光コネクタおよび光ファイバ保持体
【課題】作業現場における組み立て作業が容易であり、かつ光ファイバケーブルを安定的に保持することができる光コネクタ、光ファイバ保持体を提供する。
【解決手段】光コネクタは、コネクタ本体と、光ファイバケーブル14を保持した光ファイバ保持体53をコネクタ本体に引き留める引留機構とを備える。光ファイバ保持体53は、底壁部23とその両側の側壁部24とによって囲まれる挿通空間27に光ファイバケーブル14を挿通可能である。側壁部24内面には、ケーブル側面を押圧して保持する側面保持突起31が形成されている。両側の側壁部の側面保持突起間の距離は、前記光ファイバケーブルの幅の最大値−0.7(mm)以上、前記幅の最小値−0.2(mm)以下である。
【解決手段】光コネクタは、コネクタ本体と、光ファイバケーブル14を保持した光ファイバ保持体53をコネクタ本体に引き留める引留機構とを備える。光ファイバ保持体53は、底壁部23とその両側の側壁部24とによって囲まれる挿通空間27に光ファイバケーブル14を挿通可能である。側壁部24内面には、ケーブル側面を押圧して保持する側面保持突起31が形成されている。両側の側壁部の側面保持突起間の距離は、前記光ファイバケーブルの幅の最大値−0.7(mm)以上、前記幅の最小値−0.2(mm)以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場組立型の光コネクタおよびこれに用いられる光ファイバ保持体に関し、特に光ファイバ内蔵型の光コネクタおよびこれに用いられる光ファイバ保持体に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバケーブル先端への組立作業を作業現場にて行うことができる光コネクタの一例として、光フェルールに予め内蔵光ファイバを内挿固定したものがある。この種の光コネクタでは、成端するべき光ファイバの端部を、内蔵光ファイバの端部と突き合わせ接続する(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−323642号公報
【特許文献2】特許第3210540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の光コネクタにおいては、光ファイバケーブルを保持する機構が必要となるが、安定的な保持のためには保持機構の構造が複雑になり、組み立て作業に手間がかかることがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、作業現場における組み立て作業が容易であり、かつ光ファイバケーブルを安定的に保持することができる光コネクタおよびこれに用いられる光ファイバ保持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1にかかる光コネクタは、光フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバに、断面略矩形の光ファイバケーブルから引き出された外部光ファイバを突き合わせ接続させる接続機構を有するコネクタ本体と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構と、を備え、前記引留機構が、前記光ファイバケーブルを保持する光ファイバ保持体と、前記光ファイバ保持体を前記コネクタ本体に引き留め可能な引留手段とを有し、前記光ファイバ保持体は、底壁部とその両側縁に設けられた側壁部とによって囲まれる空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面を押圧して保持する側面保持突起が形成され、前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、使用する前記光ファイバケーブルの幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光コネクタである。
本発明の請求項2にかかる光コネクタは、前記側面保持突起の前面と後面がなす角度(A1)は、55〜85度であることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタである。
本発明の請求項3にかかる光コネクタは、前記側面保持突起は、前記ケーブル挿通方向に間隔をおいて複数形成され、少なくとも一方の側壁部に形成された前記複数の側面保持突起のうち2つの前記ケーブル挿通方向の最大距離(L2)は、2.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタである。
本発明の請求項4にかかる光コネクタは、前記側面保持突起の先端部の前記延在方向の長さ(L3)は、前記光ファイバケーブルの高さH1−0.5(mm)以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
本発明の請求項5にかかる光コネクタは、前記光ファイバ保持体は、天壁部をさらに有し、この天壁部にも囲まれる前記空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、前記天壁部内面には、前記光ファイバケーブルの上面を略点状に押圧して保持する天面保持突起が形成され、前記底壁部内面と、前記天面保持突起との距離(L4)は、前記光ファイバケーブルの高さH1の最大値−0.5(mm)以上、前記高さH1の最小値(mm)以下であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
本発明の請求項6にかかる光コネクタは、前記天面保持突起は、略円錐状または略円錐台状に形成され、中心軸を通る断面における両側面がなす角度(A2)は、45〜75度であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
本発明の請求項7にかかる光コネクタは、前記底壁部内面には、前記光ファイバケーブルの下面を略点状に押圧して保持する底面保持突起が形成され、前記底面保持突起の前記底壁部内面からの高さ(H2)は、0.05〜0.2mmであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
【0006】
本発明の請求項8にかかる光ファイバ保持体は、光フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバに、断面略矩形の光ファイバケーブルから引き出された外部光ファイバを突き合わせ接続させる接続機構を有するコネクタ本体と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構と、を備えた光コネクタにおける前記光ファイバケーブルの保持に用いられ、前記引留機構を構成する引留手段によって前記コネクタ本体に引き留め可能であり、底壁部とその両側縁に設けられた側壁部と天壁部とによって囲まれる空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面を押圧して保持する側面保持突起が形成され、前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、使用する前記光ファイバケーブルの幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光ファイバ保持体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光ファイバ保持体の両側壁部に側面保持突起が形成され、天壁部および底壁部にそれぞれ天面保持突起および底面保持突起が形成されているので、光ファイバケーブルを両側方および上下から各突起で挟み込むことができ、安定保持が可能となる。
光ファイバ保持体の天面保持突起および底面保持突起は、光ファイバケーブルを略点状に押圧するものであるため、押圧力が集中して作用することから、光ファイバケーブルの保持力を高めることができる。
