光ケーブル接続用クロージャ
【課題】部品点数を削減し、組付けコストを低減でき、軽量化を図れるとともに、防水性も向上させることができるドロップケーブル用クロージャを提供する。
【解決手段】クロージャ本体13と、クロージャ本体13内でクロージャ本体13に固定されるフレーム15と、クロージャ本体13の開放面17を開閉可能に覆う蓋体と、ドロップケーブル23を導出入するドロップケーブル導出入部27と、を備えるドロップケーブル用クロージャであって、ドロップケーブル導出入部27から導出入されるドロップケーブル23を位置決め固定するドロップケーブル把持部37がクロージャ本体13の外部に設けられ、フレーム15及びドロップケーブル把持部37がプラスチック樹脂で一体成形される。
【解決手段】クロージャ本体13と、クロージャ本体13内でクロージャ本体13に固定されるフレーム15と、クロージャ本体13の開放面17を開閉可能に覆う蓋体と、ドロップケーブル23を導出入するドロップケーブル導出入部27と、を備えるドロップケーブル用クロージャであって、ドロップケーブル導出入部27から導出入されるドロップケーブル23を位置決め固定するドロップケーブル把持部37がクロージャ本体13の外部に設けられ、フレーム15及びドロップケーブル把持部37がプラスチック樹脂で一体成形される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架空で光ケーブルとドロップケーブルとを接続する光ケーブル接続用クロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
光ケーブルを用いたネットワークの中で、加入者宅まで直接光ファイバを引き込む形態のFTTH(Fiber To The Home)は、加入者宅の近くで電柱等により支持された架空の吊線に吊持させた光ケーブル接続用クロージャ内で、架空の光ケーブルから必要心数(1〜2心/加入者宅)を引き落とし、加入者宅に引き込むドロップケーブルに接続する。ここで使用される例えば特許文献1記載の光ケーブル接続用クロージャは、正面側を開放した略箱形のクロージャ本体と、このクロージャ本体内でクロージャ本体に固定されたフレームと、クロージャ本体の開放面を開閉可能に覆う蓋体とを備えており、フレームの両端に形成した吊持部を電柱等により支持された架空の吊線に吊持させて、通信事業者のネットワークの光ケーブルと加入者宅に引き込むドロップケーブルとを架空で接続する。
【0003】
また、この光ケーブル接続用クロージャには、架空の光ケーブルを導出入する光ケーブル導出入部と、この光ケーブル導出入部から入る光ケーブルを支持するケーブル保持部と、ドロップケーブルを導出入するドロップケーブル導出入部と、光ケーブルから引き出した光ファイバ心線とドロップケーブルとを接続した接続部を収納する接続部収容トレイと、接続部収容トレイから引き出されるドロップケーブルを位置決め固定するドロップケーブル把持具とを、クロージャ本体内に配備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−262128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の光ケーブル接続用クロージャは、一般的にフレームが金属製であり、この場合、フレームの両端に、金属製の吊持部がボルト等によって締結されるため、部品点数が増え、取り付け作業も発生し、軽量化の障害ともなる。また、クロージャ本体に形成されるドロップケーブル導出入部は、水平より下方に向くことで、雨水等によるドロップケーブル導出入部への飛水自体を起こりにくくし、ドロップケーブル導出入部に装備するシール部材への負担を低減させているが、クロージャ本体内部にドロップケーブル把持具があると、ドロップケーブルの剛性で必ずしもドロップケーブルがドロップケーブル導出入部に垂直に導入されるとは限らなかった。これに対し、ドロップケーブル規制部材を新たに設ければ、さらに部品点数が増え、取り付け作業も発生する上、軽量化の障害ともなり、外部に金属製部材を設ければ、塩害地域での腐食も危惧された。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、部品点数を削減し、組付けコストを低減でき、軽量化を図れるとともに、防水性も向上させることができる光ケーブル接続用クロージャを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) クロージャ本体と、前記クロージャ本体内で該クロージャ本体に固定されるフレームと、前記クロージャ本体の開放面を開閉可能に覆う蓋体と、ドロップケーブルを導出入するドロップケーブル導出入部と、を備える光ケーブル接続用クロージャであって、前記ドロップケーブル導出入部から導出入されるドロップケーブルを位置決め固定するドロップケーブル把持部が前記クロージャ本体の外部に設けられると共に、前記フレーム及び前記ドロップケーブル把持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【0008】
