説明

充填材入り組成物及び製法

熱可塑性組成物の製造方法が開示されている。この方法は、ポリ(アリーレンエーテル)を押出機の供給口に添加し、供給口の下流でポリアミドを押出機に添加し、ポリアミドとカーボンブラックを含む第1のマスターバッチを供給口の下流で押出機に添加し、ポリアミドと鉱物質充填材を含む第2のマスターバッチを供給口の下流で押出機に添加することからなる。また、この方法で製造されるポリ(アリーレンエーテル)、ポリアミド、カーボンブラック、及び鉱物質充填材からなる組成物も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱物質充填材を含有するポリ(アリーレンエーテル)/ポリアミド組成物、及びこれらの組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
増大した剛性のような改良された物理的性質を有する材料を提供するためにポリマー材料に鉱物質充填材を添加することは公知である。鉱物質充填材入りポリマー材料は、射出成形を始めとする各種の技術により物品に成形することができる。これらの成形品は塗装したりさらに加工処理したりして完成品を創製することができる。他の用途では、余分なコストを避けるためにさらに加工処理することなく成形品の優れた表面外観を得る必要があり、従って、成形品が表面の傷やその他の欠陥を含まないのが望ましい。加えて、これらの充填材入りポリマー材料は、機械的応力を始めとする典型的な環境条件下で安定な機械的強度と耐衝撃性を保有していなければならない。
【特許文献1】米国特許第4970272号明細書
【特許文献2】米国特許第4957966号明細書
【特許文献3】米国特許第5132365号明細書
【特許文献4】米国特許第6593411号明細書
【特許文献5】米国特許第5075376号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2003/0166762号明細書
【特許文献7】特開平7−048490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
耐衝撃性と表面外観の組合せを有する組成物を製造する数多くの試みにも関わらず、衝撃強さと表面外観の向上した組成物及びこれらの組成物の製造方法が相変わらず求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書には、組成物及びその製造方法、並びにその組成物から製造される物品が開示されている。一実施形態では、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリアミド、カーボンブラック、及び鉱物質充填材を含んでなる組成物が開示されており、ここで、ポリ(アリーレンエーテル)粒子はポリアミドマトリックス中に分散している。95%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.5平方マイクロメートル以下の断面積を有しており、及び/又は粒子が3.2マイクロメートル以下の最大粒径を有している。
【0005】
別の実施形態では、熱可塑性物質を製造する方法は、ポリ(アリーレンエーテル)を押出機の供給口に添加し、供給口の下流にある1以上の導入口で、ポリアミド、第1のマスターバッチ及び第2のマスターバッチを添加することを含んでなり、ここで、第1のマスターバッチはポリアミドとカーボンブラックを含んでおり、第2のマスターバッチはポリアミドと鉱物質充填材を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ポリ(アリーレンエーテル)分散相、ポリアミド連続相、カーボンブラック、及び鉱物質充填材を含み改良された物理的性質を有する組成物は、カーボンブラックマスターバッチと鉱物質充填材マスターバッチを使用し、これらのマスターバッチを押出機供給口の下流にある1つの位置又は複数の位置で一緒に又は別々に添加することによって製造することができる。さらに、ポリアミドの少なくとも一部分は供給口の下流にある位置で添加する。このポリアミドはいずれかのマスターバッチ、両方のマスターバッチと共に、又は独立に添加してもよい。ペレット化した組成物を成形又は押し出した後、ポリ(アリーレンエーテル)はポリアミド連続相又はマトリックス全体に分配され、ポリ(アリーレンエーテル)の粒径は熱可塑性組成物の製造方法に関係する。
【0007】
1つの態様において、充填材入りポリマー材料の総重量を基準にして1重量部以上のカーボンブラックを含む充填材入りポリマー材料からなる成形又は押出品は、カーボンブラックを含有しない類似の組成物からなる成形品と比較して改良された表面外観を示す。充填材入り材料がさらにカーボンブラックを含む場合、このカーボンブラックが外部潤滑剤として機能し、充填材入りポリマー材料のメルトと冷たい金型表面との間の摩擦力を低減し、従ってスプレー(splay)の量を低下させることにより成形品の表面美観を改良する。さらに、カーボンブラックの添加は、カーボンブラックを別個の成分として添加するときではなく、マスターバッチとして分散したときに、低い欠陥の外観を呈するのにより有効である。カーボンブラックマスターバッチはカーボンブラックとポリアミド希釈剤からなる。また、組成物はさらに鉱物質充填材を含んでおり、これはマスターバッチとしてポリアミドに分散して添加したときに組成物の剛性を増大する。
【0008】
理論に縛られたくはないが、カーボンブラックマスターバッチと鉱物質充填材マスターバッチを使用すると、驚くべきことに、最終物品のポリ(アリーレンエーテル)粒径に影響があると考えられる。ポリ(アリーレンエーテル)粒子の比較的小さい粒径及びほぼ一様な分布が、改良された衝撃強さを最終物品に授与する。
【0009】
本明細書で使用する場合、「ポリ(アリーレンエーテル)」は、次式(I)の構造単位を複数含んでいる。
【0010】
【化1】

式中、各構造単位に対して、各QとQは独立に水素、ハロゲン、第一又は第二低級アルキル(例えば、1〜7個の炭素原子を含有するアルキル)、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルケニルアルキル、アルキニルアルキル、炭化水素オキシ、アリール、及び少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシである。幾つかの実施形態では、各Qは独立にアルキル又はフェニル、例えばC1−4アルキルであり、各Qは独立に水素又はメチルである。ポリ(アリーレンエーテル)は、通例ヒドロキシ基に対してオルト位に位置するアミノアルキル含有末端基(1個以上)を有する分子を含んでいてもよい。また、通例テトラメチルジフェニルキノン副生物が存在する反応混合物から得られるテトラメチルジフェニルキノン(TMDQ)末端基が存在することも多い。
【0011】
ポリ(アリーレンエーテル)はホモポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、アイオノマー、ブロックコポリマー、例えばアリーレンエーテル単位及びアルケニル芳香族化合物から誘導されたブロックを含むもの、並びに以上のものを少なくとも1種含む組合せの形態であることができる。ポリ(アリーレンエーテル)としては、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を、場合により2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と組み合わせて含有するポリフェニレンエーテルがある。
【0012】
ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−キシレノール及び/又は2,3,6−トリメチルフェノールのようなモノヒドロキシ芳香族化合物(1種以上)の酸化カップリングによって製造することができる。かかるカップリングには一般に触媒系を使用する。触媒系は、銅、マンガン又はコバルト化合物のような重金属化合物(1種以上)を、通常第二アミン、第三アミン、ハロゲン化物又は以上のものの2種以上の組合せのような各種他の物質と組み合わせて含有することができる。
【0013】
ポリ(アリーレンエーテル)は、単分散ポリスチレン標準、40℃のスチレンジビニルベンゼンゲル及び1ミリリットルのクロロホルム当たり1ミリグラムの濃度を有する試料を用いるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより決定して、3000〜40000グラム/モル(g/mol)の数平均分子量及び/又は約5000〜約80000g/molの重量平均分子量を有することができる。また、ポリ(アリーレンエーテル)は、クロロホルム中25℃で測定して0.10〜0.60デシリットル/グラム(dl/g)、又は、より具体的には0.29〜0.48dl/gの固有粘度を有することができる。高い固有粘度のポリ(アリーレンエーテル)と低い固有粘度のポリ(アリーレンエーテル)の組合せを利用することが可能である。2つの固有粘度を使用する場合の正確な割合の決定は、使用するポリ(アリーレンエーテル)の正確な固有粘度及び所望とする最終的な物理的性質に多少依存する。
【0014】
組成物はポリ(アリーレンエーテル)を15〜65重量パーセントの量で含む。この範囲内で、ポリ(アリーレンエーテル)は、30重量パーセント以上の量で、又は、より具体的には35重量パーセント以上の量で、又は、さらにより具体的には40重量パーセント以上の量で存在し得る。また、この範囲内で、ポリ(アリーレンエーテル)は、60重量パーセント以下、又は、より具体的には55重量パーセント以下、又は、さらにより具体的には50重量パーセント以下の量で存在し得る。重量パーセントは、熱可塑性組成物の総重量を基準にしている。
【0015】
ナイロンともいわれるポリアミド樹脂は、アミド基(−C(O)NH−)の存在により特徴付けられ、米国特許第4970272号に記載されている。代表的なポリアミド樹脂としては、限定されることはないが、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4、ナイロン−4,6、ナイロン−12、ナイロン−6,10、ナイロン−6,9、ナイロン−6,12、非晶質ポリアミド樹脂、トリアミン含有率が0.5重量パーセント未満のナイロン6/6T及びナイロン6,6/6T、並びに以上のポリアミドの2種以上の組合せがある。一実施形態では、ポリアミド樹脂はナイロン−6及びナイロン−6,6からなる。一実施形態では、ポリアミド樹脂又はポリアミド樹脂の組合せは、171℃以上の融点(T)を有する。ポリアミドがスーパータフポリアミド、すなわちゴム強化ポリアミドからなる場合、組成物は別個の耐衝撃性改良剤を含有していてもいなくてもよい。
【0016】
ポリアミド樹脂は、米国特許第2071250号、同第2071251号、同第2130523号、同第2130948号、同第2241322号、同第2312966号、及び同第2512606号に記載のもののような幾つかの周知のプロセスによって得ることができる。ポリアミド樹脂は広範な供給元から市販されている。
【0017】
ISO 307に従って96wt%硫酸中0.5wt%溶液で測定して400ミリリットル/グラム(ml/g)以下の固有粘度を有する、又は、より具体的には90〜350ml/gの粘度を有する、又は、さらにより具体的には110〜240ml/gの粘度を有するポリアミド樹脂を使用することができる。
【0018】
ポリアミドは6以下の相対粘度、又は、より具体的には1.89〜5.43の相対粘度、又は、さらにより具体的には2.16〜3.93の相対粘度を有し得る。相対粘度は96wt%硫酸中1wt%の溶液でDIN 53727に従って決定される。
【0019】
一実施形態では、ポリアミド樹脂は、HClを用いた滴定により決定して、ポリアミド1グラム当たりアミン末端基が35マイクロ当量(μeq/g)以上のアミン末端基濃度を有するポリアミドからなる。この範囲内で、アミン末端基濃度は40μeq/g以上、又は、より具体的には45μeq/g以上であり得る。アミン末端基含有率を決定するには、場合により加熱しながらポリアミドを適切な溶媒に溶解させ得る。このポリアミド溶液を、適切な指示法を用いて0.01規定の塩酸(HCl)溶液で滴定する。アミン末端基の量は、試料に添加したHCl溶液の容積、ブランクに対して使用したHClの容積、HCl溶液のモル濃度及びポリアミド試料の重量に基づいて計算される。
【0020】
組成物は30〜85重量パーセントの量でポリアミドを含む。この範囲内で、ポリアミドは33重量パーセント以上の量で、又は、より具体的には38重量パーセント以上の量で、又は、さらにより具体的には40重量パーセント以上の量で存在し得る。また、この範囲内で、ポリアミドは60重量パーセント以下、又は、より具体的には55重量パーセント以下、又は、さらにより具体的には50重量パーセント以下の量で存在し得る。重量パーセントは熱可塑性組成物の総重量を基準にしている。
【0021】
本明細書で使用する場合、「相溶化剤」という表現は、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリアミド樹脂、又は両者と相互作用する多官能性化合物を指す。この相互作用は化学的(例えば、グラフト化)及び/又は物理的(例えば、分散相の表面特性に対する影響)であり得る。いずれの場合も、得られる相溶化ポリ(アリーレンエーテル)/ポリアミド組成物は、特に高まった衝撃強さ、金型ニットライン強度及び/又は伸びにより立証されるような改良された相溶性を示すようである。本明細書で使用する場合、「相溶化ポリ(アリーレンエーテル)」又は「相溶化ポリ(アリーレンエーテル)/ポリアミドブレンド」という表現は、上記のような相溶化剤で物理的及び/又は化学的に相溶化されている組成物、並びに米国特許第3379792号に教示されているようにかかる相溶化剤なしに物理的に相溶性である組成物を指す。
【0022】
使用できる様々な相溶化剤の例としては、液体ジエンポリマー、エポキシ化合物、酸化ポリオレフィンワックス、キノン、オルガノシラン化合物、多官能性化合物、官能化ポリ(アリーレンエーテル)及び以上のものを少なくとも1種含む組合せがある。相溶化剤はさらに、米国特許第5132365号及び同第6593411号並びに米国特許出願公開第2003/0166762号に記載されている。
【0023】
