説明

充放電システムの絶縁監視装置

【課題】太陽光パネル11で発電した電力をバッテリ15に蓄電し、更にバッテリ15に蓄電した電力を用いて負荷12を作動させる充放電システムの絶縁状態を高精度に監視する絶縁監視装置を提供する。
【解決手段】太陽光パネル11とバッテリ15との間、及び負荷12とバッテリ15との間に切り替え部16を設け、該切り替え部16を操作することにより、充電状態、放電状態、及び中立状態のうちのいずれかを選択する。また、切り替え部16とバッテリ15を接続する電線L1,L2に直流用の電流センサ14を設置し、該電流センサ14により電線L1,L2に流れる電流を検出する。そして、この検出電流に基づいて、地絡の発生を検出し、地絡が検出されたときの切り替え部16の接続位置に応じて、地絡の発生箇所を特定する。従って、地絡が発生した場合には、即時に発生箇所を認識することができ、迅速な対応を採ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電機で発電される直流電力をバッテリに充電し、該バッテリに充電された電力を負荷に供給して該負荷を駆動する充放電システムに係り、特に、絶縁状態の劣化を監視する絶縁監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然エネルギーを利用した発電機の開発が進む中で、太陽光パネルを用いた充放電システムの普及が高まっている。太陽光パネルを用いた充放電システムは、発電した電力をバッテリ(蓄電手段)に充電し、その後バッテリに充電された電力を各種の負荷に供給することにより、該負荷を作動させるようにしている。例えば、昼間時には太陽光パネルで発電される電力をバッテリに充電し、夜間時に該バッテリに蓄電した電力を利用して車両用バッテリの充電用の電力として用いている。
【0003】
このような充放電システムにおいては、太陽光パネル、負荷、バッテリ、或いはこれらを接続する各種機器に地絡(漏電、絶縁不良)が発生する場合があり、地絡の発生時には即時にこれを検出してバッテリを遮断する等の対応を取る必要がある。そこで、従来よりバッテリと電力変換器の間に直流地落検出器を設け、バッテリの出力側の回路の地落を検出し、地落が発生した場合にバッテリの接続回路を遮断する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−245185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来例は、バッテリと電力変換器との間での地落を検出することができるものの、システム全体での絶縁状態を監視することができないという欠点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、発電機で発電した電力を蓄電手段に蓄電し、該蓄電手段に蓄電した電力を用いて負荷を作動させる充放電システムの絶縁状態を高精度に監視することが可能な充放電システムの絶縁監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、発電した電力を直流電力として出力する直流電源(例えば、太陽光パネルの出力、或いは風力発電機で発電した電力を整流した直流電力等)と、該直流電源より出力される直流電力を蓄電する蓄電手段(例えば、バッテリ15)と、該蓄電手段に蓄電された電力が供給されて作動する負荷を備えた充放電システムの、絶縁状態を監視する絶縁監視装置において、前記直流電源と前記蓄電手段とを接続する電線、及び前記蓄電手段と前記負荷を接続する電線の少なくとも一方に流れる電流を検出する直流電流検出手段(例えば、電流センサ14)と、前記直流電流検出手段で検出される電流に基づいて、前記直流電源及び前記負荷のうち少なくとも一方の絶縁状態を監視する絶縁状態監視手段(例えば、制御装置13)と、前記絶縁監視手段にて、前記直流電源、或いは前記負荷の絶縁状態が不良であると判定された場合に警報信号を出力する警報手段(例えば、CPU21)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記蓄電手段の接続端子を、前記直流電源、または前記負荷に択一的に接続する切り替え手段(例えば、切り替え部16)を更に備え、前記切り替え手段と前記接続端子とを接続する電線(例えば、L1,L2)に、前記直流電流検出手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記蓄電手段の接続端子を、前記直流電源、前記負荷、及び前記直流電源と前記負荷のいずれにも接続されない中立位置、のうちのいずれか一つに接続する切り替え手段(例えば、切り替え部16