説明

充電器

【課題】複数種類の電池パックを充電出来る充電器において、外的要因による充電端子変形、破壊や、金属アクセサリー等によるチェーンショート防止機能を備えた充電器を提供することを目的とする。
【解決手段】充電端子上部に可動式のつばを設けることで、複数種類の電池パックを充電することが可能となり、また電池が挿入されていない状態においても、プレートが充電端子を覆っているため、外的要因による端子の変形、破壊による充電機能の停止や金属部品が充電端子に触れることによって発生する短絡を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚みの異なる電池パックを充電することが出来る機能を備えた充電器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、形状の異なる電池パックを一つの本体で充電可能とする機能を設けた充電器においては、凹部内の充電端子配置面の対面または下面に電池パックの厚みに対して可動する規制部材を備えていた。
【特許文献1】特開平5−144477号公報
【特許文献2】特開平8−78062号公報
【特許文献3】特許第3378675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記充電器においては、充電端子が凹部から露出した状態になり、外的要因による充電端子の変形、破壊による充電機能停止や金属部品や金属アクセサリー等が充電端子に触れることによって短絡が生じる可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記従来の課題を解決するために、本発明の充電器は、ケース内に各種電子部品を組み込んだ回路基板を搭載し、充電端子、プレート、弾性部材を有する充電器において、前記プレートが、より前記電池の挿入角度を規制することを可能とし、また前記充電器の充電端子部へ挿入される前記電池の厚みに応じて上下に移動することを可能とする機能を備えていることを特徴とし、また電池が挿入されていない状態においても、充電端子上部にプレートが備わっていることで外的要因による端子の変形、破壊による充電機能の停止や金属物が充電端子に触れることによって発生する短絡を防止することを特徴とする充電器というものである。
本発明の充電器を用いることによって、電池パックをポケットに挿入する際に、電池パック先端が充電端子上部に設けられている可動式のつばの先端に接触し、電池パックの厚みに応じてプレートが垂直方向に可動し、電池パックの挿入が完了した際にプレートの底面が電池パックの上部を抑えこむことで厚みの違う電池パックを保持、位置規制することができる。
【0005】
また、電池パックが挿入されていない時(電池ポケットが空の状態)には充電端子上部に設けられているプレートにより、金属アクセサリー等の携帯物を充電器上部に落としてしまった際や、人の手によって起こる充電端子の変形や破壊による充電機能の停止や、落とした金属アクセサリー等が充電端子同士を電気的につなぐことよって発生する短絡を防止することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、電池パック充電器本体に装着し、その電池パックに設けられた電池端子と前記充電器本体に設けられた充電端子とを接触させることにより前記電池パックの充電を行う充電器において、複数種の電池パックの充電に対応しており、装着される電池パックの厚みに応じて前記電池パックの位置規制を行うプレートを備えたので、厚みの異なる電池パックを確実に充電することができる。
【0007】
また、前記規制部材が充電端子上部に設けられていることにより、充電端子の保護、す
なわち外的要因による充電端子の変形、破壊による充電機能の停止や金属部品が充電端子に触れることによって発生する短絡を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、各図において、同一の構成要素には同一の番号を付している。
【0009】
図1は充電器1の斜視図である。この充電器1は上ケース(外装体)2と下ケース(外装体)3及びカバー(外装体)4により外装され、プレート5が上ケース2とカバー4によって位置規制され、電池ポケット11には複数種の電池パックを装着できるよう構成されている。
【0010】
図2及び図3は上記充電器1の上面図(図2)と正面図(図3)である。電池パックの電池端子が上記充電器1の充電端子6に接触することで充電を開始する。
【0011】
図4は上記充電器1の断面図である。プレート5は上ケース2から伸びている突起部12およびカバー4によって位置規制されている。また突起部12にはバネ部材7が取り付けられ、これによりプレート5が電池パックの厚みに応じて垂直方向に可動する。またその際、プレート5は充電端子6上部に設けられていることにより、充電端子6の保護、すなわち外的要因による充電端子6の変形、破壊による充電機能の停止や金属部品が充電端子6に触れることによって発生する短絡を防止することができる。
図5は充電端子6が電池ポケット11の底面に配置された場合の、上記充電器1の断面図である。この構成は端子が底面に備えられた電池パックを充電する場合に用いられる。
【0012】
図6は小電池パック9が装着されたときの上記充電器1の断面図である。装着された電池パックの垂直方向の位置規制は、プレート5底面と上ケース2上面で行われる。
【0013】
図7は大電池パックが装着されたときの上記充電器1の断面図である。大電池パック10を装着する際に、大電池パック10の先端がプレート5の先端に当たり、さらに大電池パック10を押し込むことプレート5は垂直方向に押し上げられる。これによりプレート5底面の位置が上昇し、大電池パック10の位置を規制することができる。
【0014】
図8は可動リブ13を設けた上記充電器1の上面図である。この可動リブ13は電池の幅によって可動することを可能とし、例えば図9のように電池の幅が電池ポケット11の幅より狭い小電池パック9が挿入された場合でも、可動リブ13が小電池パック9の幅方向の位置決めを行い、確実に充電を行うことができる。また、図10のように電池の幅が電池ポケット11と同じ幅の大電池パック10を充電する場合でも、大電池パック10を挿入する際に、可動リブ13が横方向に押し広げられることにより、大電池パック10が電池ポケット11に収納され、確実に充電を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0015】
以上の説明の通り本発明によれば、複数種の電池パックに対して確実に位置規制を行い充電することが可能となり、また充電端子の外的要因からの保護機能も備えているので、電池パックの厚み毎に専用充電器を用意する無駄がなくなり使用者が複数種の電池パックを使用する際の利便性を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例にかかる充電器の斜視図
【図2】本発明の一実施例にかかる充電器の上面図
【図3】本発明の一実施例にかかる充電器の正面図
【図4】本発明の一実施例にかかる充電器の内部構成を示す断面図
【図5】本発明の一実施例にかかる充電器の充電端子を底面より出した場合の断面図
【図6】本発明の一実施例にかかる充電器に小電池パックを装着した状態を示す断面図
【図7】本発明の一実施例にかかる充電器に大電池パックを装着した状態を示す断面図
【図8】本発明の一実施例にかかる充電器に可動リブを備えた上面図
【図9】本発明の一実施例にかかる充電器に小電池パックを装着した状態を示す上面図
【図10】本発明の一実施例にかかる充電器に大電池パックを装着した状態を示す上面図
【符号の説明】
【0017】
1 充電器
2 上ケース
3 下ケース
4 カバー
5 プレート
6 充電端子
7 バネ部材
8 基板
9 小電池パック
10 大電池パック
11 電池装着ポケット
12 突起部
13 可動リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に各種電子部品を組み込んだ回路基板を搭載し、充電端子、プレート、弾性部材を備え、
前記プレートが、前記充電器の充電端子部へ挿入される電池の厚みに応じて上下に移動する機能を備えていることを特徴とする充電器。
【請求項2】
前記充電端子は、前記充電器の電池装着ポケット側面または底面に配置され、前記プレートは充電端子の上部に備えたことを特徴とする請求項1の充電器。
【請求項3】
前記プレートは前記弾性部材により上下動することを特徴とする請求項1の充電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−178203(P2008−178203A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8820(P2007−8820)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】