説明

光ディスク再生装置

【課題】 周波数検出用として適切なビットパターンが設けられていない場合、或いは誤ったビットパターンが検出された場合でも本来のロックすべき周波数を生成する。
【解決手段】 CD再生装置30には、光ディスク1、スピンドルモータ2、光ピックアップ3、RF Amp4、サーボ回路5、モータドライバ6、信号処理部7、及びシステムコントローラ8が設けられ、信号処理部7には、2値化回路11、PLL&同期検出部12、EFM復調回路13、ECC14、及びD/A15が設けられている。PLL&同期検出部12には、周波数検出回路21、同期検出回路22、サブコードブロック検出回路23、位相検出回路24、周波数検出出力制御回路25、回路定数変更回路26、PLL&CLVサーボ回路27、調整端子Pad1、及び調整端子Pad2が設けられ、誤ったビットパターンを検出した場合でも本来のロックすべき周波数を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク中に記憶された情報を再生するCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽或いは映像情報などを記録するCDやDVDなどの光ディスク装置では、光ディスクを再生する際に、光ディスクに書き込まれている情報の中からロックすべき周波数に対応するパターンを読み取り、基準となるこの周波数をもとに各種信号処理を行うために必要な再生クロック信号の生成及び同期検出を行い、光ディスクの再生動作を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1などに記載しているCD装置では、syncコード(同期コードとも呼称される)でフレームの同期を行い、フレームのメインデータ領域に設けられたビットパターン、例えば、11Tや11T+11Tのビットパターンなどを周波数検出用として用い、このビットパターンを読み取って周波数とし、基準となるこの周波数をもとにPLL回路を動作させて、信号処理を行うための再生クロック信号(PLCK)の生成及び同期検出を行っている。
【0004】
ところが、様々なソフトを用いて作成されたCD−R、CD−RW、或いはCD−DA(Digital Audio)等では、例えば、8−14変調された変調信号の低周波成分を抑制するために行うためのDSV(Digital Sum Value)制御用の所定ビットパターンが、DSV制御を行わない形態の連続ビットパターンとして設けられている。或いは、フレームのメインデータ領域に11Tや11T+11Tなどの連続ビットパターンが設けられていないものなどがある。
【0005】
この様な光ディスクでは11Tなどに比べてビットパターン数の少ない7T、7T+7T、8T、或いは8T+8Tなどからなるビットパターンを読み取って、このビットパターンから周波数信号を検出しているので、本来ロックすべき周波数とは異なる周波数でロックされ、光ディスクを正常に再生できないという問題点がある。
【0006】
また、光ディスクの起動時などの低回転速度の場合、基準となる周波数検出用の11Tや11T+11Tなどのビットパターンを検出せずに、誤って7T、7T+7T、8T、或いは8T+8Tなどからなるビットパターンを検出し、本来ロックすべき周波数とは異なる周波数でロックされ、光ディスクを正常に再生できないという問題点がある。
【特許文献1】特開2004−71074号公報(頁23、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、周波数検出用として適切なビットパターンが設けられていない場合、或いは誤ったビットパターンが検出された場合でも本来のロックすべき周波数を生成できる光ディスク再生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様の光ディスク再生装置は、光ディスクから読み取られ、変調された変調信号及びクロック信号を入力し、前記変調信号のメインデータ領域に設けられたビットパターンから、前記ビットパターンにもとづいた周波数信号を検出する周波数検出手段と、前記ビットパターンが所定のビットパターンの場合、基準となる第1の周波数信号を入力し、前記第1の周波数信号から再生クロック信号を生成し、前記ビットパターンが前記所定のビットパターンと異なる場合、前記第1の周波数信号とは異なる第2の周波数信号を入力し、前記第2の周波数信号を前記第1の周波数信号に変換して前記再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号及び前記クロック信号を出力するPLL部と、前記変調信号及び前記PLL部から出力された同期をとるためのクロック信号を入力し、同期検出を行う同期検出手段と、前記変調信号を入力し、前記所定ビットパターンが検出された場合、所定期間内のサブコード或いはIDコードが連続