説明

光ディスク再生装置

【課題】低速なデータレート下ではバッファメモリを満杯にしないように光ディスクの回転を制御する。
【解決手段】光ディスク(1)から読み出した変調データを復調した復調データ(21)を生成し、復調データ(21)をバッファメモリ(8)に供給する復号処理回路(6)と、バッファメモリ(8)から読み出された復調データ(22)を出力用データに変換するデータ処理回路(11)と、光ディスク(1)の回転数を制御する光ディスク回転制御回路(7)とを具備する光ディスク再生装置(20)を構成する。
復調データ(21)をバッファメモリ(8)に書き込むときのデータレートを示す書き込み信号(24)を出力する。バッファメモリ(8)から復調データ(21)を読み出すときのデータレートを示す読み出し信号(23)を出力する。その書き込み信号(24)と読み出し信号(23)とに基づいて光ディスク(1)の回転数を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ音声データをデジタルデータに変換して、デジタル音声データ(以下、オーディオデータと呼ぶ)を生成する技術が広く知られてきている。オーディオデータのデータ量を少なくする圧縮技術が登場している。圧縮されたオーディオデータ(以下、圧縮オーディオデータと呼ぶ)を生成するための複数の規格が知られている。例えば、MP3、WMA、AACなどがその代表として例示される。
【0003】
また、情報処理技術の進歩に伴って、CD−RやDVD−Rなどの光学的情報記録媒体に、圧縮オーディオデータを記録する技術が普及している。光学的情報記録媒体に記録された圧縮オーディオデータは、光ディスク再生装置(例えば、CDドライブ)でアナログ音声データに変換された後、スピーカなどの出力装置を介して再生される。
【0004】
圧縮オーディオデータを再生する光ディスク再生装置には、光学的情報記録媒体から読み出した読み出しデータを保持するバッファメモリが備えられている。光ディスク装置は、そのバッファメモリに読み出しデータを保持してから、デコードなどの処理を行うことで、再生している音声が途切れるなどの不具合を抑制している。
【0005】
光ディスク再生装置から、ホストコンピュータへ順次転送が行われる場合に、その転送速度が光ディスクの読み出し速度よりも遅いと、デコーダで復号化処理されたデータは、バッファに蓄積されていく。バッファメモリの記憶領域の全てに読み出しデータが書き込まれてしまうと、光ディスクからの読み取りを停止状態として、バッファに余裕ができるのを待たなければならなかった。その間、光ディスクの回転により電力を消費してしまうことがあった。バッファメモリに保持されるデータの量に応じて、光ディスクを回転させる速さを変化させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1(特開2003−242708号公報)には、転送速度に応じて情報記録ディスクの回転速度を制御することによって、低消費電力化及び低騒音かを達成する技術が記載されている。図1は、特許文献1に記載の情報記録ディスク再生措置の構成を示すブロック図である。
【0007】
特許文献1に記載の情報記録ディスク再生措置は、DVD−ROMドライブ102により情報記録ディスク103の回転を制御し、情報記録ディスク103より読出した信号をDVD−ROMドライブ102によりデコードしてホストコンピュータ101に転送している。DVD−ROMドライブ102は、マイクロプロセッサ104と、ROM105と、バッファ106と、再生速度制御部107と、情報記録ディスク読出し装置108と、デコーダ109と、RAM110とを含んで構成されている。
【0008】
マイクロプロセッサ104は、ROM105にあらかじめ格納されたプログラム、および、ホストコンピュータ101からの命令に従い、DVD−ROMドライブ102における他の構成ブロックを制御している。情報記録ディスク103から情報記録ディスク読出し装置108によって読み出されたデータは、デコーダ109に入力され、デコーダ109でデコードされる。
【0009】
デコードデータは順次バッファ106に格納され、一時保管された後にホストコンピュータ101に転送される。ホストコンピュータ101にデータを転送する転送手段として選択された転送方式、転送モードなどの転送種別に応じて、情報記録ディスク103の再生位置での線速度を、転送種別の転送レートで決定される最大線速度以下に制御する。
【0010】
ホストコンピュータ101への転送レートを、バッファ106にデコードデータが蓄えられるデータレートが超えないように情報記録ディスク103の再生位置での線速度を制御することにより、情報記録ディスク103の高速回転が抑制される。また、バッファ106に蓄えられた情報量が所定値以上の場合には、情報記録ディスク103の回転速度を低減してバッファ106が満杯になることを防止している。
【0011】
【特許文献1】特開2003−242708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1には、転送手段に応じて情報記録ディスク103の回転速度を変化させる情報記録ディスク再生措置に関する技術が記載されている。その情報記録ディスク再生措置のデコーダ109は、CD−ROMディスクに対するCDデコードおよびCD−ROMデコードを実行している。ここにおいて、情報記録ディスク103に記録されているデータが、圧縮オーディオデータである場合、デコーダ109は、CDデコード、CD−ROMデコードに加えて圧縮オーディオデータのデコードを行う。
【0013】
データ圧縮率が異なる複数の圧縮オーディオデータが情報記録ディスク103に記録されている場合には、データ圧縮率に対応するデコード処理が実行される。そのため、バッファ106にデコードデータを蓄えるときのデータレートは、そのデコード処理に応じて変化することになる。
