説明

充電システム、電力管理装置、充電装置、制御方法、及びプログラム

【課題】電気自動車を充電すること。
【解決手段】1以上の電力源120、130と、電力源120、130から供給される電力を管理する電力管理装置110と、電力源120、130から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置160とを備え、電力管理装置110は、1以上の電力源120、130から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出部と、電力量算出部が算出した電力量以下の値を示す電力量データを、充電装置160へ送信する電力量データ送信部とを有し、充電装置160は、電力管理装置110から送信された電力量データを受信する電力量データ受信部と、電力量データ受信部が受信した電力量データを、当該充電装置160の供給可能出力を示すデータとして、電気自動車の充電時に、電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システム、電力管理装置、充電装置、制御方法、及びプログラムに関する。特に本発明は、電気自動車を充電するための充電システム、1以上の電力源から供給される電力を管理する電力管理装置、当該電力管理装置を制御する制御方法、当該電力管理装置用のプログラム、1以上の電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置、当該充電装置を制御する制御方法、並びに当該充電装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車への電力の供給方法は、様々なものがある。大別すると、どの程度の電力を供給するか、どこで交流から直流に変換するか、車両への電力供給の際の物理的なインタフェースをどうするかといった視点による区分がある。
【0003】
電気自動車は、通常は夜間等に車庫で充電することが主流と想定されており、この際は、普通充電が一般的である。方式が分かれるのは、充電スタンドのような、街中で一時的に充電する際である。この場合、充電時間をガソリン車のガソリン給油時間並みの数分にするためには、50kW以上の電力の供給が必要である。
【0004】
例えば、高圧受電設備が設けられた充電スタンドでは、充電器から電気自動車へ50kW以上の電力を供給することができる。しかしながら、高圧受電設備は、設置コストや運用コストが高くなってしまうという問題がある。
【0005】
そこで、低圧受電設備と蓄電池が設けられた充電スタンドでは、低圧受電設備で受電した電力を蓄電池に充電しておき、蓄電池に蓄電された電力を放電して、高圧受電設備に頼らずして、充電器から電気自動車へ50kW以上の電力を供給することができる(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、蓄電池は、低圧受電設備で受電した電力によって充電する場合、十分な電力が充電されるまでに時間が掛かってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3211323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、充電器は、電気自動車に給電するにあたり、先ず、充電器の定格出力を電気自動車に通知する。これに対して、車両に搭載されたコンピュータは、充電器の定格出力で給電し得る充電に必要な電流値を充電器に通知する。これに対して、充電器は、車両指示値に等しい直流電流を供給する。
【0008】
上述した受電設備と蓄電池が設けられた充電スタンドの充電器は、充電器の定格出力を電気自動車に通知することとなるが、蓄電池に十分な電力が充電されていない場合であって、当該蓄電池の出力と受電設備の定格出力を加味しても電気自動車の指示値を満たさない場合、電気自動車のコンピュータは、充電器からの充電を中止させるべく制御することとなる。
【0009】
このような問題は特に、普及が容易であると想定される低圧受電設備と蓄電池が設けられた充電スタンドでは、多く発生し得ることとなり、また、今後電気自動車の普及が活発になる状況を想定すると、前述の課題は受電設備の定格出力に拘らず、重要なものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、電気自動車を充電するための充電システムであって、1以上の電力源と、電力源から供給される電力を管理する電力管理装置と、電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置とを備え、電力管理装置は、1以上の電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出部と、電力量算出部が算出した電力量以下の値を示す電力量データを、充電装置へ送信する電力量データ送信部とを有し、充電装置は、電力管理装置から送信された電力量データを受信する電力量データ受信部と、電力量データ受信部が受信した電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、電気自動車の充電時に、電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信部とを有する。
【0011】
電力管理装置の電力量データ送信部は、電力源から供給され得る電力量の総和が所定の電力量以上の場合、当該所定の電力量の値を示す電力量データを送信してよい。
【0012】
本発明の第2の形態によると、1以上の電力源から供給される電力を管理する電力管理装置であって、1以上の電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出部と、電力量算出部が算出した電力量以下の値を示す電力量データを、電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置へ送信する電力量データ送信部とを備える。