一実施形態では、相溶化剤は多官能性化合物からなる。相溶化剤として使用できる多官能性化合物には3種のタイプがある。第1のタイプの多官能性化合物は、分子内に(a)炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合、及び(b)少なくとも1種のカルボン酸、無水物、アミド、エステル、イミド、アミノ、エポキシ、オルトエステル、又はヒドロキシ基を両方とも有するものである。かかる多官能性化合物の例としては、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、アクリル酸グリシジル、イタコン酸、アコニット酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、ジアミンとマレイン酸無水物、マレイン酸、フマル酸、などとから得られる反応生成物、ジクロロマレイン酸無水物、マレイン酸アミド、不飽和ジカルボン酸(例えば、アクリル酸、ブテン酸、メタクリル酸、t−エチルアクリル酸、ペンテン酸)、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、リノール酸、など)、以上の不飽和カルボン酸のエステル、酸アミド若しくは無水物、不飽和アルコール(例えば、アルキルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3−ブテン−1,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール並びに式C2n−5OH、C2n−7OH及びC2n−9OHのアルコール[式中のnは30以下の正の整数である]、以上の不飽和アルコールの−OH基(1以上)をNH基で置換することにより得られる不飽和アミン、官能化ジエンポリマー及びコポリマー、並びに以上のものを1種以上含む組合せがある。一実施形態では、相溶化剤はマレイン酸無水物及び/又はフマル酸からなる。
【0024】
第2のタイプの多官能性相溶化剤は、(a)式(OR)で表される基で、Rが水素又はアルキル、アリール、アシル若しくはカルボニルジオキシ基であるもの、並びに(b)各々が同一でも異なっていてもよくカルボン酸、酸ハロゲン化物、無水物、酸ハロゲン化物無水物、エステル、オルトエステル、アミド、イミド、アミノ、及びこれらの各種塩から選択される少なくとも2個の基の両方を有するとして特徴付けられる。この群の相溶化剤の典型的なものは、次式で表される脂肪族ポリカルボン酸、酸エステル及び酸アミドである。
(RO)R(COORII(CONRIIIIV
式中、Rは2〜20個、又は、より具体的には2〜10個の炭素原子を有する線状又は枝分かれ鎖飽和脂肪族炭化水素であり、Rは水素、又は1〜10個、又は、より具体的には1〜6個、又は、さらにより具体的には1〜4個の炭素原子を有するアルキル、アリール、アシル、若しくはカルボニルジオキシ基であり、各RIIは独立に水素、又は1〜20個、又は、より具体的には1〜10個の炭素原子を有するアルキル若しくはアリール基であり、各RIII及びRIVは独立に水素、又は1〜10個、又は、より具体的には1〜6個、又は、さらにより具体的には1〜4個の炭素原子を有するアルキル若しくはアリール基であり、mは1に等しく、(n+s)は以上、又は、より具体的には2若しくは3に等しく、nとsは各々ゼロ以上であり、(OR)はカルボニル基に対してα又はβであり、少なくとも2個のカルボニル基は2〜6個の炭素原子により隔てられている。明らかに、R、RII、RIII、及びRIVは、それぞれの置換基が6個未満の炭素原子を有する場合アリールであることはできない。
【0025】
適切なポリカルボン酸としては、例えば、例えば無水物及び水和酸のような各種商用形態を含めてクエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸、並びに以上のものを1種以上含む組合せがある。一実施形態では、相溶化剤はクエン酸からなる。本発明で有用なエステルの実例としては、例えば、クエン酸アセチル、クエン酸モノ−及び/又はジステアリル、などがある。本発明で有用な適切なアミドとしては、例えば、N,N’−ジエチルクエン酸アミド、N−フェニルクエン酸アミド、N−ドデシルクエン酸アミド、N,N’−ジドデシルクエン酸アミド、及びN−ドデシルリンゴ酸がある。誘導体としては、アミンとの塩並びにアルカリ及びアルカリ土類金属塩を始めとするそれらの塩がある。適切な塩の代表例としては、リンゴ酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カリウム、及びクエン酸カリウムがある。
【0026】
第3のタイプの多官能性相溶化剤は、分子内に、(a)酸ハロゲン化物基と、(b)少なくとも1種のカルボン酸、無水物、エステル、エポキシ、オルトエステル、又はアミド基とを両方有するとして特徴付けられる。この群に入る相溶化剤の例としては、トリメリト酸無水物酸塩化物、クロロホルミルコハク酸無水物、クロロホルミルコハク酸、クロロホルミルグルタル酸無水物、クロロホルミルグルタル酸、クロロアセチルコハク酸無水物、クロロアセチルコハク酸、トリメリト酸酸塩化物、及びクロロアセチルグルタル酸がある。一実施形態では、相溶化剤はトリメリト酸無水物酸塩化物からなる。
【0027】
以上の相溶化剤は、直接メルトブレンドに添加してもよいし、或いは、ポリ(アリーレンエーテル)及びポリアミドのいずれかと個別に若しくは組み合わせて、又は組成物の製造に使用する他の樹脂状材料と予め反応させてもよい。以上の相溶化剤、特に多官能性化合物の多くで、相溶化剤の少なくとも一部分をメルト中又は適切な溶媒の溶液中でポリ(アリーレンエーテル)の全て又は一部と予め反応させるとさらに著しい相溶性の改良がみられる。かかる前もっての反応により、相溶化剤がポリマーと反応し、その結果ポリ(アリーレンエーテル)が官能化され得ると考えられる。例えば、ポリ(アリーレンエーテル)をマレイン酸無水物と予め反応させて、非官能化ポリフェニレンエーテルと比較してポリアミドとの相溶性が改良された無水物で官能化したポリフェニレンエーテルを形成することができる。
【0028】
組成物の製造の際に相溶化剤を使用する場合、その使用量は選択した特定の相溶化剤及び添加される特定のポリマー系に依存する。
【0029】
本組成物はさらにカーボンブラックを含んでいる。適切なカーボンブラックは、平均粒径が100ナノメートル(nm)未満、又は、具体的には75nm未満、又はより具体的には50nm未満、又はさらにより具体的には約40nm未満のものである。加えて、カーボンブラックはまた、約20平方 メートル/グラム(m/g)より大きい、又は、より具体的には約40m/gより大きい表面積を有し得る。カーボンブラックは175m/g以下、又は、より具体的には165m/g以下、又は、さらにより具体的には155m/g以下の表面積を有し得る。適切なカーボンブラックは、導電率が最小又はゼロである点で導電性カーボンブラックと区別される。市販のカーボンブラックは、各種の商標で、また幾つかの異なる形態で、例えば、乾式処理したペレットとして商標BLACK PEARLS(商標)で、湿式処理したペレットとして商標ELFTEX(商標)、REGAL(商標)、及びCSX(商標)で、並びに綿毛形態で、例えばMONARCH(商標)、ELFTEX(商標)、REGAL(商標)、及びMOGUL(商標)として、いずれもCabot Corporationから販売されている。これらのカーボンブラックは粒径20〜50ナノメートル(nm)、表面積35〜138平方メートル/グラム(m/g)で入手可能である。特定の適切なカーボンブラックの非限定例は、Cabot Corporationからペレット化形態で入手可能なVULCAN(商標)9A32である。一実施形態では、カーボンブラックに加えて導電性カーボンブラックを使用してもよい。カーボンブラックは被処理でも未処理でもよい。
【0030】
カーボンブラックは、組成物中に、組成物の総重量を基準にして約0.001〜約5.0重量パーセントの量で存在する。この範囲内で、約5.0重量パーセント以下、具体的には約3.5重量パーセント以下、より具体的には約1.5重量パーセント以下の量のカーボンブラックを使用することができる。また、この範囲内で、カーボンブラックの量は、約0.005重量パーセント以上、具体的には約0.01重量パーセント以上、又は、より具体的には約0.015重量パーセント以上である。
【0031】
