説明

充填シリコーン組成物および硬化シリコーン生成物

部分凝集疎水性コロイドシリカを調製する方法であって、該方法が:
(a)少なくとも1つの部分凝集親水性コロイドシリカを含むシリカゾルを
(b)(i)式RSiX4−a−bを持つ少なくとも1つの有機シラン;
(ii)式(RSiO)を持つ少なくとも1つの有機シクロシロキサン;
(iii)式RSiO(RSiO)SiRを持つ少なくとも1つの有機シロキサン;および
(iv)(i)〜(iii)の内の少なくとも2つを含む混合物
から選択される有機シリコン化合物と
(c)水;
(d)有効量の水混和性有機溶媒;および
(e)酸触媒
の存在下に反応させ、該部分凝集疎水性コロイドシリカおよび水相を生成させることを含み、式中、
が、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビル;
Xが、加水分解可能な基;
aが、0、1、2、もしくは3;
bが、0もしくは1;
a+b=1、2、もしくは3、但し、b=1の場合a+b=2もしくは3;
mが、3〜10の平均値を持ち;
nが、0〜10の平均値を持つ
方法、ならびに該方法により生成された部分凝集疎水性コロイドシリカ。本発明はまた、
(A)硬化可能なシリコーン組成物;および
(B)部分凝集疎水性コロイドシリカ5〜60重量/重量%
を含む充填シリコーン組成物、ならびに該充填シリコーン組成物の反応生成物を含む硬化シリコーン生成物をも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部分凝集疎水性コロイドシリカを調製する方法に関し、特に、少なくとも1つの部分凝集疎水性コロイドシリカを含むシリカゾルを有機シリコン化合物と反応させることを含む方法に関する。本発明はまた、該方法により調製される該部分凝集疎水性コロイドシリカ、該部分凝集疎水性コロイドシリカを含有する充填シリコーン組成物、および該組成物からの硬化シリコーン生成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
シリカ充填剤は、種々のシリコーンおよび有機エラストマーを強化するために、ラバー産業において広く使用されるものである。これらの充填剤は、加硫されたラバーの機械特性、例えば、硬度、引っ張り強度、伸び、弾性率、および引き裂き抵抗を、向上させる。しかしながら、コロイドシリカのような細かく粉砕されたシリカ充填剤は凝集する傾向があり、未硬化エラストマー組成物中に分散するのが困難である。更に、シリカ充填剤はしばしば、有機シリコン化合物により処理され、その表面を疎水性にする。処理は、該充填剤粒子の凝集する傾向を減らし、未熟なクレープ硬化をも防ぐ。
【0003】
シリコーン類は、それらの特性の独特な組み合わせの発揮する力(virtue)により、種々の適用において有用であり、これらの特性には、高温安定性、良好な耐湿性、優れた柔軟性、高いイオン純度、低いアルファ粒子放出、および種々の基板への良好な接着性が包含される。特に、処理シリカのような強化充填剤を含有するシリコーン類は、例外的な機械特性を要求される適用において、汎用される。例えば、充填シリコーン類は、自動車、電子製品、建設業、機械装置、および航空宇宙産業において、広く使用される。
【0004】
非凝集疎水性コロイドシリカを調製する方法は、当業界において既知である。例えば、Castaingらは、約15nmの半径を持つシリカ粒子上へと長鎖ポリジメチルシロキサンをグラフトすることにより、ナノサイズの毛状粒を調製する方法を開示している(Europhys.Lett.,1996,36(2),153−158)。
【0005】
Yoshitakeらへの米国特許第6,025,455号は、反応混合物中存在するアルカリが、当量以上の酸を用いて除去または中和される状態において、該反応混合物を0〜100℃にて経時変化させることを含む、疎水性有機シリカゾルを生産する方法を開示し、これによれば、その中に疎水性コロイドシリカが分散されたシリル化処理シリカゾルを形成させ、該反応混合物は:
(a)SiO濃度5〜55重量%において5.5〜550m/gという特定の表面積を持つ親水性コロイドシリカ;
(b)該親水性コロイドシリカ表面100mにつきSi原子換算0.03〜2のミリモル比のジシロキサン化合物および/またはモノアルコキシシラン化合物のシリル化剤;
(c)これらの残分として、0.1〜12重量%の水溶性を持つ疎水性有機溶媒と、該疎水性有機溶媒に対して重量比0.05〜20の1〜3炭素原子を持つアルコールとを含む混合溶媒を含む媒体;および
該媒体重量に基づいて15重量%以下の量の水
を含む。
【0006】
Kwanらは、シリカ粒子を凝集させることなく、酸およびイソプロピルアルコール存在下に、クロロシランまたはジシロキサンを用いてコロイドシリカの水性懸濁液をシリル化することによるコロイドシリカの合成、ならびに、ビニル末端化ポリジメチルシロキサン、Si−H官能基架橋剤、該疎水性コロイドシリカ、および白金触媒を含有するシリコーン組成物を開示している(第156回ACSラバー分科会、オーランド、フロリダ、1999年9月、第96頁)。
【0007】
Burnsらへの米国特許第6,051,672号は、疎水性非凝集コロイドシリカを調製する方法を開示し、これは、約4nmより大きな平均粒子直径を持つ親水性非凝集コロイドシリカの水性懸濁液を、約4未満のpHにおいて、シリコン化合物と、疎水性非凝集コロイドシリカを形成させるに充分な期間、約20〜250℃の範囲内の温度において、該シリコン化合物との該親水性非凝集コロイドシリカの接触を容易化するに充分な量の水混和性有機溶媒の存在下に反応させることを含む。米国特許第6,051,672号はまた、該疎水性非凝集コロイドシリカを含む、シリコーンラバー組成物をも記載するものである。
【0008】
前記したこれらの引用文献は、疎水性非凝集コロイドシリカを生産する種々の方法を記載するが、本発明の方法または部分凝集疎水性コロイドシリカを示唆するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
更に、本発明による疎水性非凝集コロイドシリカを含むシリコーン組成物は硬化して、広範な機械特性を持つシリコーン生成物を形成し、高濃度、例えば60重量/重量%の疎水性非凝集コロイドシリカが典型的に、より優れた機械特性を達成するのに要求される。引き続き、硬化して優れた機械特性を持つシリコーン生成物を形成する、低濃度の疎水性コロイドシリカを含有する充填シリコーン組成物に対する必要性が、存在している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、部分凝集疎水性コロイドシリカを調製する方法に関し、該方法が:
(a)少なくとも1つの部分凝集親水性コロイドシリカを含むシリカゾルを
(b)(i)式RSiX4−a−bを持つ少なくとも1つの有機シラン;
(ii)式(RSiO)を持つ少なくとも1つの有機シクロシロキサン;
(iii)式RSiO(RSiO)SiRを持つ少なくとも1つの有機シロキサン;および
(iv)(i)〜(iii)の内の少なくとも2つを含む混合物
から選択される有機シリコン化合物と
(c)水;
(d)有効量の水混和性有機溶媒;および
(e)酸触媒
の存在下に反応させ、該部分凝集疎水性コロイドシリカおよび水相を生成させることを含み、式中、
が、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビル;
Xが、加水分解可能な基;
aが、0、1、2、もしくは3;
bが、0もしくは1;
a+b=1、2、もしくは3、但し、b=1の場合a+b=2もしくは3;
mが、3〜10の平均値を持ち;
nが、0〜10の平均値を持つ。
【0011】
成分(a)は、少なくとも1つの部分凝集親水性コロイドシリカを含むシリカゾルである。本明細書中使用される場合、該用語「シリカゾル」とは、水、有機溶媒、または水と水混和性有機溶媒との混合物中の、部分凝集親水性コロイドシリカ粒子の、安定な懸濁のことである。また、本明細書中において使用される場合、用語「親水性」とは、シリカ表面が、隣接シラノール基や水分子のような、適切なドナーとの水素結合が可能なシラノール(Si−OH)基を持つことを意味する。換言すれば、該シリカの製造の間に生成されるこれらのシラノール基が、例えば有機シリコン化合物との反応により修飾されていない。更に、本明細書中において使用される場合、用語「部分凝集コロイドシリカ」とは、少なくとも3のD/D比を持つ粒子を含むコロイドシリカのことであり、式中、Dが、動的光散乱法により測定された該コロイドシリカ粒子の平均直径であり、Dが、窒素吸収法により求められた該コロイドシリカ粒子の平均直径であり、Dが、40〜500nmの値を持つ。このDの値は、J.Chem.Phys.1972,57(11),4814に記載されたよく知られた方法に従って、従来の光散乱装置を使用して求められてもよい。このDの値は、式D=2720/Sに従って算出されてもよく、式中、Sは、Brunauer−Emmett−Teller(BET)法に従って、窒素吸収により求められるような、該コロイドシリカ特有の表面積である。加えて、水性シリカゾルは典型的に、7〜11のpHを持つ。
【0012】
成分(a)としての使用に適するシリカゾルの例は、欧州特許出願第1,114,794A1号においてWatanabeらにより開示された数珠状シリカゾルや、米国特許第5,597,512号においてWatanabeらにより開示された引き延ばされた形状のシリカゾルを包含するが、これらに限定されない。該数珠状(ロザリオ形状またはパールネックレス形状)シリカゾルは、1〜50%(重量/重量)のSiO濃度を持っており、液体媒体中分散され少なくとも3のD/D比を持つ数珠状コロイドシリカ粒子を含有し、ここで、該数珠状コロイドシリカ粒子は、10〜80nmの平均直径を持つ球状コロイドシリカ粒子と、該球状コロイドシリカ粒子に結合する金属酸化物含有シリカとを含み、ここで、該球状コロイドシリカ粒子が、唯一平面上において整列して繋がっており;DおよびDは前に定義した通りであり、式中、Dが50〜500nmの値を持っている。該数珠状コロイドシリカ粒子の長さは、電子顕微鏡写真により求められる場合、典型的には、該球状コロイドシリカ粒子の平均直径の少なくとも5倍である。該球状コロイドシリカ粒子に結合するシリカは、該数珠状シリカゾルを調製する方法に依存するが、該球状コロイドシリカ粒子に結合するシリカ中のSiO重量に基づいて、少量、つまり0.5〜10%(重量/重量)の、2価または3価の金属酸化物を含有する。
【0013】
該数珠状シリカゾルは典型的に、50%(重量/重量)以下、好ましくは5〜40%(重量/重量)のSiOを含有する。該シリカゾルの粘度は典型的に、室温において数mPa.s〜約1,000mPa.sである。
【0014】
数珠状シリカゾルの例は、以下の実施例において記載される商品名SNOWTEX−PS−SおよびSNOWTEX−PS−Mとして、Nissan Chemical Industries,Ltd.(日産化学工業、Tokyo、Japan)により販売されているコロイドシリカの水性懸濁を包含する。
【0015】
数珠状シリカゾルは、欧州特許出願第EP1114794A1号においてWatanabe等により詳細に記載されたように調製されてもよい。端的には、該方法は:
(a)水溶性2価金属塩もしくは水溶性3価金属塩を含有する水溶液を、単独もしくは混合物として、活性ケイ酸含有コロイド水性液、または、3〜8nmの平均粒子直径を持つ酸性シリカゾルへと加え、これらを混合し、ここで、各々が0.5〜10%(重量/重量)のSiOを含有し、2〜6のpHを持ち、ここで、活性ケイ酸もしくは酸性シリカゾルの該コロイド水性液中のSiOに基づいて、金属酸化物として1〜10%(重量/重量)の量であり;
(b)この混合液(b)由来のシリカ含量(B)に対する該酸性球状シリカゾル由来のシリカ含量(A)の比A/B(重量比)が5〜100となり、該酸性球状シリカゾルを混合液(a)と混合することにより得られる混合液(b)の合計シリカ含量(A+B)が、混合液(b)中5〜40%(重量/重量)のSiO濃度を持つ量において、10〜80nmの平均直径およびpH2〜6を持つ酸性球状シリカゾルを、ステップ(a)において得られた混合液(a)へと加えてこれらを混合し;
(c)アルカリ金属水酸化物、水溶性有機塩基、もしくは水溶性シリケートを、pHが7〜11となるように、ステップ(b)において得られた混合液(b)へと加えてこれらを混合し;ならびに
(d)ステップ(c)において得られた混合液(c)を、0.5〜50時間(以降h)、100〜200℃にて加熱する
ことを含む。
【0016】
