説明

充電装置

【課題】多直列の接続された二次電池の充電制御を対価各で構成し、また、充電時に必要とされる最大電圧を低減することを目的とする。
【解決手段】複数の直列接続された蓄電池を1電池ブロックとし、前記電池ブロックを複数接続された組電池と、前記の全ての電池ブロックの電池電圧を順番に検出する1つの電圧検出部と、前記電圧検出部と前記電池ブロックとは複数のスイッチを介して接続され、複数のスイッチは複数の電池ブロックの電池電圧が個々に電圧検出部に電圧検出が出来るように前記スイッチのONとOFFを行い、スイッチがONの期間に1電池ブロックの電圧を検出し、残りのON時間で電圧検出回路と並列に接続された充電用電源で1電池ブロック電池を充電し、複数の電池ブロックで構成された組電池の複数の電池ブロックを順番に充電することで上記課題を解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共関係や産業関係等のバックアップ電源に用いられる高電圧が要求される組電池の充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の充電装置には、組み電池をまとめて充電することが知られている。従来の充電装置例を図3に示す。図3において301及び301は電池の電圧検出回路でそれぞれ、電池311〜313と314〜317の電池電圧を検出し、選出した値を341の制御マイコンに信号をおくり、充電は321の充電制御スイッチをON・OFFすることにより充電制御され、充電部331から供給される電流により、一括しての全ての組電池を充電していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−111295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の充電装置では、高電圧に接続された組電池を一度に充電するため、高電圧の電源が必要となり、高価な装置になったり、組み電池の最大電圧の規制がある場合、一度に充電すると全ての電池電圧が高くなり、負荷への供給電圧より高くなるため、組み電池の出力に電圧ドロップ回路を接続して負荷に接続し、負荷への供給電圧を低く設定する必要があり、回路が複雑となる課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の充電装置は、蓄電池を複数直列接続してなる電池ブロックと、前記電池ブロックを複数直列接続してなる組電池と、前記電池ブロックの電池電圧を検出する単一の電圧検出回路と、前記電池ブロックを充電する充電用電源と、前記電圧検出回路からの信号を判定して前記充電用電源を制御する制御回路とを備え、それぞれの前記電池ブロックと前記電圧検出回路とがスイッチを介して接続され、単一の前記電池ブロックにつながるスイッチのみがONの期間に前記単一の電池ブロックの電池電圧検出と充電を行うことを全ての前記電池ブロックに順次行うことを特徴とするものである。
【0005】
また、各電池ブロック毎に充電制御を行い、いずれかの前記電池ブロックの充電が完了したことが検出されると、他の前記電池ブロックの充電も停止することを特徴とするものである。
【0006】
また、組電池の最大総電圧を設定して、充電時に個々の前記電池ブロックの総電圧を検出又は個々の前記電池ブロック電圧の総和をもとめ、決められた総電圧以上となると充電を停止するものである。
【0007】
さらに、充電用電源と並列に放電回路を接続し、電圧が高い電池ブロックの放電を前記スイッチがONの期間に前記電池ブロックの電圧を検出し、残りの時間で前記放電回路が動作し、前記電池ブロックを放電し、各電池ブロックの均等化を行うものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、充電装置の電源部分を低電圧することにより小型化となること、また電池電圧の検出用のスイッチと充電スイッチと共用化でき小型化と低価格化できること、また、最大電圧を低く設定できること、また、均等充電も個別に出来る充電装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照にしながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における二次電池の充電装置の図である。図1において141は電池ブロックで蓄電池111〜115で構成される。また、電池ブロック142は蓄電池116〜120で構成される。また、電池ブロック143は蓄電池121〜125で構成される。電池ブロックは直列に接続され、最大電圧部161と最低電圧部162は負荷等に接続される。101は電圧検出回路で電池ブロックの電圧を検出し、131は充電用電源で各電池ブロックの電流供給として使用される。158は制御回路であり101の電圧検出回路からの信号を判定し、装置全体の制御を行う。また、151〜157はスイッチであり制御回路158からの信号により、ONとOFFを行う。これにより電池ブロック141の電圧を検出するときはスイッチ151とスイッチ152とをONし、他のスイッチをOFFにすることにより検出ができる。次に充電については、電池ブロック141の電圧を検出後に制御回路158から充電用電源131に信号を送り、充電用電源を動作させることにより、スイッチ151とスイッチ152とがONの間に充電を行うことができる。次に制御回路158はスイッチ153と154のみをONすることにより、同様に電池ブロック142の電圧検出と充電を行う。
