説明

充放電制御装置及び充放電制御方法

【課題】電池の保存劣化を考慮することにより、電池寿命制御の精度を向上させることができる、充電制御装置、及び、充電制御方法を提供すること。
【解決手段】充放電制御装置100において、スケジューリング部104は、許容保管時間に基づいて決定された、複数の二次電池のそれぞれの充電優先度に基づいて、各二次電池に対して充電リソースを割り当てる。許容保管時間は、許容保管時間算出部102にて、許容SOH劣化量と、車両が運行計画に従って運行されるために充電処理終了時点において必要なSOC値と、当該必要SOC値に対応する、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて算出される。許容SOH劣化量は、許容SOH劣化量算出部101にて、算出時のSOH値、車両が運行計画に従って運行された場合に二次電池が劣化する予想SOH劣化量、及び算出対象期間終了時点におけるSOHターゲット値に基づいて算出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電制御装置及び充放電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境にやさしい車両として、電気自動車、ハイブリッド自動車、および燃料電池自動車などが注目を浴びている。これらの車両は、蓄電装置を搭載すると共に、駆動装置としてモータを搭載する。これらの車両の内、電気自動車においては、搭載される蓄電装置に対する充電は、外部から行われる。また、ハイブリッド自動車においても、搭載される蓄電装置に対して外部から充電可能な構成を有する車両が、開発されている。
【0003】
また、電気自動車等に搭載される蓄電装置としては、ニッケル水素電池あるいはリチウムイオン電池等の二次電池が使用される。そして、電気自動車等に搭載される二次電池における劣化の程度を算出するための技術が、知られている。また、電気自動車等に搭載される二次電池における劣化の要因としては、主に、走行による充放電、又は、充電後の放置であることが知られている。ここで、走行時の充放電による二次電池の劣化は、「サイクル劣化」に分類される一方、充電後の放置による二次電池の劣化は、「保存劣化」に分類される。
【0004】
特許文献1には、複数の電気自動車等のそれぞれに搭載される二次電池の寿命を制御する技術が開示されている。ここで着目されているのは、上記した「サイクル劣化」である。具体的には、特許文献1に開示されている車両運行制御システムは、管理センタと、複数の車両とから構成される。管理センタは、複数の走行路のそれぞれによる電池寿命への負荷を演算する負荷演算部と、各車両の運行パターンを設定する運行パターン演算部とから構成される。各車両の運行パターンは、走行路の組み合わせによって設定される。運行パターン演算部は、負荷演算部によって演算された各走行路の電池寿命への負荷に基づいて、複数の車両のそれぞれに搭載された二次電池の電池寿命が尽きる時期を分散させるように、運行パターンを設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−296837号公報
【特許文献2】特開2006−112932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の二次電池に対する充放電制御方法においては、「サイクル劣化」を要因とする二次電池の劣化を制御しているが、「保存劣化」を考慮していないため、二次電池の寿命制御の精度が上がらない可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、電池の保存劣化を考慮することにより、電池寿命制御の精度を向上させることができる、充放電制御装置、及び、充放電制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の充放電制御装置は、複数の車両のそれぞれに1つずつ搭載された二次電池のそれぞれについて、対象期間において車両が放置されることによる二次電池の保存劣化に対して許容される二次電池のSOH(state of health)の劣化量である許容SOH劣化量を、算出時のSOH値、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行された場合に二次電池が劣化する予測SOH劣化量、及び、前記対象期間終了時点におけるSOHターゲット値に基づいて算出する許容SOH劣化量算出手段と、前記算出された許容SOH劣化量と、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行されるために充電処理終了時点において必要なSOC(state of charge)値と、前記必要なSOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて、各二次電池の許容保管時間を算出する許容保管時間算出手段と、前記算出された許容保管時間に基づいて、各二次電池の充電優先度を決定する優先度決定手段と、前記決定された充電優先度の高い方から順番に、各二次電池に対して充電リソースを割り当てるスケジューラと、を具備する。
【0009】
