充填用バルブユニットの不良部位検出用器具、およびこれを用いた充填用バルブユニットの不良部位検出方法
【課題】 不良として判断された充填用バルブユニットの不良部位を特定し、この不良部位のみを交換することで、充填装置の稼動停止時間を大幅に短縮し、交換部品コストを低く抑えることができる不良部位検出用器具を提供する。
【解決手段】 充填用バルブユニット(1)内に用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる不良部位検出用器具(200)であって、不良部位検出用器具は、内部空間を形成するように胴部(211)および開口部(212)を備える容器状本体(210)と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部に直接または間接に取り付けられた圧力測定手段とを有し、容器状本体の開口部は、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部(40)と当接して密封シールができるようになっており、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定して弁部の不良部位を検出することができるよう構成される。
【解決手段】 充填用バルブユニット(1)内に用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる不良部位検出用器具(200)であって、不良部位検出用器具は、内部空間を形成するように胴部(211)および開口部(212)を備える容器状本体(210)と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部に直接または間接に取り付けられた圧力測定手段とを有し、容器状本体の開口部は、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部(40)と当接して密封シールができるようになっており、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定して弁部の不良部位を検出することができるよう構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
容器内へ飲料を充填するフィリング操作において、飲料充填用のユニット装置として使用される充填用バルブユニットの不良部位を検出するための検出用器具、およびこれを用いた検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールなどの飲料製造工程においては、製品とするための容器内(特に、缶容器、壜、ペット容器、樽など)に飲料を充填するための充填装置が設置されている。
【0003】
充填装置としては、一般にロータリー充填装置が用いられることが多く、回転駆動される水平回転部材の水平円周上には、等ピッチに配置された複数の充填用バルブユニットが取り付けられている。
【0004】
そして、ロータリー充填装置の回動とともに容器内への飲料の充填操作が行なわれ、充填終了後には、例えば、缶容器であれば、缶蓋の取り付け操作、缶蓋の捲き締め等の操作が行われるようになっている。
【0005】
ところで、充填用バルブユニットには、(1)エアー動作機器類を備えるタイプのもの、例えば、ビールなどの飲料を充填する際に充填ヘッド部を容器口に当接させるための容器口シール開閉用エアーシリンダーと、飲料が容器内に流入して飲料が充填できるようにするための液弁開閉用のエアーシリンダーを備えるタイプのものと、(2)これらエアーシリンダー等のエアー動作機器類を全く備えておらず、それらの動作を全てカム機構で行なうタイプのものとが存在する。
【0006】
本願発明は上記両者の充填用バルブユニットを対象としているが、主としては前者のものであり、このものは、エアー動作機器類を備えるとともに、いわゆるフラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができる構造を有している。そして、各操作に対応できるようにエアー駆動の弁装置や弁部を備えている。
【0007】
一般に、容器内に一定量の飲料を充填するためにビールなどの飲料製造工程で用いられる充填装置においては、製造中に充填用バルブユニット等の経年劣化により充填量の不良が発生することがある。このような充填量の不良の容器は、充填装置の下流側に設置されている検出機等により、充填不良容器として判断され完全に排除される。
【0008】
充填用バルブユニットの不良や故障に起因して充填不良が発生した場合には、ビールなどの飲料製造ラインの装置を停止して、不良の発生原因となった充填用バルブユニットを特定してこのものを良品のものと交換する必要がある。
【0009】
充填用バルブユニット等のフィリングバルブの不良を検出する従来技術として、下記の特許文献1〜4等が挙げられる。
【0010】
【特許文献1】特開2001−171793号公報
【特許文献2】特開2004−017971号公報
【特許文献3】特開2002−362519号公報
【特許文献4】特開平09−002586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記提案の従来の技術では、フィリングバルブ(充填用バルブユニット)の不良を検出して、不良バルブを特定することはある程度可能であるといえるが、不良バルブのどの部位が不良となっているのかまでは特定することができない。そのため、不良部位のみ(例えば、バルブパーツのみ)を交換することはできず、不良と判断されたフィリングバルブ(充填用バルブユニット)をまるごと交換する必要がある。
【0012】
充填用バルブユニットの交換作業は、例えば、以下の要領で行なわれる。すなわち、飲料をビールとして説明すると、(1)まず最初に、製造運転中の充填装置に配置されていた複数の充填用バルブユニットの中から不良の充填用バルブユニットを特定する。(2)充填装置に蓄えられたビールと配管中のビールを空にする。(3)該当する不良充填用バルブユニットを良品と交換する。(4)充填用バルブユニットを含む充填装置及びビール配管等の充填に係る全設備を洗浄する工程を実施する。(5)洗浄工程が完了すると充填装置にビールを蓄える。(6)充填装置にビールが蓄えられるとビール充填作業が開始される。
【0013】
このように不良と判断されたフィリングバルブ(充填用バルブユニット)をまるごと交換する場合には、交換後に充填装置の洗浄も必要となり、稼動停止しなければならない時間が極めて長い時間となる。交換部品のコストもかさむことになる。
【0014】
また、実製品として使用される缶にエアチューブを介して圧力ゲージを付けて缶内圧を見るツールである「ゲージ缶」と呼ばれているものが存在する。これは元々は、実製品として使用される缶に手で触れることにより、加圧時の缶の膨張等を手の感触により感知していた方法を可視化したものである。しかしながら、このものでは缶胴部の肉厚が薄いためにシール性が悪く、エアチューブの接続口から内部の気体が漏れることがあり、耐久性も悪く、加圧力の高い状態ではリーク検査用のツールとして実用上、長期間安定的に使用することができなかった。
【0015】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は上記の問題点を解決し、不良として判断されたフィリングバルブ(充填用バルブユニット)の不良部位を特定し、この不良部位のパーツのみを交換することで、充填装置の稼動停止時間を大幅に短縮し、交換部品コストを低く抑えることができるとともに、検出の信頼性および安定性の高いフィリングバルブ(充填用バルブユニット)の不良部位検出用器具、およびこれを用いた検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような課題を解決するために本発明は、充填用バルブユニット内に用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる不良部位検出用器具であって、該不良部位検出用器具は、内部空間を形成するように胴部および開口部を備える容器状本体と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部に直接または間接に取り付けられた圧力測定手段とを有し、前記容器状本体の開口部は、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部と当接して密封シールができるようになっており、前記容器状本体の胴部の肉厚は少なくとも3mm以上であり、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定して弁部の不良部位を検出することができるように構成される。
【0017】
また、本発明の好ましい態様として、前記圧力測定手段は、(1)表示部位と測定部位が一体化されたもの、(2)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間が配線で接続されてなるもの、(3)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間がワイヤレス信号で接続されてなるもの、または(4)容器状本体からエア配管で延長された端部に形成されているもの、として構成される。
【0018】
また、本発明の不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、ダイヤフラム弁であるカウンター弁、フラッシングリターン弁、スニフト弁を有するエアーオペレーションバルブユニットを備えるとともに、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができる構造であり、前記フラッシング操作は、カウンターラインから容器内に置換用ガスを流入させて容器内を置換用ガスで置換させるとともに、容器内に貯留していた初期貯留ガスをフラッシングリターンラインから排出してなる操作であり、前記カウンター操作は、置換ガスで置換された容器内圧力とカウンターラインからの圧力を同圧とするまでの操作であり、前記飲料充填操作は、主液ラインから飲料を充填させるとともに、容器内に充填していた置換用ガスを飲料と置換するとともにカウンターラインからフィラーチャンバーに戻す操作であり、前記スニフト操作は、容器ヘッドスペースに残存する置換用ガスの一部をスニフトラインから排出させて容器ヘッドスペース圧力を大気圧と同圧にする操作であるように構成される。
【0019】
