光ディスク再生装置
【課題】光ディスク再生中に再生モードから他モードへの切替があり、その後に再生モードに戻ったときに、光ディスクの記録データのコンテンツ仕様にかかわらずレジューム再生を実現すること。
【解決手段】再生装置100は、BD−ROMに記録されたBDデータの再生を行う。再生中に再生装置の動作モードが再生モードから他モードに切り替えられた場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、再生制御部118は、BDデータの再生を一時停止する。再生制御部118は、再生中に動作モードが再生モードから他モードに切り替えられたときに、BDデータ内の再生中の箇所について、一時停止の可否の判定を行い、判定の結果に応じてBDデータの再生の一時停止を制御する。
【解決手段】再生装置100は、BD−ROMに記録されたBDデータの再生を行う。再生中に再生装置の動作モードが再生モードから他モードに切り替えられた場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、再生制御部118は、BDデータの再生を一時停止する。再生制御部118は、再生中に動作モードが再生モードから他モードに切り替えられたときに、BDデータ内の再生中の箇所について、一時停止の可否の判定を行い、判定の結果に応じてBDデータの再生の一時停止を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BD−ROMなどの記録媒体に記録されたデータを再生する光ディスク再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高画質および高音質で高度なインタラクティブ機能を有する情報を記録した大容量の光ディスクを再生する光ディスク再生装置が普及している。
【0003】
上記のような大容量の光ディスクの代表的なものとして、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc(登録商標))(以下「BD」と略記する)がある。BDは、膨大なデータ容量(単層で25ギガバイト(GB)、2層で50GB)を備えており、ハイビジョン画質の映画コンテンツを蓄積することもできる。BDを用いた市販のまたはレンタル用のソフトウェア製品(パッケージソフトウェア)は、製造過程で書込まれたデータに対して追記または書き換えができない読み出し専用メディアであるBD−ROM(Blu−ray Disc Read−Only−Memory)により提供されている。
【0004】
BD−ROMに関しては、HDMV(High Definition Movie)モードおよびBD−J(Blu−ray Disc Java)モードという二つの仕様が策定されている。
【0005】
HDMVモードは、従来のDVD−ROM(Digital Versatile Disc Read−Only−Memory)に対して、映像および音声のコーデック仕様が拡張されたものであり、高詳細映像および高品質音声が利用可能である。なお、コンテンツ仕様は、DVD−ROMと同様である。なお、以下の説明では、HDMVモードのタイトル(コンテンツ)を「HDMVタイトル」という。
【0006】
BD−Jモードは、HDMVモードに対して、Java(登録商標)アプリケーションによって、映像を重ね合わせるなどのビジュアル的な表現を追加することができる。なお、以下の説明では、BD−Jモードのタイトル(コンテンツ)を「BD−Jタイトル」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公平1−32226号公報
【特許文献2】特開2009−232123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、光ディスク再生装置は、光ディスク再生以外の機能を備えていることがある。例えば車載型の光ディスク再生装置は、ナビゲーション、ラジオ放送および地上デジタル放送といった様々な機能を備えていることがある。この場合、ユーザはモードの切替操作を行うことにより、所望の機能を光ディスク再生装置に実行させることができる。
【0009】
図1は、光ディスクが例えばDVD−ROMである場合における、光ディスク再生モードから他モード(例えば、地上デジタル放送視聴モード)への切替動作の例を示す。DVD−ROM再生中に他モードへの切替操作が行われたとき(ステップS10)、その時点の再生データの状態が不揮発性メモリに保存され(ステップS11)、光ディスク再生装置は省電力状態に移行する(ステップS12)。
【0010】
図2は、光ディスクが例えばDVD−ROMである場合における、他モードから光ディスク再生モードへの切替動作の例を示す。他モードから光ディスク再生モードに戻す操作が行われたとき(ステップS20)、光ディスク再生装置は通常動作状態に復帰し(ステップS21)、不揮発性メモリに保存されている再生データが展開される(ステップS22)。そうすることにより、光ディスク再生モードから他モードへの切替時点の状態と同じ状態からDVD−ROM再生を継続することができる(ステップS23)。これは一般に「レジューム再生」と呼ばれる。
【0011】
ここで、BD−ROMに対して上記動作を行うことについて検討する。
【0012】
HDMVモードは、DVD−ROMとコンテンツ仕様が同じである。このため、HDMVタイトルの場合は、上記のDVD−ROMの場合と同様に、レジューム再生を実現することができる。
【0013】
他方、BD−Jモードは、レジューム再生を実現するには大容量の不揮発性メモリが必要となるが、組込製品では不揮発性メモリの容量は制限される。よって、BD−Jタイトルの場合は、レジューム再生を行うことは困難である。このため、再生中のBD−Jタイトルが一旦停止された後にその再生再開がユーザ操作によって指示された場合、通常は、レジューム再生は行われず、先頭箇所から再生が開始される。この場合、ユーザは停止前と同じ箇所からタイトルを視聴するために早送りなどの操作を行わなければならない。
【0014】
光ディスク再生モードから他モードに切り替えた後に、その切替前と同じ箇所から再生を継続するために、再生中のメディアの一時停止を行う技術が、例えば特許文献1に記載されている。
【0015】
しかしながら、特許文献1はカセットテープを対象とした技術である。DVD−ROMおよびBD−ROMでは、コンテンツがユーザの一時停止操作を禁止している場合があるため、一時停止操作は必ずしも可能ではない。
【0016】
また、BD−Jタイトルのレジューム再生を行うために、コンテンツ制御プログラムの実行領域の内容を実行途中の状態のまま光メディア再生装置の主記憶装置に保持する技術が、例えば特許文献2に記載されている。
【0017】
しかしながら、BD−Jタイトルのコンテンツ制御プログラムはJava(登録商標)アプリケーションである。Java(登録商標)アプリケーションは複数のタスクが併存することが多い。よって、レジューム再生のためには、複数のタスクを一時停止することが求められる。
【0018】
ここで、Java(登録商標)アプリケーションのタスクは、相互参照を行うことにより他のタスクの状態を確認しながら動作していることがある。また、参照するタスクは一般に、参照されるタスクが一時停止になっていることを期待していない。よって、参照するタスクは、参照されるタスクが停止中であることに起因して、予期せぬ動作に陥る可能性がある。したがって、動作中の複数のタスクを同時に一時停止させる必要がある。ところが、動作中の複数のタスクを同時に一時停止させること自体、技術的に極めて困難である。すなわち、特許文献2記載の技術では、BD−Jタイトルのレジューム再生は実現困難である。
【0019】
なお、特許文献2では、コンテンツ制御プログラムの実行領域の内容を補助記憶装置にコピーする技術も記載されているが、コンテンツ制御プログラムの実行領域の内容は大容量であるため、補助記録装置を設けることによりコスト増大を伴うこととなる。
【0020】
本発明の目的は、光ディスク再生中に光ディスク再生モードから他モードへの切替があり、その後に光ディスク再生モードに戻ったときに、光ディスクに記録されたデータのコンテンツ仕様にかかわらずレジューム再生を実現することができる光ディスク再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の光ディスク再生装置は、光ディスクに記録されたデータの再生を行う光ディスク再生装置であって、データの再生中に前記光ディスク再生装置の動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられた場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、データの再生を一時停止する再生制御部を有し、前記再生制御部は、データの再生中に動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられたときに、データ内の再生中の箇所について、一時停止の可否の判定を行い、判定の結果に応じてデータの再生の一時停止を制御する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、光ディスク再生中に光ディスク再生モードから他モードへの切替があり、その後に光ディスク再生モードに戻ったときに、光ディスクに記録されたデータのコンテンツ仕様にかかわらずレジューム再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の光ディスク再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図2】従来の他モードから光ディスク再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図3】本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生装置のシステムとしての使用形態を説明するための図
【図4】本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図5】BD−ROMのファイル構成を説明するための図
【図6】図5に示すIndex.bdmvとタイトルとの関係を説明するための図
【図7】本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図8】図7に示す切替動作における一時停止可否判定を説明するための図
【図9】本発明の実施の形態1に係る他モードから光ディスク再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図10】本発明の実施の形態2に係る光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態2に係る光ディスク再生モードから他モードへの切替動作を説明するための図
【図12】本発明の実施の形態2に係る他モードから光ディスク再生モードへの切替動作を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生装置(以下「再生装置」と略記する)の、システムとしての使用形態を説明するための図である。
【0026】
再生装置100は、ディスクトレイ101を有し、ディスクトレイ101にBD−ROM10などの光ディスクを収容することができる。なお、本実施の形態では、BD−ROM10には、映画作品または音楽ライブ映像などのAV(Audio−Visual)コンテンツのデータが記録されているものとする。また、本実施の形態では、再生装置100により、BD−ROM10に記録されたデータから映像および音声を再生する場合を例にとって説明する。
