光ディスク装置
【課題】 簡単な回路構成により、波形整形手段の増幅量を可変とすることにより、3Tピットが規格よりも短い粗悪なディスクを再生する際の再生品質を改善する光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 この光ディスク装置700は、光ピックアップ701と、この光ピックアップ701から出力されたRF信号701aの振幅を増幅、整形する波形整形手段702と、この波形整形手段702により整形された信号波形を2値化する2値化手段705と、この2値化手段705により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段707と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段706と、を備えて構成される。また波形整形手段702に通常の周波数帯域での増幅量を設定するための設定値を記憶するメモリ(通常設定値手段)703と、任意の増幅量を設定するCPU(任意設定値手段)704とを備えている。
【解決手段】 この光ディスク装置700は、光ピックアップ701と、この光ピックアップ701から出力されたRF信号701aの振幅を増幅、整形する波形整形手段702と、この波形整形手段702により整形された信号波形を2値化する2値化手段705と、この2値化手段705により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段707と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段706と、を備えて構成される。また波形整形手段702に通常の周波数帯域での増幅量を設定するための設定値を記憶するメモリ(通常設定値手段)703と、任意の増幅量を設定するCPU(任意設定値手段)704とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置に関し、さらに詳しくは、標準より短い3Tピットが記録された光ディスクの再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクにおいて、光ディスクに照射するリードパワーが一定の場合であって、ピットとランドでの反射率の違いにより変化するディスクからの反射光の量がRF信号となる。このRF信号の波形は、ピットもしくはランドの形状によって変化する。即ち、形状はディスク生成の方法もしくは生成時の環境によって変化するが、その許容値は規格書で定められた範囲内にあることが望ましいが、一般的にはその範囲を超えるものがある。特にパターンとし定義される最も短いパターンである3Tパターンは成型が難しく範囲外である場合が多い。
図7は従来の光ディスク装置における情報再生系の構成例を示す図である。この光ディスク装置100は、光ディスク100を回転駆動するスピンドルモータ102と、レーザダイオード104、対物レンズ及び受光素子105を備えて光ディスク101にレーザ光を照射するとともに光ディスク101からの反射光を受光しその受光量に応じたRF信号を出力する光ピックアップ103と、この光ピックアップ103から出力されたRF信号の振幅を増幅、整形する波形整形手段106と、この波形整形手段106により整形された信号波形を2値化する2値化手段107と、この2値化手段107により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段108と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生信号処理手段109と、を備えて構成される。
次に光ディスク装置100の概略動作について説明する。CDやDVDのような光ディスク101をスピンドルモータ102に装着し回転駆動させる。回転している光ディスク101に対して、光ピックアップ103内のレーザダイオード104からレーザ104aを照射する。レーザ104aは光ディスク面で反射されるが、この反射量は光ディスク101上のピットの有無およびピットの長さにより変化する。反射光105aは光ピックアップ103内の受光素子105に入射し、入射量に応じた電圧信号に変換されて光ピックアップ103から出力される。この信号はRF信号105bと呼ばれる。
前述したようにRF信号105bはピット長により振幅が異なっており、ピット長の短いものは長いものに比べて振幅が小さくなってしまう。つまり、周波数の高い3T信号の振幅は必然的に小さくなってしまう。そして振幅の小さい信号はノイズなどの影響を受け易く、そのままで再生処理を行うことは困難であるため、信号の振幅が小さくなってしまう3T信号の周波数帯域において振幅を増幅させる手段が必要となる。それが波形整形手段106である。
【0003】
図8は波形整形手段106の周波数−ゲイン特性を表す図である。図8に示すようにブースト周波数やブースト量といった特性値を持っており、内部の設定を変更することにより特性値を操作することが出来る。即ち、ブースト周波数aのときのブースト量aをブースト周波数bに変更することにより、ブースト量bに変更することができる。つまりどの周波数帯域の振幅をどれくらい増幅させるかを操作することが出来る。
そして整形されたRF信号105bは、2値化手段107により2値化される。光ディスク101においてはこの2値(1または0)の反転間隔の組み合わせにデータが記録されているので、“1”が何個、“0”が何個というように数えるためのクロック信号が必要となるが、これを生成するのがクロック生成手段108である。2値信号107aはこのクロック108aとともに再生信号処理手段109に入力され、音楽などの元データに変換される。
図9はデータとクロックの関係を表すタイミングチャートである。図9を参照して前述したクロックとデータの関係について説明する。データは光ディスク101の記録面上にピット101aおよびランド101bとして記録されており、ここにレーザ光を当てると、ランド部101bではほぼ全てのレーザ光が反射されるが、ピット部101aではレーザ光が散乱されるのでランド部101bに比べて反射光の光量が低下する。この反射量を電圧に変換、さらに整形した後、基準電圧(Vref)と比較することにより2値の信号が得られる。この2値の信号から生成したクロックの立ち上がりエッジのタイミングPと、2値信号の立ち上がりエッジのタイミングQとを合わせてやった後、クロックの立ち下がりのタイミングRでデータを読み出している。
【0004】
図10はクロックの検出を説明する図である。クロックの情報を持っているのは整形された2値信号のエッジ部分であるから、2値信号の立ち上がり・立ち下がりエッジを検出してやる。光ディスク上のピットおよびランドは、基本周期(1T)を3倍(3T)から11倍(11T)した9種類の長さで定められているので、あるひとつの立ち上がり(立ち下がり)エッジを検出すると、次は3T後から11T後のどこかで立ち下がり(立ち上がり)エッジが検出されることになる。図10では、まず立ち上がりエッジを検出した場合を示している。この検出を連続して行うことにより、連続したクロックパルスCを生成することが出来る。
図11はPLL制御を説明する図であり、図11(a)はPLL回路のブロック図であり、図11(b)はそのタイミングチャートである。このPLL回路は、クロックのエッジを2値信号のエッジと合わせるために動作する。即ち、PLLでは、まず2値信号とクロックの位相差が位相比較手段501に入力されてその位相が比較される。位相比較手段501は位相差に応じた電圧Vを出力する。さらにこの電圧はVCO(Voltage Controlled Oscillator)502に入力され、VCO502は入力電圧に応じた発振周波数fを出力する。例えば図11(b)のように、2値信号107aに比べてクロック108aの方が位相が遅れている場合、それに応じて位相比較手段の出力電圧Vは上昇し、それに応じてVCO502の出力周波数も上昇し、次のクロックは早く発生し、位相遅れが時間が短くなる方向に制御されることになる。以上のようにして、光ディスク装置では情報を再生するための2値信号とクロックを生成している。
また特開平10−214458号公報には、RF信号イコライザー定数をフレームシンクパルスに追従させて可変とすることで、変速再生時も常に安定したデータ再生を可能とする技術について開示されている。また特開2001−319424公報には、回路の高速性を維持しつつ、スライスレベルの調整機能を小規模の回路面積で実現することができる信号処理回路および半導体集積回路について開示されている。