引き延ばされた形状のシリカゾルは、6〜30%(重量/重量)のSiO濃度を持ち、少なくとも5のD/D比を持つ引き延ばされた形状のアモルファスコロイドシリカ粒子を含有し、式中、DおよびDは、該数珠状コロイドシリカ粒子に関して前に定義した通りであり、Dは40〜300nmの値を持ち;該粒子は唯一面中で引き延ばされ、この引き延ばしに沿って、電子顕微鏡を使用して求められる場合5〜20nmの範囲内の一様な厚さを持つ。該コロイドシリカ粒子は実質的にアモルファスシリカであるが、それらは該シリカゾル中のSiO重量に基づいて少量の、典型的には1500〜8500ppmの、カルシウムもしくはマグネシウムまたは両者の酸化物を含有することがある。幾つかの場合において、該シリカ粒子が、カルシウムおよび/またはマグネシウムの酸化物に加えて、僅かな量の他の多価金属酸化物を含有することがある。金属酸化物の合計濃度は典型的に、該シリカゾル中のSiO重量に基づいて、1500〜15000ppmである。多価金属の実施例は、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、錫、鉛、銅、鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウム、クロム、イットリウム、およびチタンを包含する。
【0017】
引き延ばされた形状のシリカゾルは、米国特許第5,597,512号において、Watanabe等により詳細に記載されたように、調製されてもよい。端的には、該方法は:
(a)水溶性カルシウム塩もしくはマグネシウム塩、または該カルシウム塩と該マグネシウム塩との混合物を含有する水溶液を、活性ケイ酸のSiOに対する、CaOもしくはMgOまたはCaOとMgOとの混合物の重量比として、1500〜8500ppmの量の、1〜6%(重量/重量)のSiOを含有し2〜5の範囲中のpHを持つ該活性ケイ酸の水性コロイド液と混合し;
(b)ステップ(a)において得られた該水溶液と、アルカリ金属水酸化物もしくは水溶性有機塩基、または該アルカリ金属水酸化物もしくは該水溶性有機塩基の水溶性シリケートを、20〜200のSiO/MOモル比にて、ステップ(a)において得られた該水溶液と混合し、ここで、SiOは、該活性ケイ酸と該シリケートのシリカ含量とに由来する合計シリカ含量を表し、Mは、アルカリ金属原子または有機塩基分子を表し;ならびに
(c)ステップ(b)において得られた該混合物の少なくとも1部を60℃以上へと加熱し、ヒール(heel)溶液を得、ステップ(b)において得られた該混合物もしくはステップ(b)により別個に調製された混合物の別の1部を使用して供給溶液を調製し、該供給溶液を該ヒール溶液へと加え、一方で、SiO濃度が6〜30%(重量/重量)となるまで、この添加ステップの間に、該混合物から水を蒸発させる
ことを含む。ステップ(c)において生成されたシリカゾルは典型的に、8.5〜11のpHを持つ。
【0018】
成分(a)は、前記したような、単一の部分凝集疎水性コロイドシリカを含むシリカゾル、または、表面積、孔直径、孔容積、粒子サイズ、および粒子形状のような少なくとも1つの特性において異なる、2つ以上のこのようなコロイドシリカを含むシリカゾルであってよい。
【0019】
成分(b)は、下記の(b)(i)、(b)(ii)、および(b)(iii)から選択される少なくとも1つの有機シリコン化合物、または、上記のような(b)(i)、(b)(ii)、および(b)(iii)の内の少なくとも2つを含む混合物(b)(iv)である。
【0020】
成分(b)(i)は、式RSiX4−a−bを持つ少なくとも1つの有機シランであり、式中、Rは、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビルであり;Xは、加水分解可能な基であり;aは、0、1、2、もしくは3であり;bは、0もしくは1であり;a+b=1、2、もしくは3であり、但し、b=1の時、a+b=2もしくは3である。Rにより表される該ヒドロカルビル基および置換ヒドロカルビル基は典型的に、1〜20炭素原子、好ましくは1〜10炭素原子、より好ましくは1〜6炭素原子を持つ。少なくとも3炭素原子を含有する非環状ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビル基は、分岐もしくは非分岐構造を持っていてよい。
【0021】
ヒドロカルビル基の例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、およびオクタデシルのようなアルキル;シクロペンチル、シクロヘキシル、およびメチルシクロヘキシルのようなシクロアルキル;フェニルおよびナフチルのようなアリール;トリルおよびキシリルのようなアルカリール;ベンジルおよびフェネチルのようなアラルキル;ビニル、アリル、およびプロペニルのようなアルケニル;スチリルおよびシンナミルのようなアリールアルケニル;ならびに、エチニルおよびプロピニルのようなアルキニルを包含するが、これらに限定されない。
【0022】
により表される該置換ヒドロカルビル基中の置換基の例は、−OH、−NH、−SH、−COH、−O(O=C)CR、−(R)N(O=)CR、および−S−S−Rを包含し、式中、Rは、C〜Cヒドロカルビルである。
【0023】
本明細書中において使用される場合、用語「加水分解可能な基」とは、水と反応してSi−OH基を形成し得るSi−X基を意味する。加水分解可能な基の例は、−Cl、−Br、−OR、−OCHCHOR、CHC(=O)O−、Et(Me)C=N−O−、CHC(=O)N(CH)−、および−ONHを包含するが、これらに限定されない。式中、Rは、C〜Cヒドロカルビルもしくはハロゲン置換ヒドロカルビルである。
【0024】
により表されるヒドロカルビル基の例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルのような非分岐もしくは分岐アルキル;シクロペンチル、シクロヘキシル、およびメチルシクロヘキシルのようなシクロアルキル;フェニル;トリルおよびキシリルのようなアルカリール;ベンジルおよびフェネチルのようなアラルキル;ビニル、アリル、およびプロペニルのようなアルケニル;スチリルのようなアリールアルケニル;ならびに、エチニルおよびプロピニルのようなアルキニルを包含するが、これらに限定されない。ハロゲン置換ヒドロカルビル基の例は、3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、クロロフェニル、およびジクロロフェニルを包含するが、これらに限定されない。
【0025】
有機シランの例は、SiCl、CHSiCl、CHCHSiCl、CSiCl、(CHSiCl、(CHCHSiCl、(CSiCl、(CHSiCl、CHHSiCl、(CHHSiCl、SiBr、CHSiBr、CHCHSiBr、CSiBr、(CHSiBr、(CHCHSiBr、(CSiBr、(CHSiBr、CHHSiBr、(CHHSiBr、Si(OCH、CHSi(OCH、CHSi(OCHCH、CHSi(OCHCHCH、CHSi[O(CHCH、CHCHSi(OCHCH、CSi(OCH、CCHSi(OCH、CSi(OCHCH、CH=CHSi(OCH、CH=CHCHSi(OCH、CFCHCHSi(OCH、(CHSi(OCH、(CHSi(OCHCH、(CHSi(OCHCHCH、(CHSi[O(CHCH、(CHCHSi(OCHCH、(CSi(OCH、(CCHSi(OCH、(CSi(OCHCH、(CH=CH)Si(OCH、(CH=CHCHSi(OCH、(CFCHCHSi(OCH、(CHSiOCH、CHHSi(OCH、(CHHSiOCH、CHSi(OCHCHOCH、CFCHCHSi(OCHCHOCH、CH=CHSi(OCHCHOCH、CH=CHCHSi(OCHCHOCH、CSi(OCHCHOCH、(CHSi(OCHCHOCH、(CFCHCHSi(OCHCHOCH、(CH=CH)Si(OCHCHOCH、(CH=CHCHSi(OCHCHOCH、(CSi(OCHCHOCH、CHSi(OAc)、CHCHSi(OAc)、CH=CHSi(OAc)、(CHSi(OAc)、(CHCHSi(OAc)、(CH=CH)Si(OAc)、CHSi[ON=C(CH)CHCH、(CHSi[ON=C(CH)CHCH、CHSi[NHC(=O)CH、CSi[NHC(=O)CH、(CHSi[NHC(=O)CH、およびPhSi[NHC(=O)CHを包含するが、これらに限定されず、式中、OAcはCHC(=O)O−であり、Phはフェニルである。
【0026】
成分(b)(i)は、各々が式RSiX4−a−bを持つ単一の有機シランまたは2つ以上の異なる有機シランを含む混合物であってよく、式中、R、X、a、およびbは、前に定義した通りである。成分(b)(i)としての使用に適した有機シランを調製する方法は当業界においてよく知られ、これらの有機シランの内の多くが市販されている。
【0027】
成分(b)(ii)は、式(RSiO)を持つ少なくとも1つの有機シクロシロキサンであり、式中、Rは、成分(b)(i)について前に定義し例示した通りであり、mは3〜10、好ましくは3〜8、より好ましくは3〜5の平均値を持つ。
【0028】
有機シクロシロキサンの例は、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、およびデカメチルシクロペンタシロキサンを包含するが、これらに限定されない。
【0029】
成分(b)(ii)は、単一の有機シクロシロキサン、または、構造、粘度、平均分子量、シロキサン単位、および並び順(sequence)のような少なくとも1つの特性において異なる2つ以上の異なる有機シクロシロキサンを含む混合物であってもよい。成分(b)(ii)としての使用に適した有機シクロシロキサンを調製する方法は当業界においてよく知られ、これらの有機シクロシロキサンの内の多くが市販されている。
【0030】
成分(b)(iii)は、式RSiO(RSiO)SiRを持つ少なくとも1つの有機シロキサンであり、式中、Rは、成分(b)(i)について前に定義し例示した通りであり、nは0〜10、好ましくは0〜8、より好ましくは0〜4の平均値を持つ。例は、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、およびデカメチルテトラシロキサンを包含するが、これらに限定されない。
【0031】
成分(b)(iii)は、単一の有機シロキサン、または、構造、粘度、平均分子量、シロキサン単位、および並び順のような少なくとも1つの特性において異なる2つ以上の異なる有機シロキサンを含む混合物であってもよい。成分(b)(iii)としての使用に適した有機シロキサンを調製する方法は当業界においてよく知られ、これらの有機シロキサンの内の多くが市販されている。
【0032】
成分(b)は、成分(b)(i)、(b)(ii)、および(b)(iii)により表される単一の有機シリコン化合物、または、これらの成分の内の少なくとも2つを含む混合物であってもよい。
【0033】
成分(d)は、少なくとも1つの水混和性有機溶媒である。本明細書中において使用される場合、用語「水混和性」とは、水と実質的に混和性であるかまたは完全に混和性である(つまり、あらゆる割合において混和性である)有機溶媒を意味する。例えば、水中での水混和性有機溶媒の溶解度は典型的に、25℃において少なくとも90g/100g水である。
【0034】
水混和性有機溶媒の例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、および2−プロパノールのようなモノオール;エチレングリコールおよびプロピレングリコールのようなジオール;グリセロールおよびペンタエリスリトールのようなポリオール;ならびに、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、およびアセトニトリルのような双極性非プロトン性溶媒を包含するが、これらに限定されない。成分(d)は、単一の水混和性有機溶媒、または、各々が前に定義した通りである2つ以上の異なる水混和性有機溶媒を含む混合物であってもよい。
【0035】
成分(e)は、成分(b)である該有機シリコン化合物との、前記部分凝集疎水性コロイドシリカの反応を促進させる少なくとも1つの酸触媒である。該酸触媒は典型的に、別個の成分として該反応混合物へと加えられるが、幾つかの場合において、それはin situにおいて生成されてよい。例えば、成分(b)がクロロのような加水分解可能な基を含有する有機シランである場合、該酸触媒の一部もしくは全部が、水もしくは該部分凝集疎水性コロイドシリカの水酸基とのこのクロロシランの反応により、生成されてよい。
【0036】
酸触媒の例は、塩酸、硫酸、硝酸、およびフッ化水素酸のような無機酸;ならびに、酢酸、シュウ酸、およびトリフルオロ酢酸のような有機酸を包含する。該酸は単一の酸であってもよく、または、2つ以上の異なる酸を含む混合物であってもよい。
【0037】
本発明の方法は、水および酸触媒の存在下に、有機シリコン化合物とシリカを接触させるに適した如何なる標準的な反応容器中においても実施されてよい。適切な反応容器は、ガラス容器およびテフロン(登録商標)によりライニングされたガラス容器を包含する。好ましくは、該反応容器は、スターラーのような、攪拌に有効な手段を備え付けられている。
【0038】
成分(a)である前記シリカゾルは典型的に、該有機シリコン化合物、水、該水混和性有機溶媒、および該酸触媒を含む混合物へと加えられる。逆添加、つまり該有機シリコン化合物を含む混合物の該シリカゾルへの添加も、可能である。しかしながら、逆添加は結果的に、より大きな凝集体の該コロイドシリカの形成を招くことがある。