【0013】
本発明の第3の形態によると、1以上の電力源から供給される電力を管理する電力管理装置を制御する制御方法であって、1以上の電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出段階と、電力量算出段階において算出された電力量以下の値を示す電力量データを、電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置へ送信する電力量データ送信段階とを備える。
【0014】
本発明の第4の形態によると、1以上の電力源から供給される電力を管理する電力管理装置用のプログラムであって、電力管理装置を、1以上の電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出部、電力量算出部が算出した電力量以下の値を示す電力量データを、電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置へ送信する電力量データ送信部として機能させる。
【0015】
本発明の第5の形態によると、1以上の電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置であって、電力源から供給される電力を管理する電力管理装置から送信された、1以上の電力源から供給され得る電力量の総和以下の値を示す電力量データを受信する電力量データ受信部と、電力量データ受信部が受信した電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、電気自動車の充電時に、電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信部とを備える。
【0016】
本発明の第6の形態によると、1以上の電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置を制御する制御方法であって、電力源から供給される電力を管理する電力管理装置から送信された、1以上の電力源から供給され得る電力量の総和以下の値を示す電力量データを受信する電力量データ受信段階と、電力量データ受信段階において受信された電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、電気自動車の充電時に、電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信段階とを備える。
【0017】
本発明の第7の形態によると、1以上の電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置用のプログラムであって、充電装置を、電力源から供給される電力を管理する電力管理装置から送信された、1以上の電力源から供給され得る電力量の総和以下の値を示す電力量データを受信する電力量データ受信部、電力量データ受信部が受信した電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、電気自動車の充電時に、電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信部として機能させる。
【0018】
なおまた、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0019】
以上の説明から明らかなように、この発明は、蓄電池に十分な電力が充電されていなくても、充電器から電気自動車への給電を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態に係る充電システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】パワーコンディショナー110のコンピュータのブロック構成の一例を示す図である。
【図3】充電器160のコンピュータのブロック構成の一例を示す図である。
【図4】パワーコンディショナー110のコンピュータ、充電器160のコンピュータ、及び電気自動車のコンピュータの動作シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、一実施形態に係る充電システム100の利用環境の一例を示す。充電システム100は、電気自動車を充電するためのシステムである。
【0023】
充電システム100は、パワーコンディショナー110、低圧受電設備120、蓄電池130、モジュール140、複数の電力量計150a、b(以下、電力量計150と総称する。)、及び充電器160を備える。パワーコンディショナー110は、低圧受電設備120、蓄電池130、モジュール140、及び充電器160とそれぞれ電気的に接続されている。また、パワーコンディショナー110は、各電力量計150、及び充電器160とそれぞれ通信接続されている。なおまた、パワーコンディショナー110は、この発明における「電力管理装置」の一例であってよい。また、低圧受電設備120、及び蓄電池130は、それぞれこの発明における「電力源」の一例であってよい。また、充電器160は、この発明における「充電装置」の一例であってよい。
【0024】
パワーコンディショナー110は、低圧受電設備120、蓄電池130、及びモジュール140から供給される電力を管理する装置である。より具体的に説明すると、パワーコンディショナー110は、電気回路、及びコンピュータを備えている。パワーコンディショナー110の電気回路は、低圧受電設備120が受電した電気を、蓄電池130に充電したり、充電器160に供給したりすることができるように変換する。また、パワーコンディショナー110の電気回路は、蓄電池130が放電した電気を、充電器160に供給できるように変換する。また、パワーコンディショナー110の電気回路は、モジュール140が発電した電気を、蓄電池130に充電したり、充電器160に供給したりすることができるように変換する。パワーコンディショナー110のコンピュータは、各電力量計150によって測定された電力量の値に基づいて、電気自動車のコンピュータに通知すべき充電器160の供給可能出力となる電力量を算出する。そして、パワーコンディショナー110のコンピュータは、その電力量の値を示すデータを、充電器160のコンピュータへ送信する。