この光ケーブル接続用クロージャによれば、金属製の別部材であったフレームとドロップケーブル把持部が、ドロップケーブル把持部をクロージャ本体の外部に突出させたプラスチック樹脂製の一体成形部材となり、部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化される。ドロップケーブル導出入部から外部へ導出入された直後のドロップケーブルをドロップケーブル把持部が支持することとなり、ドロップケーブルが剛性で屈曲してドロップケーブル導出入部の防水性を損ねることがなくなる。
【0009】
(2) (1)の光ケーブル接続用クロージャであって、前記クロージャ本体に形成されるドロップケーブル導出入部は、水平より下方に向く直線状のドロップケーブル導出入孔を有し、前記ドロップケーブル把持部には、前記ドロップケーブル導出入孔の延長線上に、ドロップケーブル把持孔が形成されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【0010】
この光ケーブル接続用クロージャによれば、ドロップケーブル導出入部に形成されるドロップケーブル導出入孔が水平より下方に向く俯角に形成され、雨水等による飛水自体が起こりにくくなっている。これに加え、ドロップケーブル導出入孔から外部へ導出された直後のドロップケーブルがドロップケーブル導出入孔の延長線上に形成されるドロップケーブル把持孔によって支持されることで、外部で支持されるドロップケーブル導出入部とドロップケーブル把持部の間のドロップケーブルが俯角で支持され、ドロップケーブルが必ずドロップケーブル導出入部に垂直に導出入されるので防水機能の低下することがない。
【0011】
(3) (1)又は(2)の光ケーブル接続用クロージャであって、前記フレームには電柱等により支持された架空の吊線に該フレームを吊持させる吊持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【0012】
この光ケーブル接続用クロージャによれば、吊持部もフレームと一体成形され、さらに部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化される。また、外部に露出する吊持部がプラスチック樹脂となることで塩害地域での腐食の危惧もなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る光ケーブル接続用クロージャによれば、部品点数を削減し、組付けコストを低減でき、軽量化を図れるとともに、防水性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る光ケーブル接続用クロージャの要部外観斜視図である。
【図2】蓋体を開放したクロージャ本体の正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2を吊線に沿う方向から見た側面図である。
【図5】蓋体を開放したクロージャ本体の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る光ケーブル接続用クロージャの要部外観斜視図、図2は蓋体を開放したクロージャ本体の正面図、図3は図2の平面図、図4は図2を吊線に沿う方向から見た側面図、図5は蓋体19を開放したクロージャ本体13の要部斜視図である。
光ケーブル23接続用クロージャ11は、正面側を開放した略箱形のクロージャ本体13と、このクロージャ本体13内でクロージャ本体13に固定されたフレーム15と、クロージャ本体13の開放面17を開閉可能に覆う蓋体19とを備えており、フレーム15の両端に形成した吊持部21を電柱等により支持された不図示の架空の吊線に吊持させて、通信事業者のネットワークの光ケーブルと加入者宅に引き込むドロップケーブル23とを架空で接続する場合に使用される。
【0016】
光ケーブル接続用クロージャ11は、不図示の架空の光ケーブルを導出入する光ケーブル導出入部25と、ドロップケーブル23を導出入するドロップケーブル導出入部27と、光ケーブルから引き出した光ファイバ心線とドロップケーブル23とを接続した接続部を収納する接続トレイ収容部29と、をクロージャ本体13内に配備している。ドロップケーブル導出入部27は、接続トレイ収容部29から引き出されるドロップケーブル23を導出入するもので、本実施の形態では、左右に後述する二つのドロップケーブル導出入孔を有している。つまり、一つのドロップケーブル用クロージャから4本のドロップケーブル23が導出入可能となっている。
【0017】
ドロップケーブル導出入部27は、約30度の下向き傾斜でドロップケーブル23を通過させるように、フレーム15の両端に垂設された導出入部支持片31に形成されている。なお、傾斜させる角度は10度〜60度が好ましく、より好適には、15度〜45度である。ドロップケーブル導出入部27には、ドロップケーブル23の断面形状に相応する偏平な形状のドロップケーブル導出入孔33が端縁に開放するスリット状に複数形成されている。ドロップケーブル導出入孔33をスリット状にしたのは、ドロップケーブル23を割り込ませることで、簡単に挿通状態を得られるようにして、作業性を向上させるためである。