本発明の一態様の充放電制御方法は、複数の車両のそれぞれに1つずつ搭載された二次電池のそれぞれについて、対象期間において車両が放置されることによる二次電池の保存劣化に対して許容される二次電池のSOH(state of health)の劣化量である許容SOH劣化量を、算出時のSOH値、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行された場合に二次電池が劣化する予測SOH劣化量、及び、前記対象期間終了時点におけるSOHターゲット値に基づいて算出し、前記算出された許容SOH劣化量と、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行されるために充電処理終了時点において必要なSOC(state of charge)値と、前記必要なSOC値に対応する、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて、各二次電池の許容保管時間を算出し、前記算出された許容保管時間に基づいて、各二次電池の充電優先度を決定し、前記決定された充電優先度に基づいて、各二次電池に対して充電リソースを割り当てる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電池の保存劣化を考慮することにより、電池寿命制御の精度を向上させることができる、充放電制御装置、及び、充放電制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る充放電制御装置の主要構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態に係る充放電制御装置の構成を示すブロック図
【図3】業務情報の一例を示す図
【図4】充放電制御装置の動作説明に供するフロー図
【図5】車両情報の詳細を示す図
【図6】運行計画の一例を示す図
【図7】予測SOH劣化量の詳細を示す図
【図8】償却計画の詳細を示す図
【図9】充放電制御の指標としての許容SOH劣化量の説明に供する図
【図10】充放電制御の説明に供する図
【図11】許容保管時間算出部の処理の説明に供する図
【図12】スケジューリング部による充放電スケジューリング演算の説明に供する図
【図13】充放電スケジュールの演算結果を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[充放電制御装置100の主要構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る充放電制御装置100の主要構成を示す。図1の充放電制御装置100において、許容SOH劣化量算出部101は、充放電制御対象である任意の二次電池について、算出対象期間において「保存劣化」に対して許容される二次電池の劣化量(以下では、「許容SOH劣化量」と呼ばれることがある)を算出する。
【0014】
算出対象期間は、期間の始点である第1タイミング(例えば、許容SOH劣化量の算出時点(つまり、現時点))から、当該第1タイミングより後であり且つ期間の終点である第2タイミング(例えば、翌日の終了時点)までの期間である。
【0015】
許容SOH劣化量は、第1タイミングにおけるSOHを示す値(以下では、「現SOH値」と呼ばれることがある)、「予測SOH劣化量」、及び、「SOHターゲット値」に基づいて算出される。ここで、「予測SOH劣化量」は、算出対象期間において算出対象である任意の二次電池が劣化する劣化量の予測値である。また、「SOHターゲット値」は、第2タイミングにおけるSOHの目標値であり、「償却計画」によって特定される。
【0016】
具体的には、許容SOH劣化量算出部101は、現SOH値から予測SOH劣化量を引き算することにより、「サイクル劣化」だけに着目した場合に第2タイミングにおいて予想されるSOH値(以下では、「予測SOH値」と呼ばれることがある)を算出する。そして、許容SOH劣化量算出部101は、予測SOH値からSOHターゲット値を引き算することにより、許容SOH劣化量を算出する。すなわち、許容SOH劣化量は、負の値も取り得る。
【0017】
上記した許容SOH劣化量の算出は、充放電制御対象である二次電池のすべてについて行われる。
【0018】
ここで、SOH(State Of Health)値とは、二次電池の初期の満充電容量に対するある時点での満充電容量の割合を表した数値である。つまり、SOH(State Of Health)値は、二次電池の寿命を表す値として用いられる。
【0019】
許容保管時間算出部102は、許容SOH劣化量と、「必要SOC値」と、必要SOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて、許容保管時間(つまり、算出対象である二次電池の充電後に当該二次電池が搭載された車両を放置できる時間、換言すると、車両が運行されずに保管されることが可能な時間)を算出する。「必要SOC値」は、算出対象期間における運行計画に従って運行するために、充電処理終了時点において必要なSOCの値である。ここで、許容保管時間算出部102は、二次電池のSOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係を示すデータを記憶している。
【0020】
なお、当該対応関係を示すデータは、複数の、SOC値に応じた経過時間とSOH劣化量との対応関係を含む。すなわち、必要SOC値に応じた経過時間とSOH劣化量との対応関係は、許容保管時間算出部102が記憶しているデータに含まれる複数の対応関係のうちの、一つの対応関係である。当該対応関係を示すデータは、あらかじめ許容保管時間算出部102が保持していてもよいし、後から外部から入力されてもよい。
