説明

充電コネクタ用ホルダ及びそれを用いる充電制御装置

【課題】充電コネクタを保持しているか否かを検出可能な充電コネクタ用ホルダ及びそれを用いる充電制御装置を提供する。
【解決手段】充電コネクタ用ホルダ20は保持部25と検知部32とを備える。保持部25は、電動車両への充電に用いられる充電ケーブルCB1に設けられて電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタCN1を保持する。検知部32は、保持部25が充電コネクタCN1を保持しているか否かを検知する。保持部25は、底部25aと側部25bとで構成される丸穴状に形成されている。検知部32は、側部25bに操作子32aが配置されたマイクロスイッチからなり、保持部25に充電コネクタCN1が保持されると充電コネクタCN1の嵌合部41によって操作子32aが駆動されることにより、内蔵する接点のオン/オフが切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電コネクタ用ホルダ及びそれを用いる充電制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄電池式電気自動車やプラグインハイブリッド車など、電動機を動力源とする電気自動車の普及が進みつつある。電気自動車の普及が進むと、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設などの駐車場に電気自動車のための充電設備を整備する必要があり、例えば特許文献1に開示されるような電動車両用充電装置が提案されている。この電動車両用充電装置は、電源供給手段を内蔵した本体キャビネットを備え、本体キャビネットの前面には、充電ケーブルの先端に設けられて電気自動車に差し込み接続される充電接続部を非充電時に収納する充電接続部収納部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−283947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された電動車両用充電装置では、充電接続部収納部に充電接続部が収納されているか否かを検知できないため、非充電時に充電接続部(充電コネクタ)が充電接続部収納部に戻っていないことをユーザに報知することができなかった。そのため、非充電時に充電接続部が充電接続部収納部に戻されず、地面に放置された状態となる可能性があり、地面に放置された充電接続部や充電ケーブルが人や車に踏まれる可能性があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、充電コネクタを保持しているか否かを検出可能な充電コネクタ用ホルダ及びそれを用いる充電制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の充電コネクタ用ホルダは保持部と検知部とを備える。保持部は、電動車両への充電に用いられる充電ケーブルに設けられて電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタを保持する。検知部は、保持部が充電コネクタを保持しているか否かを検知する。そして、検知部が、保持部に充電コネクタが保持されると、充電コネクタによって操作子が駆動されることにより接点のオン/オフが切り替わるスイッチからなることを特徴とする。
【0007】
この充電コネクタ用ホルダにおいて、保持部は、底部と底部の周部から突出する側部とを有し、側部で囲まれる空間に充電コネクタが挿入され、側部に操作子が配置されることも好ましい。
【0008】
この充電コネクタ用ホルダにおいて、ホルダが被取付部に取り付けられた状態で、側部において、保持部の中心位置よりも上側に操作子が配置されることも好ましい。
【0009】
また本願の充電制御装置は、充電制御部と、充電ケーブルと、充電コネクタと、上述した何れかの充電コネクタ用ホルダと、報知部とを備える。充電制御部は電動車両への充電を制御する。充電ケーブルは充電制御部と電動車両との間を電気的に接続する。充電コネクタは、充電ケーブルに設けられて電動車両に着脱自在に接続される。報知部は、電動車両の充電完了時から所定時間が経過するまでに、検知部が充電コネクタの保持状態を検知しなければ、充電コネクタが保持部に保持されていないことをユーザに対して報知する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、保持部に充電コネクタを保持させると、スイッチの操作子が駆動されることによって、接点のオン/オフが反転するので、接点のオン/オフから充電コネクタが保持部に保持されているか否かを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1の充電コネクタ用ホルダに充電コネクタを保持させる前の状態を示す外観斜視図である。
