光ディスク再生方法および光ディスク再生装置
【課題】 光ディスクに記録されているデータを再生する際の、無駄な消費電流を削減するための光ディスク再生方法と光ディスク再生装置とを提供する。
【解決法】 光ディスクを回転させ、光ディスクに記録されているデータを読み出して再生させる光ディスク再生方法であって、光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で光ディスクを回転させながら光ディスクからデータを読み出す。また、光ディスクを回転させ、光ディスクに記録されているデータを読み出して再生する光ディスク再生装置であって、光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で光ディスクを回転させる回転制御手段と、回転速度で回転する光ディスクからデータを読み出して再生する再生手段とを備える。
【解決法】 光ディスクを回転させ、光ディスクに記録されているデータを読み出して再生させる光ディスク再生方法であって、光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で光ディスクを回転させながら光ディスクからデータを読み出す。また、光ディスクを回転させ、光ディスクに記録されているデータを読み出して再生する光ディスク再生装置であって、光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で光ディスクを回転させる回転制御手段と、回転速度で回転する光ディスクからデータを読み出して再生する再生手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCDプレーヤ等の光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CD(Compact Disc)プレーヤは、通常のCD−DA(Compact Disc Digital Audio)再生時に1倍速で読み出しを行い1倍速で出力する仕様以外に、読み出したデータを一旦記憶する記憶手段を持ち、1倍速以上の速度で読みだして記憶手段に書き込み1倍速で出力する仕様がある。
【0003】
この仕様においては、記憶手段への蓄積を行う速度の方が読み出し速度よりも速いことを利用し、以下に示す、消費電流を抑制するための制御が行われる。
【0004】
記憶手段に蓄積されたデータ量が記憶容量に近くなると読み出しを停止する。読み出しの停止後は、記憶手段に蓄積されたデータが出力される。その後、記憶手段に蓄積されたデータの残量が少なくなると、ディスクからのデータの読み出しを再開する。このようなデータの読み出し制御が行われることにより、読み出しを停止する期間の消費電流を抑制することができる。
【0005】
また、近年、CD−DAだけでなく、MP3(MPEG Audio Layer-3)等の圧縮オーディオを再生する機能を持つ仕様のCDプレーヤもある。圧縮オーディオを再生する場合においても、CD−DAの再生時と同じく、データの読み出しおよび蓄積と、読み出しの停止とが繰り返される。
【0006】
図9は、従来のCDプレーヤの記憶手段に蓄積されるデータ量の時間変化の概要を示す図である。図9に示すグラフにおいて、縦軸は、記憶手段に蓄積されるデータ量であり、横軸は、時間である。
【0007】
期間Aは、データのディスクからの読み出しと記憶手段への蓄積と、同時に記憶手段からの読み出しと音声出力が行われる期間である。期間Bは、データのディスクからの読み出しが停止され、記憶手段に蓄積されたデータが再生のために消費されている期間である。期間Bにおいては、データは記憶手段から出力されるのみであり、次第に蓄積データ量は減少する。蓄積データが所定の基準値に達すると、再びデータの読み出しが開始される。このように、期間Aと期間Bとを1サイクルとした動作が繰り返される。
【0008】
なお、圧縮オーディオ再生時は復号後の出力するデータ量は同じであるが、復号する前のデータのサイズは復号後のデータサイズよりも小さいため、もし記憶手段に蓄積したデータの量が同じ場合、記憶手段に蓄積されたデータの消費速度はCD−DAに対して遅くなる。
【0009】
これにより、圧縮オーディオ再生時の記憶手段への蓄積速度はCD−DA再生時よりも速くなる。結果として、圧縮オーディオを再生する場合、CD−DAを再生する場合より、CDプレーヤがデータの読み出しを停止している期間が長くなる。
【0010】
図10は、従来のCDプレーヤの読み出し制御手順を示すフローチャートである。図10を用いて従来のCDプレーヤの圧縮オーディオ再生時の光ディスク読み出し制御方法について説明する。
【0011】
CDプレーヤは、ユーザの所定の操作を受け、再生を開始する(S50)。開始後、ディスクの回転を加速し(S51)、高倍速にてディスクからデータを読み出し、記憶手段であるメモリへの蓄積を開始する(S52)。なお、メモリへ蓄積される際、読み出されたデータがCD−DAである場合はそのまま又はADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)等に符号化し、読み出されたデータがMP3等圧縮オーディオである場合は一旦PCM(Pulse Code Modulation)に復号し、そのまま又はADPCM等に符号化し、メモリへ蓄積する。
【0012】
メモリへの蓄積を開始後、メモリに蓄積されたデータを読み出しながら出力を開始する(S53)。出力の開始後、メモリがフルであるか否かをチェックする。フルである場合(S54でy)、出力は継続しながらディスクからのデータの読み出しとメモリへの蓄積を停止する(S55)。このときディスクの回転についても強制停止する。もしくは慣性のまま放置することにより減速していく。なお、フルでない場合(S54でn)は、フルになるまでメモリの蓄積容量のチェックを続ける。
【0013】
データの読み出しおよびメモリへの蓄積を停止した後、メモリに蓄積されているデータの残量をチェックする。残量が所定の基準値より少ない場合(S56でy)、再び、ディスクの回転を開始し加速する(S51)。なお、残量が所定の基準値以上の場合(S56でn)は、基準値を下回るまで残量のチェックを続ける。
【0014】
上記動作は、ディスクの全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0015】
上記のような、ディスクからの間欠的なデータの読み出しを伴う再生(以下、「間欠再生」という。)に関する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−90449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記従来の方法では、例えば、ディスクに記録されたデータを再生する際、必ず、データの読み出しと停止とが交互に繰り返される。つまり、ディスクの回転の加速が必ず繰り返されることとなり、消費電流が大きくなる。これは、回転の加速に必要な電流は、ディスクを一定速度で回転させる場合に比べ非常に大きいためである。これにより、例えば、CDプレーヤへの電力供給を電池で行っている場合、動作可能な時間が短くなるという問題がある。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、光ディスクに記録されているデータを再生する際の、無駄な消費電流を削減するための光ディスク再生方法および光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の光ディスク再生方法は、光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生させる光ディスク再生方法であって、前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す。
【0019】
また、本発明の光ディスク再生装置は、光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生する光ディスク再生装置であって、前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる回転制御手段と、前記回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して再生する再生手段とを備える。
【0020】
このように、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置によれば、光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて、遅くされた回転速度で光ディスクを回転させながらデータを再生することができる。つまり、加速を繰り返すことはなく、無駄な消費電流を削減することができる。ここで、回転速度はデータの出力速度に応じた速度であるため、音が途切れることはない。
【0021】
また、本発明の光ディスク再生方法は、更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生させる第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生させる第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを比較し、前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出すとしてもよい。
【0022】
また、本発明の光ディスク再生装置は、更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生する第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生する第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを測定する電流測定手段と、前記第1消費電流値と前記第2消費電流値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記第1再生モードを実行すると判断する判断手段とを備え、前記回転制御手段は、前記判断手段により、第1再生モードを実行すると判断された場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させるとしてもよい。
【0023】
このように、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置によれば、消費電流の少ない再生モードの実行を判断することができる。
【0024】
また、本発明は、本発明の光ディスク再生方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そのプログラムは、CD−ROM等の記録媒体や通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、光ディスクに記録されているデータを再生する際の、無駄な消費電流を削減するための光ディスク再生方法および光ディスク再生装置を提供することができる。
【0026】
本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置によれば、圧縮オーディオ再生時に、ディスクの読み出しと停止が交互に実施し、それにより加速を繰り返すことにより消費電流が大きくなる場合、出力レートに合わせて1倍速以下の速度の一定速度回転で読み出すことにより無駄な消費電流を削減することができる。これにより、例えば電池を用いて電源供給する場合には動作時間を長く確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