また、本発明の不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、飲料充填操作に用いられる少なくとも1つの動作機器を備え、該動作機器は、飲料を充填する際に充填ヘッド部を容器口に当接させるための容器口シール開閉用昇降装置と、飲料が容器内に流入して飲料が充填できるようにするための液弁開閉用の昇降装置の少なくとも1つを有して構成される。
【0020】
また、本発明の不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、バルブ筐体と、このバルブ筐体の内部の軸方向に沿って装着されるバルブ軸体とを備え、前記バルブ筐体の内周面には弁座が形成され、前記バルブ軸体の外周部には弁体部が形成され、前記バルブ軸体は、前記液弁開閉用昇降装置により軸方向に上下動可能な機構を有していることにより、充填用バルブユニットの充填バルブ軸体を任意に可動させて弁座と弁体部の離接による弁の開閉ができるようになっているように構成される。
【0021】
本発明は、上記充填用バルブユニットの不良部位検出用器具を用いた充填用バルブユニットの不良部位検出方法であって、該検出方法は、不良部位検出用器具の容器状本体の開口部と、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部とを当接させて密封シールさせた後、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定し、所望の圧力値が得られるか否かの判断によって弁部の不良部位を検出してなるように構成される。
【0022】
本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出方法の好ましい態様として、飲料充填操作ができない状態で、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「開」、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「閉」、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「閉」の状態とし、カウンターラインから不良部位検出用器具に置換用ガスを流入させた状態で器具内の圧力を測定する第1の測定工程と、前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第2の測定工程と、前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第3の測定工程と、を有し構成される。
【0023】
なお、本発明の創案に至るまでには以下に述べるような充填用バルブユニットの不良部位を調査した結果が内在している。すなわち、本発明に係る発明者らが、交換した不良の充填用バルブユニットを調査した結果、不良発生部位の大半は、ダイヤフラムシート(ダイヤフラム弁)である。従って、充填不良がダイヤフラムシートに起因するか否かの判断ができて、充填不良がダイヤフラムシートに起因することが確認できれば十分な判定といえる。この判断が可能となることにより、かなりの高い確率で生じるダイヤフラム弁のみの交換であれば充填装置の洗浄が不要となり稼動停止時間を短縮でき、部品コストを低く押さえることができるのである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具は簡易な構造からなり、取り扱いが極めて簡単であり、しかも充填装置の作動状態を利用して、充填不良がダイヤフラム弁に起因するか否かの判断が迅速かつ確実に行える。ダイヤフラム弁のみの交換であれば充填装置の洗浄が不要となり稼動停止時間を短縮でき、さらには部品コストを低く押さえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具、およびこれを用いた不良部位の検出方法の実施形態について、「ビール等飲料」の充填工程を例にとって詳細に説明する。
【0026】
「ビール等飲料」の充填に際して用いられるロータリー充填装置は、すでにビール等飲料の製造工程等における充填装置としてすでに周知となっており、回転駆動される水平回転部材の水平円周上に、等ピッチに配置された複数の充填用バルブユニットを備える構造を有している。そして、ロータリー充填装置の回動とともに複数の充填用バルブユニットを介して容器内への飲料の充填操作が行なわれるようになっている。
【0027】
(本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具の説明)
本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具は、充填用バルブユニットと組み合わせた状態で検査に供し、充填用バルブユニットに用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる。
【0028】
図10に示されるように、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具200(以下、単に「不良部位検出用器具200」と称す)は、飲料の収納部である内部空間Pを形成するように構成された胴部211および開口部212を備える容器状本体210と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部211に直接または間接に取り付けられた圧力計220(圧力測定手段の好適な一例)を有している。
【0029】
不良部位検出用器具200の容器状本体210は、飲料が充填される容器と略同じ形状を有しているように構成することが望ましい。例えば、缶容器であれば缶と同じ形状かなる金属部材により作製される。なお、フィリングバルブに嵌合でき、置換ガスを密封できる材料であれば特に金属に限定されない。
【0030】
本発明における容器状本体210の開口部212は、後述する充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部と当接して密封シールができるようになっており、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力計220により測定して弁部の不良部位を検出することができるようになっている。
【0031】
図10に示される圧力計220は、胴部211に直接、取り付けられて一体化されたものである。しかしながら、この形態に限定されることなく、図示はしていないが、表示部位と測定部位が分離されており、両者の間が配線で接続されてなる圧力計や、表示部位と測定部位が分離されており、両者の間がワイヤレス信号で接続されてなる圧力計を用いてもよい。表示部位と測定部位が分離されている場合において、測定部位の取付位置は、容器状本体の胴部に限定されない。例えば、容器状本体内部の底部に取り付けてもよい。配線接続タイプの圧力計は、狭い場所等で、一体型ではオペレータが視認しずらく少し離れた場所から表示を見たい場合に特に便利である。また、無線や赤外線等の信号で表示されるワイヤレス信号接続タイプの圧力計は、配線接続タイプのものよりさらに離れた場所から表示を見たい場合に便利である。また、図11に示されるように、胴部211からエア配管300を連通させた状態で延長設置して、その配管300の先端部に圧力計220を取り付けるようにしてもよい。なお、エア配管の代わりにエアチューブを用いることも可能である。
【0032】
胴部211の肉厚は少なくとも3mm以上、より好ましくは、3〜9mm程度とされる。胴部211の肉厚が3mm未満となると、接続口とのシール性を長期間保つことが困難となり、接続口から容器状本体内部の気体が漏れることがあり、信頼性、耐久性および安定性に欠けてしまうという不都合が発生する。
【0033】
このような本発明の不良部位検出用器具200は簡易な構造からなり廉価、かつ取り扱いが極めて簡単である。しかも後述するように充填装置の作動状態を利用して、充填不良がダイヤフラム弁に起因するか否かの判断が迅速かつ確実に行える。
【0034】
このような不良部位検出用器具200は、前述したように充填用バルブユニットと組み合わせた状態で検査に供される。以下、検査の対象となる充填用バルブユニットについて詳細に説明する。
【0035】
(充填用バルブユニットの構成)
検査の対象となる充填用バルブユニット1の構成を図1〜図6に基づいて説明する。
【0036】
なお、本実施の形態における充填用バルブユニットにおいて、取り扱われる飲料の好適な一例としてビールを取り挙げて説明する。
【0037】
図1〜図5はそれぞれ、検査の対象となる充填用バルブユニット1の構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図であり、特に図1は構造を分かりやすく説明するために、断面部分をハッチで明瞭に表示してあるが、図2〜図5は、特に、配管やユニット内部を流通する流体の流れを表示することを主目的としており、断面ハッチの記載は省略してある。図6は、ユニット上部の構造をよりメカニカルに示した図面である。
【0038】
検査の対象となる充填用バルブユニット1は、量産ラインのロータリー充填装置に着脱(装着・分離)可能になっている。着脱面は図1に示されるA−Aラインの箇所である。
【0039】
ロータリー充填装置からの充填機能を発揮するために接続される主液ライン70、カウンターライン31、スニフトライン111、フラッシングリターンライン101との接続が図1に示されるA−Aラインの同一面の箇所で行なわれる。
【0040】
そのため、充填用バルブユニット1はA−Aラインの同一面の箇所で接続口となる主液ライン接続口71a、カウンターライン接続口32a、スニフトライン接続口112a、フラッシングリターンライン接続口102aを備えている。なお、図1における符号20は管連結ユニットを示している。
【0041】
このような接続によって充填用バルブユニット1は、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができるようになっている。
【0042】
これらの各操作は充填用バルブユニットの構造の特定する一つの要素になるものであり、各操作については後述する。
【0043】
前記検査の対象となる充填用バルブユニット1は、図1に示されるように下方を開放し得るバルブ筐体80と、このバルブ筐体80の内部の軸方向に沿って装着されるバルブ軸体90とを備えている。そして、バルブ筐体80の下部内周面には内側に突出したリング状の弁座82が形成され、この一方で、前記バルブ軸体90の下部外周部には、上記弁座82とシール弁を構成すべき弁体部92が形成されている。
【0044】
