説明

充電制御装置

【課題】充電効率の向上を図る。
【解決手段】電源から供給される受電電力Winを充電器12で昇圧してバッテリ11へ入力させる充電システムに適用され、充電器12に送風して充電器温度Tを低下させることにより、充電器12で生じる熱損失(充電器損失Wcl)を低減させる冷却器15(充電器損失低減手段)と、充電終了までにおける受電電力Winの総量に対するバッテリ蓄電エネルギWbの割合である充電効率に応じて、冷却器15による充電器損失Wclの低減量を制御するECU13(損失低減量制御手段)と、を備える。これによれば、冷却により充電器損失Wclの低減を過剰に促進させた結果、冷却消費エネルギWccが増大して却って充電効率が悪くなる、といった不具合を回避して、充電効率を効果的に向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源から供給される受電電力を充電器で昇圧してバッテリへ入力させる充電システムに適用された、充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、100Vまたは200V等の外部電源により充電してバッテリ走行する電気自動車においては、外部電源から供給される受電電力を充電器で昇圧してバッテリへ入力させるのが一般的である。そして、このような充電器を構成する昇圧回路や整流回路等は、充電作動時に発熱する。そのため、特許文献1等に記載の充電制御装置では、充電器の温度上昇に伴い受電電力を制限して、充電器が熱損傷しないように保護している。
【0003】
しかし近年では、このような保護機能をさらに進歩させて、充電効率を向上させることが充電制御装置に求められている。すなわち、充電終了までにおける受電電力の総量に対する、バッテリ蓄電エネルギの割合(充電効率)を高めることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−208349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、充電効率の向上を図った充電制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明では、電源から供給される受電電力を充電器で昇圧してバッテリへ入力させる充電システムに適用され、前記充電器で生じる熱損失を低減させる充電器損失低減手段と、充電終了までにおける前記受電電力の総量に対するバッテリ蓄電エネルギの割合である充電効率に応じて、前記充電器損失低減手段による前記熱損失の低減量を制御する損失低減量制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
充電器で生じる熱損失を低減させることで充電効率を向上させることを本発明者らが検討したところ、充電器で生じる熱損失(充電器損失)を低減させればさせるだけ充電効率が向上するものではなく、充電器損失の低減量には最適範囲が存在し、この最適範囲を超えて充電器損失低減を進めていくと、却って充電効率が悪化する場合のあることを見出した。
【0009】
例えば、充電器損失低減手段が、充電器を冷却することで充電器での熱損失を低減させる冷却手段である場合において、冷却手段の駆動により充電器損失を低減できるものの、冷却度合いを大きくするほど、冷却手段の駆動に要する電力の消費量が増大していく。したがって、冷却度合いを大きくすればするほど充電効率を向上できるものではない。
【0010】
また、例えば、充電器損失低減手段が、受電電力を低下させることで充電器での熱損失を低減させる手段である場合において、このような受電電力低下により充電器損失を低減できるものの、受電電力を低下させるほど充電時間が長くなる。そのため、充電システムの運転に要する電力の消費量が増大していく。したがって、受電電力を低下させればさせるほど充電効率を向上できるものではない。
【0011】
以上による本発明者らの検討に基づき、上記発明では、充電終了までにおける受電電力の総量に対するバッテリ蓄電エネルギの割合(充電効率)に基づき、充電器での熱損失の低減量を制御するので、充電器損失の低減量が最適範囲となるように制御して、充電効率を効果的に向上させることができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、前記充電器損失低減手段は、前記充電器を冷却することで前記熱損失を低減させる冷却手段を有し、前記損失低減量制御手段は、前記冷却による前記熱損失の低減量が前記冷却手段の駆動で消費されるエネルギより多くなるように、前記冷却手段による冷却度合を制御する冷却制御手段を有することを特徴とする。
【0013】
上記発明によれば、冷却手段の冷却による充電器の熱損失の低減量が、冷却手段の駆動で消費されるエネルギより多くなるように、冷却手段による冷却度合を制御する。そのため、冷却による充電器の熱損失低減を過剰に促進させた結果、冷却手段の駆動で消費されるエネルギが増大して却って充電効率が悪くなる、といった不具合を回避して、充電効率を効果的に向上できる。