して読み取ることができるかの判定を行うコード検出回路と、前記周波数検出回路から出力された前記周波数信号、前記同期検出回路から出力された同期検出信号、及び前記コード検出回路から出力された周波数検出出力制御信号を入力し、前記第1の周波数信号の場合、前記第1の周波数信号を前記PLL部に出力し、前記所定期間内の前記サブコード或いは前記IDコードが連続して読み取ることができない場合、前記第2の周波数信号を前記PLL部に出力する周波数検出出力制御手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の他態様の光ディスク再生装置は、光ディスクから読み取られ、8−14変調された変調信号及びクロック信号を入力し、前記変調信号のメインデータ領域に設けられたビットパターンから、前記ビットパターンにもとづいた周波数信号を検出する周波数検出手段と、前記ビットパターンが所定のビットパターンの場合、基準となる第1の周波数信号を入力し、前記第1の周波数信号から再生クロック信号を生成し、前記ビットパターンが前記所定のビットパターンと異なる場合、前記第1の周波数信号とは異なる第2の周波数信号を入力し、前記第2の周波数信号を前記第1の周波数信号に変換して前記再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号及び前記クロック信号を出力するPLL部と、前記変調信号及び前記PLL部から出力された同期をとるためのクロック信号を入力し、同期検出を行う同期検出手段と、前記変調信号を入力し、前記ビットパターンが検出された場合、所定期間内のサブコードが連続して読み取ることができるかの判定を行い、前記ビットパターンが検出されない場合、周波数検出出力制御信号を出力するサブコードブロック検出回路と、前記周波数検出回路から出力された前記周波数信号、前記同期検出回路から出力された同期検出信号、及び前記サブコードブロック検出回路から出力された周波数検出出力制御信号を入力し、前記第1の周波数信号の場合、前記第1の周波数信号を前記PLL部に出力し、前記所定期間内の前記サブコードが連続して読み取ることができない場合、前記第2の周波数信号を前記PLL部に出力する周波数検出出力制御手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
更に、上記目的を達成するために、本発明の別の態様の光ディスク再生装置は、光ディスクから読み取られ、8−16変調された変調信号及びクロック信号を入力し、前記変調信号のメインデータ領域に設けられたビットパターンから、前記ビットパターンにもとづいた周波数信号を検出する周波数検出手段と、前記ビットパターンが所定のビットパターンの場合、基準となる第1の周波数信号を入力し、前記第1の周波数信号から再生クロック信号を生成し、前記ビットパターンが前記所定のビットパターンと異なる場合、前記第1の周波数信号とは異なる第2の周波数信号を入力し、前記第2の周波数信号を前記第1の周波数信号に変換して前記再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号及び前記クロック信号を出力するPLL部と、前記変調信号及び前記PLL部から出力された同期をとるためのクロック信号を入力し、同期検出を行う同期検出手段と、前記変調信号を入力し、前記ビットパターンが検出された場合、所定期間内のIDコードが連続して読み取ることができるかの判定を行い、前記ビットパターンが検出されない場合、周波数検出出力制御信号を出力するIDコード検出回路と、前記周波数検出回路から出力された前記周波数信号、前記同期検出回路から出力された同期検出信号、及び前記IDコード検出回路から出力された周波数検出出力制御信号を入力し、前記第1の周波数信号の場合、前記第1の周波数信号を前記PLL部に出力し、前記所定期間内の前記IDコードが連続して読み取ることができない場合、前記第2の周波数信号を前記PLL部に出力する周波数検出出力制御手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、周波数検出用として適切なビットパターンが設けられていない場合、或いは誤ったビットパターンが検出された場合でも本来のロックすべき周波数を生成できる光ディスク再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、本発明の実施例1に係る光ディスク再生装置について、図面を参照して説明する。図1はCD再生装置の構成を示すブロック図、図2はPLL及び同期検出部の構成を示すブロック図である。本実施例では、CD−DA規格の音楽情報を再生できるCD装置を用いている。なお、CD−DAはRed Bookとも呼称されている。
【0014】