【0021】
上記した許容保管時間の算出は、充放電制御対象である二次電池のすべてについて行われる。
【0022】
ここで、SOC(State Of Charge)値とは、二次電池の満充電容量に対するある時点での残容量の割合を表した数値であり、従来のガソリン自動車におけるガソリン残量に相当する値である。
【0023】
充放電優先度決定部103は、充放電制御対象である二次電池それぞれについて算出された、許容保管時間に基づいて、充放電制御対象である二次電池の充放電優先度を決定する。
【0024】
スケジューリング部104は、充放電優先度決定部103において決定された充放電優先度に基づいて、充放電制御対象である二次電池に対して、「充放電リソース」を割り当てる。充放電リソースは、例えば、充電器識別番号と期間とによって規定される。すなわち、スケジューリング部104は、充放電リソースを割り当てる対象である二次電池に対してどの充電器のどの期間を割り当てるかを、決定する。この、充放電リソースを二次電池に対して割り当てた結果は、充放電スケジュール演算結果として出力される。
【0025】
[充放電制御装置100の構成]
図2は、本発明の一実施の形態に係る充放電制御装置100の構成を示す。図2において、充放電制御装置100は、許容SOH劣化量算出部101と、許容保管時間算出部102と、充放電優先度決定部103と、スケジューリング部104と、入力部105と、運行計画演算部106と、通信部107と、記憶部108と、予測SOH劣化量算出部109と、現SOH取得部110と、SOC管理部111と、出力部112とを有する。
【0026】
入力部105は、「業務情報」、「制約条件」、及び「償却計画」を入力するためのインタフェースである。業務情報は、運行計画演算部106へ出力され、制約条件及び償却計画は、記憶部108へ出力される。
【0027】
ここで、「業務情報」とは、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両それぞれの業務に関する情報である。例えば、業務情報には、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両の業務開始時刻、業務終了時刻、目的地、及び当該目的地への到着時刻が含まれる。図3は、業務情報の一例を示す。
【0028】
「制約条件」とは、充放電制御対象である二次電池を充電する際の、電圧・電流・時間などに制限を加える条件である。制約条件としては、例えば、充電設備の契約電力の上限値などが含まれる。
【0029】
「償却計画」とは、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両の償却計画である。この償却計画によって、充放電制御対象である二次電池を、いつまでにどれだけ劣化させるかが特定される。なお、この償却計画は、例えば新車購入時からの日数、月数、又は年数によって表されてもよいし、償却を終える時期を日付で表されてもよい。
【0030】
運行計画演算部106は、入力部105から出力された業務情報と、記憶部108に記憶された「車両情報」とを用いて、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両の「運行計画」を演算する。この運行計画は、業務情報とともに記憶部108へ出力される。
【0031】
ここで、「運行計画」とは、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両それぞれの運行計画である。「運行計画」には、例えば、各車両の業務開始時刻、業務で立ち寄る地点(経由地点)、経路情報、又は、その経路情報が示す経路上での地形などが含まれる。
【0032】
また、「車両情報」は、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両それぞれの識別情報、二次電池のSOC値、及びSOH値を、必須の情報として含む。図5は、車両情報の詳細を示す。
【0033】
通信部107は、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両それぞれと通信を行い、各車両から車両情報を受信する。この車両情報は、記憶部108へ出力される。通信部107と各車両との通信は、充電ケーブルを介しての電力線通信、又は、無線通信によって行われる。
【0034】
記憶部108は、車両情報、制約条件、運行計画、償却計画、及び業務情報を記憶する。
【0035】
予測SOH劣化量算出部109は、記憶部108から取得した運行計画に基づいて、予測SOH劣化量を算出し、算出された予測SOH劣化量を許容SOH劣化量算出部101へ出力する。この予測SOH劣化量の算出は、例えば、特許文献1に開示されている方法によって行われる。
【0036】
現SOH取得部110は、記憶部108から取得した車両情報に基づいて、当該車両情報に対応する車両が搭載する二次電池の現SOH値を取得し、取得された現SOH値を許容SOH劣化量算出部101へ出力する。
【0037】
SOC管理部111は、充放電制御対象である二次電池それぞれの現在のSOC情報を管理する。
【0038】