【0014】
請求項3記載の発明では、前記冷却制御手段は、前記冷却手段による冷却風と前記充電器との温度差に応じて、前記冷却消費エネルギを変化させることを特徴とする。
【0015】
ここで、冷却消費エネルギが同じであっても、冷却風と充電器との温度差が大きい場合であるほど、充電器の冷却量(温度低下量)は多くなる。そのため、前記温度差が大きい場合であるほど、充電効率が最大となる冷却消費エネルギは大きい値となる(図2(d)参照)。この点を鑑みた上記発明では、冷却風と充電器との温度差に応じて冷却消費エネルギを変化させるので、冷却消費エネルギを制御することで充電効率を目標値に制御することを、高精度で実現できる。
【0016】
請求項4記載の発明では、前記充電効率の向上を充電時間の短縮よりも優先させる効率優先モードと、前記充電時間の短縮を前記充電効率の向上よりも優先させる時間優先モードとが切り替え可能に構成され、前記冷却制御手段は、前記時間優先モードに設定されている場合には、前記効率優先モードに設定されている場合に比べて前記バッテリへ入力される充電電力が増大するよう、前記冷却消費エネルギを設定することを特徴とする。
【0017】
ここで、充電器損失の低減を促進させるべく冷却消費エネルギを過剰に大きくすると、その分バッテリへ入力される充電電力は少なくなり、充電時間は長くなる。一方、冷却消費エネルギを過剰に小さくすると、充電器損失の増大に伴い充電電力が少なくなり、ひいては充電時間が長くなる。したがって、充電時間を短くするには、充電電力が増大できるような適度な値に冷却消費エネルギを設定する必要がある。この点を鑑みた上記発明では、時間優先モードに設定されている場合には、効率優先モードに設定されている場合に比べて充電電力が増大するよう、冷却消費エネルギを設定するので、充電効率向上と充電時間短縮のバランスを、運転者の要求に合わせて調整することができる。
【0018】
請求項5記載の発明では、前記充電器損失低減手段は、前記受電電力を低下させることで前記熱損失を低減させる受電電力低下手段を有し、前記損失低減量制御手段は、前記受電電力の低下に伴い充電時間が長くなることによる前記充電システムの運転消費エネルギ増大分と、前記受電電力を低下させることによる前記熱損失の低減分とのバランスに基づき、前記充電効率が所定値以上となるように、前記受電電力低下手段による受電電力低下量を制御する低下量制御手段を有することを特徴とする。
【0019】
ここで、受電電力を低下させれば、充電器での熱損失を低減できるものの、充電時間が長くなる。すると、充電終了までにおける充電システムの運転消費エネルギ(例えば電子制御装置やインバータ回路、DC−DCコンバータ等の、充電器以外の補機で消費されるエネルギ)が多くなる。この点を鑑みた上記発明では、受電電力の低下に伴い充電時間が長くなることによる充電システムの運転消費エネルギ増大分と、受電電力を低下させることによる熱損失低減分とのバランスに基づき、充電効率が所定値以上となるように受電電力低下量を制御する。そのため、受電電力低下による充電器での熱損失低減を過剰に促進させた結果、充電システムの運転消費エネルギが増大して却って充電効率が悪くなる、といった不具合を回避して、充電効率を効果的に向上できる。
【0020】
請求項6記載の発明では、前記低下量制御手段は、前記充電器の温度および雰囲気温度の少なくとも一方に応じて、前記受電電力低下量を変化させることを特徴とする。
【0021】
ここで、上述したバランス、つまり充電システムの運転消費エネルギ増大分と熱損失低減分とのバランスは、充電器の温度や雰囲気温度で変化する(図5(d)参照)。この点を鑑みた上記発明では、充電器の温度および雰囲気温度の少なくとも一方に応じて受電電力低下量を変化させるので、受電電力低下量を制御することで充電効率を目標値に制御することを、高精度で実現できる。
【0022】
請求項7記載の発明では、前記充電効率の向上を充電時間の短縮よりも優先させる効率優先モードと、前記充電時間の短縮を前記充電効率の向上よりも優先させる時間優先モードとが切り替え可能に構成され、前記低下量制御手段は、前記時間優先モードに設定されている場合には、前記効率優先モードに設定されている場合に比べて前記受電電力低下量を少なくすることを特徴とする。
【0023】
ここで、充電器損失の低減を促進させるべく受電電力低下量を多くするほど、その分バッテリへ入力される充電電力は少なくなり、充電時間は長くなる。したがって、受電電力低下量を少なくするほど充電時間を短くできると言える。この点を鑑みた上記発明では、時間優先モードに設定されている場合には、効率優先モードに設定されている場合に比べて受電電力低下量を少なくするので、充電効率向上と充電時間短縮のバランスを、運転者の要求に合わせて調整することができる。
【0024】