図1に示すように、CD再生装置30には、光ディスク1、スピンドルモータ2、光ピックアップ3、RF Amp4、サーボ回路5、モータドライバ6、信号処理部7、及びシステムコントローラ8が設けられている。信号処理部7には、2値化回路11、PLL(Phase Lock Loop)&同期検出部12、EFM復調回路13、ECC(Error Correcting Circuit)14、及びD/A15が設けられている。そして、信号処理部7はシステムコントローラ8から出力される指令信号にもとづいて信号処理を行う。
【0015】
光ディスク1は、スピンドルモータ2により線速度一定(CLV)により回転駆動された状態で光ピックアップ3により記憶されている情報が読み取られる。光ピックアップ3は、光ディスク1に対して波長780nmを有するレーザ光を照射し、その反射光から光ディスク1に記録された情報を読み取る。
【0016】
RF Amp4は、光ピックアップ3から出力された情報を入力し、入力された情報を増幅処理及び演算処理などを行い、変調された再生RF信号、トラッキングエラー信号(TK)、及びフォーカスエラー信号(FK)などを得る。サーボ回路5は、RF Amp4から出力されたトラッキングエラー信号(TK)、及びフォーカスエラー信号(FK)を入力し、システムコントローラ8からの指令にもとづいて光ピックアップ3を制御してフォーカス及びトラッキング制御を行う。2値化回路11は、RF Amp4から出力され、変調された再生RF信号を入力し、2値化された8−14変調信号(8ビットのワードを14ビットのワードに変調した変調信号)としてのEFM信号を生成する。
【0017】
EFM復調回路13は、2値化回路11から出力されたEFM信号を入力し、14−8復調信号(14ビットのワードを8ビットのワードに復調した復調信号)を生成する。ECC14は、EFM復調回路13から出力された14−8復調信号を入力し、エラー訂正処理対象となったデータをCIRC(Cross Interleaved Read−Solomon Code)符号を用いてパリティ処理によるエラー訂正処理及びデインターリーブ処理を行う。D/A15は、ECC14から出力され、エラー訂正処理及びデインターリーブ処理されたデジタル信号をアナログ変換し、その信号を音楽信号として出力する。
【0018】
図2に示すように、PLL&同期検出部12には、周波数検出回路21、同期検出回路22、サブコードブロック検出回路23、位相比較器24、周波数検出出力制御回路25、回路定数変更回路26、PLL&CLVサーボ回路27、調整端子Pad1、及び調整端子Pad2が設けられている。
【0019】
周波数検出回路21は、EFM信号を入力し、PLL&CLVサーボ回路27から出力されたクロック信号により、基準となる周波数の検出を行う。同期検出回路22は、EFM信号を入力し、PLL&CLVサーボ回路27から出力された同期を取るためのクロック信号により、フレームのメインデータ領域に設けられた周波数検出用のビットパターンを検出し、このビットパターンがフレーム内にあるかの判定、EFM信号からフレームシンクを検出するための動作、及びフレームシンクの結果にもとづいてディスク回転速度を示すディスク回転信号(V)の出力などを行う。
【0020】
サブコードブロック検出回路23は、EFM信号を入力し、フレームのメインデータ領域に設けられた周波数検出用のビットパターン、或いは類似ビットパターンが検出された場合、所定期間内のサブコードが連続して読み取ることができるかの判定を行う。ビットパターンが検出されない場合、周波数検出出力制御信号を出力する。
【0021】
位相比較器24は、EFM信号とPLL&CLVサーボ回路27から出力されたクロック信号とを入力し、その位相を比較する。位相が同一の場合、信号出力を停止する。周波数検出出力制御回路25は、周波数検出回路21から出力された周波数信号、同期検出回路22から出力された信号、及びサブコードブロック検出回路23から出力された信号を入力し、例えば、同期検出回路22が類似ビットパターンを検出した場合、同期検出回路22から出力された信号により周波数信号の出力を抑制する。ただし、所定期間内のサブコードが連続して読み取ることができない場合には周波数信号を出力する。
【0022】
回路定数変更回路26は、RC回路からなり、位相比較器24から出力された位相検出出力信号、及び周波数検出出力制御回路25から出力された周波数検出出力信号を入力し、周波数信号の位相制御及び所定の周波数信号に調整する。
【0023】
調整端子Pad1は、周波数検出回路25と回路定数変更回路26との間に設けられ、調整端子Pad2は位相比較器24と定数変更回路26との間に設けられている。調整端子Pad1、調整端子Pad2に印加する電位、例えば、高電位側電源Vdd、低電位側電源Vss、或いは無印加(ハイインピーダンス HiZ)を選択することにより、正確に基準となる所定の周波数信号に調整することができる。
【0024】
