説明

光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法

【課題】光ディスクコンテンツが指定するURLのリソースを確実にダウンロードすることができる光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法を提供する。
【解決手段】光ディスクに照射したレーザ光の反射光に基づく読取情報を出力する読取部と、読取部からの読取情報からURLを抽出する抽出部と、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう通信部と、抽出部がURLを検出すると、通信部を用いてURLが示す外部装置にアクセスして情報をダウンロードできるかどうかを判断し、できない場合はダウンロードできないので接続設定を促す旨を表示する表示信号(図3)を生成して出力する制御部をもつ光ディスク再生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光ディスクが格納するURLを用いて外部装置から情報をダウンロードする光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、光ディスクが開発され普及してきており、光ディスク再生装置も多様な機能が考案されてきている。その一つに光ディスクの格納情報に含まれるURL情報に応じてネットワーク上のサイト等にアクセスして情報をダウンロードする機能が知られている。
【0003】
特許文献1は、記録媒体がドライブ部に装着されると自動的に記録媒体のプログラム記録領域に記録されているプログラムを読み出して実行することにより、ユーザが面倒な操作をすることなく記録媒体に記録されたコンテンツ情報に関連する関連情報をネットワークを介してサーバから得ることができるディスク再生装置が開示されている。
【特許文献1】特開2001−118324公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の従来技術は、ネットワークが接続され機能していることが前提になっており、接続がされていないときの処理については何も記載されておらず、ネットワーク非接続状態の場合、光ディスクコンテンツが指定するリソースがあるにもかかわらず、ユーザが情報の入手を逃してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、光ディスクコンテンツが指定するURLのリソースを確実にダウンロードすることができる光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る課題を解決するための手段は、
光ディスクに照射したレーザ光の反射光に基づく読取情報を出力する読取部(19)と、
前記読取部からの読取情報からURLを抽出する抽出部(34)と、
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう通信部(11)と、
前記抽出部が前記URLを検出すると、前記通信部を用いて前記URLが示す外部装置にアクセスして情報をダウンロードできるかどうかを判断し、できない場合はダウンロードできないので接続設定を促す旨を表示する表示信号(図3)を生成して出力する制御部(30,35)と、を具備することを特徴とする光ディスク再生装置。
【発明の効果】
【0007】
光ディスクコンテンツが指定するURLのリソースがあれば、通信部が通信可能かどうかを判断し不可ならその旨を表示することで、URLのリソースを確実にダウンロードすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
<本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置>
(構成)
ここでは、本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置を、一例としてハードディスクレコーダ機能をもった光ディスク記録再生装置を用いて説明するが、光ディスク再生装置は様々な形態が含まれるものであり、それらは全て本発明の実施形態の範囲に含まれるものである。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置の構成の一例を示すブロック図である。図1の光ディスク再生装置10は、2種類のディスクドライブ部を有する。まず、ビデオファイルを構築できる情報記録媒体である第1のメディアとしての光ディスクDを回転駆動し、情報の読み書きを実行する光ディスクドライブ部19を有する。又、第2のメディアとしてのハードディスクを駆動するハードディスクドライブ部18を有する。制御部30は、全体の動作を司るべくデータバスを介して各部に接続されている。
【0011】