また、SOC管理部111は、記憶部108に記憶されている充放電制御対象である二次電池を搭載する車両の運行計画に基づいて、運行計画の実施するために必要な必要SOC値を算出する。この必要SOC値の算出は、例えば、特許文献2に開示されている方法によって行われる。特許文献2には、電気自動車に搭載されるナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置は、電気自動車の現在のSOC値によって目的地まで到達可能かを判断する。
【0039】
また、SOC管理部111は、算出された必要SOC値から現在のSOC値を引き算することにより、必要充放電量を算出する。例えば、運行計画実施に必要なSOC値が80、現在のSOC値が30であれば、その差分の50が必要充放電量となる。算出された必要SOC値は、許容保管時間算出部102へ出力され、必要充放電量は、スケジューリング部104へ出力される。
【0040】
許容SOH劣化量算出部101は、上述の通り、充放電制御対象である任意の二次電池についての許容SOH劣化量を算出する。許容SOH劣化量は、現SOH値、予測SOH劣化量、及び、SOHターゲット値に基づいて算出される。これにより、現状のSOH値とSOHターゲット値とのズレ量が反映された、充放電制御の指標を求めることができる。
【0041】
許容保管時間算出部102は、上述の通り、許容SOH劣化量と、必要SOC値と、必要SOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて、許容保管時間を算出する。
【0042】
充放電優先度決定部103は、上述の通り、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両それぞれについて算出された、許容保管時間に基づいて、充放電制御対象である複数の二次電池の充放電優先度を決定する。
【0043】
スケジューリング部104は、上述の通り、充放電優先度決定部103において決定された充放電優先度に基づいて、充放電制御対象である複数の二次電池に対して、充放電リソースを割り当てる。
【0044】
出力部112は、スケジューリング部104によって演算された充放電スケジュールの演算結果を出力する。この出力結果に基づき、実際の充放電処理が行われる。また、この出力結果は、充放電制御装置100の外部装置に表示されてもよい。
【0045】
[充放電制御装置100の動作]
以上の構成を有する充放電制御装置100の動作について説明する。
【0046】
まず、充放電制御装置100が含まれるシステムの一例について説明する。当該システムは、充放電制御装置100と複数の車両とを含む。各車両に対しては償却計画が設定される。また、各車両に対しては、車両所有者の業務に応じた運行計画も毎日設定される。そして、各車両は、この運行計画に基づいて、毎日の業務に使用される。
【0047】
充放電制御装置100は、毎日の業務終了後、業務時間外に用いられる。
【0048】
充放電制御装置100は、二次電池の保存劣化を考慮して、充放電制御対象である複数の二次電池に対して、充放電リソースを割り当てる。各車両は、割り当てられた充放電リソースを用いた二次電池の充放電が完了した後に、運行計画に従って業務に使用される。なお、これらの処理は、日々繰り返される。
【0049】
図4は、充放電制御装置100の動作説明に供するフローである。
【0050】
ステップS201において、通信部107は、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両それぞれから車両情報を受信し、記憶部108へ出力する。
【0051】
ステップS202において、SOC管理部111は、記憶部108から車両情報を取得し、充放電制御対象である二次電池の現SOC値を検出する。図5は、車両情報を示す。図5において、車両情報には、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両それぞれの識別情報、充放電制御対象である二次電池のSOC値、及びSOH値が含まれる。
【0052】
ステップS203において、SOC管理部111は、まず、記憶部108に記憶されている充放電制御対象である二次電池を搭載する車両の運行計画に基づいて、運行計画の実施するために必要な必要SOC値を算出する。そして、SOC管理部111は、算出された必要SOC値から現在のSOC値を引き算することにより、必要充放電量を算出する。
【0053】
ステップS204において、入力部105は、外部から業務情報、制約条件、及び償却計画の入力を受け付ける。そして、業務情報は、運行計画演算部106へ出力され、制約条件及び償却計画は、記憶部108へ出力される。
【0054】
ここで、業務情報、制約条件及び償却計画は、充放電制御処理の度に入力される必要はない。業務情報は、日単位で入力されることが多いが、これに限定されるものではなく、週単位又は月単位などの任意の間隔で入力されうる。また業務情報の単位は、入力間隔と同様でもよいが、異なっていても構わない。制約条件は、例えば初期設定時の一回だけの入力となることが多いが、これに限定されるものではなく、電力会社との契約変更があった際などの任意のタイミングにおいて入力されうる。償却計画は、車両購入時など車両あたり一回だけの入力となることが多いが、これに限定されるものではなく、計画変更が必要になった際などの任意のタイミングで入力されうる。入力がない場合には、既に記憶部108に保持されている業務情報、制約条件、及び償却計画が参照される。なお、業務情報、制約条件、及び償却計画の初期値が記憶部108に予め記憶されていてもよい。この場合には、入力部105からの入力は、必須ではない。