PLL&CLVサーボ回路27は、回路定数変更回路26から出力された周波数信号を入力し、内蔵されたPLL回路を動作させて、周波数信号に同期した再生クロック信号(PLCK)を生成する。なお、この周波数信号が基準となる所定の周波数信号とは異なる場合、内蔵するVCO(Voltage Controlled Oscillator)などを用いてこの周波数を基準となる所定の周波数信号に変換する。また、再生クロック信号(PLCK)などを用いてスピンドルモータ2のCLV制御を行うためのCLVサーボ信号(CLVと図示)をモータドライバ6に出力する。ここで、再生クロック信号(PLCK)は、信号処理部7内における信号処理の基準クロック信号となる。
【0025】
次に、2値化回路から出力されるEFM信号の信号波形について、図3及び図4を参照して説明する。図3は正常時でのEFM信号波形を示す図、図4は異常時での信号波形を示す図である。ここで、異常時とは、例えば、RED−BOOKなどで推奨されているDSVビットパターンとは異なるDSVビットパターンが書き込まれているディスクを再生する場合、或いは基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号を用いて再生された場合であり、この場合本来ロックすべき周波数とは異なる周波数でロックされる。
【0026】
図3に示すように、FEM信号には1フレーム588ビットの情報がもりこまれている。先頭のsyncコード(同期コードとも呼称される)は、11T+11T+2Tからなる24ビットの情報を有し、11T+11Tのビットパターンによりフレームの同期が行われる。
【0027】
サブコードは、EFMワードとしての14ビットの情報を有し、図示しないDSV制御を行うための結合ビットを介してsyncコードに隣接して設けられている。メインデータは、EFMワードとしての14ビットの情報を有し、結合ビットを介してサブコードに隣接し、繰り返し設けられている。そして、このメインデータの領域には基準となる周波数を検出するための、例えば、11T+11Tのビットパターンが設けられている。ここで、11T+11Tのビットパターンを設けているが、11Tや10Tなどのビットパターンを代りに設けてもよい。なお、syncコード及びサブコードとは反対方向にメインデータと隣接して図示しないパリティが設けられている。
【0028】
図4に示すように、メインデータの領域には基準となる周波数を検出するための11T+11Tのビットパターンが検出されず、例えば、7T+7Tのビットパターンが検出されている。なお、7T+7Tのビットパターン以外、例えば、7T、8T、或いは8T+8Tなどのビットパターンでも本来ロックすべき周波数信号とは異なる周波数でロックされる。
【0029】
次に、CD再生装置の動作について図5及び図6を参照して説明する。図5は、従来のCD再生装置の動作を示すタイミングチャート、図5(a)は正常波形のEFM信号が生成された場合、図5(b)は異常波形のEFM信号が生成された場合、図6は本実施例のCD再生装置の動作を示すタイミングチャート、図6(a)は正常波形のEFM信号が生成された場合、図6(b)は異常波形のEFM信号が生成された場合である。ここで、異常波形とは、例えば、RED−BOOKなどで推奨されているDSVビットパターンとは異なるDSVビットパターンが書き込まれているディスクを再生する場合、或いは基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号を用いて再生された場合で発生する波形である。なお、従来のCD再生装置では、サブコートブロック検出回路から出力されたサブコード検出出力制御信号が周波数検出出力制御回路に入力されない。
【0030】
図5に示すように、従来では、正常波形のEFM信号が生成された場合(図5(a))、EFM信号中のメインデータ領域の11T+11Tのビットパターンが検出され、基準となる周波数信号が検出される。この周波数信号にもとづいて再生クロック信号(PLCK)が生成され、正しい同期検出がなされて、サブコード判定が正常に判定される。このため、メインデータの情報が正しく読み取ることができるので音楽情報を再生することができる。
【0031】
一方、異常波形のEFM信号が生成された場合(図5(a))、正常時の11T+11Tのビットパターンとは異なる7T+7Tのビットパターンが検出され、基準となるべき周波数信号が検出されない。このため、基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号でロックされるのでサブコード判定がNGとなり、メインデータの情報を読み取ることができないので音楽情報を再生することができない。
【0032】