又、図1の光ディスク再生装置10は、録画側を構成するエンコーダ部21と、再生側を構成するMPEGデコーダ部23と、装置本体の動作を制御する制御部30とを主たる構成要素としている。光ディスク再生装置10は、入力側のセレクタ16と出力側のセレクタ17とを有しており、入力側のセレクタ16には、LAN等の通信部11と、いわゆる衛星放送(BS/CS)チューナ部12と、いわゆる地上波チューナ部13とが接続され、エンコーダ部21に信号を出力する。又、BS/CSチューナ部12には衛星アンテナが、地上波チューナ部13には地上波アンテナが接続されている。又、光ディスク再生装置10は、エンコーダ部21と、エンコーダ部21の出力を受け、データ編集等の所望のデータ処理を行うデータ編集部20、データ編集部20に接続されるハードディスクドライブ部18、光ディスクドライブ部19を有している。更に、光ディスク再生装置10は、ハードディスクドライブ部18、光ディスクドライブ部19からの信号を受けてデコードするMPEGデコーダ部23と、エンコーダ部21、バッファ部22、MPEGデコーダ部23、多重化部28、分離部29、制御部30、ネットワークダウンロード部34、OSD(On Screen Display)部35、予約録画部・番組表生成部43を有している。これらの各部は、データバスを介して制御部30に接続されている。更に、セレクタ部17の出力は、外部の受像機41に接続されるか、外部装置との通信を行うインタフェース部27を介して、外部装置に供給される。
【0012】
更に、光ディスク再生装置10は、データバスを介して制御部30に接続され、ユーザの操作やリモコンRの操作を受ける操作部32を有している。ここで、リモコンは、光ディスク再生装置10の本体に設けられる操作部32とほぼ同等の操作を可能とするものであり、ハードディスクドライブ部18や光ディスクドライブ部19の記録再生指示や、編集指示、又、チューナの操作、予約録画の設定等、各種設定が可能である。
【0013】
(基本動作)
このような構成の光ディスク再生装置10において、光ディスクに例を取って、再生処理と記録処理の概要を説明すると、制御部30の制御下において、所定速度に回転される光ディスクDは、レーザ光が照射されその反射光が光ピックアップにより検出され、これに基づく検出信号が出力される。この検出信号に基づいて、RF信号が生成され、データの読取処理に続いて再生処理が行われる。
【0014】
又、光ディスクの記録処理は、制御部30の制御下において、例えば図示しない入力部を介しセレクタ部16を介して供給されたデータは、エンコーダ部21に供給され、コード化されて出力される。このコード化出力と制御部30の出力に応じて、レーザドライバの駆動電流が光ピックアップに供給され、光ディスクDの記憶領域に照射することで、記録処理が行われるものである。
【0015】
又、チューナ部12,13、予約録画部42、番組表生成部43を用いることで、電子番組表を利用して、放送信号をハードディスクドライブ部18,光ディスクD等に予約録画しこれを再生することができる。
【0016】
<警告表示を伴うダウンロード処理>
次に、上記した光ディスク再生装置のURLを用いた警告表示を伴うダウンロード処理をフローチャートを用いて詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の操作画面の一例を示す説明図である。図3は、本発明の一実施形態に係るディスク再生装置のOSD(On Screen Display)で表示される警告文の一例を示す説明図である。図4は、本発明の一実施形態に係るディスク再生装置が読み出すディスク中に格納されているURL情報の一例を示す説明図である。図5は、本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の警告表示を伴うダウンロード処理の一例を示すフローチャートである。
【0017】
なお、図5のフローチャートの各ステップは、回路ブロックに置き換えることができ、従って、各フローチャートのステップは、全てブロックに定義しなおすことが可能である。
【0018】
本発明の一実施形態に係るディスク再生装置において、図5のフローチャートに従って警告表示を伴うダウンロード処理を説明すると、初めに、制御部30及びネットワークダウンロード部34により、光ディスクがネットワークからダウンロードするコンテンツを含んでいるかどうかを判断する(ステップS11)。
【0019】
つまり、光ディスクドライブ部19に光ディスク、すなわち、HD_DVD(High Definition Digital Versatile Disc)又は通常のDVD(Digital Versatile Disc)が挿入されると、図示しない光ピックアップから照射されたレーザ光の光ディスクからの反射光を光ピックアップのデテクタは読み取り、読み取り信号を出力する。ネットワークダウンロード部34は、この読み取り信号を解析して、図4に示すようにURL(Uniform Resource Locator)情報の有無に基づいて、ディスク内にネットワークからダウンロード再生する機能が含まれているかどうかを判断する。
【0020】
ここで、判断する具体的な方法は、光ディスク内にあるネットワークアクセスするか否かの識別フラグをみて判別する方法、光ディスク内に含まれるアプリケーションを解析して判別する方法がある。
【0021】
制御部30及びネットワークダウンロード部34が、その光ディスクがダウンロードするコンテンツを含むと判断すると(ステップS12)、例えば、図2に示すような表示部33であるVFDのネットワーク51のランプを点灯する等の表示を行なう(ステップS13)。そして、制御部30及びネットワークダウンロード部34により、通信部11がそのURL情報が示すネットワーク上のサイトに接続する機能があるかどうかを判断する(ステップS15)。
【0022】
ここで、接続できる状態であれば、ステップS18に飛んでURL情報が示すネットワーク上のサイトにアクセスしてコンテンツをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツのデコード処理を開始する(ステップS18)。