【図2】同上の充電制御装置の外観図である。
【図3】同上の充電制御装置のブロック図である。
【図4】同上の充電コネクタ用ホルダを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は背面図である。
【図5】同上の充電コネクタ用ホルダを下側から見た外観斜視図である。
【図6】同上の充電コネクタ用ホルダに充電コネクタを保持させた状態の外観斜視図である。
【図7】同上の充電コネクタ用ホルダに充電コネクタを保持させた状態の断面図である。
【図8】実施形態2の充電制御装置を示し、(a)は充電コネクタを保持した状態の外観図、(b)は充電コネクタを外した状態の外観図である。
【図9】(a)(b)は同上の使用状態を説明する説明図である。
【図10】同上の充電制御装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る充電コネクタ用ホルダ及びそれを用いる充電制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の各実施形態で説明する充電制御装置は、例えば多数の人間が利用する施設の駐車場や、一般住宅や集合住宅の駐車スペースに設置されて、電動車両を充電するために使用される。ここにおいて電動車両とは、バッテリに蓄えられた電力から駆動力を得て走行するものであり、例えば電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)や燃料電池車(FCV)などの車両のことをいう。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態の充電コネクタ用ホルダ及びそれを用いた充電制御装置について図1〜図7を参照して説明する。尚、以下の説明では特に断りが無い限り、図2に示す向きにおいて上下左右の方向を規定して説明を行う。
【0014】
図2は充電制御装置1の外観図、図3は充電制御装置1のブロック図であり、充電制御装置1は、充電制御部11と、報知部12と、充電ケーブルCB1と、充電コネクタCN1と、充電コネクタ用ホルダ20(以下、ホルダと略称する。)とを備える。
【0015】
充電制御部11は、外部の電源(例えば商用交流電源)から電動車両100への充電を制御する。また充電制御部11は、充電ケーブルCB1を介して入力されるCPLT信号をもとに、充電コネクタCN1の電動車両100への接続状態や充電状態を検出する。
【0016】
報知部12は、例えばLEDなどの表示ランプや、ブザーや、充電制御装置1の前面に設けられた液晶ディスプレイ14からなる。報知部12は、表示ランプを点灯或いは点滅させたり、ブザーを鳴動させたり、液晶ディスプレイ14に文字メッセージを表示させたりすることによって、ユーザに対して光や音や文字メッセージで報知動作を行う。
【0017】
充電ケーブルCB1は、充電制御部11と電動車両100の充電回路102との間を電気的に接続する。
【0018】
充電コネクタCN1(所謂充電ガン)は、充電ケーブルCB1の車両側端に設けられ、電動車両100に設けられた車両側コネクタ101に着脱自在に接続される。充電コネクタCN1は、図1及び図6に示すように、略円柱状のボディ40と、ボディ40の軸方向一端側から軸方向に沿って突出する円筒状の嵌合部41と、ボディ40の軸方向他端側から斜めに突出する握り部42とを一体に備えている。嵌合部41の筒内には、車両側コネクタ101の対応する端子(図示せず)にそれぞれ電気的に接続される複数極の端子(図示せず)が配置されている。握り部42は、充電コネクタCN1の着脱作業を行う際にユーザによって把持される部位であり、滑りにくいように突起42aが設けられている。また握り部42の下端側からは充電ケーブルCB1が導出している。また、ボディ40の軸方向一端側には、嵌合部41の外側に、車両側コネクタ101に設けられた被係止部と係止することによって、充電コネクタCN1が車両側コネクタ101に接続された状態を保持するラッチ部43が設けられている。ラッチ部43の先端には嵌合部41の外周面に向かって突出する爪43aが設けられている。ラッチ部43の先端側は、爪43aの突出方向において進退自在となっており、バネ(図示せず)のバネ力によって嵌合部41側に押し付けられている。そして、ボディ40の上側部には、ラッチ部43による保持状態を解除するための解除釦44が設けられている。解除釦44は、握り部42を片方の手で握った際に親指で操作可能な位置に設けられている。ユーザが解除釦44を押すと、バネ力に抗してラッチ部43は嵌合部41の周面から離れる方向に移動し、これにより車両側コネクタ101の被係止部と爪43aとの係止状態が解除されるようになっている。