)を更に備え、前記切り替え手段と前記接続端子とを接続する電線(例えば、L1,L2)に、前記直流電流検出手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記絶縁状態監視手段は、前記切り替え手段が前記中立位置に接続されているときの、前記直流電流検出手段で検出される電流に基づいて、前記切り替え手段の絶縁状態を判断することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記直流電源は、太陽光パネルであり、前記切り替え手段は、前記太陽光パネル近傍の照度に応じて、前記太陽光パネルと前記蓄電手段との接続、または、前記負荷と前記蓄電手段との接続のいずれかを選択することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る充放電システムの絶縁監視装置では、直流電源(例えば、太陽光パネル11)と蓄電手段(例えば、バッテリ15)とを接続する電線、及び蓄電手段と負荷を接続する電線の少なくとも一方に流れる電流を検出する直流電流検出手段を設け、該直流電流検出手段にて検出される電流に基づいて、地絡(絶縁不良)を検出する。従って、地絡が発生した場合には、充放電システム内での地絡した箇所を容易に特定することができ、地絡に対する対処を迅速に行うことができる。また、一つの電流センサ、及び一つの絶縁状態監視手段によりシステム全体の地絡を検出することができるので、装置構成を小規模化することができ、且つ全体のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る絶縁監視装置が適用される充放電システムの構成を示すブロックである。
【図2】本発明の一実施形態に係る絶縁監視装置の、制御装置の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る絶縁監視装置の、処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る絶縁監視装置の、処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁監視装置が設けられた充放電システムの構成を示すブロックである。図示のように、この充放電システムは、例えば、一般家庭等に設けられる太陽光パネル11(直流電源)と、該太陽光パネル11で発電された直流電力を充電するバッテリ(蓄電手段)15と、該バッテリ15に充電された電力により駆動する負荷12と、太陽光パネル11とバッテリ15との接続、或いは負荷12とバッテリ15との接続、或いは中立点とバッテリ15の接続、のいずれか一つが選択されるように切り替える切り替え部16(切り替え手段)と、を有している。
【0015】
また、切り替え部16とバッテリ15を接続する電線L1,L2には、該電線L1,L2に流れる直流電流In,Ipを検出する電流センサ14(直流電流検出手段)が設けられており、該電流センサ14は、制御装置13(絶縁状態監視手段)に接続されている。電線L1は、バッテリ15のマイナス端子に接続され、電線L2は、バッテリ15のプラス端子に接続されている。
【0016】
負荷12は、例えば、家電製品や電気自動車等であり、バッテリ15より出力される直流電力が供給されて駆動する。なお、負荷12が交流負荷である場合には、バッテリ15との間に直流電力を交流電力に変換するためのインバータ装置(図示省略)等を設けるようにしても良い。
【0017】
切り替え部16は、互いに連動して作動する2つのスイッチSW1,SW2を備えており、制御装置13の制御により、3つのポジションに切り替えることが可能とされている。即ち、接点a1とa4が接続され、接点b1とb4が接続される充電状態、接点a2とa4が接続され、接点b2とb4が接続される中立状態、接点a3とa4が接続され、接点b3とb4が接続される放電状態のうちのいずれかの状態が選択されて接続される。
【0018】
充電状態が選択された場合には、太陽光パネル11とバッテリ15が接続されて、該太陽光パネル11で発電された直流電力が電線L1,L2を介してバッテリ15に供給され、該バッテリ15を充電する。
【0019】
放電状態が選択された場合には、負荷12とバッテリ15が接続されて、該バッテリ15に充電されている直流電力が電線L1,L2を介して負荷12に供給されて、該負荷12を駆動可能状態とする。
【0020】
中立状態が選択された場合には、バッテリ15の2つの接続端子(+、−)は、太陽光パネル11及び負荷12のいずれにも接続されない中立状態となる。
【0021】