【0039】
該有機シリコン化合物を含有する該混合物への該シリカゾルの添加速度は典型的に、有効な攪拌手段を備え付けられた0.5リットル(L)反応容器について、1〜3mL/分である。該添加速度が遅すぎる場合、該反応の時間が不必要に長引く。該添加速度が速すぎる場合、該コロイドシリカがより大きな凝集体を形成してしまうことがある。
【0040】
該部分凝集疎水性コロイドシリカおよび該有機シリコン化合物の懸濁は典型的に、20〜150℃、好ましくは40〜120℃、より好ましくは60〜100℃の温度下に反応せられる。該温度が40℃未満である場合、該反応速度は典型的に非常に遅い。
【0041】
該反応が、該部分凝集疎水性コロイドシリカおよび水相を生成させるに充分な時間実施される。該反応時間は、該有機シリコン化合物中の加水分解可能な基の性質、該有機シリコン化合物の構造、該反応混合物の攪拌、該部分凝集疎水性コロイドシリカ濃度、および温度を包含する数多くの要因に依存する。該反応時間は典型的に、数分〜数時間である。例えば、該反応時間は典型的に、40〜120℃の温度下に0.1〜2時間、好ましくは60〜100℃の温度下に0.5〜1時間である。最適反応時間は、以下の実施例中において説明される方法を使用して、通常の実験により、決定されてもよい。
【0042】
該反応混合物中の成分(a)である該部分凝集疎水性コロイドシリカの濃度は典型的に、該反応混合物の全重量に基づいて1〜20%(重量/重量)、好ましくは1〜10%(重量/重量)、より好ましくは1〜5%(重量/重量)である。
【0043】
成分(a)である該部分凝集疎水性コロイドシリカ(SiO)に対する、成分(b)である該有機シリコン化合物のモル比は典型的に0.1〜5、好ましくは0.2〜3、より好ましくは0.5〜2である。該部分凝集疎水性コロイドシリカに対する成分(b)のモル比が0.1未満である場合、処理されたシリカが疎水性を呈さないことがある。該モル比が5より大きい場合、該疎水性コロイドシリカが、以下に記載するように、該水相から沈澱してこないことがある。
【0044】
該反応混合物中での成分(c)である水の濃度は典型的に、該反応混合物の全重量に基づいて20〜60%(重量/重量)、好ましくは20〜50%(重量/重量)、より好ましくは20〜40%(重量/重量)である。成分(a)が水性シリカゾルである場合、成分(c)の一部もしくは全部が、該シリカゾルにより提供されてもよい。
【0045】
成分(d)である前記水混和性有機溶媒は、該反応混合物中に有効量存在する。本明細書中において使用される場合、用語「有効量」とは、(i)該有機シリコン化合物が該水混和性有機溶媒を含有するこの水性反応混合物に溶解し、(ii)該反応混合物中の該部分凝集疎水性コロイドシリカ粒子が安定である、つまり該粒子がより大きな凝集体を形成しないような濃度の成分(d)を意味する。該部分凝集疎水性コロイドシリカ粒子の凝集は、該部分凝集疎水性コロイドシリカ粒子のサイズおよび形状を、成分(a)の部分凝集疎水性コロイドシリカ粒子のサイズおよび形状と、電子顕微鏡を使用して比較することにより検出されることがある。成分(d)の濃度は典型的に、該反応混合物の全容積に基づいて、約5〜約35%(容積/容積)、好ましくは10〜30%(容積/容積)、より好ましくは20〜30%(容積/容積)である。成分(d)の該濃度が5%未満(容積/容積)である場合、処理されたシリカが疎水性を呈さないことがある。成分(d)の該濃度が35%(容積/容積)より大きい場合、該疎水性コロイドシリカが、以下に記載するように、該水相から沈澱しないことがある。成分(d)の有効量は、以下の実施例中の方法を使用して、通常の実験により、決定されてもよい。
【0046】
成分(e)の濃度は、該反応混合物のpHを4未満の値に維持させるに充分なものである。例えば、成分(e)の濃度は典型的に、該反応混合物の全重量に基づいて10〜60%(重量/重量)、好ましくは10〜40%(重量/重量)である。成分(e)の該濃度が10%(重量/重量)未満である場合、該反応速度は商業的適用には遅すぎることがある。成分(e)の該濃度が60%(重量/重量)より大きい場合、該部分凝集疎水性コロイドシリカから酸を除去するのに、余計な洗浄ステップが必要とされることがある。
【0047】
該部分凝集疎水性コロイドシリカは典型的に、該水相から沈澱する。本明細書中において使用される場合、用語「沈澱する」とは、該部分凝集疎水性コロイドシリカが、該水相に不溶である沈着物を形成することを意味する。例えば、該疎水性コロイドシリカは、該水相の上部へと漂って来たり、該水相の底部に留まったり、または前記反応容器壁面に集まったりすることがある。該疎水性シリカは典型的に、該水相もしくは該疎水性シリカを除去することにより(例えば、廃液もしくはデカンテーション)、該水相から分離される。
【0048】
前記したように単離された疎水性シリカは典型的には水洗され、残った酸を除去する。この水は更に、2−プロパノールのような水混和性有機溶媒を含んでもよい。該水洗における該水混和性有機溶媒の濃度は典型的に、10〜30%(容積/容積)である。該疎水性シリカは、それを水と混合し、次いで該疎水性シリカをこの水から分離することにより洗浄されてもよい。有機相は典型的に、1〜3回、水の分離部分により洗浄される。1洗浄当たりの水容積は典型的に、該部分凝集疎水性コロイドシリカ容積の2〜5倍である。
【0049】
この洗浄された疎水性シリカは典型的に、それを水非混和性有機溶媒に懸濁させ、次いでエバポレーション(溜去)および噴霧乾燥のようなプロセスを使用して該有機溶媒を除去することにより、乾燥される。本明細書中において使用される場合、用語「水非混和性」とは、有機溶媒が、水と僅かに混和性であるかまたは完全に非混和性であることを意味する。例えば、該溶媒中での水の溶解度は典型的に、25℃において約0.1g/100g溶媒未満である。該有機溶媒は、水と非混和性である如何なる非プロトン性もしくは双極性非プロトン性有機溶媒であってもよい。好ましくは、該有機溶媒は、水と最小の(最低温度の)共沸点混合物を形成する。もし該有機溶媒が水と共沸点混合物を形成しないのであれば、該有機溶媒は好ましくは、水の沸点よりも高い沸点を持つものである。
【0050】
水非混和性有機溶媒の例は、n−ペンタン、ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、およびドデカンのような飽和脂肪族炭化水素;シクロペンタンおよびシクロヘキサンのようなシクロ(環状)脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、およびメシチレンのような芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン(THF)およびジオキサンのような環状エーテル;メチルイソブチルケトン(MIBK)のようなケトン;トリクロロエタンのようなハロゲン化アルカン;ならびに、ブロモベンゼンおよびクロロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素を包含するが、これらに限定されない。該水非混和性有機溶媒は、単一の有機溶媒であってもよく、または、各々が前に定義した通りである2つ以上の異なる有機溶媒を含む混合物であってもよい。
【0051】
加えて、該水非混和性有機溶媒を除去する前に、前記したように、該有機溶媒に懸濁された該疎水性シリカが蒸留され、水を除去してもよい。該蒸留は、該水非混和性有機溶媒の沸点に依存する温度において、大気圧下もしくは大気圧を下回る圧力下に、実施されてよい。該蒸留は典型的に、蒸留物が無水になるまで、続けられる。
【0052】
ある条件下では、該部分凝集疎水性コロイドシリカは、該反応混合物の水相に懸濁されたままである。この場合、該疎水性シリカのこの水性懸濁は典型的に、該水非混和性有機溶媒と該疎水性シリカとを含む非水相を形成させるに充分な量の水非混和性有機溶媒を用いて処理される。適切な水非混和性有機溶媒は、前記したものである。該水非混和性有機溶媒の濃度は典型的に、該水性懸濁の全容積に基づいて、5〜20%(容積/容積)、好ましくは10〜20%(容積/容積)である。
【0053】
該非水相は典型的に、該混合物の攪拌を中断することにより、該水相から分離され、該混合物を2層へと分離させ、この水層もしくは非水層を除去する。
【0054】
該非水相は、前記した通り単離され、典型的には水洗され、残った酸を除去する。この水は更に、2−プロパノールのような水混和性有機溶媒を含んでもよい。この溶液中の該水混和性有機溶媒の濃度は典型的に、10〜30%(容積/容積)である。該非水相は、それを水と混合することにより洗浄されてもよく、該混合物を2層へと分離させ、水層を除去する。有機相は典型的に、1〜3回、水の分離部分により洗浄される。1洗浄当たりの水容積は典型的に、該非水相容積の2〜5倍である。
【0055】
該疎水性シリカは典型的に、エバポレーション(溜去)および噴霧乾燥のような方法を使用して、該水非混和性有機溶媒を除去することにより、乾燥される。
【0056】
加えて、該水非混和性有機溶媒を除去する前に、該非水相が蒸留され、水を除去してもよい。該蒸留は、該水非混和性有機溶媒の沸点に依存する温度において、大気圧下もしくは大気圧を下回る圧力下に、実施されてもよい。該蒸留は典型的に、蒸留物が無水になるまで、続けられる。
【0057】
本発明の方法により調製される該部分凝集疎水性コロイドシリカは典型的に、BET法による窒素吸収により求められる場合、20〜300m/g、好ましくは50〜200m/g、より好ましくは50〜150m/gの表面積を持つ。また、該疎水性コロイドシリカは典型的に、50〜300Å、好ましくは100〜250Å、より好ましくは150〜250Åの孔直径を持ち;窒素吸収により求められる場合、0.5〜1.5mL/g、好ましくは0.5〜1.0mL/gの孔容積を持つ。更に、該疎水性コロイドシリカは、成分(a)の前記疎水性コロイドシリカ粒子のサイズおよび形状に近いサイズおよび形状を持つ粒子を含んでいる。
【0058】
本発明の方法は、市販の出発原料から、高収率で部分凝集疎水性コロイドシリカを生成させる。更に、本方法は容易に調節され、広範な疎水性、表面積、孔直径、および孔容積を持つ疎水性シリカを生成させることがある。
【0059】
該部分凝集疎水性コロイドシリカは、シリコーンおよび有機エラストマー(つまり、架橋ポリマー)の機械特性を向上させる。特に、非凝集疎水性コロイドシリカと比較して、低濃度の該シリカはシリコーンエラストマーに、ジュロメーター硬度、引っ張り強度、伸び、弾性率、および引き裂き強度のような優れた機械特性を与える。低いシリカ濃度の潜在的な利点は、より短い配合時間、より低いコスト、およびより低い粘度を包含する。
【0060】
本発明の該疎水性シリカは、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂のような有機ポリマー組成物中において、ならびに、密封剤、接着剤、カプセル化剤、および形成(conformal)コーティングのようなシリコーン組成物中において、強化もしくは増強充填剤として使用されてもよい。
【0061】
本発明の該方法は、市販の出発原料から、高収率で部分凝集疎水性コロイドシリカを生成させる。更に、本方法は容易に調節され、広範な疎水性、表面積、孔直径、および孔容積を持つ疎水性シリカを生成させることがある。
【0062】
該部分凝集疎水性コロイドシリカは、シリコーンおよび有機エラストマー(つまり、架橋ポリマー)の機械特性を向上させる。特に、非凝集疎水性コロイドシリカと比較して、低濃度の該シリカはシリコーンエラストマーに、ジュロメーター硬度、引っ張り強度、伸び、弾性率、および引き裂き強度のような優れた機械特性を与える。低いシリカ濃度の潜在的な利点は、より短い配合時間、より低いコスト、およびより低い粘度を包含する。
【0063】
本発明の該疎水性は、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂のような有機ポリマー組成物中において、ならびに、密封剤、接着剤、カプセル化剤、および形成コーティングのようなシリコーン組成物中において、強化もしくは増強充填剤として使用されてもよい。
【0064】
本発明の更なる態様では:
(A)硬化可能なシリコーン組成物;および
(B)5〜60%(重量/重量)の部分凝集疎水性コロイドシリカ
を含む充填シリコーン組成物が提供される。
【0065】
本発明はまた、前記充填シリコーン組成物の反応生成物を含む硬化シリコーン生成物に関する。
【0066】