請求項8記載の発明では、前記充電効率の向上を充電時間の短縮よりも優先させる効率優先モードと、前記バッテリの劣化抑制を前記充電効率の向上よりも優先させる寿命優先モードとが切り替え可能に構成され、前記低下量制御手段は、前記寿命優先モードに設定されている場合には、前記効率優先モードに設定されている場合に比べて前記受電電力低下量を多くすることを特徴とする。
【0025】
ここで、バッテリへ入力する充電電流の値が高いほど、バッテリの劣化が促進されてしまう。しかし、バッテリ劣化抑制を図るべく受電電力を少なくすると、充電時間が長くなることに起因して充電システム運転消費エネルギの増大を招き、ひいては充電効率が低下する場合がある。この点を鑑みた上記発明では、寿命優先モードに設定されている場合には、効率優先モードに設定されている場合に比べて受電電力低下量を多くするので、充電効率向上とバッテリ劣化抑制のバランスを、運転者の要求に合わせて調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態を示す充電制御装置、およびその装置が適用される充電システムを示す図。
【図2】冷却消費エネルギWccの最適値を説明する図。
【図3】図2に基づき設定されたWcc算出マップを示す図。
【図4】図3のマップに基づき冷却器を制御することによる効果を説明する図。
【図5】受電電力Winの最適値を説明する図。
【図6】図5に基づき設定されたWin算出マップを示す図。
【図7】図6のマップに基づき受電電力Winを制御することによる効果を説明する図。
【図8】バッテリ入力電流Ibとバッテリ劣化進行度合いとの関係を示す特性図。
【図9】図3のマップおよび図6のマップに基づき、冷却消費エネルギWccおよび受電電力Winを制御しながら充電する処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明にかかる充電制御装置を、車両用の充電システムに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1中の一点鎖線に示す車両10は、バッテリ11を走行駆動源としてモータ走行する電気自動車であり、外部電源20から供給される受電電力を充電器12によりバッテリ11へ充電させる。なお、上記車両10の他の例として、外部電源20からバッテリ充電するシステムと内燃機関の両方を有したハイブリッド自動車が挙げられる。
【0029】
外部電源20は、商用100Vまたは200Vの交流電力であり、充電器12は、交流電力を直流に変換する整流回路や、整流した電力を昇圧する昇圧回路等を備えて構成されている。バッテリ11は、車両10に搭載された走行用モータ(図示せず)へ電力供給する。
【0030】
また、図1に示す充電システムは、電子制御装置(ECU13)やインバータ、DC−DCコンバータ等の補機14や、バッテリ11を冷却する冷却器15を備えている。補機は、充電器12から出力される電力の一部を電源として作動し、冷却器15は受電電力の一部を電源として作動する。したがって、補機14で消費されるエネルギ(補機消費エネルギ)および冷却器15で消費されるエネルギ(冷却消費エネルギ)が多くなれば、その分、バッテリ11へ蓄積される充電エネルギは少なくなる。
【0031】
図に示す冷却器15は、送風ファンにより空気をバッテリ11へ送風するものであるが、熱交換器により冷却した冷風をバッテリ11へ送風するように構成された冷却器15を採用してもよい。なお、以下の説明において、冷却器15による冷却風の温度をTxと記載するが、熱交換器を有していない本実施形態においては、冷却風温度Txは外気温度Taと同じである。
【0032】
ECU13は、バッテリ11から走行用モータへ供給する電力量を制御する。また、充電制御装置としても機能するECU13(受電電力低下手段、充電器損失低減手段)は、外部電源20から充電器12へ供給される受電電力(具体的には受電電力の電流値である受電電流Iin(t))を制御するとともに、冷却器15の作動(具体的には送風ファンの回転速度)を制御する。
【0033】
ここで、充電開始から充電終了までにおける受電電力Winの総量(受電エネルギ)に対する、バッテリ蓄電エネルギの割合を、充電効率と呼ぶ。また、バッテリ蓄電エネルギWbに、以下に例示する各種損失Wcc,Wcl,Wscを加算した値が、受電電力総量(受電エネルギ)に相当する。Wccは冷却器15で消費されるエネルギ(冷却消費エネルギWcc)に相当する損失である。Wclは充電器12の発熱による熱損失(充電器損失Wcl)である。Wscは補機14で消費されるエネルギ(補機消費エネルギWsc)に相当する損失である。
【0034】
そして、上述した冷却器15の制御および受電電力Winの制御は、充電効率が所定値以上になるように制御しており、これらの制御手法については、以下に説明する。
【0035】
先ず、図1を用いて受電電力Win、各種損失Wcc,Wcl,Wscおよびバッテリ蓄電エネルギWbの収支関係を説明すると、Win=Wcc+Wcl+Wsc+Wbとなる。そして、Wb/Winが充電効率である。つまり、各種損失Wcc,Wcl,Wscの合算値を低減させることが充電効率の向上に繋がる。