【0027】
再生装置100は、カードスロット102を有し、カードスロット102にリムーバブルメディア11を収容することができる。
【0028】
再生装置100は、モニタ13およびスピーカ14と通信可能に接続されている。なお、接続形態は有線であっても無線であってもよい。また、図3に示す使用形態では、モニタ13の数もスピーカ14の数も1つであるが、複数存在してもよい。
【0029】
モニタ13は、映像を表示する装置である。再生装置100により再生される映像はモニタ13により出力される。モニタ13は、再生装置100からの操作メニュー用データに基づいて操作メニューを表示する機能も有する。よって、ユーザはモニタ13に表示された操作メニューを見ながら、再生装置100に設けられた操作ボタン(図示せず)あるいはリモコン15を用いて再生装置100を操作することができる。
【0030】
スピーカ14は、音声を出力する装置である。再生装置100により再生される音声はスピーカ14により出力される。
【0031】
再生装置100は、インターネットを介してWWW(World Wide Web)サーバ12と通信可能に接続されている。接続形態は有線であっても無線であってもよいが、例えば、再生装置100が車載環境で使用される場合には、接続形態は無線となる。
【0032】
図4は、再生装置100の構成を示すブロック図である。図4において、再生装置100は、ピックアップ111、サーボ112、ローカルストレージ113、ネットワークインターフェース114、信号処理部115、出力部116および入力信号受信部117を有する。信号処理部115は、再生制御部118および時間制御部119を有する。
【0033】
サーボ112は、ピックアップ111を制御する。具体的には、サーボ112は、ピックアップ111をBD−ROM10の半径方向において移動(シーク)させたり、あるいはBD−ROM10の軸方向において移動(フォーカス)させたりすることにより、ピックアップ111の位置を調整する装置である。
【0034】
ピックアップ111は、サーボ112の制御下でBD−ROM10からデータを取得し、取得されたデータを信号処理部115に送る。
【0035】
出力部116は、図3に示すモニタ13およびスピーカ14といった装置を含むものである。
【0036】
信号処理部115は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置にて所定のソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。信号処理部115は、ピックアップ111によりBD−ROM10から取得されたデータ(以下「BDデータ」ともいう)を処理する。ここで、BDデータの処理は主としてデコードであるが、信号処理部115は、BDデータに基づく映像に別の映像を重畳する映像処理などを行うこともできる。
【0037】
信号処理部115は、ローカルストレージ113に保存されているデータ、およびネットワークインターフェース114を介して外部(例えば図3のWWWサーバ12)からダウンロードされたデータも処理する。
【0038】
ここで、ローカルストレージ113のデータおよびネットワークインターフェース114を介して取得されるデータは主に、BDデータのアプリケーション(例えば、BD−Jタイトルの制御プログラムであるJava(登録商標)アプリケーション)である。ローカルストレージ113は、例えば図3に示すリムーバブルメディア11である。
【0039】
すなわち、信号処理部115は、上記処理において、コンテンツ制御プログラムを適宜使用してBDデータに基づくAVコンテンツを再生するように、構成されたものである。
【0040】
再生装置100の動作モードが光ディスク再生モード(以下「再生モード」と略記する)であるとき、信号処理部115は、BDデータに対して信号処理を施した結果として得られる映像信号および音声信号を、出力部116に送る。これにより、BD−ROM10に蓄積されているAVコンテンツを出力することができる。
【0041】
再生装置100の動作モードが他モードであるとき、信号処理部115は、入力信号受信部117を介して受信された入力信号に含まれる映像信号および音声信号を、出力部116に送る。これにより、他のソースからのAVコンテンツ(カーナビゲーション画像、地上デジタル放送およびラジオ放送など)を出力することができる。
【0042】
再生制御部118は、信号処理部115に含まれ、出力部116がどのように再生を行うかを制御する。
【0043】
時間制御部119は、信号処理部115に含まれ、ディスク再生装置100のシステム時間を参照したり変更したりする。時間制御部119は、システム時間を利用して出力部116に時間情報を提供する。また、時間制御部119は、Java(登録商標)アプリケーションからシステム時間の問い合わせを受けたときには、その時点のシステム時間をJava(登録商標)アプリケーションに通知する。
【0044】
以上、本実施の形態の再生装置100の構成について説明した。
【0045】
なお、再生装置100の構成は、適宜変更可能である。例えば、本実施の形態では、再生装置100が他モードであるとき、他のソースからの入力信号が再生装置100を経由して出力部116に供給されるような構成が採られている。しかし、再生装置100が他モードであるとき、他のソースからの入力信号が再生装置100を経由せずに出力部116に供給されるようにしてもよい。
【0046】
ここで、BD−ROM10のファイル構成について説明する。
【0047】
図5は、BD−ROM10のファイル構成を示す図である。BD−ROM10は、他種の光ディスク(DVDおよびCDなど)と同様に、その内周から外周に向けて螺旋状に記録領域を有し、内周部のリード・インと外周部のリード・アウトとの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有する。リード・インの内側にはBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる、ドライブでしか読み出せない特別な領域が設けられている。この領域は、アプリケーションから読み出すことができないため、一般に、例えば著作権保護技術などに利用されている。
【0048】
論理アドレス空間には、ファイルシステム情報(ボリューム)を先頭に映像データなどのアプリケーションデータが記録されている。ファイルシステムとは、ユニバーサルディスクフォーマット(UDF)およびISO(International Organization for Standardization)9660などのことである。よって、通常のPC(Personal Computer)と同様に、論理アドレス空間に記録されている論理データは、ディレクトリ・ファイル構造を使って読み出すことができる。このファイルシステムにおけるファイルの配置位置は、ディレクトリ名およびファイル名(一般に最大255文字)の組合せであるファイル経路情報(ファイルパス)によって特定される。
【0049】
本実施の形態の場合、BD−ROM10のディスク上のディレクトリ・ファイル構造では、ルートディレクトリ(ROOT)直下にBDMVディレクトリおよびbd.certファイルが配置されている。BDMVディレクトリは、BD−ROM10で扱うAVコンテンツおよび管理情報などのデータが記録されているディレクトリである。bd.cert(ファイル名固定)は、仮想パッケージのために追加されたコンテンツをBD−ROM10上のデータとマージする際に、署名検証に用いられる証明書である。
【0050】
BDMVディレクトリには、index.bdmvおよびMovieObject.bdmvといった2種類のファイルが配置されている。
【0051】
MovieObject.bdmvは、ムービーオブジェクト(Movie Object)を格納するファイルである。
【0052】
index.bdmv(ファイル名固定)は、BD−ROM10全体に関する管理情報を格納するファイルである。index.bdmvは、organizationID(32bit)およびdiscID(128bit)など、様々な情報を有する。organizationIDは、映画作品などのプロバイダを特定する識別子である。discIDは、映画作品などのプロバイダから提供されるBD−ROM10のそれぞれに割り当てられた識別子である。
【0053】
BD−ROM10を再生装置100に挿入した後に、index.bdmvを最初に読み出すことにより、再生装置100においてBD−ROM10を一意に認識することができる。
【0054】
加えて、index.bdmvには、BD−ROM10に記録されている再生可能な複数のタイトルと、個々のタイトルを規定するBD−Jオブジェクトとを対応付けて示すインデックステーブル(Index Table)が含まれる。index.bdmvとタイトルとの関係については後述する。
【0055】
BDMVディレクトリの配下には、PLAYLISTディレクトリ、CLIPINFディレクトリ、STREAMディレクトリ、BDJOディレクトリおよびJARディレクトリと呼ばれる5つのサブディレクトリが存在する。
【0056】
STREAMディレクトリには、拡張子m2tsが付与されたファイル(****.m2ts)が存在する。このファイルには、ビデオストリーム、オーディオストリームおよびグラフィックストリームを多重化してなるAVストリームが格納される。
【0057】
CLIPINFディレクトリには、拡張子clpiが付与されたファイル(****.clpi)が存在する。このファイルには、AVストリームに1対1に対応する管理情報が格納される。
【0058】
PLAYLISTディレクトリには、拡張子mplsが付与されたファイル(****.mpls)が存在する。このファイルには、AVストリームにおける論理的な再生経路を定義するプレイリスト情報が格納される。プレイリスト情報は、1つ以上のプレイアイテム情報により構成される。プレイアイテム情報は、AVストリームの再生区間を示すものであり、プレイリスト情報において、再生されるべき順序で記述されている。
【0059】
各プレイリスト情報は、ユーザ操作を制限する情報(ユーザ操作制限情報)を記述するフィールドを有する。あるプレイリスト情報において、早送り、停止または一時停止などのユーザ操作の禁止を指定するユーザ操作制限情報が記述されている場合、再生制御部118は通常、そのプレイリスト情報に対応する再生区間の再生途中では、禁止されたユーザ操作を受け付けないように、動作する。
【0060】
コンテンツによって一時停止操作が禁止される区間としては、光ディスク挿入後に再生されるファーストプレイバック、トップメニュー、およびトップメニューではないがユーザー選択が可能なボタン画面が表示されているメニュータイトルなどが、挙げられる。
【0061】
ファーストプレイバックとしては、他パッケージソフトウェアの紹介、映画の予告編、または音場再生技術のデモコンテンツなどがある。
【0062】
各プレイアイテム情報も、ユーザ操作制限情報を記述するフィールドを有する。あるプレイアイテム情報において、早送り、停止または一時停止などのユーザ操作の禁止を指定するユーザ操作制限情報が記述されている場合、再生制御部118は通常、そのプレイアイテム情報に対応する再生区間の再生途中では、禁止されたユーザ操作を受け付けないように、動作する。
【0063】
なお、あるプレイアイテム情報に対応する再生区間についてのユーザ操作の制限は、そのプレイアイテム情報に付随するユーザ操作制限情報と、そのプレイアイテム情報を含むプレイリスト情報に付随するユーザ操作制限情報との和演算により、定められる。
【0064】
また、プレイリスト情報において特定された参照先に記録されたデータ(例えば、ボタン画面を含むメニュータイトルのデータ)に、同様のユーザ操作制限情報が記述される場合もある。