成分(A)は、硬化可能なシリコーン組成物である。硬化可能なシリコーン組成物およびこれを調製する方法は、当業界においてよく知られている。硬化可能なシリコーン組成物の例は、ヒドロシリル化により硬化可能なシリコーン組成物、過酸化物により硬化可能なシリコーン組成物、縮合により硬化可能なシリコーン組成物、エポキシにより硬化可能なシリコーン組成物、紫外線照射により硬化可能なシリコーン組成物、および高エネルギー照射により硬化可能なシリコーン組成物を包含するが、これらに限定されない。例えば、ヒドロシリル化により硬化可能な適切なシリコーン組成物は典型的に、(i)1分子につき平均少なくとも2つのシリコンに結合したアルケニル基を含有する有機ポリシロキサン、(ii)当該組成物を硬化させるに充分な量の、1分子につき平均少なくとも2つのシリコンに結合した水素原子を含有する有機水素シロキサン、および(iii)ヒドロシリル化触媒を含む。該ヒドロシリル化触媒は、白金族金属、白金族金属含有化合物、または白金族金属含有微小カプセル化触媒を含むよく知られたヒドロシリル化触媒の内の、如何なるものであってもよい。白金族金属は、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、およびイリジウムを包含する。好ましくは、該白金族金属は白金であり、これはそれの、ヒドロシリル化反応における高い活性に基づくものである。
【0067】
このヒドロシリル化により硬化可能なシリコーン組成物は、1部分からできた組成物、または、これらの成分を2つ以上の部分に含む多数部分からできた組成物であってもよい。室温において加硫可能な(RTV)組成物は典型的に2つの部分を含み、1つの部分が該有機ポリシロキサンおよび触媒を含有し、もう1つ別の部分が該有機水素シロキサンおよび全ての任意成分を含有する。上昇した温度において硬化するヒドロシリル化により硬化可能なシリコーン組成物は、1部分からできた組成物または多数部分からできた組成物として処方されてもよい。例えば、液体シリコーンラバー(LSR)組成物は典型的に、2つの部分からできた組成物として処方される。1部分からできた組成物は典型的に、適切な貯蔵寿命を保証するための白金触媒阻害剤を含有する。
【0068】
過酸化物により硬化可能な適切なシリコーン組成物は典型的に、(i)有機ポリシロキサンおよび(ii)有機過酸化物を含む。有機過酸化物の例は、ジベンゾイルペルオキシド、ジ−p−クロロベンゾイルペルオキシド、およびビス−2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシドのようなジアロイル過酸化物;ジ−t−ブチルペルオキシドおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンのようなジアルキルペルオキシド;ジクミルペルオキシドのようなジアラルキルペルオキシド;t−ブチルクミルペルオキシドおよび1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンのようなアルキルアラルキルペルオキシド;ならびに、t−ブチル過安息香酸、t−ブチル過酢酸、およびt−ブチル過オクタン酸(octoate)のようなアルキルアロイルペルオキシドを包含する。
【0069】
縮合により硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、(i)1分子につき平均少なくとも2つの水酸基を含有する有機ポリシロキサン;および(ii)加水分解可能なSi−OもしくはSi−N結合を含有するトリ−もしくはテトラ−官能基化シランを含む。シランの例は、CHSi(OCH、CHSi(OCHCH、CHSi(OCHCHCH、CHSi[O(CHCH、CHCHSi(OCHCH、CSi(OCH、CCHSi(OCH、CSi(OCHCH、CH=CHSi(OCH、CH=CHCHSi(OCH、CFCHCHSi(OCH、CHSi(OCHCHOCH、CFCHCHSi(OCHCHOCH、CH=CHSi(OCHCHOCH、CH=CHCHSi(OCHCHOCH、CSi(OCHCHOCH、Si(OCH、Si(OC、およびSi(OCのようなアルコキシシラン;CHSi(OCOCH、CHCHSi(OCOCH、およびCH=CHSi(OCOCHのような有機アセトキシシラン;CHSi[O−N=C(CH)CHCH、Si[O−N=C(CH)CHCH、およびCH=CHSi[O−N=C(CH)CHCHのような有機イミノオキシシラン;CHSi[NHC(=O)CHおよびCSi[NHC(=O)CHのような有機アセタミドシラン;CHSi[NH(s−C)]およびCHSi(NHC11のようなアミノシラン;ならびに有機アミノオキシシランを包含する。
【0070】
縮合により硬化可能なシリコーン組成物はまた、該縮合反応を開始させ加速させるための縮合触媒を含有してもよい。縮合触媒の例は、アミン;ならびに、鉛、錫、亜鉛、および鉄の、カルボン酸との錯体を包含するが、これらに限定されない。錫(II)オクトエート、ラウレート、およびオレエート、ならびにジブチル錫塩が、特に有用である。この縮合により硬化可能なシリコーン組成物は、1部分からできた組成物、または、これらの成分を2つ以上の部分に含む多数部分からできた組成物であってもよい。例えば、室温において加硫可能な(RTV)組成物は、1つの部分もしくは2つの部分からできた組成物として処方されてもよい。この2つの部分からできた組成物においては、これらの部分の内の1つが典型的に、少量の水を包含する。
【0071】
エポキシにより硬化可能な適切なシリコーン組成物は典型的に、(i)1分子につき平均少なくとも2つのエポキシ官能基を含有する有機ポリシロキサンおよび(ii)硬化剤を含む。エポキシ官能基の例は、2−グリシドキシエチル、3−グリシドキシプロピル、4−グリシドキシブチル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル、2,3−エポキシプロピル、3,4−エポキシブチル、および4,5−エポキシペンチルを包含する。硬化剤の例は、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、およびドデセニル無水コハク酸のような無水物;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレンプロピルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシエチル)ジエチレントリアミン、m−フェニレンジアミン、メチレンジアニリン、アミノエチルピペラジン、4,4−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルジメチルアミン、ジシアンジアミド、および2−メチルイミダゾールのようなポリアミン、ならびにトリエチルアミン;三フッ化ホウ素(ボロントリフルオリド)・モノエチルアミンのようなルイス酸;ポリカルボン酸;ポリメルカプタン;ポリアミド;ならびにアミドアミンを包含する。
【0072】
紫外線照射により硬化可能な適切なシリコーン組成物は典型的に、(i)照射感受性官能基を含有する有機ポリシロキサンおよび(ii)光開始剤を含む。照射感受性官能基の例は、アクリロイル、メタクリロイル、メルカプト、エポキシ、およびアルケニルエーテル基を包含する。光開始剤のタイプは、該有機ポリシロキサン中の該照射感受性官能基の性質に依存する。光開始剤の例は、ジアリールヨードニウム塩、スルホニウム塩、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ならびにベンゾインおよびその誘導体を包含する。
【0073】
高エネルギー照射により硬化可能な適切なシリコーン組成物は、有機ポリシロキサンポリマーを含む。有機ポリシロキサンポリマーの例は、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルビニルシロキサン)、および有機水素ポリシロキサンを包含する。高エネルギー照射の例は、γ線および電子ビームを包含する。
【0074】
成分(B)は、本明細書中において前記したような、少なくとも1つの部分凝集疎水性コロイドシリカである。
【0075】
成分(1)の該部分凝集疎水性コロイドシリカは、単一の部分凝集疎水性コロイドシリカ、または、表面積、孔直径、孔容積、疎水性、粒子サイズ、および粒子形状のような少なくとも1つの特性において異なる、2つ以上のこのようなシリカを含む混合物であってよい。
【0076】
該充填シリコーン組成物における成分(B)の濃度は典型的に、該シリコーン組成物の全重量に基づいて、5〜60%(重量/重量)、好ましくは10〜50%(重量/重量)、より好ましくは20〜40%(重量/重量)である。成分(B)の該濃度が5%(重量/重量)未満である場合、結果得られる硬化シリコーン生成物は典型的に、硬化前の該組成物に比べて、向上した機械特性を呈さない。成分(B)の該濃度が60%(重量/重量)より大きい場合、該組成物が、ある種の適用については粘稠すぎることがある。成分(B)の有効量は、以下の実施例中の方法を使用して、通常の実験により、決定されてもよい。
【0077】
本発明の該充填シリコーン組成物は追加成分を含んでもよいが、但し該成分は、該組成物が硬化してより優れた機械特性を持つシリコーン生成物を形成するのを妨げないものである。追加成分の例は、ヒドロシリル化触媒阻害剤、染料、色素、接着促進剤、抗酸化剤、熱安定化剤、UV安定化剤、難燃剤、界面活性剤、流動性調節添加剤、および無機充填剤を包含するが、これらに限定されない。
【0078】
本発明の該充填シリコーン組成物は典型的に、有機溶媒の補助を受けもしくは受けずに、常温において、前記した割合の成分(A)および(B)ならびに全任意成分を混合することにより、調製される。混合は、バッチプロセスもしくは連続プロセスにおいて、粉砕、配合、および攪拌のような、当業界において既知の技術の内のいずれかにより、なされてよい。あるいは、成分(B)は如何なる順序でも、成分(A)の該硬化シリコーン組成物の個々の成分と組み合わされてよい。
【0079】
本発明による硬化シリコーン生成物は、前記した成分(A)および(B)を含む該充填シリコーン組成物の反応生成物を含む。該充填シリコーン組成物は、その特有の硬化メカニズムに依存して、常温、上昇した温度、湿気、または照射へとさらすことにより、硬化されてよい。例えば、1つの部分からできた、ヒドロシリル化により硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、ある上昇した温度において硬化される。2つの部分からできた、ヒドロシリル化により硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、室温もしくはある上昇した温度において硬化される。1つの部分からできた、縮合により硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、室温において大気中の湿気へとさらされることにより硬化されるが、硬化は、高湿度へとさらすことおよび/または熱の適用により、加速されることがある。2つの部分からできた、縮合により硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、室温において硬化されるが、硬化は熱の適用により加速されることがある。過酸化物により硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、ある上昇した温度において硬化される。エポキシにより硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、室温もしくはある上昇した温度において硬化される。その特定の処方に依存して、照射により硬化可能なシリコーン組成物は典型的に、照射、例えば、紫外線、γ線、または電子ビームへとさらすことにより、硬化される。
【0080】
本発明の該充填シリコーン組成物は、低揮発性有機化合物(VOC)含量および良好な流動性を包含する数多くの利点を持つ。更に、該部分凝集疎水性コロイドシリカを欠く類似のシリコーン組成物に比較して、相対的に低い濃度において、該充填シリコーン組成物は硬化して、ジュロメーター硬度、引っ張り強度、伸び、弾性率、および引き裂き強度のような優れた機械特性を持つ硬化シリコーン生成物を形成する。低い充填剤濃度の潜在的な利点は、より短い配合時間、より低いコスト、およびより低い粘度を包含する。
【0081】
本発明の該充填シリコーン組成物は、接着剤、密封剤、カプセル化剤、およびO(オー)−リングのような成型物を包含する数多くの使用法を持つ。
【実施例】
【0082】
他に述べられなければ、本実施例において報告される全ての「部」および「%」は、重量による。
【0083】
実施例1〜13および表1はそれぞれ、本発明による調製方法およびこの結果得られる部分凝集疎水性コロイドシリカの物性を含む。以下の方法および材料が、実施例1〜13において用いられた。
【0084】
表面積、孔直径、および孔容積の測定
部分凝集疎水性コロイドシリカの表面積(m/g)、孔直径(Å)、および孔容積(mL/g)が、Micrometrics ASAP2010 Analyzerを使用して、窒素吸収により求められた。
【0085】
部分凝集疎水性シリカの分析