【特許文献1】特開平10−214458号公報
【特許文献2】特開2001−319424公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、市場にはディスクそのものの製造に問題があるため3Tピットが十分に形成されず、3Tピットの長さが規格よりも短いという粗悪なディスクが流通している。図12は粗悪ディスクと通常のディスクのRF信号のヒストグラムを比較した図である。図12に示しているのは、粗悪なDVD−ROMディスク(a)と通常のDVD−ROMディスク(b)を速度設定2倍CLVで再生中のRF信号を、タイムインターバルアナライザを使用して実際に測定した例である。図の横軸は時間、縦軸は頻度であり、測定対象の信号振幅がある一定のレベルよりも上(または下)となっている期間と、その期間が測定される頻度を示している。DVD−ROMを速度2倍で再生している場合の3Tパルスの幅の規格値は57[nsec]であり、以下4Tは76[nsec]、、、11Tは209[nsec]となっている。図12(b)の通常のディスクにおいては各々の山の中心が前述した時間にあるが、図12(a)の粗悪ディスクにおいては、3Tに相当する山の中心が規格値よりも低いところにあるのが解る。つまり、このディスクは3Tピットが短いということを示している。
前述したように、光ディスクに記録された信号を再生する際には、2値化された信号のエッジの位相とクロックのエッジの位相とが精度良く揃っていることが重要である。しかし、このような粗悪なディスクでは、3Tピットから得られる信号の位相が他のTの位相とそもそも揃っていない。すなわち、3Tピットのエッジで作成された分のクロックについては、他Tのエッジで作成された分のクロックと位相が揃っていないことになる。これでは再生品質が悪くなるばかりでなく、マウントすら出来ない事態も起こりうることを示している。
また特許文献1、2に開示されている従来技術は、3Tピットの長さが短い問題に対して解決を与えるものではなく、本願発明とは主旨を異にするものである。
本発明は、かかる課題に鑑み、簡単な回路構成により、波形整形手段の増幅量を可変とすることにより、3Tピットが規格よりも短い粗悪なディスクを再生する際の再生品質を改善する光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、光源、対物レンズ及び受光素子を備えて光ディスクにレーザ光を照射するとともに前記光ディスクからの反射光を受光しその受光量に応じた電圧信号を出力する光ピックアップと、該光ピックアップから出力された電圧信号を増幅、整形する波形整形手段と、該波形整形手段により整形された信号波形を2値化する2値化手段と、該2値化手段により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段と、前記2値信号と前記再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段と、を備えた光ディスク装置において、前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録されたディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定することを特徴とする。
粗悪ディスクでは3TピットによるRF信号振幅が通常より小さくなってしまうので、本発明では、波形整形手段によりRF信号を増幅する際に、通常の設定値よりも大きく増幅し、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくするものである。
請求項2は、前記波形整形手段は、該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする。
粗悪ディスクでは3Tピットの長さが小さいので、それを読取った場合のRF信号の周波数帯域が通常より高くなってしまう。そこで本発明では、波形整形手段により増幅する際に、通常の設定値よりも高い周波数帯域をねらって増幅し、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくするものである。
請求項3は、前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録された光ディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定すると共に、当該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする。
本発明は請求項1と請求項2を同時に適用して、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくするものである。
【0007】
請求項4は、前記波形整形手段に通常の周波数帯域での増幅量を設定する通常設定値手段と、任意の増幅量を設定する任意設定値手段とを更に備え、前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクのマウントが不可能な場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定してリトライ動作を行うことを特徴とする。
波形整形手段によりRF信号を増幅したり、通常の設定値よりも高い周波数帯域をねらって増幅すると、通常の光ディスクにおいても適用すると逆に性能が悪くなることが懸念される。そこで本発明では、最初に光ディスクをマウントする際に、通常の光ディスクであるという想定のもと波形整形手段の設定を通常通りにしてマウント動作をするが、マウントに失敗した場合にその光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、増幅量を大きくしてマウント動作をリトライするものである。
請求項5は、前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクの再生品質が所定の品質に比べて悪い場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きくして再生処理を続行することを特徴とする。
波形整形手段によりRF信号を増幅したり、通常の設定値よりも高い周波数帯域をねらって増幅すると、通常の光ディスクにおいても適用すると逆に性能が悪くなることが懸念されるので、最初に光ディスクを再生する際に、通常の光ディスクであるという想定のもと波形整形手段の設定を通常通りにして再生するが、そのときの再生品質が悪いときにはその光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、増幅量を大きくして再生を行うものである。
【0008】
請求項6は、前記任意設定値手段により前記波形整形手段の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備え、該振幅測定手段により測定した振幅が所定のレベルを超過した場合に、該振幅を小さくする方向に前記任意設定値手段の設定値を設定し直すことを特徴とする。
3Tピット信号振幅を増幅し過ぎると、逆に再生品質が悪化することが懸念されるので、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備え、RF信号振幅がある一定のレベルを超えないようにするものである。
請求項7は、前記光ディスクの再生品質は、前記3Tピットを除いた4Tピット以上の出力信号から抽出されるクロックから前記3Tピットに相当する長さを算出し、該算出値と前記波形整形手段に入力する信号の3Tピット長とを比較することにより判断することを特徴とする。
RF信号の4Tピット以上は3Tピットと比較してピットの成型が容易なため、これらから抽出された再生クロックは3Tピットを含んだRF信号から抽出した再生クロックに比べて信頼性が高い。RF信号の4Tピット以上の再生クロックから作られた3Tピットの長さを目標値として、RF信号の3Tピット長の計測と比較することで、3Tピット品質を判断するものである。
【0009】
請求項8は、前記3Tピットの長さは、4Tピット以上の光ピックアップ信号から抽出された再生クロックに同期し、且つ十分早い計測クロックにて計測されることを特徴とする。
