説明

光ディスク装置および光ピックアップ位置決め方法

【課題】スイッチなどを必要とせずに高精度にホーム位置の検出を行うことができる光ディスク装置および光ピックアップ位置決め方法を提供する。
【解決手段】光ピックアップ6をストッパ15に向かって移動させて、光ピックアップ6がストッパ15に当接した衝撃によりトラッキングコイル11が振動することで発生する逆起電力が予め定めた閾値以上であったことを検出したことにより、光ピックアップ6がストッパ15に当接したことを検出してステッピングモータ5を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに対してレーザ光を照射して情報を読み取る光ピックアップと光ピックアップを光ディスクの径方向に移動させる移動手段を備えた光ディスク装置および光ピックアップの位置決め方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置において光ディスクを再生する際には、まず、光ピックアップが光ディスクの径方向に対する相対位置を把握する必要がある。そのため、光ピックアップを移動できる範囲の両端部(最内周や最外周)に移動させて基準位置(ホーム位置ともいう)を検出している。
【0003】
従来のホーム位置の検出方法としては、例えば、特許文献1に記載の情報記録再生装置や特許文献2に記載の光ディスク装置が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の情報記録再生装置は、光学ピックアップが光ディスクの最内周に位置することを検出する最内周検出スイッチを設け、この最内周検出スイッチにより検出された位置を基準として光学ピックアップの移動を制御している。
【0005】
特許文献2に記載の光ディスク装置は、ピックアップヘッドの移動を規制するストッパを予め決められた位置に設け、ピックアップヘッドをストッパに当接させて初期位置に設定している。また、ピックアップヘッドを移動させているステッピングモータに対して駆動する時間と、逆起電力を測定する時間とを設けることで、ステッピングモータからの逆起電圧を検出し、当該検出によって、ストッパにピックアップヘッドが当接されたことを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−251270号公報
【特許文献2】特開2008−27557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された情報記録再生装置は、スイッチが必要で、さらに光学ピックアップにはスイッチを押すための突起等を設けなければならなくなり、部品点数の増加によりコストの上昇や形状の複雑化により部品精度の低下につながるという問題があった。また、スイッチの故障や異物の混入によりホーム位置の検出ができなくなってしまう可能性もある。
【0008】
特許文献2に記載された光ディスク装置は、ステッピングモータの回転角を制御する必要があるので、特別な回路が必要となるうえ、ステッピングモータの制御が複雑となる。さらに、ステッピングモータの逆起電圧を検出する場合、モータの駆動時間と逆起電力を測定する時間を設けなければならないため、逆起電力の検出に時間遅れが生じてしまい、精度良く測定できないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、例えば、スイッチなどを必要とせずに高精度にホーム位置の検出を行うことができる光ディスク装置および光ピックアップ位置決め方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光ディスク装置は、光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズをトラッキング方向に移動させるトラッキングコイルが設けられているアクチュエータを備えた光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスクの径方向の内周から外周まで移動可能とする移動手段と、前記内周側または前記外周側に設けられて前記光ピックアップの移動を規制するストッパと、を有する光ディスク装置において、前記トラッキングコイルに発生する逆起電力を検出する検出手段と、前記移動手段に前記光ピックアップを前記ストッパに向かって移動させて、前記検出手段が検出した逆起電力の電圧値が予め定めた所定の閾値以上であった場合は、前記光ピックアップが前記ストッパに当接していると判断し、前記移動手段に前記光ピックアップの移動を停止させる移動制御手段と、を有したことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の光ピックアップ位置決め方法は、光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズをトラッキング方向に移動させるトラッキングコイルが設けられているアクチュエータを備えた光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスクの径方向の内周から外周まで移動可能とする移動手段と、前記内周側または前記外周側に設けられて前記光ピックアップの移動を規制するストッパと、を備えた光ディスク装置の光ピックアップ位置決め方法において、前記トラッキングコイルに発生する逆起電力を検出し、前記移動手段に前記光ピックアップを前記ストッパに向かって移動させて、その際に検出した逆起電力の電圧が予め定めた所定の閾値以上であった場合は、前記光ピックアップが前記ストッパに当接していると判断し、前記移動手段に前記光ピックアップの移動を停止させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例にかかる光ディスク装置のブロック図である。
【図2】図1に示された光ディスク装置の概略構成図である。
【図3】図1に示されたアクチュエータの概略構成図である。
【図4】図1に示された光ディスク装置のホーム位置検出動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置は、検出手段でトラッキングコイルに発生する逆起電力を検出し、移動制御手段が、移動手段に光ピックアップをストッパに向かって移動させて検出手段が検出した逆起電力の電圧が予め定めた所定の閾値以上であった場合は光ピックアップがストッパに当接していると判断し移動手段に光ピックアップの移動を停止させているので、光ピックアップがストッパに当接した際に生じる衝撃によってトラッキングコイルに発生する逆起電力を検出するために、衝撃とほぼ同時に発生するトラッキングコイルの逆起電力を用いることで精度良くホーム位置を検出することができる。また、スイッチ等を必要としないため部品点数の増加がなく、コストを改善することができる。
【0014】
また、移動制御手段が、移動手段に光ピックアップをストッパが設けられている方向とは逆向きに一定距離移動させてからストッパに向かって移動させるので、光ピックアップがすでにストッパに当接している場合などでも確実に逆起電力を発生させることができる。また、移動手段に使用されているステッピングモータを使用している場合は、すでにストッパに当接していながら、さらに光ピックアップを移動させようとしてステッピングモータが脱調して発生する異音を防止することができる。
【0015】
また、本発明の一実施形態にかかる光ピックアップ位置決め方法は、トラッキングコイルに発生する逆起電力を検出し、移動手段に光ピックアップをストッパに向かって移動させて、検出手段が検出した逆起電力の電圧が予め定めた所定の閾値以上であった場合は、光ピックアップがストッパに当接していると判断し、移動手段に光ピックアップの移動を停止させているので、光ピックアップがストッパに当接した際に生じる衝撃によってトラッキングコイルに発生する逆起電力を検出するために、衝撃とほぼ同時に発生するトラッキングコイルの逆起電力を用いることで精度良くホーム位置を検出することができる。また、スイッチを必要としないため部品点数の増加がなく、コストを改善することができる。
【実施例】
【0016】
本発明の一実施例にかかる光ディスク装置1を図1乃至図4を参照して説明する。光ディスク装置1は、図1や図2に示すようにシャーシ2と、案内軸3と、リードスクリュー4と、ステッピングモータ5と、光ピックアップ6と、スピンドルモータ14と、ストッパ15と、トラッキング制御部16と、システムコントローラー17と、を備えている。
【0017】
シャーシ2は、例えば板金等で略平板状に形成され、図示しない光ディスク装置1のケース内に固定されている。
【0018】
案内軸3は、一方向に沿って延在した丸棒状に形成され、後述する光ピックアップ6を光ディスク20の径方向に移動自在とするために、光ディスク20の径方向と平行な一対(2本)がシャーシ2上に設けられている。案内軸3は、少なくとも光ディスク20の最内周から最外周を光ピックアップ6が移動できる程度の長さに形成されている。
【0019】
リードスクリュー4は、円柱状に形成されて、その外周面にネジ溝とネジ山が形成されている。そして、ステッピングモータ5の回転軸と機械的に接続され、案内軸3と平行かつ同じ長さで構成されて設けられている。また、リードスクリュー4は、ネジ山やネジ溝が設けられて光ピックアップ6のピックアップケース7に形成された図示しないネジ山やネジ溝と噛み合っており、リードスクリュー4が回転することで、光ピックアップ6が光ディスク20の最内周から最外周の間を径方向に移動させる。
