端開口が蓋部材7により開閉されるとともに、下端開口が上部電極3に連通している。
【0021】
また、ブロック体51は、前記導入通路51Aの上端開口を開閉するための蓋部材7と、当該蓋部材7を前記導入通路51Aの上端開口を閉塞した状態でロック固定するロック機構8を有する。
【0022】
蓋部材7は、図1及び図2に示すように、ブロック体51の上部に一端が回動可能に設けられ、試料をブロック体51内に投入するための投入口71と、当該投入口71の開閉を行うシャッタ部材72と、当該シャッタ部材72を駆動するエアシリンダ等の駆動部(図示しない)が設けられている。また、ブロック体51の上端開口部を気密に保つためのシール部材(Oリング)73が設けられている。
【0023】
また、ブロック体51の上端開口部(導入通路51Aの上部開口縁)には、開閉構造体53を装着するため、環状の段部511が設けられている。
【0024】
ロック機構8は、図2に示すように、蓋部材7の係止部74に引っ掛かり、当該蓋部材7を閉塞状態で固定するフック81と、そのフック81を駆動するフック駆動部82と、を備えている。フック駆動部82はエアシリンダにより構成されている。また、フック81及びフック駆動部82は、ブラケット83によりブロック体51の外側面に固定されている。
【0025】
駆動機構52は、特に図1に示すように、開閉構造体53を開閉駆動するものであり、後述するように開閉構造体53が2つの試料保持部53Aを有することから、ブロック体51の両側壁に対向して1つずつ設けられている。
【0026】
そして、駆動機構52は、導入通路51Aの軸方向に対して垂直に進退移動する可動子521と、当該可動子521を駆動する可動子駆動部522とを有する。可動子521は、ブロック体51の側壁に設けられた貫通孔512をスライド移動する。この貫通孔512は、導入通路51Aの軸方向に垂直に、ブロック体51の外周面から導入通路51Aまで貫通している。また、可動子駆動部522は、エアシリンダにより構成されており、ブロック体51の側壁にねじ固定されている。
【0027】
開閉構造体53は、特に図2、図3及び図4に示すように、ブロック体51及び駆動機構52とは別体をなし、試料導入口531aを有する頂板531と、頂板531の下面に設けられ、前記試料導入口531aと連通する試料保持空間S4を形成する試料保持部53Aと、を備えている。
【0028】
頂板531は、本実施形態では円板形状をなし、中央部分に互いに開口面積の異なる2つの試料導入口531aが形成されている。なお、一方の大きい方の531aは、他方の小さい方の試料導入口531aと異なり、るつぼ2の真上にあり、導入通路51Aを通して、大きい方の試料導入口531aからるつぼ2の試料投入状態を目視できるようにしている。
【0029】
また、頂板531の上面には、開閉構造体53のブロック体51への取り付け及びブロック体51からの取り外しの利便性を向上させるためにツマミ5311が設けられている。なお、図2においてツマミ5311は2つであるが、ツマミ5311の数は2つに限られない。
【0030】
試料保持部53Aは、前記試料導入口531a毎にそれぞれ設けられ、前記可動子521の導入通路51Aに対する進退移動に連動して、その試料導入口531aから導入された試料を一旦保持するとともに、当該試料をブロック体51の導入通路51Aを介して、るつぼ2に導入するものである。本実施形態では、試料導入口531aが2つ設けられていることから、試料保持部53Aも2つ設けられている。
【0031】
本実施形態の試料保持部53Aは、特に図3及び図4に示すように、頂板531の下面に固定された側板532と、可動子521と接触し、側板532との間で前記試料を保持する保持位置P、及び側板532から離間して前記試料を投下する離間位置Qとの間を移動する移動板533と、頂板531と移動板533との間に設けられ、前記移動板533を前記離間位置Qに付勢する付勢部材534と、を備えている。
【0032】
側板532は、横断面矩形状の管状をなし、頂板531に設けられた試料導入口531aと連通するように、頂板531の下面に設けられている。その下端部開口532aは外側を向くように、つまり可動子521と対向するように傾斜している(図3及び図4参照)。
【0033】