計測クロックをRF信号から抽出されたクロックに同期させて、抽出クロックが変化した場合は、計測クロック自体も変化させる。この計測クロックを使って請求項7による計測をおこなう。
請求項9は、前記4Tピット以上の光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るローパスフィルタにより行うことを特徴とする。
RF信号から抽出されるクロックによってカットオフ周波数を変更するLPFを使って、RF信号の4Tピット以上の抽出を行う。
請求項10は、前記3Tピットパターンの光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るハイパスフルタにより行うことを特徴とする。
RF信号から抽出されるクロックによってカットオフ周波数を変更するHPFを使って、3TピットパターンのRF信号を抽出して計測を行う。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録されたディスクを再生するために、この3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定するので、2値化後のパルス幅が短くなってしまう事態を改善することができる。
また請求項2では、波形整形手段は、増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定するので、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくして2値化後のパルス幅が短くなってしまう事態を改善することができる。
また請求項3では、3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定すると共に、増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定するので、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくして2値化後のパルス幅が短くなってしまう事態を改善することができる。
また請求項4では、波形整形手段に通常の周波数帯域での増幅量を設定する通常設定値手段と、任意の増幅量を設定する任意設定値手段とを更に備えたので、マウントに失敗した場合にその光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、増幅量を大きくしてマウント動作をリトライすることにより、リトライの成功率を高めることができる。
また請求項5では、波形整形手段は、光ディスクの再生品質が所定の品質に比べて悪い場合、光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、任意設定値手段によりこの3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きくして再生処理を続行するので、再生処理が中断されることを防ぐことができる。
また請求項6では、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備えたので、RF信号振幅がある一定のレベルを超えないようにすることができる。
また請求項7では、3Tピットを除いた4Tピット以上の出力信号から抽出されるクロックから3Tピットに相当する長さを算出し、この算出値と波形整形手段に入力する信号の3Tピット長とを比較することにより、光ディスクの再生品質を判断するので、RFの3T品質を判断することができる。
また請求項8では、3Tピットの長さは、4Tピット以上の光ピックアップ信号から抽出された再生クロックに同期し、且つ十分早い計測クロックにて計測されるので、計測中に線速が変化した場合であっても、3Tパターンを線速依存せずに計測できる。
また請求項9では、4Tピット以上の光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るローパスフィルタにより行うので、計測中に線速が変化した場合であっても、線速依存せずに4T以上のRFの抽出を行うことができる。
また請求項10では、3Tピットパターンの光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るハイパスフルタにより行うので、計測中に線速が変化した場合であっても、線速依存せずに3TパターンのRFの計測を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
この光ディスク装置700は、図7に示した光ディスク101と、光ディスク101を回転駆動するスピンドルモータ102は省略してある。この光ディスク装置700は、光ピックアップ701と、この光ピックアップ701から出力されたRF信号701aの振幅を増幅、整形する波形整形手段702と、この波形整形手段702により整形された信号波形を2値化する2値化手段705と、この2値化手段705により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段707と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段706と、を備えて構成される。また波形整形手段702に通常の周波数帯域での増幅量を設定するための設定値を記憶するメモリ(通常設定値手段)703と、任意の増幅量を設定するCPU(任意設定値手段)704とを備えている。
次に光ディスク装置700の概略動作について説明する。光ピックアップ701から出力されたRF信号701aは、波形整形手段702に入力され整形される。その際の波形整形手段702の周波数特性は、メモリ703に保持された通常の設定値をロードするか、またはCPU704が直接設定することにより決定される。整形された信号は2値化手段705により“0”または“1”の2値信号705aに変換された後、クロック生成手段707に入力される。生成されたクロック707aは2値信号705aと共に再生処理手段706に入力され、元データに戻りPCへと転送される。
図2は3Tピットが短いディスクからの波形信号を表す図である。波形整形手段702が通常の設定であるときに、3Tのピット長が短い粗悪なディスクを再生すると、図2に実線aで示したように3Tピットに対応する信号振幅が小さくなり、それに応じて2値化後のパルス幅が短くなり、結果としてクロック707aが本来(図中の点線)とは違う位置で検出されてしまう。これでは再生品質が悪くなるばかりでなく、マウントすら出来ない事態も起こりうる。
そこで再生品質が悪い場合、またはマウントが出来なかった場合において、使用しているディスクが3Tピットが短い粗悪なディスクであると判断し、CPU704が波形整形手段702の設定を変更し、通常の設定よりも増幅量を大きくしたり、増幅する周波数帯域を高くしたり、またはその両方を行う。これにより整形後の信号振幅を通常よりも増幅させて、2値化後のパルス幅を長くする。
【0012】
図3は本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
図3が図1と異なる点は、CPU904により波形整形手段902の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段908を追加した点である。この光ディスク装置800は、図7に示した光ディスク101と、光ディスク101を回転駆動するスピンドルモータ102は省略してある。この光ディスク装置800は、光ピックアップ901と、この光ピックアップ901から出力されたRF信号901aの振幅を増幅、整形する波形整形手段902と、振幅測定手段908と、この振幅測定手段908により測定された信号波形を2値化する2値化手段905と、この2値化手段905により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段907と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段906と、を備えて構成される。また波形整形手段902に通常の周波数帯域での増幅量を設定するための設定値を記憶するメモリ(通常設定値手段)903と、任意の増幅量を設定するCPU(任意設定値手段)904とを備えている。