【0036】
なお、これらの収支関係を電圧一定と見なした電流値で説明すると、受電電流Iinの一部は冷却器15に流れるため、冷却器15で用いられる電流(冷却消費電流Ia1)を受電電流Iinから減算した値が、充電器12へ供給される受電電力Winの電流(充電器入力電流Ic)となる。そして、充電器損失Wclの電流換算値(充電器損失電流Icl)と、補機消費エネルギ補機14で消費される電流換算値(補機消費電流Ia2)を、充電器入力電流Icから減算した値が、バッテリ11へ入力される電流値(バッテリ入力電流Ib)となる。
【0037】
上述した「冷却器15の制御」および「受電電流Iinの制御」のうち、先ずは、冷却器15の制御(送風ファン回転速度の制御)の内容と、その制御による効果について、図2〜図4を用いて以下に説明する。
【0038】
図2(a)に示すように、充電器12の温度(充電器温度T)が高くなるほど、充電器12で生じる発熱量が多くなり充電器損失Wclが大きくなる。したがって、冷却器15を作動させて充電器温度Tを低下させれば充電器損失Wclを少なくできる。また、冷却器15の送風ファンの回転速度を上昇させるほど、充電器温度Tの低下が促進される。但し、回転速度を上昇させれば、その分だけ冷却消費エネルギWccが大きくなる。
【0039】
図2(b)は、充電器温度Tと外気温度Taとの差分(充電器の外気温度差ΔT)が大きいほど、充電器温度Tを目標温度低下量dTだけ低下させるのに必要な冷却消費エネルギWccが小さくなることを示す。また、目標温度低下量dTが大きいほど、必要な冷却消費エネルギWccも大きくなることを示す。
【0040】
図2(c)は、冷却器15のファン回転速度と、充電器損失Wclおよび冷却消費エネルギWccとの関係を示すグラフであり、初期の充電器温度Tが一定であるとの条件であれば、図2(a)(b)の内容から図2(c)の結果が得られることが分かる。すなわち、当該グラフは、ファン回転速度を高くするほど、充電器損失Wclの低減量ΔWclは大きくなり、しかも、充電器の外気温度差ΔTが大きいほど、その低減量ΔWclは大きくなることを表す。また、ファン回転速度を高くするほど、冷却消費エネルギWccの増加量ΔWccが大きくなることを表す。ちなみに、図中の横軸上に示す一点鎖線は、ファン回転速度の最大値(ファン能力の限界点)を示す。
【0041】
図2(d)は、図2(c)から導き出されるグラフであり、充電器損失Wclの低減量ΔWclから冷却消費エネルギWccの増加量ΔWccを減算した値(ΔWcl−ΔWcc)を縦軸とし、冷却消費エネルギWccの値を横軸とする。このグラフは、冷却消費エネルギWccを所定の値にした時に、ΔWcl−ΔWccがピーク値となり充電効率が最大となることを表す。また、充電器12の外気温度差ΔTが大きいほどΔWcl−ΔWccのピーク値は高くなり、充電効率が向上することを表す。図中の一点鎖線L1は、充電器の外気温度差ΔTに応じて変化する前記ピーク値を示す。
【0042】
各種損失Wcc,Wcl,Wscの合算値を低減させることが充電効率の向上に繋がることは先述した通りであるが、図2(d)では要するに、冷却器15による送風量を多くすればWclを低減できるもののWccが増加するので、冷却風を多くするほど充電効率が向上するという訳ではなく、送風量の最適範囲(またはピーク値)が存在することを表している。そしてその最適範囲は、充電器12の外気温度差ΔTに応じて変化することを表している。
【0043】
なお、図2(e)は、単位時間当たりの充電器温度上昇量dT/dtを示す式であり、式中の符号Cは充電器12の熱容量、Rは充電器12の内部抵抗、Tは充電器温度、Txは冷却風温度、Taは外気温度(本実施形態ではTx=Ta)、Icは充電器入力電流、αは冷却風と充電器12との熱伝達率、Sは充電器12の冷却面積を示す。そして、式中のA項は充電器12の発熱量を示し、B項は送風ファンにより送風された冷却風による放熱量を示し、C項は外気による放熱量を示す。
【0044】
図3は、冷却消費エネルギWcc(冷却器15への供給エネルギ)の最適値が記憶されたマップであり、図2を用いて説明した上記知見を鑑みて、充電器の外気温度差ΔTおよび外気温度Taと関連付けて記憶されている。すなわち、前記最適値は、図2(d)中の一点鎖線L1上の値であり、充電効率を最大にする冷却消費エネルギWccの値に設定されている。具体的には、充電器の外気温度差ΔTが大きいほど、ピーク値となるWccは大きくなっていくので(図3(d)参照)、図3のマップにおいてΔTが大きいほどWccの値を大きく設定している。
【0045】
なお、図2(d)中の網点は、充電器損失低減量が冷却消費エネルギWccよりも多くなる領域を表しており、この領域の範囲内で冷却消費エネルギWccの最適値を設定している。したがって、図3のマップのうち、充電器の外気温度差ΔTが所定値よりも小さい領域、つまり点線L2より左側の領域では、冷却消費エネルギWccをゼロに設定しており、冷却器15の作動を停止させる。
