説明

充填材仕上げ工具

【解決手段】ハンドル(30)を付けて使用することが可能な、充填材の塗り伸ばし、平滑化、およびフェザリングのための細長い三角形形状のエラストマー材料製アプリケータ工具(20)を有する手持ち式工具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照される関連特許出願:なし
連邦出資による研究:該当せず
連続リストまたはプログラム:該当せず
【0002】
本発明は、充填材の平滑化および境界を滑らかにならすこと(フェザリング)に用いる手持ち式工具に関する。
【背景技術】
【0003】
日曜大工ホームセンターおよびペンキ店では、一般に、顧客に自分の作品の外観を良くするための充填材を提供している。そのような充填材は、職人が表面仕上げをするようなまたは密封することが望まれるドア枠、窓、幅木、浴槽、シャワー、流し(シンク)の周囲、および壁、角部分およびその他の隙間部分などに用いられる。もともと、充填材は一般に人の指、棒、スプーンなどを使って適用されていた。後に、その作業を達成するためのいくつかのタイプの工具が発明家により創出された。一部の工具は、コーキングガンとともに用いられる。その他の工具は手持ち式のタイプだが、それには様々な制約がある。様々な角度の交差部分および不規則な表面に適応でき、職人が仕上げたような外観を作成することができる、充填材の平滑化およびフェザリングをするための効果的な工具があれば有益である。
【0004】
これまでにいくつかの工具が提案されており、例えば、2001年10月21日付けでRayに発行された米国特許第6,305,926号がある。このRayの工具は、指に装着して充填材を平滑化するのだが、充填材を付けたくない場所に触れないよう注意をしなければならず、或いは前記工具を一度指から外し、再び使用したいときに再度装着する必要がある。2001年4月24日付けのDewberryに発行された米国特許第6,219,878号およびMarchbanksに発行された米国特許第4,586,890号の工具の場合、適正に機能させる以上の余分な量の充填材を適用しなくてはならない。どちらの工具も、余分な充填材が溜まる設計であるため、結果的に無駄が生じ、かつ前記工具から余分な充填材を除去およびクリーニングする必要が生じる。1998年8月11日付けでLibermanに発行された米国特許第5,792,489号は多くの部品を有するため製造費が高くなり、掃除が困難である。1997年10月14日付けでCampbellに発行された米国特許第5,675,860号は柔軟性について制限があり、柔軟で弾力性のある材料で形成されている部分はハンドル周囲の周縁部だけであるため、鈍角な接合部や鋭角な接合部において充填材に適用するのは困難であろう。
【0005】
発明の背景−目的および利点
従って、本発明のいくつかの目的および利点は、
a)充填材を塗り伸ばし、平滑化し、フェザリングして職人仕上げを実現する工具を提供すること、
b)鋭角、斜角、および直角の接合部に充填材を入れて平滑化およびフェザリングする工具を提供すること、
c)表面の変化に適合できる柔軟性のある工具を提供すること、
d)限られた作業領域で使用するため、ハンドルを装着しないで使用することが可能な工具を提供すること、および
e)最小限の構成要素を有する工具を提供することである。
【0006】
その他の目的および利点は、職人および日曜大工の素人双方にとって使用が容易で、利便性に富み、且つ信頼できる充填材仕上げ工具を提供することである。さらに別の目的および利点は、図面および下記説明を考慮することによりより明らかになる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従い、充填材仕上げ工具は、充填材を平滑化および滑らかにならす(フェザリング)する、細長い三角形形状のエラストマー材料を有し、ハンドル付きまたはハンドルなしで使用される。
【0008】
また、本発明は、充填材の平滑化およびフェザリングをするための工具を販売する方法も意図しているものであり、この方法は、充填材をなぞることにより当該充填材を平滑化およびフェザリングする細長い三角形形状のエラストマー片部を提供する工程と、前記片部で前記充填材をなぞることにより前記充填材を平滑化およびフェザリングすることができることを説明した取扱説明書を提供する工程とを有する。
【0009】
本発明が意図する他の実施形態において、充填材アプリケータは、充填材をなぞることにより当該充填材を平滑化およびフェザリングする細長い三角形形状のエラストマー片部を有するものとして意図されているものであり、前記アプリケータには、前記片部で前記充填材をなぞることにより当該充填材を平滑化およびフェザリングできることを説明した取扱説明書が添付される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
説明−図1、7、8、および9−好ましい実施形態