【0055】
ステップS205において、運行計画演算部106は、入力部105から出力された業務情報と、記憶部108に記憶された車両情報とを用いて、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両の運行計画を演算する。入力部105に対する業務情報の入力がなかった場合には、運行計画演算部106は、既に記憶部108に記憶されている業務情報を用いて、運行計画を演算する。図6は、運行計画の一例を示す。運行計画には、例えば、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両の業務開始時刻、業務で立ち寄る地点(経由地点)、経路情報、又は、その経路情報が示す経路上での地形などが含まれる。
【0056】
ステップS206において、現SOH取得部110は、記憶部108から取得した車両情報に基づいて、当該車両情報に対応する車両が搭載する二次電池現SOH値を検出し、検出された現SOH値を許容SOH劣化量算出部101へ出力する。
【0057】
ステップS207において、予測SOH劣化量算出部109は、記憶部105から取得した運行計画に基づいて、予測SOH劣化量を算出し、算出された予測SOH劣化量を許容SOH劣化量算出部101へ出力する。図7は、予測SOH劣化量の詳細を示す。ここで、一日当たりに二次電池のSOHが劣化する量は非常に小さいので、図7においては、一日当たりの劣化量を1000倍した数値が記載されている。
【0058】
ステップS208において、許容SOH劣化量算出部101は、充放電制御対象である任意の二次電池についての許容SOH劣化量を、現SOH値、予測SOH劣化量、及び、SOHターゲット値に基づいて算出する。SOHターゲット値は、償却計画によって特定される。
【0059】
図8は、償却計画の詳細を示す。図8Aには、償却計画のイメージが示されている。複数の車両(同図では、車両A,B,C)のそれぞれが搭載する二次電池は、初期時点(例えば、新車購入時)には、そのSOH値が100である。しかし、時間が経過するにつれて、そのSOH値は、徐々に減少する。一般的に、車両が搭載する二次電池は、SOH値が60になると、寿命が尽きたと扱われる。このため、ここでは、複数の車両のそれぞれが搭載する二次電池のSOH値が60になるまでの償却計画のイメージが示されている。
【0060】
図8Bには、償却計画の具体的な数値が示されている。図8Bにおいては、一日当たりのSOH劣化量が記載されている。この一日当たりのSOH劣化量は、SOH値の減少量40(100から60を引き算することによって得られる)を償却計画の日数によって割り算することにより、算出される。償却計画の日数は、償却計画として入力されている日数、月数、年数、日付などを、SOH値が100である日(例えば、新車購入時)からの日数に変換することによって得られる。ここで、一日当たりに二次電池のSOH値が減少する量は非常に小さいので、図8Bにおいては、一日当たりの劣化量を1000倍した数値が記載されている。図8Bに示される償却計画テーブルには、初期SOH値、償却時のSOH値、償却計画つまり償却にかける日数、一日当たりのSOH劣化量、残償却日数、及び翌日のSOH値が、各車両識別情報と対応付けられている。そして、残償却日数、及び、翌日のSOH値は、日々更新される。
【0061】
許容SOH劣化量算出部101によって算出された許容SOH劣化量は、充放電制御の指標として用いられる。
【0062】
図9は、充放電制御の指標としての許容SOH劣化量の説明に供する図である。図9において、L1は、車両Aが搭載する二次電池の償却計画を表し、L2は、車両Cが搭載する二次電池の償却計画を表す。図9は、図8Aに対応している。また、P1は、タイミング1における、車両Aが搭載する二次電池のSOH値を表し、P2は、タイミング1における、車両Cが搭載する二次電池のSOH値を表している。また、ターゲット1は、タイミング2における、車両Aにおける二次電池のSOHの目標値であり、ターゲット2は、タイミング2における、車両Cにおける二次電池のSOHの目標値である。ここで、タイミング1は、償却期間中のある一日を指しており、タイミング2は、タイミング1から少なくとも一日以上が経過した時点を指している。
【0063】
タイミング1において、車両Aが搭載する二次電池のSOH値は、償却計画L1よりもd分だけ低い値となっている。一方、タイミング1において、車両Cが搭載する二次電池のSOH値は、償却計画L2よりもd分だけ高い値となっている。この時、車両Cが搭載する二次電池充電を早めに完了し、保管して劣化を進める代わりに、車両Aが搭載する二次電池の充電完了後の保管時間を短くして、劣化を少しでも防ぐ、という処理が行われる。このように本実施の形態における充放電制御は、二次電池のある時点でのSOH値と、償却計画とを、一定期間ごとに比較し、そのズレを補正するために、各車両間で充電完了後の保管によるSOH値の劣化進行の調整を行うことを特徴とする。この考え方を、図10を用いて、タイミング1とタイミング2が二日以上離れている場合について、説明する。P1において、L1よりd1だけ低かった車両Aが搭載する二次電池のSOH値は、P1’においてはP1よりもL1に近づき、ターゲット1においてL1に戻っている。同様に、P2においてd2だけ高かった車両Cが搭載する二次電池のSOH値は、P2’においてP2よりもL2に近づき、ターゲット2においてL2に戻っている。このように、SOH値が償却計画からずれてしまっている二次電池について、複数の二次電池間で少しずつ調整し、最終的に二次電池の寿命が償却計画に則るよう、処理が行われる。