また、天面保持突起および底面保持突起は、光ファイバケーブルを略点状に押圧するように形成されているので、圧縮変形時の弾性反発力は小さく、光ファイバ保持体を光ファイバケーブルに装着する作業は容易になる。
従って、組み立て作業性を損なうことなく、光ファイバケーブルを安定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の光コネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図3】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図4】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図5】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図6】光ファイバ保持体を模式化して示す平面図である。
【図7】光ファイバ保持体を模式化して示す側断面図である。
【図8】光ファイバ保持体を模式化して示す横断面図である。
【図9】本発明を適用可能な光ファイバケーブルを示す断面図である。
【図10】光コネクタの外観を示す側面図である。
【図11】引留カバーを示す側面図である。
【図12】引留カバーを示す平面図である。
【図13】光コネクタの組み立て過程を示す工程図である。
【図14】光コネクタの組み立て過程を示す工程図である。
【図15】本発明を適用可能な光ファイバケーブルを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である光コネクタ60を示す分解斜視図である。図2〜図5は、光ファイバ保持体53を示す斜視図である。図6は、光ファイバ保持体53を模式化して示す平面図である。図7は、光ファイバ保持体53を模式化して示す側断面図である。図8は、光ファイバ保持体53を模式化して示す横断面図である。図9は、本発明を適用可能な光ファイバケーブル14を示す断面図である。図10は、光コネクタ60の外観を示す側面図である。図11は、引留カバー54を示す側面図である。図12は、引留カバー54を示す平面図である。図13および図14は、光コネクタ60の組み立て過程を示す工程図である。図15は、光コネクタ60を適用可能な光ファイバケーブル14を示す斜視図である。
以下の説明において、光フェルール1の先端方向を前方といい、右方を後方ということがある。
【0010】
図1に示すように、この光コネクタ60は、光ファイバケーブル14の先端に組み立てることができる。
図15に例示するように、光ファイバケーブル14としては断面略矩形のものが用いられる。ここに例示する光ファイバケーブル14は、光ファイバ13と抗張力体18が被覆14a(外被)で一括被覆されている。この光ファイバケーブル14は、いわゆるインドアケーブルであり、光ドロップケーブルの光エレメント部に相当する。
【0011】
この例の光ファイバケーブル14の側面14bの高さH1は、上面14dおよび下面14e(図9参照)の幅W1より大きい。なお、高さH1は、幅W1より小さくてもよいし、幅W1と等しくてもよい。
光ファイバケーブル14の側面14bには、引き裂き用のノッチ14cを形成することができる。
光ファイバケーブル14から口出しされた光ファイバ13(外部光ファイバ)は、例えば光ファイバ心線、光ファイバ素線等である。先端部13aは、例えば光ファイバ13から口出しされた光ファイバ裸線である。
【0012】
図1に示すように、光コネクタ60は、コネクタ本体10と、光ファイバケーブル14をコネクタ本体10に引き留める引留機構50とを備えている。
図10に示すように、コネクタ本体10は、接続機構付きフェルール3と、接続機構付きフェルール3を収容するハウジング4と、ハウジング4内に設けられた付勢手段5と、ハウジング4の外側に装着可能なつまみ7とを備えている。
ハウジング4は、接続機構付きフェルール3を収容するスリーブ状に形成されている。
接続機構付きフェルール3は、光フェルール1(以下、単にフェルール1という)と、フェルール1の後端側に設けられた接続機構2とを備えている。
【0013】
フェルール1には、中心軸線に沿って光ファイバ導入孔(微細孔)(図示略)が形成され、この光ファイバ導入孔内には、内蔵光ファイバ6(光ファイバ裸線など)が挿入され固定されている。内蔵光ファイバ6の先端は、フェルール1の先端面1aに露出され、後端はフェルール1の後端から突出し、接続機構2内に挿入されている。
接続機構2は、内蔵光ファイバ6の後端部を、光ファイバ13の先端部13aに突き合わせ接続するものである。符号C1は光ファイバ6、13の接続点である。
コネクタ本体10としては、例えばSC形光コネクタが使用できる。
【0014】
図1および図10に示すように、引留機構50は、本体部51と、本体部51に対し前後動可能に設けられた可動受け片52と、光ファイバ13を保持する光ファイバ保持体53(把持部材)と、光ファイバ保持体53を引き留める引留カバー54(引留手段)とを備えている。
本体部51は、前後方向に沿う長板状の底板56と、その両側縁から立設された側板57とを備えている(図11参照)。
可動受け片52は、前後方向に沿う長板状のトレー状に形成され、最後部に光ファイバ保持体53を載置可能とされ、本体部51の底板56上を前後方向に沿ってスライド移動できる。
【0015】
図1および図2に示すように、光ファイバ保持体53は、光ファイバケーブル14をコネクタ本体10に引き留めるものであって、光ファイバケーブル14を保持する保持部21と、保持部21から前方に延出した延出壁部22とを有する。
図2および図3に示すように、保持部21は、底壁部23の両側縁に側壁部24、24が立設された断面コ字形の保持部本体25と、一方の側壁部24に回動自在に連結された天壁部26とを有する。
底壁部23と側壁部24、24と天壁部26とによって囲まれる空間は、光ファイバケーブル14の先端部を挿通可能な挿通空間27であり、側壁部24、24の前部の内面には、光ファイバケーブル14の被覆14aの前端が突き当てられるストッパ突起28、28が形成されている。
【0016】
一方および他方の側壁部24、24の内面には、光ファイバケーブル14の側面14bを押圧して保持する側面保持突起31、31が形成されている。
側面保持突起31は、前後方向(光ファイバケーブル14の挿通方向)に対しほぼ垂直に延在する突条とされており、ほぼ全高さ範囲にわたり側面14bに当接可能に形成することができる。
側面保持突起31は、弾性的に圧縮変形した状態で光ファイバケーブル14の側面14bに当接し、その弾性力により側面14bを押圧することで光ファイバケーブル14を挟み込んで保持することができる。
なお、側面保持突起31の延在方向は、前後方向(光ファイバケーブル14の挿通方向)に対し垂直な方向に限らず、前後方向に対し交差する方向であればよい。
【0017】
天壁部26は、一方の側縁に形成されたヒンジ部26aを介して側壁部24に連結されており、ヒンジ部26aを中心として回動することで挿通空間27の上部開放部27aを開閉できる。
天壁部26の他方の側縁には、天壁部26にほぼ垂直な外壁部29が形成されている。外壁部29には、天壁部26を閉じた状態において、側壁部24の外面の係合突起24aに係合可能な凹部または開口部である係合部29aが形成されている。
【0018】
図6は、光ファイバ保持体53の保持部本体25を模式的に示す平面図である。なお、図6〜図8は模式図であるため、各部分の構造、形状、寸法等が図1〜図5に示すものとは異なる場合がある。
図6に示すように、側面保持突起31は断面略台形に形成することができる。図示例の側面保持突起31は、前面31aと後面31bが前後方向(光ファイバケーブル14の挿通方向)に対し傾斜した傾斜面であり、先端部31cは平坦に形成されている。
なお、図示例では先端部31cは平坦に形成されているが、先端部を断面円弧状に形成することもできる。先端部の断面の曲率半径は例えば0.25mm以下とすることができる。また、図2に示す例のように、側面保持突起31は断面三角形に形成することもできる。