まず、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の機能的な構成を図1を用いて説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の機能的な構成を示す機能ブロック図である。CDプレーヤ30は、本発明の光ディスク再生装置の一例であり、図1に示すように、ディスク回転部1、ピックアップ2、フォーカスアクチュエータ3、トラッキングアクチュエータ4、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7、制御部8、データ記憶部9、および光ディスク20を備える。また、制御部8は、判断部81と電流測定部82とを有する。
【0030】
なお、CDプレーヤが本来備える、ユーザからの命令を受け付ける入力部や、再生された音声を出力する出力部なども備えている。しかしながら、本発明の特徴の明確化のために、それらの図示および説明は省略する。
【0031】
光ディスク20は、その中心部分がディスク回転部1に固定される。再生時、ピックアップ2、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7にてフォーカスサーボが行われる。また、ピックアップ2、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7よりトラッキングサーボが行われる。さらに、ディスク回転部1、ピックアップ2、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7により回転サーボが実施される。回転サーボにおいて、ピックアップ2から読み出された信号を加算増幅して増幅部5が作成するRF信号から演算部6は現在の回転速度を読み出す。その回転数が想定する回転数となるようドライブ信号作成部7にドライブ信号指示を実施する。
【0032】
データ記憶部9は、光ディスク20から読み出されたデータを一時的に記憶するための記憶装置である。データ記憶部9は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により実現される。
【0033】
上記の各構成部の機能および動作は、従来のCDプレーヤと変わりない。しかしながら、CDプレーヤ30は、制御部8が有する、判断部81および電流測定部82の動作により、無駄な消費電流を削減することを可能とする。なお、データ記憶部9は、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第1記憶手段の一例である。
【0034】
制御部8は、CDプレーヤ30の各構成部の動作を制御する処理部であり、判断部81と、電流測定部82とを備える。電流測定部82は、CDプレーヤ30が消費する電流を測定する処理部である。なお、図示していないが、電流測定部82は、消費する電流を測定するために、CDプレーヤ30の電源部などと接続されている。また、制御部8は、CDプレーヤ30の各構成部の動作を制御する機能を有しており、各構成部は、制御部8の制御のもとで動作する。
【0035】
判断部81は、電流測定部82が測定した結果に基づき、再生モードを判断する処理部である。再生モードについては、図2を用いて後述する。なお、判断部81は、本発明の光ディスク再生装置における比較手段および判断手段が有する、再生モードを判断するための機能を実現する。
【0036】
次に、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の動作を、図2〜図6を用いて説明する。
【0037】
図2は、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の、データの読み出し制御に関する手順を示すフローチャートである。
【0038】
ユーザの所定の操作により、光ディスク20に記録されたデータの再生の命令を受け付けると、CDプレーヤ30は、再生モードの検討を開始する(S10)。
【0039】
ここで、再生モードとは、データを再生する方法および手順のことである。CDプレーヤ30は、2つの再生モードのうちの1つを選択し、実行する。2つのモードとは、間欠再生モードおよび連続再生モードである。間欠再生モードは、上述の通り、光ディスクからのデータの読み出しを間欠的に行いながら、データの再生を行うことである。連続再生は、1倍速またはそれ以下での回転速度で光ディスク20を回転させ、連続的にデータの読み出しを行いながら、データの再生を行うことである。なお、「n倍速での回転速度」(nは1以上の整数)という場合、n倍速の読み出し速度に対応する回転速度のことを指す。
【0040】
なお、連続再生モードは本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第1再生モードの一例であり、間欠再生モードは本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第2再生モードの一例である。
【0041】
上述の再生モードの選択は、電流測定部82および判断部81により実行される。以下、電流測定部82および判断部81の機能および動作を中心に説明を行う。
【0042】
再生モードの検討の開始後、光ディスク20が静止した状態から、光ディスク20の回転を加速する(S11)。通常の回転速度である1倍速での回転速度になるまで加速されると、1倍速で回転させながら光ディスクからデータの読み出しと出力を開始する(S12)。電流測定部82は、1倍速再生状態でのCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S13)、測定結果を判断部81に通知する。なお、上記の1倍速再生状態は、1倍速で連続的にデータの読み出しを行いながらデータの再生を行っている状態である。つまり、連続再生状態である。
【0043】
上記通知後、CDプレーヤ30は、光ディスク20の回転の加速を再び開始する(S14)。電流測定部82は、加速中のCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S15)、測定結果を判断部81に通知する。
【0044】
上記加速後、光ディスク20の回転速度が所定の高倍速になった状態でディスクからデータを読み出される。読み出されたデータはデータ記憶部9に書き込まれる(S16)。つまり、データの蓄積が開始される。
【0045】
ここで、データがデータ記憶部9に蓄積される際、以下に述べる処理が行われる。読み出されたデータがCD−DAの場合、そのまま又はADPCM等に符号化され、データ記憶部9に蓄積される。読み出されたデータが、MP3等圧縮オーディオの場合、一旦PCMに復号され、そのまま又はADPCM等に符号化されてデータ記憶部9に蓄積される。蓄積と同時に、データ再生のためにデータ記憶部9に蓄積されたデータが出力される。
【0046】
電流測定部82は、上記状態、つまり、高倍速での再生状態でのCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S17)、測定結果を判断部81に通知する。
【0047】
上記通知後、データ記憶部9がフルかどうかをチェックする。つまり、データ記憶部9にさらに光ディスク20から読み出されたデータを蓄積できるか否かをチェックする。フルでない場合(S18でn)、繰り返しチェックが行われる。データ記憶部9がフルである場合(S18でy)、ディスクからの読み出しとデータ記憶部9への蓄積を停止する(S19)。このとき光ディスク20の回転も強制停止される。もしくは、慣性で回転したまま放置され、回転速度は減速していく。なお、データ記憶部9からのデータの出力は継続される。なお、モータの軸が慣性により回転している状態は「軸損」とも呼ばれ、「間欠再生」は「軸損再生」とも呼ばれる。
【0048】
電流測定部82は、光ディスク20からの読み出し停止状態でのCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S20)、測定結果を判断部81に通知する。ここで、CDプレーヤ30が、回転速度の高倍速への加速を開始(S14)してから、光ディスク20からの読み出しを停止(S19)したまま、次にデータの読み出しが再開されるまで、データ記憶部9からのデータの出力を継続する動作は、間欠再生における1つのサイクルである。
【0049】
ここまでの動作により、CDプレーヤ30の各状態の消費電量が測定され、判断部81に保持されている。CDプレーヤ30の各状態とは、1倍速での再生中(S12)、高倍速への加速中(S14)、高倍速での再生中(S16)、ディスクからの読み出し停止中(S19)の各状態である。
【0050】
図3は、CDプレーヤ30の各状態における消費電流の測定結果の例を示す図である。図3に示すグラフにおいて、縦軸は消費電流であり横軸は時間である。
【0051】
また、図3に示すグラフにおいて、T4は1倍速での再生中の期間であり、T1は高倍速への加速中の期間であり、T2は高倍速での再生中の期間であり、T3はディスクからの読み出し停止中の期間である。それぞれの期間の電流値は、I44、I41、I42、I43である。図3のグラフに示すように、高倍速への加速中がもっとも消費電流が多いことがわかる。
【0052】
判断部81は、T1、T2、T3の3つの期間の平均消費電流を以下に示す(式1)にて算出する(S21)。ここで、上記3つの期間は、間欠再生の1サイクルが行われた期間である。つまり、判断部81は、CDプレーヤ30の間欠再生モードの平均消費電流としてIaを算出する。
【0053】
Ia=(I41×T1+I42×T2+I43×T3)/(T1+T2+T3)(式1)
【0054】
また、T4の期間は、1倍速で連続的にデータの読み出しを行いながらデータの再生を行っている状態である。つまり、I44は連続再生モードにおける消費電流である。
【0055】
判断部81は、間欠再生モードの平均消費電流Iaと連続再生モードの消費電流I44とを比較し、連続再生モード、間欠再生モードのどちらの再生モードを実行すべきかの判断を行う。
【0056】
具体的には、値の小さい方の再生モードを実行すべきと判断する。これにより、例えば、CDプレーヤ30が電池の電力により駆動されている場合、電池寿命が長くなる。
【0057】
I44の方がIaよりも小さい場合、つまり、連続再生時の消費電流の方が、間欠再生時の平均消費電流より小さい場合(S22でy)、CDプレーヤ30は、連続再生モード(S30)へ移行する。また、Iaの方がI44よりも小さい場合、つまり、間欠再生時の平均消費電流の方が、連続再生時の消費電流より小さい場合(S22でn)、CDプレーヤ30は、間欠再生モード(S30)へ移行する。
【0058】
なお、図2に示す動作のフローに示す処理は、光ディスク20の全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0059】
図4は、連続再生モードにおけるCDプレーヤ30の動作を示すフローチャートである。図6を用いて、CDプレーヤ30が連続再生を実行する際の動作を説明する。なお、間欠再生を実行する際の動作については、図5を用いて後述する。
【0060】
CDプレーヤ30は、判断部81の判断により、連続再生を開始する(S30)。開始後、判断部81が、再生中のデータがMP3等の圧縮オーディオであるか否かを判断する。圧縮オーディオでない場合(S31でn)、つまり、CD−DAである場合、CDプレーヤ30は、一倍速での回転速度で光ディスク20を回転させながらデータを読み出し再生する。