【0064】
図9に戻り、許容SOH劣化量の算出の説明を続ける。P1のSOH値から予測SOH劣化量が引き算されることにより、予測SOH値が算出され、さらに、算出された予測SOH値からターゲット1のSOH値が引き算されることにより、車両Aが搭載する二次電池の許容SOH劣化量が算出される。車両Cが搭載する二次電池の許容SOH劣化量も同様に求められる。例えば、現SOH値が84995、予測SOH劣化量が5、ターゲットのSOH値が84990である場合には、許容SOH劣化量は、84995−5−84990=0となる。ここで、算出された許容SOH劣化量が0より小さい値となった場合には、許容SOH劣化量算出部101は、ゼロ値を算出結果として許容保管時間算出部102へ出力する。
【0065】
ステップS209において、許容保管時間算出部102は、許容SOH劣化量と、必要SOC値と、必要SOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて、許容保管時間を算出する。
【0066】
図11は、許容保管時間算出部102の処理の説明に供する図である。図11Aには、充放電制御対象である二次電池を搭載する車両についての、許容SOH劣化量算出部101において算出された許容SOH劣化量及びSOC管理部111において算出された必要SOC値が示されている。
【0067】
また、図11Bには、必要SOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係が示されている。特に、図11Bには、電気自動車の二次電池として採用されることが多いリチウムイオン電池においての対応関係の一例が示されている。一般的に、リチウムイオン電池は、保管時のSOC値によって劣化特性が異なることが知られている。特に、SOC値が0又は100に近いほど劣化が進みやすく、SOC値が50周辺であるほど劣化が進みにくいことが知られている。
【0068】
車両Aの場合、図11Aに示されるように、許容SOH劣化量は20、必要SOC値(つまり保管時のSOC値)は60である。従って、図11Bに示される対応関係に基づいて、車両Aが搭載する二次電池は、SOC値が60である状態で保管されることが8時間まで許容される。同様に、車両Bが搭載する二次電池は4時間までの保管が許容され、車両Cが搭載する二次電池は6時間までの保管が許容される。
【0069】
ステップS210において、充放電優先度決定部103は、充放電制御対象である二次電池について算出された、許容保管時間に基づいて、充放電制御対象である二次電池の充放電優先度を決定する。充放電優先度は、許容保管時間の短いものほど高く設定される。前述したようにリチウムイオン電池は、保管時のSOC値に関わらず保管時間が長くなるほど劣化が進む。このため、劣化の進行を和らげるためにも、許容保管時間の短い二次電池から、充放電優先度が高く設定される。図11において説明した例では、車両A,B,Cそれぞれが搭載する二次電池の許容保管時間は、それぞれ8時間、4時間、6時間である。従って、充放電優先度の高い順番に、車両B、車両C、車両Aが搭載する二次電池となる。つまり、充放電優先度は、車両Aが搭載する二次電池が3、車両Bが搭載する二次電池が1、車両Cが搭載する二次電池が2となる。
【0070】
ステップS211において、スケジューリング部104は、充放電優先度決定部103において決定された充放電優先度及び制約条件に基づいて、充放電制御対象である二次電池に対して、充放電リソースを割り当てる。
【0071】
充放電リソースは、充放電優先度の高い二次電池から順番に割り当てられる。図11において説明した例では、車両Bが搭載する二次電池、車両Cが搭載する二次電池、車両Aが搭載する二次電池の順に、充放電リソースが割り当てられる。
【0072】
また、ステップS203においてSOC管理部111によって算出された必要SOC値については、車両Bが搭載する二次電池が80、車両Cが搭載する二次電池が80、車両Aが搭載する二次電池が60となる。そして、現在のSOC値については、車両Bが搭載する二次電池が40、車両Cが搭載する二次電池が45、車両Aが搭載する二次電池が30である(図5参照)。従って、ステップ203においてSOC管理部111によって算出された必要充放電量については、車両Bが搭載する二次電池が40、車両Cが搭載する二次電池が35、車両Aが搭載する二次電池が30である。また、ここで用いられる制約条件として、例えば、充電設備は契約電力によって同時に2つまでしか充電処理を行えないという条件が用いられる。この制約条件に従って、スケジューリング部104は、各車両が搭載する二次電池が充放電完了時に必要SOC値に達するように、各車両が搭載する二次電池に充放電リソースを割り当てる。
【0073】
図12は、スケジューリング部104による充放電リソースの割り当ての説明に供する図である。図12に示されるグラフは、充電時の電圧ごとの充電速度を示している。当該グラフの縦軸は、SOC値であり、横軸は、経過時間である。ここでは、充電時の電圧としては、100Vのみが使用されることを前提として説明する。ただし、一般的には、200V又は500V等において充電可能な機器も存在する。