バルブ軸体90の上部は液弁開閉用のエアーシリンダー8に連結されており、この液弁開閉用のエアーシリンダー8のストローク駆動により、バルブ軸体90は軸方向に上下動できるようになっている。この上下運動に伴い、弁座82と弁体部92の離接による弁の開閉ができるようになっており、例えば、弁が「開」の状態で容器2内にビールが充填される(後述する図4の状態)。なお、液弁開閉用のエアーシリンダー8は、エアー供給なしの状態で液弁が開いた状態を保つ仕様としておくことが望ましい。
【0045】
また、前記バルブ軸体90の内部軸方向にはカウンタ孔94が形成されている。このカウンタ孔94の上部には横孔94aが形成されており、この横孔94aを介してバルブ筐体80に内に形成された配管34、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成されたカウンター弁配管33(カウンター弁35を備えている)、バルブ筐体80に内に形成された配管32をそれぞれ介してカウンター管31に連通されるようになっている。
【0046】
カウンター管31は、図示していない液タンクであるフィラーボールの上部加圧用空間部と連通している。そして、主液ライン70から容器内にビールを充填する際(図4の液弁が開の状態)、ビールと置換される容器内の気体がカウンター孔94を介してフィラーボールに戻される。つまり、カウンター孔94は、ビール供給のための加圧源であるフィラーボールの上部空間と連通することができるようになっている。
【0047】
前記バルブ筐体80の下部の肉厚内には、気体抜き空間89が所定の高さまで肉厚内にリング状に形成されている。この気体抜き空間89は、容器2内の気体を放出するために最終的にフラッシングリターン管101およびスニフト管111にそれぞれ連通可能となっている。すなわち、フラッシングリターン管101との連結については、バルブ筐体80内に形成された配管102、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成されたフラッシングリターン弁配管103(フラッシングリターン弁105を備えている)を介してフラッシングリターン管101に連通されている。同様に、スニフト管111との連結については、バルブ筐体80に内に形成された配管112、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成されたスニフト弁配管113(スニフト弁115を備えている)を介してスニフト管111に連通されている。
【0048】
エアーオペレーションバルブユニット100は、図1の矢印B−Bラインの同一面の箇所から着脱可能に設置されている交換パーツである(この構造をより分かりやすくするために、図12には、充填用バルブユニット1におけるエアーオペレーションバルブユニット100の配置を示す図面が斜視図として描かれている)。従って、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成された、カウンター弁35、フラッシングリターン弁105、スニフト弁115等に作動不良の故障が生じた場合、滅菌済みの新たなエアーオペレーションバルブユニット100にそっくり取り替えてやればすぐさま稼動できるような構造となっている。
【0049】
また、充填用バルブユニット1の上部には、飲料を充填する際に充填ヘッド部40を容器口に当接させるための容器口シール開閉用エアーシリンダー4が設置されている。すなわち、容器口シール開閉用エアーシリンダー4のストローク駆動により、連結シャフト29(図1(下部の一部分が部分的に記載)、図6参照)を介して充填ヘッド部40が軸方向に上下動できるようになっている。
【0050】
この上下運動に伴い、容器2の容器口と充填ヘッド部40との離接ができるようになっている。実際に容器口と接する充填ヘッド部40の下端部分にはリング状のシール部材41が形成されている。
【0051】
このような容器口シール開閉用エアーシリンダー4および連結シャフト29の動きに関する構造を図6に基づきさらに説明する。図6に示されるように容器口シール開閉用エアーシリンダー4は、立設されたシャフト21,25の上部に固定されている天板4に固着されており、容器口シール開閉用エアーシリンダー4のピストンアーム4aの先端には連結部材4bが固着されており、この連結部材4bが、摺動部材23,27と係合している。この摺動部材23,27は、シャフト21,25に摺動可能に被着されており、摺動部材27には連結シャフト29が固着されている。このような構成のもとに、容器口シール開閉用エアーシリンダー4をストローク駆動させることにより、連結シャフト29を介して充填ヘッド部40(図1)を軸方向に上下動させることができるようになっている。
【0052】
このような充填用バルブユニット1は、上述したように本生産のロータリー充填装置に組み込まれて実際に充填操作される際に、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができるようになっている。これらの各操作について以下説明する。
【0053】
(1)フラッシング操作
まず、図1に示されるごとく容器(ビールの場合、通常、缶容器)の供給が行なわれる。この時、容器口とユニットの充填ヘッド部40との密閉はされておらず一定の距離が空けられている。この時、一般にはカウンター弁35を「開」にして、カウンター管31から炭酸ガス(CO2)を供給して、ユニット中央のカウンター孔94から炭酸ガスを容器内に流入させるいわゆるノンシールフラッシングが行なわれる。
【0054】
次いで、図2に示されるようにフラッシングリターン弁105が「開」とされるとともに、容器口シール開閉用エアーシリンダー4のストローク動作により、容器口とユニットの充填ヘッド部40との密閉がなされ、フラッシング操作の開始となる。すなわち、フラッシング操作は、カウンターライン31から容器2内に炭酸ガス等の置換用ガスを流入させて容器内を置換用ガスで置換させるとともに、容器内に貯留していた空気等の初期貯留ガスをフラッシングリターンライン101から排出してなる操作である。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0055】
(2)カウンター操作
次いで行われるカウンター操作は、図3に示されるようにフラッシングリターン弁105を「閉」とすることで、炭酸ガス等の置換ガスで置換された容器内圧力とカウンターライン31からの圧力を同圧とするまでの操作であり、略同圧となった時点、すなわち容器内の空気が完全に炭酸ガス置換が終了した時点で完了する。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0056】
(3)飲料充填操作
次いで行われる飲料充填操作は、図4に示されるように主液ライン70からビール飲料を充填させるとともに、容器内に充填されていた大部分の置換用ガス(CO2)をビール飲料と置換するとともに置換用ガス(CO2)をカウンターライン31からフィラーチャンバー(図示していない)に戻す操作である。すなわち、主液ライン70からビール飲料を充填させるために、液弁開閉用のエアーシリンダー8が上方にストローク駆動して、これにより弁座82と弁体部92とは離れて、液弁は「開」の状態となり容器2内にビールが充填される。所定の充填量を充填した時点で、液弁開閉用のエアーシリンダー8が下方にストローク駆動して、これにより弁座82と弁体部92とは接合されて、液弁は「閉」の状態となり充填が完了する。充填量は、通常、タービンメーター75により計量される。
【0057】
なお、充填後にホールド時間があり、この時点でカウンター弁35は「閉」とされる。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0058】
(4)スニフト操作
次いで行われるスニフト操作は、図5に示されるように容器ヘッドスペースに残存する置換用ガス(CO2)の一部をスニフトライン111から排出させて容器内ヘッドスペースの圧力を大気圧と同圧にする操作である。すなわち、スニフト弁115は「開」とされ、容器内ヘッドスペースの圧力が大気圧と同圧になるようにスニフトライン111から置換用ガス(CO2)の一部を逃がす操作が行われる。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0059】
このような一連の充填工程が完了した後の例えば缶容器は、次工程で缶蓋の取り付け、缶蓋の巻き締め等の操作が行なわれる。
【0060】
なお、エアーオペレーションバルブユニット100に配置されているカウンター弁35、フラッシングリターン弁105、スニフト弁115の各弁はダイヤフラム弁を有し構成されており、エアーオペレート(空圧操作)により弁の開閉が行なえるようになっている。
【0061】
(充填用バルブユニットの不良部位検出方法)
次いで、不良部位検出用器具200を用いて、充填用バルブユニットの不良部位を検出する方法について述べる。
【0062】
(1)まず、最初に、充填不良が発生している充填用バルブユニットを特定する。その操作は、例えば、以下の要領で行なわれる。
【0063】
ロータリー充填装置(フィラ)において、回転駆動される水平回転部材の水平円周上に、等ピッチに配置された複数の充填用バルブユニットは、それぞれ個別の番号が付番されている。実際に充填操作を行い、充填量に過不足が生じた場合、例えば充填用バルブユニット毎に取り付けられているタービンメーター75(図1)の計量値により充填量の過不足が検知され、充填量の異常を知らせるアラームが鳴るとともに、該充填用バルブユニットの番号が充填装置の操作盤の画面に表示されることにより、充填量に過不足が生じた充填用バルブユニットが特定される。
【0064】
(2)次いで、この特定された充填用バルブユニットについて、本発明の不良部位検出用器具200を用いて不良部位の検出方法が行なわれる。すなわち、充填用の容器2に代えて、不良部位検出用器具200を用い、この不良部位検出用器具200の容器状本体210の開口部212と、充填用バルブユニット1に備え付けられた充填ヘッド部40とを当接させて密封シールさせた後、充填用バルブユニット1の弁作動に基づく容器状本体210の内部空間の内圧を圧力計220により測定し、所望の圧力値が得られるか否かの判断によって弁部の不良部位を検出する。
【0065】
より具体的な操作手順を図7〜図9に基づき詳細に説明する。
まず最初に図7に示されるように、不良部位検出用器具200の容器状本体210の開口部212と、充填用バルブユニット1に備え付けられた充填ヘッド部40とを当接させて密封シールの状態を形成させる。
【0066】