【0019】
一方の側壁部24の側面保持突起31と、他方の側壁部24の側面保持突起31との距離L1(先端部間の距離)は、光ファイバケーブル14の幅W1の最大値−0.7(mm)以上とすることで、光ファイバケーブル14をこの挿通空間27に押し込む作業を容易にすることができる。
距離L1は、光ファイバケーブル14の幅W1の最小値−0.2(mm)以下とすると、側面保持突起31が光ファイバケーブル14を十分な力(弾性力)で押圧でき、高い保持力が得られる。
すなわち、距離L1を、光ファイバケーブル14の幅W1の最大値−0.7(mm)以上、幅W1の最小値−0.2(mm)以下とすることによって、光コネクタ60の組み立て作業性に悪影響を及ぼさずに、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる
。
なお、「幅W1の最大値」とは、挿通空間27内に位置する範囲の光ファイバケーブル14の幅の最大値をいい、「幅W1の最小値」とは、この範囲の光ファイバケーブル14の幅の最小値をいう。この範囲の光ファイバケーブル14の幅W1は、通常、ほぼ一定であるため最大値と最小値はほぼ等しいが、これらがわずかに異なる場合もある。
【0020】
側面保持突起31の前面31aと後面31bがなす角度A1は、55〜85度が好ましい。角度A1をこの範囲にすることによって、圧縮変形した側面保持突起31が光ファイバケーブル14に与える弾性力を高め、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
【0021】
側面保持突起31は、前後方向に間隔をおいて複数形成することができる。図示例では、側面保持突起31は各側壁部24、24に3つずつ形成されており、一方の側壁部24と他方の側壁部24との対比において側面保持突起31の前後方向位置はほぼ同じである。
このため、一方側の側面保持突起31と他方側の側面保持突起31によって光ファイバケーブル14を挟み込んで安定に保持できる。
【0022】
同じ側壁部24に形成された側面保持突起31のうち2つの前後方向の最大距離、すなわち最前方にある側面保持突起31(符号31A)と、最後方にある側面保持突起31(符号31B)との距離L2は、2.5mm以上とするのが好ましい。
距離L2をこの範囲とすることによって、光ファイバケーブル14を十分な長さ範囲にわたって保持できるため、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
側面保持突起31A、31B間の距離L2は、2つの側壁部24、24のうち少なくとも一方において上記範囲とするのが好ましい。
なお、距離L2とは側面保持突起31Aの前後方向中央部と、側面保持突起31Bの前後方向中央部との距離である。
【0023】
図8に示すように、側面保持突起31の先端部31cの延在方向の長さL3は、光ファイバケーブル14の高さH1−0.5(mm)以上であることが好ましい(図7および図9を参照)。長さL3をこの範囲とすることによって、光ファイバケーブル14を十分な高さ範囲にわたって保持し、安定性を高めることができる。
【0024】
図2に示すように、天壁部26の内面(下面)には、光ファイバケーブル14の上面14dを略点状に押圧して保持する天面保持突起33が形成されている。
天面保持突起33は、弾性的に圧縮変形した状態で光ファイバケーブル14の上面14dに当接し、その弾性力により上面14dを押圧することで光ファイバケーブル14を保持することができる。
【0025】
天面保持突起33は、前後方向に間隔をおいて複数形成することができる。図2に示す例では、天面保持突起33は2つ形成され、いずれも略円錐状とされている。これら天面保持突起33、33は、先端部において光ファイバケーブル14の上面14dのごく狭い範囲を(すなわち略点状に)押圧する。
天面保持突起33、33の幅方向位置は特に限定されないが、天壁部26の幅方向のほぼ中央位置に形成するのが好ましい。図示例では、天面保持突起33は、天壁部26内面に設けられた凹部35の底面(天面)に形成されている。
【0026】
図7は、光ファイバ保持体53を模式的に示す側断面図である。この図に示す天面保持突起33は先端部が断面円弧状に形成された略円錐状とされている。
天面保持突起33の幅方向位置は特に限定されないが、天壁部26の幅方向のほぼ中央位置に形成するのが好ましい。
図7に示すように、底壁部23内面から天面保持突起33までの距離L4は、光ファイバケーブル14の高さH1の最大値−0.5(mm)以上、高さH1の最小値(mm)以下であることが好ましい。
距離L4をこの範囲とすることによって、光コネクタ60の組み立て作業性に悪影響を及ぼさずに、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
なお、「高さH1の最大値」とは、挿通空間27内に位置する範囲の光ファイバケーブル14の高さの最大値をいい、「高さH1の最小値」とは、この範囲の光ファイバケーブル14の高さの最小値をいう。
【0027】
図7および図8に示すように、略円錐状に形成された天面保持突起33の中心軸を通る断面における両側面がなす角度A2は、45〜75度であることが好ましい。角度A2をこの範囲にすることによって、圧縮変形した天面保持突起33が光ファイバケーブル14に与える弾性力を高め、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
断面円弧状に形成された天面保持突起33の先端部の断面の曲率半径は例えば0.25mm以下とすることができる。
なお、天面保持突起33は略円錐台状に形成することもできる。
【0028】
図2に示すように、底壁部23の内面(上面)には、光ファイバケーブル14の下面14eを略点状に押圧して保持する底面保持突起32が形成されている。
底面保持突起32は、弾性的に圧縮変形した状態で光ファイバケーブル14の下面14eに当接し、その弾性力により下面14eを押圧することで光ファイバケーブル14を保持することができる。
【0029】
図2および図7に示すように、底面保持突起32は略円錐状に形成することができる。
底面保持突起32の幅方向位置は特に限定されないが、底壁部23の幅方向のほぼ中央位置に形成するのが好ましい。
図7に示すように、底壁部23内面からの底面保持突起32の高さH2は、0.05〜0.2mmであることが好ましい。高さH2をこの範囲とすることによって、光コネクタ60の組み立て作業性に悪影響を及ぼさずに、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
底面保持突起32の中心軸を通る断面における両側面がなす角度は、55〜85度であることが好ましい。図示例では、底面保持突起32は、底壁部23内面に設けられた凹部34の底面に形成されている。
なお、底面保持突起32は略円錐台状に形成することもできる。
【0030】
図2および図7に示すように、底面保持突起32の数は1つとすることもできるが、前後方向に間隔をおいて複数形成することができる。図示例では、底面保持突起32は2つ形成されている。
図2および図7に示す底面保持突起32の前後方向位置は、天面保持突起33の前後方向位置はほぼ同じであるため、底面保持突起32と天面保持突起33によって光ファイバケーブル14を挟み込んで安定に保持できる。
延出壁部22は、矩形の板状とされ、側壁部24、24の前端から前方に延出して形成されている。
【0031】
光ファイバ保持体53は、ポリオキシメチレン(POM、ポリアセタール)、ポリプロピレンなどの合成樹脂からなる一体成形品とすることができる。
光ファイバ保持体53の構成材料の曲げ弾性率(JIS K7203に準拠)は、1200MPa〜2700MPaが好ましい。曲げ弾性率をこの範囲にすることで、ヒンジ部26aを破断しにくくし、かつ光ファイバケーブル14を把持する力を高めることができる。
【0032】