【0065】
JARディレクトリには、拡張子jarが付与されたファイル(****.jar)が存在する。このファイルは、Java(登録商標)アーカイブファイルである。
【0066】
BDJOディレクトリには、拡張子bdjoが付与されたファイル(****.bdjo)が存在する。このファイルは、BD−Jオブジェクト(BD−J Object)を格納するファイルである。
【0067】
BD−Jオブジェクトは、プレイリスト情報により示されるAVストリームとアプリケーションとの対応付けにより、タイトルを定義する情報である。BD−Jオブジェクトは、「アプリケーション管理テーブル」と、定義対象のタイトルにおいて再生可能なプレイリスト情報の一覧とを示す。
【0068】
アプリケーション管理テーブル(AMT)とは、「アプリケーションシグナリング」を実現するテーブルである。「アプリケーションシグナリング」とは、BD−ROM10におけるタイトルをアプリケーションの生存区間として管理し、アプリケーションの起動および終了を司る制御をいう。ここで、生存区間とは、BD−ROM10に記録されたコンテンツ全体の時間軸において、仮想マシンのヒープメモリ上でアプリケーションが生存し得る区間を示す。また、「生存」とは、そのアプリケーションが、ヒープメモリに読み出されて、仮想マシンによる実行が可能になっている状態をいう。
【0069】
アプリケーション管理テーブルには、アプリケーションの識別子(アプリケーションID)、およびそのアプリケーションに属するJava(登録商標)アーカイブファイルのIDが羅列される。これにより、定義対象のタイトルを生存区間とするアプリケーションが示される。すなわち、1つのアプリケーションは、1つ以上のJava(登録商標)アーカイブファイルにより構成される。このようにBD−Jオブジェクト内のアプリケーション管理テーブルによりセクタが管理されるJava(登録商標)アプリケーションを、「BD−Jアプリケーション」と呼ぶ。
【0070】
図6は、index.bdmvファイルとタイトルとの関係を示す図である。
【0071】
タイトルとは、アプリケーションとAVストリームとを組にしてなる再生単位である。index.bdmvファイルには、BD−ROM10上のタイトル構成が記載されている。index.bdmvに含まれるインデックステーブル(Index Table)においては、BD−ROM10上の各タイトルと、対応するアプリケーションとの参照関係が管理されている。なお、対応するアプリケーションとは、BD−Jタイトルの場合はJava(登録商標)アプリケーションであり、HDMVタイトルの場合はシナリオプログラムである。
【0072】
特殊なタイトルとして、「First Playback」(ファーストプレイバック)と「Top Menu」(トップメニュー)とが存在する。ファーストプレイバックは、BD−ROM10の起動時に最初に自動的に再生されるタイトルである。ファーストプレイバックは主に、BDの利用規約表示などに用いられる。トップメニューは、リモコンのメニューキーを押したときおよびタイトル再生が終了したときに再生され、主にタイトルの選択および字幕/音声の言語選択を行うことに用いられる。
【0073】
なお、図6においては、ファーストプレイバックは、ムービーオブジェクト#1、#2、#3およびBD−Jオブジェクト#1、#2、#3のうち、ムービーオブジェクト#1により定義されるものである。ファーストプレイバックを再生するにはムービーオブジェクト#1を参照する必要がある。また、トップメニューは、BD−Jオブジェクト#1により定義されるものであり、トップメニューを再生するにはBD−Jオブジェクト#1を参照する必要がある。また、タイトル#1は、BD−Jオブジェクト#2により定義されるものであり、タイトル#1を再生するにはBD−Jオブジェクト#2を参照する必要がある。また、タイトル#nは、ムービーオブジェクト#3により定義されるものであり、タイトル#nを再生するにはムービーオブジェクト#3を参照する必要がある。
【0074】
次いで、上記構成を有する再生装置100において、動作モードが再生モードから他モードに切り替えられたときの動作について説明する。
【0075】
図7は、再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0076】
BDデータの再生中に、再生装置100の動作モードを再生モードから他モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS110)、再生制御部118は、再生中の箇所での一時停止が可能かどうかを判定する(ステップS111)。一時停止が可能となるまでこの判定は繰り返される。一時停止可能と判定された場合に、この処理はステップS112に進み、AVコンテンツの再生が自動的に一時停止される。
【0077】
ステップS111における一時停止可否判定は、前述のユーザ操作制限情報を参照することによって行われる。すなわち、一時停止の可否の判定に、既存のデータ項目であるユーザ操作制限情報を利用することができるため、一時停止の可否判定を容易に実現することができる。
【0078】
図7に示す動作、特に一時停止可否判定について、図8を用いて詳しく説明する。
【0079】
図8には、あるHDMVタイトルまたはBD−Jタイトルを定義するためのプレイリスト情報(PL)が示されている。このPLは、K個のプレイアイテム情報(PI)#1〜#Kを含む。なお、PLは一般に、1つ以上のPIからなるものであるため、Kは1以上の整数であればよいが、ここでは説明の便宜上、Kは十分に大きい整数とする。
【0080】
PLおよび各PIには、前述のとおりユーザ操作制限情報が付与されている。ユーザ操作制限情報は、様々な種類のユーザ操作を個別に制限し得るものであるが、この判定では、一時停止操作についての制限の有無にのみ注目する。すなわち、一時停止の可否は、PLおよび各PIにおいて、ユーザ操作制限情報による一時停止操作の禁止指定の有無に基づいて判定される。図8には、PLおよび各PIについて、一時停止操作の禁止指定の有無が示されている。この例では、PLおよび全PIのうち、PI#1、#kのみに一時停止操作の禁止指定があることが示されている(kは1からKまでの間の整数とする)。
【0081】
ここで、再生装置100の動作モードが再生モードであり、PI#1の再生区間から順に再生が行われていると仮定する。そして、PI#kの再生区間の再生中、タイミングT1の時点で、再生モードから他モードへの切替操作があったと仮定する。
【0082】
このとき、再生制御部118は、PI#kの再生区間に関連するユーザ操作制限情報として、PI#kに付随するユーザ操作制限情報とPLに付随するユーザ操作制限情報との双方を参照する。
【0083】
この例では、PI#kに一時停止の禁止指定がある。この場合、再生制御部118は、PI#kの再生区間の再生途中では一時停止を行わない。したがって、タイミングT1以降、少なくともPI#kの再生区間が終わるまでは、BD−Jタイトルの再生は引き続き行われるがBD−Jタイトルの映像および音声の出力は行われない状態となる。実際に出力される映像および音声は、他モードの入力信号に基づく映像および音声(例えば地上デジタル放送など)である。
【0084】
そして、再生制御部118は、PI#kの再生区間の再生終了時に(タイミングT2)、次の再生区間であるPI#k+1の再生区間に関連するユーザ操作制限情報を参照する。つまり、このとき参照されるユーザ操作制限情報は、PI#k+1に付随するユーザ操作制限情報およびPLに付随するユーザ操作制限情報である。
【0085】
この例では、PLもPI#k+1も一時停止の禁止指定がない。しかしながら、PI#k+1には参照先情報が記述されている。そして、この参照先情報により特定される参照先に記録されているデータ(この例では、メニュー画面データ)には、一時停止の禁止指定がある。
【0086】
この場合、再生制御部118は、PI#k+1の再生区間の再生途中でも、一時停止を行わない。すなわち、タイミングT2以降も引き続き、少なくともPI#k+1の再生区間が終わるまでは、BD−Jタイトルの再生は行われるがBD−Jタイトルの映像および音声の出力は行われない状態となる。実際に出力される映像および音声は、他モードの入力信号に基づく映像および音声(例えば地上デジタル放送など)である。
【0087】
そして、再生制御部118は、PI#k+1の再生区間の再生終了時に(タイミングT3)、次の再生区間であるPI#k+2の再生区間に関連するユーザ操作制限情報を参照する。つまり、このとき参照されるユーザ操作制限情報は、PI#k+2に付随するユーザ操作制限情報およびPLに付随するユーザ操作制限情報である。
【0088】
この例では、PLもPI#k+2も一時停止の禁止指定がない。しかも、PI#k+2には一時停止操作の禁止を指定するデータに関する参照先情報もない。この場合、再生制御部118は、タイミングT3の時点で、BD−Jタイトルの再生を一時停止する。
【0089】
このように、3種類のユーザ操作制限情報を参照して、いずれかのユーザ操作制限情報に一時停止操作の禁止指定があった場合には、自動的な一時停止は行われない。そして、いずれのユーザ操作制限情報にも一時停止操作の禁止指定がない場合に、自動的な一時停止が行われる。よって、通常は一時停止されることのない再生区間での一時停止を回避することができる。
【0090】
ここで説明するPI#k+1の参照先情報はHDMVタイトルで存在するものであって、BD−Jタイトルでは存在しない。そのため、BD−JタイトルではPLとPIの2種類のユーザ操作制限情報を参照すればよい。
【0091】
なお、図8に示す例では、再生区間が次のものに遷移するたびに一時停止可否判定を行っている。しかし、一時停止可否判定を行うタイミングは上記のものだけに限られない。例えば、図8の例において、タイミングT1の時点で、PI#k+1、#k+2に付随するユーザ操作制限情報を併せて参照してもよい。
【0092】
また、図8に示す例では、PI#kの再生区間の再生中に動作モードの切替があった場合には、PI#kの再生区間についての一時停止可否判定を最初に行っている。ただし、判定の対象箇所は、必ずしも再生中の再生区間と同一でなくてもよい。例えば、PI#kの再生区間の再生が終了直前である場合には、PI#kの再生区間についての一時停止可否判定をスキップして、PI#k+1の再生区間についての一時停止可否判定を最初に行うようにしてもよい。
【0093】
また、当然ながら、一時停止可否判定中に、動作モードが他モードから再生モードに戻った場合には、一時停止可否判定を中止してAVコンテンツ再生の自動一時停止を行わないようにすることが好ましい。
【0094】
また、トップメニューあるいはメニューのようなタイトルは、繰り返し再生されるように定義されることがある。このような場合は、その定義に従ってタイトルを繰り返す再生することが好ましい。ただし、繰り返し再生されるように定義されたタイトルであっても、一定時間再生を継続すると自動的に他のタイトルに遷移する定義がなされている場合もある。このような場合には、遷移先のタイトルにおいて上記の一時停止可否判定を行うことが好ましい。
【0095】
図9は、他モードから再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0096】
再生装置100の動作モードを他モードから再生モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS120)、再生制御部118は、AVコンテンツの再生状態を確認する(ステップS121)。一時停止状態でなければ(S121:NO)、再生制御部118は、AVコンテンツの再生状態をそのまま継続させる。一時停止状態であれば(S121:YES)、再生制御部118は、AVコンテンツの再生、より具体的には図7のステップS112にて一時停止された映像および音声の出力が再開されるように、制御する(ステップS122)。