特定の理論に縛られることは望まないが、カーボンブラックは鉱物質充填材を含有するポリマーメルトと冷たい金型表面との間の摩擦力を低減し、従ってスプレーの量を低下させることにより成形品の表面美観を改良する外部潤滑剤として機能すると考えられる。
【0032】
本組成物はさらに、1種以上の鉱物質充填材、並びに場合により非鉱物質低アスペクト比充填材、非鉱物質繊維状充填材、及びポリマー充填材のような非鉱物質充填材を含んでいる。鉱物質充填材の非限定例としては、溶融シリカ、結晶性シリカ、天然珪砂、及び各種シラン被覆シリカのようなシリカ粉末、窒化ホウ素粉末及びケイ酸ホウ素粉末、アルミナ及び酸化マグネシウム(すなわちマグネシア)、表面処理ウォラストナイトを始めとするウォラストナイト、硫酸カルシウム(例えば、二水和物又は三水和物)、チョーク、石灰石、大理石、及び一般に98+%のCaCOを含み残りが炭酸マグネシウム、酸化鉄及びアルミノケイ酸塩のような他の無機物であることが多い粉砕微粒の形態の合成沈降炭酸カルシウムを始めとする炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、繊維状、モジュール状、針状、及びラメラ状タルクを始めとするタルク、硬質、軟質、カ焼カオリン、及び分散及び相溶性を促進することが業界で公知の各種コーティングを含むカオリンを始めとするカオリン、金属化雲母並びにコンパウンディングされたブレンドに良好な物性を付与するためにアミノシラン又はアクリロイルシランコーティングで表面処理した雲母を始めとする雲母、長石及び霞石閃長岩、シリケート球、煙塵、セノスフェア、フィライト、シラン化及び金属化アルミノケイ酸塩を始めとするアルミノケイ酸塩(アーモスフェア)、石英、石英岩、パーライト、トリポリ、ケイ藻土、炭化ケイ素、硫化モリブデン、硫化亜鉛、ケイ酸アルミニウム(ムライト)、合成ケイ酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、バリウムフェライト、硫酸バリウム及び重晶石、微粒又は繊維状アルミニウム、青銅、亜鉛、銅及びニッケル、ガラスフレーク、フレーク状炭化ケイ素、二ホウ化アルミニウム、アルミニウムフレーク、及び鋼フレークのようなフレーク状充填材及び強化材、少なくとも1種のケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び硫酸カルシウム半水和物を含むブレンドから誘導されるもののような処理鉱物質繊維、E、A、C、ECR、R、S、D、及びNEガラスのような織物用ガラス繊維を始めとするガラス繊維、、並びに例えば、Tibbettsらの米国特許第4565684号及び同第5024818号、Arakawaの同第4572813号、Tennentの同第4663230号及び同第5165909号、Komatsuらの同第4816289号、Arakawaらの同第4876078号、Tennentらの同第5589152号、及びNahassらの同第5591382号などに記載のように約3.5〜約500ナノメートルの平均直径を有するものを始めとする気相成長炭素繊維がある。
【0033】
代表的な鉱物質充填材としては、平均粒径5mm以下、アスペクト比3以上の無機充填材がある。かかる鉱物質充填材としては、タルク、カオリナイト、雲母(例えば、絹雲母、白雲母及び金雲母)、クロライト、モンモリロナイト、スメクタイト及びハロイサイトがある。
【0034】
鉱物質充填材は、組成物中に、組成物の総重量を基準にして約5〜約50重量パーセントの量で存在する。この範囲内で、約45重量パーセント以下、又は、より具体的には約40重量パーセント以下、又は、さらにより具体的には約35重量パーセント以下の量の鉱物質充填材を使用することができる。また、この範囲内で、鉱物質充填材の量は殊に約10重量パーセント以上、又は、より具体的には約15重量パーセント以上、又は、さらにより具体的には約20重量パーセント以上である。非鉱物質充填材は組成物の総重量を基準にして約95〜約50重量パーセントの量で使用できる。
【0035】
非鉱物質充填材の非限定例としては、天然繊維、合成強化用繊維、例えばポリエステル繊維、例えばポリエチレンテレフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、などがある。
【0036】
マスターバッチとは一般に、通例コンパウンディング/押出プロセスのような混合プロセスを用いて形成されたペレット化又はビーズ状形態の、担体中に分散した粒子の分散物をいう。担体は通常熱可塑性樹脂であるが、このマスターバッチを使用する最終樹脂と相溶性のワックス又は類似の担体であることもできる。マスターブレンドは一般に、粉末担体中の粒子の分散物をいう。マスターブレンドは通例、標準的な配合装置(例えばブレンダー、ミキサーなど)を用いて粒子を担体と機械的に混合することで得られる。担体としては、限定されることはないが、ポリアミドがあり、その例としてはナイロン6,6、ナイロン6、これらのブレンドなどがある。代表的なカーボンブラックマスターバッチは20%の分散Cabotカーボンブラックと80%のDuPontプライムナイロンからなり、RO7911としてClariant Corporationから入手可能である。代表的な鉱物質充填材マスターバッチはタルクとナイロン6からなる。
【0037】
組成物はさらに耐衝撃性改良剤を含んでいてもよく、これには室温で弾性体である天然及び合成ポリマー物質がある。耐衝撃性改良剤は、アルケニル芳香族繰返し単位を含有するブロックコポリマー、例えば、通例スチレンブロックである1以上のアルケニル芳香族ブロックA(アルケニル芳香族繰返し単位を有するブロック)と、通例イソプレン又はブタジエンブロックであるゴムブロックBとを有するA−Bジブロックコポリマー及びA−B−Aトリブロックコポリマーであることができる。ブタジエンブロックは部分的に又は完全に水添したものでもよい。これらのジブロック及びトリブロックコポリマーの混合物、並びに非水添コポリマー、部分水添コポリマー、完全水添コポリマー及び以上のもの2種以上の組合せの混合物も使用できる。
【0038】
A−B及びA−B−Aコポリマーとしては、限定されることはないが、ポリスチレン−ポリブタジエン、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)、ポリスチレン−ポリイソプレン、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン及びポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン−スチレン)−ポリスチレン、などがある。上記ブロックコポリマーの混合物も有用である。かかるA−B及びA−B−Aブロックコポリマーは、Phillips Petroleumから商標SOLPRENEで、Kraton Polymersから商標KRATONで、Dexcoから商標VECTORで、旭化成(株)から商標TUFTECで、Total Petrochemicalsから商標FINAPRENE及びFINACLEARで、並びに(株)クラレから商標SEPTONでといったように多くの供給元から商業的に入手可能である。
【0039】
一実施形態では、耐衝撃性改良剤は、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)又は以上のものの組合せからなる。
【0040】