【0019】
ここで、充電コネクタCN1が車両側コネクタ101に接続され、充電回路102に充電制御部11を介して電源が供給されると、充電回路102は走行用のバッテリ103を充電する。
【0020】
本実施形態の充電制御装置1は、図2に示すように、施工場所に自立した状態で設置される充電装置本体10Aを備えている。充電装置本体10Aは縦長の矩形箱状であり、その内部には充電制御部11が収納され、前面に設けられた通線穴13を通して充電ケーブルCB1が外側に導出されている。表示装置本体10Aの前面には、充電制御部11の収納位置よりも上側に液晶ディスプレイ14が配置され、さらにその上側には充電装置本体10Aの前方を照明する照明ユニット15が配置されている。
【0021】
充電装置本体10Aの右側面には、非充電時に充電コネクタCN1を着脱自在に保持するホルダ20が取り付けられている。尚、以下のホルダ20の説明では、図4(a)に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、図4(b)の左側を前側、右側を後側として説明を行う。
【0022】
ホルダ20は、上下方向に長い略箱状に形成されたホルダ本体21を有している。このホルダ本体21は、充電装置本体10Aに固定ねじ50を用いて固定されるベース22と、ベース22の前面側に取り付けられるボディ23とで構成される。尚、ベース22には、後述する検知部32から充電制御部11へ検知信号を出力するための信号線を通す通線穴22aが開口している。
【0023】
ホルダ本体21の上部には充電ケーブルCB1を掛け回すための凹部21aが前後方向の中間部に設けられ、この凹部21aの表面は左右両側部に比べて中央部が上側に凸となる曲面状に形成されている。
【0024】
ホルダ本体21の下部前側の角には斜めに傾斜するテーパ部24が設けられている。テーパ部24には、充電コネクタCN1の嵌合部41が差し込み接続される保持部25が設けられている。保持部25は、略円形の底部25aと、この底部25aの周部から底部25aと直交する方向に突出する側部25bとで丸穴状に形成され、テーパ部24に開口している。保持部25(側部25b)の内径は充電コネクタCN1の嵌合部41の外径よりも若干大きく、下斜め前方に開口しており、この保持部25に下側から嵌合部41が差込接続されるようになっている。尚、本実施形態では保持部25が穴状に形成されているが、筒内に充電コネクタCN1の嵌合部41が挿入される筒状でもよい。
【0025】
ホルダ本体21の前面において保持部25の上側にはラッチ部43が挿入される凹部26が設けられ、この凹部26の内側には爪43aが係止する突起26aが設けられている。また、ホルダ本体21の前面において凹部26よりも上側には、下側ほど前方への突出量が大きくなるように斜めに傾斜するフード27が一体に設けられており、雨水などが凹部26や保持部25に入り込みにくくなっている。尚、フード27を前側から見た形状は、左右両側部に比べて中央部が上側に突出するように弧状に湾曲した帯状となっている。
【0026】
ホルダ本体21の前面には、フード27のやや上側に、3桁のダイアル鍵31を備えた円盤状の摘み28が回転自在に設けられている。摘み28の回転軸28aには長尺の板金からなる規制片29がネジ止めされており、この規制片29の先端には樹脂製のカバー30が取り付けられている。ダイアル鍵31の3桁の数字が所定の番号に一致していれば、摘み28を回転させることができ、摘み28を正転又は逆転させると、回転軸28aの回転に応じて、規制片29も正転又は逆転する。ここで、規制片29は、鉛直下方に突出して凹部26の上壁に設けた開口26bを通して凹部26内に突出する規制位置(図7の位置)と、左右何れかの方向に突出して凹部26の外側に出る解除位置との間で回転自在となっている。摘み28を回して規制片29を規制位置に移動させた状態ではダイアル鍵31の3桁の数字を切り替えることができ、この3桁の数字が所定の番号から変更されると、摘み28の回転が規制される。
【0027】
而して、ユーザが保持部25に充電コネクタCN1を挿入した後、摘み28を回して規制片29を規制位置に移動させ、ダイアル鍵31を用いて施錠すると、ラッチ部43がカバー30に当たって突起26aから離れる方向に移動できなくなるので、充電コネクタCN1が保持部25に保持された状態でロックされる。このロック状態においてユーザがダイアル鍵31を操作してロックを解除すると、摘み28の回転が可能になる。ロック解除後にユーザが摘み28を回して、規制片29を解除位置に移動させると、解除釦44を押すことによってラッチ部43を突起26aから離れる方向へ移動させることができ、充電コネクタCN1を保持部25から取り外すことができる。