図6に示すように、本実施例では、正常波形のEFM信号が生成された場合(図6(a))、EFM信号中のメインデータ領域の11T+11Tのビットパターンが検出され、基準となる周波数信号が検出される。この周波数信号にもとづいて再生クロック信号(PLCK)が生成され、正しい同期検出がなされる。そして、サブコードは1回だけでカウントされ、サブコードブロック検出回路から出力される信号は“Low”レベルとなり、サブコード判定が正常に判定される。このため、メインデータの情報が正しく読み取ることができるので音楽情報を再生することができる。
【0033】
一方、異常波形のEFM信号が生成された場合(図6(a))、まず、正常時の11T+11Tのビットパターンとは異なる7T+7Tのビットパターンが検出され、基準となるべき周波数信号が検出されない。このため、基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号でロックされるのでサブコード判定がNGとなり、サブコードは複数回カウントされ、例えば、3回目のサブコードカウント後にサブコードブロック検出回路から出力される信号が“High”レベルとなる。このため、基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号でロックされずに、この周波数信号がPLL&CLVサーボ27aに入力され、基準となるべき正常な周波数信号に変換される。従って、メインデータの情報が正しく読み取ることができるので音楽情報を再生することができる。
【0034】
上述したように、本実施例の光ディスク再生装置では、PLL&同期検出部12にサブコートブロック検出回路23、位相比較器24、周波数検出出力制御回路25、回路定数変更回路26、及び調整端子Pad1、Pad2が設けられ、サブコートブロック検出回路23から出力されたサブコードブロック検出出力制御信号が周波数検出出力制御回路25に入力されている。
【0035】
このため、正常時の11T+11Tのビットパターンとは異なる、例えば、7T+7Tのビットパターンが検出され、このビットパターンから基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号が検出された場合でも、ロックされずにこの周波数信号がPLL&CLVサーボ27に入力され、PLL&CLVサーボ27が基準となるべき周波数信号にもとづいた再生クロック信号(PLCK)を生成し、正しい同期検出がなされる。
【0036】
従って、基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号が検出された場合でも、光ディスク1に記憶されているメインデータの情報を正しく読み取ることができるので音楽情報を再生することができる。
【実施例2】
【0037】
次に、本発明の実施例2に係る光ディスク再生装置について、図面を参照して説明する。図7はDVD再生装置の構成を示すブロック図、図8は復調部の構成を示すブロック図である。本実施例では、EFM−plus信号に含まれているIDコードを検出するDVD―R装置を用いている。ここで、DVD−Rに記憶される記録情報の物理フォーマットでは、セクターの同期をとるための同期パターン、ID情報、ID情報誤り訂正コード、予備データ、データブロック及びECCブロックからなるデータ部、及びエラー検出コードが1セクター単位ごとに設けられている。
【0038】
図7に示すように、DVD再生装置50には、光ディスク1a、スピンドルモータ2a、光ピックアップ3a、サーボ制御回路5a、ドライバ6a、増幅回路41、復調部42、訂正部43、システムデコーダ44、ビデオデコーダ45、エンコーダ46、オーディオデコーダ47、及びD/A15aが設けられている。
【0039】
光ディスク1aは、スピンドルモータ2aにより線速度一定(CLV)により回転駆動された状態で光ピックアップ3aにより記憶されている情報が読み取られる。光ピックアップ3aは、光ディスク1aに対して波長650nmを有するレーザ光を照射し、その反射光から光ディスク1aに記録された情報を読み取る。
【0040】
増幅回路41は、光ピックアップ3aから出力された情報を入力し、入力された情報を増幅処理及び演算処理などを行い、変調された再生RF信号を2値化した8−16変調信号(8ビットのワードを16ビットのワードに変調した変調信号)としてのEFM―plus信号、トラッキングエラー信号(TK)、及びフォーカスエラー信号(FK)などを得る。
【0041】
図8に示すように、復調部42には、周波数検出回路21a、同期検出回路22a、位相比較器24a、周波数検出出力制御回路25a、回路定数変更回路26a、PLL&サーボ27a、復調回路48、IDコード検出回路49、調整端子Pad1、及び調整端子Pad2が設けられている。
【0042】
復調回路48は、増幅回路41から出力されたEFM−plus信号を入力し、16−8復調信号(16ビットのワードを8ビットのワードに復調した復調信号)を生成する。
【0043】