【0018】
ドロップケーブル導出入部27は、これらのドロップケーブル導出入孔33から雨水等がクロージャ内部に進入しないように、クロージャ本体13及び蓋体19の端壁部に多重に形成された隔壁35が当接又は係合する構造になっている。ドロップケーブル導出入部27は、クロージャ本体13及び蓋体19に形成され、隔壁35による挟持によってドロップケーブル23をフレーム15にしっかりと固定するようになされている。
【0019】
クロージャ本体13の外部には、ドロップケーブル導出入部27から導出入されるドロップケーブル23を位置決め固定するドロップケーブル把持部37が突出されている。光ケーブル接続用クロージャ11は、上記したフレーム15と、ドロップケーブル把持部37とが、プラスチック樹脂によって一体成形されている。
【0020】
また、フレーム15には、電柱等により支持された架空の吊線にフレーム15を吊持させる上記の吊持部21が、プラスチック樹脂でフレーム15に一体成形されている。つまり、フレーム15と、ドロップケーブル把持部37と、吊持部21とはプラスチック樹脂製の一体部材となっている。
【0021】
ドロップケーブル導出入部27に形成される上記のドロップケーブル導出入孔33は、水平より下方に向く直線状の導出入孔となる。ドロップケーブル把持部37には、このドロップケーブル導出入孔33の延長線上に、直線状のドロップケーブル把持孔39が形成されている。つまり、ドロップケーブル導出入部27から導出入された直後のドロップケーブル23は、その延長線上でドロップケーブル把持部37のドロップケーブル把持孔39にて把持されるようになされている。
【0022】
次に、上記構成を有する光ケーブル接続用クロージャ11の作用を説明する。
光ケーブル接続用クロージャ11では、金属製の別部材であったフレーム15とドロップケーブル把持部37が、クロージャ本体13の外部にドロップケーブル把持部37を突出させたプラスチック樹脂製の一体成形部材となり、結果、部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化されている。
【0023】
ドロップケーブル導出入部27から外部へ導出入された直後のドロップケーブル23aは、図2に示すように、ドロップケーブル把持部37によって支持されることとなり、ドロップケーブル23が剛性で屈曲してドロップケーブル導出入部27の防水性を損ねることがなくなる。
【0024】
また、吊持部21もフレーム15と一体成形され、さらに部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化される。外部に露出する吊持部21は、プラスチック樹脂となることで、塩害地域での腐食の危惧もなくなる。
【0025】
さらに、ドロップケーブル導出入部27に形成されるドロップケーブル導出入孔33は、水平より下方に向く俯角に形成され、雨水等による飛水自体が起こりにくくなっている。これに加え、ドロップケーブル導出入孔33から外部へ導出された直後のドロップケーブル23aがドロップケーブル導出入孔33の延長線41上に形成されるドロップケーブル把持孔39によって支持される。このことで、外部で支持されるドロップケーブル導出入部27とドロップケーブル把持部37の間のドロップケーブル23aは、俯角で支持されることになり、ドロップケーブル23が必ずドロップケーブル導出入部27に垂直の姿勢で導出入され、防水性能が確実に確保されるようになされている。
【0026】
したがって、本実施の形態に係る光ケーブル接続用クロージャ11によれば、部品点数を削減し、組付けコストを低減でき、軽量化を図れるとともに、防水性も向上させることができる。
【符号の説明】
【0027】
11 光ケーブル接続用クロージャ
13 クロージャ本体
15 フレーム
17 開放面
19 蓋体
21 吊持部
23 ドロップケーブル
27 ドロップケーブル導出入部
33 ドロップケーブル導出入孔
37 ドロップケーブル把持部
39 ドロップケーブル把持孔
41 延長線
【技術分野】
【0001】
本発明は、架空で光ケーブルとドロップケーブルとを接続する光ケーブル接続用クロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
光ケーブルを用いたネットワークの中で、加入者宅まで直接光ファイバを引き込む形態のFTTH(Fiber To The Home)は、加入者宅の近くで電柱等により支持された架空の吊線に吊持させた光ケーブル接続用クロージャ内で、架空の光ケーブルから必要心数(1〜2心/加入者宅)を引き落とし、加入者宅に引き込むドロップケーブルに接続する。ここで使用される例えば特許文献1記載の光ケーブル接続用クロージャは、正面側を開放した略箱形のクロージャ本体と、このクロージャ本体内でクロージャ本体に固定されたフレームと、クロージャ本体の開放面を開閉可能に覆う蓋体とを備えており、フレームの両端に形成した吊持部を電柱等により支持された架空の吊線に吊持させて、通信事業者のネットワークの光ケーブルと加入者宅に引き込むドロップケーブルとを架空で接続する。