【0020】
移動手段としてのステッピングモータ5は、上述したようにリードスクリュー4と機械的に接続されてリードスクリュー4を回転させる。また、ステッピングモータ5は、システムコントローラー17からの制御により回転方向や回転数などが制御される。
【0021】
光ピックアップ6は、ピックアップケース7と、アクチュエータ8と、図示しない光源や受光素子および光学部品などを備え、光ディスク20に記録されている情報を読み取る。
【0022】
ピックアップケース7は、略箱型に形成され、後述するアクチュエータ8がトラッキング方向やフォーカス方向に移動自在に取り付けられている。また、ピックアップケース7は上述した案内軸3やリードスクリュー4と嵌合してリードスクリュー4の回転により光ディスク20の径方向へ移動する。
【0023】
アクチュエータ8は、図3に示すように、レンズホルダ9と、トラッキングコイル11と、マグネット12と、線状弾性部材13と、を備え、レンズホルダ9をトラッキング方向(光ディスク20の径方向)へ移動可能としている。
【0024】
レンズホルダ9は、例えばLCP(液晶ポリマ)等の樹脂によって略箱型に成形されている。レンズホルダ9の天面部9aの略中央には対物レンズ10を設置するための開口孔9bが設けられている。
【0025】
対物レンズ10は、光源から発せられ光学部品等を経由してきた光を光ディスク20に照射することおよび光ディスク20から反射された光を光学部品へ出力するためのレンズである。
【0026】
トラッキングコイル11は、レンズホルダ9を挟んでレンズホルダ9の長手方向の側面に一対が接着剤などで固定されている。トラッキングコイル11は、基板上にコイルの配線パターンが形成されたプリントコイルで構成されており、トラッキング制御用のコイルが形成されている。なお、対物レンズ10はトラッキング方向だけでなくフォーカス方向(光ディスク20に対して垂直な方向)へも移動させる必要があるため、フォーカス制御用のコイルもトラッキングコイル11の基板上に形成されている。また、トラッキングコイル11には、後述する線状弾性部材13とはんだ付けにて電気的に接続するためのランドが該線状弾性部材13の接続部に対応する位置に設けられている。
【0027】
マグネット12は、一対のトラッキングコイル11とそれぞれ所定の間隔を空けて相対するように設けられている。
【0028】
線状弾性部材13は、例えば銅合金などの弾性力を備えるとともに導電性の良い部材で形成されピックアップケース7とレンズホルダ9とを結びレンズホルダ9を移動可能に支持するとともに、トラッキングコイル11とも電気的に接続されている。そして、トラッキング制御部16からトラッキング制御やフォーカス制御のための電流が供給されるとともに、トラッキングコイルに発生する逆起電力をトラッキング制御部16へ出力する。
【0029】
スピンドルモータ14は、シャーシ2上に設けられ、システムコントローラー17の制御によって光ディスク20を回転させるためのモータである。
【0030】
ストッパ15は、光ピックアップ6が移動する範囲における光ディスク20最内周に対応する位置のシャーシ2上に設けられ、それ以上光ピックアップ6が内周側へ移動することを規制している。
【0031】
検出手段としてのトラッキング制御部16は、トラッキングコイル11に対して制御電流を供給するとともに、トラッキングコイル11で発生する逆起電力による電圧を監視・取得し、システムコントローラー17に出力する。
【0032】
移動制御手段としてのシステムコントローラー17は、例えばCPUやメモリなどを内蔵するマイクロコンピュータで構成されて、ステッピングモータ5の回転方向や回転数の制御を行う、また、システムコントローラー17は、ホーム位置検出動作時にトラッキング制御部16から入力されたトラッキングコイル11で発生した逆起電力の電圧値に基づいてステッピングモータ5を停止するか否かの判断をする。
【0033】
次に、上述した構成の光ディスク装置1において、ホーム位置検出動作を図4に示したフローチャートを参照して説明する。図4に示したフローチャートはシステムコントローラー17で実行される。
【0034】
まず、ステップS1において、光ピックアップ6を予め定めた一定距離外周側に移動させてステップS2に進む。つまりステッピングモータ5を回転させて光ピックアップ6を移動させる。本実施例ではストッパ15は、内周側に設けられているので、その逆方向である外周側に移動させる。即ち、ステッピングモータ5に光ピックアップ6をストッパ15が設けられている方向とは逆向きに一定距離移動させている。これにより光ピックアップ6がすでにストッパ15に当接していても、ストッパ15から一旦離れるのでホーム位置の検出を行うことができる。