表面処理(%重量/重量)の程度は、水酸化カリウムおよびテトラエトキシシランの存在下に処理後のシリカサンプルを細かくし、次いでこの細かくされたものを、炎色反応検出器およびオクタン内部標準を使用して、種々のシラン化学種の濃度を求め、ガスクロマトグラフィーにより分析することにより、求められた。SiOの量は、差により求められた。
【0086】
分析直前に、該シリカサンプルは24時間、150℃においてオーブン中において乾燥された。該サンプルを室温まで冷却した後、該シリカは手作業により微粉砕され、大きな塊のシリカを取り除いた。およそ0.03〜0.05gの該処理シリカおよび0.03〜0.06gのオクタン(内部標準)が、反応バイアル中で混ぜられた。この混合物へ、4±0.05gのテトラエトキシシランおよび水酸化カリウムペレット1粒が加えられた。小スケール用のスターラー・バーが該反応バイアル中に入れられ、該反応バイアルはラバー・セプタムを用いて密封された。23−ゲージのシリンジ針(3.8cm)が該セプタムを通して突き刺され、該バイアルの底部と接触するようにされた。26−ゲージのシリンジ針(0.95cm)が該セプタムを通して突き刺され、脱気孔針の役割を果たした。気泡がもはや該混合物中に観察されなくなるまで、窒素が約150mL/分の速度にて、長い方の針を通して通気された。該脱気孔針が除去され、該バイアルが窒素を用いて10psi(68.95mPa)まで加圧された。該バイアルが、125℃の温度下に、アルミニウムブロック中へ入れられた。該反応混合物を1時間攪拌した後、該バイアルが該アルミニウムブロックから除去され、次いで15分間空気中に放置された。該バイアルが約10分間氷浴中に入れられ、この間、該セプタムが該バイアルから除去された。乾燥二酸化炭素が該反応混合物を通して3分間通気され、この間、沈澱が形成され、この塩基の中和を呈示した。該混合物は10分間、3000rpmにて遠心分離され、該沈澱を液層から分離した。上清の液体のpHがpH試験紙を用いて測定され、この塩基の中和(つまり、pH6〜8)を確認した。該pHが8よりも大きかった場合は、完全な中和まで、追加の二酸化炭素が該液体を通して通気された。該サンプルは分析用に、ガスクロマトグラフィー用バイアルへと移された。
【0087】
ガスクロマトグラフィー分析が、炎色反応検出器およびDB−1キャピラリーカラム(30m×250μm×1μm)を備えたAgilent 6890 Gas Chromatographを使用して実施された。該分析が、50:1のスプリット、入口温度270℃、検出器温度280℃、一定流速1.0mL/分のヘリウムキャリアガス、テトラエトキシシラン中20,000〜30,000ppmのオクタンからなる内部標準、ならびに以下の温度プロファイル:
1分間50℃に保持;
4℃/分の割合にて200℃まで昇温;
20℃/分の割合にて300℃まで昇温;および
10分間300℃に保持
を使用して、実施された。
【0088】
該処理シリカ表面上のトリ有機シロキサンおよびジ有機シロキサン基の重量%は、以下の式に従って計算された。
重量%=(A)(R)(標準Wt)(標準純度)(10)/(標準A)(標準R)(サンプルW)
式中:
A =シリコン含有基についてのピーク面積、任意の単位
標準Wt =内部標準(オクタン)の重量、mg
標準純度 =内部標準(オクタン)の純度、重量%
標準A =内部標準(オクタン)についてのピーク面積、任意の単位
標準Rf =内部標準(オクタン)についての応答因子
サンプルWt=サンプル重量、mg
Rf=(標準A)(標準R)(R)(対照Wt)/(A)(標準Wt)(標準純度)
式中:
R =シリコン含有基のMW/対照物質(トリメチルエトキシシラン)のMw
対照Wt =対照物質(トリメチルエトキシシラン)の重量、mg
【0089】
実施例14より後の実施例は、本発明のコーティングされたシリコーンラバー品および方法を更に例示するために書き記されるが、本発明を限定するものとして考慮されるべきではなく、本発明は添付の請求項において記載される(delineated)。以下の方法および材料が、本実施例において用いられた。
【0090】
シリコーンラバーサンプルの調製
該シリコーン組成物が、ステンレス鋼金型(内寸:12.7×12.7×0.16cm)、圧力5000psi(34.5MPa)、ならびに以下の実施例において特定される温度および時間条件を使用して、圧縮成型された。
【0091】
引っ張り強度、伸び、およびヤング率の測定
シリコーンラバーテスト見本の崩壊時の引っ張り強度(MPa)、最大の伸び(%)、およびヤング率(MPa)が、Instron Model 5500R Tensile Testerおよびダンベル型テスト見本(4.5×1cm)を使用して、ASTM標準D412−98aに従って求められた。ヤング率は、ASTM標準E111−97に従って、ストレス−ねじれ曲線から計算された。引っ張り強度(MPa)、最大の伸び(%)、およびヤング率(MPa)について報告される値各々は、同一のシリコーンラバーサンプルから切り出された異なるシリコーンテスト見本についてなされた5回の測定の平均を表す。
【0092】
引き裂き強度の測定
シリコーンラバーテスト見本の引き裂き強度(Bタイプ、kN/mm)が、Instron Model 5500R Tensile Testerを使用して、ASTM標準D624−00に従って求められた。引き裂き強度の報告される値は、同一のシリコーンラバーサンプルから切り出された異なるテスト見本についてなされた3回の測定の平均を表す。
【0093】
ジュロメーター硬度の測定
シリコーンラバーテスト見本のジュロメーター硬度が、Conveloader Model CV−71200 Shore Type A Durometerを使用して、ASTM標準D2240−02に従って求められた。同一のシリコーンサンプルからの3つのテスト見本が重ねられ、約0.5cmの合計の厚さに達した。ジュロメーター硬度の報告される値は、同一のシリコーンラバーテスト見本上の異なる位置において実行された3回の測定の平均を表す。
【0094】
押し出し速度の測定
触媒と阻害剤とを有さないシリコーン組成物の押し出し速度(g/分)が、90psi(0.62MPa)の圧力を使用して、ASTM標準C1183−91に従って求められた。
【0095】
光透過性の測定
シリコーンラバーテスト見本の%透過性が、タングステン−ハロゲンランプを備えたXL−211 Hazegard Hazemeterを使用して、求められた。
【0096】
以下の化学物質が、実施例において使用された。
ポリマーA:25℃において約55Pa.sの粘度を持つ、ジメチルビニルシロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン)
ポリマーB:1分子につき平均145のジメチルシロキサン単位、平均3のメチルビニルシロキサン単位、および25℃において0.35Pa.sの粘度を持つ、ジメチルビニルシロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン)
架橋剤:1分子につき平均3のジメチルシロキサン単位および平均5のメチル水素シロキサン単位を持ち、約0.8%のシリコンに結合した水素原子を含有する、トリメチルシロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン/メチル水素シロキサン)
阻害剤:1−エチニル−1−シクロヘキサノール
触媒:25℃において約0.45Pa.sの粘度を持つジメチルビニルシロキシ末端化ポリ(ジメチルシロキサン)92%、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン7%、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン白金錯体1%からなる混合物
シリカ充填剤A:日産化学工業(東京、日本)により商品名SNOWTEX−PS−Sの下に販売されているコロイドシリカの水性懸濁。該懸濁は、13%(重量/重量)のアモルファスシリカ(SiO)、0.2%(重量/重量)未満のNaO、および水からなる。該懸濁は、25℃において10mPa.sの粘度、10.1のpH、20℃において1.08の比重、および約125nmの粒子サイズ(動的光散乱法)を持つ。
シリカ充填剤B:日産化学工業(東京、日本)により商品名SNOWTEX−PS−Mの下に販売されているコロイドシリカの水性懸濁。該懸濁は、21%(重量/重量)のアモルファスシリカ(SiO)、0.2%(重量/重量)未満のNaO、および水からなる。該懸濁は、25℃において9mPa.sの粘度、9.7のpH、20℃において1.14の比重、および約127nmの粒子サイズ(動的光散乱法)を持つ。
シリカ充填剤C:日産化学工業(東京、日本)により商品名SNOWTEX−UPの下に販売されているコロイドシリカの水性懸濁。該混合物は、20%(重量/重量)のアモルファスシリカ(SiO)、0.35%(重量/重量)未満のNaO、および水からなる。該懸濁は、25℃において12.5mPa.sの粘度、約10.4のpH、および20℃において1.13の比重を持つ。
【0097】
実施例1
濃塩酸300mL、脱イオン水1L、2−プロパノール750mL、ヘキサメチルジシロキサン300mL、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン20mLが、メカニカル・スターラーを備え付けられた5Lフラスコ中で、混ぜ合わされた。シリカ充填剤A1Lが、30分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。結果得られた懸濁は、2時間75℃において攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、残った疎水性コロイドシリカが2−プロパノールの脱イオン水溶液(25容積/容積%)1Lを用いて洗浄された。この洗浄水が除去され、この洗浄手順が繰り返された。2回目の洗浄水が除去された後、トルエン2.5Lが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。該懸濁が、圧縮窒素、アスピレーター設定50%、ポンプ設定50%、入口温度220℃、および出口温度140℃を使用するBuchi B−191 Mini Spray Drier中で噴霧乾燥され、部分凝集疎水性コロイドシリカ120gを生成した。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。図1に言及すると、これは、この実施例1の部分凝集疎水性コロイドシリカの電子顕微鏡(写真、TEM、拡大率:100,000)を示すものである。
【0098】
実施例2
ヘキサメチルジシロキサンの容積が305mLであり1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの容積が30mLであることを除いて、部分凝集疎水性コロイドシリカが、実施例1の方法を使用して調製された。疎水性コロイドシリカの収量は120gであった。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0099】
実施例3
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの容積が35mLであることを除いて、部分凝集疎水性コロイドシリカが、実施例1の方法を使用して調製された。疎水性コロイドシリカの収量は120gであった。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0100】
実施例4
濃塩酸の容積が200mLであり、脱イオン水の容積が900mLであり、クロロトリメチルシラン150mLがヘキサメチルジシロキサンの代わりに使用され、クロロジメチルビニルシラン15mLが1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンの代わりに使用されたことを除いて、部分凝集疎水性コロイドシリカが、実施例1の方法を使用して調製された。疎水性コロイドシリカの収量は51gであった。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0101】
実施例5
濃塩酸200mL、脱イオン水0.9L、2−プロパノール750mL、クロロトリメチルシラン150mL、クロロジメチルビニルシラン10mL、クロロメチルフェニルビニルシラン10mL、クロロジメチルフェニルシラン10mL、およびクロロジフェニルメチルシラン10mLが、5Lフラスコ中で、混ぜ合わされた。シリカ充填剤A1Lが、30分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。結果得られた懸濁は、1時間75℃にて、次いで終夜室温にて攪拌された。トルエン500mLが該フラスコへと加えられ、この疎水性コロイドシリカの水相からの分離を効果的にした。該水相が除去され、残った疎水性コロイドシリカの懸濁が、2−プロパノールの脱イオン水溶液(25容積/容積%)1Lを用いて洗浄された。この洗浄水が除去され、該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。該懸濁が、圧縮窒素、アスピレーター設定50%、ポンプ設定50%、入口温度220℃、および出口温度140℃を使用するBuchi B−191 Mini Spray Drier中で噴霧乾燥され、部分凝集疎水性コロイドシリカ114gを生成した。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。フェニル含有有機シロキシ基の重量%は、求められなかった。