以下、図2に示すブロック図を参照して、電流センサ14及び制御装置13の詳細について説明する。図2に示すように、電流センサ14は、検出コイル32と励磁コイル31を備えている。検出コイル32は、中央開口部(図示省略)を有する円形状を有しており、中央部に電線L1,L2を挿通させる。更に、検出コイル32に励磁コイル31を巻回した状態で該励磁コイル31に電流を流して、検出コイル32を励磁させる。その結果、電線L1に流れる電流と、電線L2に流れる電流の差分となる直流電流を検出することができる。
【0022】
また、制御装置13は、励磁コイル31を励磁するための励磁信号を生成して出力する処理を含む総括的な制御を行うCPU21と、該CPU21で生成された励磁信号の高周波成分を除去するローパスフィルタ22と、該ローパスフィルタ22より出力される励磁信号を増幅するアンプ23、及び該アンプ23で増幅された励磁信号を出力して、電流センサ14の励磁コイル31に供給する励磁出力部24を備えている。
【0023】
更に、制御装置13は、電流センサ14の検出コイル32で検出される電流信号を入力する検出信号入力部27と、CPU21より出力される励磁信号に基づいて、検出信号入力部27にて入力された検出信号を同期検波する同期検波部26と、同期検波部26より出力される検出信号の高周波成分を除去するローパスフィルタ25を備えている。
【0024】
そして、CPU21は、ローパスフィルタ25より出力される検出信号に基づいて、図1に示した電線L1,L2に流れる電流を検出する。詳細には、電線L1に流れる電流Inと電線L2に流れる電流Ipの差分となる電流を検出する。
【0025】
また、CPU21は、切り替え部16にスイッチ制御信号を出力して、各スイッチSW1,SW2の接続状態を前述した充電状態、放電状態、中立状態のいずれかの状態に切り替える処理を実行する。例えば、太陽光パネル11の近傍に照度センサ(図示省略)を設置し、該照度センサにより昼間時であると判断された場合には、スイッチSW1,SW2をそれぞれ、a1,b1側に接続して充電状態とし、夜間時であると判断された場合には、スイッチSW1,SW2をそれぞれ、a3,b3側に接続して放電状態とするように制御する。また、予め設定した時刻となった場合(例えば、1時間毎に設定される時刻)や、操作者による切り替え操作が行われた場合には、スイッチSW1,SW2をそれぞれ、a2,b2側に接続して中立状態とするように制御する。
【0026】
更に、CPU21は、検出コイル32で検出される電流に基づき、予め設定した閾値電流(例えば、10mA)以上の電流が検出された場合には、充放電システムのいずれかの箇所で地絡(絶縁状態が不良)が発生しているものと判断し、上位システム等に警報信号を出力する処理を実行する。つまり、充放電システムにて地絡が発生していない場合には、電線L1に流れる電流Inと電線L2に流れる電流Ipは等しくなるので、電流センサ14で検出される電流値は、各電流In,Ipが相殺されてほぼゼロとなる。これに対して、電流センサ14にて電流が検出されるということは、マイナス端子に流れる電流Inとプラス端子に流れる電流Ipのバランスがとれていないということであり、いずれかの箇所で地絡が発生しているものと判断する。本実施形態では、電流センサ14にて10mA以上の電流が検出された場合に、地絡が発生しているものと判断する。即ち、CPU21は、絶縁状態監視手段にて、直流電源、或いは負荷の絶縁状態が不良であると判定された場合に警報信号を出力する警報手段としての機能を備える。なお、地絡と判定する電流は10mAに限定されるものではない。また、上位システムとは、例えば、充放電システムと離間した場所に設けられ、データ通信にて警報信号を受信して充放電システム全体を監視するシステムである。
【0027】
また、CPU21は、地絡が発生していると判断した際に、図1に示す切り替え部16のスイッチSW1,SW2がa1,b1側に接続されている場合(充電状態)には、太陽光パネル11に地落(電流I1)が発生しているものと判断し、SW1,SW2がa3,b3に接続されている場合(放電状態)には、負荷12に地落(電流I2)が発生しているものと判断する。更に、SW1,SW2がa2,b2に接続されている場合(中立状態)には、切り替え部16に地落(電流I3)が発生しているものと判断する。
【0028】
次に、上述のように構成された本実施形態に係る絶縁監視装置の作用について説明する。図3,図4は、制御装置13のCPU21による処理手順を示すフローチャートである。
【0029】
初めに、CPU21は、予め設定した所定の検査タイミングであるか否かを判断する(ステップS11)。この検査タイミングは、例えば、1日に1回の指定時刻や1時間間隔等として決められており、この検査タイミングである場合には(ステップS11でYES)、図4に示すステップS31の処理に進む。