【0025】
低圧受電設備120は、50kW未満の電力を受電するための設備である。より具体的に説明すると、低圧受電設備120から出力される電力は、パワーコンディショナー110を介して蓄電池130の充電に供給されたり、充電器160に供給されたりする。また、低圧受電設備120から出力される電力は、充電システム100を構成する機器以外の電力負荷200にも供給される。
【0026】
蓄電池130は、化学的にエネルギーを蓄積するもので、何度も充電、放電を繰り返すことができる電池である。より具体的に説明すると、蓄電池130には、パワーコンディショナー110を介して低圧受電設備120、又はモジュール140から供給される電力が充電される。また、蓄電池130から放電される電力は、パワーコンディショナー110を介して充電器160に供給される。
【0027】
モジュール140は、光を電力に変換する複数のセルを繋いでパッケージ化し、電気を集電するための装置である。より具体的に説明すると、モジュール140から出力される電力は、パワーコンディショナー110を介して蓄電池130の充電に供給される。
【0028】
電力量計150は、電力を積算し計量する電気計器である。より具体的に説明すると、電力量計150aは、低圧受電設備120から電力負荷200に供給される電力を計量する。そして、電力量計150aは、計量した電力量の値を示す計量データを、パワーコンディショナー110のコンピュータへ送信する。電力量計150bは、蓄電池130に充電される電力、及び蓄電池130から放電される電力を計量する。そして、電力量計150bは、計量した電力量の値を示す計量データを、パワーコンディショナー110のコンピュータへ送信する。
【0029】
充電器160は、パワーコンディショナー110を介して、低圧受電設備120、又は蓄電池130から供給される電力を、電気自動車に充電させる装置である。より具体的に説明すると、充電器160は、電気回路、及びコンピュータを備えている。充電器160の電気回路は、充電器160と電気自動車とが電気的に接続された場合に、パワーコンディショナー110を介して、低圧受電設備120、又は蓄電池130から供給される電力を、電気自動車の蓄電池に供給する。充電器160のコンピュータは、電力量の値を示すデータをパワーコンディショナー110から受信すると、そのデータを、充電器160の供給可能出力を示す供給可能出力データとして、電気自動車の充電時に、電気自動車のコンピュータへ送信する。
【0030】
図2は、パワーコンディショナー110のコンピュータのブロック構成の一例を示す。パワーコンディショナー110のコンピュータは、計量データ受信部111、給電可能量算出部112、蓄電量算出部113、電力量算出部114、及び電力量データ送信部115を有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0031】
計量データ受信部111は、計量された電力量の値を示す計量データを、各電力量計150から受信する。
【0032】
給電可能量算出部112は、低圧受電設備120から供給可能な電力量を算出する。
【0033】
蓄電量算出部113は、蓄電池130の蓄電量を算出する。
【0034】
電力量算出部114は、低圧受電設備120、及び蓄電池130から充電器160に供給され得る電力量の総和を算出する。
【0035】
電力量データ送信部115は、電力量算出部114が算出した電力量の値を示す電力量データを、充電器160のコンピュータへ送信する。より具体的に説明すると、電力量データ送信部115は、低圧受電設備120、及び蓄電池130から供給され得る電力量の総和が所定の電力量以上の場合、その所定の電力量の値を示す電力量データを送信する。
【0036】
図3は、充電器160のコンピュータのブロック構成の一例を示す。充電器160のコンピュータは、電力量データ受信部161、供給可能出力データ送信部162、電流値データ受信部163、及び電力供給制御部164を有する。以下、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0037】
電力量データ受信部161は、パワーコンディショナー110のコンピュータから送信された電力量データを受信する。
【0038】
供給可能出力データ送信部162は、電力量データ受信部161が受信した電力量データを、充電器160の供給可能出力を示す供給可能出力データとして、電気自動車の蓄電池の充電時に、電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する。
【0039】
電流値データ受信部163は、充電に必要な電流値を示す電流値データを、電気自動車のコンピュータから受信する。
【0040】
電力供給制御部164は、パワーコンディショナー110を介して供給される電力を、電気自動車の蓄電池に供給させるべく、充電器160の電気回路を制御する。
【0041】
図4は、パワーコンディショナー110のコンピュータ、充電器160のコンピュータ、及び電気自動車のコンピュータの動作シーケンスの一例を示す。この動作シーケンスは、電気自動車の蓄電池への充電が開始されるまでの動作を示すものである。なおまた、この操作シーケンスの説明は、図1から図3を共に参照する。
【0042】