周波数検出回路21aは、EFM−plus信号を入力し、PLL&CLVサーボ回路27aから出力されたクロック信号により、基準となる周波数の検出を行う。同期検出回路22aは、EFM−plus信号を入力し、PLL&CLVサーボ回路27aから出力された同期を取るためのクロック信号により、セクターのメインデータ領域に設けられた周波数検出用のビットパターン(14T)を検出し、このビットパターンがフレーム内にあるかの判定、EFM−plus信号からシンクフレームを検出するための動作、及びシンクフレームの結果にもとづいてディスク回転速度を示すディスク回転信号(V)の出力などを行う。
【0044】
IDコード検出回路49は、EFM−plus信号を入力し、セクターのメインデータ領域に設けられた周波数検出用のビットパターン(14T)、或いは類似ビットパターンが検出された場合、所定期間内のIDコード(ID情報及びID情報誤り訂正コード)が連続して読み取ることができるかの判定を行う。ビットパターンが検出されない場合、周波数検出出力信号を出力する。
【0045】
位相比較器24aは、EFM−plus信号とPLL&CLVサーボ回路27aから出力されたクロック信号とを入力し、その位相を比較する。位相が同一の場合、信号出力を停止する。周波数検出出力制御回路25aは、周波数検出回路21aから出力された周波数信号、同期検出回路22aから出力された信号、及びIDコード検出回路49から出力されたIDコード検出出力制御信号を入力し、例えば、同期検出回路22aが類似ビットパターンを検出した場合、同期検出回路22aから出力された信号により周波数信号の出力を抑制する。ただし、所定期間内のIDコードが連続して読み取ることができない場合には周波数信号を出力する。
【0046】
回路定数変更回路26aは、RC回路からなり、位相比較器24aから出力された位相検出出力信号、及び周波数検出出力制御回路25aから出力された周波数検出出力信号を入力し、周波数信号の位相制御及び所定の周波数信号に調整する。
【0047】
調整端子Pad1は、周波数検出回路25aと回路定数変更回路26aとの間に設けられ、調整端子Pad2は位相比較器24aと定数変更回路26aとの間に設けられている。調整端子Pad1、調整端子Pad2に印加する電位、例えば、高電位側電源Vdd、低電位側電源Vss、或いは無印加(ハイインピーダンス HiZ)を選択することにより、正確に基準となる所定の周波数信号に調整することができる。
【0048】
PLL&CLVサーボ回路27aは、回路定数変更回路26aから出力された信号を入力し、内蔵されたPLL回路を動作させて、周波数信号に同期した再生クロック信号(PLCK)を生成する。なお、この周波数信号が基準となる所定の周波数信号とは異なる場合、VCOなどを用いて、この周波数信号を基準となる所定の周波数信号に変換する。また、再生クロック信号(PLCK)などを用いてスピンドルモータ2のCLV制御を行うためのCLV信号(CLVと図示)をサーボ制御回路5aに出力する。ここで、再生クロック信号(PLCK)は、復調部42、訂正部43、システムデコーダ44、ビデオデコーダ45、エンコーダ46、オーディオデコーダ47、及びD/A15aなどの信号処理の基準クロック信号となる。
【0049】
サーボ制御回路5aは、増幅回路41から出力されたトラッキングエラー信号(TK)、及びフォーカスエラー信号(FK)を入力し、図示しないコントローラからの指令にもとづいて光ピックアップ3aを制御するフォーカス及びトラッキング信号を生成する。また、サーボ制御回路5aは復調部42から出力されたスピンドルモータ2aのCLV制御を行うためのCLV信号(CLVと図示)を入力する。
【0050】
ドライバ6aは、サーボ制御回路5aから出力されたフォーカス及びトラッキング信号を入力して、光ピックアップ3aを制御する。また、ドライバ6aはサーボ制御回路5aから出力されたCLV信号にもとづいてスピンドルモータ2aのCLV制御を行う。
【0051】
訂正部43は、復調回路48から出力された16−8復調信号を入力し、エラー訂正処理対象となったデータを訂正する。システムデコーダ44は、訂正部43から出力されたDVDデータストリームをデコーディングしてビデオデータストリーム及びオーディオデータストリームに分離出力する。ビデオデコーダ45は、システムデコーダ44から出力されたビデオデータストリームをデコーディングして再生可能な映像データに変換する。エンコーダ46は、ビデオデコーダ45から出力された再生可能な映像データをNTSCやPALなどの映像表示方式にエンコードしてビデオ信号として出力する。
【0052】
オーディオデコーダ47は、システムデコーダ44から出力され、符号化されたオーディオデータストリームを元のオーディオデータに変換出力する。D/A15aは、オーディオデコーダ47から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換してオーディオ信号として出力する。