【0003】
また、この光ケーブル接続用クロージャには、架空の光ケーブルを導出入する光ケーブル導出入部と、この光ケーブル導出入部から入る光ケーブルを支持するケーブル保持部と、ドロップケーブルを導出入するドロップケーブル導出入部と、光ケーブルから引き出した光ファイバ心線とドロップケーブルとを接続した接続部を収納する接続部収容トレイと、接続部収容トレイから引き出されるドロップケーブルを位置決め固定するドロップケーブル把持具とを、クロージャ本体内に配備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−262128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の光ケーブル接続用クロージャは、一般的にフレームが金属製であり、この場合、フレームの両端に、金属製の吊持部がボルト等によって締結されるため、部品点数が増え、取り付け作業も発生し、軽量化の障害ともなる。また、クロージャ本体に形成されるドロップケーブル導出入部は、水平より下方に向くことで、雨水等によるドロップケーブル導出入部への飛水自体を起こりにくくし、ドロップケーブル導出入部に装備するシール部材への負担を低減させているが、クロージャ本体内部にドロップケーブル把持具があると、ドロップケーブルの剛性で必ずしもドロップケーブルがドロップケーブル導出入部に垂直に導入されるとは限らなかった。これに対し、ドロップケーブル規制部材を新たに設ければ、さらに部品点数が増え、取り付け作業も発生する上、軽量化の障害ともなり、外部に金属製部材を設ければ、塩害地域での腐食も危惧された。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、部品点数を削減し、組付けコストを低減でき、軽量化を図れるとともに、防水性も向上させることができる光ケーブル接続用クロージャを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) クロージャ本体と、前記クロージャ本体内で該クロージャ本体に固定されるフレームと、前記クロージャ本体の開放面を開閉可能に覆う蓋体と、ドロップケーブルを導出入するドロップケーブル導出入部と、を備える光ケーブル接続用クロージャであって、前記ドロップケーブル導出入部から導出入されるドロップケーブルを位置決め固定するドロップケーブル把持部が前記クロージャ本体の外部に設けられると共に、前記フレーム及び前記ドロップケーブル把持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【0008】
この光ケーブル接続用クロージャによれば、金属製の別部材であったフレームとドロップケーブル把持部が、ドロップケーブル把持部をクロージャ本体の外部に突出させたプラスチック樹脂製の一体成形部材となり、部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化される。ドロップケーブル導出入部から外部へ導出入された直後のドロップケーブルをドロップケーブル把持部が支持することとなり、ドロップケーブルが剛性で屈曲してドロップケーブル導出入部の防水性を損ねることがなくなる。
【0009】
(2) (1)の光ケーブル接続用クロージャであって、前記クロージャ本体に形成されるドロップケーブル導出入部は、水平より下方に向く直線状のドロップケーブル導出入孔を有し、前記ドロップケーブル把持部には、前記ドロップケーブル導出入孔の延長線上に、ドロップケーブル把持孔が形成されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【0010】
この光ケーブル接続用クロージャによれば、ドロップケーブル導出入部に形成されるドロップケーブル導出入孔が水平より下方に向く俯角に形成され、雨水等による飛水自体が起こりにくくなっている。これに加え、ドロップケーブル導出入孔から外部へ導出された直後のドロップケーブルがドロップケーブル導出入孔の延長線上に形成されるドロップケーブル把持孔によって支持されることで、外部で支持されるドロップケーブル導出入部とドロップケーブル把持部の間のドロップケーブルが俯角で支持され、ドロップケーブルが必ずドロップケーブル導出入部に垂直に導出入されるので防水機能の低下することがない。
【0011】
(3) (1)又は(2)の光ケーブル接続用クロージャであって、前記フレームには電柱等により支持された架空の吊線に該フレームを吊持させる吊持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【0012】
この光ケーブル接続用クロージャによれば、吊持部もフレームと一体成形され、さらに部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化される。また、外部に露出する吊持部がプラスチック樹脂となることで塩害地域での腐食の危惧もなくなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る光ケーブル接続用クロージャによれば、部品点数を削減し、組付けコストを低減でき、軽量化を図れるとともに、防水性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る光ケーブル接続用クロージャの要部外観斜視図である。