充電器160に対して電気自動車が接続されていない場合、蓄電池130は、低圧受電設備120、又はモジュール140から供給される電力によって充電される。より具体的に説明すると、モジュール140から太陽光発電された電力が出力されている場合、蓄電池130は、モジュール140からパワーコンディショナー110を介して供給される電力により充電される。一方、モジュール140から太陽光発電された電力が出力されていない場合、蓄電池130は、低圧受電設備120からパワーコンディショナー110を介して供給される電力により充電される。その際、電力量計150bは、蓄電池130に充電される電力量を計量している。そして、充電が終了した場合、又は充電が中断した場合、電力量計150bは、充電された電力量の値を示す計量データを、パワーコンディショナー110へ送信する。また、電力量計150bは、蓄電池130から放電される電力量も計量する。そして、放電が終了した場合、又は放電が中断した場合、電力量計150bは、放電された電力量の値を示す計量データを、パワーコンディショナー110へ送信する。
【0043】
パワーコンディショナー110の計量データ受信部111は、電力量計150bから送信された計量データを受信すると(S101)、その計量データを、蓄電量算出部113へ送る。
【0044】
一方、低圧受電設備120により受電した電力は、充電システム100を構成する機器以外の電力負荷200にも供給されている。電力量計150aは、低圧受電設備120から電力負荷200に供給される電力を計量する。そして、電力量計150aは、低圧受電設備120から電力負荷200に供給されている電力量の値を示す計量データを、パワーコンディショナー110へ送信する。
【0045】
パワーコンディショナー110の計量データ受信部111は、電力量計150aから送信された計量データを受信すると(S101)、その計量データを、給電可能量算出部112へ送る。
【0046】
そして、充電器160に対して電気自動車が接続されると、パワーコンディショナー110の給電可能量算出部112は、計量データ受信部111から送られた計量データによって示される電力量の値に基づいて、低圧受電設備120から給電され得る電力量を算出する(S102)。例えば、低圧受電設備120の出力が定格であるとすると、低圧受電設備120から充電器160に給電され得る電力量は、低圧受電設備120から電力負荷200に給電されている電力量を定格出力から差し引いた値とする。そして、給電可能量算出部112は、算出した電力量の値を示すデータを、電力量算出部114へ送る。
【0047】
一方、パワーコンディショナー110の蓄電量算出部113は、計量データ受信部111から送られた計量データを受け取ると、その計量データによって示される電力量の値に基づいて、蓄電池130の蓄電量を算出する(S112)。例えば、蓄電量130の蓄電量は、充電された電力量の積算値から、放電された電力量の積算値を差し引いた値とする。そして、蓄電量算出部113は、算出した蓄電量の値を示すデータを、電力量算出部114へ送る。
【0048】
パワーコンディショナー110の電力量算出部114は、給電可能量算出部112から送られたデータと、蓄電量算出部113から送られたデータとをそれぞれ受け取ると、これらのデータによって示される低圧受電設備120から給電され得る電力量の値と、蓄電池130の蓄電量の値の総和の電力量を算出する(S104)。そして、電力量算出部114は、算出した電力量を示す電力量データを、電力量データ送信部115へ送る。
【0049】
パワーコンディショナー110の電力量データ送信部115は、電力量算出部114から送られた電力量データを受け取ると、その電力量データを、充電器160へ送信する(S105)。その際、例えば、充電器160と電気自動車との間の充電に関する規格上の問題等で充電器160の最大定格出力が決まっているような場合、電力量データ送信部115は、電力量算出部114から受け取った電力量データによって示される電力量の値が最大定格出力の値よりも大きければ、その最大定格出力の値を示す電力量データを、充電器160へ送信するようにしてもよい。
【0050】
充電器160の電力量データ受信部161は、パワーコンディショナー110のコンピュータから送信された電力量データを受信すると、その電力量データを、供給可能出力データ送信部162へ送る。
【0051】
充電器160の供給可能出力データ送信部162は、電力量データ受信部161から送られた電力量データを受け取ると、その電力量データを、充電器160の供給可能出力を示す供給可能出力データとして、電気自動車のコンピュータへ送信する(S106)。
【0052】
このようにして、充電器160は、蓄電池130が満充電ではない場合であっても、蓄電池130の蓄電量と、低圧受電設備120から供給され得る電力量とに応じた電力量の値を、充電器160の供給可能出力として電気自動車へ通知することができる。
【0053】
電気自動車のコンピュータは、充電器160のコンピュータから送信された供給可能出力データを受信すると、その供給可能出力データによって示される充電器160の供給可能出力内、且つ充電に必要な電流値を示す電流値データを、充電器160のコンピュータへ送信する(S106)。
【0054】
充電器160の電流値データ受信部163は、電気自動車のコンピュータから送信された電流値データを受信すると、その旨を示すデータを、電力供給制御部164へ送る。
【0055】
このようにして、充電器160は、ステップS106の処理において電気自動車へ通知した供給可能出力により供給可能な電流値の要求を電気自動車のコンピュータから受けることができる。
【0056】
充電器160の電力供給制御部164は、電流値データ受信部163から送られたデータを受け取ると、パワーコンディショナー110を介して供給される電力を、電気自動車の蓄電池へ供給させるべく、充電器160の電気回路を制御する。
【0057】
このようにして、電気自動車の蓄電池には、電気自動車のコンピュータから要求された電流値による電力が供給されるため、充電が途中で中断してしまう虞がない。
【0058】
なお、本実施例では、受電設備として低圧受電設備を用いたが、これに限定されず、例えば高圧受電設備であっても、電気自動車から要求される電流値と充電システムの関係が、上述の低圧受電設備で示した例と同様の環境となる場合についても、当然に適用できることとなる。
【0059】