【0014】
つまり、特許文献1に記載の技術を圧縮オーディオデータの再生が可能な光ディスク再生装置に適用した場合、デコードにおけるデータレートを決定することが困難な場合がある。また、光ディスク読出しにおける線速度を決定することが困難になってしまうことがある。
【0015】
さらに、圧縮オーディオデータには、一つの圧縮オーディオデータの中でもデータ圧縮率が固定でなく変化する可変ビットレート方式がある。特許文献1に記載の技術を圧縮オーディオデータの再生が可能な光ディスク再生装置に適用した場合、変動するデコードデータレートに対応させることが困難である。
【0016】
外部転送手段によって光ディスクの線速度を計算できる場合とは異なり、圧縮オーディオデータを格納した光ディスクは、再生における線速度をあらかじめ知ることができず、圧縮オーディオデータを格納した光ディスクを低速で回転させ制御することはこれまでのシステムではできなかった。FIFOの段数を監視し、バッファメモリへのデータ書込みデータ読出しの信号の位相比較を行う方法が従来からあったが、バッファメモリへのデータ書込みデータ読出しのデータレートが異なる場合、また、データレートが極端に低速な場合に対応できる技術がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0018】
上記課題を解決するために、光ディスク(1)から読み出した変調データを復調した復調データ(21)を生成し、前記復調データ(21)をバッファメモリ(8)に供給する復号処理回路(6)と、前記バッファメモリ(8)から読み出された前記復調データ(22)を出力用データに変換するデータ処理回路(11)と、前記光ディスク(1)の回転数を制御する光ディスク回転制御回路(7)とを具備する光ディスク再生装置(20)を構成する。
ここにおいて、前記復号処理回路(6)は、前記復調データ(21)を前記バッファメモリ(8)に書き込むときのデータレートを示す書き込み信号(24)を出力する。また、前記データ処理回路(11)は、前記バッファメモリ(8)から前記復調データ(21)を読み出すときのデータレートを示す読み出し信号(23)を出力する。前記光ディスク回転制御回路(7)は、前記書き込み信号(24)と前記読み出し信号(23)とに基づいて前記光ディスク(1)の回転数を制御する。
【0019】
位相差情報として読出し信号、書込み信号のエッジ間の時間差をカウントするのではなく、同時刻における双方のカウンタ値の差分により位相差情報を得る。なお、位相差情報は、任意のタイミングで得ることができる。位相差情報を得るタイミングを任意に設定できるために、ディスク回転制御の更新間隔ならびに変化量を小さくする。バッファメモリに蓄えられたデータが一定であるように光ディスク回転制御が行われるため、光ディスクからのデータ読出しが継続しておこなわれ、光ディスクへの再アクセスによるマイクロプロセッサの処理が発生しない。
【発明の効果】
【0020】
圧縮をデコードしたデータを出力としたとき、バッファメモリから読み出す圧縮データはデータレートが低速のものとなる。本発明は、この低速なデータレート下ではバッファメモリを満杯にしないように光ディスクの回転を低速のものとしている。
【0021】
圧縮オーディオデータを解凍した後のオーディオデータを出力とするとき、バッファメモリからのデータ出力は、圧縮オーディオデータのデータ圧縮率に応じてデータレートが低下する。本発明によると、バッファメモリからのデータ出力レートが低くなったのに対応させてバッファメモリへのデータ入力レートも低くなるようにディスク回転を低速にする。例えば、1/10の圧縮率の圧縮オーディオデータを記録したディスクであれば、回転速度は通常再生の1/10とすることができる。
【0022】
また、ディスク回転制御の速度変化を継続的(小さい更新間隔)に小さいステップ(小さい変化量)で行うことで、EFM信号からビットクロックを生成するPLLでのロック外れを防止し、ディスク回転を変化させている間のエラーレートを軽減することができる。
【0023】
また、圧縮オーディオデータの再生においては、バッファメモリへのアクセス頻度が少なくなる。また、ディスク回転制御の監視、更新の時間間隔を小さくすることができる。
【0024】
また、オーバーフロー/アンダーフローの防止によりディスクの再アクセスがなくなりCPUの負荷が軽減される。また、ディスク回転制御をマイクロプロセッサの処理とせず、マイクロプロセッサの負担軽減に効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明を行う。なお、以下の実施形態において、転送方式が、PIO転送やマルチワードDMA転送などである場合に対応して説明を行う。また、転送モードが、転送方式毎で決められている転送レートを示すものである場合に対応して説明を行う。したがって例えば、マルチワードDMA転送の場合、
モード0では転送レートが約4.16[MB/s]
モード1では転送レートが約13.33[MB/s]
モード2では転送レートが約16.67[MB/s]
となる。
【0026】
図2は、本実施形態の光ディスク再生装置20の構成を例示するブロック図である。光ディスク再生装置20には、光ディスク1が着脱される。光ディスク1は、CD−ROMやDVD−ROM、他に書き換え可能なCD−R/RWやDVD−R/RWなどである。
【0027】
光ディスク再生装置20は、スピンドルモータ2と、光学ピックアップ3と、RFアンプ4と、サーボ信号処理回路5と、デジタル復号処理回路6と、光ディスク回転制御情報生成回路7と、バッファメモリ8と、メモリコントローラ9と、エラー訂正回路10と、圧縮オーディオ再生回路11とを含んで構成されている。
【0028】