【0028】
ここで、本実施形態では保持部25が充電コネクタCN1を保持しているか否かを検知する検知部32がホルダ20に設けられている。検知部32は例えばマイクロスイッチからなり、保持部25の側部25bに操作子32aが配置され、保持部25に挿入された充電コネクタCN1の嵌合部41によって操作子32aが押されることで、内蔵する接点(図示せず)のオン/オフが反転する。この検知部32の出力は上述した充電制御部11に出力されているので、充電制御部11は、検知部32の出力をもとに、保持部25に充電コネクタCN1が保持されているか否かを把握することができる。充電制御部11は、保持部25に充電コネクタCN1が保持されていない場合には、報知部12の備えるLEDを点灯させることによって、保持部25に充電コネクタCN1が保持されていないことを報知する。また充電制御部11は、CPLT信号をもとに充電完了を検知してから所定時間が経過するまでに、検知部32から充電コネクタCN1の保持状態の検知入力がなければ、報知部12に報知動作を行わせてもよい。報知部12は、例えばブザーを鳴動させたり、LEDを点滅させたり、液晶ディスプレイ14にメッセージを表示させたりすることで、充電コネクタCN1が電動車両100から外された後に保持部25に戻されていないことをユーザに報知する。
【0029】
上述のように、本実施形態の充電コネクタ用ホルダ20は保持部25と検知部32とを備えている。保持部25は、電動車両100への充電に用いられる充電ケーブルCB1に設けられて電動車両100に着脱自在に接続される充電コネクタCN1を保持する。検知部32は、保持部25が充電コネクタCN1を保持しているか否かを検知する。この検知部32は、保持部25に充電コネクタCN1が保持されると、充電コネクタCN1によって操作子32aが駆動されることにより接点のオン/オフが切り替わるスイッチからなる。
【0030】
これにより、保持部25に充電コネクタCN1を保持させると、スイッチの操作子32aが駆動されることによって、接点のオン/オフが反転するので、接点のオン/オフから充電コネクタCN1が保持部25に保持されているか否かを検出することができる。
【0031】
また保持部25は、底部25aと底部25aの周部から突出する側部25bとを有し、側部25bで囲まれる空間に充電コネクタCN1が挿入される丸穴状に構成されており、側部25bに操作子32aが配置されている。
【0032】
操作子32aが底部25aに配置されていると、充電コネクタCN1の保持部25への差し込みが不十分な場合、充電コネクタCN1によって操作子32aが駆動されない可能性がある。それに対して、本実施形態では、操作子32aが側部25bに配置されているので、充電コネクタCN1が奥まで差し込まれていなくても、嵌合部41によって操作子32aを駆動することができるから、充電コネクタCN1の保持状態を検知できる。
【0033】
また、ホルダ20が被取付部(本実施形態では充電装置本体10A)に取り付けられた状態では、側部25bにおいて、丸穴状の保持部25の中心位置(例えば円形の底部25aの中心)よりも上側に操作子32aが配置されている。
【0034】
ホルダ20が屋外に設置される場合、側部25bにおいて保持部25の中心位置よりも上側に操作子32aが設けられているので、保持部25内に雨水が浸入しても、スイッチに雨水が付着しにくくなる。またホルダ本体20の前面下側にはテーパ部24が設けられ、このテーパ部24において保持部25は斜め下向きに開口しているので、ホルダ本体21の内部空間は保持部25の下側よりも保持部25の上側の方が広くなっている。そして、保持部25の中心位置よりも上側に操作子32aが配置されており、保持部25の中心位置よりも上側の広い空間にスイッチが収納されるので、保持部25の下側にスイッチを収納する場合に比べて、ホルダ本体の小型化を図ることができる。
【0035】
また、本実施形態の充電制御装置1は、充電制御部11と、充電ケーブルCB1と、充電コネクタCN1と、充電コネクタ用ホルダ20と、報知部12とを備える。充電制御部11は電動車両100への充電を制御する。充電ケーブルCB1は充電制御部11と電動車両100との間を電気的に接続する。充電コネクタCN1は、充電ケーブルCB1に設けられて電動車両100に着脱自在に接続される。報知部12は、電動車両100の充電完了時から所定時間が経過するまでに、検知部32が充電コネクタCN1の保持状態を検知しなければ、充電コネクタCN1が保持部25に保持されていないことをユーザに対して報知する。