【0053】
上述したように、本実施例の光ディスク再生装置では、IDコード検出回路49、位相比較器24a、周波数検出出力制御回路25a、回路定数変更回路26a、及び調整端子Pad1、Pad2が設けられ、IDコード検出回路49から出力されたIDコード検出出力制御信号が周波数検出出力制御回路25aに入力されている。
【0054】
このため、正常時の14Tのビットパターンとは異なるビットパターンが検出され、このパターンから基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号が検出された場合でも、ロックされずに、基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号がPLL&CLVサーボ27aに入力され、PLL&CLVサーボ27aが基準となるべき周波数信号にもとづいた再生クロック信号(PLCK)を生成し、正しい同期検出がなされる。
【0055】
従って、基準となるべき周波数信号とは異なる周波数信号周波数信号が検出された場合でも、光ディスク1aに記憶されているメインデータの情報を正しく読み取ることができるので映像情報及び音楽情報を再生することができる。
【0056】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0057】
例えば、実施例1ではCD−DA規格のCD装置、実施例2ではDVD−R装置について説明したが、その他の、例えば、Orange BookであるCD−Recordable装置(CD−R、CD−RWを含む)、DVD−RW装置、或いは光磁気ディスク(MO Magneto−Optical disk)などにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例1に係るCD再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係るPLL及び同期検出部の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例1に係る正常時でのEFM信号波形を示す図。
【図4】本発明の実施例1に係る異常時でのEFM信号波形を示す図。
【図5】本発明の実施例1に係る従来のCD再生装置の動作を示すタイミングチャート。
【図6】本発明の実施例1に係る本実施例のCD再生装置の動作を示すタイミングチャート。
【図7】本発明の実施例2に係るDVD再生装置の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の実施例2に係る復調部の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0059】
1、1a、 光ディスク
2、2a スピンドルモータ
3、3a 光ピックアップ
4 RF Amp
5 サーボ回路
5a サーボ制御回路
6 モータドライバ
6a ドライバ
7 信号処理部
8 システムコントローラ
11 2値化回路
12 PLL&同期検出回路
13 EFM復調回路
14 ECC
15、15a D/A
21、21a 周波数検出回路
22、22a 同期検出回路
23 サブコードブロック検出回路
24、24a 位相比較器
25、25a 周波数検出出力制御回路
26、26a 回路定数変更回路
27、27a PLL&CLVサーボ
30 CD再生装置
41 増幅回路
42 復調部
43 訂正部
44 システムデコーダ
45 ビデオデコーダ
46 エンコーダ
47 オーディオデコーダ
48 復調回路
49 IDコード検出回路
50 DVD再生装置
Pad1、Pad2 調整端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクから読み取られ、変調された変調信号及びクロック信号を入力し、前記変調信号のメインデータ領域に設けられたビットパターンから、前記ビットパターンにもとづいた周波数信号を検出する周波数検出手段と、
前記ビットパターンが所定のビットパターンの場合、基準となる第1の周波数信号を入力し、前記第1の周波数信号から再生クロック信号を生成し、前記ビットパターンが前記所定のビットパターンと異なる場合、前記第1の周波数信号とは異なる第2の周波数信号を入力し、前記第2の周波数信号を前記第1の周波数信号に変換して前記再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号及び前記クロック信号を出力するPLL部と、
前記変調信号及び前記PLL部から出力された同期をとるためのクロック信号を入力し、同期検出を行う同期検出手段と、
前記変調信号を入力し、前記所定ビットパターンが検出された場合、所定期間内のサブコード或いはIDコードが連続して読み取ることができるかの判定を行うコード検出回路と、