次いで、弁座82と弁本体92を当接させて飲料充填操作ができない状態で、エアーオペレーションバルブユニット100のカウンター弁35を「開」、エアーオペレーションバルブユニット100のフラッシングリターン弁105を「閉」、エアーオペレーションバルブユニット100のスニフト弁115を「閉」の状態とし、カウンターライン31から不良部位検出用器具200に置換用ガスを流入させた状態で器具内の圧力を圧力計220で測定する(第1の測定工程)。不良部位検出用器具200内に流入されたガスの逃げ道はないので、エアーオペレーションバルブユニット100のカウンター弁35の作動が正常であればカウンターライン31からの圧力がそのまま圧力計220に表示される(例えば圧力「P1」)。
【0067】
次いで、図7に示される前記第1の測定工程の状態(圧力P1の状態)から、図8に示されるようにエアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁35を「閉」の状態し、しかる後、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁105を「開」の状態とし、器具内の圧力を圧力計220で測定する(第2の測定工程)。エアーオペレーションバルブユニット100のフラッシングリターン弁105の作動が正常であれば、圧力計220に表示される圧力は圧力「P1」の状態から圧力「零」(ゲージ圧が「零」すなわち、大気圧と同圧という意味である)の状態になる。
【0068】
次いで、図7に示される前記第1の測定工程の状態(圧力P1の状態)から、図9に示されるようにエアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁35を「閉」の状態し、しかる後、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁115を「開」の状態とし、器具内の圧力を圧力計220で測定する(第3の測定工程)。エアーオペレーションバルブユニット100のスニフト弁115の作動が正常であれば、圧力計220に表示される圧力は圧力「P1」の状態から圧力「零」(ゲージ圧が「零」すなわち、大気圧と同圧という意味である)の状態になる。
【0069】
このような第1の測定工程〜第3の測定工程によって、エアーオペレーションバルブユニット100全体が正常に作動しているかどうか判断できる。前述したように、充填に際してのトラブルがほとんどこのエアーオペレーションバルブユニット100の動作不良に起因しているという知見のもとに、エアーオペレーションバルブユニット100のいずれかの弁の動作不良が検出された場合には、エアーオペレーションバルブユニット100をそっくり新しいものに替えてやればよい。このような交換のみであれば充填装置の洗浄が不要となり稼動停止時間を短縮でき、しかも部品コストを低く押さえることができるのである。
【0070】
なお、本発明における充填用バルブユニットの不良部位検出用器具を用いて、充填用バルブユニットの漏れ検査をすることも可能である。例えば、カウンタを張った状態でカウンタ弁を閉め、そのままの状態を維持して圧力が保持できれば他の弁の漏れはほぼないと判断でき、逆に大気圧の状態で弁体を全て閉め、圧力が上昇しなければカウンタ弁はほぼ漏れなしと分かる。
【0071】
なお、本発明の実施形態においては、ビール飲料の缶の充填について記載してきたが、これに限定されることなく、例えば、アルコール飲料、ノンアルコール飲料等の飲料の缶容器、壜、ペット容器、樽等の容器の充填に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、容器内へ飲料を充填するフィリング操作を有する飲料製品製造産業に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図2】図2は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図3】図3は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図4】図4は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図5】図5は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図6】図6は、ユニット上部の構造をよりメカニカルに示した図面である。
【図7】図7は、充填用バルブユニットの不良部位検出方法の動作を説明するための概略模式図である。
【図8】図8は、充填用バルブユニットの不良部位検出方法の動作を説明するための概略模式図である。
【図9】図9は、充填用バルブユニットの不良部位検出方法の動作を説明するための概略模式図である。
【図10】図10は、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具の概略斜視図である。
【図11】図11は、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図12】図12は、充填用バルブユニットにおけるエアーオペレーションバルブユニットの配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1…充填用バルブユニット
31…カウンターライン
35…カウンター弁
40…充填ヘッド部
70…主液ライン
80…バルブ筺体
82…弁座
90…バルブ軸体
92…弁体部
200…充填用バルブユニットの不良部位検出用器具
210…容器状本体
211…胴部
212…開口部
220…圧力計
【技術分野】
【0001】
容器内へ飲料を充填するフィリング操作において、飲料充填用のユニット装置として使用される充填用バルブユニットの不良部位を検出するための検出用器具、およびこれを用いた検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールなどの飲料製造工程においては、製品とするための容器内(特に、缶容器、壜、ペット容器、樽など)に飲料を充填するための充填装置が設置されている。
【0003】
充填装置としては、一般にロータリー充填装置が用いられることが多く、回転駆動される水平回転部材の水平円周上には、等ピッチに配置された複数の充填用バルブユニットが取り付けられている。
【0004】
そして、ロータリー充填装置の回動とともに容器内への飲料の充填操作が行なわれ、充填終了後には、例えば、缶容器であれば、缶蓋の取り付け操作、缶蓋の捲き締め等の操作が行われるようになっている。
【0005】
ところで、充填用バルブユニットには、(1)エアー動作機器類を備えるタイプのもの、例えば、ビールなどの飲料を充填する際に充填ヘッド部を容器口に当接させるための容器口シール開閉用エアーシリンダーと、飲料が容器内に流入して飲料が充填できるようにするための液弁開閉用のエアーシリンダーを備えるタイプのものと、(2)これらエアーシリンダー等のエアー動作機器類を全く備えておらず、それらの動作を全てカム機構で行なうタイプのものとが存在する。
【0006】
本願発明は上記両者の充填用バルブユニットを対象としているが、主としては前者のものであり、このものは、エアー動作機器類を備えるとともに、いわゆるフラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができる構造を有している。そして、各操作に対応できるようにエアー駆動の弁装置や弁部を備えている。
【0007】
一般に、容器内に一定量の飲料を充填するためにビールなどの飲料製造工程で用いられる充填装置においては、製造中に充填用バルブユニット等の経年劣化により充填量の不良が発生することがある。このような充填量の不良の容器は、充填装置の下流側に設置されている検出機等により、充填不良容器として判断され完全に排除される。
【0008】
充填用バルブユニットの不良や故障に起因して充填不良が発生した場合には、ビールなどの飲料製造ラインの装置を停止して、不良の発生原因となった充填用バルブユニットを特定してこのものを良品のものと交換する必要がある。
【0009】
充填用バルブユニット等のフィリングバルブの不良を検出する従来技術として、下記の特許文献1〜4等が挙げられる。
【0010】
【特許文献1】特開2001−171793号公報
【特許文献2】特開2004−017971号公報
【特許文献3】特開2002−362519号公報
【特許文献4】特開平09−002586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記提案の従来の技術では、フィリングバルブ(充填用バルブユニット)の不良を検出して、不良バルブを特定することはある程度可能であるといえるが、不良バルブのどの部位が不良となっているのかまでは特定することができない。そのため、不良部位のみ(例えば、バルブパーツのみ)を交換することはできず、不良と判断されたフィリングバルブ(充填用バルブユニット)をまるごと交換する必要がある。
【0012】
充填用バルブユニットの交換作業は、例えば、以下の要領で行なわれる。すなわち、飲料をビールとして説明すると、(1)まず最初に、製造運転中の充填装置に配置されていた複数の充填用バルブユニットの中から不良の充填用バルブユニットを特定する。(2)充填装置に蓄えられたビールと配管中のビールを空にする。(3)該当する不良充填用バルブユニットを良品と交換する。(4)充填用バルブユニットを含む充填装置及びビール配管等の充填に係る全設備を洗浄する工程を実施する。(5)洗浄工程が完了すると充填装置にビールを蓄える。(6)充填装置にビールが蓄えられるとビール充填作業が開始される。
【0013】
このように不良と判断されたフィリングバルブ(充填用バルブユニット)をまるごと交換する場合には、交換後に充填装置の洗浄も必要となり、稼動停止しなければならない時間が極めて長い時間となる。交換部品のコストもかさむことになる。
【0014】
また、実製品として使用される缶にエアチューブを介して圧力ゲージを付けて缶内圧を見るツールである「ゲージ缶」と呼ばれているものが存在する。これは元々は、実製品として使用される缶に手で触れることにより、加圧時の缶の膨張等を手の感触により感知していた方法を可視化したものである。しかしながら、このものでは缶胴部の肉厚が薄いためにシール性が悪く、エアチューブの接続口から内部の気体が漏れることがあり、耐久性も悪く、加圧力の高い状態ではリーク検査用のツールとして実用上、長期間安定的に使用することができなかった。