即ち、振幅測定手段908は、波形整形手段902での信号の増幅量が大きすぎる場合、2値化後のパルス幅が逆に基準よりも長くなってしまうという事態が起こりうる。そこで粗悪なディスクであると判断してCPU904が波形整形手段902の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定し、その振幅がある一定のレベルを超えてしまっている場合には、振幅を小さくする方向に波形整形手段902を設定し直すという振幅制御を行う。
【0013】
図4は本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
この光ディスク装置200は、図示しない光ピックアップから出力されたRF信号の振幅を増幅、整形する波形整形手段201と、4Tピット以上のピットを抽出するローパスフィルタ(LPF)202と、その信号を2値信号に変換する2値化回路203と、2値化された信号に基づいてクロックを生成するクロック生成手段204と、3Tピットを抽出するハイパスフィルタ(HPF)205と、その信号を2値信号に変換する2値化回路206と、クロック生成手段204により生成された計測クロック204aと2値化回路206の出力信号に基づいて3Tピットを計測する3T計測手段207と、3T計測手段207により計測された3T長カウント数300と目標値209を比較する比較器208とを備えて構成される。
光ディスクの規格書ではピットとランドの長さを規定しているが、ディスクの高密度化が進むにしたがって形成上の難易度から短いピット(特に3Tピット)が規定を満たさない場合がある(図12参照)。再生時において、短いピットの長さのずれはクロック抽出時には再生クロックの誤差となり、2値化時にはパターン長の誤りとなる。これらは、データ変換時に、再生クロックの誤差とパターン長の誤りのため、結果的にデータの誤りを引き起こす。
【0014】
本実施形態は、RF信号の3Tピットの長さずれによるデータ誤りを軽減させることを目的とする。RF信号の4Tピット以上のピットは、ディスク形成上3Tピットと比較して難易度が低いため、3Tピットを含んだRF信号から抽出された再生クロックの誤差に対して、4Tピット以上のパターンから抽出された再生クロックの誤差は少ない。RF信号の3Tを除く目的でローパスフィルタ202を用いて、3Tピットを除いた4Tピット以上のパターンを含むRF信号を作り、このRF信号からクロック生成手段204を使って再生クロックを抽出する。このクロック生成手段204の位相比較器310で比較する抽出元信号と抽出先信号(発振クロックの分周したもの)において、分周比をN分周器312により変更すれば、クロック生成手段204の発振クロックは、この再生クロックに同期し、かつ十分に早いクロック作ることができる。これを計測クロック204aとする(図6参照)。分周比がNの場合、理想的な3Tパターンを計測クロックで計測すれば、3Nピットになるはずである。PLL311を使うことで、RF信号の線速が変化した場合であっても線速の変化に追従する形で再生クロックが変化するので、再生クロックを元に作られる計測クロック204aによる理想的な3Tパターンの関係は変化しない。RF信号の3Tパターンの整形は、この計測クロックで、整形後のRF信号から3TパターンをHPF205で抽出した信号を2値化した3Tパターンを計測したときに、3Nよりも大きければ強調しすぎなことを示すため強調を減らす方向に、3Nよりも小さければ強調が不十分であることを示すため強調を増やす方向に補正を行う。
またRF信号の4T以上を抽出するLPF202のカットオフ周波数をスイッチングキャパシーを使って再生クロックによって変化させて、線速に変化によらず3T以上の早い信号は減衰させ、4T以下の遅い信号を通過させるようにする。また、RF信号の3T以下を抽出するHPF205のカットオフ周波数もスイッチングキャパシーを使って計測クロックによって変化させて、線速に変化によらず3T以上の早い信号は通過させ、4T以下の遅い信号を減速させるようにする(図5参照)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の3Tピットが短いディスクからの波形信号を表す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図5】本発明のフィルタ特性を示す図である。
【図6】再生、計測クロック生成用PLLのブロック図である。
【図7】従来の光ディスク装置における情報再生系の構成例を示す図である。
【図8】波形整形手段106の周波数−ゲイン特性を表す図である。
【図9】データとクロックの関係を表すタイミングチャートである。
【図10】クロックの検出を説明する図である。
【図11】PLL制御を説明する図である。
【図12】粗悪ディスクと通常のディスクのRF信号のヒストグラムを比較した図である。
【符号の説明】
【0016】
700 光ディスク装置、101 光ディスク、102 スピンドルモータ、701 光ピックアップ、701a RF信号、702 波形整形手段、705 2値化手段、707 クロック生成手段、706 再生処理手段、703 メモリ(通常設定値手段)、704 CPU(任意設定値手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置に関し、さらに詳しくは、標準より短い3Tピットが記録された光ディスクの再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクにおいて、光ディスクに照射するリードパワーが一定の場合であって、ピットとランドでの反射率の違いにより変化するディスクからの反射光の量がRF信号となる。このRF信号の波形は、ピットもしくはランドの形状によって変化する。即ち、形状はディスク生成の方法もしくは生成時の環境によって変化するが、その許容値は規格書で定められた範囲内にあることが望ましいが、一般的にはその範囲を超えるものがある。特にパターンとし定義される最も短いパターンである3Tパターンは成型が難しく範囲外である場合が多い。
図7は従来の光ディスク装置における情報再生系の構成例を示す図である。この光ディスク装置100は、光ディスク100を回転駆動するスピンドルモータ102と、レーザダイオード104、対物レンズ及び受光素子105を備えて光ディスク101にレーザ光を照射するとともに光ディスク101からの反射光を受光しその受光量に応じたRF信号を出力する光ピックアップ103と、この光ピックアップ103から出力されたRF信号の振幅を増幅、整形する波形整形手段106と、この波形整形手段106により整形された信号波形を2値化する2値化手段107と、この2値化手段107により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段108と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生信号処理手段109と、を備えて構成される。
次に光ディスク装置100の概略動作について説明する。CDやDVDのような光ディスク101をスピンドルモータ102に装着し回転駆動させる。回転している光ディスク101に対して、光ピックアップ103内のレーザダイオード104からレーザ104aを照射する。レーザ104aは光ディスク面で反射されるが、この反射量は光ディスク101上のピットの有無およびピットの長さにより変化する。反射光105aは光ピックアップ103内の受光素子105に入射し、入射量に応じた電圧信号に変換されて光ピックアップ103から出力される。この信号はRF信号105bと呼ばれる。
前述したようにRF信号105bはピット長により振幅が異なっており、ピット長の短いものは長いものに比べて振幅が小さくなってしまう。つまり、周波数の高い3T信号の振幅は必然的に小さくなってしまう。そして振幅の小さい信号はノイズなどの影響を受け易く、そのままで再生処理を行うことは困難であるため、信号の振幅が小さくなってしまう3T信号の周波数帯域において振幅を増幅させる手段が必要となる。それが波形整形手段106である。
【0003】
図8は波形整形手段106の周波数−ゲイン特性を表す図である。図8に示すようにブースト周波数やブースト量といった特性値を持っており、内部の設定を変更することにより特性値を操作することが出来る。即ち、ブースト周波数aのときのブースト量aをブースト周波数bに変更することにより、ブースト量bに変更することができる。つまりどの周波数帯域の振幅をどれくらい増幅させるかを操作することが出来る。