【0074】
車両Bは、現在のSOC値が40、必要SOC値が80である。ここで、図12に示されるグラフから、車両Bが搭載する二次電池に対する充電処理に必要な時間を算出する。本実施例においては、100Vを使用することとしているので、グラフの100Vの曲線に注目する。該曲線において、SOC値が20から40になるまで充電にかかる時間は2時間であり、20から80になるまでの時間は8時間である。従って、SOC値が40から80まで充電するためには、8時間から2時間を引き算し、6時間必要なことが読み取れる。同様に、車両Cが搭載する二次電池に対する充電処理には、5.5時間必要であり、車両Aが搭載する二次電池に対する充電処理には、3時間必要である。
【0075】
上述のような方法で算出した、車両A,B,Cが搭載する二次電池の充放電優先度及び許容保管時間を(充放電優先度、許容保管時間(単位:時間))で表現すると、車両A:(3、8)、車両B:(1、4)、車両C:(2、6)となる。
【0076】
まず、充放電優先度が1である車両Bが搭載する二次電池に対して、最初に充放電リソース割り当てが行われる。上述の通り、車両Bが搭載する二次電池に対する充電処理に必要な時間は6時間であり、また、車両Bの業務開始時刻は8:00である(図6参照)。このため、業務開始時刻8:00に充電が完了するように、車両Bが搭載する二次電池に対しては、充電開始時刻として2:00が設定される。
【0077】
次に、充放電優先度が2である車両Cが搭載する二次電池に対して、充放電リソース割り当てが行われる。車両Cが搭載する二次電池に対する充電処理に必要な時間は5.5時間であり、また、車両Cの業務開始時刻は8:00である(図6参照)。このため、業務開始時刻8:00に充電が完了するように、車両Cが搭載する二次電池に対しては、充電開始時刻として2:30が設定される。
【0078】
ここで、制約条件として、同時に2台までしか充電処理を行えないという条件が用いられる。車両B及び車両Cが搭載する二次電池に対する充電が行われる時間は、2:30から8:00までの時間帯で重複しているものの、制約条件には合致している。このため、車両B及び車両Cが搭載する二次電池に対する充電は問題なく実行される。また、車両B及び車両Cの両方ともに、搭載する二次電池の充電後の保管時間はゼロ時間である。従って、この充電後の保管時間は許容保管時間より短い時間となるので、車両B及び車両Cが搭載する二次電池の充放電リソースの割り当てには問題がない。
【0079】
次に、充放電優先度が3である車両Aが搭載する二次電池に対して、充放電リソース割り当てが行われる。車両Aが搭載する二次電池に対する充電処理に必要な時間は3時間であり、また、車両Aの業務開始時刻は8:00である(図6参照)。車両Bが搭載する二次電池及び車両Cが搭載する二次電池の両方が2:30から8:00までの時間帯において同時に充電処理を行っているので、制約条件に従えば、2:30以降に車両Aが搭載する二次電池に対して充電処理を行うことはできない。従って、車両Aが搭載する二次電池に対しては、スケジューリング部104は、同時に充電処理を行っている二次電池が1台以下である、2:30までの充放電リソースを割り当てる。すなわち、車両Aが搭載する二次電池に対しては、時刻2:30に充電が完了するように、充電開始時刻として23:30が設定される。このとき、車両Aが搭載する二次電池の充電後の保管時間は5.5時間である。従って、許容保管時間よりも短い時間となるので、車両Aが搭載する二次電池の充放電リソースの割り当てには問題がない。図13は、充放電リソースの割り当て結果を示す。図13Aでは、充放電リソースの割り当て結果がテーブルによって表されている。図13Bでは、充放電リソースの割り当て結果が帯グラフとして表されている。
【0080】
ステップS212において、出力部112は、スケジューリング部104による充放電リソースの割り当て結果を充放電スケジュール演算結果として出力する。充放電制御装置100は、この充放電スケジューリング演算結果に従って、充放電処理を行う。なお、充放電スケジュール演算結果は、充放電制御装置100の外部に出力されると共に表示部に表示されてもよい。また、実際の充放電処理の操作は、充放電制御装置100の外部からマニュアル操作によって行われてもよい。
【0081】
以上のように本実施の形態によれば、充放電制御装置100において、スケジューリング部104は、許容保管時間に基づいて決定された、複数の二次電池のそれぞれの充放電優先度に基づいて、各二次電池に対して充放電リソースを割り当てる。
【0082】
そして、許容保管時間は、許容保管時間算出部102において、許容SOH劣化量と、算出対象期間において車両が運行計画に従って運行されるために充電処理終了時点において必要なSOC値と、当該必要SOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて算出される。
【0083】
そして、許容SOH劣化量は、許容SOH劣化量算出部101において、算出時のSOH値、算出対象期間において車両が運行計画に従って運行された場合に二次電池が劣化する予測SOH劣化量、及び、算出対象期間終了時点におけるSOHターゲット値に基づいて算出される。
【0084】
こうして許容SOH劣化量に基づいて算出された許容時間に応じた充放電優先度によって、複数の二次電池に対する充放電リソースの割り当てが行われるので、電池寿命制御の精度を向上させることができる。