図3〜図5に示すように、天壁部26を開放して、光ファイバケーブル14の先端部を上部開放部27aから挿通空間27に押し込み、天壁部26を回動させて上部開放部27aを閉じることによって、挿通空間27に光ファイバケーブル14を収容できる。
光ファイバケーブル14は、両側方から側面保持突起31、31に挟み込まれるとともに、上下から天面保持突起33および底面保持突起32に挟み込まれるため、安定保持が可能となる。
天面保持突起33および底面保持突起32は光ファイバケーブル14を略点状に押圧するものであるため、押圧力が集中して作用することから、光ファイバケーブル14の保持力を高めることができる。
また、天面保持突起33および底面保持突起32は、光ファイバケーブル14を略点状に押圧するように形成されているので、圧縮変形時の弾性反発力が過大になることはなく、光ファイバ保持体53を光ファイバケーブル14に装着する作業が容易になる。
従って、組み立て作業性を損なうことなく、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
【0033】
図11および図12に示すように、引留カバー54は、天板41と、天板41の両側縁に設けられた側板42とを備えている。
引留カバー54は、両側板42の長手方向一端部に形成された軸部43においてハウジング4に回動自在に取り付けられており、図11〜図14に示す開位置と図10に示す閉位置との間で回動できる。
図10、図13および図14に示すように、引留カバー54は、光ファイバ保持体53が最前方位置にあるときに閉位置まで回動させることで光ファイバ保持体53を収納できる。閉位置では、引留カバー54の長手方向他端部に形成された引留用突起44によって、光ファイバ保持体53の後方移動が規制される。
【0034】
図10に示すように、光ファイバ13は、若干たわんだ状態となるようにその長さを設定するのが好ましい。このたわみによって、光ファイバ13の弾性により先端部13aは前方に付勢されるため、先端部13aは十分な力で内蔵光ファイバ6に突き当てられる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・光フェルール、2・・・接続機構、6・・・内蔵光ファイバ、10・・・コネクタ本体、13・・・光ファイバ、13a・・・先端部、14・・・光ファイバケーブル、14b・・・側面、14d・・・上面、14e・・・下面、23・・・底壁部、24・・・側壁部、26・・・天壁部、27・・・挿通空間、31・・・側面保持突起、31a・・・側面保持突起の前面、31b・・・側面保持突起の後面、31c・・・側面保持突起の先端部、32・・・底面保持突起、33・・・天面保持突起、A1・・・側面保持突起の前面と後面がなす角度、A2・・・天面保持突起の両側面がなす角度、H1・・・光ファイバケーブルの高さ、H2・・・底面保持突起の底壁部内面からの高さ、L1・・・一方の側壁部の側面保持突起と、他方の側壁部の側面保持突起との距離、L2・・・複数の側面保持突起のうち2つのケーブル挿通方向の最大距離、L3・・・側面保持突起の先端部の延在方向の長さ、L4・・・天面保持突起の底壁部内面からの距離、W1・・・光ファイバケーブルの幅。53・・・光ファイバ保持体、54・・・引留カバー(引留手段)、50・・・引留機構、60・・・光コネクタ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場組立型の光コネクタおよびこれに用いられる光ファイバ保持体に関し、特に光ファイバ内蔵型の光コネクタおよびこれに用いられる光ファイバ保持体に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバケーブル先端への組立作業を作業現場にて行うことができる光コネクタの一例として、光フェルールに予め内蔵光ファイバを内挿固定したものがある。この種の光コネクタでは、成端するべき光ファイバの端部を、内蔵光ファイバの端部と突き合わせ接続する(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−323642号公報
【特許文献2】特許第3210540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の光コネクタにおいては、光ファイバケーブルを保持する機構が必要となるが、安定的な保持のためには保持機構の構造が複雑になり、組み立て作業に手間がかかることがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、作業現場における組み立て作業が容易であり、かつ光ファイバケーブルを安定的に保持することができる光コネクタおよびこれに用いられる光ファイバ保持体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1にかかる光コネクタは、光フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバに、断面略矩形の光ファイバケーブルから引き出された外部光ファイバを突き合わせ接続させる接続機構を有するコネクタ本体と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構と、を備え、前記引留機構が、前記光ファイバケーブルを保持する光ファイバ保持体と、前記光ファイバ保持体を前記コネクタ本体に引き留め可能な引留手段とを有し、前記光ファイバ保持体は、底壁部とその両側縁に設けられた側壁部とによって囲まれる空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面を押圧して保持する側面保持突起が形成され、前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、使用する前記光ファイバケーブルの幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光コネクタである。
本発明の請求項2にかかる光コネクタは、前記側面保持突起の前面と後面がなす角度(A1)は、55〜85度であることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタである。
本発明の請求項3にかかる光コネクタは、前記側面保持突起は、前記ケーブル挿通方向に間隔をおいて複数形成され、少なくとも一方の側壁部に形成された前記複数の側面保持突起のうち2つの前記ケーブル挿通方向の最大距離(L2)は、2.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタである。
本発明の請求項4にかかる光コネクタは、前記側面保持突起の先端部の前記延在方向の長さ(L3)は、前記光ファイバケーブルの高さH1−0.5(mm)以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
本発明の請求項5にかかる光コネクタは、前記光ファイバ保持体は、天壁部をさらに有し、この天壁部にも囲まれる前記空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、前記天壁部内面には、前記光ファイバケーブルの上面を略点状に押圧して保持する天面保持突起が形成され、前記底壁部内面と、前記天面保持突起との距離(L4)は、前記光ファイバケーブルの高さH1の最大値−0.5(mm)以上、前記高さH1の最小値(mm)以下であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
本発明の請求項6にかかる光コネクタは、前記天面保持突起は、略円錐状または略円錐台状に形成され、中心軸を通る断面における両側面がなす角度(A2)は、45〜75度であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
本発明の請求項7にかかる光コネクタは、前記底壁部内面には、前記光ファイバケーブルの下面を略点状に押圧して保持する底面保持突起が形成され、前記底面保持突起の前記底壁部内面からの高さ(H2)は、0.05〜0.2mmであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の光コネクタである。