【0097】
このように、再生モードへの復帰時に、AVコンテンツ再生が一時停止状態か否かの判定を行うため、図8に示すように事前にAVコンテンツ再生が自動的に一時停止されても、再生を再開することができる。
【0098】
なお、再生を自動で一時停止した場合にのみ再生を自動再開させる一方で、再生をユーザの一時停止操作により手動で一時停止した場合には再生を自動再開させないようにしてもよい。
【0099】
以上のように、本実施の形態によれば、BD−Jタイトルの再生中に動作モードが再生モードから他モードに切り替えられたときに、再生中の再生区間について、一時停止の可否の判定を行う。そして、判定の結果に応じてBD−Jタイトルの再生の一時停止を制御する。よって、再生中の再生区間が一時停止可能か否かに応じて、より具体的には再生中の再生区間について一時停止操作の禁止指定があるか否かに応じて、適切な手法で一時停止を行うことができる。よって、タイトルのコンテンツ仕様にかかわらずレジューム再生を実現することができる。
【0100】
本実施の形態では、再生中の再生区間に一時停止操作禁止の指定がない場合は、その時点で再生を一時停止し、再生中の再生区間に一時停止操作禁止の指定がある場合は、一時停止操作禁止の指定のない後続の再生区間の再生に入った時点で再生を一時停止する。このため、モード切替時点で再生中の再生区間において一時停止操作が禁止されていても、他モード実行中にタイトルの再生を適切に一時停止することができる。
【0101】
また、本実施の形態では、Java(登録商標)アプリケーションのタスクを一時停止させる処理を行わない。このため、タスクは主記憶装置で実行を継続する。したがって、Java(登録商標)アプリケーションが、予期せぬ動作に陥ることを回避することができる。
【0102】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について説明する。なお、以下の説明においては、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素に同一の参照番号を付与してその詳細な説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0103】
図10は、本実施の形態の再生装置の構成を示すブロック図である。
【0104】
図10において、再生装置200は、信号処理部115の代わりに信号処理部215を有する。信号処理部215は、再生制御部118の代わりに再生制御部218を有し、時間制御部119の代わりに時間制御部219を有する。
【0105】
再生制御部218および時間制御部219は、再生モードから他モードへの切替時および他モードから再生モードへの切替時の動作において、再生制御部118および時間制御部119と相違する。
【0106】
以下、それぞれの動作について、具体的に説明する。
【0107】
図11は、再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0108】
BDデータの再生中に、再生装置200の動作モードを再生モードから他モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS210)、再生制御部218は、再生中の箇所での一時停止が可能かどうかを判定する(ステップS211)。一時停止可能であってもそうでなくても、再生制御部218は再生中の箇所で再生を一時停止する(ステップS212、213)。そして、一時停止可能でない場合に限り、時間制御部219は、Java(登録商標)アプリケーションからの問い合わせに対する応答として通知するシステム時間を停止する(ステップS214)。
【0109】
ステップS211における一時停止可否判定は、実施の形態1と同様にユーザ操作制限情報を参照することによって行われる。すなわち、一時停止の可否の判定に、既存のデータ項目であるユーザ操作制限情報を利用することができるため、一時停止の可否判定を容易に実現することができる。この点では、ステップS211の一時停止可否判定は、実施の形態1と同様である。
【0110】
ただし、実施の形態1では、一時停止が可能となるまで判定が繰り返されるのに対し、本実施の形態では、判定は繰り返されない。すなわち、本実施の形態では、例えば図8に示す例のように、タイミングT1の時点でモード切替があった場合、PI#kに関連するユーザ操作制限情報の参照を行うが、次のまたはそれ以降の再生区間に関連するユーザ操作制限情報の参照を行うことはない。
【0111】
したがって、本実施の形態は、図8に示す例において、仮にPI#kの再生区間について一時停止操作の禁止指定がなかった場合には即座に再生が一時停止される点では、実施の形態1と同様である。
【0112】
しかし、図8に示す例において実際には、PI#kの再生区間について一時停止操作の禁止指定がある。本実施の形態では、PI#kの再生区間について一時停止操作の禁止指定があるにもかかわらず、再生制御部218は、PI#kの再生区間の再生途中で再生を一時停止する。すなわち、本実施の形態では、判定の結果にかかわらず、再生中の再生区間の再生途中で、一時停止を行う。このため、モード切替とほぼ同時にBD−Jタイトルの再生は一時停止される。
【0113】
このとき、Java(登録商標)アプリケーションのタスクを一時停止させる処理を行わない。このため、タスクは主記憶装置で実行を継続する。結果として、BD−Jタイトルの再生が一時停止しているにもかかわらずシステム時間が経過する状況となる。この様な状況下でJava(登録商標)アプリケーションのタスクに時々刻々と変化するシステム時間が通知されると、Java(登録商標)アプリケーションが、予期せぬ動作に陥る可能性がある。
【0114】
そこで、本実施の形態では、時間制御部219は、ある再生区間について一時停止操作の禁止指定があるにもかかわらずその再生区間の再生途中で一時停止を行った場合には、Java(登録商標)アプリケーションに通知するシステム時間を停止させる。
【0115】
システム時間の停止方法としては、再生装置200のシステム時間そのものを停止させる方法が考えられる。ただし、この方法の場合、タイマー録画などの他の機能への影響があり、ユーザにとって不都合が生じる可能性がある。よって、好ましくは、再生を一時停止する直前のシステム時間を記録媒体に記録しておく。つまり、記録されるシステム時間は固定の時間である。そして、Java(登録商標)アプリケーションから問い合わせを受けた場合には、記録された固定の時間を通知する。
【0116】
したがって、Java(登録商標)アプリケーションが、予期せぬ動作に陥ることを、回避することができる。
【0117】
図12は、他モードから再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0118】
再生装置200の動作モードを他モードから再生モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS220)、時間制御部219は、前述のように停止させた、Java(登録商標)アプリケーションに通知するシステム時間をリアルタイムに復帰させる(ステップS221)。すなわち、他モードの期間中、記録媒体に記録された時間を通知していた場合には、再生モードへの復帰後、再生装置200における実際のシステム時間を通知する通常の動作に戻す。
【0119】
そして、再生制御部218は、一時停止中のBD−Jタイトルの再生を再開する(ステップS222)。
【0120】
このようにして、本実施の形態では、あたかもレジューム再生を行っているように振る舞うことができる。
【0121】
なお、当然ながら、再生モードへの復帰時に、Java(登録商標)アプリケーションに通知するシステム時間が停止されていなければステップS221を行う必要はなく、AVコンテンツ再生が一時停止されていなければステップS222を行う必要もない。
【0122】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、各実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するなど、種々変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の光ディスク再生装置は、BD−ROMディスクなどの記録媒体に記録されたデータを再生する光ディスク再生装置として有用である。
【符号の説明】
【0124】
100、200 再生装置
111 ピックアップ
112 サーボ
115、215 信号処理部
116 出力部
117 入力信号受信部
118、218 再生制御部
119、219 時間制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、BD−ROMなどの記録媒体に記録されたデータを再生する光ディスク再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高画質および高音質で高度なインタラクティブ機能を有する情報を記録した大容量の光ディスクを再生する光ディスク再生装置が普及している。
【0003】
上記のような大容量の光ディスクの代表的なものとして、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc(登録商標))(以下「BD」と略記する)がある。BDは、膨大なデータ容量(単層で25ギガバイト(GB)、2層で50GB)を備えており、ハイビジョン画質の映画コンテンツを蓄積することもできる。BDを用いた市販のまたはレンタル用のソフトウェア製品(パッケージソフトウェア)は、製造過程で書込まれたデータに対して追記または書き換えができない読み出し専用メディアであるBD−ROM(Blu−ray Disc Read−Only−Memory)により提供されている。
【0004】
BD−ROMに関しては、HDMV(High Definition Movie)モードおよびBD−J(Blu−ray Disc Java)モードという二つの仕様が策定されている。
【0005】
HDMVモードは、従来のDVD−ROM(Digital Versatile Disc Read−Only−Memory)に対して、映像および音声のコーデック仕様が拡張されたものであり、高詳細映像および高品質音声が利用可能である。なお、コンテンツ仕様は、DVD−ROMと同様である。なお、以下の説明では、HDMVモードのタイトル(コンテンツ)を「HDMVタイトル」という。
【0006】
BD−Jモードは、HDMVモードに対して、Java(登録商標)アプリケーションによって、映像を重ね合わせるなどのビジュアル的な表現を追加することができる。なお、以下の説明では、BD−Jモードのタイトル(コンテンツ)を「BD−Jタイトル」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公平1−32226号公報
【特許文献2】特開2009−232123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、光ディスク再生装置は、光ディスク再生以外の機能を備えていることがある。例えば車載型の光ディスク再生装置は、ナビゲーション、ラジオ放送および地上デジタル放送といった様々な機能を備えていることがある。この場合、ユーザはモードの切替操作を行うことにより、所望の機能を光ディスク再生装置に実行させることができる。
【0009】