【0102】
実施例6
水1L、2−プロパノール750mL、および濃塩酸300mLが、メカニカル・スターラーを備えた5Lフラスコ中で、混ぜ合わされた。シリカ充填剤A1Lが、30分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。同時に、ジクロロジメチルシラン313mLおよびジクロロメチルビニルシラン30.5mLの混合物が、同じ30分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。結果得られた懸濁は、2時間75℃にて攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、2−プロパノールの脱イオン水溶液(33容積/容積%)1Lが該フラスコへと加えられ、この混合物が1分間急速に攪拌された。この洗浄水が除去され、この洗浄手順が繰り返された。2回目の洗浄水が除去された後、トルエン2Lが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。該懸濁が、圧縮窒素、アスピレーター設定50%、ポンプ設定50%、入口温度220℃、および出口温度140℃を使用するBuchi B−191 Mini Spray Drier中で噴霧乾燥され、部分凝集疎水性コロイドシリカ225gを生成した。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0103】
実施例7
水562.7mL、2−プロパノール750mL、ヘキサメチルジシロキサン300mL、および濃塩酸300mLからなる混合物が、メカニカル・スターラーを備えた5Lフラスコ中のシリカ充填剤A(10%重量/重量SiOまで水により稀釈)1043.5gへと加えられた。1時間75℃にて攪拌した後、該水相が室温まで冷却された。メチルイソブチルケトン500mLがこの攪拌された混合物へと加えられ、この疎水性コロイドシリカの該水相からの分離を効果的にし、該水相は次いで除去された。メチルイソブチルケトン100mLおよび2−プロパノール溶液(33容積/容積%)500mL、および水が該フラスコへと加えられ、次いで該水相を除去した。前記ステップが、メチルイソブチルケトン150mLおよび該2−プロパノール溶液500mL、および水を使用して、繰り返された。該水相が除去された後、メチルイソブチルケトン1500mLが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。残ったスラリーが、18×25cmPyrex蒸発皿中へと注ぎ込まれ、溶媒が終夜蒸発するようにされた。該疎水性コロイドシリカは23時間、150℃の空気循環オーブン中で更に乾燥された。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0104】
実施例8
濃塩酸300mL、脱イオン水1L、2−プロパノール750mL、ヘキサメチルジシロキサン300mL、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン20mLが、5Lフラスコ中で混ぜ合わされた。シリカ充填剤B700mLが、50分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。結果得られた懸濁は、1時間75℃において攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、残った疎水性コロイドシリカが2−プロパノールの脱イオン水溶液(25容積/容積%)1Lを用いて洗浄された。この洗浄水が除去され、この洗浄手順が繰り返された。2回目の洗浄水が除去された後、トルエン2.6Lが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。該懸濁が、圧縮窒素、アスピレーター設定50%、ポンプ設定50%、入口温度220℃、および出口温度140℃を使用するBuchi B−191 Mini Spray Drier中で噴霧乾燥され、部分凝集疎水性コロイドシリカ70gを生成した。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0105】
実施例9
濃塩酸1300mL、クロロトリメチルシラン200mL、およびクロロジメチルビニルシラン10mLからなる混合物が、メカニカル・スターラーを備えた5Lフラスコ中のシリカ充填剤B400mLへと加えられた。結果得られた懸濁は、1時間63℃において攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、脱イオン水1Lが該フラスコへと加えられ、この反応混合物が1分間急速に攪拌された。該水相が除去され、トルエン500mLが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。残ったトルエン/ゼロゲル(zerogel)スラリーが、18×25cmPyrex蒸発皿中へと注ぎ込まれ、溶媒が終夜蒸発するようにされた。このシリカは10時間、120℃の空気循環オーブン中で更に乾燥された。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0106】
実施例10
濃塩酸300mL、脱イオン水1L、2−プロパノール750mL、ヘキサメチルジシロキサン300mL、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン20mLが、5Lフラスコ中で混ぜ合わされた。シリカ充填剤A720mLおよびシリカ充填剤B265mLからなる混合物が、30分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。結果得られた懸濁は、2時間75℃において攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、該疎水性コロイドシリカが2−プロパノールの脱イオン水溶液(25容積/容積%)1Lを用いて洗浄された。この洗浄水が除去され、トルエン2.7Lが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。該懸濁が、圧縮窒素、アスピレーター設定50%、ポンプ設定50%、入口温度220℃、および出口温度140℃を使用するBuchi B−191 Mini Spray Drier中で噴霧乾燥され、部分凝集疎水性コロイドシリカ110gを生成した。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0107】
実施例11
濃塩酸300mL、脱イオン水1L、2−プロパノール750mL、ヘキサメチルジシロキサン300mL、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン15mLが、5Lフラスコ中で混ぜ合わされた。シリカ充填剤A250mLおよびシリカ充填剤B500mLからなる混合物が、60分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。結果得られた懸濁は、2時間75℃において攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、該疎水性コロイドシリカが2−プロパノールの脱イオン水溶液(40容積/容積%)500mLを用いて洗浄された。この洗浄水が除去され、この洗浄手順が繰り返された。2回目の洗浄水が除去された後、トルエン2.5Lが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。該懸濁が、圧縮窒素、アスピレーター設定50%、ポンプ設定50%、入口温度220℃、および出口温度140℃を使用するBuchi B−191 Mini Spray Drier中で噴霧乾燥され、部分凝集疎水性コロイドシリカ45gを生成した。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0108】
実施例12
濃塩酸300mL、脱イオン水1L、2−プロパノール750mL、ヘキサメチルジシロキサン300mL、および1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン20mLが、5Lフラスコへと加えられた。シリカ充填剤C680mLが、50分間に亘って該フラスコへとゆっくり加えられた。結果得られた懸濁は、1時間75℃において攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、該疎水性コロイドシリカが2−プロパノールの脱イオン水溶液(25容積/容積%)1Lを用いて洗浄された。この洗浄水が除去され、この洗浄手順が繰り返された。2回目の洗浄水が除去された後、トルエン2.6Lが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。該懸濁が、圧縮窒素、アスピレーター設定50%、ポンプ設定50%、入口温度220℃、および出口温度140℃を使用するBuchi B−191 Mini Spray Drier中で噴霧乾燥され、部分凝集疎水性コロイドシリカ105gを生成した。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0109】
実施例13
濃塩酸1L、クロロトリメチルシラン100mL、およびクロロジメチルビニルシラン5mLからなる混合物が、シリカ充填剤C250mLへと加えられた。結果得られた懸濁は、1時間60℃において攪拌され、この間、この疎水性コロイドシリカが、水相から分離された。該水相が除去され、脱イオン水500mLが該フラスコへと加えられ、この混合物が1分間急速に攪拌された。この洗浄水が除去され、脱イオン水610mLが該フラスコへと加えられ、この混合物が1分間急速に攪拌された。この洗浄水が除去され、水1Lが該フラスコへと加えられ、この混合物が1分間急速に攪拌された。この洗浄水が除去され、トルエン1Lが該フラスコへと加えられた。該フラスコにディーン・スターク・トラップが取り付けられ、該懸濁が蒸留物が無水になるまで蒸留された。残ったスラリーが、18×25cmPyrex蒸発皿中へと注ぎ込まれ、溶媒が終夜蒸発するようにされた。この処理されたシリカは19時間、120℃の空気循環オーブン中で更に乾燥された。該疎水性コロイドシリカの物性および組成が、表1に示される。
【0110】
実施例14
シリコーン組成物が、シリコーン組成物の最終重量に基づいて、濃度28%(重量/重量)に達するに充分な量のポリマーA90%とポリマーB10%とからなる混合物へと、実施例1の前記疎水性コロイドシリカをまず加えることにより、調製された。該シリカは、1分につき50回転(rpm)で作動するシグマ混合ブレードを有するRheomix600混合ヘッドを備えたHaake Rheocord System90Mixer中の該混合物へと、1g/分の割合で加えられた。この添加が完了した後、この混合物は1時間60℃において混合され、次いで20分に亘って、40℃まで放冷された。ポリマーAおよびポリマーB併せた中での1ビニル基につきシリコンに結合した水素原子1.5を与えるのに充分な量で、架橋剤が該混合物へと加えられ、シリコーン・ベースを生成させた。30分間混合した後、阻害剤0.15mLが該シリコーン・ベースへと加えられた。シリコーン組成物の最終重量に基づいて、10〜15ppmの白金金属を与えるに充分な量で、次いで触媒が該混合物へと加えられた。該シリコーン・ベースの押し出し速度は、61g/分であった。
【0111】
【表1】

【0112】
実施例15aおよび15b
実施例15aでは、実施例14の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例15bでは、実施例14の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。該シリコーンラバー生成物の物性が、表2に示される。
【0113】
実施例16
該疎水性コロイドシリカの濃度が30%(重量/重量)であったこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。該シリコーン・ベースの押し出し速度は、37g/分であった。
【0114】
実施例17aおよび17b
実施例17aでは、実施例16の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例17bでは、実施例16の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。該シリコーンラバー生成物の物性が、表2に示される。