【0061】
圧縮オーディオである場合(S31でy)、判断部81は、圧縮オーディオのビットレートの検出を行う(S32)。さらに検出されたビットレートに基づき、回転速度を決定する(S33)。具体的には、検出された圧縮オーディオのビットレートと、CD−DAのビットレートとの比を求め、その比に従って、回転速度を決定する。
【0062】
例えば、圧縮オーディオのビットレートが128Kbpsであった場合を想定する。CD−DAのビットレートは1.411Mbpsであり、この値が1倍速の出力速度である。従って、圧縮オーディオの出力速度と1倍速の出力速度の比は、1:11.0234375である。
【0063】
従って、理想的には、回転速度を1倍速の1/11.0234375となるように設定すべきである。この場合には、光ディスク20に記録されたデータを途切れることなく再生可能となり、かつ、データ蓄積部9においてデータを蓄積する速度とデータを消費する速度が同一になる。
【0064】
ただし、上記の回転速度を、理想の回転速度よりも遅い速度、例えば1倍速の1/12と設定してもよい。この場合には、データ蓄積部9に蓄積されたデータの残量が所定の値まで減少した際に、1倍速の1/11に回転速度を上げるように制御する。
【0065】
また、回転速度を1倍速の1/11と設定してもよい。この場合には、データ蓄積部9においてデータを蓄積する速度がデータを消費する速度よりもわずかに速いため、次第にデータの蓄積量が増えることにより、オーバーフローが発生してしまう。従ってオーバーフローが発生した際には、回転速度を1倍速の1/11に維持しつつ、ディスクからのデータの読み出しと蓄積を一旦停止する(PAUSE状態にする)、又は、回転速度を一旦1倍速の1/11よりも遅い速度に落とし、蓄積されているデータの残量が所定の値まで減少した際に、回転速度を再度1倍速の1/11に戻すように制御する。
【0066】
上述のように決定され、回転速度が減速される(S34)。減速された回転速度にて、読み出しと圧縮オーディオの復号と復号されたデータの出力とを同時に実行する(S35)。
【0067】
なお、実際には、データ記憶部9へのデータの蓄積が行われる。しかしながら、データ記憶部9への蓄積と、データ再生のための、データ記憶部9からのデータの出力の単位時間当たりのデータ量が同じであるため、見かけ上、データ記憶部9の蓄積データ量は一定となる。
【0068】
なお、図4に示す動作のフローに示す処理は、光ディスク20の全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0069】
図5は、連続再生モードにおける、データ記憶部9の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。図5に示すグラフにおいて、縦軸は蓄積データ量であり、横軸は時間である。
【0070】
また、期間Aは、データのディスクからの読み出しと、データ記憶部9への蓄積が行われる期間である。期間Bは、データのディスクからの読み出しが停止され、データ記憶部9へのデータの蓄積がなされずに、蓄積されたデータの出力のみが行われている期間である。
【0071】
なお、期間Bの経過後も、データ記憶部9に蓄積されたデータは出力され続けている。しかしながら、データ記憶部9への単位時間当たりの蓄積データ量と消費データ量が等しい。そのため、図5のグラフに示すように、データ記憶部9に蓄積されているデータ量は一定になっている。
【0072】
以上のように、CDプレーヤ30は、電流測定部82が測定した結果に基づき、判断部81が間欠再生時の平均消費電流を算出する。判断部81は、さらに、連続再生時の消費電流と間欠再生時の平均消費電流とを比較する。比較の結果、連続再生時の消費電流の方が、間欠再生時の平均消費電流より小さい場合、連続再生モードに移行すると判断する。
【0073】
また、判断部81は、連続再生モードにおいて、再生するデータが圧縮オーディオであるか否かの判断を行う。圧縮オーディオである場合、ビットレートを検出し、検出結果に対応する回転速度を算出し決定する。これにより、1倍速より低速な回転速度が決定される。
【0074】
なお、間欠再生時の平均消費電流の方が、連続再生時の消費電流より小さい場合、間欠再生モードに移行すると判断する。
【0075】
図6は、間欠再生モードにおけるCDプレーヤ30の動作を示すフローチャートである。図6を用いて、CDプレーヤ30が間欠再生を実行する際の動作を説明する。
【0076】
CDプレーヤ30は、データ記憶部9のデータの残量をチェックする(S41)。残量が所定の基準値以下であれば(S41でy)、強制停止あるいは慣性で回転するままに放置されていた光ディスク20の回転の加速を開始する(S42)。なお、残量が所定の基準値より多ければ(S41でy)、基準値以下になるまでチェックを繰り返す。
【0077】
上記加速後、光ディスク20の回転速度が所定の高倍速になった状態でディスクからデータを読み出される。読み出されたデータはデータ記憶部9に書き込まれる(S43)。つまり、データの蓄積が開始される。
【0078】
ここで、データがデータ記憶部9に蓄積される際、上述のように、符号化等の処理が行われる。即ち、読み出されたデータがCD−DAの場合、そのまま又はADPCM等に符号化され、データ記憶部9に蓄積される。読み出されたデータが、MP3等圧縮オーディオの場合、一旦PCMに復号され、そのまま又はADPCM等に符号化されてデータ記憶部9に蓄積される。蓄積と同時に、データ再生のためにデータ記憶部9に蓄積されたデータが出力される。
【0079】
データ記憶部9へのデータの蓄積と、データ記憶部9からのデータの出力とが開始された後、データ記憶部9がフルかどうかをチェックする。フルでない場合(S44でn)、繰り返しチェックが行われる。データ記憶部9がフルである場合(S44でy)、ディスクからの読み出しとデータ記憶部9への蓄積を停止する。このとき光ディスク20の回転も強制停止される。もしくは、慣性で回転したまま放置され回転速度は減速していく。なお、データ記憶部9からのデータの出力は継続される(S45)。
【0080】
その後、データ記憶部9のデータ残量のチェック(S41)から、データの読み出し(S45)までが繰り返される。
【0081】
なお、図6に示す動作のフローに示す処理は、光ディスク20の全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0082】
以上のように、CDプレーヤ30は、間欠再生時の平均消費電流の方が、連続再生時の消費電流より小さい場合、間欠再生モードに移行し、上記動作が実行される。
【0083】
図4および図6を用いて説明したように、CDプレーヤ30は、連続再生モードおよび間欠再生モードという2つの再生モードで光ディスク20に記録されたデータを再生可能であり、それら2つの再生モードにおける消費電流を測定する。さらに、その測定結果に基づき、より消費電流の少ない再生モードを選び、実行する。
【0084】
また、連続再生モードを実行する際、光ディスク20に記録されたデータがMP3等の圧縮オーディオである場合、その圧縮オーディオのビットレートを検出する。さらに、その検出結果に基づき、光ディスク20の回転速度を1倍速以下に減速する。1倍速以下に減速することにより、少なくとも、1倍速で回転している状態よりも消費電流を少なくすることができる。
【0085】
上記動作により、CDプレーヤ30は、光ディスク20に記録されたデータを再生する際の無駄な消費電流を抑制することができる。
【0086】
なお、上述の実施の形態において、CDプレーヤ30が連続再生をする際に、データ記憶部9にデータの蓄積を行いながらデータ記憶部9からのデータの出力も行うとした。しかしながら、連続再生モードに移行した後はデータ記憶部9にデータを蓄積しなくてもよい。
【0087】
つまり、光ディスク20から読み出したデータに対し符号化、複合化などの必要な処理を行った後、データ記憶部9に蓄積することなくそのまま出力してもよい。
【0088】
図7は、連続再生モード移行後にデータ記憶部9にデータを蓄積しない場合の記憶部9の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。
【0089】
図7のグラフにおいて、期間Aおよび期間Bは、再生モードの検討の際のデータの読み出しおよび蓄積と、データの読み出しの停止およびデータ記憶部9からの出力とが行われる期間である。
【0090】
期間Aの経過後、期間Bの経過前に、CDプレーヤは連続再生モードに移行するが、図5に示す蓄積データ量の時間変化と異なり、蓄積データ量はゼロとなる。データ記憶部9へのデータの蓄積を行わないためである。こうすることで、データ記憶部9へデータを書き込むために必要な電流の消費を削減することができる。
【0091】
また、実行する再生モードを判断する際に、電流測定部82の測定値に基づき、判断部81が判断するとした。しかしながら、過去の消費電流の実績に基づいて、実行すべき再生モードを判断してもよい。
【0092】
例えば、連続再生モードにおいて、圧縮オーディオを再生する場合、その圧縮オーディオのビットレートと、再生時の消費電流とを対応付けて実績データとして記憶しておく。更に、その後、実行する再生モードを判断する際に、記憶された実績データを利用し実行すべき再生モードを判断してもよい。
【0093】
図8は、実績データを記憶するための実績記憶部を備えるCDプレーヤ30の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【0094】
図8に示す実績記憶部10は、電流測定部82が測定した結果を記憶する記憶装置である。実績記憶部10は、例えば、Flashメモリ等の不揮発性メモリにより実現される。なお、実績記憶部10以外の各構成部は、図1に示すCDプレーヤ30と同じである。
【0095】
実績記憶部10は、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第2記憶手段の一例である。また、本発明の光ディスク再生装置における抽出手段が有する、第2記憶手段から情報を抽出する機能は、判断部81によって実現される。
【0096】
図8に示すCDプレーヤ30において、以下の動作が実行されることにより、再生モードを判断することが可能である。
【0097】
光ディスク20に記録されたデータの再生を行う際、光ディスク20から読み出されたデータが圧縮オーディオであるか否かを判断する。
【0098】
圧縮オーディオであった場合、判断部81がビットレートの検出を行う。検出後、検出されたビットレートと対応付けられた過去の消費電流を実績記憶部10から抽出する。
【0099】
また、間欠再生モードの平均消費電流の算出のための動作、電流の測定、および平均消費電流の算出(図2におけるS14〜S21に相当)を行う。
【0100】
判断部81は、実績記憶部10から抽出された、連続再生モードの消費電流の実績値と、算出された間欠再生モードの平均消費電流とを比較し、消費電流の小さな再生モードを、実行すべき再生モードと判断する。
【0101】
こうすることで、例えば、圧縮オーディオの再生時には、連続再生モードの消費電流の測定および測定のための動作を行う必要がない。
【0102】
なお、同じビットレートの実績データが実績記憶部10に複数存在する場合、それら複数の実績データの平均を算出し、そのビットレートを有する圧縮オーディオの連続再生モードの消費電流としてもよい。また、最新の実績データを、そのビットレートを有する圧縮オーディオの連続再生モードの消費電流として採用してもよい。
【0103】