【0010】
次に制御回路158はスイッチ156と157のみをONすることにより、同様に電池ブロック143の電圧検出と充電を行う。
【0011】
そして再び制御回路158は電池ブロック141、142・・・、143と電池電圧を検出し、充電が必要な場合、制御回路158から充電用電源に信号をおくり、スイッチがONしている間に、順番に繰り返し充電を行う。
【0012】
このON時間は例えば、0.5秒として、各電池ブロックを順番にONにしていくことができる。
【0013】
また、各電池ブロックの電圧を電圧検出回路101からの信号をもとに制御回路158が制御を行い、充電が完了とした場合、全ての電池ブロック充電も完了することができる。
【0014】
また、各電池ブロックの電圧を全て足し算することにより、最大電圧が求まり、最大電圧が、規制される場合は充電を止めて、最大電圧の抑制が可能となる。
【0015】
本発明は公共関係や産業関係等のバックアップ電源に用いられる高電圧の電源装置にもちいられ、充電器の電源の耐圧が低く設定できること、電圧検出スイッチと充電スイッチとを兼用できるため低価格構成が可能であること、また、ブロックごとで充電するため総電圧を低く抑えることができる。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態における二次電池の充電装置の図である。実施の1の形態に対し、追加分のみを説明する。159は放電回路であり、高電圧や過充電をされた電池ブロックの放電を行う。電池ブロック141が放電が必要な場合、スイッチ151とスイッチ152とがONにている間に、電池ブロックの電圧を測定し、残りの時間で制御回路158から放電回路159に信号を送り放電を実施する。実施形態1同様制御回路158がスイッチ151から157を周期的にONとOFFを繰り返し、全電池ブロックを均等に制御を行う。
【0016】
なお、蓄電池としては、ニッケル水素蓄電池や非水電解質二次電池や鉛蓄電池等の各種
電池を用いることができる。
【0017】
また、充電用電源131への逆流を防止するために逆流防止ダイオードを備えても良い。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明にかかる二次電池の充電装置は、多直列に接続された電池の制御を低価格で実現でき、充電電圧を低く抑える特有の効果を有しており、産業用に使用されるバックアップ電源等に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における構成図
【図2】本発明の実施の形態2における構成図
【図3】従来の構成図
【符号の説明】
【0020】
101 電圧検出回路
111〜125 蓄電池
131 充電用電源
141〜143 電池ブロック
151〜157 スイッチ
158 制御回路
159 放電回路
161 最大電圧部
162 最低電圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を複数直列接続してなる電池ブロックと、
前記電池ブロックを複数直列接続してなる組電池と、
前記電池ブロックの電池電圧を検出する単一の電圧検出回路と、
前記電池ブロックを充電する充電用電源と、
前記電圧検出回路からの信号を判定して前記充電用電源を制御する制御回路とを備え、
それぞれの前記電池ブロックと前記電圧検出回路とがスイッチを介して接続され、単一の前記電池ブロックにつながるスイッチのみがONの期間に前記単一の電池ブロックの電池電圧検出と充電を行うことを全ての前記電池ブロックに順次行うことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
各電池ブロック毎に充電制御を行い、いずれかの前記電池ブロックの充電が完了したことが検出されると、他の前記電池ブロックの充電も停止することを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項3】
組電池の最大総電圧を設定して、充電時に個々の前記電池ブロックの総電圧を検出又は個々の前記電池ブロック電圧の総和をもとめ、決められた総電圧以上となると充電を停止する請求項1記載の充電装置。
【請求項4】
充電用電源と並列に放電回路を接続し、電圧が高い電池ブロックの放電を前記スイッチがONの期間に前記電池ブロックの電圧を検出し、残りの時間で前記放電回路が動作し、前記電池ブロックを放電し、各電池ブロックの均等化を行う請求項1記載の充電装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−220021(P2008−220021A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52465(P2007−52465)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】