本発明の充填材仕上げ工具の好ましい実施形態を、図1(使用中の斜視図)、図7A(斜視正面図)、図7B(斜視背面図)、図8(側面図)、および図9(正面図)に図示する。図示するように、前記充填材仕上げ工具20は、エラストマー材料で形成され、予め定められた長さの細長い三角形形状を有する。前記エラストマー材料は、前記充填材仕上げ工具20が使用される充填材の粘度に適合するように、非常に柔らかいものから硬いものまで様々に変えることが可能である。好ましい実施形態において、前記充填材仕上げ工具20はシリコンで形成される。ただし、前記充填材仕上げ工具20は、ゴム、ビニール、発泡体など多種多様なエラストマー材料の任意のエラストマー材料から成ることができる。前記充填材仕上げ工具20は、押し出しにより成形され予め定められた長さに切断すされる、あるいは射出成形することができる。
【0011】
正面50(図7Aおよび8)は、通常、頂上71(図8)に対して鋭角68で傾斜されている。図11Aでは、側面56と58が接合して凸状側面頂上80を形成している。上面54は側面56および58と交差して鋭角72および73を形成する(図9)。図9が示すように、通常、側面56と58が交差して斜角70を頂上71に形成する。通常、上面と側面が交差して鋭角72および73を形成する。図11Aでは、側面56と58が接合して、凹形に充填材をならし入れるための丸みのある凸状交差部80を形成している。通常、後面52(図7B)は、上面54および側面56、58(図9)と、縁部62、65、および66でほぼ直角の角度で交差する。前面50と上面54の交差部60(図7Aおよび8)は、通常、鈍角61を形成する(図8)。
【0012】
図2、3、4、5、6、7A、10B、および10C−追加的実施形態
追加的実施形態を示す図2,3、4、5、6、10A、および10Bでは、ハンドル30が充填材工具20に装着されている。
【0013】
図10Bおよび10C−代替実施形態
充填材仕上げ工具20の縁部を形成する外面の交差によって形成される形状に関しては、様々な形状が可能である。面50、52、54、56、および58の交差によって形成される工具20の外縁部は、先端のとがった形、面取りをした形、凹面、および凸面を含む数多くの形態に成形することができる。図11Bでは、側面56と58が接合して平らな側面交差部82を形成しており、これにより充填材を平らな形にならすことができる。図11Cでは、側面56と58が接合して凹面側面交差部84を形成しており、これにより充填材を凸面に形成することができる。
【0014】
作業−図1、2、3、4、5、6
通常、充填材40は2つの平面の垂直交差によって形成される接合部に適用される。工具20(図1)を手に持ち、前記接合部に沿って前記工具を引き、充填材44を平滑化およびフェザリングする。前記工具20を充填材44に沿って引くと、頂上71(図9)が充填材を外側へ分散させ、側面56および58(図7A、7B、および9)が前記充填材を平滑化およびフェザリングする。図1が示す、ハンドル非装着の充填材仕上げ工具20は、狭い作業スペースでの使用によく適している。
【0015】
図2は、ハンドル30が装着された工具20が使用されている様子を示す。ハンドル30により、使用者にとって工具20の使い易さや制御のし易さが高まる。
【0016】
図3で、工具20は平面92と幅木93の接合部に挿入されており、不規則表面90に適合する前記工具の弾性特性の能力が図示されている。
【0017】
図4が図示するように、前記工具20の弾性特性は、2つの平面94と95間の交差部102の斜角に前記工具が適合するのを可能にする。
【0018】
図5が図示するように、前記工具20のエラストマー配合物は、2つの平面96と97間の交差部104の鋭角に前記工具が適合するのを可能にする。
【0019】
図6で、前記工具20の縁部63(図9)は、2つの平面98と99(図6)間の交差部の小さい鋭角106(図6)に挿入されている。両縁部63および64を用いることにより、限られた作業スペースで双方向から充填材に適用することができる。
【0020】
利点
上述の説明から、本発明者の充填材仕上げ工具の以下のような多くの利点が明白です。
(a)限られたスペースで充填材に適用するために前記充填材仕上げ工具をハンドルなしで使用できること、
(b)スペースが許す場合は、前記工具のより良い制御を提供するハンドル付きで前記充填材仕上げ工具を使用できること、
(c)エラストマー材料を有する前記充填材仕上げ工具により、職人が仕上げるような充填材の平滑化およびフェザリングができるように「日曜大工」をするような一般人に能力を提供すること、および
(d)前記充填材仕上げ工具のエラストマー配合物により、使用者に、垂直接合部および、幅木と壁の接合部、鈍角接合部、鋭角接合部、小さい鋭角の接合部によって形成されるような不規則な接合部面に充填材を塗る能力を提供することである。
【0021】
結論、効果、および範囲
従って、本明細書の読者は、本発明の充填材仕上げ工具を用いることにより容易に且つ便利に充填材を適用し、職人の仕上げのような結果が得られることを理解するであろう。さらに、前記充填材仕上げ工具は以下のような追加的な利点を有する。
・充填材の平滑化およびフェザリングを提供すること、
・様々な交差角が形成する接合部に充填材を塗る工具を提供すること、および
・開けたスペースおよび限られたスペースで充填材を塗るための工具を提供することである。
【0022】