スピンドルモータ2は、光ディスク1を回転させる。スピンドルモータ2は、スピンドル制御信号に応答して、その回転速度を変化させる。光学ピックアップ3は、半導体レーザー(図示されず)と受光器(図示されず)とを含んで構成されている。光学ピックアップ3は、光ディスク1に記録された情報を読出し、電気信号として出力する。
【0029】
RFアンプ4は、光学ピックアップ3から出力された電気信号を増幅してEFM信号を出力するアンプである。RFアンプ4は、そのEFM信号をデジタル復号処理回路6に供給している。デジタル復号処理回路6は、RFアンプ4より出力されたEFM信号をデジタルデータに復号して書き込みデコードデータ21を生成している。デジタル復号処理回路6は、その書き込みデコードデータ21をメモリコントローラ9に供給している。デジタル復号処理回路6は、書込み信号24をメモリコントローラ9に出力している。書込み信号24は、メモリコントローラ9が書き込みデコードデータ21をバッファメモリ8に格納するための信号である。デジタル復号処理回路6は、書込み信号24を光ディスク回転制御情報生成回路7に供給している。
【0030】
メモリコントローラ9は、バッファメモリ8へのアクセスを制御している。メモリコントローラ9は、デジタル復号処理回路6が出力する書込み信号24に従って書き込みデコードデータ21をバッファメモリ8に格納する。メモリコントローラ9は、圧縮オーディオ再生回路11が出力する読出し信号23に応答して、バッファメモリ8に格納されたデータを読み出している。メモリコントローラ9は、その読み出しデータを、読み出しデコードデータ22として圧縮オーディオ再生回路11に供給する。
【0031】
バッファメモリ8は、デジタル復号処理回路6より出力された書込み信号24に基づいて、デジタル復号処理回路6から出力された書込みデータである書き込みデコードデータ21を格納する。
【0032】
エラー訂正回路10は、メモリコントローラ9に供給された書き込みデコードデータ21に対するCRCエラーチェックを実行している。メモリコントローラ9は、エラー訂正回路10の要求に従って、バッファメモリ8に格納されたデコードデータの読出しを行っている。エラー訂正回路10は、書き込みデコードデータ21にエラーが見つかったときには、バッファメモリ8に格納されたデータに対して、メモリコントローラ9を介してエラーデータの訂正を行っている。
【0033】
圧縮オーディオ再生回路11は、読出し信号23をメモリコントローラ9に出力し、バッファメモリ8からの読出しデータである読み出しデコードデータ22を受け取っている。圧縮オーディオ再生回路11は、圧縮オーディオデータをデコードした上で、オーディオデータとして出力する。なお、本実施形態では、圧縮オーディオ再生回路11が
光ディスク回転制御情報生成回路7は、読出し信号23と書込み信号24とに応答して、光ディスク回転制御情報25を生成している。光ディスク回転制御情報生成回路7は光ディスク回転制御情報25をサーボ信号処理回路5に出力している。サーボ信号処理回路5は、その光ディスク回転制御情報25に基づいて、スピンドル制御信号をスピンドルモータ2に出力している。スピンドルモータ2は、そのスピンドル制御信号に応答して光ディスク1の回転速度を制御している。
【0034】
図3は、光ディスク回転制御情報生成回路7の構成を例示するブロック図である。光ディスク回転制御情報生成回路7は、第1カウンタ12と、第2カウンタ13と、位相差情報演算回路14と、UP−DOWNカウンタ15と、第1周回差情報演算回路16と、加算演算回路17とを含んで構成されている。光ディスク回転制御情報生成回路7に入力される書込み信号24は、上述のデジタル復号処理回路6から供給されている。書込み信号24は、デジタル復号処理回路6からメモリコントローラ9に出力されている。光ディスク回転制御情報生成回路7に入力される読出し信号23は、圧縮オーディオ再生回路11から供給されている。圧縮オーディオ再生回路11は、読出し信号23をメモリコントローラ9に出力している。
【0035】
読出し信号23は、第1カウンタ12においてカウントされ、第1カウンタ12は0から第1カウンタ最大値(N−1)までのカウントを行い、そのカウント値を第1カウンタ値nとする(Nはシステムに固有の定数)。第1カウンタ12は、第1カウンタ12は0から第1カウンタ最大値(N−1)までのカウントを一つのサイクルとする。第1カウント値nは、第1カウンタ最大値(N−1)の次のカウント状態は0に戻り、新たなサイクルでのカウントを継続する周回カウントを行い、第1カウンタ最大値(N−1)から0への変化においてパルス状のカウンタ周回信号を生成する。
【0036】
書込み信号24は、第2カウンタ13においてカウントされ、第2カウンタ13は0から第2カウンタ最大値(M−1)までのカウントを行い、そのカウント値を第2カウンタ値mとする(Mはシステムに固有の定数)。第2カウント値mは第2カウンタ最大値(M−1)の次のカウント状態は0に戻りカウントを継続する周回カウントを行い、第2カウンタ最大値(M−1)から0への変化においてパルス状のカウンタ周回信号を生成する。
【0037】
第1カウンタ12の第1カウント値nおよび第2カウンタ13の第2カウント値mは位相差情報演算回路14に入力される。位相差情報演算回路14は、
位相差情報72=第2カウンタ最大値(M−1)×n−第1カウンタ最大値(N−1)×m
なる演算を行い、位相差情報72を出力する。
【0038】
第1カウンタ12の第1カウンタ周回信号、および、第2カウンタ13の第2カウンタ周回信号は、UP−DOWNカウンタ15に入力される。UP−DOWNカウンタ15は、第1カウンタ12の第1カウンタ周回信号でインクリメントカウントし、第2カウンタ13の第2カウンタ周回信号でデクリメントカウントする。UP−DOWNカウンタ15のカウンタ値は、第1周回差情報演算回路16に入力される。第1周回差情報演算回路16は、