【0030】
そして、検査タイミングでない場合には(ステップS11でNO)、CPU21は、電流センサ14にてバッテリ15に接続された電線L1,L2に流れる電流(IpとInの差分となる電流)を検出する(ステップS12)。
【0031】
CPU21は、電流センサ14で検出される電流が10mA以上であり、且つこの電流が5秒以上継続したか否かを判定する(ステップS13)。そして、10mA以上の電流が5秒以上継続していないと判定された場合には(ステップS13でNO)、本処理を終了する。
【0032】
他方、10mA以上の電流が5秒以上継続したと判定された場合には(ステップS13でYES)、切り替え部16のスイッチSW1,SW2が、太陽光パネル11側に接続されているか否かを判定する(ステップS14)。即ち、スイッチSW1,SW2が、それぞれa1,b1側に接続されているか否かを判定する。
【0033】
そして、太陽光パネル11側に接続されていると判定された場合には(ステップS14でYES)、太陽光パネル11にて地落が発生しているものと判定し(ステップS16)、上位システムにこの旨を報知するための警報信号を出力する。
【0034】
他方、太陽光パネル11側に接続されていないと判定された場合には(ステップS14でNO)、切り替え部16のスイッチSW1,SW2が、負荷12側に接続されているか否かを判定する(ステップS15)。即ち、スイッチSW1,SW2が、それぞれa3,b3側に接続されているか否かを判定する。
【0035】
そして、負荷12側に接続されていると判定された場合には(ステップS15でYES)、負荷12にて地落が発生しているものと判定し(ステップS17)、上位システムにこの旨を報知するための警報信号を出力する。
【0036】
また、所定の検査タイミングである場合には(ステップS11でYES)、各スイッチSW1,SW2を中立点に切り替える。即ち、スイッチSW1,SW2が、それぞれa2,b2に接続されるように切り替える(図4のステップS31)。
【0037】
その後、電流センサ14による電流検出を行い(ステップS32)、電流センサ14で検出される電流が10mA以上であり、且つこの電流が5秒以上継続したか否かを判定する(ステップS33)。そして、10mA以上の電流が5秒以上継続していないと判定された場合には(ステップS33でNO)、本処理を終了する。また、10mA以上の電流が5秒以上継続していると判定された場合には(ステップS33でYES)、切り替え部16にて地絡が発生しているものと判定し(ステップS34)、上位システムにこの旨を報知するための警報信号を出力する。
【0038】
こうして、太陽光パネル11側、負荷12側、或いは切り替え部16のいずれかにて地絡が発生した場合には、地絡位置を特定した上で地絡が発生したことを操作者に通知することができるのである。
【0039】
このようにして、本実施形態に係る充放電システムの絶縁監視装置では、バッテリ15のプラス端子、及びマイナス端子に接続される電線L1,L2に流れる電流In,Ipを直流の電流センサ14で検出し、検出された電流が10mAであり、且つこの電流が5秒以上継続して流れた場合には、充放電システムのいずれかの箇所で地絡が発生しているものと判断する。更に、スイッチSW1,SW2の接続状態により、地絡の発生箇所が太陽光パネル11側であるか、負荷12側であるか、或いは切り替え部16であるかを特定することができる。
【0040】
従って、地絡が発生した場合には、地絡の発生箇所を特定して操作者に通知することができ、地絡が発生した場合には即時にこの問題に対処することができる。また、一つの電流センサ14、及び制御装置13で充放電システム全体の地絡状態を監視することができるので、システム全体の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、照度センサを用いて昼間時には充電状態とし、夜間時には放電状態とする場合について説明したが、照度センサを使用せず、現在時刻で充電、放電を切り替えることも可能である。例えば、午前6時となったら充電状態に切り替え、午後6時となったら放電状態に切り替えるようにすることも可能である。
【0042】
また、上記した実施形態では、直流電源として、太陽光パネル11を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、自然エネルギーを利用して発電した電力を直流電力として出力する直流電源について適用することができる。例えば、風力発電で発電される交流電力を直流電力に変換して出力する電源(直流電源)を用いることも可能である。