そして整形されたRF信号105bは、2値化手段107により2値化される。光ディスク101においてはこの2値(1または0)の反転間隔の組み合わせにデータが記録されているので、“1”が何個、“0”が何個というように数えるためのクロック信号が必要となるが、これを生成するのがクロック生成手段108である。2値信号107aはこのクロック108aとともに再生信号処理手段109に入力され、音楽などの元データに変換される。
図9はデータとクロックの関係を表すタイミングチャートである。図9を参照して前述したクロックとデータの関係について説明する。データは光ディスク101の記録面上にピット101aおよびランド101bとして記録されており、ここにレーザ光を当てると、ランド部101bではほぼ全てのレーザ光が反射されるが、ピット部101aではレーザ光が散乱されるのでランド部101bに比べて反射光の光量が低下する。この反射量を電圧に変換、さらに整形した後、基準電圧(Vref)と比較することにより2値の信号が得られる。この2値の信号から生成したクロックの立ち上がりエッジのタイミングPと、2値信号の立ち上がりエッジのタイミングQとを合わせてやった後、クロックの立ち下がりのタイミングRでデータを読み出している。
【0004】
図10はクロックの検出を説明する図である。クロックの情報を持っているのは整形された2値信号のエッジ部分であるから、2値信号の立ち上がり・立ち下がりエッジを検出してやる。光ディスク上のピットおよびランドは、基本周期(1T)を3倍(3T)から11倍(11T)した9種類の長さで定められているので、あるひとつの立ち上がり(立ち下がり)エッジを検出すると、次は3T後から11T後のどこかで立ち下がり(立ち上がり)エッジが検出されることになる。図10では、まず立ち上がりエッジを検出した場合を示している。この検出を連続して行うことにより、連続したクロックパルスCを生成することが出来る。
図11はPLL制御を説明する図であり、図11(a)はPLL回路のブロック図であり、図11(b)はそのタイミングチャートである。このPLL回路は、クロックのエッジを2値信号のエッジと合わせるために動作する。即ち、PLLでは、まず2値信号とクロックの位相差が位相比較手段501に入力されてその位相が比較される。位相比較手段501は位相差に応じた電圧Vを出力する。さらにこの電圧はVCO(Voltage Controlled Oscillator)502に入力され、VCO502は入力電圧に応じた発振周波数fを出力する。例えば図11(b)のように、2値信号107aに比べてクロック108aの方が位相が遅れている場合、それに応じて位相比較手段の出力電圧Vは上昇し、それに応じてVCO502の出力周波数も上昇し、次のクロックは早く発生し、位相遅れが時間が短くなる方向に制御されることになる。以上のようにして、光ディスク装置では情報を再生するための2値信号とクロックを生成している。
また特開平10−214458号公報には、RF信号イコライザー定数をフレームシンクパルスに追従させて可変とすることで、変速再生時も常に安定したデータ再生を可能とする技術について開示されている。また特開2001−319424公報には、回路の高速性を維持しつつ、スライスレベルの調整機能を小規模の回路面積で実現することができる信号処理回路および半導体集積回路について開示されている。
【特許文献1】特開平10−214458号公報
【特許文献2】特開2001−319424公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、市場にはディスクそのものの製造に問題があるため3Tピットが十分に形成されず、3Tピットの長さが規格よりも短いという粗悪なディスクが流通している。図12は粗悪ディスクと通常のディスクのRF信号のヒストグラムを比較した図である。図12に示しているのは、粗悪なDVD−ROMディスク(a)と通常のDVD−ROMディスク(b)を速度設定2倍CLVで再生中のRF信号を、タイムインターバルアナライザを使用して実際に測定した例である。図の横軸は時間、縦軸は頻度であり、測定対象の信号振幅がある一定のレベルよりも上(または下)となっている期間と、その期間が測定される頻度を示している。DVD−ROMを速度2倍で再生している場合の3Tパルスの幅の規格値は57[nsec]であり、以下4Tは76[nsec]、、、11Tは209[nsec]となっている。図12(b)の通常のディスクにおいては各々の山の中心が前述した時間にあるが、図12(a)の粗悪ディスクにおいては、3Tに相当する山の中心が規格値よりも低いところにあるのが解る。つまり、このディスクは3Tピットが短いということを示している。
前述したように、光ディスクに記録された信号を再生する際には、2値化された信号のエッジの位相とクロックのエッジの位相とが精度良く揃っていることが重要である。しかし、このような粗悪なディスクでは、3Tピットから得られる信号の位相が他のTの位相とそもそも揃っていない。すなわち、3Tピットのエッジで作成された分のクロックについては、他Tのエッジで作成された分のクロックと位相が揃っていないことになる。これでは再生品質が悪くなるばかりでなく、マウントすら出来ない事態も起こりうることを示している。
また特許文献1、2に開示されている従来技術は、3Tピットの長さが短い問題に対して解決を与えるものではなく、本願発明とは主旨を異にするものである。
本発明は、かかる課題に鑑み、簡単な回路構成により、波形整形手段の増幅量を可変とすることにより、3Tピットが規格よりも短い粗悪なディスクを再生する際の再生品質を改善する光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、光源、対物レンズ及び受光素子を備えて光ディスクにレーザ光を照射するとともに前記光ディスクからの反射光を受光しその受光量に応じた電圧信号を出力する光ピックアップと、該光ピックアップから出力された電圧信号を増幅、整形する波形整形手段と、該波形整形手段により整形された信号波形を2値化する2値化手段と、該2値化手段により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段と、前記2値信号と前記再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段と、を備えた光ディスク装置において、前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録されたディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定することを特徴とする。
粗悪ディスクでは3TピットによるRF信号振幅が通常より小さくなってしまうので、本発明では、波形整形手段によりRF信号を増幅する際に、通常の設定値よりも大きく増幅し、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくするものである。
請求項2は、前記波形整形手段は、該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする。
粗悪ディスクでは3Tピットの長さが小さいので、それを読取った場合のRF信号の周波数帯域が通常より高くなってしまう。そこで本発明では、波形整形手段により増幅する際に、通常の設定値よりも高い周波数帯域をねらって増幅し、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくするものである。
請求項3は、前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録された光ディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定すると共に、当該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする。
本発明は請求項1と請求項2を同時に適用して、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくするものである。
【0007】
請求項4は、前記波形整形手段に通常の周波数帯域での増幅量を設定する通常設定値手段と、任意の増幅量を設定する任意設定値手段とを更に備え、前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクのマウントが不可能な場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定してリトライ動作を行うことを特徴とする。