【0036】
これにより、報知部12の報知によって、充電完了後に充電コネクタCN1が保持部25に戻されていないことをユーザに知らしめることができる。
【0037】
尚、本実施形態では検知部32の検知信号を充電制御部11に出力し、充電コネクタCN1が保持されているか否かを充電表示装置1の報知部12で報知しているが、ホルダ20自体で報知動作を行ってもよいし、充電表示装置1とは別に設けた表示装置に検知部32の検知信号を出力して、ホルダ20に充電コネクタCN1が保持されているか否かを表示装置で表示してもよい。
【0038】
(実施形態2)
実施形態2の充電コネクタ用ホルダ及び充電制御装置について図8〜図10を参照して説明する。
【0039】
実施形態1の充電制御装置1はスタンド形であるが、本実施形態の充電制御装置1は、図8及び図9に示すように壁取り付け形の充電装置本体10Bを備え、充電装置本体10Bは、駐車スペースの近くにある建物の壁200に設置される。また実施形態1ではホルダ20が充電装置本体10Aと一体に設けられているが、本実施形態では充電装置本体10Bとホルダ20とが別体に形成され、別々の場所に取り付けられている。尚、充電装置本体10Bが壁取り付け形であり、充電装置本体10Bとホルダ20とを別体に形成した点を除いては実施形態1と同様であるので、実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0040】
充電装置本体10Bは上下に細長い略直方体状に形成されており、下面から充電ケーブルCB1が導出され、充電ケーブルCB1の先端には充電コネクタCN1が接続されている。充電装置本体10Bの内部には充電制御部11や報知部12を構成するブザー(図示せず)が収納されており、充電装置本体10Bの前面には報知部12を構成するLED(図示せず)が配置されている。充電装置本体10Bの前面下側には、充電ケーブルCB1の嵌合部41が挿入される丸穴状の嵌合凹部16が設けられ、この嵌合凹部16の上側にはラッチ部43が挿入されてラッチ部43の爪43aが係止する凹部17が設けられている。また充電装置本体10Bの前面において、凹部17のやや上側の位置には、下側ほど前方への突出量が大きくなるように傾斜したフード18が設けられている。尚、嵌合凹部16及び凹部17は、上述したホルダ20の保持部25及び凹部26と同様の構造及び機能を備えているので、詳細な説明は省略する。
【0041】
本実施形態ではホルダ20が充電装置本体10Bとは別体に設けられているので、充電装置本体10Bとホルダ20とを別々の場所に取り付けることができる。尚、ホルダ20の構造は実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。
【0042】
図9(a)は充電装置本体10Bとホルダ20の設置状態の一例を示し、充電装置本体10Bの設置位置は電源工事の制約があるため、電動車両100の車両側コネクタ101から遠い場所に設置される可能性もある。充電ケーブルCB1の長さは数mあり、重量も重いので、電動車両100を充電する度に充電装置本体10Bの嵌合凹部16から充電コネクタCN1を取り外して車両側コネクタ101に接続する作業や、充電完了後に充電コネクタCN1を車両側コネクタ101から外して充電装置本体10Bの嵌合凹部16に保持させる作業を行うのは面倒であった。そのため、充電コネクタCN1を充電装置本体10Bの嵌合凹部16に戻す手間を嫌って、非充電時に車両側コネクタ101付近の地面に充電コネクタCN1が放置される可能性があり、地面に放置された充電コネクタCN1が踏まれる可能性もあった。このような場合に、図9(a)に示すように壁200において車両側コネクタ101の近傍の部位(被取付部)にホルダ20が設置されていれば、非充電時にホルダ20に充電コネクタCN1を保持させる作業や、ホルダ20から充電コネクタCN1を取り外して車両側コネクタ101に接続する作業を容易に行うことができる。
【0043】
本実施形態でも実施形態1と同様、図10のブロック図に示すように、ホルダ20には、ホルダ20が充電コネクタCN1を保持しているか否かを検知する検知部32が設けられ、検知部32が内蔵する接点の信号は充電制御部11に出力されている。尚、検知部32と充電制御部11との間の通信は、有線のケーブルを介した有線通信でもよいし、電波や赤外線を媒体とするワイヤレス通信でもよい。
【0044】