また、消費電流の実績値は、ビットレートではなく回転速度と対応付けられて実績記憶部10に記憶されていてもよい。この場合、ビットレートの検出後に回転速度が算出されればよく、判断部81が、その算出された回転速度に対応する消費電流の実績値を実績記憶部10から抽出すればよい。
【0104】
なお、上述のように、ビットレートの検出および回転速度の算出を、データ再生の開始時に行う場合、図4に示す、連続再生モードにおける動作の中で、ビットレートの検出および回転速度の算出を行う必要はない。
【0105】
このように、CDプレーヤ30は、消費電流の実測値だけでなく実績値に基づいて、実行すべき再生モードの判断を行ってもよい。これにより、例えば、CDプレーヤ30を設計する際、無駄な消費電流の削減のために最適な再生モードの判断方法を選択しCDプレーヤ30を設計することができる。
【0106】
また、回転速度の算出において、圧縮オーディオのビットレートと1倍速の出力速度とのの比を算出し、その算出された比をそのまま回転速度の算出に用いた。しかしながら、算出した比をそのまま回転速度の算出に用いなくてもよい。
【0107】
例えば、回転速度を、算出された比を用いた場合の値より高く設定することで、データ記憶部9に蓄積しつつ、そのデータの再生を行ってもよい。
【0108】
データ記憶部9に蓄積されたデータは、例えば、CDプレーヤに与えられた衝撃が原因で、ピックアップ2が正常にデータを読み出せなかった際、いわゆる「音飛び」の際に消費される。つまり、データ記憶部9に多くのデータを蓄積しておくことは、音飛びの防止のための有効な手段の一つである。
【0109】
そのため、上述のように、データをデータ記憶部9に蓄積できる範囲で回転速度を減速することで、音飛びの防止を図りつつ、消費電流の削減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明のCDプレーヤの読み出し制御手順は、圧縮オーディオ再生時に、ディスクの読み出しと停止が交互に実施し、それにより加速を繰り返すことにより消費電流が大きくなる場合に出力レートに合わせて1倍速以下の速度の一定速度回転で読み出すことにより無駄な消費電流を削減し、例えば電池を用いて電力供給する場合には動作時間を長く確保できるため有用である。そのため、電池により駆動されるポータブルCDプレーヤに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態のCDプレーヤの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図2】CDプレーヤのデータの読み出し制御に関する手順を示すフローチャートである。
【図3】CDプレーヤの各状態における消費電流の測定結果の例を示す図である。
【図4】連続再生モードにおけるCDプレーヤの動作を示すフローチャートである。
【図5】連続再生モードにおける、データ記憶部の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。
【図6】間欠再生モードにおけるCDプレーヤの動作を示すフローチャートである。
【図7】連続再生モード移行後にデータ記憶部9にデータを蓄積しない場合の記憶部9の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。
【図8】実績データを記憶するための実績記憶部を備えるCDプレーヤの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図9】従来のCDプレーヤの記憶手段に蓄積されるデータ量の時間変化の概要を示す図である。
【図10】従来のCDプレーヤの読み出し制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
1 ディスク回転部
2 ピックアップ
3 フォーカスアクチュエータ
4 トラッキングアクチュエータ
5 増幅部
6 演算部
7 ドライブ信号作成部
8 制御部
9 データ記憶部
10 実績記憶部
20 光ディスク
30 CDプレーヤ
81 判断部
82 電流計測部
【技術分野】
【0001】
本発明はCDプレーヤ等の光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CD(Compact Disc)プレーヤは、通常のCD−DA(Compact Disc Digital Audio)再生時に1倍速で読み出しを行い1倍速で出力する仕様以外に、読み出したデータを一旦記憶する記憶手段を持ち、1倍速以上の速度で読みだして記憶手段に書き込み1倍速で出力する仕様がある。
【0003】
この仕様においては、記憶手段への蓄積を行う速度の方が読み出し速度よりも速いことを利用し、以下に示す、消費電流を抑制するための制御が行われる。
【0004】
記憶手段に蓄積されたデータ量が記憶容量に近くなると読み出しを停止する。読み出しの停止後は、記憶手段に蓄積されたデータが出力される。その後、記憶手段に蓄積されたデータの残量が少なくなると、ディスクからのデータの読み出しを再開する。このようなデータの読み出し制御が行われることにより、読み出しを停止する期間の消費電流を抑制することができる。
【0005】
また、近年、CD−DAだけでなく、MP3(MPEG Audio Layer-3)等の圧縮オーディオを再生する機能を持つ仕様のCDプレーヤもある。圧縮オーディオを再生する場合においても、CD−DAの再生時と同じく、データの読み出しおよび蓄積と、読み出しの停止とが繰り返される。
【0006】
図9は、従来のCDプレーヤの記憶手段に蓄積されるデータ量の時間変化の概要を示す図である。図9に示すグラフにおいて、縦軸は、記憶手段に蓄積されるデータ量であり、横軸は、時間である。
【0007】
期間Aは、データのディスクからの読み出しと記憶手段への蓄積と、同時に記憶手段からの読み出しと音声出力が行われる期間である。期間Bは、データのディスクからの読み出しが停止され、記憶手段に蓄積されたデータが再生のために消費されている期間である。期間Bにおいては、データは記憶手段から出力されるのみであり、次第に蓄積データ量は減少する。蓄積データが所定の基準値に達すると、再びデータの読み出しが開始される。このように、期間Aと期間Bとを1サイクルとした動作が繰り返される。
【0008】
なお、圧縮オーディオ再生時は復号後の出力するデータ量は同じであるが、復号する前のデータのサイズは復号後のデータサイズよりも小さいため、もし記憶手段に蓄積したデータの量が同じ場合、記憶手段に蓄積されたデータの消費速度はCD−DAに対して遅くなる。
【0009】
これにより、圧縮オーディオ再生時の記憶手段への蓄積速度はCD−DA再生時よりも速くなる。結果として、圧縮オーディオを再生する場合、CD−DAを再生する場合より、CDプレーヤがデータの読み出しを停止している期間が長くなる。
【0010】
図10は、従来のCDプレーヤの読み出し制御手順を示すフローチャートである。図10を用いて従来のCDプレーヤの圧縮オーディオ再生時の光ディスク読み出し制御方法について説明する。
【0011】
CDプレーヤは、ユーザの所定の操作を受け、再生を開始する(S50)。開始後、ディスクの回転を加速し(S51)、高倍速にてディスクからデータを読み出し、記憶手段であるメモリへの蓄積を開始する(S52)。なお、メモリへ蓄積される際、読み出されたデータがCD−DAである場合はそのまま又はADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)等に符号化し、読み出されたデータがMP3等圧縮オーディオである場合は一旦PCM(Pulse Code Modulation)に復号し、そのまま又はADPCM等に符号化し、メモリへ蓄積する。
【0012】
メモリへの蓄積を開始後、メモリに蓄積されたデータを読み出しながら出力を開始する(S53)。出力の開始後、メモリがフルであるか否かをチェックする。フルである場合(S54でy)、出力は継続しながらディスクからのデータの読み出しとメモリへの蓄積を停止する(S55)。このときディスクの回転についても強制停止する。もしくは慣性のまま放置することにより減速していく。なお、フルでない場合(S54でn)は、フルになるまでメモリの蓄積容量のチェックを続ける。
【0013】
データの読み出しおよびメモリへの蓄積を停止した後、メモリに蓄積されているデータの残量をチェックする。残量が所定の基準値より少ない場合(S56でy)、再び、ディスクの回転を開始し加速する(S51)。なお、残量が所定の基準値以上の場合(S56でn)は、基準値を下回るまで残量のチェックを続ける。
【0014】
上記動作は、ディスクの全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0015】
上記のような、ディスクからの間欠的なデータの読み出しを伴う再生(以下、「間欠再生」という。)に関する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−90449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記従来の方法では、例えば、ディスクに記録されたデータを再生する際、必ず、データの読み出しと停止とが交互に繰り返される。つまり、ディスクの回転の加速が必ず繰り返されることとなり、消費電流が大きくなる。これは、回転の加速に必要な電流は、ディスクを一定速度で回転させる場合に比べ非常に大きいためである。これにより、例えば、CDプレーヤへの電力供給を電池で行っている場合、動作可能な時間が短くなるという問題がある。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、光ディスクに記録されているデータを再生する際の、無駄な消費電流を削減するための光ディスク再生方法および光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の光ディスク再生方法は、光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生させる光ディスク再生方法であって、前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す。
【0019】
また、本発明の光ディスク再生装置は、光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生する光ディスク再生装置であって、前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる回転制御手段と、前記回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して再生する再生手段とを備える。
【0020】
このように、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置によれば、光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて、遅くされた回転速度で光ディスクを回転させながらデータを再生することができる。つまり、加速を繰り返すことはなく、無駄な消費電流を削減することができる。ここで、回転速度はデータの出力速度に応じた速度であるため、音が途切れることはない。
【0021】
また、本発明の光ディスク再生方法は、更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生させる第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生させる第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを比較し、前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出すとしてもよい。