【0006】
本発明の請求項8にかかる光ファイバ保持体は、光フェルールに内挿固定された内蔵光ファイバに、断面略矩形の光ファイバケーブルから引き出された外部光ファイバを突き合わせ接続させる接続機構を有するコネクタ本体と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構と、を備えた光コネクタにおける前記光ファイバケーブルの保持に用いられ、前記引留機構を構成する引留手段によって前記コネクタ本体に引き留め可能であり、底壁部とその両側縁に設けられた側壁部と天壁部とによって囲まれる空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面を押圧して保持する側面保持突起が形成され、前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、使用する前記光ファイバケーブルの幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光ファイバ保持体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光ファイバ保持体の両側壁部に側面保持突起が形成され、天壁部および底壁部にそれぞれ天面保持突起および底面保持突起が形成されているので、光ファイバケーブルを両側方および上下から各突起で挟み込むことができ、安定保持が可能となる。
光ファイバ保持体の天面保持突起および底面保持突起は、光ファイバケーブルを略点状に押圧するものであるため、押圧力が集中して作用することから、光ファイバケーブルの保持力を高めることができる。
また、天面保持突起および底面保持突起は、光ファイバケーブルを略点状に押圧するように形成されているので、圧縮変形時の弾性反発力は小さく、光ファイバ保持体を光ファイバケーブルに装着する作業は容易になる。
従って、組み立て作業性を損なうことなく、光ファイバケーブルを安定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の光コネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図3】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図4】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図5】光ファイバ保持体を示す斜視図である。
【図6】光ファイバ保持体を模式化して示す平面図である。
【図7】光ファイバ保持体を模式化して示す側断面図である。
【図8】光ファイバ保持体を模式化して示す横断面図である。
【図9】本発明を適用可能な光ファイバケーブルを示す断面図である。
【図10】光コネクタの外観を示す側面図である。
【図11】引留カバーを示す側面図である。
【図12】引留カバーを示す平面図である。
【図13】光コネクタの組み立て過程を示す工程図である。
【図14】光コネクタの組み立て過程を示す工程図である。
【図15】本発明を適用可能な光ファイバケーブルを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である光コネクタ60を示す分解斜視図である。図2〜図5は、光ファイバ保持体53を示す斜視図である。図6は、光ファイバ保持体53を模式化して示す平面図である。図7は、光ファイバ保持体53を模式化して示す側断面図である。図8は、光ファイバ保持体53を模式化して示す横断面図である。図9は、本発明を適用可能な光ファイバケーブル14を示す断面図である。図10は、光コネクタ60の外観を示す側面図である。図11は、引留カバー54を示す側面図である。図12は、引留カバー54を示す平面図である。図13および図14は、光コネクタ60の組み立て過程を示す工程図である。図15は、光コネクタ60を適用可能な光ファイバケーブル14を示す斜視図である。
以下の説明において、光フェルール1の先端方向を前方といい、右方を後方ということがある。
【0010】
図1に示すように、この光コネクタ60は、光ファイバケーブル14の先端に組み立てることができる。
図15に例示するように、光ファイバケーブル14としては断面略矩形のものが用いられる。ここに例示する光ファイバケーブル14は、光ファイバ13と抗張力体18が被覆14a(外被)で一括被覆されている。この光ファイバケーブル14は、いわゆるインドアケーブルであり、光ドロップケーブルの光エレメント部に相当する。
【0011】
この例の光ファイバケーブル14の側面14bの高さH1は、上面14dおよび下面14e(図9参照)の幅W1より大きい。なお、高さH1は、幅W1より小さくてもよいし、幅W1と等しくてもよい。
光ファイバケーブル14の側面14bには、引き裂き用のノッチ14cを形成することができる。
光ファイバケーブル14から口出しされた光ファイバ13(外部光ファイバ)は、例えば光ファイバ心線、光ファイバ素線等である。先端部13aは、例えば光ファイバ13から口出しされた光ファイバ裸線である。
【0012】
図1に示すように、光コネクタ60は、コネクタ本体10と、光ファイバケーブル14をコネクタ本体10に引き留める引留機構50とを備えている。
図10に示すように、コネクタ本体10は、接続機構付きフェルール3と、接続機構付きフェルール3を収容するハウジング4と、ハウジング4内に設けられた付勢手段5と、ハウジング4の外側に装着可能なつまみ7とを備えている。
ハウジング4は、接続機構付きフェルール3を収容するスリーブ状に形成されている。
接続機構付きフェルール3は、光フェルール1(以下、単にフェルール1という)と、フェルール1の後端側に設けられた接続機構2とを備えている。
【0013】
フェルール1には、中心軸線に沿って光ファイバ導入孔(微細孔)(図示略)が形成され、この光ファイバ導入孔内には、内蔵光ファイバ6(光ファイバ裸線など)が挿入され固定されている。内蔵光ファイバ6の先端は、フェルール1の先端面1aに露出され、後端はフェルール1の後端から突出し、接続機構2内に挿入されている。
接続機構2は、内蔵光ファイバ6の後端部を、光ファイバ13の先端部13aに突き合わせ接続するものである。符号C1は光ファイバ6、13の接続点である。
コネクタ本体10としては、例えばSC形光コネクタが使用できる。
【0014】
図1および図10に示すように、引留機構50は、本体部51と、本体部51に対し前後動可能に設けられた可動受け片52と、光ファイバ13を保持する光ファイバ保持体53(把持部材)と、光ファイバ保持体53を引き留める引留カバー54(引留手段)とを備えている。
本体部51は、前後方向に沿う長板状の底板56と、その両側縁から立設された側板57とを備えている(図11参照)。
可動受け片52は、前後方向に沿う長板状のトレー状に形成され、最後部に光ファイバ保持体53を載置可能とされ、本体部51の底板56上を前後方向に沿ってスライド移動できる。
【0015】
図1および図2に示すように、光ファイバ保持体53は、光ファイバケーブル14をコネクタ本体10に引き留めるものであって、光ファイバケーブル14を保持する保持部21と、保持部21から前方に延出した延出壁部22とを有する。
図2および図3に示すように、保持部21は、底壁部23の両側縁に側壁部24、24が立設された断面コ字形の保持部本体25と、一方の側壁部24に回動自在に連結された天壁部26とを有する。
底壁部23と側壁部24、24と天壁部26とによって囲まれる空間は、光ファイバケーブル14の先端部を挿通可能な挿通空間27であり、側壁部24、24の前部の内面には、光ファイバケーブル14の被覆14aの前端が突き当てられるストッパ突起28、28が形成されている。
【0016】
一方および他方の側壁部24、24の内面には、光ファイバケーブル14の側面14bを押圧して保持する側面保持突起31、31が形成されている。