ここで、充電制御部11は、検知部32の出力をもとに、保持部25に充電コネクタCN1が保持されているか否かを把握することができる。充電制御部11は、保持部25に充電コネクタCN1が保持されていない場合には、報知部12の備えるLEDを点灯させることによって、保持部25に充電コネクタCN1が保持されていないことを報知する。また充電制御部11は、CPLT信号をもとに充電完了を検知してから所定時間が経過するまでに、検知部32から充電コネクタCN1の保持状態の検知入力がなければ、報知部12によりブザーを鳴動させたり、LEDを点滅させてもよい。この報知動作によって、充電コネクタCN1が電動車両100から外された後に保持部25に戻されていないことをユーザに報知することができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態の充電コネクタ用ホルダ20も保持部25と検知部32とを備えている。保持部25は、電動車両100への充電に用いられる充電ケーブルCB1に設けられて電動車両100に着脱自在に接続される充電コネクタCN1を保持する。検知部32は、保持部25が充電コネクタCN1を保持しているか否かを検知する。この検知部32は、保持部25に充電コネクタCN1が保持されると、充電コネクタCN1によって操作子32aが駆動されることにより接点のオン/オフが切り替わるスイッチからなる。
【0046】
これにより、保持部25に充電コネクタCN1を保持させると、スイッチの操作子32aが駆動されることによって、接点のオン/オフが反転するので、接点のオン/オフから充電コネクタCN1が保持部25に保持されているか否かを検出することができる。
【0047】
尚、ホルダ20は充電装置本体10Bとは別体に形成されているので、取り付け場所の自由度が高く、図9(b)に示すように駐車スペースに立てられた支柱201に取り付けてもよい。
【0048】
また、本実施形態では検知部32の検知信号を充電制御部11に出力し、充電コネクタCN1が保持されているか否かを充電表示装置1の報知部12で報知しているが、ホルダ20自体で報知動作を行ってもよいし、充電表示装置1とは別に設けた表示装置に検知部32の検知信号を出力して、ホルダ20に充電コネクタCN1が保持されているか否かを表示装置で表示してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 充電制御装置
11 充電制御部
12 報知部
20 充電コネクタ用ホルダ
25 保持部
25a 底部
25b 側部
32 検知部
32a 操作子
41 嵌合部
100 電動車両
CB1 充電ケーブル
CN1 充電コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両への充電に用いられる充電ケーブルに設けられて前記電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタを保持する保持部と、
前記保持部が前記充電コネクタを保持しているか否かを検知する検知部とを備え、
前記検知部が、前記保持部に前記充電コネクタが保持されると前記充電コネクタによって操作子が駆動されることにより接点のオン/オフが切り替わるスイッチからなることを特徴とする充電コネクタ用ホルダ。
【請求項2】
前記保持部は、底部と前記底部の周部から突出する側部とを有し、前記側部で囲まれる空間に前記充電コネクタが挿入され、
前記側部に前記操作子が配置されたことを特徴とする請求項1記載の充電コネクタ用ホルダ。
【請求項3】
被取付部に取り付けられた状態で、前記側部において、前記保持部の中心位置よりも上側に前記操作子が配置されたことを特徴とする請求項2記載の充電コネクタ用ホルダ。
【請求項4】
電動車両への充電を制御する充電制御部と、
前記充電制御部と前記電動車両との間を電気的に接続する充電ケーブルと、
前記充電ケーブルに設けられて前記電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタと、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の充電コネクタ用ホルダと、
前記電動車両の充電完了時から所定時間が経過するまでに、前記検知部が前記充電コネクタの保持状態を検知しなければ、前記充電コネクタが前記保持部に保持されていないことをユーザに対して報知する報知部とを備えることを特徴とする充電制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−93918(P2013−93918A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232567(P2011−232567)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】