【0015】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は上記の問題点を解決し、不良として判断されたフィリングバルブ(充填用バルブユニット)の不良部位を特定し、この不良部位のパーツのみを交換することで、充填装置の稼動停止時間を大幅に短縮し、交換部品コストを低く抑えることができるとともに、検出の信頼性および安定性の高いフィリングバルブ(充填用バルブユニット)の不良部位検出用器具、およびこれを用いた検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
このような課題を解決するために本発明は、充填用バルブユニット内に用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる不良部位検出用器具であって、該不良部位検出用器具は、内部空間を形成するように胴部および開口部を備える容器状本体と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部に直接または間接に取り付けられた圧力測定手段とを有し、前記容器状本体の開口部は、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部と当接して密封シールができるようになっており、前記容器状本体の胴部の肉厚は少なくとも3mm以上であり、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定して弁部の不良部位を検出することができるように構成される。
【0017】
また、本発明の好ましい態様として、前記圧力測定手段は、(1)表示部位と測定部位が一体化されたもの、(2)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間が配線で接続されてなるもの、(3)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間がワイヤレス信号で接続されてなるもの、または(4)容器状本体からエア配管で延長された端部に形成されているもの、として構成される。
【0018】
また、本発明の不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、ダイヤフラム弁であるカウンター弁、フラッシングリターン弁、スニフト弁を有するエアーオペレーションバルブユニットを備えるとともに、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができる構造であり、前記フラッシング操作は、カウンターラインから容器内に置換用ガスを流入させて容器内を置換用ガスで置換させるとともに、容器内に貯留していた初期貯留ガスをフラッシングリターンラインから排出してなる操作であり、前記カウンター操作は、置換ガスで置換された容器内圧力とカウンターラインからの圧力を同圧とするまでの操作であり、前記飲料充填操作は、主液ラインから飲料を充填させるとともに、容器内に充填していた置換用ガスを飲料と置換するとともにカウンターラインからフィラーチャンバーに戻す操作であり、前記スニフト操作は、容器ヘッドスペースに残存する置換用ガスの一部をスニフトラインから排出させて容器ヘッドスペース圧力を大気圧と同圧にする操作であるように構成される。
【0019】
また、本発明の不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、飲料充填操作に用いられる少なくとも1つの動作機器を備え、該動作機器は、飲料を充填する際に充填ヘッド部を容器口に当接させるための容器口シール開閉用昇降装置と、飲料が容器内に流入して飲料が充填できるようにするための液弁開閉用の昇降装置の少なくとも1つを有して構成される。
【0020】
また、本発明の不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、バルブ筐体と、このバルブ筐体の内部の軸方向に沿って装着されるバルブ軸体とを備え、前記バルブ筐体の内周面には弁座が形成され、前記バルブ軸体の外周部には弁体部が形成され、前記バルブ軸体は、前記液弁開閉用昇降装置により軸方向に上下動可能な機構を有していることにより、充填用バルブユニットの充填バルブ軸体を任意に可動させて弁座と弁体部の離接による弁の開閉ができるようになっているように構成される。
【0021】
本発明は、上記充填用バルブユニットの不良部位検出用器具を用いた充填用バルブユニットの不良部位検出方法であって、該検出方法は、不良部位検出用器具の容器状本体の開口部と、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部とを当接させて密封シールさせた後、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定し、所望の圧力値が得られるか否かの判断によって弁部の不良部位を検出してなるように構成される。
【0022】
本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出方法の好ましい態様として、飲料充填操作ができない状態で、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「開」、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「閉」、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「閉」の状態とし、カウンターラインから不良部位検出用器具に置換用ガスを流入させた状態で器具内の圧力を測定する第1の測定工程と、前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第2の測定工程と、前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第3の測定工程と、を有し構成される。
【0023】
なお、本発明の創案に至るまでには以下に述べるような充填用バルブユニットの不良部位を調査した結果が内在している。すなわち、本発明に係る発明者らが、交換した不良の充填用バルブユニットを調査した結果、不良発生部位の大半は、ダイヤフラムシート(ダイヤフラム弁)である。従って、充填不良がダイヤフラムシートに起因するか否かの判断ができて、充填不良がダイヤフラムシートに起因することが確認できれば十分な判定といえる。この判断が可能となることにより、かなりの高い確率で生じるダイヤフラム弁のみの交換であれば充填装置の洗浄が不要となり稼動停止時間を短縮でき、部品コストを低く押さえることができるのである。
【発明の効果】
【0024】
本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具は簡易な構造からなり、取り扱いが極めて簡単であり、しかも充填装置の作動状態を利用して、充填不良がダイヤフラム弁に起因するか否かの判断が迅速かつ確実に行える。ダイヤフラム弁のみの交換であれば充填装置の洗浄が不要となり稼動停止時間を短縮でき、さらには部品コストを低く押さえることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具、およびこれを用いた不良部位の検出方法の実施形態について、「ビール等飲料」の充填工程を例にとって詳細に説明する。
【0026】
「ビール等飲料」の充填に際して用いられるロータリー充填装置は、すでにビール等飲料の製造工程等における充填装置としてすでに周知となっており、回転駆動される水平回転部材の水平円周上に、等ピッチに配置された複数の充填用バルブユニットを備える構造を有している。そして、ロータリー充填装置の回動とともに複数の充填用バルブユニットを介して容器内への飲料の充填操作が行なわれるようになっている。
【0027】
(本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具の説明)
本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具は、充填用バルブユニットと組み合わせた状態で検査に供し、充填用バルブユニットに用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる。
【0028】
図10に示されるように、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具200(以下、単に「不良部位検出用器具200」と称す)は、飲料の収納部である内部空間Pを形成するように構成された胴部211および開口部212を備える容器状本体210と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部211に直接または間接に取り付けられた圧力計220(圧力測定手段の好適な一例)を有している。
【0029】
不良部位検出用器具200の容器状本体210は、飲料が充填される容器と略同じ形状を有しているように構成することが望ましい。例えば、缶容器であれば缶と同じ形状かなる金属部材により作製される。なお、フィリングバルブに嵌合でき、置換ガスを密封できる材料であれば特に金属に限定されない。
【0030】
本発明における容器状本体210の開口部212は、後述する充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部と当接して密封シールができるようになっており、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力計220により測定して弁部の不良部位を検出することができるようになっている。
【0031】
図10に示される圧力計220は、胴部211に直接、取り付けられて一体化されたものである。しかしながら、この形態に限定されることなく、図示はしていないが、表示部位と測定部位が分離されており、両者の間が配線で接続されてなる圧力計や、表示部位と測定部位が分離されており、両者の間がワイヤレス信号で接続されてなる圧力計を用いてもよい。表示部位と測定部位が分離されている場合において、測定部位の取付位置は、容器状本体の胴部に限定されない。例えば、容器状本体内部の底部に取り付けてもよい。配線接続タイプの圧力計は、狭い場所等で、一体型ではオペレータが視認しずらく少し離れた場所から表示を見たい場合に特に便利である。また、無線や赤外線等の信号で表示されるワイヤレス信号接続タイプの圧力計は、配線接続タイプのものよりさらに離れた場所から表示を見たい場合に便利である。また、図11に示されるように、胴部211からエア配管300を連通させた状態で延長設置して、その配管300の先端部に圧力計220を取り付けるようにしてもよい。なお、エア配管の代わりにエアチューブを用いることも可能である。