【図2】蓋体を開放したクロージャ本体の正面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図2を吊線に沿う方向から見た側面図である。
【図5】蓋体を開放したクロージャ本体の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る光ケーブル接続用クロージャの要部外観斜視図、図2は蓋体を開放したクロージャ本体の正面図、図3は図2の平面図、図4は図2を吊線に沿う方向から見た側面図、図5は蓋体19を開放したクロージャ本体13の要部斜視図である。
光ケーブル23接続用クロージャ11は、正面側を開放した略箱形のクロージャ本体13と、このクロージャ本体13内でクロージャ本体13に固定されたフレーム15と、クロージャ本体13の開放面17を開閉可能に覆う蓋体19とを備えており、フレーム15の両端に形成した吊持部21を電柱等により支持された不図示の架空の吊線に吊持させて、通信事業者のネットワークの光ケーブルと加入者宅に引き込むドロップケーブル23とを架空で接続する場合に使用される。
【0016】
光ケーブル接続用クロージャ11は、不図示の架空の光ケーブルを導出入する光ケーブル導出入部25と、ドロップケーブル23を導出入するドロップケーブル導出入部27と、光ケーブルから引き出した光ファイバ心線とドロップケーブル23とを接続した接続部を収納する接続トレイ収容部29と、をクロージャ本体13内に配備している。ドロップケーブル導出入部27は、接続トレイ収容部29から引き出されるドロップケーブル23を導出入するもので、本実施の形態では、左右に後述する二つのドロップケーブル導出入孔を有している。つまり、一つのドロップケーブル用クロージャから4本のドロップケーブル23が導出入可能となっている。
【0017】
ドロップケーブル導出入部27は、約30度の下向き傾斜でドロップケーブル23を通過させるように、フレーム15の両端に垂設された導出入部支持片31に形成されている。なお、傾斜させる角度は10度〜60度が好ましく、より好適には、15度〜45度である。ドロップケーブル導出入部27には、ドロップケーブル23の断面形状に相応する偏平な形状のドロップケーブル導出入孔33が端縁に開放するスリット状に複数形成されている。ドロップケーブル導出入孔33をスリット状にしたのは、ドロップケーブル23を割り込ませることで、簡単に挿通状態を得られるようにして、作業性を向上させるためである。
【0018】
ドロップケーブル導出入部27は、これらのドロップケーブル導出入孔33から雨水等がクロージャ内部に進入しないように、クロージャ本体13及び蓋体19の端壁部に多重に形成された隔壁35が当接又は係合する構造になっている。ドロップケーブル導出入部27は、クロージャ本体13及び蓋体19に形成され、隔壁35による挟持によってドロップケーブル23をフレーム15にしっかりと固定するようになされている。
【0019】
クロージャ本体13の外部には、ドロップケーブル導出入部27から導出入されるドロップケーブル23を位置決め固定するドロップケーブル把持部37が突出されている。光ケーブル接続用クロージャ11は、上記したフレーム15と、ドロップケーブル把持部37とが、プラスチック樹脂によって一体成形されている。
【0020】
また、フレーム15には、電柱等により支持された架空の吊線にフレーム15を吊持させる上記の吊持部21が、プラスチック樹脂でフレーム15に一体成形されている。つまり、フレーム15と、ドロップケーブル把持部37と、吊持部21とはプラスチック樹脂製の一体部材となっている。
【0021】
ドロップケーブル導出入部27に形成される上記のドロップケーブル導出入孔33は、水平より下方に向く直線状の導出入孔となる。ドロップケーブル把持部37には、このドロップケーブル導出入孔33の延長線上に、直線状のドロップケーブル把持孔39が形成されている。つまり、ドロップケーブル導出入部27から導出入された直後のドロップケーブル23は、その延長線上でドロップケーブル把持部37のドロップケーブル把持孔39にて把持されるようになされている。
【0022】
次に、上記構成を有する光ケーブル接続用クロージャ11の作用を説明する。
光ケーブル接続用クロージャ11では、金属製の別部材であったフレーム15とドロップケーブル把持部37が、クロージャ本体13の外部にドロップケーブル把持部37を突出させたプラスチック樹脂製の一体成形部材となり、結果、部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化されている。
【0023】
ドロップケーブル導出入部27から外部へ導出入された直後のドロップケーブル23aは、図2に示すように、ドロップケーブル把持部37によって支持されることとなり、ドロップケーブル23が剛性で屈曲してドロップケーブル導出入部27の防水性を損ねることがなくなる。