移動板533は、矩形状をなす平板であり、一辺を回転中心として、側板532の下端部開口532aを閉塞して試料を保持する保持位置Pと、下端部開口532aから離間して下端部開口532aを開成し、試料をるつぼ2に導入する離間位置Qとの間を回転移動するものである。
【0034】
また、移動板533は、可動子521と対向するように、付勢部材534により側板532の可動子側の側面に回転可能に取り付けられている。
【0035】
離間位置Qにおいて、移動板533は、るつぼ2の中心軸に対して平行、つまり可動子521の進退移動方向に垂直である(図3参照)。また、移動板533が保持位置Pにある状態では、移動板533及び側板532により、試料導入口531aに連通して、試料を収容する試料保持空間S4が形成される。
【0036】
付勢部材534は、一端が側板532の外側壁にねじ等により固定され、他端が移動板533にねじ等により固定されたトーションばねである。この付勢部材534は、移動板533が離間位置Qとなるように付勢する。これにより、移動板533が可動子521と連動して保持位置P及び離間位置Qの間で移動する際には、常に移動板533が可動子521の先端部に接触する構造となる。
【0037】
このような構成において、可動子521がブロック体51に対して進行方向(ブロック体51の中心へ向かう方向)に移動すると、可動子521の先端部が離間位置Qにある移動板533の外側面に接触して(図3参照)、可動子521の進行方向への移動に従って保持位置Pに回転移動する(図4参照)。
【0038】
一方、移動板533が保持位置Pにある状態において(図4参照)、可動子521が退行方向(ブロック体51の中心から離れる方向)に移動すると、移動板533が可動子521の先端面に接触しながら、離間位置Qに回転移動する(図3参照)。このとき、移動板533は、付勢部材534により、離間位置Qに付勢されているので、少なくとも離間位置Qに到達するまでは、可動子521の先端部と移動板533とが離れることはない。
【0039】
さらに本実施形態の試料導入部5は、開閉構造体53のブロック体51に対する取り付け位置を規定する位置決め機構をさらに備えている。
【0040】
位置決め機構は、ブロック体51又は前記開閉構造体53の一方に設けられた凸部91と、ブロック体51又は前記開閉構造体53の他方に設けられた凹部92と、からなる。
【0041】
本実施形態の凸部91は、図2に示すように、開閉構造体53の頂板531に設けられている。より詳細には、凸部91は、平面視において半円形状をなすものであり、頂板531の中心に対して対称となるように、その側周面に2つ設けられている。
【0042】
本実施形態の凹部92は、ブロック体51に設けられている。より詳細には、凹部92は、ブロック体51において開閉構造体53の頂板531が嵌め込まれる段部511の内側周面に2つ設けられている。
【0043】
このような位置調節機構により、頂板531に設けた凸部91をブロック体51の段部511に設けた凹部92に嵌るようにするだけで、ブロック体51に対する開閉構造体53の周方向の取付位置を正確にすることができる。
【0044】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る元素分析装置1によれば、開閉構造体53を駆動機構52と別体とし、開閉構造体53が、ブロック体51に固定されている駆動機構52とは独立して、ブロック体51から取り外し可能に設けられているので、るつぼ2からの黒鉛等のゴミが付着する部分のみを装置から取り外すことができ、清掃などのメンテナンスにおける作業を簡単にすることができる。
【0045】
また、移動板533が離間位置Qに付勢されているので、移動板533が保持位置Pと離間位置Qとの間で移動する際に可動子521と押圧接触するようにできる。したがって、開閉構造体53をブロック体51に取り付けたときには、移動板533と可動子521との連結を簡単に実現することができる一方で、移動板533は可動子521と接触しているだけであり、開閉構造体53をブロック体51から簡単に取り外すことができる。
【0046】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。以下の説明において前記実施形態に対応する部材には同一の符号を付すこととする。
【0047】
例えば、前記実施形態の頂板531は、開口面積の異なる2つの試料導入口531aが形成されているが、試料導入口531a1つでも良いし、開口面積の同じものを2つ設けても良いし、3つ以上設けても良い。