【0022】
また、本発明の光ディスク再生装置は、更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生する第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生する第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを測定する電流測定手段と、前記第1消費電流値と前記第2消費電流値とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記第1再生モードを実行すると判断する判断手段とを備え、前記回転制御手段は、前記判断手段により、第1再生モードを実行すると判断された場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させるとしてもよい。
【0023】
このように、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置によれば、消費電流の少ない再生モードの実行を判断することができる。
【0024】
また、本発明は、本発明の光ディスク再生方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そのプログラムは、CD−ROM等の記録媒体や通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、光ディスクに記録されているデータを再生する際の、無駄な消費電流を削減するための光ディスク再生方法および光ディスク再生装置を提供することができる。
【0026】
本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置によれば、圧縮オーディオ再生時に、ディスクの読み出しと停止が交互に実施し、それにより加速を繰り返すことにより消費電流が大きくなる場合、出力レートに合わせて1倍速以下の速度の一定速度回転で読み出すことにより無駄な消費電流を削減することができる。これにより、例えば電池を用いて電源供給する場合には動作時間を長く確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】
まず、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の機能的な構成を図1を用いて説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の機能的な構成を示す機能ブロック図である。CDプレーヤ30は、本発明の光ディスク再生装置の一例であり、図1に示すように、ディスク回転部1、ピックアップ2、フォーカスアクチュエータ3、トラッキングアクチュエータ4、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7、制御部8、データ記憶部9、および光ディスク20を備える。また、制御部8は、判断部81と電流測定部82とを有する。
【0030】
なお、CDプレーヤが本来備える、ユーザからの命令を受け付ける入力部や、再生された音声を出力する出力部なども備えている。しかしながら、本発明の特徴の明確化のために、それらの図示および説明は省略する。
【0031】
光ディスク20は、その中心部分がディスク回転部1に固定される。再生時、ピックアップ2、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7にてフォーカスサーボが行われる。また、ピックアップ2、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7よりトラッキングサーボが行われる。さらに、ディスク回転部1、ピックアップ2、増幅部5、演算部6、ドライブ信号作成部7により回転サーボが実施される。回転サーボにおいて、ピックアップ2から読み出された信号を加算増幅して増幅部5が作成するRF信号から演算部6は現在の回転速度を読み出す。その回転数が想定する回転数となるようドライブ信号作成部7にドライブ信号指示を実施する。
【0032】
データ記憶部9は、光ディスク20から読み出されたデータを一時的に記憶するための記憶装置である。データ記憶部9は、例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)により実現される。
【0033】
上記の各構成部の機能および動作は、従来のCDプレーヤと変わりない。しかしながら、CDプレーヤ30は、制御部8が有する、判断部81および電流測定部82の動作により、無駄な消費電流を削減することを可能とする。なお、データ記憶部9は、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第1記憶手段の一例である。
【0034】
制御部8は、CDプレーヤ30の各構成部の動作を制御する処理部であり、判断部81と、電流測定部82とを備える。電流測定部82は、CDプレーヤ30が消費する電流を測定する処理部である。なお、図示していないが、電流測定部82は、消費する電流を測定するために、CDプレーヤ30の電源部などと接続されている。また、制御部8は、CDプレーヤ30の各構成部の動作を制御する機能を有しており、各構成部は、制御部8の制御のもとで動作する。
【0035】
判断部81は、電流測定部82が測定した結果に基づき、再生モードを判断する処理部である。再生モードについては、図2を用いて後述する。なお、判断部81は、本発明の光ディスク再生装置における比較手段および判断手段が有する、再生モードを判断するための機能を実現する。
【0036】
次に、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の動作を、図2〜図6を用いて説明する。
【0037】
図2は、本発明の実施の形態のCDプレーヤ30の、データの読み出し制御に関する手順を示すフローチャートである。
【0038】
ユーザの所定の操作により、光ディスク20に記録されたデータの再生の命令を受け付けると、CDプレーヤ30は、再生モードの検討を開始する(S10)。
【0039】
ここで、再生モードとは、データを再生する方法および手順のことである。CDプレーヤ30は、2つの再生モードのうちの1つを選択し、実行する。2つのモードとは、間欠再生モードおよび連続再生モードである。間欠再生モードは、上述の通り、光ディスクからのデータの読み出しを間欠的に行いながら、データの再生を行うことである。連続再生は、1倍速またはそれ以下での回転速度で光ディスク20を回転させ、連続的にデータの読み出しを行いながら、データの再生を行うことである。なお、「n倍速での回転速度」(nは1以上の整数)という場合、n倍速の読み出し速度に対応する回転速度のことを指す。
【0040】
なお、連続再生モードは本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第1再生モードの一例であり、間欠再生モードは本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第2再生モードの一例である。
【0041】
上述の再生モードの選択は、電流測定部82および判断部81により実行される。以下、電流測定部82および判断部81の機能および動作を中心に説明を行う。
【0042】
再生モードの検討の開始後、光ディスク20が静止した状態から、光ディスク20の回転を加速する(S11)。通常の回転速度である1倍速での回転速度になるまで加速されると、1倍速で回転させながら光ディスクからデータの読み出しと出力を開始する(S12)。電流測定部82は、1倍速再生状態でのCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S13)、測定結果を判断部81に通知する。なお、上記の1倍速再生状態は、1倍速で連続的にデータの読み出しを行いながらデータの再生を行っている状態である。つまり、連続再生状態である。
【0043】
上記通知後、CDプレーヤ30は、光ディスク20の回転の加速を再び開始する(S14)。電流測定部82は、加速中のCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S15)、測定結果を判断部81に通知する。
【0044】
上記加速後、光ディスク20の回転速度が所定の高倍速になった状態でディスクからデータを読み出される。読み出されたデータはデータ記憶部9に書き込まれる(S16)。つまり、データの蓄積が開始される。
【0045】
ここで、データがデータ記憶部9に蓄積される際、以下に述べる処理が行われる。読み出されたデータがCD−DAの場合、そのまま又はADPCM等に符号化され、データ記憶部9に蓄積される。読み出されたデータが、MP3等圧縮オーディオの場合、一旦PCMに復号され、そのまま又はADPCM等に符号化されてデータ記憶部9に蓄積される。蓄積と同時に、データ再生のためにデータ記憶部9に蓄積されたデータが出力される。
【0046】
電流測定部82は、上記状態、つまり、高倍速での再生状態でのCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S17)、測定結果を判断部81に通知する。
【0047】
上記通知後、データ記憶部9がフルかどうかをチェックする。つまり、データ記憶部9にさらに光ディスク20から読み出されたデータを蓄積できるか否かをチェックする。フルでない場合(S18でn)、繰り返しチェックが行われる。データ記憶部9がフルである場合(S18でy)、ディスクからの読み出しとデータ記憶部9への蓄積を停止する(S19)。このとき光ディスク20の回転も強制停止される。もしくは、慣性で回転したまま放置され、回転速度は減速していく。なお、データ記憶部9からのデータの出力は継続される。なお、モータの軸が慣性により回転している状態は「軸損」とも呼ばれ、「間欠再生」は「軸損再生」とも呼ばれる。
【0048】
電流測定部82は、光ディスク20からの読み出し停止状態でのCDプレーヤ30全体の消費電流を測定し(S20)、測定結果を判断部81に通知する。ここで、CDプレーヤ30が、回転速度の高倍速への加速を開始(S14)してから、光ディスク20からの読み出しを停止(S19)したまま、次にデータの読み出しが再開されるまで、データ記憶部9からのデータの出力を継続する動作は、間欠再生における1つのサイクルである。
【0049】
ここまでの動作により、CDプレーヤ30の各状態の消費電量が測定され、判断部81に保持されている。CDプレーヤ30の各状態とは、1倍速での再生中(S12)、高倍速への加速中(S14)、高倍速での再生中(S16)、ディスクからの読み出し停止中(S19)の各状態である。
【0050】
図3は、CDプレーヤ30の各状態における消費電流の測定結果の例を示す図である。図3に示すグラフにおいて、縦軸は消費電流であり横軸は時間である。
【0051】
また、図3に示すグラフにおいて、T4は1倍速での再生中の期間であり、T1は高倍速への加速中の期間であり、T2は高倍速での再生中の期間であり、T3はディスクからの読み出し停止中の期間である。それぞれの期間の電流値は、I44、I41、I42、I43である。図3のグラフに示すように、高倍速への加速中がもっとも消費電流が多いことがわかる。
【0052】
判断部81は、T1、T2、T3の3つの期間の平均消費電流を以下に示す(式1)にて算出する(S21)。ここで、上記3つの期間は、間欠再生の1サイクルが行われた期間である。つまり、判断部81は、CDプレーヤ30の間欠再生モードの平均消費電流としてIaを算出する。