側面保持突起31は、前後方向(光ファイバケーブル14の挿通方向)に対しほぼ垂直に延在する突条とされており、ほぼ全高さ範囲にわたり側面14bに当接可能に形成することができる。
側面保持突起31は、弾性的に圧縮変形した状態で光ファイバケーブル14の側面14bに当接し、その弾性力により側面14bを押圧することで光ファイバケーブル14を挟み込んで保持することができる。
なお、側面保持突起31の延在方向は、前後方向(光ファイバケーブル14の挿通方向)に対し垂直な方向に限らず、前後方向に対し交差する方向であればよい。
【0017】
天壁部26は、一方の側縁に形成されたヒンジ部26aを介して側壁部24に連結されており、ヒンジ部26aを中心として回動することで挿通空間27の上部開放部27aを開閉できる。
天壁部26の他方の側縁には、天壁部26にほぼ垂直な外壁部29が形成されている。外壁部29には、天壁部26を閉じた状態において、側壁部24の外面の係合突起24aに係合可能な凹部または開口部である係合部29aが形成されている。
【0018】
図6は、光ファイバ保持体53の保持部本体25を模式的に示す平面図である。なお、図6〜図8は模式図であるため、各部分の構造、形状、寸法等が図1〜図5に示すものとは異なる場合がある。
図6に示すように、側面保持突起31は断面略台形に形成することができる。図示例の側面保持突起31は、前面31aと後面31bが前後方向(光ファイバケーブル14の挿通方向)に対し傾斜した傾斜面であり、先端部31cは平坦に形成されている。
なお、図示例では先端部31cは平坦に形成されているが、先端部を断面円弧状に形成することもできる。先端部の断面の曲率半径は例えば0.25mm以下とすることができる。また、図2に示す例のように、側面保持突起31は断面三角形に形成することもできる。
【0019】
一方の側壁部24の側面保持突起31と、他方の側壁部24の側面保持突起31との距離L1(先端部間の距離)は、光ファイバケーブル14の幅W1の最大値−0.7(mm)以上とすることで、光ファイバケーブル14をこの挿通空間27に押し込む作業を容易にすることができる。
距離L1は、光ファイバケーブル14の幅W1の最小値−0.2(mm)以下とすると、側面保持突起31が光ファイバケーブル14を十分な力(弾性力)で押圧でき、高い保持力が得られる。
すなわち、距離L1を、光ファイバケーブル14の幅W1の最大値−0.7(mm)以上、幅W1の最小値−0.2(mm)以下とすることによって、光コネクタ60の組み立て作業性に悪影響を及ぼさずに、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる
。
なお、「幅W1の最大値」とは、挿通空間27内に位置する範囲の光ファイバケーブル14の幅の最大値をいい、「幅W1の最小値」とは、この範囲の光ファイバケーブル14の幅の最小値をいう。この範囲の光ファイバケーブル14の幅W1は、通常、ほぼ一定であるため最大値と最小値はほぼ等しいが、これらがわずかに異なる場合もある。
【0020】
側面保持突起31の前面31aと後面31bがなす角度A1は、55〜85度が好ましい。角度A1をこの範囲にすることによって、圧縮変形した側面保持突起31が光ファイバケーブル14に与える弾性力を高め、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
【0021】
側面保持突起31は、前後方向に間隔をおいて複数形成することができる。図示例では、側面保持突起31は各側壁部24、24に3つずつ形成されており、一方の側壁部24と他方の側壁部24との対比において側面保持突起31の前後方向位置はほぼ同じである。
このため、一方側の側面保持突起31と他方側の側面保持突起31によって光ファイバケーブル14を挟み込んで安定に保持できる。
【0022】
同じ側壁部24に形成された側面保持突起31のうち2つの前後方向の最大距離、すなわち最前方にある側面保持突起31(符号31A)と、最後方にある側面保持突起31(符号31B)との距離L2は、2.5mm以上とするのが好ましい。
距離L2をこの範囲とすることによって、光ファイバケーブル14を十分な長さ範囲にわたって保持できるため、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
側面保持突起31A、31B間の距離L2は、2つの側壁部24、24のうち少なくとも一方において上記範囲とするのが好ましい。
なお、距離L2とは側面保持突起31Aの前後方向中央部と、側面保持突起31Bの前後方向中央部との距離である。
【0023】
図8に示すように、側面保持突起31の先端部31cの延在方向の長さL3は、光ファイバケーブル14の高さH1−0.5(mm)以上であることが好ましい(図7および図9を参照)。長さL3をこの範囲とすることによって、光ファイバケーブル14を十分な高さ範囲にわたって保持し、安定性を高めることができる。
【0024】
図2に示すように、天壁部26の内面(下面)には、光ファイバケーブル14の上面14dを略点状に押圧して保持する天面保持突起33が形成されている。
天面保持突起33は、弾性的に圧縮変形した状態で光ファイバケーブル14の上面14dに当接し、その弾性力により上面14dを押圧することで光ファイバケーブル14を保持することができる。
【0025】
天面保持突起33は、前後方向に間隔をおいて複数形成することができる。図2に示す例では、天面保持突起33は2つ形成され、いずれも略円錐状とされている。これら天面保持突起33、33は、先端部において光ファイバケーブル14の上面14dのごく狭い範囲を(すなわち略点状に)押圧する。
天面保持突起33、33の幅方向位置は特に限定されないが、天壁部26の幅方向のほぼ中央位置に形成するのが好ましい。図示例では、天面保持突起33は、天壁部26内面に設けられた凹部35の底面(天面)に形成されている。
【0026】
図7は、光ファイバ保持体53を模式的に示す側断面図である。この図に示す天面保持突起33は先端部が断面円弧状に形成された略円錐状とされている。
天面保持突起33の幅方向位置は特に限定されないが、天壁部26の幅方向のほぼ中央位置に形成するのが好ましい。
図7に示すように、底壁部23内面から天面保持突起33までの距離L4は、光ファイバケーブル14の高さH1の最大値−0.5(mm)以上、高さH1の最小値(mm)以下であることが好ましい。
距離L4をこの範囲とすることによって、光コネクタ60の組み立て作業性に悪影響を及ぼさずに、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
なお、「高さH1の最大値」とは、挿通空間27内に位置する範囲の光ファイバケーブル14の高さの最大値をいい、「高さH1の最小値」とは、この範囲の光ファイバケーブル14の高さの最小値をいう。
【0027】
図7および図8に示すように、略円錐状に形成された天面保持突起33の中心軸を通る断面における両側面がなす角度A2は、45〜75度であることが好ましい。角度A2をこの範囲にすることによって、圧縮変形した天面保持突起33が光ファイバケーブル14に与える弾性力を高め、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
断面円弧状に形成された天面保持突起33の先端部の断面の曲率半径は例えば0.25mm以下とすることができる。
なお、天面保持突起33は略円錐台状に形成することもできる。
【0028】
図2に示すように、底壁部23の内面(上面)には、光ファイバケーブル14の下面14eを略点状に押圧して保持する底面保持突起32が形成されている。
底面保持突起32は、弾性的に圧縮変形した状態で光ファイバケーブル14の下面14eに当接し、その弾性力により下面14eを押圧することで光ファイバケーブル14を保持することができる。
【0029】
図2および図7に示すように、底面保持突起32は略円錐状に形成することができる。
底面保持突起32の幅方向位置は特に限定されないが、底壁部23の幅方向のほぼ中央位置に形成するのが好ましい。