【0048】
また、開閉構造体53は、前記実施形態の構成に限定されない。例えば、前記実施形態の移動板533は、付勢部材534を用いて側板532に回転可能に設けられているが、頂板531の下面に付勢部材534を用いて回転可能に取り付けるようにしても良い。また、移動板533を、側板532又は頂板531に保持位置P及び離間位置Qの間で回転自在に取り付け、付勢部材534を側板532又は頂板531と移動板533との間に介在して設けるようにしても良い。
【0049】
また、試料保持部53Aは、前記実施形態に限られず、例えば図5に示すものであっても良い。つまり、側板532が、頂板531の下面に垂直に設けられた平板状のものであり、移動板533が、その側板532との間で試料保持空間S4を形成する横断面概略コ字状の箱形状をなすものであり、移動板533が、頂板531の下面に回転可能に取り付けられる。
【0050】
また、移動板533は、可動子521の進退移動に連動して、スライド移動して、側板532の下端部開口532aを開閉するものであっても良い。
【0051】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてよいし、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施形態に係る元素分析装置にるつぼをセットした状態を示す電極部分及び試料導入部を主として示す断面図。
【図2】同実施形態における試料導入部を主として示す分解斜視図。
【図3】同実施形態における離間位置にある開閉構造体の断面図。
【図4】同実施形態における保持位置にある開閉構造体の断面図。
【図5】開閉構造体の変形実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
【0053】
1 ・・・元素分析装置
2 ・・・るつぼ
3 ・・・上部電極
4 ・・・下部電極
5 ・・・試料導入部
51 ・・・ブロック体
51A ・・・導入通路
52 ・・・駆動機構
521 ・・・可動子
53 ・・・開閉構造体
531 ・・・頂板
531a・・・試料導入口
5311・・・ツマミ
53A ・・・試料保持部
532 ・・・側板
533 ・・・移動板
534 ・・・付勢部材
P ・・・保持位置
Q ・・・離間位置
91 ・・・凸部
92 ・・・凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部電極及び下部電極によりるつぼを狭持し、前記上部電極の上側に設けられた試料導入部から前記るつぼに試料を導入し、前記上部電極及び下部電極に電圧を印加することにより、前記るつぼを加熱して前記試料を溶解し、それによって生じるガスから前記試料の元素を分析する元素分析装置であって、
前記試料導入部が、
前記試料を前記るつぼに導く導入通路を有するブロック体と、
前記ブロック体に固定され、前記導入通路に対して移動する可動子を有する駆動機構と、
前記駆動機構とは独立して前記ブロック体に取り外し可能に設けられ、前記可動子の移動に連動して、前記試料を保持又は前記試料を前記るつぼに導入する開閉構造体と、を具備する元素分析装置。
【請求項2】
前記開閉構造体が、
試料導入口を有する頂板と、
前記頂板の下面に設けられ、前記試料導入口と連通する試料保持部と、を備え、
当該試料保持部が、
前記頂板の下面に固定された側板と、
前記可動子と接触し、前記側板との間で前記試料を保持する保持位置及び前記側板から離間して前記試料を前記るつぼに導入する離間位置の間を移動する移動板と、
前記頂板と移動板との間に設けられ、前記移動板を前記離間位置に付勢する付勢部材と、を備えている請求項1記載の元素分析装置。
【請求項3】
前記開閉構造体の前記ブロック体に対する取り付け位置を規定する位置決め機構をさらに備え、
当該位置決め機構が、
前記ブロック体又は前記開閉構造体の一方に設けられた凸部と、
前記ブロック体又は前記開閉構造体の他方に設けられた凹部と、からなる請求項1又は2記載の元素分析装置。
【請求項4】
前記頂板の上面にツマミが設けられている請求項2又は3記載の元素分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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