図1は、光ディスクが例えばDVD−ROMである場合における、光ディスク再生モードから他モード(例えば、地上デジタル放送視聴モード)への切替動作の例を示す。DVD−ROM再生中に他モードへの切替操作が行われたとき(ステップS10)、その時点の再生データの状態が不揮発性メモリに保存され(ステップS11)、光ディスク再生装置は省電力状態に移行する(ステップS12)。
【0010】
図2は、光ディスクが例えばDVD−ROMである場合における、他モードから光ディスク再生モードへの切替動作の例を示す。他モードから光ディスク再生モードに戻す操作が行われたとき(ステップS20)、光ディスク再生装置は通常動作状態に復帰し(ステップS21)、不揮発性メモリに保存されている再生データが展開される(ステップS22)。そうすることにより、光ディスク再生モードから他モードへの切替時点の状態と同じ状態からDVD−ROM再生を継続することができる(ステップS23)。これは一般に「レジューム再生」と呼ばれる。
【0011】
ここで、BD−ROMに対して上記動作を行うことについて検討する。
【0012】
HDMVモードは、DVD−ROMとコンテンツ仕様が同じである。このため、HDMVタイトルの場合は、上記のDVD−ROMの場合と同様に、レジューム再生を実現することができる。
【0013】
他方、BD−Jモードは、レジューム再生を実現するには大容量の不揮発性メモリが必要となるが、組込製品では不揮発性メモリの容量は制限される。よって、BD−Jタイトルの場合は、レジューム再生を行うことは困難である。このため、再生中のBD−Jタイトルが一旦停止された後にその再生再開がユーザ操作によって指示された場合、通常は、レジューム再生は行われず、先頭箇所から再生が開始される。この場合、ユーザは停止前と同じ箇所からタイトルを視聴するために早送りなどの操作を行わなければならない。
【0014】
光ディスク再生モードから他モードに切り替えた後に、その切替前と同じ箇所から再生を継続するために、再生中のメディアの一時停止を行う技術が、例えば特許文献1に記載されている。
【0015】
しかしながら、特許文献1はカセットテープを対象とした技術である。DVD−ROMおよびBD−ROMでは、コンテンツがユーザの一時停止操作を禁止している場合があるため、一時停止操作は必ずしも可能ではない。
【0016】
また、BD−Jタイトルのレジューム再生を行うために、コンテンツ制御プログラムの実行領域の内容を実行途中の状態のまま光メディア再生装置の主記憶装置に保持する技術が、例えば特許文献2に記載されている。
【0017】
しかしながら、BD−Jタイトルのコンテンツ制御プログラムはJava(登録商標)アプリケーションである。Java(登録商標)アプリケーションは複数のタスクが併存することが多い。よって、レジューム再生のためには、複数のタスクを一時停止することが求められる。
【0018】
ここで、Java(登録商標)アプリケーションのタスクは、相互参照を行うことにより他のタスクの状態を確認しながら動作していることがある。また、参照するタスクは一般に、参照されるタスクが一時停止になっていることを期待していない。よって、参照するタスクは、参照されるタスクが停止中であることに起因して、予期せぬ動作に陥る可能性がある。したがって、動作中の複数のタスクを同時に一時停止させる必要がある。ところが、動作中の複数のタスクを同時に一時停止させること自体、技術的に極めて困難である。すなわち、特許文献2記載の技術では、BD−Jタイトルのレジューム再生は実現困難である。
【0019】
なお、特許文献2では、コンテンツ制御プログラムの実行領域の内容を補助記憶装置にコピーする技術も記載されているが、コンテンツ制御プログラムの実行領域の内容は大容量であるため、補助記録装置を設けることによりコスト増大を伴うこととなる。
【0020】
本発明の目的は、光ディスク再生中に光ディスク再生モードから他モードへの切替があり、その後に光ディスク再生モードに戻ったときに、光ディスクに記録されたデータのコンテンツ仕様にかかわらずレジューム再生を実現することができる光ディスク再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の光ディスク再生装置は、光ディスクに記録されたデータの再生を行う光ディスク再生装置であって、データの再生中に前記光ディスク再生装置の動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられた場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、データの再生を一時停止する再生制御部を有し、前記再生制御部は、データの再生中に動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられたときに、データ内の再生中の箇所について、一時停止の可否の判定を行い、判定の結果に応じてデータの再生の一時停止を制御する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、光ディスク再生中に光ディスク再生モードから他モードへの切替があり、その後に光ディスク再生モードに戻ったときに、光ディスクに記録されたデータのコンテンツ仕様にかかわらずレジューム再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の光ディスク再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図2】従来の他モードから光ディスク再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図3】本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生装置のシステムとしての使用形態を説明するための図
【図4】本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図5】BD−ROMのファイル構成を説明するための図
【図6】図5に示すIndex.bdmvとタイトルとの関係を説明するための図
【図7】本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図8】図7に示す切替動作における一時停止可否判定を説明するための図
【図9】本発明の実施の形態1に係る他モードから光ディスク再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図
【図10】本発明の実施の形態2に係る光ディスク再生装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態2に係る光ディスク再生モードから他モードへの切替動作を説明するための図
【図12】本発明の実施の形態2に係る他モードから光ディスク再生モードへの切替動作を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る光ディスク再生装置(以下「再生装置」と略記する)の、システムとしての使用形態を説明するための図である。
【0026】
再生装置100は、ディスクトレイ101を有し、ディスクトレイ101にBD−ROM10などの光ディスクを収容することができる。なお、本実施の形態では、BD−ROM10には、映画作品または音楽ライブ映像などのAV(Audio−Visual)コンテンツのデータが記録されているものとする。また、本実施の形態では、再生装置100により、BD−ROM10に記録されたデータから映像および音声を再生する場合を例にとって説明する。
【0027】
再生装置100は、カードスロット102を有し、カードスロット102にリムーバブルメディア11を収容することができる。
【0028】
再生装置100は、モニタ13およびスピーカ14と通信可能に接続されている。なお、接続形態は有線であっても無線であってもよい。また、図3に示す使用形態では、モニタ13の数もスピーカ14の数も1つであるが、複数存在してもよい。
【0029】
モニタ13は、映像を表示する装置である。再生装置100により再生される映像はモニタ13により出力される。モニタ13は、再生装置100からの操作メニュー用データに基づいて操作メニューを表示する機能も有する。よって、ユーザはモニタ13に表示された操作メニューを見ながら、再生装置100に設けられた操作ボタン(図示せず)あるいはリモコン15を用いて再生装置100を操作することができる。
【0030】
スピーカ14は、音声を出力する装置である。再生装置100により再生される音声はスピーカ14により出力される。
【0031】
再生装置100は、インターネットを介してWWW(World Wide Web)サーバ12と通信可能に接続されている。接続形態は有線であっても無線であってもよいが、例えば、再生装置100が車載環境で使用される場合には、接続形態は無線となる。
【0032】
図4は、再生装置100の構成を示すブロック図である。図4において、再生装置100は、ピックアップ111、サーボ112、ローカルストレージ113、ネットワークインターフェース114、信号処理部115、出力部116および入力信号受信部117を有する。信号処理部115は、再生制御部118および時間制御部119を有する。
【0033】
サーボ112は、ピックアップ111を制御する。具体的には、サーボ112は、ピックアップ111をBD−ROM10の半径方向において移動(シーク)させたり、あるいはBD−ROM10の軸方向において移動(フォーカス)させたりすることにより、ピックアップ111の位置を調整する装置である。
【0034】
ピックアップ111は、サーボ112の制御下でBD−ROM10からデータを取得し、取得されたデータを信号処理部115に送る。
【0035】
出力部116は、図3に示すモニタ13およびスピーカ14といった装置を含むものである。
【0036】
信号処理部115は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置にて所定のソフトウェアプログラムを実行することにより実現される。信号処理部115は、ピックアップ111によりBD−ROM10から取得されたデータ(以下「BDデータ」ともいう)を処理する。ここで、BDデータの処理は主としてデコードであるが、信号処理部115は、BDデータに基づく映像に別の映像を重畳する映像処理などを行うこともできる。
【0037】
信号処理部115は、ローカルストレージ113に保存されているデータ、およびネットワークインターフェース114を介して外部(例えば図3のWWWサーバ12)からダウンロードされたデータも処理する。
【0038】
ここで、ローカルストレージ113のデータおよびネットワークインターフェース114を介して取得されるデータは主に、BDデータのアプリケーション(例えば、BD−Jタイトルの制御プログラムであるJava(登録商標)アプリケーション)である。ローカルストレージ113は、例えば図3に示すリムーバブルメディア11である。
【0039】
すなわち、信号処理部115は、上記処理において、コンテンツ制御プログラムを適宜使用してBDデータに基づくAVコンテンツを再生するように、構成されたものである。
【0040】
再生装置100の動作モードが光ディスク再生モード(以下「再生モード」と略記する)であるとき、信号処理部115は、BDデータに対して信号処理を施した結果として得られる映像信号および音声信号を、出力部116に送る。これにより、BD−ROM10に蓄積されているAVコンテンツを出力することができる。
【0041】
再生装置100の動作モードが他モードであるとき、信号処理部115は、入力信号受信部117を介して受信された入力信号に含まれる映像信号および音声信号を、出力部116に送る。これにより、他のソースからのAVコンテンツ(カーナビゲーション画像、地上デジタル放送およびラジオ放送など)を出力することができる。