【0032】
胴部211の肉厚は少なくとも3mm以上、より好ましくは、3〜9mm程度とされる。胴部211の肉厚が3mm未満となると、接続口とのシール性を長期間保つことが困難となり、接続口から容器状本体内部の気体が漏れることがあり、信頼性、耐久性および安定性に欠けてしまうという不都合が発生する。
【0033】
このような本発明の不良部位検出用器具200は簡易な構造からなり廉価、かつ取り扱いが極めて簡単である。しかも後述するように充填装置の作動状態を利用して、充填不良がダイヤフラム弁に起因するか否かの判断が迅速かつ確実に行える。
【0034】
このような不良部位検出用器具200は、前述したように充填用バルブユニットと組み合わせた状態で検査に供される。以下、検査の対象となる充填用バルブユニットについて詳細に説明する。
【0035】
(充填用バルブユニットの構成)
検査の対象となる充填用バルブユニット1の構成を図1〜図6に基づいて説明する。
【0036】
なお、本実施の形態における充填用バルブユニットにおいて、取り扱われる飲料の好適な一例としてビールを取り挙げて説明する。
【0037】
図1〜図5はそれぞれ、検査の対象となる充填用バルブユニット1の構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図であり、特に図1は構造を分かりやすく説明するために、断面部分をハッチで明瞭に表示してあるが、図2〜図5は、特に、配管やユニット内部を流通する流体の流れを表示することを主目的としており、断面ハッチの記載は省略してある。図6は、ユニット上部の構造をよりメカニカルに示した図面である。
【0038】
検査の対象となる充填用バルブユニット1は、量産ラインのロータリー充填装置に着脱(装着・分離)可能になっている。着脱面は図1に示されるA−Aラインの箇所である。
【0039】
ロータリー充填装置からの充填機能を発揮するために接続される主液ライン70、カウンターライン31、スニフトライン111、フラッシングリターンライン101との接続が図1に示されるA−Aラインの同一面の箇所で行なわれる。
【0040】
そのため、充填用バルブユニット1はA−Aラインの同一面の箇所で接続口となる主液ライン接続口71a、カウンターライン接続口32a、スニフトライン接続口112a、フラッシングリターンライン接続口102aを備えている。なお、図1における符号20は管連結ユニットを示している。
【0041】
このような接続によって充填用バルブユニット1は、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができるようになっている。
【0042】
これらの各操作は充填用バルブユニットの構造の特定する一つの要素になるものであり、各操作については後述する。
【0043】
前記検査の対象となる充填用バルブユニット1は、図1に示されるように下方を開放し得るバルブ筐体80と、このバルブ筐体80の内部の軸方向に沿って装着されるバルブ軸体90とを備えている。そして、バルブ筐体80の下部内周面には内側に突出したリング状の弁座82が形成され、この一方で、前記バルブ軸体90の下部外周部には、上記弁座82とシール弁を構成すべき弁体部92が形成されている。
【0044】
バルブ軸体90の上部は液弁開閉用のエアーシリンダー8に連結されており、この液弁開閉用のエアーシリンダー8のストローク駆動により、バルブ軸体90は軸方向に上下動できるようになっている。この上下運動に伴い、弁座82と弁体部92の離接による弁の開閉ができるようになっており、例えば、弁が「開」の状態で容器2内にビールが充填される(後述する図4の状態)。なお、液弁開閉用のエアーシリンダー8は、エアー供給なしの状態で液弁が開いた状態を保つ仕様としておくことが望ましい。
【0045】
また、前記バルブ軸体90の内部軸方向にはカウンタ孔94が形成されている。このカウンタ孔94の上部には横孔94aが形成されており、この横孔94aを介してバルブ筐体80に内に形成された配管34、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成されたカウンター弁配管33(カウンター弁35を備えている)、バルブ筐体80に内に形成された配管32をそれぞれ介してカウンター管31に連通されるようになっている。
【0046】
カウンター管31は、図示していない液タンクであるフィラーボールの上部加圧用空間部と連通している。そして、主液ライン70から容器内にビールを充填する際(図4の液弁が開の状態)、ビールと置換される容器内の気体がカウンター孔94を介してフィラーボールに戻される。つまり、カウンター孔94は、ビール供給のための加圧源であるフィラーボールの上部空間と連通することができるようになっている。
【0047】
前記バルブ筐体80の下部の肉厚内には、気体抜き空間89が所定の高さまで肉厚内にリング状に形成されている。この気体抜き空間89は、容器2内の気体を放出するために最終的にフラッシングリターン管101およびスニフト管111にそれぞれ連通可能となっている。すなわち、フラッシングリターン管101との連結については、バルブ筐体80内に形成された配管102、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成されたフラッシングリターン弁配管103(フラッシングリターン弁105を備えている)を介してフラッシングリターン管101に連通されている。同様に、スニフト管111との連結については、バルブ筐体80に内に形成された配管112、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成されたスニフト弁配管113(スニフト弁115を備えている)を介してスニフト管111に連通されている。
【0048】
エアーオペレーションバルブユニット100は、図1の矢印B−Bラインの同一面の箇所から着脱可能に設置されている交換パーツである(この構造をより分かりやすくするために、図12には、充填用バルブユニット1におけるエアーオペレーションバルブユニット100の配置を示す図面が斜視図として描かれている)。従って、エアーオペレーションバルブユニット100内に形成された、カウンター弁35、フラッシングリターン弁105、スニフト弁115等に作動不良の故障が生じた場合、滅菌済みの新たなエアーオペレーションバルブユニット100にそっくり取り替えてやればすぐさま稼動できるような構造となっている。
【0049】
また、充填用バルブユニット1の上部には、飲料を充填する際に充填ヘッド部40を容器口に当接させるための容器口シール開閉用エアーシリンダー4が設置されている。すなわち、容器口シール開閉用エアーシリンダー4のストローク駆動により、連結シャフト29(図1(下部の一部分が部分的に記載)、図6参照)を介して充填ヘッド部40が軸方向に上下動できるようになっている。
【0050】
この上下運動に伴い、容器2の容器口と充填ヘッド部40との離接ができるようになっている。実際に容器口と接する充填ヘッド部40の下端部分にはリング状のシール部材41が形成されている。
【0051】
このような容器口シール開閉用エアーシリンダー4および連結シャフト29の動きに関する構造を図6に基づきさらに説明する。図6に示されるように容器口シール開閉用エアーシリンダー4は、立設されたシャフト21,25の上部に固定されている天板4に固着されており、容器口シール開閉用エアーシリンダー4のピストンアーム4aの先端には連結部材4bが固着されており、この連結部材4bが、摺動部材23,27と係合している。この摺動部材23,27は、シャフト21,25に摺動可能に被着されており、摺動部材27には連結シャフト29が固着されている。このような構成のもとに、容器口シール開閉用エアーシリンダー4をストローク駆動させることにより、連結シャフト29を介して充填ヘッド部40(図1)を軸方向に上下動させることができるようになっている。
【0052】
このような充填用バルブユニット1は、上述したように本生産のロータリー充填装置に組み込まれて実際に充填操作される際に、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができるようになっている。これらの各操作について以下説明する。
【0053】
(1)フラッシング操作
まず、図1に示されるごとく容器(ビールの場合、通常、缶容器)の供給が行なわれる。この時、容器口とユニットの充填ヘッド部40との密閉はされておらず一定の距離が空けられている。この時、一般にはカウンター弁35を「開」にして、カウンター管31から炭酸ガス(CO2)を供給して、ユニット中央のカウンター孔94から炭酸ガスを容器内に流入させるいわゆるノンシールフラッシングが行なわれる。
【0054】
次いで、図2に示されるようにフラッシングリターン弁105が「開」とされるとともに、容器口シール開閉用エアーシリンダー4のストローク動作により、容器口とユニットの充填ヘッド部40との密閉がなされ、フラッシング操作の開始となる。すなわち、フラッシング操作は、カウンターライン31から容器2内に炭酸ガス等の置換用ガスを流入させて容器内を置換用ガスで置換させるとともに、容器内に貯留していた空気等の初期貯留ガスをフラッシングリターンライン101から排出してなる操作である。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0055】
(2)カウンター操作
次いで行われるカウンター操作は、図3に示されるようにフラッシングリターン弁105を「閉」とすることで、炭酸ガス等の置換ガスで置換された容器内圧力とカウンターライン31からの圧力を同圧とするまでの操作であり、略同圧となった時点、すなわち容器内の空気が完全に炭酸ガス置換が終了した時点で完了する。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0056】
(3)飲料充填操作
次いで行われる飲料充填操作は、図4に示されるように主液ライン70からビール飲料を充填させるとともに、容器内に充填されていた大部分の置換用ガス(CO2)をビール飲料と置換するとともに置換用ガス(CO2)をカウンターライン31からフィラーチャンバー(図示していない)に戻す操作である。すなわち、主液ライン70からビール飲料を充填させるために、液弁開閉用のエアーシリンダー8が上方にストローク駆動して、これにより弁座82と弁体部92とは離れて、液弁は「開」の状態となり容器2内にビールが充填される。所定の充填量を充填した時点で、液弁開閉用のエアーシリンダー8が下方にストローク駆動して、これにより弁座82と弁体部92とは接合されて、液弁は「閉」の状態となり充填が完了する。充填量は、通常、タービンメーター75により計量される。