【0043】
更に、上記した実施形態では、切り替え部16を用いて、充電状態と放電状態を切り替える例について説明したが、太陽光パネル11とバッテリ15を電線を用いて直接接続し、且つバッテリ15と負荷12を電線を用いて直接接続する構成とし、各電線に流れる直流電流を検出することにより、太陽光パネル11側に発生する地絡、或いは負荷12側に発生する地絡を検出するように構成しても良い。
【0044】
また、上述した実施形態では、切り替え部16が充電状態(a1,b1の接続)、放電状態(a3,b3の接続)、及び中立状態(a2,b2の接続)の3つのポジションに選択可能とする例について説明したが、切り替え部16の絶縁状態を監視する必要がなければ、充電状態と放電状態の2つのうちのいずれかに切り替える構成とすることも可能である。
【0045】
更に、上述した実施形態では、バッテリ15のプラス端子に接続される電線L2、及びマイナス端子に接続される電線L1に流れる電流Ip,Inに基づいて、地絡を検出する構成としたが、バッテリ15とグランドとの間に接地線を設け、該接地線に電流センサを設けることにより、バッテリ15の地絡電流I4を検出する構成とすることも可能である。この場合には、バッテリ15自体に地絡電流I4が流れたことを検出することができ、より広範囲に地絡を検出することが可能となる。
【0046】
以上、本発明の充放電システムの絶縁監視装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、バッテリに電力を蓄電して負荷を駆動する充放電システムの絶縁状態を監視することに利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
11 太陽光パネル(直流電源)
12 負荷
13 制御装置
14 電流センサ(電流検出手段)
15 バッテリ(蓄電手段)
16 切り替え部(切り替え手段)
21 CPU
22 LPF
23 アンプ
24 励磁出力部
25 LPF
26 同期検波部
27 検出信号入力部
31 励磁コイル
32 検出コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電した電力を直流電力として出力する直流電源と、該直流電源より出力される直流電力を蓄電する蓄電手段と、該蓄電手段に蓄電された電力が供給されて作動する負荷を備えた充放電システムの、絶縁状態を監視する絶縁監視装置において、
前記直流電源と前記蓄電手段とを接続する電線、及び前記蓄電手段と前記負荷を接続する電線の少なくとも一方に流れる電流を検出する直流電流検出手段と、
前記直流電流検出手段で検出される電流に基づいて、前記直流電源及び前記負荷のうち少なくとも一方の絶縁状態を監視する絶縁状態監視手段と、
前記絶縁監視手段にて、前記直流電源、或いは前記負荷の絶縁状態が不良であると判定された場合に警報信号を出力する警報手段と、
を備えたことを特徴とする充放電システムの絶縁監視装置。
【請求項2】
前記蓄電手段の接続端子を、前記直流電源、または前記負荷に択一的に接続する切り替え手段を更に備え、前記切り替え手段と前記接続端子とを接続する電線に、前記直流電流検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の充放電システムの絶縁監視装置。
【請求項3】
前記蓄電手段の接続端子を、前記直流電源、前記負荷、及び前記直流電源と前記負荷のいずれにも接続されない中立位置、のうちのいずれか一つに接続する切り替え手段を更に備え、前記切り替え手段と前記接続端子とを接続する電線に、前記直流電流検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の充放電システムの絶縁監視装置。
【請求項4】
前記絶縁状態監視手段は、前記切り替え手段が前記中立位置に接続されているときの、前記直流電流検出手段で検出される電流に基づいて、前記切り替え手段の絶縁状態を判断することを特徴とする請求項3に記載の充放電システムの絶縁監視装置。
【請求項5】
前記直流電源は、太陽光パネルであり、前記切り替え手段は、前記太陽光パネル近傍の照度に応じて、前記太陽光パネルと前記蓄電手段との接続、または、前記負荷と前記蓄電手段との接続のいずれかを選択することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の充放電システムの絶縁監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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