周回差情報73=UP−DOWNカウンタ値71×第2カウンタ最大値(M−1)×第1カウンタ最大値(N−1)
なる演算を行い、周回差情報73を加算演算回路17出力する。加算演算回路17は、位相差情報72と周回差情報73とに基づいて
光ディスク回転制御情報25=位相差情報72+周回差情報73
なる演算を行い、光ディスク回転制御情報25を出力する。
【0039】
書き込みデコードデータ21がCD−ROMデータであり、メモリコントローラ9を介してバッファメモリ8に格納される際に、CD−ROMフォーマットのSYNCパターンを検出して98×24=2352バイトをCD−ROMデータの1セクタ長として認識する。
【0040】
セクタデータのなかからsyncパターン12バイトを除いた2340バイトと、デジタル復号処理回路6においてディスクデータからCIRC復号処理とは別途デジタル復号処理したサブコード情報などを合わせて2368バイトを1セクタのデータとしてバッファメモリ8に格納するものとする。
【0041】
CD−ROMデータとしてバッファメモリ8に格納された圧縮オーディオデータは、圧縮オーディオ再生回路11の読出し信号23に従ってメモリコントローラ9を介してバッファメモリ8から読み出しデコードデータ22として読み出されるが、CD−ROMエラー訂正回路10でエラー訂正において使用されるパリティ部分は必要とされず、1セクタ当たり2048バイトが読み出しデコードデータ22として圧縮オーディオ再生回路11に読み出される。すなわち、実際のシステムにおいてバッファメモリ8に書き込みデコードデータ21として書込み、読み出しデコードデータ22として読出されるデータは、
1セクタ当たりの書込みデータ数2368バイト
1セクタ当たりの読出しデータ数2048バイト
であり。共通の公約数Lが存在するものとして、
2368(940H)=L×M
2048(800H)=L×N
とすると、
L=64(40H)
が求められ、
M=37(25H)、N=32(20H)
となる。
【0042】
光ディスク回転制御情報生成回路7は、第1カウンタ12の第1カウント値nと第2カウンタ13の第2カウント値mとを、それぞれ最大値N−1、M−1で正規化して最大値を1に統一し、第1カウンタ値n/第1カウンタ最大値(N−1)、第2カウンタ値m/第2カウンタ最大値(M−1)の位相・周期が等しくなるように光ディスク1の回転制御を行う。
【0043】
位相差=第1カウンタ値n/第1カウンタ最大値(N−1)−m/第2カウンタ最大値(M−1)
(最大値:1)
として位相差を求めることができ、一方で第1カウンタ12の第1カウント値nの周回でインクリメントカウント(+1)、第2カウンタ13の第2カウント値mの周回でデクリメントカウント(−1)を行うUP−DOWNカウンタ15の値として周回差を求めることができ、位相差と周回差の和が0となるようにディスクの回転制御を行う。
【0044】
実際の回路においては、位相差にmおよびnの第2カウンタ最大値(M−1)、第1カウンタ最大値(N−1)の積第2カウンタ最大値(M−1)×第1カウンタ最大値(N−1)を掛けて
位相差情報72=第2カウンタ最大値(M−1)×n−第1カウンタ最大値(N−1)×m
最大値:第2カウンタ最大値(M−1)×第1カウンタ最大値(N−1)、
最小値:−1×第2カウンタ最大値(M−1)×第1カウンタ最大値(N−1)
とし、位相差情報演算回路14においてこの位相差演算を行い、位相差情報72を出力する。ここで、
定数S
=第2カウンタ最大値(M−1)×第1カウンタ最大値(N−1)
として位相差情報72の最大値は1×S、最小値は−1×Sとなる。UP−DOWNカウンタ15のUP−DOWNカウンタ値71にも第2カウンタ最大値(M−1)×第1カウンタ最大値(N−1)=Sを掛けて周回差情報73とし、第1周回差情報演算回路16においてこの周回差情報演算
周回差情報73
=UP−DOWNカウンタ値71×第2カウンタ最大値(M−1)×第1カウンタ最大値(N−1)
=UP−DOWNカウンタ値71×S
を行い周回差情報73を出力する。位相差情報演算回路14の出力である位相差情報72と第1周回差情報演算回路16の出力である周回差情報73を加算演算回路17により加算して光ディスク回転制御情報25とする。
【0045】
光ディスク回転制御情報25=位相差情報72+周回差情報73
光ディスク回転制御情報25が0となるように、即ちバッファメモリ8へのデータ書込みとデータ読出しの位相差、周回差の和が0となるように光ディスク1の回転制御が行われる。位相差情報72、周回差情報73、光ディスク回転制御情報25の計算は任意の固定周期で行えばよく、一般にはサーボ信号処理におけるスピンドル制御信号の更新周期に等しいことが望ましい。
【0046】
図4は、光ディスク回転制御情報生成回路7の動作を例示するタイミングチャートである。図4における横軸は、時間経過を示している。図4の(a)は、読出し信号23による第1カウント値nと第2カウンタ最大値(M−1)M−1の積、および、書込み信号24による第2カウント値mと第1カウンタ最大値(N−1)N−1の積の時間変化を例示している。図4の(a)には、読出し信号23による第1カウント値nと書込み信号24による第2カウント値mとが、異なるデータレートでインクリメントされた場合を例示している。
【0047】
図4の(a)には、第1演算結果a1=第2カウンタ最大値(M−1)×n、第2演算結果a2=第1カウンタ最大値(N−1)×m とし、第1演算結果a1を点線、第2演算結果a2を実線で示している。図4の(b)は、UP−DOWNカウンタ値71の時間変化を例示している。図4の(b)には、第1演算結果a1、第2演算結果a2に対するUP−DOWNカウンタ15の出力が例示されている。図4の(c)は、UP−DOWNカウンタ値71の時間変化を例示している。図4の(c)に例示されている位相差情報72は、位相差情報演算回路14の出力であり、第1演算結果a1と第2演算結果a2の差を示している。