波形整形手段によりRF信号を増幅したり、通常の設定値よりも高い周波数帯域をねらって増幅すると、通常の光ディスクにおいても適用すると逆に性能が悪くなることが懸念される。そこで本発明では、最初に光ディスクをマウントする際に、通常の光ディスクであるという想定のもと波形整形手段の設定を通常通りにしてマウント動作をするが、マウントに失敗した場合にその光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、増幅量を大きくしてマウント動作をリトライするものである。
請求項5は、前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクの再生品質が所定の品質に比べて悪い場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きくして再生処理を続行することを特徴とする。
波形整形手段によりRF信号を増幅したり、通常の設定値よりも高い周波数帯域をねらって増幅すると、通常の光ディスクにおいても適用すると逆に性能が悪くなることが懸念されるので、最初に光ディスクを再生する際に、通常の光ディスクであるという想定のもと波形整形手段の設定を通常通りにして再生するが、そのときの再生品質が悪いときにはその光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、増幅量を大きくして再生を行うものである。
【0008】
請求項6は、前記任意設定値手段により前記波形整形手段の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備え、該振幅測定手段により測定した振幅が所定のレベルを超過した場合に、該振幅を小さくする方向に前記任意設定値手段の設定値を設定し直すことを特徴とする。
3Tピット信号振幅を増幅し過ぎると、逆に再生品質が悪化することが懸念されるので、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備え、RF信号振幅がある一定のレベルを超えないようにするものである。
請求項7は、前記光ディスクの再生品質は、前記3Tピットを除いた4Tピット以上の出力信号から抽出されるクロックから前記3Tピットに相当する長さを算出し、該算出値と前記波形整形手段に入力する信号の3Tピット長とを比較することにより判断することを特徴とする。
RF信号の4Tピット以上は3Tピットと比較してピットの成型が容易なため、これらから抽出された再生クロックは3Tピットを含んだRF信号から抽出した再生クロックに比べて信頼性が高い。RF信号の4Tピット以上の再生クロックから作られた3Tピットの長さを目標値として、RF信号の3Tピット長の計測と比較することで、3Tピット品質を判断するものである。
【0009】
請求項8は、前記3Tピットの長さは、4Tピット以上の光ピックアップ信号から抽出された再生クロックに同期し、且つ十分早い計測クロックにて計測されることを特徴とする。
計測クロックをRF信号から抽出されたクロックに同期させて、抽出クロックが変化した場合は、計測クロック自体も変化させる。この計測クロックを使って請求項7による計測をおこなう。
請求項9は、前記4Tピット以上の光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るローパスフィルタにより行うことを特徴とする。
RF信号から抽出されるクロックによってカットオフ周波数を変更するLPFを使って、RF信号の4Tピット以上の抽出を行う。
請求項10は、前記3Tピットパターンの光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るハイパスフルタにより行うことを特徴とする。
RF信号から抽出されるクロックによってカットオフ周波数を変更するHPFを使って、3TピットパターンのRF信号を抽出して計測を行う。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録されたディスクを再生するために、この3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定するので、2値化後のパルス幅が短くなってしまう事態を改善することができる。
また請求項2では、波形整形手段は、増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定するので、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくして2値化後のパルス幅が短くなってしまう事態を改善することができる。
また請求項3では、3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定すると共に、増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定するので、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくして2値化後のパルス幅が短くなってしまう事態を改善することができる。
また請求項4では、波形整形手段に通常の周波数帯域での増幅量を設定する通常設定値手段と、任意の増幅量を設定する任意設定値手段とを更に備えたので、マウントに失敗した場合にその光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、増幅量を大きくしてマウント動作をリトライすることにより、リトライの成功率を高めることができる。
また請求項5では、波形整形手段は、光ディスクの再生品質が所定の品質に比べて悪い場合、光ディスクは粗悪なディスクであると判断して、任意設定値手段によりこの3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きくして再生処理を続行するので、再生処理が中断されることを防ぐことができる。
また請求項6では、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備えたので、RF信号振幅がある一定のレベルを超えないようにすることができる。
また請求項7では、3Tピットを除いた4Tピット以上の出力信号から抽出されるクロックから3Tピットに相当する長さを算出し、この算出値と波形整形手段に入力する信号の3Tピット長とを比較することにより、光ディスクの再生品質を判断するので、RFの3T品質を判断することができる。
また請求項8では、3Tピットの長さは、4Tピット以上の光ピックアップ信号から抽出された再生クロックに同期し、且つ十分早い計測クロックにて計測されるので、計測中に線速が変化した場合であっても、3Tパターンを線速依存せずに計測できる。
また請求項9では、4Tピット以上の光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るローパスフィルタにより行うので、計測中に線速が変化した場合であっても、線速依存せずに4T以上のRFの抽出を行うことができる。
また請求項10では、3Tピットパターンの光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るハイパスフルタにより行うので、計測中に線速が変化した場合であっても、線速依存せずに3TパターンのRFの計測を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
この光ディスク装置700は、図7に示した光ディスク101と、光ディスク101を回転駆動するスピンドルモータ102は省略してある。この光ディスク装置700は、光ピックアップ701と、この光ピックアップ701から出力されたRF信号701aの振幅を増幅、整形する波形整形手段702と、この波形整形手段702により整形された信号波形を2値化する2値化手段705と、この2値化手段705により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段707と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段706と、を備えて構成される。また波形整形手段702に通常の周波数帯域での増幅量を設定するための設定値を記憶するメモリ(通常設定値手段)703と、任意の増幅量を設定するCPU(任意設定値手段)704とを備えている。