【0057】
なお、充填後にホールド時間があり、この時点でカウンター弁35は「閉」とされる。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0058】
(4)スニフト操作
次いで行われるスニフト操作は、図5に示されるように容器ヘッドスペースに残存する置換用ガス(CO2)の一部をスニフトライン111から排出させて容器内ヘッドスペースの圧力を大気圧と同圧にする操作である。すなわち、スニフト弁115は「開」とされ、容器内ヘッドスペースの圧力が大気圧と同圧になるようにスニフトライン111から置換用ガス(CO2)の一部を逃がす操作が行われる。流体の流れの詳細は図中の矢印→の動きを参照されたい。
【0059】
このような一連の充填工程が完了した後の例えば缶容器は、次工程で缶蓋の取り付け、缶蓋の巻き締め等の操作が行なわれる。
【0060】
なお、エアーオペレーションバルブユニット100に配置されているカウンター弁35、フラッシングリターン弁105、スニフト弁115の各弁はダイヤフラム弁を有し構成されており、エアーオペレート(空圧操作)により弁の開閉が行なえるようになっている。
【0061】
(充填用バルブユニットの不良部位検出方法)
次いで、不良部位検出用器具200を用いて、充填用バルブユニットの不良部位を検出する方法について述べる。
【0062】
(1)まず、最初に、充填不良が発生している充填用バルブユニットを特定する。その操作は、例えば、以下の要領で行なわれる。
【0063】
ロータリー充填装置(フィラ)において、回転駆動される水平回転部材の水平円周上に、等ピッチに配置された複数の充填用バルブユニットは、それぞれ個別の番号が付番されている。実際に充填操作を行い、充填量に過不足が生じた場合、例えば充填用バルブユニット毎に取り付けられているタービンメーター75(図1)の計量値により充填量の過不足が検知され、充填量の異常を知らせるアラームが鳴るとともに、該充填用バルブユニットの番号が充填装置の操作盤の画面に表示されることにより、充填量に過不足が生じた充填用バルブユニットが特定される。
【0064】
(2)次いで、この特定された充填用バルブユニットについて、本発明の不良部位検出用器具200を用いて不良部位の検出方法が行なわれる。すなわち、充填用の容器2に代えて、不良部位検出用器具200を用い、この不良部位検出用器具200の容器状本体210の開口部212と、充填用バルブユニット1に備え付けられた充填ヘッド部40とを当接させて密封シールさせた後、充填用バルブユニット1の弁作動に基づく容器状本体210の内部空間の内圧を圧力計220により測定し、所望の圧力値が得られるか否かの判断によって弁部の不良部位を検出する。
【0065】
より具体的な操作手順を図7〜図9に基づき詳細に説明する。
まず最初に図7に示されるように、不良部位検出用器具200の容器状本体210の開口部212と、充填用バルブユニット1に備え付けられた充填ヘッド部40とを当接させて密封シールの状態を形成させる。
【0066】
次いで、弁座82と弁本体92を当接させて飲料充填操作ができない状態で、エアーオペレーションバルブユニット100のカウンター弁35を「開」、エアーオペレーションバルブユニット100のフラッシングリターン弁105を「閉」、エアーオペレーションバルブユニット100のスニフト弁115を「閉」の状態とし、カウンターライン31から不良部位検出用器具200に置換用ガスを流入させた状態で器具内の圧力を圧力計220で測定する(第1の測定工程)。不良部位検出用器具200内に流入されたガスの逃げ道はないので、エアーオペレーションバルブユニット100のカウンター弁35の作動が正常であればカウンターライン31からの圧力がそのまま圧力計220に表示される(例えば圧力「P1」)。
【0067】
次いで、図7に示される前記第1の測定工程の状態(圧力P1の状態)から、図8に示されるようにエアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁35を「閉」の状態し、しかる後、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁105を「開」の状態とし、器具内の圧力を圧力計220で測定する(第2の測定工程)。エアーオペレーションバルブユニット100のフラッシングリターン弁105の作動が正常であれば、圧力計220に表示される圧力は圧力「P1」の状態から圧力「零」(ゲージ圧が「零」すなわち、大気圧と同圧という意味である)の状態になる。
【0068】
次いで、図7に示される前記第1の測定工程の状態(圧力P1の状態)から、図9に示されるようにエアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁35を「閉」の状態し、しかる後、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁115を「開」の状態とし、器具内の圧力を圧力計220で測定する(第3の測定工程)。エアーオペレーションバルブユニット100のスニフト弁115の作動が正常であれば、圧力計220に表示される圧力は圧力「P1」の状態から圧力「零」(ゲージ圧が「零」すなわち、大気圧と同圧という意味である)の状態になる。
【0069】
このような第1の測定工程〜第3の測定工程によって、エアーオペレーションバルブユニット100全体が正常に作動しているかどうか判断できる。前述したように、充填に際してのトラブルがほとんどこのエアーオペレーションバルブユニット100の動作不良に起因しているという知見のもとに、エアーオペレーションバルブユニット100のいずれかの弁の動作不良が検出された場合には、エアーオペレーションバルブユニット100をそっくり新しいものに替えてやればよい。このような交換のみであれば充填装置の洗浄が不要となり稼動停止時間を短縮でき、しかも部品コストを低く押さえることができるのである。
【0070】
なお、本発明における充填用バルブユニットの不良部位検出用器具を用いて、充填用バルブユニットの漏れ検査をすることも可能である。例えば、カウンタを張った状態でカウンタ弁を閉め、そのままの状態を維持して圧力が保持できれば他の弁の漏れはほぼないと判断でき、逆に大気圧の状態で弁体を全て閉め、圧力が上昇しなければカウンタ弁はほぼ漏れなしと分かる。
【0071】
なお、本発明の実施形態においては、ビール飲料の缶の充填について記載してきたが、これに限定されることなく、例えば、アルコール飲料、ノンアルコール飲料等の飲料の缶容器、壜、ペット容器、樽等の容器の充填に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、容器内へ飲料を充填するフィリング操作を有する飲料製品製造産業に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図2】図2は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図3】図3は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図4】図4は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図5】図5は、検査の対象となる充填用バルブユニットの構造および充填工程における操作を説明するための概略模式図である。
【図6】図6は、ユニット上部の構造をよりメカニカルに示した図面である。
【図7】図7は、充填用バルブユニットの不良部位検出方法の動作を説明するための概略模式図である。
【図8】図8は、充填用バルブユニットの不良部位検出方法の動作を説明するための概略模式図である。
【図9】図9は、充填用バルブユニットの不良部位検出方法の動作を説明するための概略模式図である。
【図10】図10は、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具の概略斜視図である。
【図11】図11は、本発明の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具の他の実施形態を示す概略斜視図である。
【図12】図12は、充填用バルブユニットにおけるエアーオペレーションバルブユニットの配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
1…充填用バルブユニット
31…カウンターライン
35…カウンター弁
40…充填ヘッド部
70…主液ライン
80…バルブ筺体
82…弁座
90…バルブ軸体
92…弁体部
200…充填用バルブユニットの不良部位検出用器具
210…容器状本体
211…胴部
212…開口部
220…圧力計
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填用バルブユニット内に用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる不良部位検出用器具であって、
該不良部位検出用器具は、内部空間を形成するように胴部および開口部を備える容器状本体と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部に直接または間接に取り付けられた圧力測定手段とを有し、
前記容器状本体の開口部は、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部と当接して密封シールができるようになっており、前記容器状本体の胴部の肉厚は少なくとも3mm以上であり、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定して弁部の不良部位を検出することができるようになっていることを特徴とする充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項2】
前記圧力測定手段は、(1)表示部位と測定部位が一体化されたもの、(2)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間が配線で接続されてなるもの、(3)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間がワイヤレス信号で接続されてなるもの、または(4)容器状本体からエア配管で延長された端部に形成されているもの、として構成されてなる請求項1に記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項3】