もう1つ別のタイプの耐衝撃性改良剤は、アルケニル芳香族繰返し単位を本質的に含まず、カルボン酸、無水物、エポキシ、オキサゾリン、及びオルトエステルからなる群から選択される1種以上の部分を含む。本質的に含まないとは、ブロックコポリマーの総重量を基準にして5重量パーセント未満、又は、より具体的には3重量パーセント未満、又は、さらにより具体的には2重量パーセント未満の量で存在するアルケニル芳香族単位を有するとして定義される。耐衝撃性改良剤がカルボン酸部分を含む場合、このカルボン酸部分は亜鉛やナトリウムのような金属イオンなどのイオンで中和されていてもよい。また、アルキレン−アルキル(メタ)アクリレートコポリマーであつてもよく、このアルキレン基は2〜6個の炭素原子を有し得、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基は1〜8個の炭素原子を有し得る。このタイプのポリマーは、オレフィン、例えばエチレン及びプロピレンを、各種(メタ)アクリレートモノマー及び/又は各種マレイン酸系モノマーと共重合することによって製造することができる。用語(メタ)アクリレートは、アクリレート並びに対応するメタクリレート類似体の両者をいう。用語(メタ)アクリレートモノマーには、アルキル(メタ)アクリレートモノマー並びに少なくとも1個の上記反応性部分を含有する各種(メタ)アクリレートモノマーが含まれる。
【0041】
一実施形態では、コポリマーは、アルキレン成分としてのエチレン、プロピレン、又はエチレンとプロピレンの混合物、アルキル(メタ)アクリレートモノマー成分としてのアクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、又はアクリル酸プロピル並びに対応するアルキル(メチル)アクリレートと、追加の反応性部分(すなわち、カルボン酸、無水物、エポキシ)を提供するモノマーとしてのアクリル酸、マレイン酸無水物、メタクリル酸グリシジル又はこれらの組合せとから誘導される。
【0042】
代表的な第1の耐衝撃性改良剤は、ELVALOY PTW、SURLYN、及びFUSABOND(いずれもDuPontから入手可能)を始めとして様々な供給元から市販されている。
【0043】
上記耐衝撃性改良剤は単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0044】
組成物は、耐衝撃性改良剤又は耐衝撃性改良剤の組合せを1〜15重量パーセントの量で含み得る。この範囲内で、耐衝撃性改良剤は1.5重量パーセント以上の量で、又は、より具体的には2重量パーセント以上の量で、又は、さらにより具体的には4重量パーセント以上の量で存在し得る。また、この範囲内で、耐衝撃性改良剤は13重量パーセント以下、又は、より具体的には12重量パーセント以下、又は、さらにより具体的には10重量パーセント以下の量で存在し得る。重量パーセントは熱可塑性組成物の総重量を基準にしている。
【0045】
熱可塑性組成物は、さらに、レオロジー改変剤、緩衝剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、黄変防止剤、顔料、染料、などのような他の添加剤を含んでいてもよい。本発明において、適当な添加剤及びその量の決定は当業者の技量の範囲内であることに注意されたい。
【0046】
一実施形態では、ポリ(アリーレンエーテル)、任意の耐衝撃性改良剤、及び相溶化剤からなるプリミックスを製造する。次に、このプリミックスを、二軸式押出機の喉部(供給口)に供給する。或いは、ポリ(アリーレンエーテル)、任意の耐衝撃性改良剤及び相溶化剤を、ブレンドしてプリミックスを形成することなく供給口(喉部)に添加することができる。
【0047】
カーボンブラックマスターバッチ、タルクマスターバッチ、及びポリアミドは、単独で又は2種以上を組み合わせて、供給口の下流の1以上の導入口を介して押出機に供給する。別の実施形態では、カーボンブラックマスターバッチ、タルクマスターバッチ、及びポリアミドをブレンドしてプリミックスを形成した後下流の導入口に添加してもよい。押出物を水浴でクエンチし、切断してペレットを形成することができ、或いは直接適切な形態に成形するか又は押し出す。押出物を切断したときに製造されるペレットは長さ0.65センチメートル以下であり得る。
【0048】
別個の押出機を加工処理に使用してもよいが、様々な成分の添加を受け入れる多数の供給口をその長さに沿って有する単一の押出機で製造するとプロセスが単純化される。押出機の1以上のベント口を介してメルトを真空にして組成物中の揮発性不純物を除去すると有利なことが多い。組成物の製造は、通常、密なブレンドが形成される条件下で成分をブレンドすることによって達成される。
【0049】
驚くべきことに、ポリ(アリーレンエーテル)、相溶化剤、及び他の添加剤を押出機の供給口に添加し、カーボンブラックマスターバッチ、タルクマスターバッチ、及びポリアミドを押出機の下流の導入口に添加すると、組成物の連続ポリアミド相に分散したポリ(アリーレンエーテル)相の小さい比較的一様な粒径を生成するという効果があることが判明した。一実施形態では、95%以上、又は、より具体的には97%以上、又は、さらにより具体的には99%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.5平方マイクロメートル以下の断面積を有する。一実施形態では、95%以上、又はより具体的には97%以上、又はさらにより具体的には99%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.0平方マイクロメートル以下の断面積を有する。別の実施形態では、95%以上、又はより具体的には97%以上、又はさらにより具体的には99%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が1.5平方マイクロメートル以下の断面積を有する。また、最大断面積は4.5平方マイクロメートル以下、又は、より具体的には4.0平方マイクロメートル以下、又は、さらにより具体的には3.5平方マイクロメートル以下であり得る。
【0050】
一実施形態では、ポリ(アリーレンエーテル)粒子は3.2マイクロメートル以下、又は、より具体的には3.0マイクロメートル以下、又は、さらにより具体的には2.8マイクロメートル以下の最大粒径を有する。一実施形態では、95%以上、又は、より具体的には97%以上、又は、さらにより具体的には99%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が1.8マイクロメートル以下の粒径を有する。別の実施形態では、95%以上、又は、より具体的には97%以上、又は、さらにより具体的には99%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が1.6マイクロメートル以下の粒径を有する。一実施形態では、95%以上、又は、より具体的には97%以上、又は、さらにより具体的には99%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が1.4マイクロメートル以下の粒径を有する。本発明で、粒径は、粒子の断面における最長の直線寸法と定義される。
【0051】
特定の断面積未満の面積及び最大粒径を有する粒子の量に関する決定は、以下に記載するように100個以上の粒子の測定を基準にする。
【0052】
また、当業者には了解されることであるが、本明細書に開示されているように、ポリ(アリーレンエーテル)の分散領域も実質的に規則的な形状であり、分散相の実質的な相互接続を伴うことなく連続マトリックス内に滑らかな離散した境界を形成している。さらに、当業者には理解されるように、一実施形態では、分散領域は熱可塑性組成物の押出方向と一致する長軸を有し得る。この実施形態の押出品の流れ方向と直交する断面は実質的に円形形状であり得、一方押出品の流れ方向に沿った断面は細長いようである。