【0046】
ちなみに、図3中の網点を付した領域においては、充電器12が熱損傷することから保護するように冷却器15が機能する領域である。一方、図3中の斜線を付した領域においては、充電効率を向上させるように冷却器15が機能する領域である。そして、熱損傷保護の領域において、外気温度Taが高いほどWccの値を大きくして熱損傷から確実に保護させるようにしている。
【0047】
図4は、図3のマップに基づき設定した冷却消費エネルギWccとなるよう冷却器15の作動を制御した場合における、損失合計低減および充電時間短縮の効果を表す図である。
【0048】
図3のマップにしたがって冷却器15の作動を制御することにより、図4(a)の縦軸上の矢印に示すように充電にかかる損失合計を低減することができる。ここで言う「損失」とは、単位時間当たりにおける冷却消費エネルギWcc、充電器損失Wclおよび補機消費エネルギWscの各々のことである。また、「損失合計」とは、単位時間当たりの各損失Wcc,Wcl,Wscを合算した値のことであり、図4(a)に示す三角形の高さに相当する。
【0049】
つまり、図3のマップにしたがって、充電効率が最大となるように冷却消費エネルギWccを設定して冷却器15を制御すれば、図4(a)の縦軸に示すように、冷却消費エネルギWccが増大するものの充電器損失Wclが低減する。そして、Wccの増大分よりもWclの低減分の方が多いので、結果的に損失合計(三角形の高さ)が低減され、ひいては充電効率が向上する。
【0050】
また、このように充電効率が向上した結果、図4の横軸上の矢印に示すように充電時間の短縮を図ることもできる。なお、損失量は、単位時間当たりの損失を充電時間で積分して算出される(図4(b)参照)。よって、充電時間が長くなるほど、損失量(図4(a)に示す三角形の高さ)は大きくなる。
【0051】
次に、上述した「冷却器15の制御」および「受電電流Iinの制御」のうち、受電電流Iinの制御の内容と、その制御による効果について、図5〜図7を用いて以下に説明する。
【0052】
図5(a)に示すように、受電電力Winが一定であるとの条件下において、充電時間を短くするほど補機消費エネルギWscを少なくできる。そして、受電電流Iinを増加させて受電電力Winを増加させれば、充電時間を短くできる(図5(b)参照)。要するに、受電電力Winを増加させれば、充電時間を短くでき、ひいては補機消費エネルギWscを少なくできると言える。しかしながら、このように受電電力Winを増加させれば、充電器損失Wclが増大する(図5(c)参照)。
【0053】
図5(d)は、受電電力Winと充電効率との関係を示すグラフであり、図5(a)〜(c)の内容から図5(d)の結果が得られることが分かる。すなわち、当該グラフは、受電電力Winを所定の値にした時に、充電効率がピーク値(最大)となることを表す。また、充電器温度Tが低いほど充電効率のピーク値は高くなり、充電効率が向上することを表す。図中の一点鎖線L3は、充電器温度Tに応じて変化する前記ピーク値を示す。
【0054】
各種損失Wcc,Wcl,Wscの合算値を低減させることが充電効率の向上に繋がることは先述した通りであるが、図5(d)では要するに、前記ピーク値L3よりも受電電力Winが少ない領域においては、受電電力Winの増加による補機消費エネルギWscの低減量が、受電電力Winの増加による充電器損失Wclの増大量よりも多い。そのため、受電電力Winの増加に伴い充電効率も上昇していく。一方、前記ピーク値L3よりも受電電力Winが多い領域においては、受電電力Winの増加による補機消費エネルギWscの低減量が、受電電力Winの増加による充電器損失Wclの増大量よりも少ない。そのため、受電電力Winの増加に伴い充電効率は低下していく。
【0055】
図6は、受電電力冷却消費エネルギWccの最適値が記憶されたマップであり、図2を用いて説明した上記知見を鑑みて、充電器の外気温度差ΔTおよび外気温度Taと関連付けて記憶されている。すなわち、前記最適値は、図5(d)中の一点鎖線L3上の値であり、充電効率を最大にする受電電力のことである。
【0056】
具体的には、充電器温度Tが低いほど、ピーク値となる受電電力は高くなっていくので(図5(d)参照)、図6のマップにおいて充電器温度Tが低いほど受電電力の値を高く設定している。また、外気温度Taが低いほど充電器12からの放熱量が多くなることを鑑みて、外気温度Taが低いほど受電電力の値を高く設定している。
【0057】
図7は、図6のマップに基づき設定した受電電力(受電電流Iin)となるよう充電器12の作動を制御した場合における、損失合計低減の効果を表す図である。
【0058】
図6のマップにしたがって冷却器15の作動を制御することにより、図7(a)の縦軸上の矢印に示すように充電にかかる損失合計を低減することができる。なお、前記「損失合計」の定義は図4と同じである。つまり、図6のマップにしたがって、充電効率が最大となるように受電電力(受電電流Iin)を制御すれば、図7(a)の縦軸に示すように、冷却消費エネルギWccおよび充電器損失Wclが低減する。そのため、損失合計(三角形の高さ)が低減して充電効率が向上する。