【0042】
再生制御部118は、信号処理部115に含まれ、出力部116がどのように再生を行うかを制御する。
【0043】
時間制御部119は、信号処理部115に含まれ、ディスク再生装置100のシステム時間を参照したり変更したりする。時間制御部119は、システム時間を利用して出力部116に時間情報を提供する。また、時間制御部119は、Java(登録商標)アプリケーションからシステム時間の問い合わせを受けたときには、その時点のシステム時間をJava(登録商標)アプリケーションに通知する。
【0044】
以上、本実施の形態の再生装置100の構成について説明した。
【0045】
なお、再生装置100の構成は、適宜変更可能である。例えば、本実施の形態では、再生装置100が他モードであるとき、他のソースからの入力信号が再生装置100を経由して出力部116に供給されるような構成が採られている。しかし、再生装置100が他モードであるとき、他のソースからの入力信号が再生装置100を経由せずに出力部116に供給されるようにしてもよい。
【0046】
ここで、BD−ROM10のファイル構成について説明する。
【0047】
図5は、BD−ROM10のファイル構成を示す図である。BD−ROM10は、他種の光ディスク(DVDおよびCDなど)と同様に、その内周から外周に向けて螺旋状に記録領域を有し、内周部のリード・インと外周部のリード・アウトとの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有する。リード・インの内側にはBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれる、ドライブでしか読み出せない特別な領域が設けられている。この領域は、アプリケーションから読み出すことができないため、一般に、例えば著作権保護技術などに利用されている。
【0048】
論理アドレス空間には、ファイルシステム情報(ボリューム)を先頭に映像データなどのアプリケーションデータが記録されている。ファイルシステムとは、ユニバーサルディスクフォーマット(UDF)およびISO(International Organization for Standardization)9660などのことである。よって、通常のPC(Personal Computer)と同様に、論理アドレス空間に記録されている論理データは、ディレクトリ・ファイル構造を使って読み出すことができる。このファイルシステムにおけるファイルの配置位置は、ディレクトリ名およびファイル名(一般に最大255文字)の組合せであるファイル経路情報(ファイルパス)によって特定される。
【0049】
本実施の形態の場合、BD−ROM10のディスク上のディレクトリ・ファイル構造では、ルートディレクトリ(ROOT)直下にBDMVディレクトリおよびbd.certファイルが配置されている。BDMVディレクトリは、BD−ROM10で扱うAVコンテンツおよび管理情報などのデータが記録されているディレクトリである。bd.cert(ファイル名固定)は、仮想パッケージのために追加されたコンテンツをBD−ROM10上のデータとマージする際に、署名検証に用いられる証明書である。
【0050】
BDMVディレクトリには、index.bdmvおよびMovieObject.bdmvといった2種類のファイルが配置されている。
【0051】
MovieObject.bdmvは、ムービーオブジェクト(Movie Object)を格納するファイルである。
【0052】
index.bdmv(ファイル名固定)は、BD−ROM10全体に関する管理情報を格納するファイルである。index.bdmvは、organizationID(32bit)およびdiscID(128bit)など、様々な情報を有する。organizationIDは、映画作品などのプロバイダを特定する識別子である。discIDは、映画作品などのプロバイダから提供されるBD−ROM10のそれぞれに割り当てられた識別子である。
【0053】
BD−ROM10を再生装置100に挿入した後に、index.bdmvを最初に読み出すことにより、再生装置100においてBD−ROM10を一意に認識することができる。
【0054】
加えて、index.bdmvには、BD−ROM10に記録されている再生可能な複数のタイトルと、個々のタイトルを規定するBD−Jオブジェクトとを対応付けて示すインデックステーブル(Index Table)が含まれる。index.bdmvとタイトルとの関係については後述する。
【0055】
BDMVディレクトリの配下には、PLAYLISTディレクトリ、CLIPINFディレクトリ、STREAMディレクトリ、BDJOディレクトリおよびJARディレクトリと呼ばれる5つのサブディレクトリが存在する。
【0056】
STREAMディレクトリには、拡張子m2tsが付与されたファイル(****.m2ts)が存在する。このファイルには、ビデオストリーム、オーディオストリームおよびグラフィックストリームを多重化してなるAVストリームが格納される。
【0057】
CLIPINFディレクトリには、拡張子clpiが付与されたファイル(****.clpi)が存在する。このファイルには、AVストリームに1対1に対応する管理情報が格納される。
【0058】
PLAYLISTディレクトリには、拡張子mplsが付与されたファイル(****.mpls)が存在する。このファイルには、AVストリームにおける論理的な再生経路を定義するプレイリスト情報が格納される。プレイリスト情報は、1つ以上のプレイアイテム情報により構成される。プレイアイテム情報は、AVストリームの再生区間を示すものであり、プレイリスト情報において、再生されるべき順序で記述されている。
【0059】
各プレイリスト情報は、ユーザ操作を制限する情報(ユーザ操作制限情報)を記述するフィールドを有する。あるプレイリスト情報において、早送り、停止または一時停止などのユーザ操作の禁止を指定するユーザ操作制限情報が記述されている場合、再生制御部118は通常、そのプレイリスト情報に対応する再生区間の再生途中では、禁止されたユーザ操作を受け付けないように、動作する。
【0060】
コンテンツによって一時停止操作が禁止される区間としては、光ディスク挿入後に再生されるファーストプレイバック、トップメニュー、およびトップメニューではないがユーザー選択が可能なボタン画面が表示されているメニュータイトルなどが、挙げられる。
【0061】
ファーストプレイバックとしては、他パッケージソフトウェアの紹介、映画の予告編、または音場再生技術のデモコンテンツなどがある。
【0062】
各プレイアイテム情報も、ユーザ操作制限情報を記述するフィールドを有する。あるプレイアイテム情報において、早送り、停止または一時停止などのユーザ操作の禁止を指定するユーザ操作制限情報が記述されている場合、再生制御部118は通常、そのプレイアイテム情報に対応する再生区間の再生途中では、禁止されたユーザ操作を受け付けないように、動作する。
【0063】
なお、あるプレイアイテム情報に対応する再生区間についてのユーザ操作の制限は、そのプレイアイテム情報に付随するユーザ操作制限情報と、そのプレイアイテム情報を含むプレイリスト情報に付随するユーザ操作制限情報との和演算により、定められる。
【0064】
また、プレイリスト情報において特定された参照先に記録されたデータ(例えば、ボタン画面を含むメニュータイトルのデータ)に、同様のユーザ操作制限情報が記述される場合もある。
【0065】
JARディレクトリには、拡張子jarが付与されたファイル(****.jar)が存在する。このファイルは、Java(登録商標)アーカイブファイルである。
【0066】
BDJOディレクトリには、拡張子bdjoが付与されたファイル(****.bdjo)が存在する。このファイルは、BD−Jオブジェクト(BD−J Object)を格納するファイルである。
【0067】
BD−Jオブジェクトは、プレイリスト情報により示されるAVストリームとアプリケーションとの対応付けにより、タイトルを定義する情報である。BD−Jオブジェクトは、「アプリケーション管理テーブル」と、定義対象のタイトルにおいて再生可能なプレイリスト情報の一覧とを示す。
【0068】
アプリケーション管理テーブル(AMT)とは、「アプリケーションシグナリング」を実現するテーブルである。「アプリケーションシグナリング」とは、BD−ROM10におけるタイトルをアプリケーションの生存区間として管理し、アプリケーションの起動および終了を司る制御をいう。ここで、生存区間とは、BD−ROM10に記録されたコンテンツ全体の時間軸において、仮想マシンのヒープメモリ上でアプリケーションが生存し得る区間を示す。また、「生存」とは、そのアプリケーションが、ヒープメモリに読み出されて、仮想マシンによる実行が可能になっている状態をいう。
【0069】
アプリケーション管理テーブルには、アプリケーションの識別子(アプリケーションID)、およびそのアプリケーションに属するJava(登録商標)アーカイブファイルのIDが羅列される。これにより、定義対象のタイトルを生存区間とするアプリケーションが示される。すなわち、1つのアプリケーションは、1つ以上のJava(登録商標)アーカイブファイルにより構成される。このようにBD−Jオブジェクト内のアプリケーション管理テーブルによりセクタが管理されるJava(登録商標)アプリケーションを、「BD−Jアプリケーション」と呼ぶ。
【0070】
図6は、index.bdmvファイルとタイトルとの関係を示す図である。
【0071】
タイトルとは、アプリケーションとAVストリームとを組にしてなる再生単位である。index.bdmvファイルには、BD−ROM10上のタイトル構成が記載されている。index.bdmvに含まれるインデックステーブル(Index Table)においては、BD−ROM10上の各タイトルと、対応するアプリケーションとの参照関係が管理されている。なお、対応するアプリケーションとは、BD−Jタイトルの場合はJava(登録商標)アプリケーションであり、HDMVタイトルの場合はシナリオプログラムである。
【0072】
特殊なタイトルとして、「First Playback」(ファーストプレイバック)と「Top Menu」(トップメニュー)とが存在する。ファーストプレイバックは、BD−ROM10の起動時に最初に自動的に再生されるタイトルである。ファーストプレイバックは主に、BDの利用規約表示などに用いられる。トップメニューは、リモコンのメニューキーを押したときおよびタイトル再生が終了したときに再生され、主にタイトルの選択および字幕/音声の言語選択を行うことに用いられる。
【0073】
なお、図6においては、ファーストプレイバックは、ムービーオブジェクト#1、#2、#3およびBD−Jオブジェクト#1、#2、#3のうち、ムービーオブジェクト#1により定義されるものである。ファーストプレイバックを再生するにはムービーオブジェクト#1を参照する必要がある。また、トップメニューは、BD−Jオブジェクト#1により定義されるものであり、トップメニューを再生するにはBD−Jオブジェクト#1を参照する必要がある。また、タイトル#1は、BD−Jオブジェクト#2により定義されるものであり、タイトル#1を再生するにはBD−Jオブジェクト#2を参照する必要がある。また、タイトル#nは、ムービーオブジェクト#3により定義されるものであり、タイトル#nを再生するにはムービーオブジェクト#3を参照する必要がある。
【0074】
次いで、上記構成を有する再生装置100において、動作モードが再生モードから他モードに切り替えられたときの動作について説明する。