【0053】
粒子面積は走査型電子顕微鏡で決定することができる。組成物を溶融温度305℃、金型温度120℃でASTM引張バーに射出成形する。試料を、射出ゲートとバーの末端との間のバーのほぼ中央で、金型内の組成物の流れ方向に対して直交して切断する。#23の外科用メスの刃を用いて、試料の切断末端をピラミッド形状にする。この際、充分な材料を除いて試料の芯を露出させる。次に、その形状の試料をLeica−Reichert Ultra−cut Sマイクロトームのチャックに取り付け、Microstar Ultra Cutダイヤモンドナイフを用いて室温で切断してイメージング用の平らなマイクロトーム表面を生成した。
【0054】
ポリ(アリーレンエーテル)はトルエンのような低極性有機溶媒に可溶性であり、従って不溶性の試料マトリックスから抽出して連続相と分散相との間のコントラストを高めることができる。そこで、試料を、Bransonモデル2200超音波洗浄器で音波処理をする間ピンセットを用いてトルエンの4オンス瓶中に15秒間入れてポリ(アリーレンエーテル)を除去した。試料をトルエンから取り出し、微粒子の少ない空気流れの下で乾燥して残っているトルエンをマイクロトーム表面から蒸発させた。自己粘着性の接着タブを用いて試料をアルミニウムSEMスタブに取り付け、試料のベースと側面を導電性炭素接着剤で塗装する。この取り付けた試料にPelcoモデル3スパッタコーター91000を用いて金を50秒スパッタコートして、SEMコントラスト及び電荷消散に充分な量の表面金を付ける。この試料を15キロボルト(kV)のAmray 1830I走査型電子顕微鏡にかけ、Semi−capsデジタル記録ソフトウェアを用いて300、500、1k、2k及び5k倍の倍率で画像を撮影する。比較のため、全てのSEM画像に対して単一の倍率を使用する。本発明で測定したサイズ範囲の粒子に対して特定の有用な倍率は2k倍である。
【0055】
ここで、図に示す記録されたSEM画像を参照すると、最も暗い領域又はデクリビティー(declivity)(例えば、図1の「A」、図2の「B」、及び図3の「C」)は、ポリ(フェニレンエーテル)粒子の抽出後に残っている空隙に対応しており、従ってポリ(アリーレンエーテル)の粒径に対応する。画像はスケールバーに関して校正されており、ポリ(アリーレンエーテル)粒子はコントラストを強調することによりさらに際立って輪郭が描写されている。次いで、Clemex Vision PEのような適当な画像分析ソフトウェアを用いて粒径分布を分析して粒子面積と粒径を決定する。
【0056】
上記熱可塑性組成物は、フィルム及びシート押出、射出成形、ガス支援射出成形、押出成形、圧縮成形及びブロー成形のような一般的な熱可塑性プロセスを用いて物品に変換することができる。フィルム及びシート押出プロセスとしては溶融キャスティング、ブローンフィルム押出及びカレンダー加工を挙げることができるが、限定されることはない。共押出及び積層プロセスを使用して複合多層フィルム又はシートを形成することができる。さらに、単層又は多層基材に単一又は多数の層のコーティングを施して、引っ掻き耐性、紫外光耐性、美的アピール、などのような追加の性質を付与することができる。コーティングはロール加工、噴霧、浸漬、ブラシ掛け、又は流し塗りのような標準施工技術によって設けることができる。また、本発明のフィルム及びシートは、適切な溶媒中の組成物の溶液又は懸濁液を基材、ベルト又はロール上にキャスティングした後溶媒を除去することによって製造してもよい。
【0057】
配向フィルムは、ブローンフィルム押出によって、又は慣用の延伸技術を用いてキャスト又はカレンダーフィルムを熱変形温度の付近で延伸することによって製造することができる。例えば、ラジアル延伸パンタグラフを使用して多軸同時延伸することができ、また、x−y方向延伸パンタグラフを使用して平面x−y方向に同時又は逐次延伸することができる。流れ方向に延伸するための差動スピードロールのセクションと、横断方向に延伸するためのテンターフレームセクションとを備えた機械のような逐次一軸延伸セクションを有する装置を用いて一軸及び二軸延伸を達成することもできる。
【0058】
組成物は、第1の面と第2の面を有し、熱可塑性ポリマーからなる第1のシートと、第1の面と第2の面を有し、熱可塑性ポリマーからなる第2のシートとを含み、第1のシートの第1の面が複数のリブの第1の面上に配置され、第2のシートの第1の面が複数のリブの第2の面上に配置され、複数のリブの第1の面が複数のリブの第2の面と対向している多層シートに変換することができる。
【0059】
上記フィルム及びシートは、さらに、限定されることはないが熱成形、真空成形、加圧成形、射出成形及び圧縮成形を始めとする成形プロセスによって熱可塑的に加工処理して造形品にすることができる。また、多層造形品は、以下に記載するように、熱可塑性樹脂を単層又は多層フィルム又はシート基材上に射出成形することによって形成することもできる。
1.場合により、例えばスクリーン印刷又はトランスファー染料を用いて付けた1以上の色を表面に有する単層又は多層の熱可塑性基材を準備する。
2.基材を三次元形状に成形及びトリミングし、その基材を、その基材の三次元形状に合致する表面を有する金型中に嵌め込むなどにより、基材を金型形状に一致させる。
3.金型キャビティー内の基材の後ろに熱可塑性樹脂を射出して、(i)一体型の永久に結合した三次元製品を製造し、又は(ii)パターン又は美的効果をプリント基材から射出樹脂に転写し、そのプリント基材を取り出し、こうして美的効果を成形樹脂に付与する。
【0060】
当業者には了解されるように、上記物品にさらに、限定されることはないがヒートセット、テクスチャー化、エンボス加工、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理及び真空蒸着を始めとする一般的な硬化及び表面改変プロセスを適用して表面外観を変更し、また追加の機能を物品に付与することができる。
【0061】
従って、もう1つ別の実施形態は、上記組成物から製造される物品、シート及びフィルムに関する。
【実施例】
【0062】
以下の非限定例により、本明細書に記載した様々な実施形態をさらに例証する。
【0063】
組成物
以下の各実施例で調製した組成物には、以下の表1に示す成分と割合を使用した。
【0064】
【表1】

加工処理条件
全ての実施例は、スクリュースピード350回転/分で作動する30ミリメートルのWerner and Pfleider二軸式押出機を用いて、供給速度22.7キログラム/時、最大温度290℃で溶融混合することにより調製した。押出機の加工処理条件並びにバレルの配置及び温度ゾーンに関する追加の情報を表2に示す。
【0065】
【表2】

比較例1
成分1〜10は、30ミリメートルWerner and Pfleider二軸式押出機の喉部供給口に添加し、表2に記載の条件に従って溶融混合した。得られた熱可塑性組成物を押し出し、ほぼ1/4”の長さのペレットに切断し、このペレットを射出成形することによりバーを形成し、ノッチ付アイゾット衝撃強さを試験した。
【0066】
比較例2
成分1〜9は、30ミリメートルWerner and Pfleider二軸式押出機の喉部供給口に添加した。成分10(タルクマスターバッチ)は、押出機の下流の導入口に添加し、全体を表2に記載の条件に従って溶融混合した。得られた熱可塑性組成物を押し出し、ほぼ1/4”の長さのペレットに切断し、このペレットを射出成形することによりバーを形成し、ノッチ付アイゾット衝撃強さを試験した。