【0115】
実施例18
該疎水性コロイドシリカの濃度が34%(重量/重量)であったこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。該シリコーン・ベースの押し出し速度は、11g/分であった。
【0116】
実施例19aおよび19b
実施例19aでは、実施例18の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例19bでは、実施例18の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。該シリコーンラバー生成物の物性が、表2に示される。
【0117】
実施例20
該疎水性コロイドシリカの濃度が30%(重量/重量)であり、ポリマーA、ポリマーB、および疎水性コロイドシリカの混合物が、該架橋剤の添加直前に、1時間60℃の代わりに1時間室温において混合されたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、46g/分であった。
【0118】
実施例21aおよび21b
実施例21aでは、実施例20の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例21bでは、実施例20の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。該シリコーンラバー生成物の物性が、表2に示される。
【0119】
【表2】

【0120】
実施例22
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例2の疎水性コロイドシリカ28%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、45g/分であった。
【0121】
実施例23aおよび23b
実施例23aでは、実施例22のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例23bでは、実施例22のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表3に示される。
【0122】
実施例24
該疎水性コロイドシリカ濃度が28%(重量/重量)であったこと以外は、実施例22の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、23g/分であった。
【0123】
実施例25aおよび25b
実施例25aでは、実施例24のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例25bでは、実施例24のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表3に示される。
【0124】
実施例26
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例3の疎水性コロイドシリカ30%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、44g/分であった。
【0125】
実施例27aおよび27b
実施例27aでは、実施例26のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例27bでは、実施例26のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表3に示される。
【0126】
実施例28
該疎水性コロイドシリカ濃度が28%(重量/重量)であったこと以外は、実施例26の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、77g/分であった。
【0127】
実施例29aおよび29b
実施例29aでは、実施例28のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例29bでは、実施例28のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表3に示される。
【0128】
【表3】

【0129】
実施例30
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例4の疎水性コロイドシリカ30%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、52g/分であった。
【0130】
実施例31aおよび31b
実施例31aでは、実施例30のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例31bでは、実施例30のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表4に示される。
【0131】
実施例32
該疎水性コロイドシリカ濃度が34%(重量/重量)であったこと以外は、実施例30の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、20g/分であった。
【0132】
実施例33aおよび33b
実施例33aでは、実施例32のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例33bでは、実施例32のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表4に示される。
【0133】
実施例34
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例5の疎水性コロイドシリカ34%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、59g/分であった。
【0134】
実施例35aおよび35b
実施例35aでは、実施例34のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例35bでは、実施例34のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表4に示される。
【0135】
実施例32
該疎水性コロイドシリカ濃度が34%(重量/重量)であったこと以外は、実施例30の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、20g/分であった。
【0136】
実施例33aおよび33b
実施例33aでは、実施例32のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例33bでは、実施例32のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表4に示される。
【0137】
【表4】

【0138】
実施例36
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例6の疎水性コロイドシリカ30%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、110g/分であった。
【0139】
実施例37aおよび37b
実施例37aでは、実施例36のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例37bでは、実施例36のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表5に示される。
【0140】
実施例38
該疎水性コロイドシリカ濃度が38%(重量/重量)であったこと以外は、実施例36の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、44g/分であった。
【0141】
実施例39aおよび39b
実施例39aでは、実施例38のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例39bでは、実施例38のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表5に示される。
【0142】
実施例40
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例7の疎水性コロイドシリカ25%(重量/重量)により置き換えられ、ポリマーA、ポリマーB、および疎水性コロイドシリカの混合物が、前記架橋剤の添加直前に、1時間60℃の代わりに1時間室温において混合されたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。
【0143】
実施例41aおよび41b
実施例41aでは、実施例40のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例41bでは、実施例40の該シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表5に示される。
【0144】
【表5】

【0145】
実施例42
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例8の疎水性コロイドシリカ34%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、84g/分であった。
【0146】
実施例43aおよび43b
実施例43aでは、実施例42のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例43bでは、実施例42のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表6に示される。
【0147】
実施例44
該疎水性コロイドシリカ濃度が38%(重量/重量)であったこと以外は、実施例42の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、40g/分であった。
【0148】
実施例45aおよび45b
実施例45aでは、実施例44のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例45bでは、実施例44のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表6に示される。
【0149】
実施例46
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例9の疎水性コロイドシリカ34%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。
【0150】
実施例47aおよび47b
実施例47aでは、実施例46のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例47bでは、実施例46のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表6に示される。
【0151】
実施例48
ポリマーA、ポリマーB、および疎水性コロイドシリカの混合物が、前記架橋剤の添加直前に、1時間60℃の代わりに1時間室温において混合されたこと以外は、実施例46の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。
【0152】
実施例49aおよび49b
実施例49aでは、実施例48のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例49bでは、実施例48のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表6に示される。
【0153】
実施例50
該疎水性コロイドシリカ濃度が43%(重量/重量)であったこと以外は、実施例46の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。シリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表6に示される。
【0154】
【表6】

【0155】
実施例51
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例10の疎水性コロイドシリカ30%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、68g/分であった。
【0156】
実施例52aおよび52b
実施例52aでは、実施例51のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例52bでは、実施例51のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表7に示される。