【0024】
また、吊持部21もフレーム15と一体成形され、さらに部品点数が削減され、組付け作業が不要となり、且つ軽量化される。外部に露出する吊持部21は、プラスチック樹脂となることで、塩害地域での腐食の危惧もなくなる。
【0025】
さらに、ドロップケーブル導出入部27に形成されるドロップケーブル導出入孔33は、水平より下方に向く俯角に形成され、雨水等による飛水自体が起こりにくくなっている。これに加え、ドロップケーブル導出入孔33から外部へ導出された直後のドロップケーブル23aがドロップケーブル導出入孔33の延長線41上に形成されるドロップケーブル把持孔39によって支持される。このことで、外部で支持されるドロップケーブル導出入部27とドロップケーブル把持部37の間のドロップケーブル23aは、俯角で支持されることになり、ドロップケーブル23が必ずドロップケーブル導出入部27に垂直の姿勢で導出入され、防水性能が確実に確保されるようになされている。
【0026】
したがって、本実施の形態に係る光ケーブル接続用クロージャ11によれば、部品点数を削減し、組付けコストを低減でき、軽量化を図れるとともに、防水性も向上させることができる。
【符号の説明】
【0027】
11 光ケーブル接続用クロージャ
13 クロージャ本体
15 フレーム
17 開放面
19 蓋体
21 吊持部
23 ドロップケーブル
27 ドロップケーブル導出入部
33 ドロップケーブル導出入孔
37 ドロップケーブル把持部
39 ドロップケーブル把持孔
41 延長線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャ本体と、前記クロージャ本体内で該クロージャ本体に固定されるフレームと、前記クロージャ本体の開放面を開閉可能に覆う蓋体と、ドロップケーブルを導出入するドロップケーブル導出入部と、を備える光ケーブル接続用クロージャであって、
前記ドロップケーブル導出入部から導出入されるドロップケーブルを位置決め固定するドロップケーブル把持部が前記クロージャ本体の外部に設けられ、
前記フレーム及び前記ドロップケーブル把持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項2】
請求項1記載の光ケーブル接続用クロージャであって、
前記クロージャ本体に形成されるドロップケーブル導出入部は、水平より下方に向く直線状のドロップケーブル導出入孔を有し、
前記ドロップケーブル把持部には、前記ドロップケーブル導出入孔の延長線上に、ドロップケーブル把持孔が形成されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の光ケーブル接続用クロージャであって、
前記フレームには電柱等により支持された架空の吊線に該フレームを吊持させる吊持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項1】
クロージャ本体と、前記クロージャ本体内で該クロージャ本体に固定されるフレームと、前記クロージャ本体の開放面を開閉可能に覆う蓋体と、ドロップケーブルを導出入するドロップケーブル導出入部と、を備える光ケーブル接続用クロージャであって、
前記ドロップケーブル導出入部から導出入されるドロップケーブルを位置決め固定するドロップケーブル把持部が前記クロージャ本体の外部に設けられ、
前記フレーム及び前記ドロップケーブル把持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項2】
請求項1記載の光ケーブル接続用クロージャであって、
前記クロージャ本体に形成されるドロップケーブル導出入部は、水平より下方に向く直線状のドロップケーブル導出入孔を有し、
前記ドロップケーブル把持部には、前記ドロップケーブル導出入孔の延長線上に、ドロップケーブル把持孔が形成されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の光ケーブル接続用クロージャであって、
前記フレームには電柱等により支持された架空の吊線に該フレームを吊持させる吊持部がプラスチック樹脂で一体成形されることを特徴とする光ケーブル接続用クロージャ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2012−88567(P2012−88567A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235859(P2010−235859)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000231936)日本通信電材株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000231936)日本通信電材株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
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