【0067】
実施例1
成分1〜7は30ミリメートルWerner and Pfleider二軸式押出機の喉部供給口に添加した。成分8(ポリアミド)、9(カーボンブラックマスターバッチ)及び10(タルクマスターバッチ)を押出機の下流の導入口に添加し、全体を表2に記載の条件に従って溶融混合した。得られた熱可塑性組成物を押し出し、ほぼ1/4”の長さのペレットに切断し、このペレットを射出成形することによりバーを形成し、ノッチ付アイゾット衝撃強さを試験した。
【0068】
全ての試験試料はISO試験片であり、Van Dorn 85Tプレスにより成形した。メルト温度298℃、金型温度88℃。材料を、成形前に230°Fの温度で4時間乾燥した。ノッチ付アイゾット衝撃強さは、ASTM D256に従って23℃及び−30℃で評価した。ダイナタップ試験はダイナタップ 8250を用いてASTM D3763に従って23℃及び−30℃で行い、結果はジュール(J)の単位で示す。引張降伏強度(TYS)はMTS 5/Gを用いてISO 527に従って測定した。引張伸び(TE)はISO 527に従って測定した。Vicat B120測定値は、ISO 306規格を用いて決定した。メルトボリュームレートは、300℃、荷重5キログラム(kg)で行ったメルトボリュームレート試験ISO 1133を用いて決定した。ポリフェニレンエーテルの粒径の評価は、トルエンを用いて射出成形アイゾットバーの断面からポリフェニレンエーテルを抽出することにより行った。得られる空隙により定義されるPPE粒径は、ソフトウェア(Clemex Vision)を用いて、図1〜3のSEM画像(比較目的のために各々2k倍の倍率)でPPE/PA組成物のキャビティーを計数し計算することによって測定した。
【0069】
表3に、表1の成分と割合を用いて比較例1及び2、並びに実施例1に従って異なる供給量を用いて調製した19%タルク充填材入りPPE/PA組成物の物理的性質及び流動性をまとめて示す。Vicat B120の測定値は℃で示す。アイゾット(ノッチ付き及びノッチなし)試験の値はキロジュール/平方メートルで示す。ダイナタップ値はジュールで示す。引張降伏強度(TYS)はメガパスカルで示す。引張伸び(TE)はパーセントで示す。メルトボリュームレートは立方センチメートル/10分で示す。
【0070】
【表3】

実施例1の物理的性質は、殆ど全ての範疇で比較例1及び2の物理的性質より改良されている。比較例1及び2と比べて実施例1におけるノッチ付きアイゾット試験の23℃と−30℃の両方での増大は、ポリアミド、カーボンブラックマスターバッチ、及びタルクマスターバッチをポリ(アリーレンエーテル)の下流で添加する押出機を用いた組成物の引張強度の驚くべき増大を立証している。
【0071】
表4に、比較例1及び2、並びに実施例1に従って異なる供給量で製造された上記19%タルク充填材入りPPE/PA組成物の最大ポリ(アリーレンエーテル)粒径をまとめて示す。同様に、表5に、比較例2と実施例1で形成された上記組成物の最大断面積をまとめて示す。表4と5のデータの組で、比較例1と2と比べて実施例1で各形態学的測定による粒径の大幅な低下が見られる。
【0072】
【表4】

【0073】
【表5】

ここで、図面を参照すると、図1は、全ての成分を押出機の喉部供給口にのみ供給して調製した第1の比較例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の2k倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。この例においてポリフェニレンエーテルの抽出後に残った空隙(図1中の「A」は空隙の一例を示す)は、形状が不規則であり、PPE分散相の最大粒径は表4のデータから分かるように12マイクロメートルである。この比較例では最大断面積を得ることはできなかった(上記脚注参照)。
【0074】
図2は、タルクマスターバッチを除く全ての成分を押出機の喉部供給口に供給し、タルクマスターバッチを下流の導入口に供給することにより調製された比較例2の分散ポリ(アリーレンエーテル)相の2k倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像である。この比較例におけるポリ(アリーレンエーテル)の抽出後得られた空隙(図2中の「B」は空隙の一例を示す)から測定された最大ポリ(アリーレンエーテル)粒径は表4のデータから分かるように3.4マイクロメートル(μm)であり、最大断面積は表5のデータに見られるように9.1平方マイクロメートル(μm)である。少なくとも粒径は図1と比較して実質的に低減しており、比較例2の組成物は表3中の比較例1で見られるように2.1kJ/mに対して3.8kJ/mというより高い23℃のノッチ付アイゾット衝撃強さを示している。
【0075】
図3は、ポリアミド、タルクマスターバッチ及びカーボンブラックマスターバッチを押出機の下流の導入口に供給し、残りの成分を押出機の喉部供給口に供給することにより調製した実施例1における分散ポリ(フェニレンエーテル)相の2k倍の倍率の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。この実施例で測定された最大粒径は表4のデータで見られるように2.1マイクロメートル(μm)と比較例よりさらに低減しており、また粒子の最大断面積は表5のデータに見られるように3.5平方マイクロメートル(μm)である。実施例1の組成物は、表3のデータで見られるように比較例1の2.1kJ/mに対して5kJ/mという高い23℃でのノッチ付アイゾット衝撃強さを示している。
【0076】
図4は比較例2の粒径分布を示し、図5は実施例1の粒径分布を示す。データに見られるように、ポリ(アリーレンエーテル)粒子の全体分布は、1.2マイクロメートル未満の大きさを有する粒子が97.6%より多い実施例1と比べて、1.2マイクロメートル未満の粒径を有する粒子が88.3%より多い比較例1の方が広い。
【0077】
同様に、図6は比較例2の粒子断面積分布を示し、図7は実施例1の粒子断面積分布を示す。データに見られるように、例えば、ポリ(アリーレンエーテル)粒子断面積の全体分布は、92.2%より多くの粒子が1.5μm未満の粒子断面積を有する比較例1の方が、99.1%より多くの粒子が1.5μm未満の断面積を有する実施例1より広い。
【0078】
様々な実施形態に関連して本発明を説明して来たが、当業者には理解されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更をなすことができ、また等価物をその要素と置き換えることができる。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるべく多くの修正を施すことができる。従って、本発明は、本発明を実施する上で考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に入る全ての実施形態を包含するものである。
【0079】
引用した特許は全て援用により本明細書の内容の一部をなす。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、第1の比較例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。
【図2】図2は、第2の比較例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。
【図3】図3は、第1の実施例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を示す。