【0035】
次に、ステップS2において、光ピックアップ6を内周側に移動させてステップS3に進む。即ち、ステッピングモータ5をステップS1とは逆方向に回転させてストッパ15に向かって光ピックアップ6を移動させる。
【0036】
次に、ステップS3において、逆起電力が検出されたか否かを判断し、検出された場合(Yの場合)はステップS4に進み、検出されない場合(Nの場合)はステップS2に戻る。本ステップでは、光ピックアップ6がストッパ15に当接した衝撃によりトラッキングコイル11が振動することで発生する逆起電力をトラッキング制御部16が検出し、その電圧値をシステムコントローラー17が取得して判断している。
【0037】
次に、ステップS4において、ステップS3で検出された逆起電力の電圧値が予め定めた閾値以上であるか否かを判断し、閾値以上である場合はステップS5に進み、閾値未満である場合はステップS2に戻る。本ステップにおける閾値は、光ピックアップ6がストッパ15に当接した衝撃により発生する逆起電力とそれ以外の僅かな振動などによる逆起電力とを切り分けるためのものであり、この閾値以上である場合は光ピックアップ6がストッパ15に当接したと判断する。また、この閾値は予め実験や計算等により求めて設定する。
【0038】
次に、ステップS5において、光ピックアップ6の移動を停止させてステップS6に進む。本ステップでは、ステップS4で光ピックアップ6がストッパ15に当接したことを検出したので、ステップS2から回転させているステッピングモータ5の回転を停止させる。
【0039】
次に、ステップS6において、光ピックアップ6を予め定めた所定距離外周側に移動させて終了する。本ステップでは、ステップS5でストッパ15に当接した光ピックアップ6を若干外周側に移動させている。このようにすることで、ステッピングモータ5のロータ位置が正しく検出され以降の光ピックアップ6の移動動作を正確に行うことができる。したがって、本実施例では、ストッパ15に当接した位置ではなく、そこから外周側に所定距離移動した位置をホーム位置としている。この位置は例えば光ディスク20を再生する際に最初に読む必要がある情報が格納されている位置に設定する。なお、ストッパ15に当接した位置をホーム位置としてもよいが、その場合はステップS5で終了する。また、本ステップにおける所定距離はステップS1の一定距離とは異なる値である。
【0040】
本実施例によれば、光ピックアップ6をストッパ15に向かって移動させて、光ピックアップ6がストッパ15に当接した衝撃によりトラッキングコイル11が振動することで発生する逆起電力が予め定めた閾値以上であったことを検出したことにより、光ピックアップ6がストッパ15に当接したことを検出してステッピングモータ5を停止させているので、光ピックアップ6がストッパ15に当接した際に生じる衝撃とほぼ同時に発生するトラッキングコイル11の逆起電力を用いることで精度良くホーム位置を検出することができる。また、スイッチ等を必要としないため部品点数の増加がなく、コストを改善することができる。
【0041】
また、光ピックアップ6をストッパ15が設けられている方向とは逆向きに一定距離移動させてからストッパ15に向かって移動させるので、光ピックアップ6がすでにストッパ15に当接している場合などでも確実に逆起電力を発生させることができる。また、すでにストッパ15に当接している場合に、さらに光ピックアップ6を移動させようとしてステッピングモータ5が脱調することにより発生する異音を防止することができる。
【0042】
また、ストッパ15に当接した光ピックアップ6を予め定めた所定距離外周側に移動させているので、ステッピングモータ5のロータ位置が正しく検出され以降の光ピックアップ6の移動動作を正確に行うことができる。
【0043】
なお、上述した実施例ではストッパ15の位置は最内周側に設けられていたが、最外周側でもあってもよい。要するに光ピックアップ6が光ディスク20に対する相対位置を把握できればよいので、再生に不都合を生じない範囲で最内周から所定距離だけ外周寄りであったり最外周から所定距離だけ内周寄りであったりしてもよい。
【0044】
前述した実施例によれば、以下の光ディスク装置1、光ピックアップ位置決め方法が得られる。
【0045】
(付記1)光ディスク20に対してレーザ光を照射する対物レンズ10をトラッキング方向に移動させるトラッキングコイル11が設けられているアクチュエータ8を備えた光ピックアップ6と、光ピックアップ6を光ディスク20の径方向の最内周から最外周まで移動可能とするステッピングモータ5と、最内周側に設けられて光ピックアップ6の移動を規制するストッパ15と、を有する光ディスク装置1において、
トラッキングコイル11に発生する逆起電力を検出するトラッキング制御部16と、