【0023】
ステップS15で制御部30及びネットワークダウンロード部34により、通信部11がそのURL情報が示すネットワーク上のサイトに接続する状態になっていないと判断すると、ステップS16に進む。そして、OSD(On Screen Display)部35を用いて、図3に示すようなアラート(Alert)表示を行い、コンテンツが参照できない旨を通知する。又、画面の中でケーブルの確認や設定の確認を促すメッセージを表示する。なお、警告表示等は、必ずしもOSDで行なわなくともよく、単に表示部33に表示するものでもよい。
【0024】
ここで、ユーザが画面上の『再生開始』を選べば(ステップS17)、URLに接続することなく光ディスクのコンテンツのみの再生処理を続行する(ステップS18)。『設定画面』を選択すれば、ネットワーク設定画面を表示して、各種の設定項目を逐一確認しながら最適の設定に導き、通信部11が通信可能とするものである(ステップS19)。
【0025】
なお、この図5の警告表示等の機能は、操作部32による設定画面から任意に選択することができることが好適である。これにより、警告表示等をわずらわしいと感じるユーザに対して、光ディスクのコンテンツの再生のみのシンプルな画面を提供することができる。
【0026】
以上のように、通信部11の設定を最適化してネットワークに接続することで、追加のコンテンツを見ることができることをユーザに知らせることができる。また、通信部11の通信機能が不十分なため追加のコンテンツが見られないことをユーザに知らせることにより、ユーザを混乱させることがない。
【0027】
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の操作画面の一例を示す説明図。
【図3】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置のOSD(on screen display)で表示される警告文の一例を示す説明図。
【図4】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置が読み出すディスク中に格納されているURL情報の一例を示す説明図。
【図5】本発明の一実施形態に係るディスク再生装置の警告表示を伴うダウンロード処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0029】
11…通信部、12…BS/CSチューナ部、13…地上波チューナ部、18…ハードディスクドライブ部、19…光ディスクドライブ部、20…データ編集部、21…エンコーダ部、22…バッファ部、23…MPEGデコーダ部、24…音声映像処理部、26…ディスプレイ、27…I/F部、28…多重化部、29…分離部、30…制御部、32…操作部、33…表示部、34…ネットワークダウンロード部、35…OSD部、R…リモコン、43…予約録画部・番組表生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに照射したレーザ光の反射光に基づく読取情報を出力する読取部と、
前記読取部からの読取情報からURLを抽出する抽出部と、
ネットワークを介して外部装置と通信を行なう通信部と、
前記抽出部が前記URLを検出すると、前記通信部を用いて前記URLが示す外部装置にアクセスして情報をダウンロードできるかどうかを判断し、できない場合はダウンロードできないので接続設定を促す旨を表示する表示信号を生成して出力する制御部と、
を具備することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
前記光ディスクの読取情報に前記ネットワークを介して情報をダウンロードするための情報が含まれていることを表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項3】
前記表示信号に応じた画像を、前記光ディスクからの読取情報に応じた画面に重ねて表示するべく、前記読取情報と前記ダウンロードできないので接続設定を促す旨の表示信号との合成信号を出力するOSD部を更に有することを特徴とする請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項4】
制御部は、前記ダウンロードできないので接続設定を促す旨を表示するか否かを設定により選択することを特徴とする請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項5】
光ディスク再生装置の再生方法であって、
前記光ディスクに照射したレーザ光の反射光に基づく読取情報を出力し、
前記読取情報からURLを抽出を試み、
前記URLの抽出が可能だった場合、前記光ディスク再生装置が有しており、ネットワークを介して外部装置と通信を行なう通信部が、前記URLが示す外部装置にアクセスして情報をダウンロードできるかどうかを判断し、できない場合はダウンロードできないので接続設定を促す旨を表示する表示信号を生成して出力することを特徴とする光ディスク再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−84488(P2008−84488A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265787(P2006−265787)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】