以上説明したように、充電システム100は、蓄電池130に十分な電力が充電されていなくても、充電器160から電気自動車への給電を継続することができる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0061】
100 充電システム
110 パワーコンディショナー
111 計量データ受信部
112 給電可能量算出部
113 蓄電量算出部
114 電力量算出部
115 電力量データ送信部
120 低圧受電設備
130 蓄電池
140 モジュール
150 電力量計
160 充電器
161 電力量データ受信部
162 供給可能出力データ送信部
163 電流値データ受信部
164 電力供給制御部
200 電力負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車を充電するための充電システムであって、
1以上の電力源と、
前記電力源から供給される電力を管理する電力管理装置と、
前記電力源から供給される電力を前記電気自動車に充電させる充電装置と
を備え、
前記電力管理装置は、
1以上の前記電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出部と、
前記電力量算出部が算出した電力量以下の値を示す電力量データを、前記充電装置へ送信する電力量データ送信部と
を有し、
前記充電装置は、
前記電力管理装置から送信された電力量データを受信する電力量データ受信部と、
前記電力量データ受信部が受信した電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、前記電気自動車の充電時に、前記電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信部と
を有する充電システム。
【請求項2】
前記電力管理装置の電力量データ送信部は、前記電力源から供給され得る電力量の総和が所定の電力量以上の場合、当該所定の電力量の値を示す電力量データを送信する
請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
1以上の電力源から供給される電力を管理する電力管理装置であって、
1以上の前記電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出部と、
前記電力量算出部が算出した電力量以下の値を示す電力量データを、前記電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置へ送信する電力量データ送信部と
を備える電力管理装置。
【請求項4】
1以上の電力源から供給される電力を管理する電力管理装置を制御する制御方法であって、
1以上の前記電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出段階と、
前記電力量算出段階において算出された電力量以下の値を示す電力量データを、前記電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置へ送信する電力量データ送信段階と
を備える制御方法。
【請求項5】
1以上の電力源から供給される電力を管理する電力管理装置用のプログラムであって、前記電力管理装置を、
1以上の前記電力源から供給され得る電力量の総和を算出する電力量算出部、
前記電力量算出部が算出した電力量以下の値を示す電力量データを、前記電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置へ送信する電力量データ送信部
として機能させるプログラム。
【請求項6】
1以上の電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置であって、
前記電力源から供給される電力を管理する電力管理装置から送信された、1以上の前記電力源から供給され得る電力量の総和以下の値を示す電力量データを受信する電力量データ受信部と、
前記電力量データ受信部が受信した電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、前記電気自動車の充電時に、前記電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信部と
を備える充電装置。
【請求項7】
1以上の電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置を制御する制御方法であって、
前記電力源から供給される電力を管理する電力管理装置から送信された、1以上の前記電力源から供給され得る電力量の総和以下の値を示す電力量データを受信する電力量データ受信段階と、
前記電力量データ受信段階において受信された電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、前記電気自動車の充電時に、前記電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信段階と
を備える制御方法。
【請求項8】
1以上の電力源から供給される電力を電気自動車に充電させる充電装置用のプログラムであって、前記充電装置を、
前記電力源から供給される電力を管理する電力管理装置から送信された、1以上の前記電力源から供給され得る電力量の総和以下の値を示す電力量データを受信する電力量データ受信部、
前記電力量データ受信部が受信した電力量データを、当該充電装置の供給可能出力を示すデータとして、前記電気自動車の充電時に、前記電気自動車に搭載されたコンピュータへ送信する供給可能出力データ送信部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−31304(P2013−31304A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166275(P2011−166275)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】