図7に示すように、底壁部23内面からの底面保持突起32の高さH2は、0.05〜0.2mmであることが好ましい。高さH2をこの範囲とすることによって、光コネクタ60の組み立て作業性に悪影響を及ぼさずに、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
底面保持突起32の中心軸を通る断面における両側面がなす角度は、55〜85度であることが好ましい。図示例では、底面保持突起32は、底壁部23内面に設けられた凹部34の底面に形成されている。
なお、底面保持突起32は略円錐台状に形成することもできる。
【0030】
図2および図7に示すように、底面保持突起32の数は1つとすることもできるが、前後方向に間隔をおいて複数形成することができる。図示例では、底面保持突起32は2つ形成されている。
図2および図7に示す底面保持突起32の前後方向位置は、天面保持突起33の前後方向位置はほぼ同じであるため、底面保持突起32と天面保持突起33によって光ファイバケーブル14を挟み込んで安定に保持できる。
延出壁部22は、矩形の板状とされ、側壁部24、24の前端から前方に延出して形成されている。
【0031】
光ファイバ保持体53は、ポリオキシメチレン(POM、ポリアセタール)、ポリプロピレンなどの合成樹脂からなる一体成形品とすることができる。
光ファイバ保持体53の構成材料の曲げ弾性率(JIS K7203に準拠)は、1200MPa〜2700MPaが好ましい。曲げ弾性率をこの範囲にすることで、ヒンジ部26aを破断しにくくし、かつ光ファイバケーブル14を把持する力を高めることができる。
【0032】
図3〜図5に示すように、天壁部26を開放して、光ファイバケーブル14の先端部を上部開放部27aから挿通空間27に押し込み、天壁部26を回動させて上部開放部27aを閉じることによって、挿通空間27に光ファイバケーブル14を収容できる。
光ファイバケーブル14は、両側方から側面保持突起31、31に挟み込まれるとともに、上下から天面保持突起33および底面保持突起32に挟み込まれるため、安定保持が可能となる。
天面保持突起33および底面保持突起32は光ファイバケーブル14を略点状に押圧するものであるため、押圧力が集中して作用することから、光ファイバケーブル14の保持力を高めることができる。
また、天面保持突起33および底面保持突起32は、光ファイバケーブル14を略点状に押圧するように形成されているので、圧縮変形時の弾性反発力が過大になることはなく、光ファイバ保持体53を光ファイバケーブル14に装着する作業が容易になる。
従って、組み立て作業性を損なうことなく、光ファイバケーブル14を安定に保持することができる。
【0033】
図11および図12に示すように、引留カバー54は、天板41と、天板41の両側縁に設けられた側板42とを備えている。
引留カバー54は、両側板42の長手方向一端部に形成された軸部43においてハウジング4に回動自在に取り付けられており、図11〜図14に示す開位置と図10に示す閉位置との間で回動できる。
図10、図13および図14に示すように、引留カバー54は、光ファイバ保持体53が最前方位置にあるときに閉位置まで回動させることで光ファイバ保持体53を収納できる。閉位置では、引留カバー54の長手方向他端部に形成された引留用突起44によって、光ファイバ保持体53の後方移動が規制される。
【0034】
図10に示すように、光ファイバ13は、若干たわんだ状態となるようにその長さを設定するのが好ましい。このたわみによって、光ファイバ13の弾性により先端部13aは前方に付勢されるため、先端部13aは十分な力で内蔵光ファイバ6に突き当てられる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・光フェルール、2・・・接続機構、6・・・内蔵光ファイバ、10・・・コネクタ本体、13・・・光ファイバ、13a・・・先端部、14・・・光ファイバケーブル、14b・・・側面、14d・・・上面、14e・・・下面、23・・・底壁部、24・・・側壁部、26・・・天壁部、27・・・挿通空間、31・・・側面保持突起、31a・・・側面保持突起の前面、31b・・・側面保持突起の後面、31c・・・側面保持突起の先端部、32・・・底面保持突起、33・・・天面保持突起、A1・・・側面保持突起の前面と後面がなす角度、A2・・・天面保持突起の両側面がなす角度、H1・・・光ファイバケーブルの高さ、H2・・・底面保持突起の底壁部内面からの高さ、L1・・・一方の側壁部の側面保持突起と、他方の側壁部の側面保持突起との距離、L2・・・複数の側面保持突起のうち2つのケーブル挿通方向の最大距離、L3・・・側面保持突起の先端部の延在方向の長さ、L4・・・天面保持突起の底壁部内面からの距離、W1・・・光ファイバケーブルの幅。53・・・光ファイバ保持体、54・・・引留カバー(引留手段)、50・・・引留機構、60・・・光コネクタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光フェルール(1)に内挿固定された内蔵光ファイバ(6)に、断面略矩形の光ファイバケーブル(14)から引き出された外部光ファイバ(13)を突き合わせ接続させる接続機構(2)を有するコネクタ本体(10)と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構(50)と、を備え、
前記引留機構が、前記光ファイバケーブルを保持する光ファイバ保持体(53)と、前記光ファイバ保持体を前記コネクタ本体に引き留め可能な引留手段(54)とを有し、
前記光ファイバ保持体は、底壁部(23)とその両側縁に設けられた側壁部(24)とによって囲まれる空間(27)に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、
前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面(14b)を押圧して保持する側面保持突起(31)が形成され、
前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、
使用する前記光ファイバケーブル(14)の幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、
一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光コネクタ(60)。
【請求項2】
前記側面保持突起の前面(31a)と後面(31b)がなす角度(A1)は、55〜85度であることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記側面保持突起は、前記ケーブル挿通方向に間隔をおいて複数形成され、
少なくとも一方の側壁部に形成された前記複数の側面保持突起のうち2つの前記ケーブル挿通方向の最大距離(L2)は、2.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記側面保持突起の先端部(31c)の前記延在方向の長さ(L3)は、前記光ファイバケーブルの高さH1−0.5(mm)以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記光ファイバ保持体は、天壁部(26)をさらに有し、この天壁部にも囲まれる前記空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、
前記天壁部内面には、前記光ファイバケーブルの上面(14d)を略点状に押圧して保持する天面保持突起(33)が形成され、
前記底壁部内面と、前記天面保持突起との距離(L4)は、前記光ファイバケーブルの高さH1の最大値−0.5(mm)以上、前記高さH1の最小値(mm)以下であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記天面保持突起は、略円錐状または略円錐台状に形成され、中心軸を通る断面における両側面がなす角度(A2)は、45〜75度であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記底壁部内面には、前記光ファイバケーブルの下面(14e)を略点状に押圧して保持する底面保持突起(32)が形成され、