次に光ディスク装置700の概略動作について説明する。光ピックアップ701から出力されたRF信号701aは、波形整形手段702に入力され整形される。その際の波形整形手段702の周波数特性は、メモリ703に保持された通常の設定値をロードするか、またはCPU704が直接設定することにより決定される。整形された信号は2値化手段705により“0”または“1”の2値信号705aに変換された後、クロック生成手段707に入力される。生成されたクロック707aは2値信号705aと共に再生処理手段706に入力され、元データに戻りPCへと転送される。
図2は3Tピットが短いディスクからの波形信号を表す図である。波形整形手段702が通常の設定であるときに、3Tのピット長が短い粗悪なディスクを再生すると、図2に実線aで示したように3Tピットに対応する信号振幅が小さくなり、それに応じて2値化後のパルス幅が短くなり、結果としてクロック707aが本来(図中の点線)とは違う位置で検出されてしまう。これでは再生品質が悪くなるばかりでなく、マウントすら出来ない事態も起こりうる。
そこで再生品質が悪い場合、またはマウントが出来なかった場合において、使用しているディスクが3Tピットが短い粗悪なディスクであると判断し、CPU704が波形整形手段702の設定を変更し、通常の設定よりも増幅量を大きくしたり、増幅する周波数帯域を高くしたり、またはその両方を行う。これにより整形後の信号振幅を通常よりも増幅させて、2値化後のパルス幅を長くする。
【0012】
図3は本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
図3が図1と異なる点は、CPU904により波形整形手段902の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段908を追加した点である。この光ディスク装置800は、図7に示した光ディスク101と、光ディスク101を回転駆動するスピンドルモータ102は省略してある。この光ディスク装置800は、光ピックアップ901と、この光ピックアップ901から出力されたRF信号901aの振幅を増幅、整形する波形整形手段902と、振幅測定手段908と、この振幅測定手段908により測定された信号波形を2値化する2値化手段905と、この2値化手段905により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段907と、2値信号と再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段906と、を備えて構成される。また波形整形手段902に通常の周波数帯域での増幅量を設定するための設定値を記憶するメモリ(通常設定値手段)903と、任意の増幅量を設定するCPU(任意設定値手段)904とを備えている。
即ち、振幅測定手段908は、波形整形手段902での信号の増幅量が大きすぎる場合、2値化後のパルス幅が逆に基準よりも長くなってしまうという事態が起こりうる。そこで粗悪なディスクであると判断してCPU904が波形整形手段902の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定し、その振幅がある一定のレベルを超えてしまっている場合には、振幅を小さくする方向に波形整形手段902を設定し直すという振幅制御を行う。
【0013】
図4は本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
この光ディスク装置200は、図示しない光ピックアップから出力されたRF信号の振幅を増幅、整形する波形整形手段201と、4Tピット以上のピットを抽出するローパスフィルタ(LPF)202と、その信号を2値信号に変換する2値化回路203と、2値化された信号に基づいてクロックを生成するクロック生成手段204と、3Tピットを抽出するハイパスフィルタ(HPF)205と、その信号を2値信号に変換する2値化回路206と、クロック生成手段204により生成された計測クロック204aと2値化回路206の出力信号に基づいて3Tピットを計測する3T計測手段207と、3T計測手段207により計測された3T長カウント数300と目標値209を比較する比較器208とを備えて構成される。
光ディスクの規格書ではピットとランドの長さを規定しているが、ディスクの高密度化が進むにしたがって形成上の難易度から短いピット(特に3Tピット)が規定を満たさない場合がある(図12参照)。再生時において、短いピットの長さのずれはクロック抽出時には再生クロックの誤差となり、2値化時にはパターン長の誤りとなる。これらは、データ変換時に、再生クロックの誤差とパターン長の誤りのため、結果的にデータの誤りを引き起こす。
【0014】
本実施形態は、RF信号の3Tピットの長さずれによるデータ誤りを軽減させることを目的とする。RF信号の4Tピット以上のピットは、ディスク形成上3Tピットと比較して難易度が低いため、3Tピットを含んだRF信号から抽出された再生クロックの誤差に対して、4Tピット以上のパターンから抽出された再生クロックの誤差は少ない。RF信号の3Tを除く目的でローパスフィルタ202を用いて、3Tピットを除いた4Tピット以上のパターンを含むRF信号を作り、このRF信号からクロック生成手段204を使って再生クロックを抽出する。このクロック生成手段204の位相比較器310で比較する抽出元信号と抽出先信号(発振クロックの分周したもの)において、分周比をN分周器312により変更すれば、クロック生成手段204の発振クロックは、この再生クロックに同期し、かつ十分に早いクロック作ることができる。これを計測クロック204aとする(図6参照)。分周比がNの場合、理想的な3Tパターンを計測クロックで計測すれば、3Nピットになるはずである。PLL311を使うことで、RF信号の線速が変化した場合であっても線速の変化に追従する形で再生クロックが変化するので、再生クロックを元に作られる計測クロック204aによる理想的な3Tパターンの関係は変化しない。RF信号の3Tパターンの整形は、この計測クロックで、整形後のRF信号から3TパターンをHPF205で抽出した信号を2値化した3Tパターンを計測したときに、3Nよりも大きければ強調しすぎなことを示すため強調を減らす方向に、3Nよりも小さければ強調が不十分であることを示すため強調を増やす方向に補正を行う。
またRF信号の4T以上を抽出するLPF202のカットオフ周波数をスイッチングキャパシーを使って再生クロックによって変化させて、線速に変化によらず3T以上の早い信号は減衰させ、4T以下の遅い信号を通過させるようにする。また、RF信号の3T以下を抽出するHPF205のカットオフ周波数もスイッチングキャパシーを使って計測クロックによって変化させて、線速に変化によらず3T以上の早い信号は通過させ、4T以下の遅い信号を減速させるようにする(図5参照)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の3Tピットが短いディスクからの波形信号を表す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す図である。
【図5】本発明のフィルタ特性を示す図である。
【図6】再生、計測クロック生成用PLLのブロック図である。
【図7】従来の光ディスク装置における情報再生系の構成例を示す図である。
【図8】波形整形手段106の周波数−ゲイン特性を表す図である。
【図9】データとクロックの関係を表すタイミングチャートである。
【図10】クロックの検出を説明する図である。
【図11】PLL制御を説明する図である。
【図12】粗悪ディスクと通常のディスクのRF信号のヒストグラムを比較した図である。
【符号の説明】
【0016】