【0048】
図4の(d)は、周回差情報73の時間変化を例示している。また、図4の(d)は、光ディスク回転制御情報25の時間変化を例示している。図4の(d)に例示されている周回差情報73は、図4の(b)のUP−DOWNカウンタ値71に対する第1周回差情報演算回路16の出力である。図4の(d)に例示されている光ディスク回転制御情報25は、図4の(c)の位相差情報72と、周回差情報73を加算した加算演算回路17の出力である。上述の図4の(a)〜(d)において、それらの時間軸は、共通となっている。
【0049】
図4(a)において、第1演算結果a1、第2演算結果a2の傾きは読出し信号、書込み信号のデータレートを示している。はじめデータレートの関係が第1演算結果a1>第2演算結果a2であるのが、途中から第1演算結果a1<第2演算結果a2となっている。
【0050】
データレートの関係が第1演算結果a1>第2演算結果a2である場合、位相差情報72は、第1演算結果a1−第2演算結果a2であるので右肩上がりの正の傾きを持ち、第1カウンタ12の第1カウンタ周回信号が第2カウンタ13の第2カウンタ周回信号よりも頻度が多い場合は、図4の(b)のUP−DOWNカウンタ値71はインクリメントする。
【0051】
データレートの関係が第1演算結果a1<第2演算結果a2である場合、図4の(c)の位相差情報72は、第1演算結果a1−第2演算結果a2であるので右肩下がりの負の傾きを持ち、第2カウンタ13の第2カウンタ周回信号が第1カウンタ12の第1カウンタ周回信号よりも頻度が多い場合は、図4の(b)のUP−DOWNカウンタ値71はデクリメントする。
【0052】
データレートの関係が第1演算結果a1>第2演算結果a2である場合、光ディスク回転制御情報25は右肩上がりの正の傾きとなり、データレートの関係が第1演算結果a1<第2演算結果a2である場合、光ディスク回転制御情報25は右肩下がりの負の傾きとなる。
【0053】
データレートの関係が第1演算結果a1>第2演算結果a2の状態が続けば図4の(d)の光ディスク回転制御情報25は正の値に向かい、データレートの関係が第1演算結果a1<第2演算結果a2の状態が続けば図4の(d)の光ディスク回転制御情報25は負の値に向かうと考えられる。即ち、読出し信号のデータレートが大きければ光ディスク回転制御情報25は正の値が大きくなり、書込み信号のデータレートが大きければ光ディスク回転制御情報25は負の値が大きくなる。
【0054】
サーボ信号処理回路5からスピンドルモータ2に出力されるスピンドル制御信号は、スピンドル制御信号の値が0の時にはスピンドルモータ2は停止状態、スピンドル制御信号の値が大きいときにはそれに応じてスピンドルモータ2は高速で回転するものとする。
【0055】
光ディスク回転制御情報生成回路7からの出力である光ディスク回転制御情報25の値が0である場合、サーボ信号処理回路5からスピンドルモータ2に出力されるスピンドル制御信号は光ディスク1を一定速度で回転させるオフセットレベルを持つものとし、サーボ信号処理回路5では光ディスク回転制御情報25の値をオフセットレベルに加算してスピンドル制御信号を出力する。
【0056】
読出し信号のデータレートの方が大きい場合、光ディスク回転制御情報25にはプラス符号の値が出力され、これを受けるサーボ信号処理回路5ではスピンドルモータ2をより高速回転させるスピンドル制御信号を出力することになる。
【0057】
逆に書込み信号のデータレートの方が大きい場合、光ディスク回転制御情報25にはマイナス符号の値が出力され、これを受けるサーボ信号処理回路5ではオフセットレベルを下回るスピンドル制御信号を出力することになり、スピンドルモータ2を低速回転させることになる。
【0058】
書込み信号24に対して読出し信号23のデータレートが大きい場合、バッファメモリ8に蓄積されたデコードデータが読み出しデコードデータ22として読出される頻度が大きく、バッファメモリ8に蓄積されたデコードデータは減り続けることになる。本実施形態においては、書込み信号24に対して読出し信号23のデータレートが大きい場合、データレートの関係が図4における第1演算結果a1>第2演算結果a2であるので、光ディスク回転制御情報生成回路7の光ディスク回転制御情報25は正の値に向かい、これを受けるサーボ信号処理回路5ではスピンドルモータ2をより高速回転させるスピンドル制御信号を出力することになる。
【0059】
これにより光ディスク1の回転速度を増加させて書き込みデコードデータ21である書込みデータ21および書込み信号24のデータレートを大きくする。すなわち、読出し信号23に対して書込み信号24のデータレートが小さい場合、光ディスク1の回転速度を増加させてバッファメモリ8に蓄積されたデコードデータが減り続けることを阻止する。
【0060】
同様に、読出し信号23に対して書込み信号24のデータレートが大きい場合、バッファメモリ8に蓄積されたデコードデータは書き込みデコードデータ21として書込まれる頻度が大きく、バッファメモリ8に蓄積されたデコードデータは増え続けることになる。
【0061】
本実施形態においては、読出し信号23に対して書込み信号24のデータレートが大きい場合、データレートの関係が図4における第1演算結果a1<第2演算結果a2である。したがって、光ディスク回転制御情報生成回路7の光ディスク回転制御情報25は負の値に向かい、これを受けるサーボ信号処理回路5ではスピンドルモータ2をより低速回転させるスピンドル制御信号を出力することになる。これによって、光ディスク1の回転速度を減少させて書き込みデコードデータ21である書込みデータ、および、書込み信号24のデータレートを小さくする。すなわち、読出し信号23に対して書込み信号24のデータレートが大きい場合、光ディスク1の回転速度を減少させてバッファメモリ8に蓄積されたデコードデータが増え続けることを阻止する。