【図4】図4は、比較例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の粒径分布を示す。
【図5】図5は、第1の実施例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の粒径分布を示す。
【図6】図6は、比較例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の断面積分布を示す。
【図7】図7は、第1の実施例における分散ポリ(アリーレンエーテル)相の断面積分布を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリ(アリーレンエーテル)及びポリアミドの相溶化ブレンド、
カーボンブラック、並びに
鉱物質充填材
を含んでなり、ポリ(アリーレンエーテル)が粒子としてポリアミドマトリックス中に分散しており、95%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.5平方マイクロメートル以下の断面積を有している、組成物。
【請求項2】
95%以上の粒子が2.0平方マイクロメートル以下の断面積を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
95%以上の粒子が1.5平方マイクロメートル以下の断面積を有する、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
組成物がさらに耐衝撃性改良剤を含んでいる、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
カーボンブラックの量が組成物の0.001〜5wt%である、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
鉱物質充填材がタルクからなる、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
ポリ(アリーレンエーテル)及びポリアミドの相溶化ブレンド、
カーボンブラック、並びに
鉱物質充填材
を含んでなり、ポリ(アリーレンエーテル)が粒子としてポリアミドマトリックス中に分散しており、その粒子が3.2マイクロメートル以下の最大粒径を有している、組成物。
【請求項8】
最大粒径が3.0マイクロメートル以下である、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
最大粒径が2.8マイクロメートル以下である、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
組成物がさらに耐衝撃性改良剤を含んでいる、請求項7記載の組成物。
【請求項11】
カーボンブラックの量が組成物の0.001〜5wt%である、請求項7記載の組成物。
【請求項12】
鉱物質充填材がタルクである、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
ポリ(アリーレンエーテル)及びポリアミドの相溶化ブレンド、
カーボンブラック、並びに
鉱物質充填材
を含んでなり、ポリ(アリーレンエーテル)が粒子としてポリアミドマトリックス中に分散しており、95%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.5平方マイクロメートル以下の断面積を有しており、粒子が3.2マイクロメートル以下の最大粒径を有している、組成物。
【請求項14】
組成物がさらに耐衝撃性改良剤を含んでいる、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
カーボンブラックの量が組成物の0.001〜5wt%である、請求項13記載の組成物。
【請求項16】
鉱物質充填材がタルクからなる、請求項13記載の組成物。
【請求項17】
95%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.0平方マイクロメートル以下の断面積を有しており、粒子が3.0マイクロメートル以下の最大粒径を有している、請求項13記載の組成物。
【請求項18】
相溶化ポリ(アリーレンエーテル)を押出機の供給口に添加し、
供給口の下流でポリアミドを添加し、
ポリアミド及びカーボンブラックを含んでなる第1のマスターバッチを供給口の下流で添加し、
ポリアミド及び鉱物質充填材を含んでなる第2のマスターバッチを供給口の下流で添加する
ことを含んでなる、熱可塑性組成物の製造方法。
【請求項19】
熱可塑性組成物がポリ(アリーレンエーテル)の粒子を含んでおり、95%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.5平方マイクロメートル以下の断面積を有しており、粒子が3.2マイクロメートル以下の最大粒径を有している、請求項18記載の方法。
【請求項20】
ポリ(アリーレンエーテル)、相溶化剤、及び耐衝撃性改良剤を含んでなる混合物を押出機の供給口に添加し、
ポリアミド及びカーボンブラックを含んでなる第1のマスターバッチを供給口の下流で押出機に添加し、
ポリアミド及びタルクを含んでなる第2のマスターバッチを供給口の下流で押出機に添加する
ことを含んでなり、熱可塑性組成物がポリ(アリーレンエーテル)の粒子を含んでおり、95%以上のポリ(アリーレンエーテル)粒子が2.0平方マイクロメートル以下の断面積を有しており、粒子が3.0マイクロメートル以下の最大粒径を有している、熱可塑性組成物の製造方法。

【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−525576(P2008−525576A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548227(P2007−548227)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/041360
【国際公開番号】WO2006/071382
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【復代理人】
【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫
【復代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
【復代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
【復代理人】
【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男
【復代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
【復代理人】
【識別番号】100075236
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 忠彦
【復代理人】
【識別番号】100094008
【弁理士】
【氏名又は名称】沖本 一暁
【復代理人】
【識別番号】100147577
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏志
【復代理人】
【識別番号】100153187
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 由美子
【Fターム(参考)】