【0059】
但し、このように充電効率が向上することの背反として、図7の横軸上の矢印に示すように充電時間が増加する。そのため、図7(b)に示す損失量、つまり、単位時間当たりの損失を充電期間で積算した値であって、図7(a)に示す三角形の高さは、充電時間の増加分に比例して大きくなる。但し、充電時間増加に伴い生じた損失量の増量分(図7(a)中の符号ΔW参照)は、損失合計低減に伴い生じた損失量の減少分よりも少ない。よって、単位時間当たりの損失合計を充電期間で積算した値であって、図7(a)に示す三角形の高さに相当する値は低減する。
【0060】
次に、損失合計を低減させる2つの手法、すなわち「冷却器15の制御」および「受電電流Iinの制御」の作用原理の違いについて、図4(c)および図7(c)を用いて説明する。これらの図面は、受電電流Iinと充電器損失Wclとの関係を示しており、受電電流Iinの増加に伴い充電器損失Wclが増大し、また、充電器温度Tが高いほど充電器損失Wclが増大することを表している。
【0061】
そして、「冷却器15の制御」によれば、図4(c)中の一点鎖線に示すように、冷却器15で充電器温度Tを低下させることにより充電器損失Wclを低下させて、充電効率を向上させている。一方、「受電電流Iinの制御」によれば、図7(c)中の一点鎖線に示すように、受電電流Iinを低下させることにより充電器損失Wclを低下させて、充電効率を向上させている。
【0062】
ところで、バッテリ入力電流Ibが大きいほど、バッテリ11の劣化進行は促進される(図8参照)。また、バッテリ入力電流Ibが所定の閾値Ibthを超えると急激に劣化進行が促進されるようになる。そのため、バッテリ入力電流Ibが閾値Ibthを超えないように制限することはバッテリ11の劣化抑制を図る上で有効である。よって、例えば図6のマップに基づき設定した受電電力が所定値を超えないように制限することで、バッテリ劣化抑制を図るようにしてもよい。
【0063】
また、車両ユーザによっては、充電効率の向上よりも短時間で充電を完了させることを優先させたい場合がある。このように、充電時間短縮を図りたい場合には、図6のマップに基づき設定した受電電力を増大するように補正して、バッテリ入力電流Ibを増大させてもよい。或いは、図3のマップに基づき設定した冷却消費エネルギ(冷却器15への供給エネルギ)を減少するように補正して、バッテリ入力電流Ibを増大させてもよい。
【0064】
要するに、充電効率向上、充電時間短縮およびバッテリ劣化抑制のいずれを優先させるかに応じて、冷却器15への供給エネルギと受電電力を変更することが望ましい。但し、充電効率を所定以上に維持させつつ、充電時間短縮およびバッテリ劣化抑制を図ることが望ましい。具体的には、例えば図2(d)中の点線L1a,L1bの範囲内に制限しつつ、ピーク値L1を補正した値に冷却消費エネルギWccを設定すればよい。また、図5(d)中の点線L3a,L3bの範囲内に制限しつつ、ピーク値L3を補正した値に受電電力を設定すればよい。
【0065】
なお、前記補正を実施するにあたり、図3及び図6のマップから設定したWcc及び受電電力を補正してもよいし、補正済みの値が記憶された複数のマップを予め準備しておき、補正内容に応じて使用するマップを切り替えるようにしてもよい。
【0066】
本実施形態に係る車両10には、車両運転者により操作されるモード切替スイッチ16(図1参照)が備えられている。このモード切替スイッチ16は、充電効率向上を優先させる効率優先モードと、充電時間短縮を優先させる時間優先モードと、バッテリ劣化抑制を優先させる寿命優先モードとを選択するスイッチである。
【0067】
図9は、ECU13が有するマイクロコンピュータによる、モード選択に応じた冷却器15および受電電流Iinの制御の手順を示すフローチャートであり、当該処理は、所定周期(例えば先述のCPUが行う演算周期)で繰り返し実行される。
【0068】
先ず、図9に示すステップS10において、モード切替スイッチ16により選択されたモードを取得し、そのモードに応じた図3のマップ(Wcc算出マップ)および図6のマップ(Iin算出マップ)を選択する。すなわち、効率優先モードの場合にはピーク値L1,L3(図2および図5参照)となるWcc算出マップおよびIin算出マップを選択する。時間優先モードの場合には、ピーク値L1よりも冷却消費エネルギWccを低下させたWcc算出マップ、およびピーク値L3よりも受電電力を増加させたIin算出マップを選択する。寿命優先モードの場合には、ピーク値L1となるWcc算出マップ、およびピーク値L3よりも受電電力を減少させたIin算出マップを選択する。
【0069】