【0062】
なお、図4においては、本実施形態の動作の理解が容易なように、位相差情報72、周回差情報73、光ディスク回転制御情報25が連続した波形となって示されている。この波形は、本実施形態の光ディスク再生装置20の動作を限定するものではない。これらは、光ディスク回転制御情報25の更新タイミングにおいて演算を行うこと構成・動作を有するものであることが好ましい。
【0063】
[第2実施形態]
以下に、本願発明の第2実施形態について説明を行う。図5は、本発明の第2実施形態の光ディスク回転制御情報生成回路7の構成を例示するブロック図である。第2実施形態の光ディスク回転制御情報生成回路7は、位相差情報演算を行うことなく光ディスク回転制御情報25を生成している。図5を参照すると、第2実施形態の光ディスク回転制御情報生成回路7は、第1カウンタ12と、第2カウンタ13と、UP−DOWNカウンタ15と、第2周回差情報演算回路18とを含んで構成されている。
【0064】
読出し信号23は、第1実施形態と同様に、圧縮オーディオ再生回路11からメモリコントローラ9に出力される信号である。メモリコントローラ9は、読出し信号23に応答して、バッファメモリ8に格納されているデータを読み出しデコードデータ22として出力し、圧縮オーディオ再生回路11に供給する。
【0065】
書込み信号24は、第1の実施形態と同様に、デジタル復号処理回路6からメモリコントローラ9に出力される信号である。メモリコントローラ9は、書込み信号24に応答して、デジタル復号処理回路6が出力する書き込みデコードデータ21をバッファメモリ8に格納する。第1カウンタ12、第2カウンタ13、および、UP−DOWNカウンタ15は、第1実施形態と、同様の構成・動作である。図5に示されているように、第1カウンタ12の出力である第1カウンタ周回信号および第2カウンタ13の出力である第2カウンタ周回信号はUP−DOWNカウンタ15に入力される。UP−DOWNカウンタ15の出力であるUP−DOWNカウンタ値71は、第2周回差情報演算回路18に入力される。第2周回差情報演算回路18は、UP−DOWNカウンタ値71に基づいて光ディスク回転制御情報25を出力している。第2実施形態の第2周回差情報演算回路18は、UP−DOWNカウンタ値71に係数Pを乗算して光ディスク回転制御情報25を生成する。
【0066】
図6は、係数Pと条件との対応を例示するテーブル(以下、対応テーブル31と呼ぶ)である。対応テーブル31は、条件領域32と係数領域33とを含んで構成されている。係数Pは、UP−DOWNカウンタ15の出力であるUP−DOWNカウンタ値71によってP1、P2、P3の値を取る。なお、ここで、P1<P2<P3の関係であるものとする。図6を参照すると、
−UD1<UP−DOWNカウンタ値71<UD1
のとき、係数P=P1である。また、
−UD2<UP−DOWNカウンタ値71≦−UD1
のとき、係数P=P2である。また、
UD1≦UP−DOWNカウンタ値71<UD2
のとき、係数P=P2である。また、
UP−DOWNカウンタ値71≦−UD2
のとき、係数P=P3である。また、
UD2≦UP−DOWNカウンタ値71
のとき、係数P=P3である。
【0067】
図7は、第2実施形態における光ディスク回転制御情報25−UP−DOWNカウンタ値71特性を例示する図である。図7において、横軸はUP−DOWNカウンタ15の出力であるUP−DOWNカウンタ値71であり、縦軸は光ディスク回転制御情報生成回路7の出力である光ディスク回転制御情報25である。
【0068】
UP−DOWNカウンタ値71の絶対値が大きい場合、即ちバッファメモリ8への書込みと読出しの周回差が大きい場合には、バッファメモリ8上のデータ量が所定量よりも大きく変動しバッファがオーバーフロー、あるいはアンダーフローする危険があると言える。第2実施形態の光ディスク回転制御情報生成回路7は、このときに係数Pの値を大きく取って光ディスク回転制御情報25の変化量を大きくして光ディスク回転制御の補正量を大きくし、この危険を回避している。
【0069】
UP−DOWNカウンタ値71の絶対値が小さい場合、即ちバッファメモリ8上のデータ量の変動が小さい場合には、第2実施形態の光ディスク回転制御情報生成回路7は、係数Pを小さくして光ディスク回転制御情報25の変化量を小さくして光ディスク回転制御の補正量を小さくする。これにより光ディスク1の回転変動も小さくなり、PLLで生成するビットクロックのジッタが小さくなり、復号処理におけるエラーレートが低減される。
【0070】
バッファメモリ8上のデータ量の変動に対するゲインを一定でないものとし、データ量の変動が大きい場合にはゲインを大きくしてバッファのオーバーフロー・アンダーフローフローの危険から早急に脱し、データ量の変動が小さい場合にはゲインを小さくして光ディスク1の回転変動を小さくし、復号処理におけるエラーレートを低減する。
【0071】
光ディスク回転制御情報25の更新周期が第1カウンタ12と第2カウンタ13の周回周期に対して十分に大きく、光ディスク回転制御情報25において位相差情報の寄与が小さく周回差情報が支配的である場合に、第2実施形態の構成を適用することが好ましい。また、第2実施形態のUP−DOWNカウンタ15の値によって変化する係数Pによる周回差情報演算を、第1実施形態においても使用してもよい。なお、UP−DOWNカウンタ15の値によって変化する係数Pの取り方はP1,P2,P3のみに限定されるものではない。
【0072】
また、上述の複数の実施形態において、位相差情報72と周回差情報73を更新するタイミングは、書込み信号24および読出し信号23が発生したときでも良いし、第1カウンタ12および第2カウンタ13の周回信号が発生したときでも良い。
【0073】
[比較例]