【0157】
実施例53
該疎水性コロイドシリカ濃度が34%(重量/重量)であったこと以外は、実施例51の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、26g/分であった。
【0158】
実施例54aおよび54b
実施例54aでは、実施例53のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例54bでは、実施例53のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表7に示される。
【0159】
実施例55
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例11の疎水性コロイドシリカ25%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、150g/分であった。
【0160】
実施例56aおよび56b
実施例56aでは、実施例55のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例56bでは、実施例55のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表7に示される。
【0161】
実施例57
該疎水性コロイドシリカ濃度が34%(重量/重量)であったこと以外は、実施例55の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、60g/分であった。
【0162】
実施例58aおよび58b
実施例58aでは、実施例57のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例58bでは、実施例57のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表7に示される。
【0163】
【表7】

【0164】
実施例59
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例12の疎水性コロイドシリカ30%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、163g/分であった。
【0165】
実施例60aおよび60b
実施例60aでは、実施例59のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例60bでは、実施例59のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表8に示される。
【0166】
実施例61
該疎水性コロイドシリカ濃度が34%(重量/重量)であったこと以外は、実施例59の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、105g/分であった。
【0167】
実施例62aおよび62b
実施例62aでは、実施例61のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例62bでは、実施例61のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表8に示される。
【0168】
実施例63
該疎水性コロイドシリカ濃度が38%(重量/重量)であったこと以外は、実施例59の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。このシリコーン・ベースの押し出し速度は、56g/分であった。
【0169】
実施例64aおよび64b
実施例64aでは、実施例63のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例64bでは、実施例63のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表8に示される。
【0170】
実施例65
実施例1の疎水性コロイドシリカが実施例13の疎水性コロイドシリカ39%(重量/重量)により置き換えられたこと以外は、実施例14の方法を使用して、シリコーン組成物が調製された。
【0171】
実施例66aおよび66b
実施例66aでは、実施例65のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温および10分間150℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。実施例66bでは、実施例65のシリコーン組成物サンプルが、3〜5分間室温、10分間150℃、および1時間200℃において、34.5MPaの連続圧下に圧縮成型された。このシリコーンラバー生成物の物性が、表8に示される。
【0172】
【表8】

【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】図1は、実施例1の部分凝集疎水性コロイドシリカの、電子顕微鏡写真(TEM、拡大率:100,000倍)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分凝集疎水性コロイドシリカを調製する方法であって、該方法が:
(a)少なくとも1つの部分凝集親水性コロイドシリカを含むシリカゾルを
(b)(i)式RSiX4−a−bを持つ少なくとも1つの有機シラン;
(ii)式(RSiO)を持つ少なくとも1つの有機シクロシロキサン;
(iii)式RSiO(RSiO)SiRを持つ少なくとも1つの有機シロキサン;および
(iv)(i)〜(iii)の内の少なくとも2つを含む混合物
から選択される有機シリコン化合物と
(c)水;
(d)有効量の水混和性有機溶媒;および
(e)酸触媒
の存在下に反応させ、該部分凝集疎水性コロイドシリカおよび水相を生成させることを含み、式中:
が、ヒドロカルビルもしくは置換ヒドロカルビル;
Xが、加水分解可能な基;
aが、0、1、2、もしくは3;
bが、0もしくは1;
a+b=1、2、もしくは3、但し、b=1の場合a+b=2もしくは3;
mが、3〜10の平均値を持ち;
nが、0〜10の平均値を持つ
方法。
【請求項2】
成分(a)が数珠形シリカゾルまたは引き延ばされた形状のシリカゾルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Xが、−Cl、Br、−OR、−OCHCHOR、CHC(=O)O−、Et(Me)C=N−O−、CHC(=O)N(CH)−、および−ONHから選択され、式中、RがC〜Cヒドロカルビルまたはハロゲン置換ヒドロカルビルである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
mが3〜5の平均値を持つ、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
nが0〜4の平均値を持つ、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
成分(d)がモノオールである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
成分(a)の部分凝集疎水性コロイドシリカ濃度が1〜20%(重量/重量)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
成分(a)中のSiOに対する成分(b)のモル比が0.1〜5である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
水(c)濃度が20〜60%(重量/重量)である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
成分(d)濃度が5〜35%(重量/重量)である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記部分凝集疎水性コロイドシリカが前記水相から沈澱する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記水相から、前記部分凝集疎水性コロイドシリカを分離することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記部分凝集疎水性コロイドシリカを水洗することを更に含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記部分凝集疎水性コロイドシリカを、水非混和性有機溶媒に懸濁させることを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記水非混和性有機溶媒が、水との最小共沸点混合物を形成する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記水非混和性有機溶媒を、エバポレーションまたは噴霧乾燥により除去することを更に含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記水非混和性有機溶媒を除去する前に、前記部分凝集疎水性コロイドシリカの懸濁を蒸留して、水を除去することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記部分凝集疎水性コロイドシリカが、前記水相に懸濁されたままである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記水非混和性有機溶媒および前記部分凝集疎水性コロイドシリカを含む非水相を形成させるに充分な量の該水非混和性有機溶媒を用いて、前記水性懸濁を処理することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記水非混和性有機溶媒が、水との最小共沸点混合物を形成する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記非水相を、前記水相から分離することを更に含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記非水相を水洗することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記水非混和性有機溶媒を、エバポレーションまたは噴霧乾燥により除去することを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記水非混和性有機溶媒を除去する前に、前記非水相を蒸留して、水を除去することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法により得られた、部分凝集疎水性コロイドシリカ。
【請求項26】
有機ポリマー組成物および/またはシリコーン組成物における、強化もしくは増強充填剤としての、請求項25または26に記載の部分凝集疎水性コロイドシリカの使用。
【請求項27】
(A)硬化可能なシリコーン組成物;および
(B)請求項26または27に記載の部分凝集疎水性コロイドシリカ5〜60%(重量/重量)
を含む、充填シリコーン組成物。
【請求項28】
硬化可能な前記シリコーン組成物が、ヒドロシリル化により硬化可能なシリコーン組成物、過酸化物により硬化可能なシリコーン組成物、縮合により硬化可能なシリコーン組成物、エポキシにより硬化可能なシリコーン組成物、紫外線照射により硬化可能なシリコーン組成物、および高エネルギー照射により硬化可能なシリコーン組成物から選択される、請求項28に記載の充填シリコーン組成物。
【請求項29】
硬化可能な前記シリコーン組成物が:
(i)1分子につき平均少なくとも2つのシリコンに結合したアルケニル基を含有する有機ポリシロキサン;
(ii)当該組成物を硬化させるに充分な量の、1分子につき平均少なくとも2つのシリコンに結合した水素原子を含有する有機水素シロキサン;および
(iii)ヒドロシリル化触媒
を含むヒドロシリル化により硬化可能なシリコーン組成物である、請求項28または29に記載の充填シリコーン組成物。
【請求項30】
請求項29または30に記載の充填シリコーン組成物の反応生成物を含む、硬化シリコーン生成物。
【請求項31】
接着剤、密封剤、カルセル化剤、または成型品としての、請求項29または30に記載の充填シリコーン組成物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2006−501128(P2006−501128A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541507(P2004−541507)
【出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/027786
【国際公開番号】WO2004/031076
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】