【0053】
Ia=(I41×T1+I42×T2+I43×T3)/(T1+T2+T3)(式1)
【0054】
また、T4の期間は、1倍速で連続的にデータの読み出しを行いながらデータの再生を行っている状態である。つまり、I44は連続再生モードにおける消費電流である。
【0055】
判断部81は、間欠再生モードの平均消費電流Iaと連続再生モードの消費電流I44とを比較し、連続再生モード、間欠再生モードのどちらの再生モードを実行すべきかの判断を行う。
【0056】
具体的には、値の小さい方の再生モードを実行すべきと判断する。これにより、例えば、CDプレーヤ30が電池の電力により駆動されている場合、電池寿命が長くなる。
【0057】
I44の方がIaよりも小さい場合、つまり、連続再生時の消費電流の方が、間欠再生時の平均消費電流より小さい場合(S22でy)、CDプレーヤ30は、連続再生モード(S30)へ移行する。また、Iaの方がI44よりも小さい場合、つまり、間欠再生時の平均消費電流の方が、連続再生時の消費電流より小さい場合(S22でn)、CDプレーヤ30は、間欠再生モード(S30)へ移行する。
【0058】
なお、図2に示す動作のフローに示す処理は、光ディスク20の全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0059】
図4は、連続再生モードにおけるCDプレーヤ30の動作を示すフローチャートである。図6を用いて、CDプレーヤ30が連続再生を実行する際の動作を説明する。なお、間欠再生を実行する際の動作については、図5を用いて後述する。
【0060】
CDプレーヤ30は、判断部81の判断により、連続再生を開始する(S30)。開始後、判断部81が、再生中のデータがMP3等の圧縮オーディオであるか否かを判断する。圧縮オーディオでない場合(S31でn)、つまり、CD−DAである場合、CDプレーヤ30は、一倍速での回転速度で光ディスク20を回転させながらデータを読み出し再生する。
【0061】
圧縮オーディオである場合(S31でy)、判断部81は、圧縮オーディオのビットレートの検出を行う(S32)。さらに検出されたビットレートに基づき、回転速度を決定する(S33)。具体的には、検出された圧縮オーディオのビットレートと、CD−DAのビットレートとの比を求め、その比に従って、回転速度を決定する。
【0062】
例えば、圧縮オーディオのビットレートが128Kbpsであった場合を想定する。CD−DAのビットレートは1.411Mbpsであり、この値が1倍速の出力速度である。従って、圧縮オーディオの出力速度と1倍速の出力速度の比は、1:11.0234375である。
【0063】
従って、理想的には、回転速度を1倍速の1/11.0234375となるように設定すべきである。この場合には、光ディスク20に記録されたデータを途切れることなく再生可能となり、かつ、データ蓄積部9においてデータを蓄積する速度とデータを消費する速度が同一になる。
【0064】
ただし、上記の回転速度を、理想の回転速度よりも遅い速度、例えば1倍速の1/12と設定してもよい。この場合には、データ蓄積部9に蓄積されたデータの残量が所定の値まで減少した際に、1倍速の1/11に回転速度を上げるように制御する。
【0065】
また、回転速度を1倍速の1/11と設定してもよい。この場合には、データ蓄積部9においてデータを蓄積する速度がデータを消費する速度よりもわずかに速いため、次第にデータの蓄積量が増えることにより、オーバーフローが発生してしまう。従ってオーバーフローが発生した際には、回転速度を1倍速の1/11に維持しつつ、ディスクからのデータの読み出しと蓄積を一旦停止する(PAUSE状態にする)、又は、回転速度を一旦1倍速の1/11よりも遅い速度に落とし、蓄積されているデータの残量が所定の値まで減少した際に、回転速度を再度1倍速の1/11に戻すように制御する。
【0066】
上述のように決定され、回転速度が減速される(S34)。減速された回転速度にて、読み出しと圧縮オーディオの復号と復号されたデータの出力とを同時に実行する(S35)。
【0067】
なお、実際には、データ記憶部9へのデータの蓄積が行われる。しかしながら、データ記憶部9への蓄積と、データ再生のための、データ記憶部9からのデータの出力の単位時間当たりのデータ量が同じであるため、見かけ上、データ記憶部9の蓄積データ量は一定となる。
【0068】
なお、図4に示す動作のフローに示す処理は、光ディスク20の全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0069】
図5は、連続再生モードにおける、データ記憶部9の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。図5に示すグラフにおいて、縦軸は蓄積データ量であり、横軸は時間である。
【0070】
また、期間Aは、データのディスクからの読み出しと、データ記憶部9への蓄積が行われる期間である。期間Bは、データのディスクからの読み出しが停止され、データ記憶部9へのデータの蓄積がなされずに、蓄積されたデータの出力のみが行われている期間である。
【0071】
なお、期間Bの経過後も、データ記憶部9に蓄積されたデータは出力され続けている。しかしながら、データ記憶部9への単位時間当たりの蓄積データ量と消費データ量が等しい。そのため、図5のグラフに示すように、データ記憶部9に蓄積されているデータ量は一定になっている。
【0072】
以上のように、CDプレーヤ30は、電流測定部82が測定した結果に基づき、判断部81が間欠再生時の平均消費電流を算出する。判断部81は、さらに、連続再生時の消費電流と間欠再生時の平均消費電流とを比較する。比較の結果、連続再生時の消費電流の方が、間欠再生時の平均消費電流より小さい場合、連続再生モードに移行すると判断する。
【0073】
また、判断部81は、連続再生モードにおいて、再生するデータが圧縮オーディオであるか否かの判断を行う。圧縮オーディオである場合、ビットレートを検出し、検出結果に対応する回転速度を算出し決定する。これにより、1倍速より低速な回転速度が決定される。
【0074】
なお、間欠再生時の平均消費電流の方が、連続再生時の消費電流より小さい場合、間欠再生モードに移行すると判断する。
【0075】
図6は、間欠再生モードにおけるCDプレーヤ30の動作を示すフローチャートである。図6を用いて、CDプレーヤ30が間欠再生を実行する際の動作を説明する。
【0076】
CDプレーヤ30は、データ記憶部9のデータの残量をチェックする(S41)。残量が所定の基準値以下であれば(S41でy)、強制停止あるいは慣性で回転するままに放置されていた光ディスク20の回転の加速を開始する(S42)。なお、残量が所定の基準値より多ければ(S41でy)、基準値以下になるまでチェックを繰り返す。
【0077】
上記加速後、光ディスク20の回転速度が所定の高倍速になった状態でディスクからデータを読み出される。読み出されたデータはデータ記憶部9に書き込まれる(S43)。つまり、データの蓄積が開始される。
【0078】
ここで、データがデータ記憶部9に蓄積される際、上述のように、符号化等の処理が行われる。即ち、読み出されたデータがCD−DAの場合、そのまま又はADPCM等に符号化され、データ記憶部9に蓄積される。読み出されたデータが、MP3等圧縮オーディオの場合、一旦PCMに復号され、そのまま又はADPCM等に符号化されてデータ記憶部9に蓄積される。蓄積と同時に、データ再生のためにデータ記憶部9に蓄積されたデータが出力される。
【0079】
データ記憶部9へのデータの蓄積と、データ記憶部9からのデータの出力とが開始された後、データ記憶部9がフルかどうかをチェックする。フルでない場合(S44でn)、繰り返しチェックが行われる。データ記憶部9がフルである場合(S44でy)、ディスクからの読み出しとデータ記憶部9への蓄積を停止する。このとき光ディスク20の回転も強制停止される。もしくは、慣性で回転したまま放置され回転速度は減速していく。なお、データ記憶部9からのデータの出力は継続される(S45)。
【0080】
その後、データ記憶部9のデータ残量のチェック(S41)から、データの読み出し(S45)までが繰り返される。
【0081】
なお、図6に示す動作のフローに示す処理は、光ディスク20の全データの再生の終了やユーザからの停止命令等により、任意の動作中に終了する。また、その他の命令があった場合はそれに従って動作する。
【0082】
以上のように、CDプレーヤ30は、間欠再生時の平均消費電流の方が、連続再生時の消費電流より小さい場合、間欠再生モードに移行し、上記動作が実行される。
【0083】
図4および図6を用いて説明したように、CDプレーヤ30は、連続再生モードおよび間欠再生モードという2つの再生モードで光ディスク20に記録されたデータを再生可能であり、それら2つの再生モードにおける消費電流を測定する。さらに、その測定結果に基づき、より消費電流の少ない再生モードを選び、実行する。
【0084】
また、連続再生モードを実行する際、光ディスク20に記録されたデータがMP3等の圧縮オーディオである場合、その圧縮オーディオのビットレートを検出する。さらに、その検出結果に基づき、光ディスク20の回転速度を1倍速以下に減速する。1倍速以下に減速することにより、少なくとも、1倍速で回転している状態よりも消費電流を少なくすることができる。
【0085】
上記動作により、CDプレーヤ30は、光ディスク20に記録されたデータを再生する際の無駄な消費電流を抑制することができる。
【0086】
なお、上述の実施の形態において、CDプレーヤ30が連続再生をする際に、データ記憶部9にデータの蓄積を行いながらデータ記憶部9からのデータの出力も行うとした。しかしながら、連続再生モードに移行した後はデータ記憶部9にデータを蓄積しなくてもよい。
【0087】
つまり、光ディスク20から読み出したデータに対し符号化、複合化などの必要な処理を行った後、データ記憶部9に蓄積することなくそのまま出力してもよい。
【0088】
図7は、連続再生モード移行後にデータ記憶部9にデータを蓄積しない場合の記憶部9の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。
【0089】
図7のグラフにおいて、期間Aおよび期間Bは、再生モードの検討の際のデータの読み出しおよび蓄積と、データの読み出しの停止およびデータ記憶部9からの出力とが行われる期間である。
【0090】
期間Aの経過後、期間Bの経過前に、CDプレーヤは連続再生モードに移行するが、図5に示す蓄積データ量の時間変化と異なり、蓄積データ量はゼロとなる。データ記憶部9へのデータの蓄積を行わないためである。こうすることで、データ記憶部9へデータを書き込むために必要な電流の消費を削減することができる。
【0091】
また、実行する再生モードを判断する際に、電流測定部82の測定値に基づき、判断部81が判断するとした。しかしながら、過去の消費電流の実績に基づいて、実行すべき再生モードを判断してもよい。
【0092】
例えば、連続再生モードにおいて、圧縮オーディオを再生する場合、その圧縮オーディオのビットレートと、再生時の消費電流とを対応付けて実績データとして記憶しておく。更に、その後、実行する再生モードを判断する際に、記憶された実績データを利用し実行すべき再生モードを判断してもよい。
【0093】
図8は、実績データを記憶するための実績記憶部を備えるCDプレーヤ30の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【0094】