圧縮オーディオデータの個別の楽曲データ毎に圧縮率が既知である場合はCDデコード、CD−ROMデコード、圧縮オーディオデータデコードにおけるデコードデータのデータレートを知ることができるが、圧縮オーディオデータには一つの圧縮オーディオデータの中でもデータ圧縮率が固定でなく変化する可変ビットレート方式があり、変動するデコードデータレートには公知例は対応できない。
【0074】
また、光ディスク読出しの線速度があらかじめ与えられるとした場合の従来の技術について説明を行う。情報記録ディスク103から情報記録ディスク読出し装置108によって読み出されたデータは、ディスクの回転変動の影響を受ける。そのため、固定クロックではそのまま取り込むことができない。一般には、PLL回路によってデータに位相同期したビットクロックを生成し、ビットクロックによってデータを同期化し、デジタルデータとしてデコード処理を行う。公知例の情報記録ディスク読出し装置108にも読出しデータに位相同期したビットクロックを生成するためのPLL回路が含まれるものと考えられる。
【0075】
従来技術においては、情報記録ディスク103の回転の切り替えが、ホストコンピュータ101への転送レートに応じた回転速度Rcと、バッファ106に一定以上のデータが蓄積されていた場合やデコード処理においてエラーが既定値以上であった場合の低速の回転速度Rc/N(例えばN=2、Nは任意の固定値)を持つ。
【0076】
しかし、2値的な回転速度切り替えにおいては、回転速度の切り替えにおける速度差が大きい場合、回転速度が大きく変動している間、ビットクロックを生成するPLL回路の読出し信号に対する位相同期状態が保てず正規のクロック生成ができずにデータのエラーレートが大きくなる可能性がある。また、再生速度を監視する時間間隔が大きい場合、デコード処理を行っている間にバッファメモリがオーバーフロー、アンダーフローを起こす可能性がある。また、従来技術では、ディスク回転制御における線速度監視、回転速度設定をマイクロプロセッサの処理としており、マイクロプロセッサの負担を軽減することがこうなんである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、従来の情報記録ディスク再生措置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施形態の光ディスク再生装置20の構成を例示するブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態の光ディスク回転制御情報生成回路7の構成を例示するブロック図である。
【図4】図4は、光ディスク回転制御情報生成回路7の動作を例示するタイミングチャートである。
【図5】図5は、第2実施形態の光ディスク回転制御情報生成回路7の構成を例示するブロック図である。
【図6】図6は、係数Pと条件との対応を例示するテーブルである。
【図7】図7は、第2実施形態の光ディスク回転制御情報25−UP−DOWNカウンタ値71特性を例示する図である。
【符号の説明】
【0078】
1…光ディスク
2…スピンドルモータ
3…光学ピックアップ
4…RFアンプ
5…サーボ信号処理回路
6…デジタル復号処理回路
7…光ディスク回転制御情報生成回路
8…バッファメモリ
9…メモリコントローラ
10…エラー訂正回路
11…圧縮オーディオ再生回路
12…第1カウンタ
13…第2カウンタ
14…位相差情報演算回路
15…UP−DOWNカウンタ
16…第1周回差情報演算回路
17…加算演算回路
18…第2周回差情報演算回路
20…光ディスク再生装置
21…書き込みデコードデータ
22…読み出しデコードデータ
23…読出し信号
24…書込み信号
25…光ディスク回転制御情報
31…対応テーブル
32…条件領域
33…係数領域
71…UP−DOWNカウンタ値
72…位相差情報
73…周回差情報
a1…第1演算結果
a2…第2演算結果
n…第1カウンタ値
m…第2カウンタ値
N−1…第1カウンタ最大値(N−1)
M−1…第2カウンタ最大値(M−1)
101…ホストコンピュータ
102…DVD−ROMドライブ
103…情報記録ディスク
104…マイクロプロセッサ
105…ROM
106…バッファ
107…再生速度制御部
108…情報記録ディスク読出し装置
109…デコーダ
110…RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクから読み出した変調データを復調した復調データを生成し、前記復調データをバッファメモリに供給する復号処理回路と、
前記バッファメモリから読み出された前記復調データを出力用データに変換するデータ処理回路と、
前記光ディスクの回転数を制御する光ディスク回転制御回路と
を具備し、
前記復号処理回路は、
前記復調データを前記バッファメモリに書き込むときのデータレートを示す書き込み信号を出力し、
前記データ処理回路は、
前記バッファメモリから前記復調データを読み出すときのデータレートを示す読み出し信号を出力し、
前記光ディスク回転制御回路は、
前記書き込み信号と前記読み出し信号とに基づいて前記光ディスクの回転数を制御する
光ディスク再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク再生装置において、
前記光ディスク回転制御回路は、
前記書き込み信号に基づいて第1カウンタ値を出力する第1カウンタと、
前記読み出し信号に基づいて第2カウンタ値を出力する第2カウンタと、
前記第1カウンタ値と前記第2カウンタ値との各々に、予め定められた定数を乗算した後、前記乗算の結果の差分を算出する位相差情報演算回路と、
前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数とに基づいて第3カウンタ値を出力するUP−DOWNカウンタと、