【0075】
図7は、再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0076】
BDデータの再生中に、再生装置100の動作モードを再生モードから他モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS110)、再生制御部118は、再生中の箇所での一時停止が可能かどうかを判定する(ステップS111)。一時停止が可能となるまでこの判定は繰り返される。一時停止可能と判定された場合に、この処理はステップS112に進み、AVコンテンツの再生が自動的に一時停止される。
【0077】
ステップS111における一時停止可否判定は、前述のユーザ操作制限情報を参照することによって行われる。すなわち、一時停止の可否の判定に、既存のデータ項目であるユーザ操作制限情報を利用することができるため、一時停止の可否判定を容易に実現することができる。
【0078】
図7に示す動作、特に一時停止可否判定について、図8を用いて詳しく説明する。
【0079】
図8には、あるHDMVタイトルまたはBD−Jタイトルを定義するためのプレイリスト情報(PL)が示されている。このPLは、K個のプレイアイテム情報(PI)#1〜#Kを含む。なお、PLは一般に、1つ以上のPIからなるものであるため、Kは1以上の整数であればよいが、ここでは説明の便宜上、Kは十分に大きい整数とする。
【0080】
PLおよび各PIには、前述のとおりユーザ操作制限情報が付与されている。ユーザ操作制限情報は、様々な種類のユーザ操作を個別に制限し得るものであるが、この判定では、一時停止操作についての制限の有無にのみ注目する。すなわち、一時停止の可否は、PLおよび各PIにおいて、ユーザ操作制限情報による一時停止操作の禁止指定の有無に基づいて判定される。図8には、PLおよび各PIについて、一時停止操作の禁止指定の有無が示されている。この例では、PLおよび全PIのうち、PI#1、#kのみに一時停止操作の禁止指定があることが示されている(kは1からKまでの間の整数とする)。
【0081】
ここで、再生装置100の動作モードが再生モードであり、PI#1の再生区間から順に再生が行われていると仮定する。そして、PI#kの再生区間の再生中、タイミングT1の時点で、再生モードから他モードへの切替操作があったと仮定する。
【0082】
このとき、再生制御部118は、PI#kの再生区間に関連するユーザ操作制限情報として、PI#kに付随するユーザ操作制限情報とPLに付随するユーザ操作制限情報との双方を参照する。
【0083】
この例では、PI#kに一時停止の禁止指定がある。この場合、再生制御部118は、PI#kの再生区間の再生途中では一時停止を行わない。したがって、タイミングT1以降、少なくともPI#kの再生区間が終わるまでは、BD−Jタイトルの再生は引き続き行われるがBD−Jタイトルの映像および音声の出力は行われない状態となる。実際に出力される映像および音声は、他モードの入力信号に基づく映像および音声(例えば地上デジタル放送など)である。
【0084】
そして、再生制御部118は、PI#kの再生区間の再生終了時に(タイミングT2)、次の再生区間であるPI#k+1の再生区間に関連するユーザ操作制限情報を参照する。つまり、このとき参照されるユーザ操作制限情報は、PI#k+1に付随するユーザ操作制限情報およびPLに付随するユーザ操作制限情報である。
【0085】
この例では、PLもPI#k+1も一時停止の禁止指定がない。しかしながら、PI#k+1には参照先情報が記述されている。そして、この参照先情報により特定される参照先に記録されているデータ(この例では、メニュー画面データ)には、一時停止の禁止指定がある。
【0086】
この場合、再生制御部118は、PI#k+1の再生区間の再生途中でも、一時停止を行わない。すなわち、タイミングT2以降も引き続き、少なくともPI#k+1の再生区間が終わるまでは、BD−Jタイトルの再生は行われるがBD−Jタイトルの映像および音声の出力は行われない状態となる。実際に出力される映像および音声は、他モードの入力信号に基づく映像および音声(例えば地上デジタル放送など)である。
【0087】
そして、再生制御部118は、PI#k+1の再生区間の再生終了時に(タイミングT3)、次の再生区間であるPI#k+2の再生区間に関連するユーザ操作制限情報を参照する。つまり、このとき参照されるユーザ操作制限情報は、PI#k+2に付随するユーザ操作制限情報およびPLに付随するユーザ操作制限情報である。
【0088】
この例では、PLもPI#k+2も一時停止の禁止指定がない。しかも、PI#k+2には一時停止操作の禁止を指定するデータに関する参照先情報もない。この場合、再生制御部118は、タイミングT3の時点で、BD−Jタイトルの再生を一時停止する。
【0089】
このように、3種類のユーザ操作制限情報を参照して、いずれかのユーザ操作制限情報に一時停止操作の禁止指定があった場合には、自動的な一時停止は行われない。そして、いずれのユーザ操作制限情報にも一時停止操作の禁止指定がない場合に、自動的な一時停止が行われる。よって、通常は一時停止されることのない再生区間での一時停止を回避することができる。
【0090】
ここで説明するPI#k+1の参照先情報はHDMVタイトルで存在するものであって、BD−Jタイトルでは存在しない。そのため、BD−JタイトルではPLとPIの2種類のユーザ操作制限情報を参照すればよい。
【0091】
なお、図8に示す例では、再生区間が次のものに遷移するたびに一時停止可否判定を行っている。しかし、一時停止可否判定を行うタイミングは上記のものだけに限られない。例えば、図8の例において、タイミングT1の時点で、PI#k+1、#k+2に付随するユーザ操作制限情報を併せて参照してもよい。
【0092】
また、図8に示す例では、PI#kの再生区間の再生中に動作モードの切替があった場合には、PI#kの再生区間についての一時停止可否判定を最初に行っている。ただし、判定の対象箇所は、必ずしも再生中の再生区間と同一でなくてもよい。例えば、PI#kの再生区間の再生が終了直前である場合には、PI#kの再生区間についての一時停止可否判定をスキップして、PI#k+1の再生区間についての一時停止可否判定を最初に行うようにしてもよい。
【0093】
また、当然ながら、一時停止可否判定中に、動作モードが他モードから再生モードに戻った場合には、一時停止可否判定を中止してAVコンテンツ再生の自動一時停止を行わないようにすることが好ましい。
【0094】
また、トップメニューあるいはメニューのようなタイトルは、繰り返し再生されるように定義されることがある。このような場合は、その定義に従ってタイトルを繰り返す再生することが好ましい。ただし、繰り返し再生されるように定義されたタイトルであっても、一定時間再生を継続すると自動的に他のタイトルに遷移する定義がなされている場合もある。このような場合には、遷移先のタイトルにおいて上記の一時停止可否判定を行うことが好ましい。
【0095】
図9は、他モードから再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0096】
再生装置100の動作モードを他モードから再生モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS120)、再生制御部118は、AVコンテンツの再生状態を確認する(ステップS121)。一時停止状態でなければ(S121:NO)、再生制御部118は、AVコンテンツの再生状態をそのまま継続させる。一時停止状態であれば(S121:YES)、再生制御部118は、AVコンテンツの再生、より具体的には図7のステップS112にて一時停止された映像および音声の出力が再開されるように、制御する(ステップS122)。
【0097】
このように、再生モードへの復帰時に、AVコンテンツ再生が一時停止状態か否かの判定を行うため、図8に示すように事前にAVコンテンツ再生が自動的に一時停止されても、再生を再開することができる。
【0098】
なお、再生を自動で一時停止した場合にのみ再生を自動再開させる一方で、再生をユーザの一時停止操作により手動で一時停止した場合には再生を自動再開させないようにしてもよい。
【0099】
以上のように、本実施の形態によれば、BD−Jタイトルの再生中に動作モードが再生モードから他モードに切り替えられたときに、再生中の再生区間について、一時停止の可否の判定を行う。そして、判定の結果に応じてBD−Jタイトルの再生の一時停止を制御する。よって、再生中の再生区間が一時停止可能か否かに応じて、より具体的には再生中の再生区間について一時停止操作の禁止指定があるか否かに応じて、適切な手法で一時停止を行うことができる。よって、タイトルのコンテンツ仕様にかかわらずレジューム再生を実現することができる。
【0100】
本実施の形態では、再生中の再生区間に一時停止操作禁止の指定がない場合は、その時点で再生を一時停止し、再生中の再生区間に一時停止操作禁止の指定がある場合は、一時停止操作禁止の指定のない後続の再生区間の再生に入った時点で再生を一時停止する。このため、モード切替時点で再生中の再生区間において一時停止操作が禁止されていても、他モード実行中にタイトルの再生を適切に一時停止することができる。
【0101】
また、本実施の形態では、Java(登録商標)アプリケーションのタスクを一時停止させる処理を行わない。このため、タスクは主記憶装置で実行を継続する。したがって、Java(登録商標)アプリケーションが、予期せぬ動作に陥ることを回避することができる。
【0102】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について説明する。なお、以下の説明においては、実施の形態1で説明したものと同一の構成要素に同一の参照番号を付与してその詳細な説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0103】
図10は、本実施の形態の再生装置の構成を示すブロック図である。
【0104】
図10において、再生装置200は、信号処理部115の代わりに信号処理部215を有する。信号処理部215は、再生制御部118の代わりに再生制御部218を有し、時間制御部119の代わりに時間制御部219を有する。
【0105】
再生制御部218および時間制御部219は、再生モードから他モードへの切替時および他モードから再生モードへの切替時の動作において、再生制御部118および時間制御部119と相違する。
【0106】
以下、それぞれの動作について、具体的に説明する。
【0107】
図11は、再生モードから他モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0108】
BDデータの再生中に、再生装置200の動作モードを再生モードから他モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS210)、再生制御部218は、再生中の箇所での一時停止が可能かどうかを判定する(ステップS211)。一時停止可能であってもそうでなくても、再生制御部218は再生中の箇所で再生を一時停止する(ステップS212、213)。そして、一時停止可能でない場合に限り、時間制御部219は、Java(登録商標)アプリケーションからの問い合わせに対する応答として通知するシステム時間を停止する(ステップS214)。
【0109】
ステップS211における一時停止可否判定は、実施の形態1と同様にユーザ操作制限情報を参照することによって行われる。すなわち、一時停止の可否の判定に、既存のデータ項目であるユーザ操作制限情報を利用することができるため、一時停止の可否判定を容易に実現することができる。この点では、ステップS211の一時停止可否判定は、実施の形態1と同様である。