上述の説明は具体例を挙げているが、これらは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、現時点での本発明の好ましい実施形態の一部の例を提供するものに過ぎない。他の多くのバリエーションが可能である。例えば、充填材仕上げ工具の背面は、垂直以外の角度で上面および側面と交差することが可能であり、その前面は鈍角で頂上と接合することが可能であり、側面、上面、前面、および背面を曲面などに形成することも可能である。しかし、開示された特定の形状に本発明を限定する意図はないことを理解すべきである。むしろ、ここでの意図は、本発明の意図および範囲に含まれるすべての変更、等価物、および代替構造を含むことである。従って、本発明の範囲は、与えられた実施例によってではなく、添付の特許請求の範囲およびそれらと法的な等価物によって決定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面において、密接に関係する図形には同じ番号が使用され、異なるアルファベットが末尾に付されている。
【図1】図1は、使用中の本工具の斜視立面図である。
【図2】図2は、ハンドル付きで使用中の本工具の斜視立面図である。
【図3】図3は、充填材を壁と幅木の接合部に適用している、ハンドル付きで使用中の本工具の斜視立面図である。
【図4】図4は、2つの平面が交差する鈍角に挿入された、ハンドル付き本工具の斜視立面図である。
【図5】図5は、2つの平面が交差する鋭角に挿入された、ハンドル付き本工具の斜視立面図である。
【図6】図6は、2つの平面が交差する小さい鋭角に挿入された、ハンドル付き本工具の斜視立面図である。
【図7A】図7Aは、本工具の斜視正面図である。
【図7B】図7Bは、本工具の斜視背面図である。
【図8】図8は、本工具の側面図である。
【図9】図9は、本工具の正面図である。
【図10A】図10Aは、ハンドル付き本工具の分解斜視立面図である。
【図10B】図10Bは、ハンドル付き本工具の斜視立面図である。
【図11】図11Aは、充填材の凸状ビードを形成する本工具の正面図である。 図11Bは、充填材の平坦ビードを形成する本工具の正面図である。 図11Cは、充填材の凹状ビードを形成する本工具の正面図である。
【符号の説明】
【0024】
20…充填材仕上げ工具
30…ハンドル
40…充填材
44…平滑された充填材
50…前面
52…後面
54…上面
56…側面
58…側面
60…前面と上面の交差部
61…上面と前面の交差角
62…上面と後面の交差部
63…上面と側面の交差により形成される縁部
64…上面と側面の交差により形成される縁部
65…後面と側面の交差により形成される縁部
66…後面と側面の交差により形成される縁部
68…前面と側面頂上の交差角
70…頂上交差する側面の角
71…側面頂上
72…上面と側面の交差角
73…上面と側面の交差角
80…凸頂上
82…平坦頂上
84…凹頂上
90…幅木の形状に適合した本工具側面
92…平面
93…幅木
94、95…鈍角の接合部を形成する平面
96、97…鋭角の接合部を形成する平面
98、99…小さい鋭角の接合部を形成する平面
102…2つの平面の交差が作る斜角
104…2つの平面の交差が作る鋭角
106…2つの平面の交差が作る小さい鋭角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填材を平滑化およびフェザリングする工具であって、
前記充填材に沿わせて引くことにより当該充填材を平滑化およびフェザリングすることを可能にする三角形形状の断面を有する細長いエラストマー片部を有する
充填材を平滑化およびフェザリングする工具。
【請求項2】
請求項1記載の充填材を平滑化およびフェザリングする工具において、前記工具は、前記片部に連結されたハンドルを含むものである。
【請求項3】
請求項1記載の工具において、前記工具は、ゴム、ビニール、および発泡体から成る群から選択される材料で作られるものである。
【請求項4】
充填材を平滑化およびフェザリングする方法であって、
充填材を平滑化およびフェザリングすることを可能にする三角形形状の断面を有する細長いエラストマー片部を提供する工程と、
前記エラストマー片部を前記充填材に沿わせて引く工程と
を有する方法。
【請求項5】
充填材アプリケータであって、
充填材に沿わせて引くことにより当該充填材を平滑化およびフェザリングする細長い三角形形状のエラストマー片部と、
前記充填材に沿わせて引くことにより、前記片部が当該充填材を平滑化およびフェザリングすることが可能なことを説明する取扱説明書と
を有する充填材アプリケータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−518178(P2009−518178A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544306(P2008−544306)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/044226
【国際公開番号】WO2007/067174
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508170416)
【Fターム(参考)】