図8に示す実績記憶部10は、電流測定部82が測定した結果を記憶する記憶装置である。実績記憶部10は、例えば、Flashメモリ等の不揮発性メモリにより実現される。なお、実績記憶部10以外の各構成部は、図1に示すCDプレーヤ30と同じである。
【0095】
実績記憶部10は、本発明の光ディスク再生方法および光ディスク再生装置における第2記憶手段の一例である。また、本発明の光ディスク再生装置における抽出手段が有する、第2記憶手段から情報を抽出する機能は、判断部81によって実現される。
【0096】
図8に示すCDプレーヤ30において、以下の動作が実行されることにより、再生モードを判断することが可能である。
【0097】
光ディスク20に記録されたデータの再生を行う際、光ディスク20から読み出されたデータが圧縮オーディオであるか否かを判断する。
【0098】
圧縮オーディオであった場合、判断部81がビットレートの検出を行う。検出後、検出されたビットレートと対応付けられた過去の消費電流を実績記憶部10から抽出する。
【0099】
また、間欠再生モードの平均消費電流の算出のための動作、電流の測定、および平均消費電流の算出(図2におけるS14〜S21に相当)を行う。
【0100】
判断部81は、実績記憶部10から抽出された、連続再生モードの消費電流の実績値と、算出された間欠再生モードの平均消費電流とを比較し、消費電流の小さな再生モードを、実行すべき再生モードと判断する。
【0101】
こうすることで、例えば、圧縮オーディオの再生時には、連続再生モードの消費電流の測定および測定のための動作を行う必要がない。
【0102】
なお、同じビットレートの実績データが実績記憶部10に複数存在する場合、それら複数の実績データの平均を算出し、そのビットレートを有する圧縮オーディオの連続再生モードの消費電流としてもよい。また、最新の実績データを、そのビットレートを有する圧縮オーディオの連続再生モードの消費電流として採用してもよい。
【0103】
また、消費電流の実績値は、ビットレートではなく回転速度と対応付けられて実績記憶部10に記憶されていてもよい。この場合、ビットレートの検出後に回転速度が算出されればよく、判断部81が、その算出された回転速度に対応する消費電流の実績値を実績記憶部10から抽出すればよい。
【0104】
なお、上述のように、ビットレートの検出および回転速度の算出を、データ再生の開始時に行う場合、図4に示す、連続再生モードにおける動作の中で、ビットレートの検出および回転速度の算出を行う必要はない。
【0105】
このように、CDプレーヤ30は、消費電流の実測値だけでなく実績値に基づいて、実行すべき再生モードの判断を行ってもよい。これにより、例えば、CDプレーヤ30を設計する際、無駄な消費電流の削減のために最適な再生モードの判断方法を選択しCDプレーヤ30を設計することができる。
【0106】
また、回転速度の算出において、圧縮オーディオのビットレートと1倍速の出力速度とのの比を算出し、その算出された比をそのまま回転速度の算出に用いた。しかしながら、算出した比をそのまま回転速度の算出に用いなくてもよい。
【0107】
例えば、回転速度を、算出された比を用いた場合の値より高く設定することで、データ記憶部9に蓄積しつつ、そのデータの再生を行ってもよい。
【0108】
データ記憶部9に蓄積されたデータは、例えば、CDプレーヤに与えられた衝撃が原因で、ピックアップ2が正常にデータを読み出せなかった際、いわゆる「音飛び」の際に消費される。つまり、データ記憶部9に多くのデータを蓄積しておくことは、音飛びの防止のための有効な手段の一つである。
【0109】
そのため、上述のように、データをデータ記憶部9に蓄積できる範囲で回転速度を減速することで、音飛びの防止を図りつつ、消費電流の削減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明のCDプレーヤの読み出し制御手順は、圧縮オーディオ再生時に、ディスクの読み出しと停止が交互に実施し、それにより加速を繰り返すことにより消費電流が大きくなる場合に出力レートに合わせて1倍速以下の速度の一定速度回転で読み出すことにより無駄な消費電流を削減し、例えば電池を用いて電力供給する場合には動作時間を長く確保できるため有用である。そのため、電池により駆動されるポータブルCDプレーヤに特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態のCDプレーヤの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図2】CDプレーヤのデータの読み出し制御に関する手順を示すフローチャートである。
【図3】CDプレーヤの各状態における消費電流の測定結果の例を示す図である。
【図4】連続再生モードにおけるCDプレーヤの動作を示すフローチャートである。
【図5】連続再生モードにおける、データ記憶部の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。
【図6】間欠再生モードにおけるCDプレーヤの動作を示すフローチャートである。
【図7】連続再生モード移行後にデータ記憶部9にデータを蓄積しない場合の記憶部9の蓄積データ量の時間変化の概要を示す図である。
【図8】実績データを記憶するための実績記憶部を備えるCDプレーヤの機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図9】従来のCDプレーヤの記憶手段に蓄積されるデータ量の時間変化の概要を示す図である。
【図10】従来のCDプレーヤの読み出し制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
1 ディスク回転部
2 ピックアップ
3 フォーカスアクチュエータ
4 トラッキングアクチュエータ
5 増幅部
6 演算部
7 ドライブ信号作成部
8 制御部
9 データ記憶部
10 実績記憶部
20 光ディスク
30 CDプレーヤ
81 判断部
82 電流計測部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生させる光ディスク再生方法であって、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
光ディスク再生方法。
【請求項2】
更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生させる第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生させる第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを比較し、
前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項1記載の光ディスク再生方法。
【請求項3】
前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、更に、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度が1倍速の読み出し速度未満の速度である際、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項2記載の光ディスク再生方法。
【請求項4】
更に、(1)1倍速での回転速度から、前記所定の倍速での回転速度である高倍速回転速度へ加速させるとともに前記光ディスクからデータを読み出して再生させる際の中の消費電流の値、
(2)前記高倍速回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して前記第1記憶手段に記憶領域の空き容量がなくなるまで記憶させるとともに前記第1記憶手段からデータを読み出して再生させる際の消費電流の値、および、
(3)前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量がなくなり、前記光ディスクの回転の駆動を停止させ、前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量が所定の値になるまで前記第1記憶手段からデータを読み出して再生させる際の消費電流の値を測定し、
測定された3つの消費電流の値の平均値を計算することで前記第2消費電流を算出する
請求項2記載の光ディスク再生方法。
【請求項5】
更に、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す際の消費電流の値と、前記出力速度または前記回転速度とを対応付けて実績情報として第2記憶手段に記憶させ、
前記実績情報が前記第2記憶手段に記憶された後、光ディスクからデータを読み出した場合、前記光ディスクから読み出されたデータの出力速度または前記出力速度に応じた回転速度に対応する消費電流の値を、前記第2記憶手段に記憶されている前記実績情報から抽出し、
前記第1消費電流値に換えて、前記実績情報から抽出された前記消費電流の値と、前記第2消費電流とを比較し、
前記実績情報から抽出された前記消費電流の値の方が、前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項2記載の光ディスク再生方法。
【請求項6】
更に、前記光ディスクから読み出されたデータを第1記憶手段に記憶させ、再生時には前記第1記憶手段からデータを読み出し、
前記第1記憶手段の記憶領域の空き領域が無くなった後に、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項1記載の光ディスク再生方法。
【請求項7】
前記光ディスクに記録されているデータは圧縮されたオーディオデータであり、前記圧縮されたオーディオデータの出力速度は1倍速の読み出し速度未満の速度である
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ディスク再生方法。
【請求項8】
光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生する光ディスク再生装置であって、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる回転制御手段と、
前記回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して再生する再生手段と
を備える光ディスク再生装置。
【請求項9】
更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生する第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生する第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを測定する電流測定手段と、
前記第1消費電流値と前記第2消費電流値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記第1再生モードを実行すると判断する判断手段とを備え、
前記回転制御手段は、前記判断手段により、第1再生モードを実行すると判断された場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる
請求項8記載の光ディスク再生装置。
【請求項10】
前記回転制御手段は、前記判断手段により、第1再生モードを実行すると判断され、更に、前記光ディスクに記録されているデータの出力速度が1倍速の読み出し速度未満の速度であると判断された場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる
請求項9記載の光ディスク再生装置。
【請求項11】
前記電流計測手段は、(1)1倍速でのデータの読み出しに対応する回転速度である一倍速回転速度から、前記所定の倍速でのデータの読み出しに対応する回転速度である高倍速回転速度への加速中の消費電流の値、
(2)前記高倍速回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して前記第1記憶手段に記憶領域の空き容量がなくなるまで記憶させるとともに、前記第1記憶手段からデータを読み出して再生する際の消費電流の値、および、
(3)前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量がなくなり、前記光ディスクの回転の駆動を停止させ、前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量が所定の値になるまで、前記第1記憶手段からデータを読み出して再生する際の消費電流の値の、3つの消費電流の値を計測し、
前記比較部は、前記第2消費電流値である前記3つの消費電流の平均値と、前記第1消費電流値とを比較する
請求項9記載の光ディスク再生装置。
【請求項12】
更に、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出して再生する際の消費電流の値と、前記出力速度または前記回転速度とを対応付けて実績情報として記憶する第2記憶手段と、
前記実績情報が前記第2記憶手段に記憶された後、光ディスクからデータを読み出した際に、前記光ディスクから読み出されたデータの出力速度または前記出力速度に応じた回転速度に対応する消費電流の値を、前記第2記憶手段に記憶されている前記実績情報から抽出する抽出手段とを備え、
前記比較手段は、前記第1消費電流値に換えて、前記実績情報から抽出された前記消費電流の値と、前記第2消費電流とを比較し、
前記判断手段は、前記実績情報から抽出された前記消費電流の値の方が、前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記第1再生モードを実行すると判断する
請求項9記載の光ディスク再生装置。
【請求項13】
更に、前記光ディスクから読み出されたデータを記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段の記憶領域の空き領域の容量を検出する空き容量検出手段とを備え、
前記再生手段は、前記第1記憶手段からデータ読み出して再生し、
前記回転制御手段は、前記空き容量検出手段が検出する容量が所定の値になった後に、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる
請求項8記載の光ディスク再生装置。
【請求項1】
光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生させる光ディスク再生方法であって、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
光ディスク再生方法。
【請求項2】
更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生させる第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生させる第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを比較し、
前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項1記載の光ディスク再生方法。
【請求項3】
前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、更に、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度が1倍速の読み出し速度未満の速度である際、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項2記載の光ディスク再生方法。
【請求項4】
更に、(1)1倍速での回転速度から、前記所定の倍速での回転速度である高倍速回転速度へ加速させるとともに前記光ディスクからデータを読み出して再生させる際の中の消費電流の値、
(2)前記高倍速回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して前記第1記憶手段に記憶領域の空き容量がなくなるまで記憶させるとともに前記第1記憶手段からデータを読み出して再生させる際の消費電流の値、および、
(3)前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量がなくなり、前記光ディスクの回転の駆動を停止させ、前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量が所定の値になるまで前記第1記憶手段からデータを読み出して再生させる際の消費電流の値を測定し、
測定された3つの消費電流の値の平均値を計算することで前記第2消費電流を算出する
請求項2記載の光ディスク再生方法。
【請求項5】
更に、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す際の消費電流の値と、前記出力速度または前記回転速度とを対応付けて実績情報として第2記憶手段に記憶させ、
前記実績情報が前記第2記憶手段に記憶された後、光ディスクからデータを読み出した場合、前記光ディスクから読み出されたデータの出力速度または前記出力速度に応じた回転速度に対応する消費電流の値を、前記第2記憶手段に記憶されている前記実績情報から抽出し、
前記第1消費電流値に換えて、前記実績情報から抽出された前記消費電流の値と、前記第2消費電流とを比較し、
前記実績情報から抽出された前記消費電流の値の方が、前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項2記載の光ディスク再生方法。
【請求項6】
更に、前記光ディスクから読み出されたデータを第1記憶手段に記憶させ、再生時には前記第1記憶手段からデータを読み出し、
前記第1記憶手段の記憶領域の空き領域が無くなった後に、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出す
請求項1記載の光ディスク再生方法。
【請求項7】
前記光ディスクに記録されているデータは圧縮されたオーディオデータであり、前記圧縮されたオーディオデータの出力速度は1倍速の読み出し速度未満の速度である
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ディスク再生方法。
【請求項8】
光ディスクを回転させ、前記光ディスクに記録されているデータを読み出して再生する光ディスク再生装置であって、
前記光ディスクに記録されているデータの出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる回転制御手段と、
前記回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して再生する再生手段と
を備える光ディスク再生装置。
【請求項9】
更に、1倍速以下の読み出し速度で前記光ディスクからデータを読み出しながら再生する第1再生モードにおける消費電流の値である第1消費電流値と、1倍速より速い所定の倍速で前記光ディスクから読み出しながら再生する第2再生モードにおける消費電流の値である第2消費電流値とを測定する電流測定手段と、
前記第1消費電流値と前記第2消費電流値とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記第1消費電流値の方が前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記第1再生モードを実行すると判断する判断手段とを備え、
前記回転制御手段は、前記判断手段により、第1再生モードを実行すると判断された場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる
請求項8記載の光ディスク再生装置。
【請求項10】
前記回転制御手段は、前記判断手段により、第1再生モードを実行すると判断され、更に、前記光ディスクに記録されているデータの出力速度が1倍速の読み出し速度未満の速度であると判断された場合、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる
請求項9記載の光ディスク再生装置。
【請求項11】
前記電流計測手段は、(1)1倍速でのデータの読み出しに対応する回転速度である一倍速回転速度から、前記所定の倍速でのデータの読み出しに対応する回転速度である高倍速回転速度への加速中の消費電流の値、
(2)前記高倍速回転速度で回転する前記光ディスクからデータを読み出して前記第1記憶手段に記憶領域の空き容量がなくなるまで記憶させるとともに、前記第1記憶手段からデータを読み出して再生する際の消費電流の値、および、
(3)前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量がなくなり、前記光ディスクの回転の駆動を停止させ、前記第1記憶手段の記憶領域の空き容量が所定の値になるまで、前記第1記憶手段からデータを読み出して再生する際の消費電流の値の、3つの消費電流の値を計測し、
前記比較部は、前記第2消費電流値である前記3つの消費電流の平均値と、前記第1消費電流値とを比較する
請求項9記載の光ディスク再生装置。
【請求項12】
更に、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させながら前記光ディスクからデータを読み出して再生する際の消費電流の値と、前記出力速度または前記回転速度とを対応付けて実績情報として記憶する第2記憶手段と、
前記実績情報が前記第2記憶手段に記憶された後、光ディスクからデータを読み出した際に、前記光ディスクから読み出されたデータの出力速度または前記出力速度に応じた回転速度に対応する消費電流の値を、前記第2記憶手段に記憶されている前記実績情報から抽出する抽出手段とを備え、
前記比較手段は、前記第1消費電流値に換えて、前記実績情報から抽出された前記消費電流の値と、前記第2消費電流とを比較し、
前記判断手段は、前記実績情報から抽出された前記消費電流の値の方が、前記第2消費電流値よりも小さい場合、前記第1再生モードを実行すると判断する
請求項9記載の光ディスク再生装置。
【請求項13】
更に、前記光ディスクから読み出されたデータを記憶する第1記憶手段と、
前記第1記憶手段の記憶領域の空き領域の容量を検出する空き容量検出手段とを備え、
前記再生手段は、前記第1記憶手段からデータ読み出して再生し、
前記回転制御手段は、前記空き容量検出手段が検出する容量が所定の値になった後に、前記出力速度に応じて1倍速での回転速度未満の回転速度で前記光ディスクを回転させる
請求項8記載の光ディスク再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−318592(P2006−318592A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−141937(P2005−141937)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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