700 光ディスク装置、101 光ディスク、102 スピンドルモータ、701 光ピックアップ、701a RF信号、702 波形整形手段、705 2値化手段、707 クロック生成手段、706 再生処理手段、703 メモリ(通常設定値手段)、704 CPU(任意設定値手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源、対物レンズ及び受光素子を備えて光ディスクにレーザ光を照射するとともに前記光ディスクからの反射光を受光しその受光量に応じた電圧信号を出力する光ピックアップと、該光ピックアップから出力された電圧信号を増幅、整形する波形整形手段と、該波形整形手段により整形された信号波形を2値化する2値化手段と、該2値化手段により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段と、前記2値信号と前記再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録されたディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記波形整形手段は、該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録された光ディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定すると共に、当該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記波形整形手段に通常の周波数帯域での増幅量を設定する通常設定値手段と、任意の増幅量を設定する任意設定値手段とを更に備え、
前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクのマウントが不可能な場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定してリトライ動作を行うことを特徴とする請求項1又は3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクの再生品質が所定の品質に比べて悪い場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きくして再生処理を続行することを特徴とする請求項1又は3に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記任意設定値手段により前記波形整形手段の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備え、該振幅測定手段により測定した振幅が所定のレベルを超過した場合に、該振幅を小さくする方向に前記任意設定値手段の設定値を設定し直すことを特徴とする請求項1又は5に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記光ディスクの再生品質は、前記3Tピットを除いた4Tピット以上の出力信号から抽出されるクロックから前記3Tピットに相当する長さを算出し、該算出値と前記波形整形手段に入力する信号の3Tピット長とを比較することにより判断することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記3Tピットの長さは、4Tピット以上の光ピックアップ信号から抽出された再生クロックに同期し、且つ十分早い計測クロックにて計測されることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
前記4Tピット以上の光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るローパスフィルタにより行うことを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
前記3Tピットパターンの光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るハイパスフルタにより行うことを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項1】
光源、対物レンズ及び受光素子を備えて光ディスクにレーザ光を照射するとともに前記光ディスクからの反射光を受光しその受光量に応じた電圧信号を出力する光ピックアップと、該光ピックアップから出力された電圧信号を増幅、整形する波形整形手段と、該波形整形手段により整形された信号波形を2値化する2値化手段と、該2値化手段により2値化された信号のエッジを検出して再生クロックを生成するクロック生成手段と、前記2値信号と前記再生クロックを使用して再生データを生成する再生処理手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録されたディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記波形整形手段は、該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記波形整形手段は、標準的な光ディスクに比べて3Tピット長が短く記録された光ディスクを再生するために、当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定すると共に、当該波形整形手段により増幅する狙いの周波数帯域を標準的なディスク再生時の周波数帯域に比べて高い周波数帯域に設定することにより、整形後の3Tパルス幅の平均値を大きくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記波形整形手段に通常の周波数帯域での増幅量を設定する通常設定値手段と、任意の増幅量を設定する任意設定値手段とを更に備え、
前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクのマウントが不可能な場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きく設定してリトライ動作を行うことを特徴とする請求項1又は3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記波形整形手段は、前記通常設定値手段により3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に設定後、光ディスクの再生品質が所定の品質に比べて悪い場合、前記光ディスクに記録されている3Tピットが標準的な光ディスクの3Tピットに比べて短いと判断して、前記任意設定値手段により当該3Tピット長に対する周波数帯域の増幅量を通常の設定値に比べて大きくして再生処理を続行することを特徴とする請求項1又は3に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記任意設定値手段により前記波形整形手段の設定を変更した後に、増幅された信号振幅を測定する振幅測定手段を更に備え、該振幅測定手段により測定した振幅が所定のレベルを超過した場合に、該振幅を小さくする方向に前記任意設定値手段の設定値を設定し直すことを特徴とする請求項1又は5に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記光ディスクの再生品質は、前記3Tピットを除いた4Tピット以上の出力信号から抽出されるクロックから前記3Tピットに相当する長さを算出し、該算出値と前記波形整形手段に入力する信号の3Tピット長とを比較することにより判断することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記3Tピットの長さは、4Tピット以上の光ピックアップ信号から抽出された再生クロックに同期し、且つ十分早い計測クロックにて計測されることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
前記4Tピット以上の光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るローパスフィルタにより行うことを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
前記3Tピットパターンの光ピックアップ信号の抽出は、抽出された光ピックアップ信号に同期したクロックによってカットオフ周波数が変るハイパスフルタにより行うことを特徴とする請求項7に記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−40438(P2006−40438A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220324(P2004−220324)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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