【0085】
なお、以上の説明においては、許容SOH劣化量算出部101が、算出された許容SOH劣化量がマイナスとなった場合には、ゼロ値を算出結果として許容保管時間算出部102へ出力するものとして説明した。すなわち、許容SOH劣化量がマイナスである車両が複数存在する場合には、当該複数の車両は、許容保管時間算出部102及び充放電優先度決定部103によって同等に取り扱われる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、許容SOH劣化量のマイナスの絶対値の大きさによって異なる充放電優先度を設定してもよい。すなわち、充放電優先度決定部103は、許容SOH劣化量がマイナスの値である二次電池が複数存在する場合には、許容SOH劣化量がマイナスの値である二次電池については許容SOH劣化量のマイナスの絶対値が大きい二次電池ほど、充放電優先度を高くしてもよい。
【0086】
また、以上の説明においては、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0087】
また、以上の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0088】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0089】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の充放電制御装置及び充放電制御方法は、電池の保存劣化を考慮することにより、電池寿命制御の精度を向上させることができるものとして有用である。
【符号の説明】
【0091】
100 充放電制御装置
101 許容SOH劣化量算出部
102 許容保管時間算出部
103 充放電優先度決定部
104 スケジューリング部
105 入力部
106 運行計画演算部
107 通信部
108 記憶部
109 予測SOH劣化量算出部
110 現SOH取得部
111 SOC管理部
112 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両のそれぞれに1つずつ搭載された二次電池のそれぞれについて、対象期間において車両が放置されることによる二次電池の保存劣化に対して許容される二次電池のSOH(state of health)の劣化量である許容SOH劣化量を、算出時のSOH値、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行された場合に二次電池が劣化する予測SOH劣化量、及び、前記対象期間終了時点におけるSOHターゲット値に基づいて算出する許容SOH劣化量算出手段と、
前記算出された許容SOH劣化量と、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行されるために充電処理終了時点において必要なSOC(state of charge)値と、前記必要なSOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて、各二次電池の許容保管時間を算出する許容保管時間算出手段と、
前記算出された許容保管時間に基づいて、各二次電池の充電優先度を決定する優先度決定手段と、
前記決定された充電優先度の高い方から順番に、各二次電池に対して充電リソースを割り当てるスケジューラと、
を具備する充放電制御装置。
【請求項2】
前記優先度決定手段は、前記許容保管時間の短い二次電池ほど、充電優先度を高くする、
請求項1に記載の充放電制御装置。
【請求項3】
前記優先度決定手段は、前記許容SOH劣化量がマイナスの値を持つ二次電池が複数存在する場合には、当該二次電池間の比較において、前記許容SOH劣化量の値が小さい二次電池ほど、充電優先度を高くする、
請求項2に記載の充放電制御装置。
【請求項4】
複数の車両のそれぞれに1つずつ搭載された二次電池のそれぞれについて、対象期間において車両が放置されることによる二次電池の保存劣化に対して許容される二次電池のSOH(state of health)の劣化量である許容SOH劣化量を、算出時のSOH値、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行された場合に二次電池が劣化する予測SOH劣化量、及び、前記対象期間終了時点におけるSOHターゲット値に基づいて算出し、
前記算出された許容SOH劣化量と、前記対象期間において車両が運行計画に従って運行されるために充電処理終了時点において必要なSOC(state of charge)値と、前記必要なSOC値に応じた、経過時間とSOH劣化量との対応関係とに基づいて、各二次電池の許容保管時間を算出し、
前記算出された許容保管時間に基づいて、各二次電池の充電優先度を決定し、
前記決定された充電優先度に基づいて、各二次電池に対して充電リソースを割り当てる、
充放電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−221655(P2012−221655A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84455(P2011−84455)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】