前記不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、ダイヤフラム弁であるカウンター弁、フラッシングリターン弁、スニフト弁を有するエアーオペレーションバルブユニットを備えるとともに、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができる構造であり、
前記フラッシング操作は、カウンターラインから容器内に置換用ガスを流入させて容器内を置換用ガスで置換させるとともに、容器内に貯留していた初期貯留ガスをフラッシングリターンラインから排出してなる操作であり、
前記カウンター操作は、置換ガスで置換された容器内圧力とカウンターラインからの圧力を同圧とするまでの操作であり、
前記飲料充填操作は、主液ラインから飲料を充填させるとともに、容器内に充填していた置換用ガスを飲料と置換するとともにカウンターラインからフィラーチャンバーに戻す操作であり、
前記スニフト操作は、容器ヘッドスペースに残存する置換用ガスの一部をスニフトラインから排出させて容器ヘッドスペース圧力を大気圧と同圧にする操作である請求項1または請求項2に記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項4】
前記不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、飲料充填操作に用いられる少なくとも1つの動作機器を備え、該動作機器は、飲料を充填する際に充填ヘッド部を容器口に当接させるための容器口シール開閉用昇降装置と、飲料が容器内に流入して飲料が充填できるようにするための液弁開閉用の昇降装置の少なくとも1つである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項5】
前記検査の対象となる充填用バルブユニットは、バルブ筐体と、このバルブ筐体の内部の軸方向に沿って装着されるバルブ軸体とを備え、
前記バルブ筐体の内周面には弁座が形成され、前記バルブ軸体の外周部には弁体部が形成され、前記バルブ軸体は、前記液弁開閉用昇降装置により軸方向に上下動可能な機構を有していることにより、充填用バルブユニットの充填バルブ軸体を任意に可動させて弁座と弁体部の離接による弁の開閉ができるようになっている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具を用いた充填用バルブユニットの不良部位検出方法であって、
該検出方法は、不良部位検出用器具の容器状本体の開口部と、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部とを当接させて密封シールさせた後、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定し、所望の圧力値が得られるか否かの判断によって弁部の不良部位を検出してなることを特徴とする充填用バルブユニットの不良部位検出方法。
【請求項7】
飲料充填操作ができない状態で、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「開」、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「閉」、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「閉」の状態とし、カウンターラインから不良部位検出用器具に置換用ガスを流入させた状態で器具内の圧力を測定する第1の測定工程と、
前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第2の測定工程と、
前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第3の測定工程と、
を有してなる請求項6に記載の充填用バルブユニットの不良部位検出方法。
【請求項1】
充填用バルブユニット内に用いられている複数の弁部の不良部位を検出するために用いられる不良部位検出用器具であって、
該不良部位検出用器具は、内部空間を形成するように胴部および開口部を備える容器状本体と、容器状本体の内部空間の内圧が測定できるように胴部に直接または間接に取り付けられた圧力測定手段とを有し、
前記容器状本体の開口部は、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部と当接して密封シールができるようになっており、前記容器状本体の胴部の肉厚は少なくとも3mm以上であり、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定して弁部の不良部位を検出することができるようになっていることを特徴とする充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項2】
前記圧力測定手段は、(1)表示部位と測定部位が一体化されたもの、(2)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間が配線で接続されてなるもの、(3)表示部位と測定部位が分離されており、両者の間がワイヤレス信号で接続されてなるもの、または(4)容器状本体からエア配管で延長された端部に形成されているもの、として構成されてなる請求項1に記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項3】
前記不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、ダイヤフラム弁であるカウンター弁、フラッシングリターン弁、スニフト弁を有するエアーオペレーションバルブユニットを備えるとともに、フラッシング操作、カウンター操作、飲料充填操作、スニフト操作ができる構造であり、
前記フラッシング操作は、カウンターラインから容器内に置換用ガスを流入させて容器内を置換用ガスで置換させるとともに、容器内に貯留していた初期貯留ガスをフラッシングリターンラインから排出してなる操作であり、
前記カウンター操作は、置換ガスで置換された容器内圧力とカウンターラインからの圧力を同圧とするまでの操作であり、
前記飲料充填操作は、主液ラインから飲料を充填させるとともに、容器内に充填していた置換用ガスを飲料と置換するとともにカウンターラインからフィラーチャンバーに戻す操作であり、
前記スニフト操作は、容器ヘッドスペースに残存する置換用ガスの一部をスニフトラインから排出させて容器ヘッドスペース圧力を大気圧と同圧にする操作である請求項1または請求項2に記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項4】
前記不良部位検出対象となる充填用バルブユニットは、飲料充填操作に用いられる少なくとも1つの動作機器を備え、該動作機器は、飲料を充填する際に充填ヘッド部を容器口に当接させるための容器口シール開閉用昇降装置と、飲料が容器内に流入して飲料が充填できるようにするための液弁開閉用の昇降装置の少なくとも1つである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項5】
前記検査の対象となる充填用バルブユニットは、バルブ筐体と、このバルブ筐体の内部の軸方向に沿って装着されるバルブ軸体とを備え、
前記バルブ筐体の内周面には弁座が形成され、前記バルブ軸体の外周部には弁体部が形成され、前記バルブ軸体は、前記液弁開閉用昇降装置により軸方向に上下動可能な機構を有していることにより、充填用バルブユニットの充填バルブ軸体を任意に可動させて弁座と弁体部の離接による弁の開閉ができるようになっている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の充填用バルブユニットの不良部位検出用器具を用いた充填用バルブユニットの不良部位検出方法であって、
該検出方法は、不良部位検出用器具の容器状本体の開口部と、充填用バルブユニットに備え付けられた充填ヘッド部とを当接させて密封シールさせた後、充填用バルブユニットの弁作動に基づく容器状本体の内部空間の内圧を圧力測定手段により測定し、所望の圧力値が得られるか否かの判断によって弁部の不良部位を検出してなることを特徴とする充填用バルブユニットの不良部位検出方法。
【請求項7】
飲料充填操作ができない状態で、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「開」、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「閉」、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「閉」の状態とし、カウンターラインから不良部位検出用器具に置換用ガスを流入させた状態で器具内の圧力を測定する第1の測定工程と、
前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのフラッシングリターン弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第2の測定工程と、
前記第1の測定工程の状態から、エアーオペレーションバルブユニットのカウンター弁を「閉」の状態し、次いで、エアーオペレーションバルブユニットのスニフト弁を「開」の状態とし、器具内の圧力を測定する第3の測定工程と、
を有してなる請求項6に記載の充填用バルブユニットの不良部位検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−298382(P2006−298382A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117933(P2005−117933)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000253503)麒麟麦酒株式会社 (247)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000253503)麒麟麦酒株式会社 (247)
【出願人】(392032100)キリンエンジニアリング株式会社 (54)
【Fターム(参考)】
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