【0110】
ただし、実施の形態1では、一時停止が可能となるまで判定が繰り返されるのに対し、本実施の形態では、判定は繰り返されない。すなわち、本実施の形態では、例えば図8に示す例のように、タイミングT1の時点でモード切替があった場合、PI#kに関連するユーザ操作制限情報の参照を行うが、次のまたはそれ以降の再生区間に関連するユーザ操作制限情報の参照を行うことはない。
【0111】
したがって、本実施の形態は、図8に示す例において、仮にPI#kの再生区間について一時停止操作の禁止指定がなかった場合には即座に再生が一時停止される点では、実施の形態1と同様である。
【0112】
しかし、図8に示す例において実際には、PI#kの再生区間について一時停止操作の禁止指定がある。本実施の形態では、PI#kの再生区間について一時停止操作の禁止指定があるにもかかわらず、再生制御部218は、PI#kの再生区間の再生途中で再生を一時停止する。すなわち、本実施の形態では、判定の結果にかかわらず、再生中の再生区間の再生途中で、一時停止を行う。このため、モード切替とほぼ同時にBD−Jタイトルの再生は一時停止される。
【0113】
このとき、Java(登録商標)アプリケーションのタスクを一時停止させる処理を行わない。このため、タスクは主記憶装置で実行を継続する。結果として、BD−Jタイトルの再生が一時停止しているにもかかわらずシステム時間が経過する状況となる。この様な状況下でJava(登録商標)アプリケーションのタスクに時々刻々と変化するシステム時間が通知されると、Java(登録商標)アプリケーションが、予期せぬ動作に陥る可能性がある。
【0114】
そこで、本実施の形態では、時間制御部219は、ある再生区間について一時停止操作の禁止指定があるにもかかわらずその再生区間の再生途中で一時停止を行った場合には、Java(登録商標)アプリケーションに通知するシステム時間を停止させる。
【0115】
システム時間の停止方法としては、再生装置200のシステム時間そのものを停止させる方法が考えられる。ただし、この方法の場合、タイマー録画などの他の機能への影響があり、ユーザにとって不都合が生じる可能性がある。よって、好ましくは、再生を一時停止する直前のシステム時間を記録媒体に記録しておく。つまり、記録されるシステム時間は固定の時間である。そして、Java(登録商標)アプリケーションから問い合わせを受けた場合には、記録された固定の時間を通知する。
【0116】
したがって、Java(登録商標)アプリケーションが、予期せぬ動作に陥ることを、回避することができる。
【0117】
図12は、他モードから再生モードへの切替動作を説明するためのフロー図である。
【0118】
再生装置200の動作モードを他モードから再生モードに切り替える操作が行われた場合(ステップS220)、時間制御部219は、前述のように停止させた、Java(登録商標)アプリケーションに通知するシステム時間をリアルタイムに復帰させる(ステップS221)。すなわち、他モードの期間中、記録媒体に記録された時間を通知していた場合には、再生モードへの復帰後、再生装置200における実際のシステム時間を通知する通常の動作に戻す。
【0119】
そして、再生制御部218は、一時停止中のBD−Jタイトルの再生を再開する(ステップS222)。
【0120】
このようにして、本実施の形態では、あたかもレジューム再生を行っているように振る舞うことができる。
【0121】
なお、当然ながら、再生モードへの復帰時に、Java(登録商標)アプリケーションに通知するシステム時間が停止されていなければステップS221を行う必要はなく、AVコンテンツ再生が一時停止されていなければステップS222を行う必要もない。
【0122】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、各実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施するなど、種々変更して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の光ディスク再生装置は、BD−ROMディスクなどの記録媒体に記録されたデータを再生する光ディスク再生装置として有用である。
【符号の説明】
【0124】
100、200 再生装置
111 ピックアップ
112 サーボ
115、215 信号処理部
116 出力部
117 入力信号受信部
118、218 再生制御部
119、219 時間制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録されたデータの再生を行う光ディスク再生装置であって、
データの再生中に前記光ディスク再生装置の動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられた場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、データの再生を一時停止する再生制御部を有し、
前記再生制御部は、
データの再生中に動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられたときに、データ内の再生中の箇所について、一時停止の可否の判定を行い、
判定の結果に応じてデータの再生の一時停止を制御する、
光ディスク再生装置。
【請求項2】
前記再生制御部は、
一時停止の可否の判定を、一時停止操作禁止の指定有無の判定によって行う、
請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項3】
前記再生制御部は、
判定の結果、一時停止操作禁止の指定がない場合、再生中の箇所の再生途中で、データの再生を一時停止し、
判定の結果、一時停止操作禁止の指定がある場合、データ内の、一時停止操作禁止の指定のない後続の箇所の再生途中で、データの再生を一時停止する、
請求項2記載の光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記再生制御部は、
光ディスクのPLAYLISTディレクトリに格納されたプレイリスト情報、プレイリスト情報を構成するプレイアイテム情報、およびプレイリスト情報に記述された参照先に記録されたデータのうち少なくともいずれかに付随するユーザ操作制限情報を参照することにより、判定を行う、
請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項5】
前記再生制御部は、
動作モードが光ディスク再生モードに戻ったときに、データの再生が一時停止中か否かを判定し、
データの再生が一時停止中である場合、データの再生を再開する、
請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項6】
前記光ディスク再生装置のシステム時間を制御する時間制御部をさらに有し、
前記再生制御部は、
判定の結果にかかわらず、再生中の箇所の再生途中で、データの制御プログラムを動作させつつデータの再生を一時停止し、
前記時間制御部は、
判定の結果、再生中の箇所について一時停止操作禁止の指定がある場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、アプリケーションに通知するシステム時間を一時停止する、
請求項2記載の光ディスク再生装置。
【請求項7】
前記時間制御部は、
動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられたときの前記光ディスク再生装置のシステム時間を、固定の時間として記録し、
判定の結果、再生中の箇所について一時停止操作禁止の指定がある場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、システム時間についてのアプリケーションからの問い合わせに対する応答として、記録された固定の時間を出力する、
請求項6記載の光ディスク再生装置。
【請求項1】
光ディスクに記録されたデータの再生を行う光ディスク再生装置であって、
データの再生中に前記光ディスク再生装置の動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられた場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、データの再生を一時停止する再生制御部を有し、
前記再生制御部は、
データの再生中に動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられたときに、データ内の再生中の箇所について、一時停止の可否の判定を行い、
判定の結果に応じてデータの再生の一時停止を制御する、
光ディスク再生装置。
【請求項2】
前記再生制御部は、
一時停止の可否の判定を、一時停止操作禁止の指定有無の判定によって行う、
請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項3】
前記再生制御部は、
判定の結果、一時停止操作禁止の指定がない場合、再生中の箇所の再生途中で、データの再生を一時停止し、
判定の結果、一時停止操作禁止の指定がある場合、データ内の、一時停止操作禁止の指定のない後続の箇所の再生途中で、データの再生を一時停止する、
請求項2記載の光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記再生制御部は、
光ディスクのPLAYLISTディレクトリに格納されたプレイリスト情報、プレイリスト情報を構成するプレイアイテム情報、およびプレイリスト情報に記述された参照先に記録されたデータのうち少なくともいずれかに付随するユーザ操作制限情報を参照することにより、判定を行う、
請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項5】
前記再生制御部は、
動作モードが光ディスク再生モードに戻ったときに、データの再生が一時停止中か否かを判定し、
データの再生が一時停止中である場合、データの再生を再開する、
請求項1記載の光ディスク再生装置。
【請求項6】
前記光ディスク再生装置のシステム時間を制御する時間制御部をさらに有し、
前記再生制御部は、
判定の結果にかかわらず、再生中の箇所の再生途中で、データの制御プログラムを動作させつつデータの再生を一時停止し、
前記時間制御部は、
判定の結果、再生中の箇所について一時停止操作禁止の指定がある場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、アプリケーションに通知するシステム時間を一時停止する、
請求項2記載の光ディスク再生装置。
【請求項7】
前記時間制御部は、
動作モードが光ディスク再生モードから他モードに切り替えられたときの前記光ディスク再生装置のシステム時間を、固定の時間として記録し、
判定の結果、再生中の箇所について一時停止操作禁止の指定がある場合、動作モードが光ディスク再生モードに戻るまで、システム時間についてのアプリケーションからの問い合わせに対する応答として、記録された固定の時間を出力する、
請求項6記載の光ディスク再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−210301(P2011−210301A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75261(P2010−75261)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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