前記周波数検出回路から出力された前記周波数信号、前記同期検出回路から出力された同期検出信号、及び前記コード検出回路から出力された周波数検出出力制御信号を入力し、前記第1の周波数信号の場合、前記第1の周波数信号を前記PLL部に出力し、前記所定期間内の前記サブコード或いは前記IDコードが連続して読み取ることができない場合、前記第2の周波数信号を前記PLL部に出力する周波数検出出力制御手段と、
を具備することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
光ディスクから読み取られ、8−14変調された変調信号及びクロック信号を入力し、前記変調信号のメインデータ領域に設けられたビットパターンから、前記ビットパターンにもとづいた周波数信号を検出する周波数検出手段と、
前記ビットパターンが所定のビットパターンの場合、基準となる第1の周波数信号を入力し、前記第1の周波数信号から再生クロック信号を生成し、前記ビットパターンが前記所定のビットパターンと異なる場合、前記第1の周波数信号とは異なる第2の周波数信号を入力し、前記第2の周波数信号を前記第1の周波数信号に変換して前記再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号及び前記クロック信号を出力するPLL部と、
前記変調信号及び前記PLL部から出力された同期をとるためのクロック信号を入力し、同期検出を行う同期検出手段と、
前記変調信号を入力し、前記ビットパターンが検出された場合、所定期間内のサブコードが連続して読み取ることができるかの判定を行い、前記ビットパターンが検出されない場合、周波数検出出力制御信号を出力するサブコードブロック検出回路と、
前記周波数検出回路から出力された前記周波数信号、前記同期検出回路から出力された同期検出信号、及び前記サブコードブロック検出回路から出力された周波数検出出力制御信号を入力し、前記第1の周波数信号の場合、前記第1の周波数信号を前記PLL部に出力し、前記所定期間内の前記サブコードが連続して読み取ることができない場合、前記第2の周波数信号を前記PLL部に出力する周波数検出出力制御手段と、
を具備することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項3】
光ディスクから読み取られ、8−16変調された変調信号及びクロック信号を入力し、前記変調信号のメインデータ領域に設けられたビットパターンから、前記ビットパターンにもとづいた周波数信号を検出する周波数検出手段と、
前記ビットパターンが所定のビットパターンの場合、基準となる第1の周波数信号を入力し、前記第1の周波数信号から再生クロック信号を生成し、前記ビットパターンが前記所定のビットパターンと異なる場合、前記第1の周波数信号とは異なる第2の周波数信号を入力し、前記第2の周波数信号を前記第1の周波数信号に変換して前記再生クロック信号を生成し、前記再生クロック信号及び前記クロック信号を出力するPLL部と、
前記変調信号及び前記PLL部から出力された同期をとるためのクロック信号を入力し、同期検出を行う同期検出手段と、
前記変調信号を入力し、前記ビットパターンが検出された場合、所定期間内のIDコードが連続して読み取ることができるかの判定を行い、前記ビットパターンが検出されない場合、周波数検出出力制御信号を出力するIDコード検出回路と、
前記周波数検出回路から出力された前記周波数信号、前記同期検出回路から出力された同期検出信号、及び前記IDコード検出回路から出力された周波数検出出力制御信号を入力し、前記第1の周波数信号の場合、前記第1の周波数信号を前記PLL部に出力し、前記所定期間内の前記IDコードが連続して読み取ることができない場合、前記第2の周波数信号を前記PLL部に出力する周波数検出出力制御手段と、
を具備することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記所定のビットパターンは、10T、10T+10T、11T、或いは11T+11Tであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク再生装置。
【請求項5】
前記所定のビットパターンは、14Tであることを特徴とする請求項1又は3に記載の光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−155824(P2006−155824A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347596(P2004−347596)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221199)東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 (376)
【Fターム(参考)】