続くステップS20(低下量制御手段(損失低減量制御手段))では、ステップS10で選択したIin算出マップを参照して、充電器温度Tおよび外気温度Taに基づき受電電力(受電電流Iin)を決定する。なお、受電電力の電圧は100Vまたは200V等、特定の値に決められているので、実質的には受電電流Iinを決定することとなる。また、冷却器15が熱交換器を有する場合には、熱交換器により温度低下した冷却風の温度Txにも基づいて受電電力を決定する。
【0070】
続くステップS30(冷却制御手段(損失低減量制御手段))では、ステップS10で選択したWcc算出マップを参照して、充電器温度Tおよび外気温度Taに基づき冷却消費エネルギWcc(冷却器供給エネルギ)を決定する。なお、冷却器15が熱交換器を有する場合には、熱交換器により温度低下した冷却風の温度Txにも基づいて冷却消費エネルギWccを決定する。
【0071】
続くステップS40では、受電電流Iin、冷却消費電流Ia1、外気温度Ta、充電器温度の前回値T(t)に基づき、充電器温度Tを算出する。具体的には、先ず、受電電流Iinから冷却消費電流Ia1を減算して、充電器入力電流Icを算出する。次に、このように算出したIcおよびTa,T(t)を、図2(e)の算出式に代入して、充電器温度上昇量dT/dtを算出する。そして、このように算出したdT/dtを充電器温度の前回値T(t)に加算して、充電器温度Tを算出する。
【0072】
続くステップS50では、ステップS40で算出した充電器温度T、および充電器入力電流Icに基づき、充電器損失Wclを算出する。具体的には、充電器温度Tに基づき充電器12の内部抵抗Rを算出し、その内部抵抗RにIcの2乗を乗算してWclを算出する。
【0073】
続くステップS60では、ステップS50で算出した充電器損失Wclに相当する充電器損失電流Icl、充電器入力電流Icおよび補機消費電流Ia2に基づき、バッテリ入力電流Ibを算出する。具体的には、IclおよびIa2をIcから減算してWclを算出する。
【0074】
続くステップS70では、ステップS60で算出したバッテリ入力電流Ibに基づき、現時点でのバッテリ蓄電エネルギが目標値Wbに達したか否かを判定する。目標値Wbに達していなければ、ステップS20〜S60の処理を繰り返して充電を継続し、目標値Wbに達したと判定されれば、図9の処理を終了して充電を終了する。
【0075】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0076】
(1)冷却器15により充電器12を冷却することで充電器損失Wclを低減させるにあたり、充電器損失Wclの低減量ΔWclが、冷却消費エネルギWccの増加量ΔWccより多くなるように、冷却消費エネルギWcc(冷却器供給エネルギ)を制御する。そのため、冷却器15を過剰運転させた結果、冷却消費エネルギWccの増大により充電効率が却って悪くなる、といった不具合を回避して、充電効率を効果的に向上できる。
【0077】
(2)受電電力の低下に伴い充電時間が長くなることによる補機消費エネルギWsc(充電システムの運転消費エネルギ)の総量(積分値)増大分が、受電電力を低下させることによる冷却消費エネルギWccおよび充電器損失Wclの総量(積分値)減少分よりも少なくなるように、受電電力を制御する。そのため、受電電力を過剰に減少させた(受電電力低下量を過大にした)結果、補機消費エネルギWscの総量増大により充電効率が却って悪くなる、といった不具合を回避して、充電効率を効果的に向上できる。
【0078】
(3)充電器温度Tと外気温度Taとの差分ΔTに応じて、冷却消費エネルギWccを変化させるよう制御するので、所望する充電効率となるよう高精度で制御できる。また、充電器温度Tおよび外気温度Taに応じて、受電電力を変化させるよう制御するので、所望する充電効率となるよう高精度で制御できる。
【0079】
(4)効率優先モード、時間優先モードおよび寿命優先モードに応じて、冷却消費エネルギWccおよび受電電力の設定を変更するので、充電効率向上、充電時間短縮、バッテリ劣化抑制のバランスを、車両ユーザの要求に応じて調整できる。
【0080】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
【0081】
・上記実施形態では、「冷却器15の制御」および「受電電流Iinの制御」の両制御を実施しているが、いずれか一方のみを実施するようにしてもよい。
【0082】
・上記実施形態にかかる冷却器15では、送風ファンにより外気温度の空気を充電器12へ送風させているが、熱交換器を有した冷却器15を採用し、外気温度を冷却した冷気を送風させるようにしてもよい。
【0083】
・上記実施形態では、効率優先モード、時間優先モードおよび寿命優先モードの3つのモードに応じて、冷却消費エネルギWccおよび受電電力の設定を変更しているが、寿命優先モードを廃止して、効率優先モードおよび時間優先モードに応じて冷却消費エネルギWccおよび受電電力の設定を変更するようにしてもよい。
【0084】
・上記実施形態では、冷却消費エネルギWccおよび受電電力の両方を各モードに応じて変更させているが、いずれか一方のみを各モードに応じて変更させるようにしてもよい。