前記第3カウンタ値に基づいて前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数の差を算出する周回差情報演算回路と
を具備し、
前記位相差情報演算回路の出力と前記周回差情報演算回路の出力との和に基づいて、前記光ディスクの回転数を制御する
光ディスク再生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク再生装置において、
前記第1カウンタは、前記第1カウント値が、予め定められた最大カウント値に達したときに、初期カウント値からカウントを再開し、その再開した回数を示す第1サイクル数を前記UP−DOWNカウンタに供給し、
前記第2カウンタは、前記第2カウント値が最大カウント値に達したときに、初期カウント値からカウントを再開し、その再開した回数を示す第2サイクル数を前記UP−DOWNカウンタに供給し、
前記UP−DOWNカウンタは、
前記第1サイクル数に応答して、前記第3カウント値に所定の値を加算した新たな第3カウンタ値を生成し、前記第2サイクル数に応答して、前記第3カウンタ値に所定の値を減算した新たな第3カウント値を生成する
光ディスク再生装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光ディスク再生装置において、
前記光ディスク回転制御回路は、
前記書き込み信号に基づいて算出される第1カウンタ値のサイクル数を出力する第1カウンタと、
前記読み出し信号に基づいて算出される第2カウンタ値のサイクル数を出力する第2カウンタと、
前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数とに基づいて第3カウンタ値を出力するUP−DOWNカウンタと、
前記第3カウンタ値に基づいて得られた前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数の差によって前記光ディスクの回転数を制御する
光ディスク再生装置。
【請求項5】
光ディスクから読み出した変調データを復調した復調データを生成し、前記復調データをバッファメモリに供給する復号処理回路と、前記バッファメモリから読み出された前記復調データを出力用データに変換するデータ処理回路と前記光ディスクの回転数を制御する光ディスク回転制御回路とを具備する光ディスク再生装置の動作方法であって、
(a)前記復号処理回路が、前記復調データを前記バッファメモリに書き込むときのデータレートを示す書き込み信号を出力するステップと、
(b)前記データ処理回路が、前記バッファメモリから前記復調データを読み出すときのデータレートを示す読み出し信号を出力するステップと、
(c)前記光ディスク回転制御回路が、前記書き込み信号と前記読み出し信号とに基づいて前記光ディスクの回転数を制御するステップと
を具備する
光ディスク再生装置の動作方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光ディスク再生装置の動作方法において、
前記(c)ステップは、
前記書き込み信号に基づいて第1カウンタ値をカウントする第1カウンタ値カウントステップと、
前記読み出し信号に基づいて第2カウンタ値をカウントする第2カウンタ値カウントステップと、
前記第1カウンタ値と前記第2カウンタ値との差を算出するカウンタ差算出ステップと、
前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数とに基づいて第3カウンタ値をカウントする第3カウンタ値カウントステップと、
前記第3カウンタ値に基づいて前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数の差を算出するサイクル差算出ステップと
を含み、
前記第3カウンタ値と前記サイクル数の差との和に基づいて、前記光ディスクの回転数を制御する
光ディスク再生装置の動作方法。
【請求項7】
請求項6に記載の光ディスク再生装置の動作方法において、
第1カウンタ値カウントステップは、
前記第1カウント値が最大カウント値に達したときに、初期カウント値からカウントを再開し、その再開した回数を示す第1サイクル数を供給するステップを含み、
前記第2カウンタ値カウントステップは、
前記第2カウント値が最大カウント値に達したときに、初期カウント値からカウントを再開し、その再開した回数を示す第2サイクル数を供給するステップを含み、
前記第3カウンタ値カウントステップは、
前記第1サイクル数に応答して、前記第3カウント値に所定の値を加算した新たな第3カウンタ値を生成し、前記第2サイクル数に応答して、前記第3カウンタ値に所定の値を減算した新たな第3カウント値を生成するステップを含む
光ディスク再生装置の動作方法。
【請求項8】
請求項5に記載の光ディスク再生装置において、
前記(c)ステップは、
前記書き込み信号に基づいて算出される第1カウンタ値のサイクル数を出力するステップと、
前記読み出し信号に基づいて算出される第2カウンタ値のサイクル数を出力するステップと、
前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数とに基づいて第3カウンタ値を出力するステップと
を含み、
前記第3カウンタ値に基づいて得られた前記第1カウンタのサイクル数と前記第2カウンタのサイクル数の差によって前記光ディスクの回転数を制御する
光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−93713(P2009−93713A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261152(P2007−261152)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】