前記底面保持突起の前記底壁部内面からの高さ(H2)は、0.05〜0.2mmであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項8】
光フェルール(1)に内挿固定された内蔵光ファイバ(6)に、断面略矩形の光ファイバケーブル(14)から引き出された外部光ファイバ(13)を突き合わせ接続させる接続機構(2)を有するコネクタ本体(10)と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構(50)と、を備えた光コネクタにおける前記光ファイバケーブルの保持に用いられ、
前記引留機構を構成する引留手段(54)によって前記コネクタ本体に引き留め可能であり、
底壁部(23)とその両側縁に設けられた側壁部(24)と天壁部(26)とによって囲まれる空間(27)に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、
前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面(14b)を押圧して保持する側面保持突起(31)が形成され、
前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、
使用する前記光ファイバケーブル(14)の幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、
一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光ファイバ保持体(53)。
【請求項1】
光フェルール(1)に内挿固定された内蔵光ファイバ(6)に、断面略矩形の光ファイバケーブル(14)から引き出された外部光ファイバ(13)を突き合わせ接続させる接続機構(2)を有するコネクタ本体(10)と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構(50)と、を備え、
前記引留機構が、前記光ファイバケーブルを保持する光ファイバ保持体(53)と、前記光ファイバ保持体を前記コネクタ本体に引き留め可能な引留手段(54)とを有し、
前記光ファイバ保持体は、底壁部(23)とその両側縁に設けられた側壁部(24)とによって囲まれる空間(27)に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、
前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面(14b)を押圧して保持する側面保持突起(31)が形成され、
前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、
使用する前記光ファイバケーブル(14)の幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、
一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光コネクタ(60)。
【請求項2】
前記側面保持突起の前面(31a)と後面(31b)がなす角度(A1)は、55〜85度であることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記側面保持突起は、前記ケーブル挿通方向に間隔をおいて複数形成され、
少なくとも一方の側壁部に形成された前記複数の側面保持突起のうち2つの前記ケーブル挿通方向の最大距離(L2)は、2.5mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記側面保持突起の先端部(31c)の前記延在方向の長さ(L3)は、前記光ファイバケーブルの高さH1−0.5(mm)以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記光ファイバ保持体は、天壁部(26)をさらに有し、この天壁部にも囲まれる前記空間に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、
前記天壁部内面には、前記光ファイバケーブルの上面(14d)を略点状に押圧して保持する天面保持突起(33)が形成され、
前記底壁部内面と、前記天面保持突起との距離(L4)は、前記光ファイバケーブルの高さH1の最大値−0.5(mm)以上、前記高さH1の最小値(mm)以下であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記天面保持突起は、略円錐状または略円錐台状に形成され、中心軸を通る断面における両側面がなす角度(A2)は、45〜75度であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記底壁部内面には、前記光ファイバケーブルの下面(14e)を略点状に押圧して保持する底面保持突起(32)が形成され、
前記底面保持突起の前記底壁部内面からの高さ(H2)は、0.05〜0.2mmであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の光コネクタ。
【請求項8】
光フェルール(1)に内挿固定された内蔵光ファイバ(6)に、断面略矩形の光ファイバケーブル(14)から引き出された外部光ファイバ(13)を突き合わせ接続させる接続機構(2)を有するコネクタ本体(10)と、前記光ファイバケーブルを前記コネクタ本体に引き留める引留機構(50)と、を備えた光コネクタにおける前記光ファイバケーブルの保持に用いられ、
前記引留機構を構成する引留手段(54)によって前記コネクタ本体に引き留め可能であり、
底壁部(23)とその両側縁に設けられた側壁部(24)と天壁部(26)とによって囲まれる空間(27)に前記光ファイバケーブルを挿通可能であり、
前記側壁部内面に、前記ケーブル挿通方向に交差する方向に延在して前記光ファイバケーブルの側面(14b)を押圧して保持する側面保持突起(31)が形成され、
前記光ファイバケーブルは、インドアケーブル、又はアウトドアケーブルの光エレメント部であり、
使用する前記光ファイバケーブル(14)の幅(W1)が、最大値と最小値の範囲内となるように規定されており、
一方の前記側壁部の側面保持突起と、他方の前記側壁部の側面保持突起との距離(L1)は、前記光ファイバケーブルの幅W1の最大値−0.7(mm)以上、前記幅W1の最小値−0.2(mm)以下であることを特徴とする光ファイバ保持体(53)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−256076(P2012−256076A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206380(P2012−206380)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2009−80337(P2009−80337)の分割
【原出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(504026856)株式会社アドバンスト・ケーブル・システムズ (64)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2009−80337(P2009−80337)の分割
【原出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(504026856)株式会社アドバンスト・ケーブル・システムズ (64)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]