【0085】
・上記実施形態では、冷却器15への電力供給を外部電源20からの受電電力としているが、例えば、充電器12から電力供給してもよいし、バッテリ11から電力供給してもよい。また、上記実施形態では、補機14への電力供給を充電器12から行っているが、例えば、バッテリ11から補機14への電力供給を実施してもよい。
【0086】
・上記実施形態では、商用100Vまたは200Vの交流電力を外部電源20として採用しているが、本発明にかかる電源は、このような商用の電圧に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0087】
11…バッテリ、12…充電器、13…ECU(受電電力低下手段、充電器損失低減手段)、15…冷却器(冷却手段(充電器損失低減手段))、20…外部電源(電源)、S20…低下量制御手段(損失低減量制御手段)、S30…冷却制御手段(損失低減量制御手段)、Wb…バッテリ蓄電エネルギ、Win…受電電力。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から供給される受電電力を充電器で昇圧してバッテリへ入力させる充電システムに適用され、
前記充電器で生じる熱損失を低減させる充電器損失低減手段と、
充電終了までにおける前記受電電力の総量に対するバッテリ蓄電エネルギの割合である充電効率に応じて、前記充電器損失低減手段による前記熱損失の低減量を制御する損失低減量制御手段と、
を備えることを特徴とする充電制御装置。
【請求項2】
前記充電器損失低減手段は、前記充電器を冷却することで前記熱損失を低減させる冷却手段を有し、
前記損失低減量制御手段は、前記冷却による前記熱損失の低減量が前記冷却手段の駆動で消費されるエネルギより多くなるように、前記冷却手段での冷却消費エネルギを制御する冷却制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記冷却制御手段は、前記冷却手段による冷却風と前記充電器との温度差に応じて、前記冷却消費エネルギを変化させることを特徴とする請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記充電効率の向上を充電時間の短縮よりも優先させる効率優先モードと、前記充電時間の短縮を前記充電効率の向上よりも優先させる時間優先モードとが切り替え可能に構成され、
前記冷却制御手段は、前記時間優先モードに設定されている場合には、前記効率優先モードに設定されている場合に比べて前記バッテリへ入力される充電電力が増大するよう、前記冷却消費エネルギを設定することを特徴とする請求項2または3に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記充電器損失低減手段は、前記受電電力を低下させることで前記熱損失を低減させる受電電力低下手段を有し、
前記損失低減量制御手段は、前記受電電力の低下に伴い充電時間が長くなることによる前記充電システムの運転消費エネルギ増大分と、前記受電電力を低下させることによる前記熱損失の低減分とのバランスに基づき、前記充電効率が所定値以上となるように、前記受電電力低下手段による受電電力低下量を制御する低下量制御手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の充電制御装置。
【請求項6】
前記低下量制御手段は、前記充電器の温度および雰囲気温度の少なくとも一方に応じて、前記受電電力低下量を変化させることを特徴とする請求項5に記載の充電制御装置。
【請求項7】
前記充電効率の向上を充電時間の短縮よりも優先させる効率優先モードと、前記充電時間の短縮を前記充電効率の向上よりも優先させる時間優先モードとが切り替え可能に構成され、
前記低下量制御手段は、前記時間優先モードに設定されている場合には、前記効率優先モードに設定されている場合に比べて前記受電電力低下量を少なくすることを特徴とする請求項5または6に記載の充電制御装置。
【請求項8】
前記充電効率の向上を充電時間の短縮よりも優先させる効率優先モードと、前記バッテリの劣化抑制を前記充電効率の向上よりも優先させる寿命優先モードとが切り替え可能に構成され、
前記低下量制御手段は、前記寿命優先モードに設定されている場合には、前記効率優先モードに設定されている場合に比べて前記受電電力低下量を多くすることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の充電制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−13248(P2013−13248A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144406(P2011−144406)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】