前記ステッピングモータ5に光ピックアップ6をストッパ15に向かって移動させて、トラッキング制御部16が検出した逆起電力の電圧が予め定めた所定の閾値以上であった場合は、光ピックアップ6がストッパ15に当接していると判断し、ステッピングモータ5に光ピックアップ6の移動を停止させるシステムコントローラー17と、
を有したことを特徴とする光ディスク装置1。
【0046】
(付記2)光ディスク20に対してレーザ光を照射する対物レンズ10をトラッキング方向に移動させるトラッキングコイル11が設けられているアクチュエータ8を備えた光ピックアップ6と、光ピックアップ6を光ディスク20の径方向の最内周から最外周まで移動可能とするステッピングモータ5と、最内周側に設けられて光ピックアップ6の移動を規制するストッパ15と、を備えた光ディスク装置1の光ピックアップ位置決め方法において、
トラッキングコイル11に発生する逆起電力を検出し、ステッピングモータ5に光ピックアップ6をストッパ15に向かって移動させて、その際に検出した逆起電力の電圧が予め定めた所定の閾値以上であった場合は、光ピックアップ6がストッパ15に当接していると判断し、ステッピングモータ5に光ピックアップ6の移動を停止させることを特徴とする光ピックアップ位置決め方法。
【0047】
これらの光ディスク装置1、モータ内絶縁物除去方法によれば、光ピックアップ6がストッパ15に当接した際に生じる衝撃によってトラッキングコイル11に発生する逆起電力を検出するために、衝撃とほぼ同時に発生するトラッキングコイル11の逆起電力を用いることで精度良くホーム位置を検出することができる。また、スイッチ等を必要としないため部品点数の増加がなく、コストを改善することができる。
【0048】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 光ディスク装置
5 ステッピングモータ(移動手段)
6 光ピックアップ
8 アクチュエータ
10 対物レンズ
11 トラッキングコイル
12 マグネット
15 ストッパ
16 トラッキング制御部(検出手段)
17 システムコントローラー(移動制御手段)
20 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズをトラッキング方向に移動させるトラッキングコイルが設けられているアクチュエータを備えた光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスクの径方向の内周から外周まで移動可能とする移動手段と、前記内周側または前記外周側に設けられて前記光ピックアップの移動を規制するストッパと、を有する光ディスク装置において、
前記トラッキングコイルに発生する逆起電力を検出する検出手段と、
前記移動手段に前記光ピックアップを前記ストッパに向かって移動させて、前記検出手段が検出した逆起電力の電圧値が予め定めた所定の閾値以上であった場合は、前記光ピックアップが前記ストッパに当接していると判断し、前記移動手段に前記光ピックアップの移動を停止させる移動制御手段と、
を有していることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記移動制御手段が、前記移動手段に前記光ピックアップを前記ストッパが設けられている方向とは逆向きに一定距離移動させてから前記ストッパに向かって移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズをトラッキング方向に移動させるトラッキングコイルが設けられているアクチュエータを備えた光ピックアップと、前記光ピックアップを前記光ディスクの径方向の内周から外周まで移動可能とする移動手段と、前記内周側または前記外周側に設けられて前記光ピックアップの移動を規制するストッパと、を備えた光ディスク装置の光ピックアップ位置決め方法において、
前記トラッキングコイルに発生する逆起電力を検出し、前記移動手段に前記光ピックアップを前記ストッパに向かって移動させて、その際に検出した逆起電力の電圧が予め定めた所定の閾値以上であった場合は、前記光ピックアップが前記ストッパに当接していると判断し、前記移動手段に前記光ピックアップの移動を停止させることを特徴とする光ピックアップ位置決め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−204332(P2011−204332A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72702(P2010−72702)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】